レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2016/03訪問 2016/06/29
料理ばかりでなく人柄・おもてなし・雰囲気の全てがハイクオリティなお店
【夜】[料理・味]5.5*40%+[サービス]5.5*15%+[雰囲気]5.0*10%+[CP]5.0*30%+[酒・ドリンク]4.0*5%=5.23(5.0)
※「料理・味」「サービス」を特例で5.5ptで採点しています。ご了承下さい。
■2016.3.1x再訪
個人的には、日本料理店としてのあらゆる要素が最もバランスよく、そして高いクオリティが保たれていると感じている『虎白』です。
石川さん譲りの ”王道” 日本料理と小泉さん独自の若く新しい感性が巧みにミックスされた料理の数々は言うまでもなく、明るく開放的で精神的にも肉体的にも窮屈でない空間、小泉さんを筆頭に若い衆やサービス担当の女性陣の腰の低さや物腰の柔らかさ、常識的というか良心的な値段設定などなど。。。
総合的に「非の打ち所がない」お店として通い続けています。
そしていつも「とてもいい気分」でお店を後にすることができます。
私と一緒に『虎白』を訪れた人は、みんな異口同音に「また連れて行ってほしい!」と言ってくれます。
それもまたこの店に通ってしまう大きな理由でしょうね。
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■2016.1.x再訪
新春初割烹は贔屓の『虎白』で。
一年のスタートに相応しいチョイスです!
小泉さんをはじめ皆さんに新年のご挨拶をしてから着席。
今年も素晴らしい料理の数々と心のこもったおもてなしを宜しくお願い致します。
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■2015.11.1x再訪
このところ、2カ月弱のサイクルで再訪が続いている神楽坂『虎白』
目新しい料理と王道を巧みに組み合わせた丁寧で繊細な料理の数々。
小泉さんの人柄、着物のお姉さんの気立て、お店全体が醸し出す暖かみ…全部好きです!
そして昨日、ミシュランガイド2016東京で三ツ星獲得の嬉しいニュースが飛び込んで来ました!!!
おめでとうございます、小泉さん。もちろん石川大将も。
ミシュランと私の尺度は必ずしも一緒とは思いませんが、やはり自分が贔屓にしてきたお店が数少ない三ツ星に選ばれるのは ”食道楽冥利” に尽きるというもの。
食べログの「Myおすすめレストラン」の1位に長らく据えさせていただいておりましたから、その喜びはひとしおです。
次回は年明け早々の予約。
一段と予約が取りにくくなりそうですが、まだまだ通い続けたいと思います。
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■2015.10.x再訪
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■2015.8.x再訪
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■2015.6.1x再訪
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■2015.1.1x再訪
年明け、初の神楽坂エリア訪問は大好きな大好きな『虎白』です。
先ずは新年の挨拶とお節のお礼を小泉さんに伝えてから、カウンター席への着席となりました。
私がこの店をここまで推すのは、美味しいとか美しいとかは当然として、日本料理の枠にとらわれない自由な発想と表現力、それでいて日本料理から決して逸脱しない匙加減の巧みさ、そして一つ一つの料理に隠された止め処ない ”手間” を密かに感じられることでしょうか…。
分かったようなことを言ってスミマセン、小泉さん。
今宵も19,000円のコース(のはずです)。
二回目の来店以降、特に聞かれませんし、言いもしませんから(笑)
コース内容は以下のとおりです。
1.先付 甘鯛 銀杏 聖護院蕪すり流し
2.逸品 鼈(すっぽん)煮凝り
3.凌ぎ 鰤飯蒸し
4.お椀 松葉蟹真丈
5.お造り 鮍(カワハギ) 肝和え
6.焼物 鰆(さわら) 海老芋 醤油餡
7.冷し物 和牛 椎茸 鶉温泉卵 トリュフ
8.煮物 のど黒 葱 水菜 白味噌仕立て
9.お食事 香箱蟹の炊込みご飯 味噌汁 香の物
10.デザート 黒糖寒天 ブランデーゼリー 胡桃 焦がし砂糖スープ
今宵も個性豊かな料理の数々を堪能。
流れるようなコースも悪くありませんが、一品一品しっかりと立ち止れる『虎白』の料理、小泉さんの料理はやはり素晴らしいですね。
感動と歓びを期待しつつ…今年も宜しくお願いします。
この後は最近お決まりのコース『歯車』へ。
神楽坂の夜がお気に入りの私です。
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■2014.10.2x再訪
先週の『神楽坂 石かわ』に続いての『虎白』再訪です。
香り高く、それでいて濃厚すぎないトリュフソース。
和の領域から飛び出そうで、決して飛び出ていない…。
さすがです。
炭火で焼いて、それから蒸して、揚げた鰻。
表面がカリッとパリッと、そして中はふっくら。
手間を掛けた分、しっかり美味しくなっていますね。
スッポンの骨や甲羅を炭火で焼いてからとった極上の出汁。
のどぐろは素材の旨さをそのまま生かして…。
丹念に裏ごしされた甘鯛の真丈と炭の薫りが食欲をそそる焼き茄子は抜群の相性。
〆は香り高い松茸ご飯。千切りにされ、土鍋に散りばめられた松茸の美しさは、さすがの職人芸とため息が…。
今宵も ”小泉劇場” に酔いしれました。
念のため、この日のコース内容。
1.先付 海老芋 トリュフソース
2.揚物 鰻 銀杏 梅の香り
3.凌ぎ 鮑飯蒸し
4.お椀 鼈(すっぽん) 白胡麻豆腐
5.お造り 金目鯛炙り
6.焼物 のど黒 蕪 山椒味噌
7.冷し物 蔵王鴨 無花果 胡瓜
8.煮物 甘鯛真丈 焼き茄子 水蓮菜 葱
9.お食事 松茸の炊込みご飯 味噌汁 香の物
10.デザート 黒糖の寒天寄せ ラム酒の氷とソース 松の実
二週続けてハシゴして、やはり「石かわ」は「石かわ」であり、「虎白」は「虎白」であると実感しましたね。
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■2014.9.2 皆さん "500いいね!" ありがとうございます♡
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■2014.8.2x再訪
前回お邪魔した時にお願いしたカウンター席での予約。
約2か月ぶりの再訪となりました。
その間に総本山ミシュラン☆☆☆『神楽坂 石かわ』にも伺うことができ、こちらのグループの熱狂的ファンになりつつある自分がいます。
直線のカウンターはわずか6席。
2名客が3組で埋まってしまうので、やはり予約は2か月先くらいになってしまうようです。
今宵も美味しい料理とお酒を堪能。
一応、この日のコース内容と簡単な感想を列記しておきます。
1.先付 焼き玉蜀黍 砕き鮎 柚子の香り/蒸して焼いてすりつぶした?とにかく手間を掛けた玉蜀黍です
2.凌ぎ トリュフ茶碗蒸し/クセになる味…たまらなく濃厚でクリーミーで香り高いですね
3.揚物 穴子俵揚げ くちこ/穴子の背骨かと思ったらくちこでした(笑)
4.お椀 毛蟹真丈 山口県産早松茸/真丈のフワフワ感が絶品!松茸もいい香りです
5.おまけ(笑) 毛蟹 蟹味噌/お椀に使われた毛蟹の味噌です
6.お造り 天草産活け鱧/湯引きをしていない歯応えの強い天然鱧 バナーで皮目を炙った鱧も添えられていました
7.焼物 太刀魚 万願寺唐辛子 白芋茎/腹身の部分の脂ののりが半端なし 太刀魚ってこんなに美味しい魚でした??笑
8.冷し物 鮑 賀茂茄子 白胡麻餡/温かい料理に挟まれて、口休め的に ”涼” を感じる一品ですね
9.煮物 すっぽん飛龍頭(がんもどき) 水蓮菜 葱 スナップエンドウ/すっぽんのがんもは敵なしの旨さ!もちろんすっぽんのスープも優しいですねぇ~
10.お食事 のど黒の炊込みご飯 味噌椀/名前だけでノックアウト 旨くなかったら怒るぞ~くらいの勢いで焼いたのど黒好きです
11.デザート メロンスープ ラム酒と氷とムース 黒蜜かけ/いろいろ混ざり合って、夏の夜の〆のサッパリの完成です
少々酔っ払い過ぎましたが、小泉さんに近所のバー『歯車』の予約をお願いしてお会計を。
四合瓶で25,000円する八海山「金剛心」(新潟)を空けた上に鄙願 大吟醸(新潟)や黒龍 龍(福井)などを追加しましたので、お酒代がかさんで金額は2名で76,000円あまり。
でもこれを高いと思わせないだけのモノがここにはありますね。さすがです。
小泉さんと女将さんにお見送りを受けたばかりか、一つ目の路地を右に行かなくてはならないのに、酔っ払いの勢いで直進しかけたところ、小泉さんが猛ダッシュで追いかけてきてくれ正しい方向に誘導してもらいました(汗)
そんなこともあるから、必ず客の姿が見えなくなるまでお見送りしてくれるのでしょうか(笑)
次の予約は10月後半。
思いっきり「秋」を感じられるコースとなるでしょう。
今からワクワク&ドキドキです(笑)
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やっと希望日に予約が取れて、神楽坂『虎白』(食べログ今日現在4.35点)に行ってきました。
電話したのは約1ヶ月前、5月の末でした。
やはり大変な人気店のようです。
それもそのはず。
あのミシュラン☆☆☆の『神楽坂 石かわ』(食べログ今日現在4.43点)の弟分的系列店で、やはりミシュラン☆☆なのですから。
そしてやはり同じ神楽坂にある、もう一つの系列店『蓮』(食べログ今日現在3.94点)もまた☆☆なんです!
神楽坂にある3店舗で計☆×7ですから、これはもう笑うしかありません(笑)
実はこちら『虎白』の予約が取れたので、あわててフラッグシップ『神楽坂 石かわ』にも電話をしてみました。
予約が取れたのは2ヶ月以上先の8月前半。
受答えの感じからすると、遅い時間なら多少余裕がある日もある雰囲気でしたが、ゴールデンタイムはなかなか難しいようです。
ちなみにこの日『虎白』の利用は3名での会食でしたから、4名掛けテーブル席に案内されましたが、次回は是非カウンター席を希望したところ、予約できたのは2ヶ月先の8月後半でしたね。
普段は面倒臭がり屋で、待つのが苦手で、行きたい時に行けない店なんか…って思ったりする私ですが、さすがにこのクラスは多少の我慢は致し方ないと思う分別くらいは持ち合わせています(笑)
誰と行こうかなぁ…なんてニヤニヤしながら思案するのも悪くありませんね。
もちろん、たまには!ですけどね。
この日は好業績のもとに決算申告が無事終わった「一区切りの会」でした。
担当役員を一人連れて、もう15年以上の付き合いになる顧問税理士と3人で銀座からタクシーで神楽坂へ。
靖国通りの九段下から早稲田通りに入って、メーターは1,500円ほど。
普段あまり足を踏み入れないエリアなのですが、へぇ~銀座からこんなに近いんだ!とびっくりです。
お店は神楽坂のメインストリートの坂を上り始めて100メートルくらいでしょうか。
細い路地を左に曲がると、数十メートル先右側にすぐそれと分かるオーラのある外観が見えてきます。
一見料亭風な感じもありますが、どこかスマートでスタイリッシュな雰囲気ですね。
外から見ても ”タダモノではない感” を漂わせているのですから大したものです。
引き戸を開けて店内に入ると、すぐに立派な虎の絵が…
白と黒で描かれているので、さながらホワイトタイガーといったところですが、漢字に直すと『虎白』ですからね(笑)
ちなみにこちらの絵や、店内の書、また壁の上部周りの壁画?絵巻物?のようなもの、更には器の一部まで陶芸家(兼画家・書道家)の髙仲健一氏の作品だそうです。
この方が飼っていた猫の名前が「こはく」
『石かわ』が ”龍” をモチーフにしているので、対(つい)として ”虎” がインスピレーションされ、琥珀色の琥珀ではなく、王偏のない珍しい「こはく」即ち『虎白』が誕生したと伺いました。
店内は天井も高く、ゆったりとした作り。
入って左側が厨房とカウンター6席、右側に4名テーブル×3と2名テーブル×3となっています。
それぞれの席が程よい距離感があり、また圧迫感や閉塞感のない適度な目隠しがあって上手い配置だな、と思いました。
予約時にコースは15,000円・17,000円・19,000円の3種類との説明があり、お値段だけ聞いて19,000円のコースをお願いしておきました。
この日は先付からデザートまで下記10品。
”新日本料理” と評される、既存の日本料理の手法に様々な工夫を凝らした料理の数々、そして斬新な盛り付けを堪能しました。
先付 殻付きの生雲丹 ホワイトアスパラガスすり流しと出汁、すだちを少々
揚物 活け鮎 トリュフソース
凌ぎ 鰻 飯蒸し 手巻き寿司のように
お椀 すっぽんの炭火焼き 甲羅、骨でとった出汁 素麺
お造り 皮目を炙った金目鯛 刻んだネギでとろみのある出汁
焼物 七味醤油を塗って焼いたのど黒 椎茸には木の芽味噌ソース
冷し物 柔らかく煮た鮑 白芋茎 肝と柚子の餡かけ
煮物 和牛 玉葱 蕗 スナップエンドウ 白味噌仕立て
お食事 ときしらずの炊込みご飯 裏ごしした梅を使った梅味噌が隠し味
えのきだけの味噌汁
香の物 昆布 小松菜 白菜
デザート 黒糖アイス 焦がし砂糖ゼリー シェリー酒スープ 揚げ湯葉 松の実
特に良かった料理は、
①逆立ちしている鮎!まずこの姿に度肝を抜かれました。そして洋食のソースとしか思えないクリーミーなホワイトソースにふんだんに入ったトリュフ。今日は何屋に来たのか?と錯覚するほど。
②ほどよく炙られ香ばしい金目鯛の皮目と、口の中で絶妙にとろける甘みのある身の部分。これに葱ベースのとろみのある出汁が掛かっており、やはり「お造り」の概念を覆させられました。
③煮物美味しかったですねぇ。唯一の肉料理というか、肉の入った料理ですが、それより肉の下にいる野菜たちと白味噌ベースのほのかに甘みのある出汁のマッチングの妙!
