35回
2025/10 訪問
【★5.0】秋のオールスター2025年【2169-35】
2025.10 前菜盛り合わせ 9種類
2025.10 前菜盛り合わせ 9種類
2025.10 霞ヶ浦産天然すっぽん薄蒸し
2025.10 常磐沖産ホウボウお造りと常磐沖産穴子の焼き霜
2025.10 常磐沖産鰆(さわら)藁焼き 芥子添え
2025.10 子持ち鮎油煮焼き 丸十レモン煮 みょうが甘酢漬け
2025.10 ホロホロ鳥の炭火焼き(もも肉とむね肉)
2025.10 ホロホロ鳥の炭火焼き(白レバーと砂肝)
2025.10 ナメコみぞれ和え
2025.10 茸春巻き(アカヤマドリタケとヤマドリタケ)
2025.10 冷やし煮物(小芋、ミニトマト、オクラ、蓮根、ズッキーニ、打ち茗荷、胡麻ダレ)
2025.10 翡翠茄子そぼろ掛け(チタケ、土浦産翡翠茄子、常陸国天然まがも)
2025.10 天然茸と蕎麦の実の雑炊(ハナイグチ、ムキタケ、香茸、筑西市産常磐秋そば)
2025.10 天然茸ご飯(マスタケ、ホンシメジ、香茸、ムラサキシメジ、ヌメリササタケ、ハツタケ、舞茸、キクラゲ)
2025.10 焼き葛餅
2025.10 メニュー
2025/10/21 更新
2025/09 訪問
【★5.0】わかば屋さん4.5kgサイズ天然舞茸【2169-34】
588文字★
東京から茨城県に来ております。
わかば屋さん会心の仕入れ「4.5kgサイズ天然舞茸」が圧倒的な存在感。
地物イノシシのバラ肉と合わせた焼き物や天ぷらで堪能しましたが、
ジビエならでは軽やかながら力強い脂を吸った舞茸が本日の白眉といった美味しさ。
久しぶりにメジ節を使ったというバカマツタケにホロホロ鳥白湯の汁物コンビ、
旨味が渾然一体となった炊き込みご飯も相変わらず素晴らしかったです。
テロワールとは全く関係ないですが今年は豊漁と言われる秋刀魚も間違いない美味しさ。
・長月 御献立
01.ミズの実とキクラゲの煮浸し
02.前菜(芥子茄子、鯖燻製、しその穂オクラ、冬瓜、白魚蓮根、おおまさり、鴨生ハム)
03.バカマツタケの小吸い物(吸い地はメジ節と昆布)
04.お造り
04-1.常磐沖産伊勢海老昆布〆
04-2.根室産秋刀魚
05.伊勢海老アカヤマドリタケソース
06.八郷産イノシシと舞茸
07.天ぷら(舞茸、蓮根、牛蒡、丸十)
08.しま瓜ゼリー酢
09.茄子田楽茸味噌(チチタケ、ヒラタケ、クロカワ、ハツタケ、ウラベニホテイシメジ)
10.お食事
10-1.茸ご飯(アカヤマドリタケ、シャカシメジ、ショウゲンジ、ヌメリササタケ、ムラサキヤマドリタケ)
10-2.ホロホロ鳥の白湯スープ
10-3.香の物(キャベツ)
11.土浦産栗のブリュレ|熱い緑茶
2025.9 わかば屋さん4.5kgサイズ天然舞茸
2025.9 ミズの実とキクラゲの煮浸し
2025.9 前菜(芥子茄子、鯖燻製、しその穂オクラ、冬瓜、白魚蓮根、おおまさり、鴨生ハム)
2025.9 バカマツタケの小吸い物(吸い地はメジ節と昆布)
2025.9 常磐沖産伊勢海老昆布〆
2025.9 根室産秋刀魚
2025.9 伊勢海老アカヤマドリタケソース
2025.9 八郷産イノシシと舞茸
2025.9 天ぷら(舞茸、蓮根、牛蒡、丸十)
2025.9 しま瓜ゼリー酢
2025.9 茄子田楽茸味噌(チチタケ、ヒラタケ、クロカワ、ハツタケ、ウラベニホテイシメジ)
2025.9 茸ご飯(アカヤマドリタケ、シャカシメジ、ショウゲンジ、ヌメリササタケ、ムラサキヤマドリタケ)
2025.9 お食事
2025.9 土浦産栗のブリュレ
2025.9 メニュー
2025/10/02 更新
2025/09 訪問
【★5.0】やっぱり揚げ物が好き【2169-33】
1,112文字★
東京から茨城県に来ております。
同店(4.09)の定番から新作まで初秋の料理を色々と堪能したのですが、
この日のTOP3を挙げれば、那珂川の天然鮎、ヤマドリタケの春巻き、そぼろ茄子。
揚げれば何でも美味しく感じる筆者の嗜好が反映されているかも知れません。
レストランオオツ(4.36)にも納品している那珂川の若い川漁師が獲った天然鮎。
獲れ過ぎて在庫が余っているということで同店もお手伝いしたようですが、
バターを思わせる芳醇な香りが漂って、フレンチ顔負け骨まで丸ごと美味しい。
オオツで那珂川の天然鮎は骨が硬く肝は苦いと伺ったのですが、
油煮つまりコンフィのように調理することで十分に食べ易くなっていました。
オオツでは上述の理由から身を切り分けて調理していましたが、
やはり鮎は骨ごと食べるほうが旨味が強くて美味しいように思います。
逗子の中華で食べた「ヤマドリタケの春巻き」が美味しかったので同店にリクエスト。
ホロホロ鳥の白湯を餡にしており、ムラサキヤマドリタケも入っています。
塩が少し強いのは気になりましたがキノコの食感を残す仕立てで、
同店で食べた春巻きの中でも上位の満足感ではないでしょうか。
そぼろ茄子の「そぼろ」が常陸国天然まがもや天然キノコという贅沢仕様。
シットリ感を残す火入れで爽やかながら旨味鮮烈。
茄子は揚げ浸しのように油をたっぷり吸っており爽やかなそぼろと合います。
リクエストした焼きすっぽんと薄蒸し(茶碗蒸し)のすっぽんですが、
前月に食べた唐揚げとお椀が同店のすっぽん料理ツートップという評価は揺るがず。
念願のバターソテーで食べた天然茸、しかし前月のムラサキヤマドリタケのほうが格上。
イタリア産のポルチーニがハイスコア予約困難店で出てきましたが、
ムラサキヤマドリタケのあの衝撃の前には霞んでしまっております。
・長月 テロワールコース 御献立
01.ツルムラサキとキクラゲの煮浸し
02.前菜(芥子茄子、鯖燻製、しその穂オクラ、素麺南瓜、白魚蓮根、おおまさり、鴨生ハム)
03.霞ヶ浦産天然すっぽん薄蒸し
04.お造り
04-1.山野水産霞ヶ浦産鯉洗い 行者大蒜醤油 酢味噌
04-2.常磐沖産伊勢海老昆布〆
04-3.常磐沖産穴子(左側が熟成8日目で右側が前日夕方〆)
05.焼きすっぽん
06.那珂川産天然鮎油煮焼き
07.天然茸のソテー
08.ヤマドリタケ春巻き
09.ヌメリササタケみぞれ和え
10.緑茄子そぼろ掛け(チタケ、ヒラタケ、タマゴタケ、常陸国天然まがも)
11.天然茸蕎麦粥|香の物(きゅうりと瓜)
12.ほうじ茶ゼリー マスカ・サーティーン
2025.9 ツルムラサキとキクラゲの煮浸し
2025.9 前菜(芥子茄子、鯖燻製、しその穂オクラ、素麺南瓜、白魚蓮根、おおまさり、鴨生ハム)
2025.9 前菜(芥子茄子、鯖燻製、しその穂オクラ、素麺南瓜、白魚蓮根、おおまさり、鴨生ハム)
2025.9 霞ヶ浦産天然すっぽん薄蒸し
2025.9 山野水産霞ヶ浦産鯉洗い 行者大蒜醤油 酢味噌
2025.9 常磐沖産伊勢海老昆布〆
2025.9 常磐沖産穴子(左側が熟成8日目で右側が前日夕方〆)
2025.9 焼きすっぽん
2025.9 那珂川産天然鮎油煮焼き
2025.9 天然茸のソテー
2025.9 ヤマドリタケ春巻き
2025.9 ヌメリササタケみぞれ和え
2025.9 緑茄子そぼろ掛け(チタケ、ヒラタケ、タマゴタケ、常陸国天然まがも)
2025.9 天然茸蕎麦粥
2025.9 ほうじ茶ゼリー マスカ・サーティーン
2025.9 メニュー
2025/09/21 更新
2025/08 訪問
【★5.0】昆布も鰹節も不使用!山の食材だけでフルコース!!【2169-32】
2,396文字★
東京から茨城県に来ております。
ご主人曰く本日は山の食材だけでコースを組んだそうで昆布も鰹節も一切不使用。
出汁に頼らない料理といえば西麻布のミシュラン二つ星「明寂(4.37)」が有名ですが、
その明寂でも後半の料理には一番出汁を使っていました。
野菜出汁や素材を由来とする旨味だけで圧巻のコースを繰り広げる同店(4.12)恐るべし。
おまかせコース48,400円となる明寂に対して本日は予算1万円台でお願いしたのですが、
3万円ぐらい安いのに明寂を凌駕する満足感を得られて驚愕しました。
仮に料理人の技量が同格としても港区の西麻布ではなくて茨城県の土浦に在る同店。
テロワールにこだわることで差額を埋めるどころか逆転してしまったものと思料。
霞ヶ浦(茨城県)の天然すっぽん、茨城県の誇る地鶏ブランド奥久慈しゃも、
茨城県の採り子さんが朝に届けてくださった夏キノコ。
ふわっふわで旨味が大爆発するムラサキヤマドリタケなんて東京では出会えない希少食材。
すっぽんを東京で食べると万単位の金額が飛んでしまいますし、
地鶏の焼き鳥も都心で食べれば今や2万円3万円が当たり前の時代。
おまかせ5万円ぐらいの和食店レベルの天然すっぽん料理、
串打ちはしないけどコース2万円ぐらいの高級焼き鳥レベルの奥久慈しゃも、
そして都内では食べることすら叶わない採れ立てムラサキヤマドリタケ。
全て味わえて1万円台(しかも土浦なので東京からの交通費も安いです)。
世の中は港区の西麻布というブランド立地で食べることに価値があったり、
ガイドブックに載っていることに価値があったり、
高い金額だから美味しいと思う人が多かったりするのでライト層向けではないのでしょうけど、
マニアックに食を楽しみたい人にとっての桃源郷が土浦にございます。
・葉月 テロワールコース 御献立
01.冷やし薄蒸し(茶碗蒸し)白魚(小沼水産霞ヶ浦産白魚)餡 トマト 胡瓜 モロヘイヤ
02.夏野菜9種類の前菜盛り合わせ
02-1.新蓮根
02-2.オクラ
02-3.ゴーヤ肉味噌
02-4.ビーツ蒸し焼き
02-5.パプリカ
02-6.冬瓜
02-7.瓜ゼリー酢
02-8.オクラの花
02-9.とうもろこしかき揚
03.霞ヶ浦産天然すっぽんと長葱の小吸物
04.山野水産霞ヶ浦産鯉錦和え
05.奥久慈しゃも炭火焼き
05-1.ささみ ハツ 砂肝
05-2.もも肉 胸肉
05-3.あしらい(杏子蜜煮、赤玉葱土佐酢漬け)
05-4.ぼんじり 手羽
06.霞ヶ浦産天然すっぽん唐揚げ
07.八寸
07-1.秘密の茸
07-2.ずんだ和え
07-3.キクラゲとツルムラサキお浸し
07-4.ムラサキヤマドリタケ
08.鯉香味ソース
09.お食事
09-1.茸ご飯(アカヤマドリタケ、ヤマドリタケ、ショウゲンジ、フウセンタケ、アンズタケ)
09-2.奥久慈しゃも白湯スープ
09-3.香の物(キャベツ)
10.梅ゼリー(土浦産南高梅)|熱い焙じ茶
まずは濃厚クリーミー冷製の薄蒸し(茶碗蒸し)。
食べログのアワードに輝く高級鮨店でおつまみに茶碗蒸しが出てくることがありますが、
そういう専門外の茶碗蒸し(酷いときは鬆が立っています)とは異なる本職の味わい。
春の山菜前菜、秋のキノコ前菜と比べてしまうと、特別感には欠ける夏野菜の前菜。
しかし生から細かくカットして塩しただけなのに異常に美味しい冬瓜など、
(同席者の1人は胡麻油で炒めているのではないかと思ったぐらいです)
昆布も鰹節も使っていないのに夏野菜を引き立てていました。
すっぽんはお椀と唐揚げの2通り。
骨を抜いた腕肉とエンペラの入ったお椀が抜群に美味しい。
すっぽん専門店で食べる鍋ほどボリュームはない「小」吸物ですが吸い地の味わいが格別。
多数の入荷があってそうで唐揚げは1人に首1つという超贅沢仕様。
骨を抜いた首の、筋肉質で旨味に富む肉、トロリ蕩けるゼラチン質、超絶に美味しい。
おまかせ12万円の都心某店(1.2万円ではなくて12万円)で食べた唐揚げに匹敵する満足感。