④ときしらずの炊込みご飯は絶品でした。一般的な鮭の旬は秋で、川を遡上するものを捕獲しますが、5~7月頃に海で捕獲される鮭が「時期外れ」ということで ”時知らず” と名付けられています。産卵期から離れているため、最も脂ののった鮭として人気がある高級魚なんですよ。たかが鮭とあなどるなかれ!です。裏ごしした梅を使った梅味噌が効いていて、抜群の旨さです。残ったご飯はおにぎりにして持たせてくれますが、冷めても美味しいとは言いつつも、その場でアツアツのうちに頑張って食べ切れば良かったかな、と反省です(笑)
⑤デザートも手抜きなし。色々なものが混ざり合っていて和食ではかなり珍しいタイプのデザートですが、それぞれの存在意義がきちんと主張され、それでいて足を引っ張り合うこともなく、和のデザートとしては最高ランクのものでした。
ただ食材の「産地」の説明が一切なかったのは残念ですね。
個人的にものすごくこだわりがある訳ではありませんが、日本料理店では割と一般的ですからね。
一方、接客・サービスも秀逸。
二人の若い着物女性が交互に担当していましたが、お互いの受け渡しも良く、柔らかい笑顔や物腰、丁寧な料理説明、お酒を注ぐタイミング、トイレのご案内に至るまで、本当に素晴らしいもので正直驚かされました。
どこからこんな素敵なお嬢さん達を見つけてくるのだろうか…と(笑)
最後は料理長(名刺は統括総料理長・虎白店長とかなり厳めしい肩書きですが)の小泉功二さんからご挨拶をいただき、外までお見送りをいただきました。
まだ35歳になったばかりという、本当に前途洋洋とした、この先がとても楽しみな料理人だと思います。
更なる進化に期待しつつ、予約取りは大変でも、やはり時々は料理を食べに来なくてはならないですね。
飲み物はビール小瓶が3~4本、日本酒が鄙願(ひがん)他1合1,000円台のものを3合、その後4合瓶で菊姫 B.Y.大吟醸 10,800円をいただきました。
結果的に〆て8万数千円、一人あたり27,000円あまりとなりましたが、とても気分よくお会計ができました。
神楽坂『虎白』
新規開拓で久しぶりにシビレた夜となりました…
2位
1回
2016/03訪問 2016/06/10
【夜】[料理・味]6.0*40%+[サービス]4.0*15%+[雰囲気]4.5*10%+[CP]4.5*30%+[酒・ドリンク]4.0*5%=5.00(5.0)
※「料理・味」を特例中の特例で6.0ptで採点しています。ご了承下さい。
■2016.3.2x再訪
東京ドームでの開幕シリーズを観戦し、銀座でお買い物をした後、3カ月ぶりに『銀座 座屋』へ伺いました。
私にとって、旨い魚を食べたい時に真っ先に頭に浮かぶお店。
中野料理長との付き合いも長くなり、完璧にホーム感覚で利用できるお店になっています(笑)
いつもの席に案内され、阿吽の呼吸で料理が提供されます。
この時期は貝類がいいとのことで、貝尽くしの逸品から始まり、終わりに近くなったふぐの白子も。ところどころに季節の山菜が脇役として登場します。
気張ることも、着飾る必要もない揺るぎない信頼関係。。。いいですね。
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■2015.12.2x再訪
今年最後の『銀座 座屋』
お店も年内最終営業日でした。
中野さんも普段にも増して腕によりをかけて、この日は料理だけで12品。
香箱蟹から始まり、天然トラフグ、氷見の寒ブリ、あん肝、間人蟹、のどぐろ…などなど。
肉は一切なしで、オール魚介です。
私の好みを知り尽くしていますね(笑)
心の底から堪能し、今年最後の客として店をあとにしました。
この一年に感謝です!
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■2015.11.3x再訪
プチ同窓会4名で利用。
4名でも普段はカウンター席なので、この日初めて個室を使いました。
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■2015.9.1x再訪
相変わらずの「魚の魔術師」ぶりに感嘆の嵐!
このところ、いつも中野さんにおまかせ。コースの値段もよく分かりません。
他の席と違うものが食べられる喜びは優越感以外の何ものでもありません。
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■2015.5.3x再訪
家族の記念日に。
本人からのリクエストが、こちら『銀座 座屋』でした。
生意気だな…と思いつつも、我が息子よく分かってるなと褒めてやりたい気分です!笑
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■2015.2.1x再訪
昨年末に久しぶりにお邪魔して、あらためて『銀座 座屋』の素晴らしさを実感して以来、3ヵ月連続の訪問となりました。
料理長の中野さんと「娘の受験が無事終わったら家族そろってお邪魔します」と約束していましたので、その約束を果たした形になりました。
親としては、約束が守れる結果となり、本当に嬉しい限りです。
中野さんもいつにも増して気合を入れて、素敵な料理の数々を振る舞ってくれました。
クールな中野さんのことですから、ホントはいつもと変わらぬ全力投球だと思いますが、そんな風に感じてしまうところは所詮私も人の親といったところでしょうか(笑)
お祝いの紅白椀として出された、キンキ(紅)とフグの白子(白)を紅白に見立てた霙(みぞれ)椀には大量の金箔が。
祝い八寸にはわざわざ赤飯を炊いていただいたり、紅白の敷紙や水引でデコレーションも。
デザートにもお祝いプレートを娘の名入りで用意してくれたり、普段使わない白いイチゴまで仕入れてとちおとめと合わせて紅白イチゴを表現してくれたり…。
処々に中野さんの気遣いと優しさが伝わってくるコース構成で、嬉しくもあり、ありがたくもあり…感謝感激でした。
初めて行った家族も、私の前パブでかなりハードルが上がっていたにもかかわらず、とても感動し喜んでくれました。
やはり中野さんの ”魚懐石” はスゴイですね。
家内も子供達も、随分いろいろな所に連れていっているので、私が言うのもナンですが相当舌が肥えていますから(笑)
中野さん、スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
お蔭で父親の面目躍如です!
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■2015.1.2x再訪
年末に続いての訪問となった『銀座 座屋』
今回も中野料理長に完全おまかせでお願いしました。
魚が旨すぎて、すっかり病み付きですね(笑)
以前、私が中野料理長に付けたニックネームは ”謙虚な自信家” ですが、今やこれにプラスして ”魚の魔術師” と呼ばせてもらいましょう。
毎回毎回、色々な旬の魚を様々な料理にして私を喜ばせてくれます。
これだけ魚づくしの日本料理店もホント珍しいと思います。
この日のコース内容はこんな感じです。
1.鼈(すっぽん)と下仁田葱 百合根の柚子釜蒸し
2.”緑タグ” 間人蟹 蟹酢で
3.トラフグのたたき
4.お造り サヨリ 金目鯛昆布〆 鮃 ノドグロの炙り
5.定番! 鰹の藁焼き
6.白味噌仕立てのお椀 トラフグの白子 鯨のコロ 海老芋 千葉県大浦牛蒡
7.赤座海老 炭火でさっと炙って
8.仙台牛の酒粕焼き 寒鰤の酒盗焼き 金柑蜜煮 姫大根 チシャトウ他野菜類
9.冬野菜の揚げ出し 九条葱 ほぐした伊勢海老 紫ブロッコリー 人参 蓮根 蕪
10.釜炊きご飯 高知県四万十川の清流で作られたヒノヒカリ 鰹の藁焼きの粕漬け 鰹の佃煮 香の物 味噌汁 土佐ジローの卵
11.デザート
豪華なお椀が今日のナンバーワンですね。
白味噌が鯨のコロの旨みを最大限引き出している感じがします。
焼き物の寒鰤も最高に旨い!
また、お造りの華やかさと、素材の良さ、バリエーションには毎回驚かされます。
間人蟹、トラフグの叩き、サヨリ、金目鯛昆布〆、鮃、ノドグロの炙り、鰹の藁焼きがいわゆる刺身ですからね。
ホント凄いです。
余りの旨さに、連れもすっかりノックアウト。
ご飯の美味しさに感動した!だって。エッ?そこかい(笑)
でも白いご飯で提供するのは、それはそれで勇気のいることですし、ある意味自信の表れでもありますよね。
二人して「白飯 → 土佐ジローの卵かけご飯 → 塩ご飯 → おこげ」の黄金のカルテットを最後まで堪能しました。
4~5杯ずつ飲んでお会計は約54,000円。
思わず「安っ!」と声が出掛りました。
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■2014.12.1x再訪
年末にご挨拶も兼ねてお邪魔したかった『銀座 座屋』
希望日に予約が取れず、電話対応の女性から電話を代わった中野料理長に「今年はお会いできそうにありません。」とご挨拶をしたものの心残りになっていたところ、あるうら若き女性とのデートが舞い込んできました。
月曜日だったので「もしや…」と思い、それでも本心はダメ元で電話をしてみたら、何と滑り込みセーフ(笑)
いつもは事前予約の2万円のコースをお願いしているのですが、今年の冬は蟹のコース25,000円も準備しているとのこと。
蟹も食べたいですが、蟹ばかりよりいつも通り色々な美味しい魚を食べたくもあったので、その辺を率直に伝えました。
「中野さん、何を食べさせてくれるのかなぁ…」と期待に胸を膨らませながら、予約の電話を切りました。
さて当日。
事務所の前で待ち合わせた彼女とタクシーに。
同じ銀座ですが、対角線上にある『銀座 座屋』は歩くには遠く、タクシーに乗るには近すぎ(笑)
寒かったので、結局タクシーに乗り込みました。
最近は、ワンメーターでも露骨に嫌な顔をする運転手が少なくなったので、こんな時は助かりますね。
二人で連れ立って階段を下り、店内へ。
いつものカウンター手前から2席だけが空いているのが目に入り、思わずホッとします。
なんと言っても中野さんの目の前の特等席ですからね。
久しぶりだったので、無駄話もしながら…この日の料理が始まりました。
ざっとこんな内容です。
1.香箱蟹 酢橘 蟹酢で
この時期、日本料理では定番の香箱蟹。北陸地方で獲れるメスのズワイガニの呼称です。鋏を使った盛り付けが粋ですね。
2.アンコウと海老芋の唐揚げ
鮟鱇、海老芋ともに季節の食材。ちょうどこの日、年明けの新年会で新橋の『鮎正』に ”あんこう鍋” の予約を十数名で入れたところ。何か縁がありますね(笑)
3.お造り5点盛り 鯨の赤身 ウツボたたき 天然とらふぐ 鰤 アオリイカ
いつにも増して豪華なお造り。種類も食べさせ方もバリエーションに富んでいて、食べ応えがあります。とらふぐは皇室献上ものクラスとか。早くも中野ワールドにグイッと引き込まれてしまいました。
4.鰹の藁焼き 山葵 ニンニク 塩で
この店定番の鰹藁焼き。中野さんがこれを誰かにやらせているのを見たことがありません。東京では生姜醤油で食べることが多い鰹のタタキですが、本場高知では山葵、にんにくスライスを乗せ、塩でいただきます。初めて来た連れコのために、中野さんが目の前でデモンストレーションをしてくれました。
5.クエ鍋 肝 胃袋 紫白菜 人参 葱 厚揚げ ポン酢
32キロもの巨大クエを使った小鍋。クエの皮と身の境目の脂身の旨みが濃くてめちゃくちゃ美味しい。”鍋はクエが一番” と思っている私ですが、その中でも最高ランクでしたね。また肝や胃袋も、記憶の限りでは初めていただいたと思います。クエの上質な脂が溶け出した出汁は、上品さに濃厚な旨みと香りが加わっており何とも言えない旨さ。アツアツを完飲しました。
6.焼き物
(1)仙台牛のサーロイン 大浦ごぼう 芽くわい
(2)雲子と帆立の柚子釜焼き ブロッコリー 百合根
焼き物は肉と魚がそれぞれ。この日唯一の肉でしたが、仙台牛サーロインは肉の味が濃くしっかりとしていて、脂もしつこくないので、私のような中年のオッサンが少量を美味しくいただくのにピッタリですね。幻の大浦牛蒡が付け合わせとは驚きです。
7.京丹後市 間人港 間人蟹(たいざがに)
(1)蟹足のレアしゃぶしゃぶ 蟹味噌のディップで
(2)蟹足の炭火焼き 蟹味噌のディップで
(3)甲羅酒
(4)蟹足の天ぷら 塩で
この日のメインは何と!何と!!何と!!!日本海で獲れるブランド・ズワイガニの最高峰 ”間人蟹” でした。二人で丸々一杯ですよぉ~テンションが上がるじゃないですか。ホント最高潮です。あの噂には聞く、通称 ”緑タグ” ってやつです。これを足からカットして見せてもらいましたよ。「協進丸」が獲ってくれたそうです、ありがとうございます(笑) 半分冗談だとは思いますが、私のために逆算して買い付けたと中野さんが言ってました。築地にすら入らない、本当に特別な蟹なのですよ。実際食べてみると、味噌の深みが違いすぎですね。中野さんもディップと甲羅酒で、ある意味ベタですが、味噌の旨さを前面に押し出した形です。
8.お食事 炊き上がりの土鍋ご飯 味噌汁
ご飯のおかず 鰹のたたきの粕漬け 鰹のフレーク 2年物の沢庵など
(1)まずは白いお米そのままで、米本来の味を楽しみます。本当にびっくりするほどつやつやで雑味がありません。
(2)二膳目は土佐ジローの卵かけご飯。混ぜすぎない、醤油はご飯の方に掛けるなど、美味しく食べるためにかなりきめ細かい指導が入ります(笑)
(3)三膳目は塩を一つまみ掛けて。米の甘みが引き立ちます。ホント美味しいですねぇ~。
(4)最後は強火で仕上げた「おこげ」です。どこか懐かしい、いい香りです。
9.甘味 柿の戻しシャーベット 紅茶のババロアとアイス
デザートまで旨いっス(笑) 熟れた柿を凍らせてから程よくもどしたもの…とろける食感と中の方はシャリシャリとシャーベット状でいい塩梅です。最後はハブ茶でほっこりと。
いやぁ~とんでもなく良かったですね。
とにかく魚が旨い!感服しました。
無理してお邪魔した甲斐がありました。あり過ぎです(笑)
もう少し、モノの分かる女性を連れて行けば良かったと、今になって反省しているくらいです。
お会計は二人で6万数千円。
お酒もその他ドリンクも結構飲みましたので、この内容なら申し分なしです。
「普通はね、美味しいと褒められてからドヤ顔するものなんだけど、ここの中野さんは料理を出す前からドヤ顔するんだよね…」
なんて連れのコと話していたら、
「自信のないものは出せませんから。」
とキッパリ!
”謙虚な自信家” 中野さんに益々期待です。
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■2014.4.1x再訪
早く再訪したいと思っていた、こちら『銀座 座屋』にやっとお伺いできました。
前回から2ヶ月半ほど経っていますが、季節も冬から春へと大きく様変わり。
前回は2万円の特別コースで下関のフグがスペシャリテでしたが、さあ今回は何を食べさせてくれるのでしょうか?
期待に胸が膨らみます。
もちろん予約時に同じ2万円コースを2名でお願いしました。
この日も二つの個室とカウンターは満席。
でも中野料理長の目の前の二席にご案内してもらい、しかも私のことをちゃんと覚えていてくれるのですから、ホント嬉しいですよね。
何といっても、中野さんと話しもし易いですし、仕事ぶりも手先の動きもよぉ~く見える特等席ですから。
そして、この日はどんな感じだったかと言うと…
今回は「これ!」という食材に特化したものではなく、コース全体に旬の魚の数々を散りばめた、魚好きには堪らない凄いコースでした。
〆を除く12品で山形牛のしゃぶしゃぶと筍の炭火焼とトマト以外の9品は、主役と言うかほぼ魚しか使っていない料理でした。
色々な魚を色々な調理法を駆使して、素晴らしいお皿に素敵な盛り付け、私を全く飽きさせないパーフェクトな構成ですね。
非の打ちどころがありません。
感激です!
再訪ですし、楽しいデートでしたので、写真は撮りましたがメモは一切取らず。
それにしても…この歳になると、記憶力なんて全くアテになりませんね(笑)
せっかく中野料理長がこと細かく説明してくれたのに、今この口コミを書きながら、あらためてちゃんとメモればよかったなぁ…と反省したりもします。
詳細は写真を見て下さい。
今回は自分の中で、こちらが素晴らしいお店であることを再確認できたことが最大の収穫です。
更に”和食大好き!”な連れの子がとても喜んでくれて、それがまたポイント高かったりもします。
今宵も中野さんの握手と見送りを受けながら、二人肩を寄せ合って夜の銀座の街に消えてゆきました…(笑)
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銀座2丁目、すぐそこが昭和通りといった雑居ビルの地下に入っています。
ホテルモントレ銀座から目と鼻の先ですね。
こちら高知の本店(座屋)も食べログで4点を超すお店。
神戸にも支店(座屋)があります。
銀座店は2008年10月1日にオープンしたそうで、丸5年を越え6年目に入ったところだそうです。
ちなみに高知も神戸も10月1日オープンで、ちょっとしたこだわりがあるようです(笑)
今年の10月1日には、何とスペインに海外初出店を果たすとのこと。こちらにはオーナー(料理人だそうです)自らが行って腕を振るうみたいですね。
そんなことも含めいろいろな話が聞けたのも、料理長の目の前のカウンター席に案内されたから。
入って左側がL字カウンターで7~8席、その中がオープンキッチン、右側が素敵な障子風の引戸が付いた個室(連結可能な4名席×2)となっています。
カウンター席はかなりゆったりめ、開放感のある洒落た空間で、デートにもピッタリな落ち着いた雰囲気です。
料理長の中野寿孝さん、若い(たぶん30代)ですが職人気質で一見取っ付き難そうなタイプでもありますが、打ち解けてくるといろいろ話もしてくれます。
料理人は”年数ではなく中身”と言い切る彼ですが、料理人歴は18年、こちらに来る前は歩いて1分の『うち山』で修業されていたとのこと。そちらの親方の紹介でオープン1年後の『銀座 座屋』に移られたそうです。
汐留のソフトバンクの上のホテルにもいた…というような話も出た気がするので、『うち山』の前はコンラッドにもいたのですかね。
そんな中野料理長曰く、高知の食材やお酒にはこだわっているが、土佐料理のお店ではないとのこと。
ちなみに店名は「ゆっくりしていって下さい。」の意の方言だとか。
ホール・スタッフはいないお店で、厨房に料理長ほか若い弟子が3~4名がいて、料理やドリンクの上げ下げも対応します。
料理長のいない隙に若い子にちょっと聞いてみたら「滅茶苦茶厳しい方です…」との返事。でも顔は生き生きとして目は輝いていました。
まずはビールで乾杯しましたが、こちらは高知の全18酒蔵の日本酒を取り揃えているのが”ウリ”ということもあり、料理長に料理に合わせてセレクトしていただくようお願いしました。
この日は、安芸虎1,100円 → 豊の梅1,400円 → 美丈夫1,500円 → 文佳人1,200円 といった流れで提供されました。
豊の梅は、高知では一升瓶の早飲み大会に使われるお酒なんですって(笑)
酒の弱い私は、日本酒にもあった美丈夫ポンカン800円や仙頭の梅酒800円をチビチビと。
さて料理のコースの方は10,000円・13,000円・15,000円・20,000円(各税込・おそらくサービス料はなし)の4種類。
いつものように予約時に一番高い20,000円至高のコースをお願いしました。
こちらは料理長おまかせの季節の特別コースで、当日のスペシャル食材は下関の”とらふぐ”でした。
具体的な内容は、
1.焼き胡麻豆腐
2.前菜盛り
3.お造り~平目塩昆布和え・アオリイカ・伊勢海老の炙り…3種3様の素晴らしいお造り。塩昆布で和えた平目は甘味も引き立ってグッド。伊勢海老の食欲をそそる香ばしさ、微妙な火の入れ具合も最高ですね。
4.鰹の藁焼き2種…席に座った瞬間から気になっていた厨房奥の藁の束。これを使って目の前で料理長自ら鰹の藁焼きをライブで!わさび+にんにくスライス+塩で温かいうちにと…ビックリする旨さ。口どけ。モノが違います。歯鰹(歯が鋭いのでそう呼ばれる)という種類で、腹の一番いい部分を使っているとのことですが、美味しいのは個体差とのこと、即ちいいものは旨い!ということですね。もう一種は事前に藁焼きしたものを味噌漬けしたもの。アクセントにはいいですが、やっぱり目の前で仕上げたものにはかないません。
5.鮑と雲子の酒粕椀…冬場らしく体が温まる酒粕椀。優しい味を黒七味で締めます。鮑がやわらか~い。
6.金目鯛の蒸し物と海老芋
7.下関とらふぐ肝和え…絶品です!何の肝で和えているのですかねぇ…不覚にも聞きそびれました。このようなふぐの食べ方は初めてです。食材をよく知っている方の料理だと感心しました。
8.山形牛 下仁田葱ソース&とらふぐの醤油麹焼…山形牛もとらふぐも目の前の炭火の上でじっくりと時間を掛けて焼かれたもの。醤油麹でまったりとした味に仕上がったふぐは絶妙ですねぇ~
9.お食事~ヒノヒカリ土鍋炊きご飯・伊勢海老の味噌汁・香の物…こちらのお店自慢の土鍋炊きご飯。敢えて白飯で炊いて、そこから4種類の美味しい食べ方を提案してくれます。
①まずはそのまま。87歳のお婆さんが、この店のために四万十川の清水を使って作る無農薬米ヒノヒカリをいただきます。
②四万十川の上流で放し飼いにされた土佐ジローの卵かけご飯。小ぶり(40.g)で殻の硬い卵です。軽く5回ほど混ぜて、先にご飯に醤油をかけ、卵を流してこれまた軽~く、ザックリと混ぜて食べます。その間、料理長にジッと監視されています。物凄いこだわりを感じますね。
③塩ひとつまみで。米本来の甘味が引き立ち、日本人で良かったなぁ…と幸せを感じる瞬間です。
④醤油を垂らした”おこげ”です。苦味もなく、とても香ばしいですよ。
10.フルーツの黒豆カスタードがけ
このような素晴らしい料理の数々をいただきました。
”料理長おまかせの至高のコース”の名に恥じない、納得の構成・内容でした。
素材への追求とこだわり、これからもこの姿勢を貫いて欲しいと思います。
お会計の方は@20,000円のコース3名と前記ドリンクで69,000円でした。
おそらく金額からするとコースは税込、サービス料はないのだと思います。
一人あたり23,000円はとてもお得感がありますね。率直にそう思いました。
エレベータに乗る私たちを見送った後、必死に階段を駆け上がり、一人一人握手をしながら再び見送ってくれた料理長。
そんな彼の武骨な手の温もりが、寒風の中、いつまでも私の掌から消えませんでした。
3位
1回
2016/05訪問 2016/09/12
【夜/昼】[料理・味]5.5*40%+[サービス]5.5*15%+[雰囲気]4.5*10%+[CP]4.5*30%+[酒・ドリンク]3.5*5%=5.00(5.0)
※「料理・味」「サービス」を特例で5.5ptで採点しています。ご了承下さい。
■2016.5.2x再訪
なんとラッキーなことに今年2度目の『銀座おかもと』の花山椒です。
このクラスのお店に失礼覚悟ダメもとで連絡した時のOKは、なんともテンションが上がるものです(笑)
元銀座の舌の肥えた女性との訪問でしたが、岡本さんにお任せすれば安心です。
数ある日本料理店でもコース3万円は多くはないですが、ちゃんと納得させてくれる腕はさすがです。
2万円のコースと何が違うのかなぁ…なんて考えながら、厨房内の作業や器の中身をチラ見するのも楽しいです(笑)
夏場少々ご無沙汰してしまいましたが、ボチボチお邪魔しなくてはなりませんね。
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■2016.4.1x再訪
『銀座おかもと』の名物のひとつ ”花山椒” の季節がやってきました。
ざっくり4月中旬から5月下旬までの期間限定商品です。
昨年は私が失念していたため、岡本さんから直接お電話をいただき予約をさせていただきましたが、今年は計画的に予定を立てての訪問となりました(笑)
今回は豚肉と牛肉のしゃぶしゃぶに合わせての登場。
独特の舌触りも良し、たっぷりと出汁を吸い込んで噛めば噛むほど味わい深い花山椒。そしてツンと鼻に抜ける香りが堪りませんね。
これを楽しめるのもまた一年後。
名残惜しいですが、だからこそ価値があるってもんですね(笑)
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■2016.1.1x再訪
昨夏より火・木・土曜日に限りランチ営業を始めた『銀座おかもと』に、初めてランチでお邪魔しました。
ランチと言っても@20,000円のコースですから、昼に夜ご飯を食べる感覚でしょうか?笑
と言うのも、年末に懇意にしているある有名店の料理長とたまには飯でもご一緒しましょう!という話になり、やはり日曜休みのお店なので夜はなかなか調整が難しいため、いつもお世話になっている『銀座おかもと』さんのランチに白羽の矢が立った訳です。
岡本さんとその料理人の方も旧知の関係。
当日はたまたまなのか、気を利かせてもらったのかは定かではありませんが、我々ふたりで貸切り状態でした。
お陰様で岡本さんを含め、忌憚なくいろいろな話ができ、とても有意義な時間となりました。
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■2015.12.1x再訪
年内最後の『銀座おかもと』へ
一年間の感謝を込めてお邪魔しました。
この日は一年の〆に相応しい緑タグ=間人蟹(タイザガニ)がお出迎え。
テンション上がりますね。
夏ぐらいからですかね、夜のコースは20,000円のみから30,000円が新たに追加されました。
より一層、岡本さんが伸び伸びと腕を振るうことができるようになり、1万円の差以上に大きな満足感を得られるようになった気がします。
以来、ずっと30,000円のコースをお願いしています。
更に火木土限定でランチもスタート。
コースのみで1万数千円と20,000円の二本立て。
昼の12時一斉スタートなのでお気を付け下さい。
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■2015.11.x再訪
我が家の大切な記念日。しかも節目の年でした。
その日が日曜日だったので、恐縮しつつ図々しく岡本さんに相談。
家族4人のために定休日にお店を開けていただきました。
当然、他のお客さんも取ったのだと思いきや、当日伺うと私の家族4人のために貸し切りでした。
しかもいつものスタッフ全員総出でしたので、申し訳なさと感謝の気持ちで胸いっぱいです。
この日はいつもと全く違う料理やスタイルでおもてなしをしていただきました。
せっかくなので、いつもやらないことを自由にやらせてもらいましたと岡本さん。
お陰様で、一生忘れることのできない素敵な記念日となりました。
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■2015.10.1x再訪
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■2015.8.1x再訪
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■2015.4.2x再訪
岡本さんから「せっかくの花山椒の時季なので、予約が埋まる前にお電話しました…」と直接携帯にお電話いただきました。
本当に申し訳ありません。
いつもお気遣い感謝しております。
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■2015.2.2x再訪
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■2015.2.x再訪
約半年ぶりに『銀座おかもと』さんへお邪魔しました。
その間、電話で予約を断られること4~5回。
今やなかなか予約が取れないお店となってしまいました。
ファンとしては嬉しいような寂しいような…微妙な気持ちになります。
この日は喉の渇きを癒すため、梅酒のソーダ割りからスタート。
すぐに日本酒に切り替え、先ずは岡本さんお勧めの「底ぬけ 」(新潟 河忠酒造/ 築地 小田原屋が総発売元)を。
何でも年間500本限定生産で飲食店直卸のみの日本酒とか。東京ではまだ二軒目らしいですよ。
その後は初めて飲む日本酒縛りで「黒松白鹿」千年壽 純米大吟醸をいただきました。
岡本さんから「今日のメインは間人蟹(たいざがに)をしゃぶしゃぶで」「京都丹波からすばらしい鹿肉が入っています」と聞いて、久しぶりに岡本さんの料理をいただくことも手伝い、最初からテンション高く、お酒もクイクイ入っていきます(笑)
いやぁ~ホント、今宵も楽しみです。
おまかせのコース内容は下記のとおり。
1.堀川牛蒡と鮑を炊いてから揚げたもの とろ~りふぐ白子のソース掛け 焼いた蕗の薹
2.定番!鯖寿司の海苔巻きを手渡しで
3.名物!からすみ蕎麦 タラの芽の天ぷら添え
4.海老芋と甘鯛のおかき揚げを蒸したもの 白味噌仕立てのお椀
5.天然縞鯵の焼き霜 京都の黒い辛味大根掛け 塩昆布
6.鰆の味噌漬け炭火焼き 白髪ねぎと一緒に
7.京都丹波の鹿肉の刺身 生姜醤油
モロコの甘露煮 炙りばちこ
香箱蟹と絹さや ぷちぷちフィンガーライム
わさび菜と大根のお浸し
8.間人蟹のしゃぶしゃぶ
間人蟹の出汁スープ 水菜 湯葉 蕪をきしめんに見立てて
9.鯛と菜の花のご飯
胡桃のお麩の赤出汁
香の物
10.ヨーグルトのシャーベット 苺のソース あんこと一緒に
さっぱり生姜入りわらび餅
今日も良かったですねぇ!