去年も霞ヶ浦の天然すっぽんを食べましたが今年のほうがレベルアップしています。
水戸のレストランオオツ(4.36)で筒焼きを食べて天然うなぎは焼く気が失せたそうですが、
すっぽんに関してはレストランオオツで食べた天然すっぽんのフランを凌駕。
ご主人曰く来年は筒焼きに挑戦するかも知れないそうで期待しております。
某有名焼き鳥店で、地鶏の中で脂が最も少ない地鶏、と伺った奥久慈しゃも。
ちなみに脂が多いほうの地鶏が比内地鶏。
ジャフラトレーディングのホロホロ鳥も比内地鶏と同じく脂が強いです。
内臓に関してレバーはあまり美味しくなくて、ご主人曰く砂肝が一番美味しいとのこと。
親交の深いHAGI(4.46)萩シェフから川俣シャモの熟成方法など伝授されたそうですが、
3日ぐらい熟成するのが奥久慈しゃもには適しているそう。
ホロホロ鳥とはまた異なる「しゃも」ならではの筋肉質な味わいが高級焼き鳥殺し。
そして本日の白眉と思ったムラサキヤマドリタケの炒め物。
今朝届いたばかりの新鮮さゆえか、ふわっふわでトロットロに蕩けます。
ポルチーニの近縁種となるキノコですがポルチーニ系の旨味が口の中で大爆発。
キノコの炒め物で過去最高クラスではないかと思う圧巻の美味しさ。
最後はアカヤマドリタケにヤマドリタケといったポルチーニの近縁種で炊き込みご飯。
キノコと米だけなのに異常な美味しさ。
清湯を取ってから白湯も取って合わせたという奥久慈しゃもスープも高級焼き鳥殺し。
今までは春や秋に比べると夏の同店は少し落ちるような印象でしたが、
すっぽん、奥久慈しゃも、夏キノコで、春や秋に負けなくなりました。
2025.8 夏キノコ
2025.8 冷やし薄蒸し(茶碗蒸し)白魚(小沼水産霞ヶ浦産白魚)餡 トマト 胡瓜 モロヘイヤ
2025.8 夏野菜9種類の前菜盛り合わせ
2025.8 霞ヶ浦産天然すっぽんと長葱の小吸物
2025.8 山野水産霞ヶ浦産鯉錦和え
2025.8 奥久慈しゃも炭火焼き(ささみ ハツ 砂肝)
2025.8 奥久慈しゃも炭火焼き(もも肉 胸肉)
2025.8 奥久慈しゃも炭火焼き(ぼんじり 手羽)
2025.8 霞ヶ浦産天然すっぽん唐揚げ
2025.8 八寸
2025.8 鯉香味ソース
2025.8 茸ご飯(アカヤマドリタケ、ヤマドリタケ、ショウゲンジ、フウセンタケ、アンズタケ)
2025.8 お食事
2025.8 梅ゼリー(土浦産南高梅)
2025.8 メニュー
2025/10/03 更新
2025/05 訪問
【★5.0】良し鳥(よしちょう)【2169-31】
1,022文字★
東京から茨城県に来ております。
3ヶ月連続で同店(4.15)の山菜料理を楽しんでおりますが、
しおで(山のアスパラガス)、あいこ(ミヤマイラクサ)、しどけ(モミジガサ)、
東北地方で珍重される山菜が数多く登場するようになってきました。
この日に食べた料理のTOP3が、ホロホロ鳥のお椀、穴子のタタキ、マガモご飯。
出荷制限が少し緩和されたようで僅かながら入手可能となったホロホロ鳥。
レバーやハツといった希少部位は出ていませんが、
胸肉と腿肉をレアーに火入れ、吸い地と合わせることでもパサつかずジューシーに。
春の同店は蛤(はまぐり)のお椀も全国屈指に美味しいので悩ましいですが、
ホロホロ鳥のお椀もまた茨城県まで足を伸ばす価値ある料理でしょう。
(かすみがうら市のジャフラトレーディングという業者さんが育てています。)
穴子のタタキは過去何度も言及しているので割愛するとして、
ジビエの天然マガモを新玉葱や行者にんにくに合わせた炊き込みご飯が意外なヒット。
おそらく冬の狩猟期に獲ったマガモの、中落ちのような端肉ですが、
脂がたっぷり乗っているのに野鳥ならでは軽やかな味わいで旨味も鮮烈。
この日はホロホロ鳥やマガモといった「鳥」が特に良かったですが、
茨城県の誇る地鶏である奥久慈しゃもを仕入れることも可能だそうで、
ご主人が奥久慈しゃもをどう調理するのかも気になるところ。
・皐月 茨城テロワールコース
1.わかば屋さんナルコユリ ゆずもファーム産うすい豆
2.山菜前菜
2-01.うるいゼリー酢
2-02.筍麹漬
2-03.かたくり白煮
2-04.こぶし浸し
2-05.しおで浸し
2-06.あいこ酢侵し
2-07.しどけ胡麻和え
2-08.うど木の芽和え
2-09.こしあぶら味噌
2-10.行者にんにく辛子酢味噌
3.ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥と天然山菜のお椀
4.お造り
4-1.常磐沖産 穴子(手前が前日〆、奥が1週間熟成)
4-2.常磐沖産 平目えんがわ棒寿司
5.焼き物
5-1.久慈浜産 目光一夜干し
5-2.霞ヶ浦産天然鰻 蒲焼きと肝焼き
6.揚げ物
6-1.山菜春巻き
6-2.山菜天ぷら(たらの芽、ハリギリ、山葡萄の葉)
7.八郷産猪の花山椒煮込み
8.お食事
8-1.香の物(新玉葱と春キャベツ)
8-2.天然ヒラタケのお味噌汁
8-3.常陸国天然まがもと新玉葱ご飯
9.絹羊羹|熱い煎茶
2025.5 わかば屋さんナルコユリ ゆずもファーム産うすい豆
2025.5 山菜前菜
2025.5 山菜前菜
2025.5 ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥と天然山菜のお椀
2025.5 常磐沖産 穴子(手前が前日〆、奥が1週間熟成)
2025.5 常磐沖産 平目えんがわ棒寿司
2025.5 久慈浜産 目光一夜干し
2025.5 霞ヶ浦産天然鰻 蒲焼きと肝焼き
2025.5 山菜春巻き
2025.5 山菜天ぷら(たらの芽、ハリギリ、山葡萄の葉)
2025.5 八郷産猪の花山椒煮込み
2025.5 常陸国天然まがもと新玉葱ご飯
2025.5 お食事
2025.5 絹羊羹
2025.5 メニュー
2025/05/27 更新
2025/04 訪問
【★5.0】特Sサイズ!タラの芽【2169-30】
1,878文字★
東京から茨城県に来ております。
女化たけのこ園(茨城県牛久市)の筍(孟宗竹)。
わかば屋(茨城県土浦市)山内さんから届いた特Sサイズのタラの芽(山菜の王様)。
春のテロワール食材によって同店(4.13)のコース内容が全国屈指といった素晴らしさに。
この日はランチが同店、ディナーがオオツ(4.36)、茨城県の黄金コースだったのですが、
オオツで食べた最高級ブランド合馬産の筍すら凌駕する美味しさに驚きました。
春という季節(天)、テロワールならでは地の利(地)、採り子の山内さん(人)。
「天地人」に加えてご主人の調理技術の高さがこの結果を生み出したのでしょう。
なお夜にオオツの予約を入れているのでショートやハーフといった感じで打診したのですが、
ショートでもなければ(滞在3時間を優に超える)ハーフでもなかったです。
最後のお食事は「炊き込みご飯」に加えてメニューに書いていない「天バラ」まで出てくる始末。
・卯月御献立
1.山菜前菜
1-1.こごみゼリー酢
1-2.蕗の薹白和え
1-3.うど金平
1-4.二輪草浸し
1-5.甘草白煮
1-6.わらび浸し
1-7.シャク(ヤマニンジン)おから和え
1-8.葉わさび煮浸し
1-9.芥子酢味噌和え(土筆、浅葱、野蒜)
2.鹿嶋産蛤(はまぐり)と胡麻豆腐のお椀
3.お造り
3-1.山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)錦和え
3-2.常磐沖産穴子(左が熟成1週間で右が前日〆)|常磐沖産鮃(ひらめ)エンガワ
4-1.牛久女化たけのこ園 焼き筍
4-2.斎藤川魚店霞ヶ浦産天然小鰻(うなぎ)蒲焼き
5.山菜天ぷら
5-1.筍とコシアブラ
5-2.うどとこごみ
5-3.特Sサイズのタラの芽
6.八郷産天然猪(いのしし)花山椒角煮
7.お食事
7-1.天バラ(山菜の掻き揚げと塩昆布)
7-2.香の物(春キャベツの浅漬け)
7-3.新玉葱のお味噌汁
7-4.山菜ご飯(筍、コシアブラ、わらび、こごみ)おかわり可能 / お土産可能
8.桜の杏仁豆腐|熱い煎茶
まずは山菜の特性によって調理法を変える9種類の山菜小鉢。
香り、辛み、苦味といった個性の強い味わいゆえ、人を選ぶとは思いますが、
マニアックな山の食材を(東京から割と近い)土浦で食べられる至福。
前回はフレッシュな蛤が手に入らず真薯になりましたが今回は完全体となる蛤椀。
レアー感を残すように火を入れた超大振り蛤と吸い地が最高に美味しい。
60,000円を超えるアワード日本料理店でも蛤を使ったお椀を食べましたが、
3分の1ぐらいの客単価である同店のほうが美味しいというジャイアントキリング。
出荷制限によってジャフラトレーディング(かすみがうら市)のホロホロ鳥は手に入らずも、
冒頭で申し上げた女化(おなばけ)たけのこ園の焼き筍が焼き物に登場。
アク抜きしていないとのことですが、えぐみなく何ともクリアーな味わいの筍。
シンプルに塩で焼き上げているようなイメージですがメチャクチャ美味しくて驚きました。
同じ週に札幌のBronzeアワード壽山(4.17)で塚原(京都市)産、
ディナーにオオツで合馬(北九州市)産の筍を食べましたが同店で食べた女化のほうが鮮烈。
市場では塚原と合馬がツートップになっているのですが、
ブランド評価では負けているとしても、土浦のすぐ隣の牛久という立地が勝因でしょう。
実際に筆者が合馬産の筍を食べて過去最高と思ったのは北九州市の御料理 まつ山(4.47)。
わかば屋さん会心の「特Sサイズ」タラの芽は骨付きチキンのような大きさ。
スーパーマーケットに行けば栽培物の小さなタラの芽が販売されていますが、
同じタラの芽でもこんなに違うのかと、揚げ立てアツアツのタラの芽に齧り付いていました。
ディナーはオオツと申し上げているのに天バラ。
同じ週に札幌のBronzeアワード「天ぷらあら木(4.10)」で食べた天丼より美味しい。
ディナーにオオツでも山菜リゾットが出てきましたが山菜に関しては同店に軍配。
食べ切れず持ち帰った山菜ご飯を翌日に食べても感動的に美味しかったです。
そして同店最大のウィークポイントに思っていたスイーツですが、
杏仁豆腐が蕩ける食感へとアップグレードされており、桜香るジュレとの組み合わせ方も秀逸。
初めてお邪魔したとき(2022年4月)はスコア3.13だったのが、
2025年の現在は食べログBronzeアワードとなっている同店。
アワード評価に恥じないぐらいお店の料理も日進月歩で進化しています。
2025.4 特Sサイズのタラの芽
2025.4 山菜前菜
2025.4 山菜前菜
2025.4 鹿嶋産蛤(はまぐり)と胡麻豆腐のお椀
2025.4 山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)錦和え
2025.4 常磐沖産穴子(左が熟成1週間で右が前日〆)|常磐沖産鮃(ひらめ)エンガワ
2025.4 牛久女化たけのこ園 焼き筍
2025.4 斎藤川魚店霞ヶ浦産天然小鰻(うなぎ)蒲焼き
2025.4 筍とコシアブラ
2025.4 うどとこごみ
2025.4 特Sサイズのタラの芽
2025.4 八郷産天然猪(いのしし)花山椒角煮
2025.4 天バラ(山菜の掻き揚げと塩昆布)
2025.4 山菜ご飯(筍、コシアブラ、わらび、こごみ)
2025.4 桜の杏仁豆腐