どれも甲乙付け難い料理の数々。外れが皆無です。
品数も内容もバリエーションも量も満足度がとても高いですね。
お会計も二人でジャスト6万円。納得です。
日本酒「底ぬけ」も然りですが、やはり市場には出回らない京都の黒い辛味大根や和食では珍しい鹿肉(しかも刺身で)、ぷちぷちとした食感とはじける爽快感が印象的なフィンガーライムなど、腕だけではなく素材に対するこだわりも個性も際立っていました。
もちろんメインの間人蟹も ”幻のズワイ蟹” の呼び名に相応しい逸品。
ブランドの証は緑色のタグ。
よく見ると先日『銀座 座屋』でいただいた間人蟹のタグと同じ船名。
岡本さん曰く、京都丹後半島の間人港には小型の底引き網船が5隻しかないそうで、故に貴重な蟹であると同時にタグに記された船名も5つしかないので被ることもありうるようです。
その蟹を目の前の板場で岡本さん自らが「豪快」かつ「手際良く」捌きます。
この日も大きなまな板の前の席にご案内いただきましたので、その一部始終が私たちの数十センチ先で丸見えです。
コツのようなものがあるのは分かりますが、会話を中断して思わず魅入ってしまう ”包丁捌き” ですねぇ。
岡本さんは『京都和久傳』の時代から、地元京都の間人蟹は扱い慣れているそうです。
お手すきで次回の予約を相談してみると、テーブル席なら2週間と待たず空いている日があるとのこと。
すかさず家族4人で来ることにして予約しました。
またすぐに伺えるなんて本当に楽しみですね。
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■2014.8.9 皆さん "500いいね!" ありがとうございます♡
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■2014.8.x再訪
今日は岡本さんに無理を言ってお願いしました。
真夏の夜の『銀座おかもと』
殻付の生雲丹に炊いた伊勢海老のジュレ…いきなり涼しげな一皿からのスタートです。
肉を一切使わない、魚と野菜だけの全10品。
しゃべりながら、飲みながら、自然の流れに身を任せ…
結果、何もメモっていないので、写真の説明もあやふやなところがあります。すみません。
今宵も「獺祭 二割三分」の4合瓶を空け、その後岡本さんのセレクトで「きりんざん 純米大吟醸 ブルーボトル」「呉春 特吟」「菊姫 大吟醸」を少しずつ。
このあとはいつもの『ネ プラス ウルトラ 銀座』へ
楽しい夜になりましたねぇ~笑
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■2014.6.1x再訪
こちら『銀座おかもと』は私の大好きなお店。
コンスタントに通いたいと思う日本料理店の代表格です。
今宵はハタチの子とのデート。
彼女は日本酒が好きなようで、メニューを一見すると「獺祭がいい!」なんて生意気言いました(笑)
四合瓶があるか?と聞くと、獺祭 磨き二割三分(DASSAI 23)が黙って出てきました。
相手を見て、状況を見て、本当にスマートな接客ですね。
仕入れるのも簡単な酒ではありませんし、その貴重な酒をいつ誰に飲ますのか…まさに腕の見せ所です。
この日は、こちらの定番「からすみ」がいつもの蕎麦ではなくご飯(おこわ)だったのですが、その時はただこれもアリだな!って思っただけでした。
その後…何ともう終わったはずの花山椒がつけ蕎麦で出てきました。
岡本さん曰く「早めに予約をいただいていたので、茹でて冷凍保存しておきました。今年最後の花山椒を温かいつけ蕎麦にしてみました…。」
うん~唸りますね。
だから皆さんはからすみ蕎麦だったのに、私はご飯(おこわ)だったんだ!と気付いてしまいました。
前回あんなに小さかった琵琶湖の稚鮎(5尾付けでした)が、ずいぶん大きくなり若鮎(2尾付け)に成長していました。
花山椒だって ”はしり” でいただいたのに、冷凍保存で特別に、ですからね。
和食ならではの季節の変化、時間の経過を感じつつ、
何かとても居心地のいい時間を過ごさせてもらいました。
腕とハートが超一流の和食人「岡本英嗣」に感謝です。
※メモを取っていないので、多少おぼつかないこともあります。ご了承下さい。
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■2014.4.x再訪
2ヵ月振りの訪問となりました。
前回、前々回とメインに松葉ガニが続いたので、今日は何を食べさせてくれるのか…とても楽しみに伺いました。
とにかくコースの端から端まで春、春、春… ”春満載!” そして ”春爛漫!”
山椒の花、名実ともに痺れました。
メインの琵琶湖産稚鮎は旨すぎて言葉もありません。
鯛の白子、初めていただきました。
今日は岡本さん渾身の料理の数々と連れとの会話を全力でエンジョイしに行ったので、写真のみでメモは取りませんでした。
詳しいことは食べに行って下さい(笑)
お酒は…黒龍 大吟醸 ”龍”を3合か4合と日本酒スパーク”澪” をいただきました。
やっぱり『銀座おかもと』さんは最高ですね!
そして今宵も気付いたら『ネ プラス ウルトラ 銀座』の個室で酔っ払っていました(苦笑)
※ご主人 岡本英嗣さん
岡山出身 中学卒業後料理の世界へ 岡山で9年半修業
京都和久傳☆☆へ 1年目は玄関掃きからのリスタート 最終的に料理長に
麻布幸村☆☆☆ 料理長
3店舗計22年のキャリア
満を持して 銀座おかもと を開店 今年(平成26年)41歳になります
実直で謙虚な懐の深い料理人です!(おこがましいですが、私の人物評です)
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■2014.1.2x再訪
1ヶ月ちょいでの再来店となりました。
2013年、最終的に最高得点をつけさせていただいたお店ですからね。
私もワクワク、連れもワクワク、とても楽しみに伺いました。
今日は板場の目の前の特等席に案内してもらいました。
岡本さんの包丁さばき、盛り付け、繊細な手先の動きが目と鼻の先に見ることができます!
まな板の上は照明の具合もとてもよく、松葉ガニをさばいたり、ふぐ白子に串打ちをしているところなど、かなり格好いい写真も撮れました。
もちろん写真映えするためではなく、作業がし易いよう手元を照らすスポット・ライトが設置されているだけだとは思いますが(笑)
いきなり驚かされたのは…
ドリンク・メニューを広げながら「メニュー増やしました!」と言われたこと。
お互い野暮なのでその件についてそれ以上の会話はしませんでしたが、前回の来店後の口コミに、強いて言えばの注釈付きで「小さな店ですから致し方ないのかも知れませんが、ドリンクがもう少し豊富だといいですね。」とコメントしたことを受けてとの一言と察しました。
あらためて前回のドリンク・メニューと見比べてみると、久保田千寿や純米大吟醸2種、燗酒3種、焼酎は村尾、ミネラルウォーターなどなどがプラスされて随分充実しているではありませんか!
にもかかわらず、食後に車で行く先があったため、最初から最後までオールフリーを飲む私…本当に申し訳ございませんでした。
さて、この日の料理内容は、
1.前菜4点盛り…水引が敷かれています。1月中はお正月の雰囲気を残しつつ(月初に比べるとフェードアウトさせつつあるそうです)の素敵な盛り付け、盛りだくさんの内容です。
2.焼き鯖寿司(海苔巻きスタイルにて)
3.ふぐ白子焼き…目の前でさばかれたプリップリのふぐ白子。串打ちされて炭火の上へ。アツアツ&トロトロ、当たり前に旨いです。タラの芽(季節感的に自信ないのですが、たぶん)の天ぷらが添えられています。
4.香箱ガニ(松葉ガニの雌) …メスはオスに比べてかなり小さいサイズです。細い足も1本1本剥いて、お腹の身も骨を抜きほぐして食べやすく&美しく盛り付けて、最後に卵を載せた逸品。いい仕事しています。ちなみにチーム岡本は毎日午前9時から仕込みを始めるそうですよ。集中力と緊張感を維持するために、途中1時間半ほどの休憩を挟むそうですが。
5.海老芋と焼餅の白味噌椀…甘味のある白味噌を、こんなに上品で美味しく仕上げるのはさすがです。
6.天然しまあじ刺身…お造りは物凄い大判のしまあじの刺身です。8kgクラスの大物だそうです。これに付け合せのセリ・山芋・塩昆布と一緒に巻いてやさしめの生姜酢で、味・食感も含めた交響曲の完成です。
7.焼き松葉ガニ…足・腹・爪と次々に焼き上がる松葉ガニ。本物は甘味が違います。身を取り易いように、箸を入れる向きまで親切に教えてくれます。この日は兵庫県浜坂産の松葉ガニ。第十八永晃丸が水揚げしたというタグを見せてもらいました。
8.蟹味噌甲羅焼き…ただひたすら旨いです。これで松葉ガニの全てを食べつくした感じです。満足!食感にクワイ煎餅が添えられています。
9.手打ち蕎麦 辛味大根のせ…パンチの効いた口直し
10.鱈白子のスープ…とてもマイルドで甘味もある白子のスープの具材は、何ときしめんに見立てたカブです。泡が飛び散るかと思うほどグツグツに煮立てられた、オープンキッチンならではの逸品です。とても美味しかったです。
11.鯛と百合根のご飯…百合根は通常食感のアクセントに使うことが多いので、柔らかく炊き込まれているのが果たしてどうなのかなぁとは思いました。今回はホタテ・フライ付きです。揚げ物好きとしては、〆にちょこっとが嬉しく幸せな気分になります。美味しいので完食してしまいますが、結構ボリュームのあるコースです。残ったご飯は持ち帰りOKです。
12.デザート…さっぱりとしたヨーグルトのシャーベット、小豆、苺のソース&みじん切りの柚子の食感とそれを噛んだ時の口の中に広がる香りがたまらない柚子の葛餅です。
今回も素晴らしい料理の数々を楽しませていただいた岡本さんに感謝です。
1月ぎりぎりに滑り込んだ恩恵でしょうか、帰り際に京都・嘉楽本舗の干支飴をお土産に頂戴し、今回もエレベータの扉が閉まるまでお見送りを受けながら店を後にしました。
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『銀座おかもと』は銀座のコリドー街の新橋寄り、2Fに『俺のフレンチ Table Taku』が入っているビルの5Fにあります。
同ビルは2年ほど前に”俺の”シリーズを展開する俺の株式会社が買い取った自社ビルと聞いています。
またこの『おかもと』は”俺の”シリーズとは一線を画した形であまり表にはでてきませんが、俺の株式会社が経営する「ミシュランの星を獲りに行ったお店」と言われています。
と言うのも、店主岡本英嗣さんは京都のミシュラン☆☆『京都和久傳』や東京の☆☆☆常連の麻布『幸村』で料理長を務め上げた名料理人で、その彼が自らの名を冠したお店を出店したのですからそのインパクトは強烈です。
そしてオープン後半年も経たないうちに、ある意味当然のように2013年版ミシュラン☆☆を獲得し、最新の2014年版でも同じく☆☆をキープしているのです。
ちなみにやはり俺の株式会社が経営していて『銀座おかもと』から100m程度のところの裏路地に位置する立ち飲み割烹『銀座しまだ』の島田さん(現『俺の割烹 銀座本店』料理長)とは、岡本さんによると『京都和久傳』でほぼ同期の間柄だそうです。
先週、私がわざわざ『銀座しまだ』に行ったのもこういった背景があるので、『銀座おかもと』に行く前に是非『銀座しまだ』を再確認しておきたかったからなのです。
海老芋の煮付けを出された時に「向こうでは唐揚げでしたね」とニヤニヤ笑いながら、そんな話を岡本さんに振ってみると、一瞬止まった後「しまだ、ですか?」「あんなに安くやられたらかなわないですよ」なんて苦笑いしいました。
さて「僭越ながら日本料理の究極の姿をお客様と共有させていただきたい」とまで言い切る岡本さんの料理とは…
こちらのお店は月替わりの20,000円(別別?)コースのみの提供です。
1.素材へのこだわり、探究心がスゴイ。ありきたりのものは使わない主義ですね。
2.食材を生かすことに長けている。食材の種類・状態によってシンプルに提供するものと物凄い手間を掛けた料理のメリハリが効いている。
3.品数が極端に多い。出し惜しみをせず、自慢の料理をいろいろ味わってもらいたいという店主の心意気が伝わってくる。
4.意識されているのかは分かりませんが、品はあるが上品すぎない、肩の凝らない料理が嬉しいですね。
5.味付けの妙。偏らない、飽きさせない、濃すぎない…この繊細なバランス感覚は褒めるしかないですね。
ちなみにこの日のメインは松葉ガニ。こんな3品をいただきました。
1.小ぶりのメスを丁寧に剥いて、美しく甲羅に盛り付け、その上に溢れんばかりの卵を掛けた一品。
2.目の前の板場で岡本さん自らによって豪快に捌かれたオスの炭火焼き(足・爪・腹)。香ばしさ、火の入り具合が絶妙な一品。
3.カニみそとほぐし身を合わせてくわいチップを添えた、濃厚すぎず味わい深い、おつまみ的な一品。
尚、来年の2月まではメインの松葉ガニを使い続け、その他の料理は月毎に替えるとのことでした。
これだけの選りすぐりの食材を使い、最高峰の”腕”をライブで見ることができ、食べきれない程の品数のコース価格が2万円(飲み物・税サ込で2名58,000円でした)というのは、私の経験上、コストパフォーマンスにもかなり優れていると思います。
強いて悪いところを探せば、カウンター8席と4名テーブル席×1の小さな店ですから致し方ないのかも知れませんが、ドリンクがもう少し豊富だといいですね。
種類が少ないのだったら、この料理にはこれを飲め!的な有無を言わせないこだわりの日本酒なんかを用意するといいかも知れません。このクラスの店ならそれもアリだと思いますよ。
これだけのキャリアがありながら、全く偉ぶらず、とても丁寧に受答えをしてくれる岡本さんは素晴らしい料理人だと感じました。
キリっとした鋭い眼光で包丁を振るいつつ、客に向ける眼差しはとても優しいものでした。
敢えて全面オープン・キッチンのお店にしたことも頷けます。
若いお弟子さんも、こんな師匠の元で修業をしているからでしょうか、とても生き生きと仕事をしており、何かほのぼのとした気分になりました。
最後はエレベータの扉が閉まるまで、店主岡本さん自身が腰を90度に曲げてお見送りをしてくれました。
年の瀬に、本当に素晴らしいお店と料理人に出会うことができました。
”感謝”
4位
1回
2016/03訪問 2016/06/01
山本シェフの一種独特な世界観 ”龍吟ワールド” に惚れました
【夜】[料理・味]6.0*40%+[サービス]5.0*15%+[雰囲気]5.5*10%+[CP]4.0*30%+[酒・ドリンク]5.0*5%=5.15(5.0)