2025.4 メニュー
2025/04/20 更新
2025/03 訪問
【★5.0】走りの山菜と名残のどぶ汁の両取り【2169-29】
1,493文字★
東京から茨城県に来ております。
走りの山菜と名残のどぶ汁を求め同店(4.15)へ。
いちおう通年獲れるのですが美味しいのは3月までと言われる常磐沖の鮟鱇。
一方で山菜が本格化するのは4月以降のようで、両取りを狙うのは難しいのですが、
わかば屋(採り子)の山内さんが駆けずり回って山菜を採ってくださり願いが叶いました。
・弥生御献立
01.斎藤水産霞ヶ浦産白魚唐揚げ
02.山菜前菜
02-1.こごみゼリー酢
02-2.蕗の薹白和え
02-3.うど白煮
02-4.山人参おから和え
02-5.蕗の薹味噌
02-6.甘草お浸し
02-7.あさつき辛子酢味噌 土筆(つくし)乗せ
02-8.二輪草お浸し
02-9.葉わさびお浸し
03.大洗産蛤(はまぐり)真薯と胡麻豆腐のお椀
04.お造り
04-1.山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)錦和え
04-2.常磐沖産のれそれ(穴子の稚魚)
04-3.常磐沖産鮃(ひらめ)えんがわ
05.斎藤水産霞ヶ浦産天然うなぎ1kgサイズ白焼き 本わさび
06.ジャフラトレーディングかすみがうら市産ホロホロ鳥炭焼き
06-1.もも、むね
06-2.皮
06-3.お口直し(新玉葱と大根おろし)
06-4.砂肝、ハツ
06-5.ぼんじり、長葱
06-6.白レバー
07.山菜天ぷら(タラの芽、うど)
08.あんこう鍋(大津港産あんこう、白菜、長葱、春菊)
09.あん肝雑炊 香の物(キャベツ)
10.苺大福
まずは湖魚の白魚に舌鼓を打ちます、大振りサイズで旨味にも富んでおり霞ヶ浦の恵みに感謝。
本日の主役であろう山菜はそれぞれの個性に応じて絶妙に味付け。
春に山間部を訪れると山菜料理は食べられますが火入れや味付けに課題を残すお店ばかり。
アワードを受賞するぐらい技術力の高い同店の山菜料理は格別なのです。
山内さんが腰を痛めるぐらい屈みながら探してきた「走りのこごみ」は小振りながら旨味鮮烈。
うどや蕗の薹といった癖の強い山菜も同店の調理で食べやすい美味しさへと昇華。
天ぷらを含めた10種類の山菜料理だけでも茨城県まで足を伸ばす価値を十分に感じられます。
それに加えてお椀の美味しさがアワード店の面目躍如。
本当はフレッシュの蛤(はまぐり)をリクエストしていたのですが入荷なく真薯に。
椀種の美味しさには物足りなさを覚えるも吸い地の美味しさがそれをカバー。
キノコ出汁を加えたという蛤ベース、独特の苦味や旨味が加わっており何とも複雑玄妙。
お造りも地物ならではの希少な味わいですし、
筆者があまり評価していないせいで焼き方の試行錯誤をしまくっているという天然うなぎも、
うなぎ百名店の8割がもう敵わないレベルにまで到達しているように思います。
それよりも驚いたのが地物のホロホロ鳥。
白レバーやハツが美味しいのは分かっていましたが身の火入れがフレンチ級にレベルアップ。
ぼんじりや皮といった脂っ濃い部位は本わさびや大根おろし(新玉葱入り)と合わせて。
赤提灯では客単価的に不可能な、高級店ならではの薬味でホロホロ鳥を昇華させます。
「高級焼き鳥殺し」といったホロホロ鳥尽くしが山菜とどぶ汁のコースに食い込んでくる。
こんな充実した内容を20,000円で出せるお店には日本全国を巡っても出会えません。
食べログGoldやミシュラン三つ星に行くと1食で100,000円も珍しくないですが、
5分の1の金額でGoldアワードや三つ星の料理を凌駕していました。
(サービスや雰囲気がGoldや三つ星に及ばず世間は評価しなくとも分かる人には分かるはず。)
2025.3 斎藤水産霞ヶ浦産白魚唐揚げ
2025.3 山菜前菜
2025.3 山菜前菜
2025.3 大洗産蛤(はまぐり)真薯と胡麻豆腐のお椀
2025.3 山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)錦和え
2025.3 常磐沖産のれそれ(穴子の稚魚)
2025.3 常磐沖産鮃(ひらめ)えんがわ
2025.3 斎藤水産霞ヶ浦産天然うなぎ1kgサイズ白焼き 本わさび
2025.3 ホロホロ鳥 もも、むね
2025.3 ホロホロ鳥 皮
2025.3 ホロホロ鳥 砂肝、ハツ
2025.3 ホロホロ鳥 ぼんじり、長葱
2025.3 ホロホロ鳥 白レバー
2025.3 山菜天ぷら(タラの芽、うど)
2025.3 あんこう鍋(大津港産あんこう、白菜、長葱、春菊)
2025.3 あん肝雑炊 香の物(キャベツ)
2025.3 苺大福
2025.3 メニュー
2025/04/03 更新
2025/02 訪問
【★5.0】地物メス9.5kgサイズ天然トラフグ【2169-28】
1,300文字★
東京から茨城県に来ております。
Instagramで紹介された「地物メス9.5kgサイズ天然トラフグ」目当てに再訪。
天然トラフグ尽くしといったコース構成ゆえ普段より金額アップとなりましたが、
値段相応どころかそれを超える満足感を得られてアワード店の面目躍如。
(2025年の食べログBronzeアワード初選出おめでとうございます。)
・如月御献立
1.前菜の盛り合わせ
1-1.大豆旨煮
1-2.田作り
1-3.恵方巻き
1-4.塩辛
1-5.あん肝ポン酢
1-6.蕗の薹肉味噌和え
1-7.寒干し大根
1-8.白菜煮浸し
1-9.にしん黄金漬け
2.白菜薄蒸し(白菜ペースト餡、高萩産天然イノシシ、ムキタケ、長葱)
3.お造り
3-1.大津港産9.5kgメス天然トラフグ9日熟成てっさとてっぴ|当日〆3.0kg天然トラフグ生白子
3-2.大内商店久慈浜産メジ鮪 辛味大根添え
3-3.常磐沖産初物のれそれ(穴子の稚魚)
4.トラフグ炭焼き
4-1.身皮(写真奥)遠江(写真手前)
4-2.かま(写真奥)ふんどし(写真手前)
4-3.皮
5.常陸国天然まがも(稲敷産網獲り野鴨)炭焼き 長葱添え|お口直しに鬼おろし
6.トラフグ唐揚げ(写真左から、くちびる、しっぽ、くちびるより上部うぐいす)
7.トラフグ鍋
7-1.トラフグだけの鍋
7-2.残り汁に野菜(白菜、長葱、せり、椎茸、えのき茸、春雨)
8.トラフグ雑炊(白子入り)香の物(白菜)
9.熱い緑茶|苺大福
お造りで良質な白身魚を食べる機会に3日連続で恵まれ、
初日は逗子のせろりや(3.67)で長井漁港「さかな人」長谷川大樹さんのブダイ。
2日目は焼津の温石(4.53)でサスエ前田魚店の鮃(ひらめ)。
最終日が同店(4.08)の天然てっさとなったのですが圧倒的にNo.1でした。
長谷川さんやサスエ前田魚店が扱う魚が一級品であることはよく分かっていますが、
それでも「白身魚の王様」であろう天然トラフグには種(しゅ)として敵わなかったです。
当日〆(てっさとは違う個体)の生白子が同店で食べた白子としては過去最高というオマケ付き。
ご主人曰く本当はあと1週間ぐらい寝かせたかったそうで、
ベストコンディションであれば臼杵や下関といった瀬戸内エリアの、
天白(向こうでの天然トラフグの異名)にも比肩するのかも知れません。
脂ギトギトなメジ(本鮪の幼魚)ですが成魚のトロに比べれば爽やかで旨味が濃厚鮮烈。
ご主人曰く常磐沖で獲れるメジは脂がメチャクチャ乗るのだそう。
世間一般では温石で食べたキメジ(黄肌鮪の幼魚)の淡麗な味わいが評価されるとしても、
コッテリ嗜好なマイノリテイにとっては同店のほうが大感動を得られると思います。
(予約を取れるまで数年の歳月を要した温石と異なり同店は容易に予約可能でございます。)
なおメジの仕入れ先である会瀬漁港(日立市)の大内商店は最近の茨城テロワール注目の存在。
サスエ前田魚店のように魚を活け越しさせる水槽を持っていたりと、
全国的には無名でも「茨城県に伏龍鳳雛あり」でしょうか。
2025.2 前菜の盛り合わせ
2025.2 前菜の盛り合わせ
2025.2 白菜薄蒸し(白菜ペースト餡、高萩産天然イノシシ、ムキタケ、長葱)
2025.2 大津港産9.5kgメス天然トラフグ9日熟成てっさとてっぴ|当日〆3.0kg天然トラフグ生白子
2025.2 大内商店久慈浜産メジ鮪 辛味大根添え
2025.2 常磐沖産初物のれそれ(穴子の稚魚)
2025.2 トラフグ炭焼き 身皮(写真奥)遠江(写真手前)
2025.2 トラフグ炭焼き かま(写真奥)ふんどし(写真手前)
2025.2 トラフグ炭焼き 皮
2025.2 常陸国天然まがも(稲敷産網獲り野鴨)炭焼き 長葱添え
2025.2 トラフグ唐揚げ(写真左から、くちびる、しっぽ、くちびるより上部うぐいす)
2025.2 トラフグだけの鍋
2025.2 残り汁に野菜(白菜、長葱、せり、椎茸、えのき茸、春雨)
2025.2 トラフグ雑炊(白子入り)香の物(白菜)
2025.2 苺大福
2025.2 メニュー
2025/03/02 更新
2025/01 訪問
【★5.0】茨城県の「あんこう郷土料理」は同店に尽きるかも知れない【2169-27】
1,308文字★
東京から茨城県に来ております。
「どぶ汁」や「友酢」といった鮟鱇(あんこう)の郷土料理が市民権を得ている茨城県。
この冬も水戸市の山口楼(3.41)で40,000円を超える超高級あんこう鍋コースを食べたり、
北茨城市の大津港まで無水どぶ汁を食べに行ったりしましたが、
あんこう郷土料理で同店(4.09)を超える満足感を得られるお店には未だ出会えず。
・睦月御献立
01.蛤(はまぐり)旨汁(大荒産蛤と地物野菜のスープ)
02.祝肴(前菜の盛り合わせ)
02-1.五色生酢(紅白生酢、木耳、豆苗、柚子)
02-2.あん肝みたらし
02-3.あんこう煮凝り
02-4.里芋唐揚げ
02-5.錦玉子
03.常陸乃国いせ海老白味噌仕立て椀
04.お造り
04-1.大津港産天然トラフグ(てっさとてっぴ)
04-2.大洗産ももいろホッキ貝
04-3.常陸乃国まさば
04-4.あんこう友酢
05.大津港産天然トラフグ炭焼き(身皮、遠江、縁側)
06.常陸国天然まがも炭焼き
07.天然茸(ナメコ、ムキタケ、菜の花)卯の花和え
08.蓮根蒸し(土浦産蓮根、高萩産天然猪、ヒラタケ、笹葱)
09.あんこう鍋(小鍋仕立てのどぶ汁)
10.あん肝雑炊 香の物(昆布と白菜)
11.黒豆プリン
アツアツの蛤スープからスタート。
いせ海老の白味噌椀、蓮根蒸し(の餡掛け)、あんこう鍋(どぶ汁)もアツアツで、
寒さが厳しくなってきた今の季節に嬉しい配慮。
あん肝みたらし、あんこう煮凝り、前菜からあんこう料理がチョコチョコ出てきました。
素材として申し上げると茨城県産が必ずしもピンというわけではなくて、
あんこうの身に関しては長谷川さんが神経〆した相模湾(神奈川県)産が圧倒的にNo.1で、
肝に関しては余市(北海道)産の脂ノリが凄まじくて豊洲市場で最高級ブランドに。
(長谷川さんのあんこうは身に栄養を奪われているのか肝は小さいです。)
それでも同店のあんこう料理を美味しいと思えるのは技術による底上げでしょう。
七つ道具に肝味噌を合わせる「友酢」という郷土料理。
トラディショナルな友酢は酢味噌ベースでサッパリ食べることが多いように思いますが、
同店はあん肝の主張のほうが強い濃厚クリーミーな肝味噌でコッテリ楽しめて筆者好み。