※「料理・味」を特例中の特例で6.0pt、「雰囲気」を特例で5.5ptで採点しています。ご了承下さい。
■2016.3.1x再訪
この日は待ちに待った『龍吟』の天然トラふぐコース。
なんとお一人様50,000円(サ・税別)~という強烈なお値段ですが、久しぶりにホームページを見ていたら様々なこだわりや蘊蓄が書かれていたので迷わず予約しました。
これを是非食べてみたい!と思わせる魅力を感じた訳です。
テーブルに案内されると、まず卓上にふぐの箸置きやかわいい置物のふぐちゃんが並んでいます(笑)
他の卓と違うセッティングで期待感が高まると共にちょっとした優越感に浸れますね。
早速いつもの封筒に入ったメニューを開封。
絶妙のタイミングで今宵のコースの説明が始まります。最初の前菜を除くとぜ~んぶ ”ふぐ尽くし” ですね。
今日はなんと下関産9.0kgの天然トラふぐだそうです!ふぐってそんなにデカいの?と思いますが、こちら『龍吟』の山本シェフは敢えて大きいふぐにこだわっているとのこと。
この日の献立はざっと次の内容でした。
1.龍吟カラスミ と 温かな小前菜
2.皮三種 烏骨鶏 の和え物
3.てっさ 厚引き と ふぐ白子(塩・あん肝ポン酢・ポン酢・*Poison Saltで) *ふぐの為に山本シェフが調合した特別な塩
4.ふぐ白子焼き(岩塩焼き or 醤油焼き)
5.厚切り温しゃぶ サラダ仕立て
6.炭火焼ふぐ 2種
7.ふぐ唐揚げ クリスピー仕立て
8.てっちり鍋
9.白子雑炊(ノーマル or トリュフ)
10.ふぐお菓子 お抹茶
凄いですね!めちゃくちゃスゴイです!
私の中で、ふぐに対する認識が変わりました。
今迄ふぐと言えば『福治』と決めていましたが、今日は明らかにそれを凌駕する驚きと感動を得ることができました。
もちろんオーソドックスなふぐ料理の中では『福治』が群を抜いていると思いますが、山本シェフはここまでオリジナリティに溢れバリエーションに富んだ他では絶対に食べられないふぐコースを創り上げていました。
今宵は山本シェフの ”挑戦” に感服です。
確かに普段から創作性の強い日本料理を提供する『龍吟』ですし、それに対し賛否両論があることも百も承知ですが、山本シェフはただ枠にとらわれない奇抜で斬新な料理を提供している訳ではありません。
より美味しく、より美しく、より世界中に愛される新しい日本料理の境地を切り拓いているのだと、私なりに解釈しています。
生意気なようですが、今宵はあらためて最高の賛辞を贈りたいと思います。
山本シェフの大きな温もりのある手を力強く握り返してお店をあとにしました。。。
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■2015.12.2x再訪
年内最後の訪問となります。
お邪魔する度にその魅力に惹き込まれてまた来てしまう、今や完璧にそのローテーションに入ってしまった『龍吟』です。
カウンター席がないので、山本シェフとの会話がないのが玉に瑕。
でも帰りにはどんなに忙しくても見送りに来てくれますし、その日のお料理の話などを必ずしてお別れします。
この日は、前回「人生で一番美味しい "鰹” をいただきました。」と私が伝えたことを覚えていてくれて、「この時期にしては珍しくいい鰹があったので、もう一度お出ししてみました。」とのこと。
食道楽にとっては、そんな些細なことがとても嬉しいものです。
ちなみにその鰹は、皮目の焦げの香ばしさと食感が良く、程よい燻製の香りが嗅覚を刺激し、少し強めの塩加減が絶妙で、脂が乗っていて口解けの良さが半端ない…そんな鰹です。
鰹の概念が変わるくらいの衝撃を受けました。
正直、これだけ色々なところで日本料理を食べていると、自分で言うのもナンですが経験値が高いのは必然ですから、「人生で一番美味しい…」なんて言葉が出ることなんて滅多にありませんから。。。
次は天然トラフグのコースを食べにお邪魔する予定。
ふぐと言ったらいつも迷わず『福治』でしたが、@50,000円と高価ではありますが、山本シェフの龍吟流ふぐを堪能してみたいものです。
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■2015.10.3x再訪
プライベートなアニバーサリーで利用。
わざわざ鯛のお頭付きなぞ焼いていただき、これを丁寧にほぐして〆は鯛飯を。
釜には紅白の水引まで飾ってあり、また縁起物の ”鯛の鯛” までご用意いただき、色々とお気遣いありがとうございました。
『龍吟』が醸し出す幻想的な雰囲気と、凛とした空気感、そして丁寧でいてどこかアットホームな接客が記念日に華を添えてくれました。
もちろん盛り付け、器も含めたお料理は文句の付けようがありません。
帰りは山本シェフを交えて家族で記念撮影。
素晴らしい想い出をありがとうございます。
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■2015.7.2x再訪
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■2015.5.2x再訪
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■2015.1.x再訪
ある後輩との再会を祝しての素晴らしい会食の舞台に『龍吟』を選びました。
年末のミシュランガイドでも三ツ星をキープされ、今や脂が乗りきった感のある山本シェフ。
カウンターのない日本料理店でありながら、三ツ星を獲り続けるというのは、あまり類を見ないことだと思います。
やはり『龍吟』には、他の日本料理店にない ”何か” があるのですね。
今宵もその ”何か” を探したり、感じたりしながら ”龍吟ワールド” を楽しみたいと思います。
まずは定番の柚子茶で身体を温めます。
それでは、はじまり、はじまりぃ~笑
~ 始まりは様々な ”感覚” から… ~
季節・香り・温度・食感・そして組み合わせ
【温】”うに”の小茶碗
【温】”雲子焼”
【冷】”龍吟カラスミ” ”ばちこ”
~ 引き立て ”一番出汁” への想い ~
”時” をとらえた ”風” の味
【温】新春の ”お雑煮” 仕立て 山陰からの ”松葉蟹”
~ 日本近海からの便り ~
海の豊かさ 潮の流れ
【冷】冬の ”海の幸” 七皿の仕立て
~ ”備長炭” ~
焼き立て香りし 炭火のちから…
【温】北海道産 ”きんき” の焼き茄子包み
”蕗の薹醤油焼き”
炊き込んで煮崩したとろける ”海老芋”
~ 故郷の恵み ~
香川県『観光アンバサダー』として…
【熱】讃岐オリーブ牛陶板 ”すき焼き” 仕立て ”フォアグラ” を織り交ぜて
~ 瑞穂の国 ~
同釜食仲 下関から…
【温】冬の贅沢 ”ふぐ雑炊”
~ 甘美 ~
冷涼・温もり・遊び心・懐かしさ そして誘惑
【冷】”冷凍みかん”
【温】苺一笑
~ ひとときの ”想い” を… ~
薄茶
これに合わせた日本酒は、「磯自慢」純米大吟醸@4,500円×2合と「而今」純米吟醸@3,000円×2合。
どちらも澄み切った透明感の高い味わいのお酒です。
料理の邪魔は一切しませんが、さすがの存在感といったところ。
ちなみにお会計は77,000円余りでした。
帰りは担当スタッフの方と山本シェフがお見送り。
ガッチリ握手を交わし、エントランスで記念撮影を(笑)
今宵も素晴らしい夜をありがとうございました。
この後ふたりで歩きながら『ネプラスウルトラ』へ新年のご挨拶も兼ねて。
楽しい夜は続きます。
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ミシュラン3年連続三ツ星獲得、数々のレストラン・アワードの受賞およびランクイン、香港と台湾に海外支店を持つ…褒め言葉を探したら枚挙にいとまがない。
それが『龍吟』であり、山本征治というシェフである。
日本料理大好きの私が、何となく伺うきっかけを見つけられなかったこちらのお店。
それがある女の子とのふとした会話から、じゃあ一緒に行ってみようとなるのだから不思議なものです。
手帳をめくりながら即電話。
なかなか予約は取れないと覚悟はしていましたが、1ヵ月強先の日で予約ができました。
”思い立ったが吉日” とは正にこのことですね(笑)
当日、そのコと銀座で待ち合わせ、車で六本木へ。
近くの100円パーキングに車を停め、お店に向かいます。
狭い道ではありませんが、六本木という街の喧騒から考えれば完全に裏路地。
その角に一見してそれと分かる ”凛” とした佇まい。
それが『龍吟』
やはり、このクラスのお店特有の ”オーラ” という名の存在感が異彩を放っています。
石段を数段上がり、扉を開けると、すぐ正面に「龍吟雲起」(龍、吟ずれば雲起きる)の四文字が目に入って来ます。
龍が空で高く吟ずると雲が起こり、霧が起こって来る。
力量のある大人がものを言えば、この無心な自然界も自ずからそれに沿って動いて来る。
そんな意味の言葉のようです。
推測でものを言うのは失礼ですが、山本シェフはこんなことを夢見て店名に『龍吟』という名を託し、そして今や彼もお店も ”龍” の域に達したのかも知れません。
仮にそのポジションに到達しても、決してそこで立ち止まったり、胡坐(あぐら)をかいたりする方には見えませんでしたし、更なる進化を遂げて行くに違いありません。
店内は4名用の個室が一つ、あとはテーブル席が20ほど。
カウンターが一切ない、ある意味珍しい日本料理店です。
一般的には白基調の日本料理店が大半ですが、こちらはパッと見ダーク・トーンの落ち着いた印象。
伝統的な和の伝統を継承しつつも、モダン&スタイリッシュという言葉がぴったりの店内でしょうか。
そして店内のあちこちに、モチーフの ”龍” が私たちを守ってくれています。
敢えて一言で言わせてもらうなら「カッコいい」お店ですね。気に入りました。
またテーブルクロスもナプキンもブラック。
素敵な織や刺繍が入っていたりします。
こちらも相当珍しいですが、これが浮かないのですからドン小西もビックリのトータル・コーディネートですね(笑)
冗談はさておき、この日のお料理の方へ。
先ずは温かい柚子茶がふるまわれます。
次に担当の着物女性が、大き目のえんじ色の封筒を渡してくれます。
これがメニューですが、封筒の裏には「日本龍吟 10year」と書かれた日の丸風の切手が貼られています。
更には、ご丁寧に当日の日付と「TOKYO ROPPONGI ,JAPAN RYUGIN」の消印付きです。
茶目っ気というか、ユーモアのセンスというか、しかもそれが本格的で中途半端でないところが一流の一流たる所以でしょうか。
そう言えば、10周年なんですね。
おめでとうございます。
というより今年の12月23日には、もう11周年ですね(笑)
『龍吟』がスタートした2003年は、私にとっても仕事面とプライベートの両方でそれぞれ大事で重大な出来事があった年。
私の中で恐らく一生忘れることのない年です。
山本シェフにとっても2003年はそんな年なんでしょうね、きっと。
この日のコース内容は次のとおり。
コースは27,000円(消費税込み)のおまかせ一本のみ。
サービス料10%(個室は15%)が付くと、料理だけで約3万円となります。
1.~始まりは様々な感覚から…~
①<温>生うに&だだ茶豆
②<冷>毛蟹&とんぶり
③<温>煮鮑&揚豆腐 肝醤油
2.~湯浴み~
<熱>鱧と松茸のしゃぶしゃぶ
3.~日本近海からの 便り~
<冷>お造り ”海の幸” 七皿の盛り合わせ 龍吟仕立て
4.~”備長炭”~
<温>秋の彩りを 一皿に… 秋刀魚 秋茄子 銀杏 栗の粉がけ
5.~故郷の恵み~ ※山本シェフは1970年、香川県(=讃岐)の生まれです。
<熱>讃岐オリーブ牛 陶板 ”すき焼き” 仕立て 葱と水芥
(口直し リンゴのピクルス)
6.~1/100,000の奇跡 琵琶湖産”天然大鰻”~
<温>”蒲焼”
7.~瑞穂の国~
<温>新潟からの白いご飯 玉子豆腐の菊花椀 香の物
8.~甘美~
①<冷>生八つ橋風アイス 蜜柑と金木犀
②<温><冷>”熱燗”と”冷酒”
私がまず最初に強く感じたのは、「料理の美しさ」「盛り付けの美しさ」「配置の美しさ」です。
そして器や皿も含めた「トータル的な美しさ」そして「卓上の美しさ」に一番感動しました。
玉子豆腐の菊花椀なんて食べてしまうのが申し訳ないくらいの美しさ。
お食事に付く味噌汁みたいなものですから、その仕事に対する本気度、情熱はやはりホンモノですね。
次に、メニューにもわざわざ一品一品書いてありますが、「温かい」「熱い」「冷たい」即ち客への提供温度にこだわっていること。
オープンキッチンでない、カウンターのないお店であることをハンデキャップにしないよう徹底した管理、スタッフ同士の意志の疎通が図られているのでしょう。
山本シェフがメニューに記した通り、即ち彼が意図した通りに、私の口に料理が届けられていました。
個別の料理では、あたかも前菜盛り合わせのように大皿の上に七つの小皿が飾り付けられたお造りが秀逸でした。
さすが ”龍吟仕立て” と名付けることだけのことはあります。
しかも7種類もの鮮魚を、それぞれの素材を生かした違った切り方、魅せ方、他の食材との合わせ方を駆使して、ただ美しいだけでなく、美味しく、しかも飽きさせない…素晴らしいですね。
帰り際、お店の外に出ると、担当の女性と何と山本征治シェフがお見送り。
彼から「これからも新作をどんどん生み出します!」との意気込みを伺いました。
もちろん、その言葉の裏側には「また是非お越しください」という意味合いが含まれているのだと思いますが、言われるまでもなくまたお邪魔することになるはずです(笑)
初めて来たお店で、これだけの気持ちの高ぶりを感じたのはいつ以来でしょう。
いきなり山本シェフの一種独特な世界観 ”龍吟ワールド” に惚れてしまいました。
次がホント楽しみですね。
通えば通う程、新しい料理が見えてくる…そんな噂は良く聞きますから。
5位
1回
2016/06訪問 2016/09/08
”月を詠む” 季節の移ろいを最高の素材と仕事で表現する日本料理の神髄
【夜】[料理・味]5.0*40%+[サービス]5.5*15%+[雰囲気]4.0*10%+[CP]5.0*30%+[酒・ドリンク]4.5*5%=4.95(5.0)
※「サービス」を特例で5.5ptで採点しています。ご了承下さい。
■2016.6.2x再訪
高いコースが15,000円から18,000円になって二回目。
3,000円の差が食材や料理に明確に反映されていて、良心的だなぁ…と感じると同時に更にグレードアップした実感があって嬉しい限りです。
岩﨑夫妻の人柄と取り組む姿勢が素晴らしいですね!
一応、この日のコース内容を。
1.白バイ貝 楊枝では取れない肝の部分を殻から取り出して持って来てくれました。まさに ”一粒で二度おいしい”
2.北海道産 ホワイトアスパラ 前回は会津のグリーンアスパラでしたが今回は白!
3.淡路島産 新玉ねぎのすり流し 蒸し暑いのでお椀代わりに冷製スープを
4.御造り マコガレイ 真蛸 塩水雲丹
5.鱧の落としたて 梅肉添え 物凄い細かい骨切りですねぇ
6.琵琶湖産 稚鮎の炭火焼き 蓼の葉 酢
7.舞鶴産 鯵の手毬寿司
8.伊勢志摩産 岩牡蠣 レモン ドでかい、味が濃厚、そしてミルキー
9.鱧の柳川風 湯葉 新牛蒡 大分県産”蘭王” 黒七味 粉山椒 無茶苦茶美味しいですよ。味も食感もバランスがパーフェクト!
10.マジマグロ中トロのたたき カイワレ 玉ねぎ ミョウガ 絶品!
11.止め肴 焼き毛蟹 雲丹のせ いつもの毛蟹にこの日は雲丹がトッピング
12.桜海老と新馬鈴薯の炊込みご飯
13.水菓子 桃 さくらんぼ 葛餅?蕨餅?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
■2016.4.2x再訪
岩﨑さんの奥様から確認の電話をいただいた時、今春から新たに18,000円のコースを始めたとのこと。
もちろんそちらをお願いしました。
多分ですが、今まで10,000円-12,000円-15,000円の構成だったコース料理が、この度12,000円-15,000円-18,000円に変更されたようですね。
楽しみにしていた京都の筍を始めとした春野菜の数々、この時期種類も豊富で旬の貝類を中心とした魚介、どれも素材の旨味を最大限に尊重した控えめで上品な味付け。
茹でたアスパラや出汁で炊いた筍が本当に美味しく感じます。
そこで旨い!と言わせられるのが、ある意味岩﨑さんのスゴイところでもあります。
次は初夏。
これまた楽しみに伺いましょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
■2016.1.3x再訪
著名料理人に「今東京で最も京都らしい料理を出すお店」と言わしめる『赤坂 詠月』
岩﨑さんの日々の研鑽とたゆまぬ努力には、いつも頭が下がります。
特に15,000円(毎回わざわざ確認もしませんが、お会計から推測しても多分この金額のはず。)のコースで、これだけの品数とバリエーションそしてバランスを維持してゆくのは相当なご苦労があると思量します。
それだけの腕と経験と懐の深さが相まって、初めて成せる技でしょう。
次回は春。
筍をはじめ料理の趣もガラッと変わるはず。
その日を楽しみに待ちましょう。。。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
■2015.11.2x再訪
今や食べログ4.37点、押しも押されぬ超一流店となった『赤坂 詠月』
この日は約半年ぶりの訪問となりました。
でも気さくで、溢れんばかりのおもてなしの心で迎えてくれる岩﨑夫妻はいつも変わりません。本当にありがたいことです。
まずは具の入っていない茶わん蒸しから。
ほんのりと上品な出汁が香り、卵の甘みとわずかに添えられた梅干しがベストマッチ。
自信がなければ出せない一品です。
それから琵琶湖のモロコも、甘く炊かれた京都の海老芋も、八郎潟の天然鰻の白焼きも…とても美味しくいただきました。
そして最後の〆が炊込みご飯ではなく、胡麻ダレに和えた生の穴子を使った出汁茶漬け!
岩﨑さんが独立をしてまだまだお客さんが少なかった頃、ランチ(今はランチ営業はしていません。)でこれをやって大人気になり、今でも忘れられない大切な一品とのこと。
この日は朝の築地でいい穴子があったので、私に是非食べてもらいたいと思って用意してくれたそうです。
食道楽冥利に尽きますね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
■2015.5.x再訪
一年ぶりとなってしまいましたが、ゴールデンウイークの狭間に。
それでも岩﨑夫妻は、変わらず温かく迎えてくれます。
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■2014.4.1x再訪
新年早々素晴らしい料理をいただいてから早3ヵ月、やっと念願の再訪を果たすことができました。
3週間くらい前に予約の電話をしましたが、私のことをきちんと覚えていてくれて、とても嬉しかったですね。
忘れられない内に連絡をして良かったです(笑)
この日も4名で一番上のおまかせコースをお願いしました。
1.イイダコのさくら煮
2.お椀/アイナメの吉野煮
3.お造り/本ミル貝・白海老・明石の鯛 別皿で雲丹
4.焼き物/とらふぐの白子
5.甘鯛の小袖寿司 ※切り口の断面が着物の袖のような形になることが由来の小さい押し寿司のこと。
6.生麩の利久焼き ※茶人千利休(1522~1591)が料理にゴマをよく使ったことから胡麻料理にこの名がついた。「休」の字を忌避して「久」の字を当て、利久としたという。
7.京都長岡産筍の煮物
8.宮城産蔵王鴨 自家製柚子胡椒 長野産アメーラトマト クリームチーズの味噌漬け
9.毛蟹 蟹酢
10.明石鯛のかぶとを使った鯛めし 赤出汁 香の物 ※残りはお土産にできます。
【番外】鯛の目玉2+鯛の鯛2(持ち帰り用に小型のタッパーまで用意してくれました。)
※硬骨魚の肩帯の骨の一部。鯛の鯛は江戸時代の文献には既に「鯛中鯛」の字が見られ、「めでたい鯛の中でさらにめでたい形である」とされ、縁起物として喜ばれていた。
11.マンゴーと栃木産スカイベリー ※いちご王国として知られる栃木県がとちおとめの後継として開発したのがプレミアムいちご”スカイベリー”。スカイベリーの実は大果できれいな円錐形、糖度と酸度のバランスが良く、ジューシーでまろやかな味わい。
食べて美味しく、見て美しい…今宵も素晴らしい料理の数々をいただきました。
この日は特に、おまかせコースのために最高級の”明石の鯛”を仕入れ、刺身と鯛めしに丸々一尾を調理してくれたのだと思います。
お造りは明石鯛の他、コリコリの本ミル貝とトロトロの白海老、更には別皿の雲丹と、素材や食感のバランスも含め超豪華版でした。
本ミル貝はなかなかお目に掛かれない逸品ですね。
鯛めしは焼き目を入れたかぶとを使い土鍋で炊き上げています。程良く”おこげ”のおまけ付き!
これだけの料理をいただいた後で、なかなかお腹に余裕がないのが本当に残念でなりません。
もちろん残りはお土産にして持たせてくれますが、あの炊き上がりの何とも言えない良い香りをもっと堪能したかったですね。
その他、宮城産蔵王鴨のジューシーかつ”しつこくない脂身”にも驚かされましたし、付け合せのクリームチーズの味噌漬けもお替りしたいくらいでした。
またこの日のスペシャリテであるとらふぐの白子は、時期的にはかなり厳しいはずだと思いますが、今シーズンの締めに相応しい熱々とろっとろをいただきました。
仕込みが行き届いた定番の毛蟹も、生麩に胡麻味噌をたっぷり塗って焼き上げた少し甘めの利久焼きも、甘鯛をレアに炙ってトロトロ感を残しつつ焼き目の香ばしさをプラスした小袖寿司も…言い出したらキリがありません!
同席者へもTPOに応じた諸配慮もいただき、前回に増してのおもてなしに感謝感激しております。
更に帰りには、奥様の故郷である熊本の名産品他までお土産に頂戴し、この場を借りてあらためて御礼申し上げます。
お会計も4名で8万円弱、一人当たり2万円を切る驚きのコストパフォーマンスでした。
4月1日から厨房に職人が一人入られたそうで、この先、岩﨑さんの料理がますますパワーアップする予感がしてなりません。
『赤坂 詠月』…私の中で、必ずまたお伺いしなければならないお店となりましたね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
年明け仕事始めの1月6日に4名で取れる日としてお願いして約2週間、待ちに待った『赤坂 詠月』に行ってきました。
身近な4人での新年会といった感じです。
一応数日前に予約の確認のお電話をいただきました。
このクラスの店をキャンセルする人の気が知れませんが、たまにはあるのでしょうかねぇ?