(あんこうって肝以外は脂よりもゼラチン質を感じる魚なのでサッパリ仕立てが苦手です。)
どぶ汁も肝スープがクリアーで「高級和食」ならではの味わい。
県外となりますが福島県いわき市わ多なべ(3.62)と同店が筆者のどぶ汁ツートップ。
計5品のあんこう料理を楽しみましたが、これだけで専門店のコースを凌駕する満足感。
そしてあんこう以外の料理も粒揃い。
いせ海老の白味噌椀は素材由来の旨味が吸い地に溶け込んでおり、
京都のハイスコア店で食べた(飲んだ)白味噌椀を超えてきました。
てっさも下手な専門店よりハイレベルで、あんこうだけでなくトラフグも非凡。
プロの火入れで昇華する身皮や遠江が同店冬のスペシャリテ。
冬の味覚をこれだけ堪能して、この価格帯で済んでいるのも、地産地消の恩恵でしょうか。
2025.1 蛤(はまぐり)旨汁(大荒産蛤と地物野菜のスープ)
2025.1 祝肴(前菜の盛り合わせ)
2025.1 常陸乃国いせ海老白味噌仕立て椀
2025.1 大津港産天然トラフグ(てっさとてっぴ)
2025.1 大洗産ももいろホッキ貝
2025.1 常陸乃国まさば
2025.1 あんこう友酢
2025.1 大津港産天然トラフグ炭焼き(身皮、遠江、縁側)
2025.1 常陸国天然まがも炭焼き
2025.1 天然茸(ナメコ、ムキタケ、菜の花)卯の花和え
2025.1 蓮根蒸し(土浦産蓮根、高萩産天然猪、ヒラタケ、笹葱)
2025.1 あんこう鍋(小鍋仕立てのどぶ汁)
2025.1 あん肝雑炊 香の物(昆布と白菜)
2025.1 黒豆プリン
2025.1 メニュー
2025/01/21 更新
2024/11 訪問
【★5.0】アブラ祭り【2169-26】
1,377文字★
東京から茨城県に来ております。
ホロホロ鳥の皮とぼんじり、イノシシなどをリクエストして同店(4.08)再訪。
比内地鶏とホロホロ鳥のハツが似ているので皮とボンジリもリクエストしてみたのですが、
濃厚でバターのような皮とボンジリの脂っ濃さ、比内地鶏を凌駕しているかも知れません。
アブラーを自称する筆者も怯む「アブラ祭り」となってしまいましたが好きな人には超オススメ。
・霜月御献立
01.蕪のスープ
02.前菜の盛り合わせ
02-01.鯖寿司
02-02.のしどり(松風焼き)
02-03.子持ち鮎甘露煮
02-04.揚げ銀杏
02-05.茗荷酢漬け
02-06.柿と栗の白和え
02-07.白菜煮浸し
02-08.凍み蒟蒻とムキタケ
02-09.身巻き唐墨
02-10.菊芋煎餅
03.霞ヶ浦産「暁のしらうお」薄蒸し(茶碗蒸し)
04.お造り
04-1.山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)錦和え
04-2.羅臼産鰤(ぶり)腹身
05.大津港産鮑(あわび)天然茸(アカヤマドリタケと香茸)餡掛け
05-2.しゃり玉を残った餡掛けというか肝ソースに合わせて
06.焼き物
06-1.ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥皮炭焼き
06-2.ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥ぼんじり炭焼き
06-3.八郷産猪バラ炭焼き
07.菊花酢浸し
08.猪団子 アカヤマドリタケ餡掛け
09.黒酢猪
10.朴葉焼き(自家製味噌、猪、里芋、天然舞茸、笹葱、柚子)
11.お食事
11-1.猪と天然茸ご飯(猪、ハナイグチ、ムキタケ、舞茸、クリタケ、ナメコ、キクラゲ、香茸、ウラベニホテイシメジ)
11-2.天然ナメコのお味噌汁
11-3.香の物(蕪と昆布)
12.土浦産紅はるかのブリュレ
まずはグツグツ煮立つぐらい熱い蕪スープで身体を温めます。
蕪の甘みや旨味が凝縮されたような味わいとなっており抜群に美味しい。
10種類の料理をチョコチョコ楽しめる前菜も相変わらず素晴らしかったです。
いつもは大蒜醤油や酢味噌と合わせる鯉(こい)ですが本日は塩バージョン。
〆たばかりのブリブリ&コリコリ活かった身に、湯引きした皮、揚げた鱗、野菜を和えており、
食感マニアの筆者にとっては明石や鳴門の真鯛を超えるかも知れない満足感。
前の週にUshimaru(4.38)で食べた千葉県産の真鯛よりも感銘を受けました。
そして冒頭でも申し上げたホロホロ鳥の皮、ぼんじり、ついでにイノシシのバラ肉。
凄まじい脂っ濃さですが旨味も濃厚。
ホロホロ鳥の身は「食鳥の女王」と謳われるぐらい淡麗で上品な味わいなのですが、
皮とぼんじりは対極に位置するぐらい濃厚で脂ギトギトでした。
お口直しに(予定した順番を入れ替えて)菊花酢浸し。
こういう副菜も火入れと味付けが絶妙で美味しい。
個人的には皮やぼんじりに本わさびなど薬味も添えて欲しいところでしたが、
同店でホロホロ鳥を食べるなら身よりも、白レバー、ハツ、皮、ぼんじりを求めたいです。
ジビエシーズンに入ってきたのでイノシシ料理も色々と。
岐阜県の温泉旅館に泊まると100%に近い確率で登場する朴葉味噌焼きも、
田舎の旅館で食べるような野暮ったさと異なり洗練された味わい。
お食事は名残の天然キノコと走りのイノシシの共演で本日も大満足。
2024.11 蕪のスープ
2024.11 前菜の盛り合わせ
2024.11 前菜の盛り合わせ
2024.11 霞ヶ浦産「暁のしらうお」薄蒸し(茶碗蒸し)
2024.11 山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)錦和え
2024.11 羅臼産鰤(ぶり)腹身
2024.11 大津港産鮑(あわび)天然茸(アカヤマドリタケと香茸)餡掛け
2024.11 しゃり玉を残った餡掛けというか肝ソースに合わせて
2024.11 ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥皮炭焼き
2024.11 ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥ぼんじり炭焼き
2024.11 八郷産猪バラ炭焼き
2024.11 菊花酢浸し
2024.11 猪団子 アカヤマドリタケ餡掛け
2024.11 黒酢猪
2024.11 朴葉焼き(自家製味噌、猪、里芋、天然舞茸、笹葱、柚子)
2024.11 猪と天然茸ご飯(猪、ハナイグチ、ムキタケ、舞茸、クリタケ、ナメコ、キクラゲ、香茸、ウラベニホテイシメジ)
2024.11 お食事
2024.11 土浦産紅はるかのブリュレ
2024.11 メニュー
2024/11/22 更新
2024/10 訪問
【★5.0】秋のオールスター2024年【2169-25】
1,660文字★
東京から茨城県に来ております。
キノコのシーズンを迎えて今年もオールスターといったコースをお願いしました。
若葉屋さん(土浦市の採り子さん)の頑張りもあって希少な天然キノコが多数登場。
名残のミズまで採って来てくださったようです。
バカマツタケは残念ながら見つからなかったそうですが本種の松茸をコロッケで堪能。
関西のスコア4.50超えアワード店では松茸がこれでもかと出てきましたが、
キノコ好きにとっては松茸ばかりよりも、雑キノコまで色々と味わえるほうが嬉しいです。
交通費を含めると10万円を超える散財となった関西アワード某店。
それに対して同店(4.12)は交通費を含めて4分の1ぐらいの総額。
ハイブランド食材の扱いには乏しいですが地物を活かすことで満足度は同店のほうが上回ります。
・神無月御献立
01.前菜
01-1.身巻き唐墨(からすみ)
01-2.かます寿司
01-3.秋刀魚燻製
01-4.アケビ味噌
01-5.ミズと木耳の煮浸し
02.天然茸(アカヤマドリダケ)薄蒸し
03.お造り
03-1.常磐沖産鮃(ひらめ)昆布〆
03-2.常磐沖産太刀魚炙り
04.子持ち鮎油煮焼き
05.八寸
05-1.クロカワダケと牛すじ煮
05-2.舞茸と猪の炭焼き
05-3.ハナビラタケみぞれ和え
05-4.マスタケ味噌漬け
05-5.アミタケ胡麻塩
05-6.松茸コロッケ
05-7.タマゴタケみたいなキノコのお浸し
06.ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥(ハツと白レバー)炭焼き
07.山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)香味ソース
08.冷やし煮物(六方芋、南瓜、オクラ)
09.茄子田楽(土浦産緑茄子、チチタケ、ヒラタケ、クロカワダケ、ハツタケ、ウラベニホテイシメジ)
10.天然茸雑炊(霞ヶ浦産天然すっぽん、ホロホロ鳥、ハエトリシメジ、ホウキタケ、ハナイグチ、シャカシメジ、アミタケ、舞茸)香の物(大根と胡瓜の糠漬け)
11.焼葛餅
まずは皆さん(過去にご一緒した皆さんも含めて)に評判の良い「身巻き唐墨」。
同店の唐墨は甘口タイプなのですが、これがイカのお刺身にマリアージュして美味しい。
構造上チビチビと食べるのは難しいですがバクッと贅沢に貪れば黄金体験。
ミズ(ウワバミソウ)のヌメッとコリッとした食感も官能的で若葉屋さんに感謝。
お椀代わりにアカヤマドリダケ(和製ポルチーニ)ソースの茶碗蒸し。
中華料理やフレンチで出てきても違和感ないような仕立てでトロリ滑らか美味しい。
アカヤマドリダケの風味や旨味が茶碗蒸し(フレンチで言えばフラン)を昇華させます。
前菜で5種類の料理を楽しんだのに、八寸として7種類もの天然キノコ料理まで登場。
キノコの特性に応じて調理法を変えており同店の高い技術が窺えます。
「森のレバ刺し」とも謳われるアミタケは胡麻塩でレバ刺し風に。
苦味の強いクロカワ(老茸)には甘い牛すじ煮を合わせて苦味を緩和。
ジビエの猪は肉だけ食べても旨味抜群ですし、その野性的な脂を吸った天然舞茸もまた極上。
タマゴタケみたいなキノコは採り子さんの間で香茸や舞茸と並んで美味しさTOP3評価。
(岐阜県の某店でバターソテーにすると最高に美味しいと聞いたのでいつか試してみたいです。)
採り子さんのTOP3評価に松茸が入っていないのが面白いところですが、
クリームコロッケに閉じ込めることで香りブワッと引き立つ松茸も最高に美味しい。
7万円コースで松茸をたっぷり楽しめるような贅沢は行き過ぎに思う部分もございまして、
同店のように1万円台のコースで松茸も雑キノコも味わえるほうが費用対効果は高いです。
コンフィのように焼き上げた子持ち鮎(炭火焼きにするより真子がシットリします)。
フォアグラやアブハツのようなホロホロ鳥の内臓。
過去レビューで言及しているので詳細は省きますが相変わらずの素晴らしさ。
秋のオールスター食材に感動を覚えながら(ドリンク代を含めて)約2万円という驚安。
2024.10 前菜
2024.10 前菜
2024.10 天然茸(アカヤマドリダケ)薄蒸し
2024.10 常磐沖産鮃(ひらめ)昆布〆
2024.10 常磐沖産太刀魚炙り
2024.10 子持ち鮎油煮焼き
2024.10 八寸
2024.10 八寸
2024.10 ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥(ハツと白レバー)炭焼き
2024.10 ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥(ハツと白レバー)炭焼き