赤坂の田町通り沿い、赤坂見附から赤坂通りに向かって中ほどの右側にあるスナックやクラブがたくさん入ったビル(ソシアル赤坂ビル)の4Fにあります。
いかにもといった極彩色の看板がズラリと並ぶビルですので、正直イメージとはかけ離れたものでした。
またエレベータで4Fに上がっても、写真の案内板のとおりワンフロアに6軒(うち5軒は飲み屋と推定されます。)あり、お店がどこにあるのか迷います。
暖簾をくぐり、いざ店内へ。
狭い、ですね。
左側が狭いですが一人で何でもやるのに適した機能的な厨房。
その前がカウンター4席。
横の間隔は大丈夫ですが、後ろは通路兼クローゼット(壁掛けフックの意)ですから、結構圧迫感があります。
奥に2名&4名のテーブル席があり、全10席ということになります。
当日は2名席は荷物置き&サービス用のサイドテーブルと化していましたが。
お店そのものは、ご主人が独立する際に二十数件も見て回って決めたという居抜き物件だそうです。
以前は女将さんが一人で切り盛りするような小料理屋だったそうです。
多少は手を加えたのかも知れませんが、小ざっぱりとして、シンプルかつ清潔感のある好感の持てる内装です。
ただ欠点は遅めの時間になると時々聞こえてくるスナックのカラオケ騒音。
決して大きくはないが、耳障りであることは間違いなし。
ここに店がある限り、如何ともし難いのでしょうが…少々残念です。
ご主人・岩﨑秀範さんは、とても若く見えるソフトな男前。語り口調もとても優しい方ですよ。
傍目には30代半ばにしか見えませんが、一応40には届いているそうです。
そしてホールは奥様の仕事。
お似合いのお二人が二人三脚で切り盛りしている姿はとても素敵です。
ちなみに前職は六本木で3年半店を任されていたとのこと(現在は店名が変わって『ぬる燗 佐藤』となっています)。
独立の際は、そちらへの仁義もあり、赤坂・新橋・銀座界隈を中心に物件を探されたそうです。
その前は京都の小割烹や旅館で修業されたとのことです。
店名の由来は”月を詠む”
月の満ち欠け=季節感や季節の移り変わりを感じながら、料理に表現していきたいと仰ってました。
深い…ですね。
前置きが長くなりましたが、本題のお料理の方に移ります。
お願いしたのは一番高い@15,000円のおまかせコースです。
このテのお店の共通項ですが、やはり毎朝築地に仕入れに行くそうなので、仕入れ状況でコース内容は多少変わるそうです。
この日のコース内容は次のとおり。
1.雲子(鱈の白子)…サッとレアに煮たプリプリの白子が口の中でとろ~っととろけます。柚子の利いたやさしい出汁です。一品目にしてただものではない雰囲気を感じ取りました。
2.大分産 大判椎茸…風味豊かな肉厚しいたけをお塩でいただきます。
3.鴨の雑煮…1月ならでは。余りに上品で京都にいるのかと錯覚(笑)正月に伊豆の旅館で食べた「鴨の雑煮」とは桁違いですね。
4.平目・鰤・ボタン海老・塩水雲丹(別皿)の刺身…平目には縁側と肝もプラスされ変化が楽しめます。脂の乗ったブリ、プリップリ&トロ~りボタン海老も申し分なし。でも何と言ってもウニの甘味が忘れられません。
5.鯖寿司…脂の乗った肉厚のサバがたっぷり。軽く醤油味が付いているので、そのまま一口でパクリ。2貫付です。
6.牡蠣の松前焼・旨味凝縮の焼き汁付…塩濃いめの昆布(これもおつまみに最高です)の上に大粒の焼きガキ。カキは昆布の出汁を吸い、昆布はカキの出汁を吸う。その相乗効果が素晴らしいですね。アルミホイルの上でカキを焼き、その焼き汁を溜めて更に一品に。カキ独特の風味、濃厚なエキス、旨味成分が凝縮された至福の一口です。カキだけに画期的です(笑)
7.蒸し鮑…優しい昆布出汁の香りがほんのりとする、とてもやわらかい蒸し鮑です。別皿でプリ&コリ2種の食感が楽しめる肝はポン酢味で。鮑の”歯”といわれる軟骨のような食感の半透明の小片までも付いてきてビックリです!
8.聖護院大根と京揚げの煮物…大根を煮崩れしない限界まで煮詰めた逸品。上品な京出汁をいっぱい吸い込んだ大根はトロトロ以外の言葉が見当たりません。京揚げも繊細でキメ細かく美味しいですね。かなり強烈な辛味、パンチの効いた自家製柚子胡椒がアクセントになりますよ。
9.佐賀牛…見た目以上に噛むほどに脂身の旨味が滲み出てくる上質な佐賀牛。とろける旨さ、程良い量です。岩塩を振っただけのシンプルな味付けですが、素材の勝利ですね。山葵と山椒を練り込んだ味噌も付いてきますが要らないくらいです。付け合せは、長野産甘味たっぷりのアメーラ・トマトと焼き目を付けたチェダーチーズです。
10.毛蟹…丁寧に身をほぐし、掃除をした蟹肉を半分に割った甲羅に戻し盛り付けた、見た目も美しいメイン料理です。上には蟹味噌も載っていてテンションもマックスです。しっかり浸しても大丈夫、酸味控えめな蟹酢との相性も抜群ですね。
11.鰤御飯…4人前だからなのか分かりませんが、ブリの御頭がドンと入った豪華な土鍋炊きご飯。お米はあきたこまちを使用とのこと。蓋を開けてお披露目の後は厨房に戻ってこれまた丁寧に身をほぐし、骨を取り除いて再登場です。ブリの身がすごい量入っていますので、恐らく演出の御頭とは別に身を足しているのではないかと思われます。香の物、赤出汁が付きます。尚、残ったご飯は持ち帰ることができますので、遠慮なくお願いして下さい。
12.熊本デコポンと博多あまおう…この果物2種を食べ比べて、どっちが甘いか悩んでしまうような糖度のデコポン、美味しかったです。
以上、器にも盛り付けにもこだわった12品、感動的なコースをいただきました。
この一番高いコースが@15,000円で提供できるとは、ご夫婦で営業努力をなされている何よりの証。称賛に値します。
一寸の隙もない完璧な仕込みとどこまでも丁寧な仕事が、これだけの素晴らしい料理の数々を生み出すに違いありません。
また日本酒の品揃えは秀逸。焼酎もそれなりに。
この規模のお店としては幅広く名の通ったところ、プレミアム系を揃えています。
料理や好みに合わせておまかせもよし。
どこに隠しているのかと思うくらい、どんどん新顔が登場します(笑)
一人4~5杯飲んで、お会計は9万円弱。
ご主人と色々話ができた上、@22,000円と満足度抜群の新年会となりました。
帰り際、エレベータ・ホールでかわいいミカンを一つずついただき、お見送りを受けました。
岩﨑さん、また伺います!
6位
1回
2016/06訪問 2016/07/04
初めてなのに初めてな感じがしない…素敵なご主人との楽しい会話と素晴らしい料理の数々
【夜】[料理・味]5.5*40%+[サービス]5.5*15%+[雰囲気]4.0*10%+[CP]4.5*30%+[酒・ドリンク]4.0*5%=4.98(5.0)
※「料理・味」「サービス」を特例で5.5ptで採点しています。ご了承下さい。
■2016.6.2x再訪
久しぶりの『樋口』です。
ミシュランは変わらず一つ星とはいえ、食べログでは常に4.4点前後をキープする高評価の割烹。
この日もご主人の人懐っこい笑顔に迎えられ、カウンター席の真ん中へ。
包丁捌きの全てが丸見えの特等席です。
季節は初夏。
鱧も鰻もいいシーズンに入ってきますが、連れの子が細長いニョロニョロ系の魚が苦手とのこと。
予約時に断りを入れましたが、色々とお手数をお掛けし申し訳ありませんでした。
連れが席を外した時に次回の予約を入れようと思ったら、何とこの6月末でしばし閉店しリニューアルするとのこと。今回なにも知らず予約をしてお邪魔しましたが、本当にタイミングがよかったですね。
工事の詰めができていないので正確な時期は未定とのことですが、概ね2~3カ月休んで再度オープンとなるようです。その間、まだ行ったことのない大阪に勉強がてら足を運んでみたいとおっしゃっていました。
ちなみに現在6席しかないカウンターを広げたいとご主人は考えているようで、もっと自分の目が行き届く状況で営業をしたいみたいですね。
また秋口にでもご連絡をして、新しくなった『樋口』を訪れてみたいと思います。
日本料理は基本カウンター席でいただく私なので、リニューアル後をとても楽しみにしています。
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■2015.7.2x再訪
盛夏。この日も暑い一日でした。
久しぶりに『樋口』を訪問することができました。
初めてお邪魔した時の印象がこんなに良かったお店は珍しい…それなのに随分と間が空いてしまいました。
その間ピンポイントの予約が二、三度取れなかったからとか、私の生活圏から少し離れている場所のせいにはしたくないのですが、四季折々をしっかり感じた方がいいお店なのは間違いありません。私の舌がそう言っていますから(笑)
久しぶりにもかかわらず、ご主人が笑顔で迎えてくれると思わずホッとするものですね。
樋口さん、人を惹きつける魅力を持った方だと思います。
この日は〆の雲丹ご飯が忘れられないくらい美味しかったですね。。。
またお邪魔します!
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前々から行ってみたかった日本料理店『樋口』
食べログ4.20点、ミシュラン☆のお店です。
個人的には店選びにミシュランをさほど重視していないのですが、ミシュラン☆と食べログ4点台の両方をクリアしているお店は、かなり確率で素敵なお店に出会えると思っています。
実はミシュラン☆☆☆の中にも数店舗食べログでは3点台のお店がありますし、☆☆の中では50%超が食べログでは3点台なんですよ。
結構ビックリですよね(笑)
この日は、珍しく渋谷のとあるお店で買い物をする予定だったので、普段あまり行かないエリアですがリストの中からこちら『樋口』をチョイス。
1か月近く前に電話予約をしたので、カウンター席でお願いすることができました。
この日は結局渋谷の話は流れて、銀座の某ブティックで待ち合わせ、その後タクシーでこちらに向かいました。
実はすぐ近くの病院に2~3か月に1回定期的に通っているため、道案内はお手の物でした(笑)
一般的には、どこの駅からも遠いし、分かりやすい場所ではありません。
ビルの入口に小さな行燈とこれまた小さな盆栽が。
正面を見上げると白く長い暖簾が見えます。
外階段を上がって、いざ店内へ。
ファースト・インプレッションは…
実は、珍しく入った瞬間から ”温もり” を感じるお店だなぁと。
迎え入れられたウェルカム度、掛けられた言葉、スタッフの表情、そしてカウンターに案内された時にご挨拶をしたご主人である樋口一人さんの柔和な笑顔…
”初めてなのに初めてな感じがしない” そんな不思議な気分にさせてもらいました。
私自身、確かに色々な店に行っていますし、場数は踏んできたつもりですが、それでも初めて伺う高級店は少なからず緊張して行くものです。
リピートしてからは別として、初めて行った時にスタートからこんなにリラックスさせてもらえたのは本当にレアケースですね。
お店は、通路がとてもゆったりとして窮屈感がありません。
奥に広めの半個室(テーブルが2卓セットできる広さ)と手前に2~4名の掘り炬燵式完全個室があります。
中ほどのカウンターは6席。
こちらは素晴らしく手入れの行き届いた真っ白な白木で、時々鑢(やすり)を掛けて磨き上げるそうです。
料理は電話をした時に一番いいコースをお願いしており、@18,500円とのことでした。
内容はこんな感じでした。
1.雲丹 ・・・ 確認しなかったのですが、見た感じ柿の葉でしょうか?これが蓋替わりです。紅葉には早すぎるし、今思えばまだ酔ってもいなかったのでちゃんと聞けばよかったですね。中にはたっぷりの生雲丹。その下には記憶が不鮮明ですが冬瓜ですかね。
2.八寸 ・・・ 鯨ベーコンは何度も食べたことありますが、これは相当に高級なやつですね。最高に旨い!1枚じゃ物足りないですが、だからいいんですよね。ばちこ最近どこでも定番です。鱧子は珍しいものなのですかね。意識して食べたのは初めてのような気がします。鱧の身と肝のすり身を蒲鉾状に寄せたものは絶品でした。魚の肝ってホント生かすも殺すも腕次第という気がします。あとは里芋っぽい?芋に味噌でしたか。
3.グジ(アマダイ)の握り ・・・ いやぁ美味しい!わざわざ握りを出してくるだけのことはありますね。歯応えが素晴らしく、噛むとびっくりするような甘みが…。関東ではアマダイ、関西(京都)ではグジと呼ばれるイメージでしたが、若狭湾で獲れたアマダイが「若狭グジ」とブランド化して珍重されているようです。
4.キノコの茶碗蒸し ・・・ 丹波シメジ、ブラウンマッシュルーム、そして乾燥ポルチーニを使った茶碗蒸し。半端なくイイ香りで、思わず日本料理店に居ることを忘れてしまいそうなくらいです。連れの女性は感嘆の声をあげていました(笑)
5.サンマとすだちのミルフィーユ ・・・ 私的には今日一番の料理でした。名前は私が勝手に付けました(笑) 出始めのサンマの皮目を炙って香ばしさと脂を引き立たせ、これに脂っぽさを中和させ爽快感すら感じるすだちを交互にミルフィーユ状に3段に重ねたもの。そんなに高い食材の組み合わせではありませんが、感動の一品。サンマの肝醤油もバッチリ決まっていましたよ。
6.造り ・・・ 鯛・メジマグロ・鱧の3種類。豪華です。特にメジマグロは通常20kg以下のクロマグロをこう呼びますので、マグロが中々獲れないこの時代に貴重品ですね。その大トロは最高にキメの細かい、全くしつこくない脂でしたね。そしてすぐに溶けてなくなりました(笑) 鱧は京都経由で韓国産を仕入れているそうです。思い起こせば、某K氏も韓国産を賛美して使っていました。
7.鱧と松茸のお椀 ・・・ この辺からかなり酔っぱらっていましたね(笑) 松茸の香りを楽しんだ記憶はかすかに…
8.鮎の塩焼きと揚げ南高梅 ・・・ 鮎は今夏本当によく食べました。正直普通でした。添え物の揚げた南高梅は最高!梅を甘く蒸して、衣をごく薄くつけて揚げたそうですが、写真を撮る前に食べてしまいました。完璧なる酔っ払いです(笑)