2024.10 山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)香味ソース
2024.10 冷やし煮物(六方芋、南瓜、オクラ)
2024.10 茄子田楽(土浦産緑茄子、チチタケ、ヒラタケ、クロカワダケ、ハツタケ、ウラベニホテイシメジ)
2024.10 天然茸雑炊(霞ヶ浦産天然すっぽん、ホロホロ鳥、ハエトリシメジ、ホウキタケ、ハナイグチ、シャカシメジ、アミタケ、舞茸)
2024.10 焼葛餅
2024/10/21 更新
2024/09 訪問
【★5.0】秋と春の特別感【2169-24】
1,462文字★
東京から茨城県に来ております。
1年を通して美味しい料理を楽しめる同店(4.12)ですが秋と春が特別なシーズン。
その理由は天然キノコや山菜といった、その季節だけの山の恵みの存在にあります。
山の食材は足が早いので市場を通しては本領発揮とならず。
(ゆえに豊洲市場から仕入れる東京の高級店で食べても不満が残るのです。)
同店は若葉屋(茨城県土浦市)という天然キノコや山菜の「採り子」さんと直接取引。
フレッシュな山の食材を高い調理技術で楽しめます。
山間部の飲食店を訪れれば(交通費を考慮しなければ)安く楽しめる山の食材ですが、
どちらかと言えば「田舎料理」といった野暮ったい味付けのことが多くて不満が残ります。
素材と技術を兼ね備えるお店は日本全国を巡っても稀有。
そして大体は東京から4~5時間ぐらい離れた僻地だったりします。
東京の東側に住んでいれば1時間で辿り着く同店の何とありがたいことか。
・長月御献立
01.お浸し(白魚、ミズ、木くらげ、モロヘイヤ)
02.前菜
02-1.鴨生ハム
02-2.揚げ無花果(いちじく)
02-3.牛すじ甘長唐辛子
02-4.茄子芥子
02-5.ハナビラタケみぞれ和え
02-6.鯖燻製
02-7.おおまさり
03.かすみがうら市ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥の薄蒸し(上湯の餡掛け、白湯の茶碗蒸し)
04.お造り
04-1.北海道産秋刀魚(さんま)
04-2.大津港産太刀魚(たちうお)
05.成田市東西水産子持ち鮎の油煮焼き
06.大津港産常陸乃国いせ海老 天然茸ソース ヤマドリタケ タマゴタケ 土浦産オクラ
07.ホロホロ鳥レバーの春巻き
08.霞ヶ浦産天然すっぽん煮付け
09.茄子田楽(土浦産緑茄子、チチタケ、ヒラタケ)
10.すっぽん雑炊(霞ヶ浦産天然すっぽん、アンズタケ、タマゴタケ、ヤマドリタケモドキ、アカヤマドリタケ、ウスヒラタケ、ナメコ、ムラサキヤマドリタケ)と香の物(大根、胡瓜、玉葱)
11.きびぜんざい
重陽の節句ということで月を模した器に盛り付けた先付からスタート。
ミズ(ウワバミソウ)という山菜のネットリかつシャキシャキした食感が良いです。
霞ヶ浦の名産品である白魚も上手く活かしており流石の技術力といったところ。
諸事情で餡掛けをリクエストしたのですが地物ホロホロ鳥の旨味を活かす茶碗蒸しが美味しい。
ホロホロ鳥の白レバーをペーストにした春巻きも中華料理店を超える逸品。
甘みと濃厚な旨味を感じるホロホロ鳥の白レバーはレバーの世界の王様クラス。
かつて同店で鴨レバーの春巻きを食べたことがあるのですがホロホロ鳥のほうが格上。
常陸乃国いせ海老も天然キノコ(夏キノコ)と組み合わせた今回が過去最高傑作。
ポルチーニの別名でも知られるヤマドリタケはソースにしても絶品なのですが、
香りと旨味の強烈なこのソースが海老を底上げ(香りで海老の生臭みが消える点も良いです)。
でっかい茄子を揚げて天然キノコ味噌と合わせた「田楽」も秋のスペシャリテといった美味しさ。
過去に唐揚げ、今回は煮付けでも食べた、霞ヶ浦の天然すっぽん。
すっぽんは強力な出汁を取れる食材としても名高いですが、
大量の天然キノコと合わせた「雑炊」の美味しさもまた秋のスペシャリテ級でした。
キノコを使ったご飯としては前月に食べたデュロックご飯も傑作なので、
炊き込みご飯か雑炊かどちらをリクエストするか悩ましいところ。
そんな贅沢な悩みを楽しめるのが秋なのです。
2024.9 お浸し(白魚、ミズ、木くらげ、モロヘイヤ)
2024.9 前菜
2024.9 かすみがうら市ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥の薄蒸し(上湯の餡掛け、白湯の茶碗蒸し)
2024.9 北海道産秋刀魚(さんま)
2024.9 大津港産太刀魚(たちうお)
2024.9 成田市東西水産子持ち鮎の油煮焼き
2024.9 大津港産常陸乃国いせ海老 天然茸ソース ヤマドリタケ タマゴタケ 土浦産オクラ
2024.9 ホロホロ鳥レバーの春巻き
2024.9 霞ヶ浦産天然すっぽん煮付け
2024.9 茄子田楽(土浦産緑茄子、チチタケ、ヒラタケ)
2024.9 すっぽん雑炊(霞ヶ浦産天然すっぽん、アンズタケ、タマゴタケ、ヤマドリタケモドキ、アカヤマドリタケ、ウスヒラタケ、ナメコ、ムラサキヤマドリタケ)と香の物(大根、胡瓜、玉葱)
2024.9 きびぜんざい
2024/09/16 更新
2024/08 訪問
【★5.0】若葉屋さんの夏キノコ【2169-23】
1,285文字★
東京から茨城県に来ております。
お盆ということで鳴門(徳島県)から仕入れるぐらい地魚が枯渇していましたが、
若葉屋(茨城県土浦市)さんが山を駆けずり回って夏キノコを届けてくださいました。
ポルチーニ系の天然キノコが本日の主役といった存在感。
そして海の魚がダメでも湖魚という武器を有しているのが茨城県。
霞ヶ浦で獲れた新子サイズの白魚(しらうお)、
1.0kgサイズ(一般的な養殖の3~4倍の大きさ)天然うなぎの白焼きや肝焼きも非凡。
・葉月御献立
01.とうもろこし寄せ(宮下さんの朝採れとうもろこし「ゴールドラッシュ」)
02.前菜
02-1.胡麻酢和え(雷瓜、クラゲ)&酢味噌和え(青葱、黄ニラ、あわび茸)
02-2.煮浸し(ミズの実、木くらげ)
02-3.揚げ新子わかさぎ
02-4.斎藤川魚店霞ヶ浦産新子白魚釜上げ
03.ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥とわかば屋天然茸(ヤマドリタケモドキ、タマゴタケ、アカヤマドリタケ、マスタケ、チチタケ)蒸しスープ
04.お造り
1.鳴門産真鯛
2.鳴門産ツバス(ブリの幼魚)
3.大洗産ももいろ北寄貝
05.斎藤川魚店霞ヶ浦産天然鰻1.0kgサイズ白焼き
06.斎藤川魚店霞ヶ浦産天然鰻1.0kgサイズ肝焼き
07-1.久慈浜産目光唐揚げ
07-2.軽羹揚げ(大洗産蛤、ウスヒラタケ)オクラ添え
08.土浦産翡翠茄子オクラ庵
09.鉾田市方波見牧場デュロック純粋種の豚スペアリブ
10.お食事
10-1.デュロックご飯(デュロックのスペアリブ、ムラサキヤマドリタケ、アンズタケ、ヤマドリタケモドキ、コガネヤマドリタケ、ショウゲンジ)
10-2.お味噌汁(新玉葱、黄ニラ)
10-3.香の物(きゅうり、茄子、茗荷、白胡麻)
11.ほうじ茶ゼリー(猿島産ほうじ茶)
丸ごと食べる公魚(わかさぎ)の新子や白魚の新子が良いです。
カリッとサクッと軽やかな公魚、フワッと茹で上げた白魚。
県内の道の駅でも白魚を販売していますが同店(4.12)とは火入れが別物。
1.0kgサイズという天然うなぎの白焼きは皮目を軽やかに焼き上げており、
食べログ4.50級の某高級和食で食べた天然うなぎよりも火入れが上手いと思います。
某高級和食店はおまかせ40,000円なのに対して同店は茨城価格。
1.0kgサイズだけあって肝焼きも超巨大サイズでした。
うなぎ専門店では数が揃わないので養殖を使うのが当たり前ですが天然はやはり格別。
若葉屋さんの夏キノコが最も活きていた料理が「デュロック御飯」。
スペアリブの骨から剥がした(つまり骨周りで旨味が強い)端肉、
デュロックの脂で炒めた夏キノコが凄まじい旨味を放っていました。
夏キノコの香りが漂うというオマケ付き。
スペアリブは「プルドポーク」のようにトロトロ蕩けて、
イタリアでは「ポルチーニ」と呼ばれるヤマドリタケの仲間たちも御飯を昇華させます。
美味しくて3杯も食べてしまいましたが、お釜を覗いても全く減ってないという重量感。
大量のお土産となって帰宅後も楽しめました。
2024.8 若葉屋さんの夏キノコ
2024.8 とうもろこし寄せ(宮下さんの朝採れとうもろこし「ゴールドラッシュ」)
2024.8 前菜
2024.8 ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥とわかば屋天然茸(ヤマドリタケモドキ、タマゴタケ、アカヤマドリタケ、マスタケ、チチタケ)蒸しスープ
2024.8 鳴門産真鯛
2024.8 鳴門産ツバス(ブリの幼魚)
2024.8 大洗産ももいろ北寄貝
2024.8 斎藤川魚店霞ヶ浦産天然鰻1.0kgサイズ白焼き
2024.8 斎藤川魚店霞ヶ浦産天然鰻1.0kgサイズ肝焼き
2024.8 久慈浜産目光唐揚げ
2024.8 軽羹揚げ(大洗産蛤、ウスヒラタケ)オクラ添え
2024.8 土浦産翡翠茄子オクラ庵
2024.8 鉾田市方波見牧場デュロック純粋種の豚スペアリブ
2024.8 鉾田市方波見牧場デュロック純粋種の豚スペアリブ
2024.8 デュロックご飯(デュロックのスペアリブ、ムラサキヤマドリタケ、アンズタケ、ヤマドリタケモドキ、コガネヤマドリタケ、ショウゲンジ)
2024.8 お食事
2024.8 ほうじ茶ゼリー(猿島産ほうじ茶)
2024.8 メニュー
2024/08/16 更新
2024/07 訪問
【★5.0】鯉(こい)小鰻(こうなぎ)【2169-22】
1,392文字★
東京から茨城県に来ております。
アルゴリズムの見直しがあったのかスコア4点台に突入した同店(4.12)。
夏の同店といえば霞ヶ浦の湖魚。
走りの白魚、鯉(こい)、天然鰻(うなぎ)、天然すっぽんなど堪能しておりました。
100gサイズという霞ヶ浦の天然小鰻。
一般的な鰻屋の扱う3P1(約330g)や4P1(約250g)といった養殖鰻の半分未満。
しかし小さな身に反して脂ノリは凄くて、皮パリ身フワな(地焼きの)火入れも理想的。
同店で食べた鰻として過去最高に美味しかったです。
2024年度のうなぎ百名店100軒のうち44軒にはお邪魔しているのですが、
この小鰻より美味しい白焼きを出せるお店も数えるほどでしょう。
穴子に関しては全国トップクラスと思っていましたが鰻もレベルアップしてきています。
・文月御献立
01.筑西市協和施設園芸協同組合フルーツトマトの擂り流し
02.前菜
02-1.新蓮根
02-2.新物白魚
02-3.水蛸と瓜 ゼリー酢
02-4.小鯵南蛮
02-5.素麺南瓜(金糸瓜)
02-6.つるむらさき酢味噌掛け
02-7.ゴーヤ肉味噌
02-8.黒酢木耳
02-9.とうもろこし揚げ
03.常磐沖産鰆(さわら)真薯の沢煮椀
04.お造り
04-1.山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)洗い 行者大蒜醤油 酢味噌
04-2.穴子
04-3.常磐沖産鰹(かつお)
05.焼き物
05-1.斎藤川魚店霞ヶ浦産天然小鰻(うなぎ)白焼き
05-2.大津港産常陸乃国いせ海老炭焼き香味ソース
06.阿見町大竹スイカ農園賀茂茄子煮おろし
07.冷汁素麺
08.霞ヶ浦産天然すっぽん唐揚げ
09.山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)香味ソース
10.冷やし煮物(六方芋、南瓜、ズッキーニ、トマト)
11.お食事
11-1.阿見町大竹スイカ農園しあわせコーンご飯
11-2.止め椀(ホロホロ鳥とすっぽんのスープ)
11-3.香の物(キャベツ)
11-4.デュロック種の豚もつ煮込み
12.南高梅寄せ
伊勢海老の火入れが以前よりレアーに。
その代償として臭みが出やすくなるのでソースにもう少し香りが欲しかったですが、
鰻も伊勢海老も火入れの方向性がどんどん筆者好みになっているのは嬉しい限り。
天然を仕入れるようになったからか、すっぽんが大振りになって唐揚げの食べ応えアップ。
そしてフワッと軽やかに仕上げた鯉も以前より美味しくなっていました。
お造り(洗い)で食べた鯉より好印象で、鯉に関しても進化しています。
5月にリクエストするもまだ夏野菜が揃わないと7月からの登場となった冷やし煮物。
野菜より肉を好む筆者でも美味しいと唸ってしまう夏のスペシャリテ級。
歯応えを残す火入れ、濃厚な胡麻味噌、そこにアクセントとして爽やかな茗荷。
このバランス感で夏野菜を底上げしているのでしょう。
地物というアドバンテージ(鮮度の良さ)もあるかも知れません。
2024年7月は京都のもっとハイスコアなお店でもトウモロコシご飯を食べましたが、
ご飯の硬めな炊き加減、トウモロコシの濃厚な仕立て、いずれも京都某店より好みに合います。
そもそも日本最大の観光地である京都は家賃負担が重いのか割高に思うことが多くて、
魅力度ランキングでは最下位争いとなっている茨城県のほうが安くて美味しい優良店が散在。
2024.7 筑西市協和施設園芸協同組合フルーツトマトの擂り流し
2024.7 前菜
2024.7 前菜
2024.7 常磐沖産鰆(さわら)真薯の沢煮椀
2024.7 山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)洗い 行者大蒜醤油 酢味噌
2024.7 穴子
2024.7 常磐沖産鰹(かつお)
2024.7 斎藤川魚店霞ヶ浦産天然小鰻(うなぎ)白焼き
2024.7 大津港産常陸乃国いせ海老炭焼き香味ソース
2024.7 阿見町大竹スイカ農園賀茂茄子煮おろし
2024.7 冷汁素麺
2024.7 霞ヶ浦産天然すっぽん唐揚げ
2024.7 山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)香味ソース
2024.7 冷やし煮物(六方芋、南瓜、ズッキーニ、トマト)
2024.7 阿見町大竹スイカ農園しあわせコーンご飯
2024.7 お食事
2024.7 南高梅寄せ
2024.7 メニュー
2024/07/21 更新
2024/06 訪問
【★5.0】茨城県にホロホロ鳥ブーム到来!?【2169-21】
1,474文字★
東京から茨城県に来ております。
つくば市のNonna Nietta(3.61)、水戸市のレストランオオツ(4.32)にも登場した、
ジャフラトレーディング(かすみがうら市)のホロホロ鳥。
生産者さんは鳥インフルエンザで苦境に立たされていた時期もあったようですが、
2024年の現在は県内の有名レストランから引き合い急増してブーム到来でしょうか。
「食鳥の女王」の異名を持つ通り淡麗上品な味わいなのですが皮や内臓は濃厚ガツン系。
その特性は秋田県の比内地鶏に似ているかも知れません。
(比内地鶏も肉が淡麗上品なのに対して皮や内臓がバターのように濃厚なのです。)
和食の同店(3.94)はシンプルに炭焼き(部位によってはサラマンダー)勝負でしたが、
ハツや手羽先といった脂身の美味しさに感動を覚えました。
内臓脂肪がビッチリ付いて、鶏よりも大振りな地物ホロホロ鳥のハツ。
ハツに関しては冒頭のNonna Niettaやレストランオオツを凌駕する満足度の高さ。
・水無月御献立
01.常磐沖産豆鯵唐揚げ
02.前菜の盛り合わせ
02-1.万願寺唐辛子じゃこ
02-2.翡翠茄子煮浸し
02-3.ずんだ和え
02-4.ズッキーニ浸し
02-5.ミニトマト酢漬け
02-6.芋がら煮浸し 摘果ぶどう
02-7.新玉葱土佐酢漬け
03.山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)とナルコユリのお椀
04.お造り
04-1.常磐沖産本牡丹海老 大津港産鮃(ひらめ)えんがわ 本牡丹海老の卵 土佐醤油 塩
04-2.常磐沖産初鰹タタキ 玉葱ポン酢 ニラペースト
05.斎藤川魚店霞ヶ浦産1kgサイズ天然鰻(うなぎ)20日熟成白焼き
06-1.東西水産成田市産活け稚鮎天ぷら
06-2.大竹農園ヤングコーン天ぷら
07.ジャフラトレーディングかすみがうら市産ホロホロ鳥炭焼き
07-1.ササミ ハツ 砂肝
07-2.10日寝かせた胸肉とモモ肉
07-3.手羽先
07-4.白レバーと赤レバー
08.方波見牧場(鉾田市)デュロック種肩ロース黒酢餡(黒酢酢豚)
09.お食事
09-1.夏野菜の御飯(黄ニラ、行者にんにく、新玉葱、土浦市新治地区産特選コシヒカリ)
09-2.ホロホロ鳥スープ
09-3.香の物(キャベツ)
10-1.梅ゼリー
10-2.豆乳寒天 黒胡麻ソース 黒豆
まずはカラッとフワッと軽やかに揚げた地物豆鯵(あじ)。
成魚になると青魚特有の個性が強くなる鯵ですが、豆サイズのときは淡麗で青魚っぽさ皆無。
こういう小振りサイズの鯵は大衆酒場でも定番の肴ですが素材も火入れも別格でした。
春の山菜や秋の天然茸(きのこ)に比べると特別感は薄れる夏野菜の前菜。
しかし味付けは絶妙ですし十分に楽しめました。
特に「ずんだ和え」は夏のスペシャリテと呼べる逸品ではないでしょうか。
お椀の吸い地は利尻昆布香深7年とメジ節。
椀種の鯉には包丁を入れ、フワッとした口当たりを残し揚げていました。
希少山菜のナルコユリは例えて言えば「甘いわらび」といった甘みと粘度を楽しめて美味しい。
お造りは本種のボタン海老(豊洲で最高とされる羽幌のボタン海老は本種ではなくトヤマエビ)、
大振りで食べ応えに富むエンガワ、腹の部分も楽しめる初鰹と粒揃い。
鰻は熟成香が良し悪しなところですが皮目のパリパリ感は魅力的。
フリットを思わせるような衣で揚げたヤングコーンの天ぷらは専門店より美味しいかも。
山菜シーズンの春や茸シーズンの秋が人気であろう同店ですが夏もまた乙なものでした。
2024.6 常磐沖産豆鯵唐揚げ
2024.6 前菜の盛り合わせ
2024.6 前菜の盛り合わせ
2024.6 山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)とナルコユリのお椀
2024.6 常磐沖産本牡丹海老 大津港産鮃(ひらめ)えんがわ 本牡丹海老の卵 土佐醤油 塩
2024.6 常磐沖産本牡丹海老 大津港産鮃(ひらめ)えんがわ 本牡丹海老の卵 土佐醤油 塩
2024.6 常磐沖産初鰹タタキ 玉葱ポン酢 ニラペースト
2024.6 斎藤川魚店霞ヶ浦産1kgサイズ天然鰻(うなぎ)20日熟成白焼き
2024.6 東西水産成田市産活け稚鮎天ぷら
2024.6 大竹農園ヤングコーン天ぷら
2024.6 ササミ ハツ 砂肝(ホロホロ鳥)
2024.6 10日寝かせた胸肉とモモ肉(ホロホロ鳥)
2024.6 手羽先(ホロホロ鳥)
2024.6 白レバーと赤レバー(ホロホロ鳥)
2024.6 方波見牧場(鉾田市)デュロック種肩ロース黒酢餡(黒酢酢豚)
2024.6 夏野菜の御飯(黄ニラ、行者にんにく、新玉葱、土浦市新治地区産特選コシヒカリ)
2024.6 夏野菜の御飯(黄ニラ、行者にんにく、新玉葱、土浦市新治地区産特選コシヒカリ)
2024.6 ホロホロ鳥スープ
2024.6 梅ゼリー
2024.6 豆乳寒天 黒胡麻ソース 黒豆
2024.6 メニュー
2024/06/12 更新
2024/05 訪問
【★5.0】春の茨城オールスター【2169-20】
1,729文字★
東京から茨城県に来ております。
春の茨城オールスター食材で少量多種コースをお願いしました。
2024年は温暖化の影響か茨城の春が短かったようで山菜はアッという間に終了。
この日もいちおう石岡市や桜川市の山菜を用意していたようですが、
わかば屋(お店の住所は土浦市)直送の月山(山形県)産のほうがコンディション良く、
一部に県外の食材も使っていますが、殆ど地物ながら素晴らしく充実した内容となっていました。
・皐月御献立
01.斎藤川魚店霞ヶ浦産白魚唐揚げ
02.山菜の前菜 盛り合わせ
02-1.蕗の薹白和え
02-2.あいこ(ミヤマイラクサ)ゼリー酢
02-3.うど金平
02-4.花山葵酢浸し
02-5.山菜おから
02-6.筍麹漬
02-7.二輪草浸し
02-8.蕗の薹味噌
02-9.わらび蕎麦出汁
03.鹿嶋産蛤(はまぐり)と桜川市産こごみのお椀
04.お造り
04-1.山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)洗い
04-2.大津港産のれそれ(穴子の稚魚)摘果ぶどうポン酢
04-3.常磐沖産穴子
05.那珂湊産目光一夜干し
06.お口直し(紅はるか蜜煮と赤玉葱ピクルス)
07.斎藤川魚店霞ヶ浦産1.0kgサイズ天然鰻(うなぎ)蒲焼き 花山椒掛け
08-1.山菜の天婦羅(わかば屋山形月山産こしあぶらとこごみ)
08-2.山菜の天婦羅(超巨大サイズたらの芽)
09.境町塚原牧場梅山豚味噌漬け焼き 鉾田市方波見牧場デュロック種塩焼き
10.お食事
10-1.山菜御飯(筍、わらび、こごみ、せり、こしあぶら、うど)
10-2.香の物(春キャベツ)
10-3.お味噌汁(石岡市八郷産猪、新玉葱、浅葱)
11.葛切り
まずは今が一番大きなサイズという白魚(しらうお)からスタート。
淡白な味わいの魚ですが揚げることによって油脂で旨味を補完。
江戸前鮨の桜蒸しにして握る白魚もそれはそれで上品な美味しさですが、
やはり丸揚げで本領発揮となるように思います。
9種類の前菜は春の山菜尽くし。
山菜ごとに味付けを変えてあって仕事が細かいですし高級店ならでは洗練された味わい。
こういう料理は長野県や岐阜県といった山間部高級店の専売特許と思っていましたが、
同店(3.87)を知ったことで身近な存在となりました。
お椀の吸い地は、利尻昆布、小鯛、蛤の出汁、塩は不使用(ついでに鰹節も不使用)。
京都の食べログSilver店は鰹節に並々ならぬこだわりを持って、
削り立ての本枯節を使った一番出汁でタイラギのお椀を作り上げていましたが、
それより美味しいのではないかと思うぐらいお椀(つまり日本料理の花形)もハイレベル。
京都の食べログSilver店はお造りに大トロ、ウニ、カラスミが出てきましたが、
(それはそれで海外ゲストのウケが良いので彼の地では必要なことなのでしょう)
同店は鯉に穴子の親子という何ともマニアックな構成。
しかし大トロやウニは東京で最高クラスが食べられるのに対して、
鯉、のれそれ、穴子が最高に美味しい東京のお店は思い付きません。
存在自体がレアな「のれそれ」は摘果ぶどうを使用したフルーティーなポン酢で。
のれそれならではのヌメヌメした口当たりが楽しいです。
そして美味しさという点で圧巻だったのが親のほうの穴子(おそらく大サイズの穴子を使用)。
春なのにトンデモナイ旨味の強さ。
皮目だけパリッとさせる火入れの妙味でも穴子が昇華。
これ以上に美味しい穴子のお造りやタタキには未だ出会えないです。
開いてフワッと焼き上げた目光。
「山菜の女王」とも呼ばれ香り爆弾のこしあぶら。
モチモチ食感と食べ応えの凄まじさを楽しめるたらの芽など同店ならではの味覚を堪能。
茨城の食材として全国的な知名度を誇る梅山豚も脂の旨味が堪りません。
最後は山菜の炊き込みご飯に、とん汁ならぬしし汁と山の食材に舌鼓を打っていました。
60,000円に近いお支払いとなった京都の食べログSilver店に対して、
3分の1ぐらいなのに満足度の高さはSilver店を凌駕。
高級ブランド食材はあまり出てきませんがテロワール食材の魅力は資本主義に革命を起こします。
2024.5 斎藤川魚店霞ヶ浦産白魚唐揚げ
2024.5 山菜の前菜 盛り合わせ
2024.5 鹿嶋産蛤(はまぐり)と桜川市産こごみのお椀
2024.5 山野水産霞ヶ浦産鯉(こい)洗い
2024.5 大津港産のれそれ(穴子の稚魚)摘果ぶどうポン酢
2024.5 常磐沖産穴子
2024.5 那珂湊産目光一夜干し
2024.5 お口直し(紅はるか蜜煮と赤玉葱ピクルス)
2024.5 斎藤川魚店霞ヶ浦産1.0kgサイズ天然鰻(うなぎ)蒲焼き 花山椒掛け
2024.5 山菜の天婦羅(わかば屋山形月山産こしあぶらとこごみ)
2024.5 山菜の天婦羅(超巨大サイズたらの芽)
2024.5 境町塚原牧場梅山豚味噌漬け焼き 鉾田市方波見牧場デュロック種塩焼き
2024.5 山菜御飯(筍、わらび、こごみ、せり、こしあぶら、うど)
2024.5 お食事
2024.5 葛切り
2024.5 メニュー
2024/05/12 更新
2024/03 訪問
【★5.0】冬のスペシャリテ「焼きふぐ」で希少部位を堪能!【2169-19】
1,850文字★
東京から茨城県に来ております。
2月末に白子(1.7kg)入り地物の大きな天然トラフグ(5.8kg)を仕入れたそうで、
今回は予算アップで「トラフグ尽くし」コースを堪能。
ジビエのマガモ、あんこう、地物のメジといった、冬の味覚もコースに加わります。
・弥生御献立
01.大津港産天然河豚白子温寿司
02.前菜の盛り合わせ
02-1.あんこう煮凝り
02-2.いか塩辛
02-3.胡麻豆腐
02-4.塩鰤クリームチーズ
02-5.あん肝みたらし
02-6.蕗の薹味噌
02-7.菜の花辛子和え
03.常陸国天然まがも椀(稲敷市産網捕りまがも、大根、紅菜苔、せり、うど、白髪葱)
04.お造り
04-1.天然河豚刺しポン酢 白子刺し付き
04-2.常磐沖産メジ 辛味大根醤油
05.天然河豚炭焼き
05-1.身皮、遠江、エンガワ
05-2.腹皮、皮、かま皮
05-3.白子
06.常陸国天然まがも炭焼き(胸肉、長葱)
07.蓮根餅(土浦産蓮根、梅山豚)
08.天然河豚唐揚げ(かま、くち)
09.蕪蒸し(薄蒸し、つくば鶏、木耳、笹葱、三つ葉、生姜)
10.あん肝雑炊 香の物(白菜)
11.苺大福
12.黒豆プリン
いきなり餡掛けのトラフグ白子からスタート。
過去に同店(3.85)で雲子(真鱈の白子)の温(ぬく)寿司を頂いたこともありますが、
トラフグの白子は役者が違いました。
『美味しんぼ』11集2話でフグ白子の代わりにタラ白子を用意して罵倒されていましたが、
その理由は自身の舌で食べ比べてみれば良く分かります。
(とはいえ個体によっては雲子がトラフグ級に美味しいこともあったりします。)
天然と養殖でも大きな差が出るトラフグ白子。
株式会社トキタ(茨城県稲敷郡)が県内でチョウザメやトラフグを養殖しており、
この日は夜に養殖トラフグの白子を食べる機会に恵まれたのですが、
食べ比べると天然のほうが香りも旨味にも秀でていました(養殖は泥臭さが気になりました)。
ちなみにトラフグの白子は養殖でも高級品で豊洲市場に於ける取引値キロ20,000円ぐらい。
天然はキロ30,000円ともなる超高級食材(豊洲市場では白子だけを購入可能)。
同店は地の利を活かして県内の大津港から相対で仕入れているのではないかと思います。
お造りでも身と白子を堪能。
2月末に仕入れたということで1週間ぐらい熟成させている身の美味しさに舌鼓。
分厚いてっぴ(皮)の湯引きも添えられていました。
そして意外なところでホームランをかっ飛ばしてきたのが地物メジ(本鮪の幼魚)。
皮目パリッと身はレアーな火入れで、脂ノリッノリなメジが昇華。
あまりに脂が強いので辛味大根と合わせて丁度良かったぐらいです。
前月に食べログSilver某店でサスエ前田魚店(焼津市)仕入れのメジを食べましたが、
鮮度重視でモッチモチ食感な反面、脂ノリや旨味には乏しかったです。
アッサリ淡麗なお店ばかり評価される食べログでこういう濃厚系は邪道かも知れませんが、
濃厚なのに(メジなので成魚の本鮪よりは)爽やかな脂は大好物。
今は大間(青森県)禁漁期で高級店が仕入れる本鮪の産地が塩釜(宮城県)や銚子(千葉県)。
その中間地点ぐらいの常磐沖で良質なメジが獲れても不思議はないです。
紅白のお造りに対する満足度がアワード店を凌駕していました。
そしてご主人が「冬のスペシャリテ」とおっしゃる天然河豚炭焼き(焼きふぐ)。
身や白子を焼くのであれば別に珍しくもないですが、
同店は、身皮、遠江、エンガワ、腹皮、皮、かま皮という希少部位尽くし。
こんな焼きふぐは専門店でも出会ったことないです。
豊洲では白子だけ購入可能と前述しましたが身皮や遠江だけ購入することは不可能。
5.8キロの個体を丸で仕入れる同店ならではのスペシャリテ。
皮や膜のような部位が多いのでイメージとしては「ホルモン焼き」なのですが、
トラフグということで動物の臓物ほど脂が重くなくて何とも軽やか。
漫然と身皮や遠江を湯引きにしているお店では絶対に出せない爽快感。
2月8日に獲ってエトフェ屠鳥したという今季最後の天然まがも。
(全国的に狩猟期は2月15日までとなります。)
こちらもジビエならではの野趣と旨味の強さが合鴨とは別格。
鴨の脂を吸ったのであろう長葱まで美味しかったです。
あんきも、塩辛、山菜、梅山豚、茶碗蒸しなども他店であれば主役を張れそうな逸材でした。
2024.3 大津港産天然河豚白子温寿司
2024.3 前菜の盛り合わせ
2024.3 前菜の盛り合わせ
2024.3 常陸国天然まがも椀(稲敷市産網捕りまがも、大根、紅菜苔、せり、うど、白髪葱)
2024.3 天然河豚刺しポン酢 白子刺し付き
2024.3 常磐沖産メジ 辛味大根醤油
2024.3 天然河豚炭焼き(身皮、遠江、エンガワ)
2024.3 天然河豚炭焼き(腹皮、皮、かま皮)
2024.3 天然河豚炭焼き(白子)
2024.3 常陸国天然まがも炭焼き(胸肉、長葱)
2024.3 蓮根餅(土浦産蓮根、梅山豚)
2024.3 天然河豚唐揚げ(かま、くち)
2024.3 蕪蒸し(薄蒸し、つくば鶏、木耳、笹葱、三つ葉、生姜)
2024.3 あん肝雑炊
2024.3 苺大福
2024.3 黒豆プリン
2024.3 メニュー
2024/03/06 更新
2023/11 訪問
【★5.0】第14回農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」受賞【2169-18】
871文字★
東京から茨城県に来ております。
https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/gaisyoku/231026.html
第14回農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」ブロンズ賞の受賞おめでとうございます。
・霜月御献立
01.蕪甘露
02.三菊博多押し(春菊、菊花、もって菊、とんぶり、紅ずわい蟹、ゼリー酢)
03.前菜の盛り合わせ
03-1.黄ニラと小葱と平茸のぬた
03-2.鯖燻製&揚げ銀杏
03-3.柿と栗の白和え
03-4.白菜煮浸し
04.斎藤水産霞ヶ浦産白魚薄蒸し
05.お造り
05-1.常磐沖産鮃昆布〆肝巻き辛味山椒ダレ
05-2.常磐沖産鰆藁炙り
06.北海道羅臼産鰤南蛮焼き
07.石岡市八郷産イノシシと笠間産舞茸の炭焼き
08.岩手産牡蠣炒り焼き
09.半熟奥久慈玉子の香茸餡
10.お食事
10-1.甘鯛鱗揚げ蒸し寿司
10-2.天然茸うどん(ハナイグチ、香茸、ムキタケ、なめこ、さくらしめじ)
11.石岡市八郷産富有柿
12.かすみがうら市千代田産栗のブリュレ
同じ月に同門の弟分のお店(弐鷹@日立市)にも訪れてみましたが、
兄貴分であるご主人のほうが腕は立つように思います。
それに加えてお店の名声が上がる度にレベルアップしていく茨城のテロワール食材。
以前は大多喜町(千葉県)産を使っていたイノシシが地物に。
たっぷりと付いた脂身がジビエならでは軽やかですし、
炭の香りや舞茸とも良く合っていました(キノコは脂との相性が抜群に良いです。)
肝と葱で巻いて山椒ダレを掛けた鮃(ひらめ)。
レアー感を残す火入れで炙った冬の(つまり脂ノリの良い)鰆(さわら)。
組み合わせや火入れによって昇華している面もあるのでしょうが、
茨城の魚もこんなに美味しいのだと思い知らされます。
11月15日から狩猟解禁となって地物のマガモも入荷しているそう。
とはいえ日本にやって来たばかりで未だ痩せており脂ノリに乏しいとのこと。
餌を食べて肥え太るであろう年明けに期待しています。
2023.11 蕪甘露
2023.11 三菊博多押し(春菊、菊花、もって菊、とんぶり、紅ずわい蟹、ゼリー酢)
2023.11 前菜の盛り合わせ
2023.11 斎藤水産霞ヶ浦産白魚薄蒸し
2023.11 常磐沖産鮃昆布〆肝巻き辛味山椒ダレ
2023.11 常磐沖産鰆藁炙り
2023.11 北海道羅臼産鰤南蛮焼き
2023.11 石岡市八郷産イノシシと笠間産舞茸の炭焼き
2023.11 岩手産牡蠣炒り焼き
2023.11 半熟奥久慈玉子の香茸餡
2023.11 甘鯛鱗揚げ蒸し寿司
2023.11 天然茸うどん(ハナイグチ、香茸、ムキタケ、なめこ、さくらしめじ)
2023.11 石岡市八郷産富有柿
2023.11 かすみがうら市千代田産栗のブリュレ
2023.11 メニュー
2023/11/26 更新
2023/10 訪問
【★5.0】秋のオールスター【2169-17】
1,034文字★
東京から茨城県に来ております。
過去に食べて美味しいと思った料理を中心にコースを組んで頂きました。
それに加えて「わかば屋(土浦市)」から希少な「天然バカマツタケ」の入荷という僥倖。
食運に左右される食材も含め、秋の味覚に舌鼓を打っておりました。
・神無月御献立
01.前菜
01-1.秋刀魚燻製
01-2.あけび味噌
01-3.かます棒寿司
01-4.身巻き唐墨
01-5.鴨生ハム
01-6.キャベツ煮浸し
01-7.鯉南蛮漬
02.天然バカマツタケのお吸い物
03.お造り
03-1.常磐沖産穴子
03-2.大津港産太刀魚炙り
04.和歌山産子持ち鮎油煮焼
05.天然みずの実と木耳の煮浸し
06.茄子田楽(新活産緑茄子、自家製味噌、鶏肉、アメリカウラベニイロガワリ、チチタケ、ヤマドリタケ)
07.冷やし煮物(南瓜、トマト、オクラ、小芋、打ち茗荷、胡麻だれ)
08.久慈浜産目光唐揚
09.天然茸みぞれ和え(アミタケ、ホウキタケ、ショウゲンジ)
10.方波見牧場デュロック種 豚二種炭焼き(味噌焼き&塩焼き)
11.お食事
11-1.天然茸混ぜ御飯(マイタケ、ヤマドリタケ、マスタケ、サクラシメジ)
11-2.お味噌汁(あおさ)
11-3.香の物(胡瓜と蕪)
11-4.方波見牧場デュロック種 豚モツ煮込み
12.焼葛餅
かます棒寿司が以前に食べたときよりも好印象。
同店(3.99)スペシャリテ級と思う料理が前菜として色々と盛り込まれましたが、
酒肴に適したアイテムが多くて日本酒が進んでしまいます。
そして香りの強さに関しては本種の松茸以上とも謳われるバカマツタケ。
ご主人曰く手に持つだけで香りが付いてしまうほど強烈だったそう。
吸い地に昆布を多用する同店ですが今回ばかりは昆布に加えてメジ(鮪)節も使用。
バカマツタケの芳しさに秋を感じます(香りも吸い地も素晴らしかったです)。
〆の天然キノコご飯は炊き込みご飯ではなくて「混ぜご飯」スタイル。
方波見牧場デュロック種のラードでキノコを炒めており味付けは醤油だけとのこと。
(Nonna Nietta 川村シェフのInstagramによれば日本でも珍しいデュロックの原種。)
キノコは油を吸うことで旨味を増す食材ではありますが、
確かに炊き込むより「炒めて混ぜる」ほうが活きるのかも知れません。
わかば屋からキノコが安定的に入るようになったこともあって去年よりパワーアップしています。
2023.10 前菜
2023.10 前菜
2023.10 天然バカマツタケのお吸い物
2023.10 常磐沖産穴子
2023.10 大津港産太刀魚炙り
2023.10 和歌山産子持ち鮎油煮焼
2023.10 天然みずの実と木耳の煮浸し
2023.10 茄子田楽(新活産緑茄子、自家製味噌、鶏肉、アメリカウラベニイロガワリ、チチタケ、ヤマドリタケ)
2023.10 冷やし煮物(南瓜、トマト、オクラ、小芋、打ち茗荷、胡麻だれ)
2023.10 久慈浜産目光唐揚
2023.10 天然茸みぞれ和え(アミタケ、ホウキタケ、ショウゲンジ)
2023.10 方波見牧場デュロック種 豚二種炭焼き
2023.10 天然茸混ぜ御飯(マイタケ、ヤマドリタケ、マスタケ、サクラシメジ)
2023.10 方波見牧場デュロック種 豚モツ煮込み
2023.10 焼葛餅
2023.10 メニュー
2023/10/11 更新
2023/09 訪問
【★5.0】夏キノコ尽くし【2169-16】
2,253文字★
東京から茨城県に来ております。
茨城・常陸牛の新ブランド「常陸牛 煌(きらめき)」を発表、トップブランド化や知名度向上を図る
https://www.ssnp.co.jp/meat/519445/
リンク先に載っている「常陸牛 煌メニュー」を提供する県内4店舗の1つ。
同店(3.99)は和食ということで常陸牛 煌のサーロインをすき焼きにしています。
わかば屋(土浦市)から天然キノコ(夏キノコ)も色々と入荷しており、
常陸牛 煌サーロインと夏キノコのすき焼きが今回の主菜となるでしょうか。
・長月御献立
01.天然茸みぞれ和え(チョレイ舞茸、ショウゲンジ、ハナビラタケ)
02.前菜
02-1.いちじく胡麻よごし
02-2.キャベツ煮浸し
02-3.鴨生ハム
02-4.コリンキー(かぼちゃ)酢漬け
02-5.おおまさり(塩茹で)
02-6.あけび味噌
02-7.斎藤水産霞ヶ浦産川海老唐揚(掻き揚げ仕立て)
03.鴨真薯と天然茸のお椀(稲敷産網獲り野鴨、ヤマドリタケ、ヤマドリダケモドキ、ウスヒラタケ、コガネヤマドリ、オオツナダケ、ムラサキトリダケ)
04.お造り
04-1.北海道産秋刀魚(さんま)
04-2.銚子産梭子魚(かます)
04-3.常磐沖産鰆(さわら)藁炙り(手前が当日物、奥が熟成1週間)
05.和歌山産子持ち鮎油煮焼 茗荷土佐酢漬け 杏子蜜煮
06.翡翠茄子田楽(笠間産緑茄子、自家製味噌、鶏肉、アメリカウラベニイロガワリ、チチタケ、ヤマドリダケ)
07.うわばみ草煮浸し(ミズの実、キクラゲ、むかご)
08.鯉南蛮(山野水産霞ヶ浦産鯉、長葱、パプリカ)
09.常陸牛”煌”と天然茸のすき焼き(常陸牛 煌サーロイン、奥久慈卵、ムラサキトリダケ、タマゴダケ、キイロタマゴダケ、ヤマドリダケモドキ)
10.お食事
10-1.久慈浜産目光竜田揚げ
10-2.北海道産新いくら醤油漬
10-3.釜炊き御飯(土浦新治地区産特選コシヒカリ)
10-4.御味噌汁
10-5.香の物
11.水菓子(石岡産恵水、下妻産シャインマスカット)
12.かすみがうら市四万騎農園産栗渋皮煮
中秋の名月に見立てた器で、天然キノコのみぞれ和えからスタート。
重陽の節句ということで前菜の器は菊に見立てています。
あけびの苦味をバランス良く抑えた味噌和えや、カラスミの技法を応用した鴨の生ハムに舌鼓。
地物の鴨と天然キノコの旨味が効いたお椀など秋の味覚を堪能したのですが、
コッテリした味わいを好む筆者の琴線に触れたのは秋刀魚(さんま)のお造り。
北海道産ということでテロワール全く関係無いですが脂ノリ良くて旨味もバッチリ。
梭子魚(かます)は身のやわらかさが少し気になってしまって、
サスエ前田魚店(焼津市)が静岡県の高級店に供給している梭子魚には見劣りました。
同店で食べた梭子魚としては前年の棒寿司のほうが好印象。
脂が乗ってきた秋の鰆(さわら)は当日物と熟成1週間の食べ比べ。
スーパーマーケットで販売しているような鰆とは香りの良さも旨味も別格。
1週間寝かせても臭みが出ず、旨味が凝縮している点にプロの技術を感じます。
脂っ濃い料理を好む筆者にとって秋刀魚に続くヒットだったのが子持ち鮎。
コンフィのように「油煮焼」とすることで骨までやわらかく楽しめます。
子持ちのサイズ感を重視するため今回は成田産ではなくて和歌山産。
骨もやわらかく食べられるよう天然ではなくて養殖。
そして鮎の仕上げには摘果ぶどう(未成熟な段階で摘まれた酸っぱいぶどう)を搾って。
レモンのような酸味を感じながらフルーティー。
油をたっぷり含んだ子持ち鮎が爽やかになってバランス良かったです。
天然キノコを使った料理で一番のヒットは茄子田楽。
キノコや鶏肉の旨味が効いた自家製味噌が抜群に美味しい。
たっぷり油を吸った茄子が蕩けて、旨味の塊のような味噌と非常に良く合うのです。
箸休めのミズの実はサッパリした味わいながら粘度とコリコリ感を楽しめ上々。
イタリアンでリコッタチーズ和えのミズの実を食べる機会もありましたが、
この山菜はお浸しで食べるのが一番という気がします。
鯉南蛮はツイスターポテトのように骨切りした鯉の身をフワッと楽しめて、
火を入れた鯉としては過去最高クラスに美味しかったです。
お造りよりも食べ応えという点で秀でていました。
主菜であろうすき焼きはご主人が目の前で火を入れます。
常陸牛 煌は融点が低いとのことで、サーロインでもレアーな火入れ。
キノコからサーロインという順番で楽しんでいきます。
しかし和牛と天然キノコのすき焼きは高山市(岐阜県)の肴(4.01)、
常陸牛 煌はNonna Nietta(3.65)のほうが好印象で、
美味しいすき焼きではあったのですが同店が必ずしもNo.1とはならず。
むしろNo.1と思ったのは白米のおかずに登場したメヒカリ(目光)。
ご主人も初めて出会ったという特大サイズの頭と中骨を取り除いて竜田揚げに。
脂ノリノリでフワッフワに蕩けるメヒカリのほうが5.0満点クラス。
メヒカリは足の早い魚なので地の利もあったのでしょう。
秋刀魚(脂ノリノリ)、子持ち鮎(コンフィ)、茄子田楽(油吸いまくり)、
鯉南蛮(揚げ物)、メヒカリ(竜田揚げ)。
コッテリした料理ばかり気に入る脂舌に我ながら泣けてくるところですが、
同地ならではの味わいを本日も堪能しました。
2023.9 天然茸みぞれ和え(チョレイ舞茸、ショウゲンジ、ハナビラタケ)
2023.9 前菜
2023.9 鴨真薯と天然茸のお椀(稲敷産網獲り野鴨、ヤマドリタケ、ヤマドリタケモドキ、ウスヒラタケ、コガネヤマドリ、オオツナダケ、ムラサキトリダケ)
2023.9 北海道産秋刀魚(さんま)
2023.9 銚子産梭子魚(かます)
2023.9 常磐沖産鰆(さわら)藁炙り(手前が当日物、奥が熟成1週間)
2023.9 和歌山産子持ち鮎油煮焼 茗荷土佐酢漬け 杏子蜜煮
2023.9 翡翠茄子田楽(笠間産緑茄子、自家製味噌、鶏肉、アメリカウラベニイロガワリ、チチタケ、ヤマドリダケ)
2023.9 うわばみ草煮浸し(ミズの実、キクラゲ、むかご)
2023.9 鯉南蛮(山野水産霞ヶ浦産鯉、長葱、パプリカ)
2023.9 常陸牛”煌”と天然茸のすき焼き(常陸牛 煌サーロイン、奥久慈卵、ムラサキトリダケ、タマゴダケ、キイロタマゴダケ、ヤマドリダケモドキ)
2023.9 夏キノコ
2023.9 夏キノコ
2023.9 常陸牛 煌サーロイン
2023.9 お食事
2023.9 水菓子(石岡産恵水、下妻産シャインマスカット)
2023.9 かすみがうら市四万騎農園産栗渋皮煮
2023.9 メニュー
2023/09/24 更新
915文字★
東京から茨城県に来ております。
スペシャリテ級の料理をリクエストしまくって同店(4.12)再訪。
前菜から9種類の料理をチョコチョコ楽しめて、テロワール食材に、秋の天然キノコ、
オールスターといった構成で怒濤のコースが繰り広げられていきました。
・神無月 御献立
01.前菜盛り合わせ 9種類
01-1.クロカワ牛すじ煮
01-2.タマゴタケお浸し
01-3.根室産秋刀魚棒寿司
01-4.身巻き唐墨
01-5.冬瓜葱油和え
01-6.芥子茄子
01-7.あけび味噌
01-8.しその穂オクラ
01-9.銀杏
02.霞ヶ浦産天然すっぽん薄蒸し
03.お造り
03-1.常磐沖産ホウボウお造りと常磐沖産穴子の焼き霜
03-2.常磐沖産鰆(さわら)藁焼き 芥子添え
04.子持ち鮎油煮焼き 丸十レモン煮 みょうが甘酢漬け
05.ジャフラトレーディング産ホロホロ鳥の炭火焼き
05-1.もも肉とむね肉
05-2.白レバーと砂肝
06.ナメコみぞれ和え
07.茸春巻き(アカヤマドリタケとヤマドリタケ)
08.冷やし煮物(小芋、ミニトマト、オクラ、蓮根、ズッキーニ、打ち茗荷、胡麻ダレ)
09.翡翠茄子そぼろ掛け(チタケ、土浦産翡翠茄子、常陸国天然まがも)
10.お食事
10-1.天然茸と蕎麦の実の雑炊(ハナイグチ、ムキタケ、香茸、筑西市産常磐秋そば)
10-2.天然茸ご飯(マスタケ、ホンシメジ、香茸、ムラサキシメジ、ヌメリササタケ、ハツタケ、舞茸、キクラゲ)
10-3.香の物(キャベツ)
10-4.熱い緑茶
11.焼き葛餅
この日も出汁に昆布と鰹節は不使用。
とはいえ30種類ぐらいの出汁を料理によって使い分けているそうで、
春巻きにはホロホロ鳥、冷やし煮物の胡麻ダレには甘鯛、雑炊にはマガモ、
一見すると精進料理のように思えて動物性の旨味で美味しさを担保しています。
すっぽん薄蒸し(茶碗蒸し)が前回より好印象。
春巻きも前回より薄塩でバランス良く、過去に同店で食べた春巻きのNo.1評価。
タマゴタケのお浸しやナメコのみぞれ和えといった、
お口直しのような料理まで天然キノコの強烈な旨味を楽しめて恐れ入りました。