9.鰻の炭火焼き ・・・ 大阪産と言っていた気がしますが、もはや全く自信がありません。ご容赦下さい。鰻を巻いて、炭火でじっくり焼き上げているので外は驚くほどカリカリ、中はふっくらジューシーです。シンプルな料理なので、より一層技術が光りますね。
10.芋茎(ずいき)とシャラン鴨の炊き合わせ ・・・ 本物のシャラン鴨美味しいですね。歯応えがあるのに柔らかい、そんな矛盾したこと言ってはいけませんか?辛子と山葵が喧嘩しない、味として共存できることも新発見でしたね。
11.お食事 ・・・ 珍しく白飯。その釜炊きご飯のお供が鱧の煮凝り。もう本当に幸せです。これが付いてくるなら、白飯で十分です。いやいや、計算され尽した白飯なのでしょう、きっと。もちろん味噌椀と香の物が付きます。更に絶品の手打ち蕎麦までも。本来はご飯か蕎麦のチョイスなのですが、迷っていたら両方を少しずつお持ちします…という展開になりまして、ありがたくご相伴にあずかった次第です。今度は蕎麦屋に居るのと間違えるくらいの美味しい蕎麦を、名残惜しむ間もなくサラッといただいてしまいました。
12.デザート ・・・ 葛きり、杏仁豆富、最中アイスからの選択です。後でレビューを見ると炭火焼の最中が有名なようですが、そんなことも知らない私は大好きな葛きりを、連れは和食では珍しい杏仁豆富(豆腐でないところが和食チックですね。)をオーダーしました。食べていない最中のことを言うのはナンですが、葛きりも名物に負けていない美味しさでしたよ(笑)
とめどなく美味しかったですね。
何と言うんですかね、いわゆる ”ビンゴっ!” というヤツなのでしょう。
誰でも相性はありますからね。
人と人も、男女も、人と料理も…(笑)
いやぁ、来て良かったです、ホントに。
連れとの会話を楽しみつつも、目の前で仕事をしている素敵なご主人との会話も十分にエンジョイできました。
女将さん(樋口さんの奥様。修業時代に一緒の店にいたそうです。)も笑顔を絶やさず、外(ホール)と中(厨房)を行ったり来たり。
8月末で調理場の若手が辞めてしまったそうで、暫くは大変そうです。
若いホールの女性も、ほんわかとステキなサービスでしたよ。
ちなみにご主人は、若く見えますが今年 ”年男” で48歳になるそうです。
こちら渋谷区界隈の生まれ育ちで、修業も都内だけとか。
残念ながら、修業先は全て閉店してしまったみたいです。
元々はやはり料理人だったお父様の影響でこの世界に足を踏み入れたそうですが、独立して開業したこちら『樋口』は来月には14周年を迎えるとのことです。
帰りはタクシーを呼んでいただき、番傘を差し掛けながら車に乗せてもらい、ご夫婦でお見送りいただきました。
@4,000円の穴子棒寿司2本と@1,000円のちりめんじゃこをお土産にお願いして、お会計は65,000円余り。
約1万円がお土産で、日本酒を4.5合と連れが生ビール、焼酎梅干し割を2、3倍飲んでますから、妥当すぎる金額ですね。
本当に素晴らしい夜を過ごさせていただきました。
7位
1回
2015/06訪問 2015/11/04
【夜】[料理・味]5.5*40%+[サービス]5.0*15%+[雰囲気]5.0*10%+[CP]4.5*30%+[酒・ドリンク]4.0*5%=5.00(5.0)
※「料理・味」を特例で5.5ptで採点しています。ご了承下さい。
■2015.6.x再訪
初めて家族揃ってお邪魔しました。
4人なので個室です。
今年の正月にこちらのお節が抜群に美味しかったとの家族の評で、一度連れて行け!というプレッシャーを受け続けていたので、ちょっとホッとしました。
次は『虎白』だと皆が言うので、帰りがけにお願いして予約を取りました(笑)
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■2015.4.1x再訪
前年10月から12月、今年の2月、4月と、きっちり2カ月刻みで再訪を重ねています。
盛夏にお邪魔した初回を合わせ、これで四季折々の『神楽坂 石かわ』を一通り堪能することができました。
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■2015.2.x再訪
この日は池袋の超有名店のオヤジさんとサシでの利用。
カウンター越しではなく、横並びでどんな話ができるのかワクワクしての訪問です。
そしてカウンター内には石川さんがいるわけですから、なんとも緊張感溢れるシチュエーションですね(笑)
実際に席に着いてみると、仕事場でのいつものオヤジさんとは違って、かなりリラックスムード。
あの ”毒舌” もありません(笑)
やはり日本酒が好きなようで、日高見(宮城) 弥助 純米大吟醸 ”ひょうたんボトル” を飲み交わしながら楽しい時間が流れます。
時に石川さんも交えて、いろいろ話が盛り上がりました。
相変わらず安定感抜群の『神楽坂 石かわ』の料理。
初めて来たオヤジさんもとても喜んでくれて、ご案内した私も鼻が高いですね。
何せ、次回ご自身の誕生日に奥さんを連れて来たいと予約していましたから。
それに触発された訳ではありませんが、私も次は家族揃って来てみようと4月に個室で予約して帰りました。
お見送りの時に撮った石川さんとオヤジさんと三人並んだ記念写真は宝物ですね。
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■2014.12.3x再訪
大晦日の昼前、宅配便で『神楽坂 石かわ』のお節が届きました。
ご主人の石川さんはもとより、普段は『虎白』にいる統括総料理長の小泉さん以下、グループ総力を挙げてお節の準備にあたるそうです。
前々回10月半ばに『神楽坂 石かわ』にお邪魔した時に注文し、その時の飲食と一緒にお会計をしたので正確な金額は分かりませんが、逆算してみると5~6万円くらいでしょうか。
ちなみにお重の中身はこんな感じです。
<一の重>
車海老塩茹で 数の子醤油漬 かに袱紗焼 牡蠣の黄味焼 烏賊すり身磯辺焼 慈姑カステラ 鯛南蛮漬け いくら粕漬 酢蓮根燻製鮭挟み 干し柿胡麻酢和え 合鴨ロース 双身椎茸 伊達巻玉子 もって菊酢漬 蕪甘酢玉 はじかみ チーズ玉子 マイクロトマト
<二の重>
伊勢海老旨煮 鮑酒煮 穴子柔らか煮 松茸旨煮 銀鱈の漬焼 鰊の旨煮 海老芋白煮 昆布旨煮 筍土佐煮 子持ち鮎甘露煮 梅人参 粟麩旨煮 くるみ胡麻和え 鶏松風 絹さや 黒豆蜜たき 菜の花 赤こんにゃく
通常は家族で旅行に出掛けますが、諸事情で久しぶりに自宅でゆっくり過ごす今年の正月。
他に『うち山』、『メゾン・ド・ユーロン』のお節もお願いしているので、食道楽としては、これはこれで楽しみな正月休みとなります。
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■2014.12.1x再訪
年末につき、大好きなお店にはご挨拶を兼ねての訪問が多くなります。
それ故、最近は再訪のお店が多くなっています。
この日は『神楽坂 石かわ』さんへ3名でお邪魔しました。
プチ忘年会みたいなものです。
こちらは先日発売の「ミシュランガイド2015東京」でも、見事に三ツ星をキープされている名店です。
前回来た時に、年内はカウンター席が取れなかったので、個室へご案内いただきます。
先ずはカウンターの方へ二、三歩足を向けてご主人にご挨拶を。
今日も店内は満席で活気がありますね。
カウンターはたったの7席ですが、個室はなんと4部屋もあります。
内訳は4名用が3室、6名用が1室。
シンプルですが、上質で、清楚な空間。
そしてゆったりとした間取りとなっています。
この日の献立は、冬の季節感が満載!
特に良かったのは、心も身体も温まる「白味噌椀」ですね。
炭火で焼いたふぐの白子と鯨のころ、白子の下には冬瓜が顔を出します。
甘みと深み、そしてコクのある白味噌に、鯨ころの香りと旨味の強い脂が効いています。
そしてほんのり柚子の香りが、その脂っぽさをスッと洗い流してくれるのです。
文句なし、この日のナンバーワンの逸品ですね。
その他、先付の「ふぐの細引き」、いきなり皆のハートを鷲掴みでした。
ふぐと同じように切り揃えられたつくね芋との食感の妙、その下から現れるとろける鮟肝。
幸せな気分にさせてくれますねぇ。
また唯一肉(肉と言っても鴨肉ですが)が使われている「鴨と椎茸双身揚げ 霙掛け」は、一枚肉の鴨と、挽いた鴨肉を椎茸に詰めて揚げたものの二種類が楽しめる手の込んだ一品。
お造り二品目の「伊勢海老の焼霜」は、甘みが凝縮された伊勢海老の身と雲丹と見間違う味噌がたっぷり。
久しぶりに本当に旨いと感じる刺身をいただいた気がします。
煮物は津合蟹の身と味噌で作ったつみれ(真丈?)の小鍋仕立て。
ひとつでは寂しすぎる最高に贅沢なつみれですが、脇役の白菜の芯も甘くて美味しいですね。
命の出汁は言うに及ばずです(笑)
そしてツヤツヤの白いご飯を更に引き立てる「鯛の身」は激ウマ!
天然の鯛のほぐし身とすり胡麻、そして醤油だけのシンプルなもののようですが、特に胡麻の風味とマイルドさが半端なく効いていて、そのまま食べても、ご飯に乗せても、出汁茶漬けにしても…ホント美味しいですね。
残りのご飯をおにぎりにしてくれると言うので、おにぎりの中に鯛の身を入れてもらえるよう、ずうずうしくもお願いしてしまったくらいです(笑)
そんなこんなでこの日も美味しく、楽しく、盛り上がりました。
個室でしたが、ポイント、ポイントで石川さんが顔を出してお話をしてくれるのも嬉しかったですね。
また、なかなか見ることのない「田酒 純米大吟醸(青森)」も透き通った喉越しで、バランスが良く、何杯でも飲めちゃう旨さでした。
お会計は3名で8万円余り。
非常に満足度の高い内容と言えます。
『神楽坂 石かわ』が初めてだった同席者二人もとても喜んでいて、主催者としては鼻が高い思いです。
帰りにカウンターのご主人に声を掛けようと思ったら生憎見当たらず、もしや!?と外に出てみたら、お忙しいのに既にお待ちいただいていました。
思わず一緒に記念撮影(笑)
曲がり角で振り向くと、いつもと変わらず最後の最後まで見送ってくれていました。
大晦日には、前回お邪魔した時にお願いしたお節が届きますから、これまた楽しみですね。
ご主人、来年もひとつ宜しくお願いします。
二次会はこの日も『歯車』へ。
”神楽坂の夜の物語” は、まだまだ続きます…笑
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■2014.10.1x再訪
カウンター席にこだわったので2ヵ月待つことになりました。
お蔭で、前回は夏、今回は秋。
楽しみは広がります。
この日も、食材、手法のバリエーションを堪能。
バランスがいいと言うか、流れが素晴らしいと言うか…
次の料理がホント楽しみ。そして期待を裏切りません。
年内、忘年会を兼ねてお邪魔したいと、無理を言って予約をいただきました。
次は冬の『神楽坂 石かわ』を楽しむことができます。
そうそう、何で石は感じで川はひらがなか知ってますか?
実は書いてみた感じ、バランスが一番良かったからだそう(笑)
もちろんご主人談ですよ。
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今宵は『神楽坂 石かわ』にお邪魔しました。
ミシュラン☆☆☆にして、食べログも今日現在4.40点という高評価です。
最高峰の日本料理店のひとつであろうことは、全く疑いの余地はありません。
もとはと言えば、系列店の『虎白』の予約が取れた(6月末に利用)ので、それならばご本尊『石かわ』の予約もチャレンジしてみよう!と思ったのがきっかけです。
約2ヵ月待ちで、念願のカウンター席をお願いすることができました。
飯田橋駅、外堀通り方面から早稲田通りを来ると結構坂を上ります。
私はいつもと変わらず銀座から客人と一緒にタクシーで来ましたので、善国寺(神楽坂 毘沙門天)の角で車を停めました。
お寺の脇の路地を入って、お寺のすぐ裏にあるビル1階が『石かわ』となります。
真っ黒い板張りの外観。
一見クラシカルのようで、モダンな雰囲気を醸し出しています。
神楽坂という街にシックにとけ込んでいるにもかかわらず、オーラがあるというのでしょうか、「ああ、ここだ!」とすぐに気付かせてくれる感じでしょうか。
入口脇には番傘。
奥には広くはありませんが坪庭があり、池に金魚の姿もチラホラ。
何かとても良い雰囲気です…。
店内に入ると、美しい着物女性に出迎えられ、カウンターに案内されます。
カウンター、厨房周りの白木の美しさが目を引きます。
透けるような白さですね。とっても素敵です。
連れの先生は、先ずはビール、特に瓶好きなのでサッポロ黒ラベル<小瓶>650円 から。
私は日本酒のリストから〆張鶴 大吟醸 金ラベル 四合瓶12,800円をお願いしました。
もちろんビールの後は手伝ってもらう前提ですが(笑)
ちなみにメニュー上、日本酒、焼酎は各1ページずつで日本料理店としてはそこそこ悪くない品揃え、ワインは見開きで3枚(6ページ)ビッシリありましたのでかなりのストックだと思います。
ご主人石川秀樹さん(新潟出身の49歳巳年)と「よろしくお願いします」のご挨拶を交わし、料理のスタートです。
電話予約時に15,000円と19,000円の2種類のコースがある旨説明があって、この日は19,000円のコースをお願いしています。
1.先付 岩手の生雲丹 毛蟹 焼茄子 ・・・保存料、型崩れ防止に使われるミョウバンを使っていない岩手の手詰め雲丹。その裏返しでドロッと溶けているそうです。とても香ばしい焼茄子と雲丹、毛蟹(蟹味噌も)がそれぞれ主張し合いながらも全体として一つにまとまっている感がスゴイですね。
2.温物 牛みすじ 茨城の新蓮根 ・・・炭火で焼いた蓮根は甘めのタレ、和牛のみすじはシンプルにたたき風。やはり一緒に食べたり、交互に食べたりすると口の中で味に広がりが出る感じがします。牛肉の上部に薄くパン粉の衣が使われており、食感のアクセントになっています。
3.椀物 すっぽん沢煮 ・・・沢煮の「沢」は沢山の沢で、具いっぱいの煮物のことです。餅で包んだすっぽんがメインで、丁寧に極細に切られた野菜たちがお椀を埋め尽くします。すっぽん出汁のスープはしっかりめの味です。柚子が少々。
4.造り 玄界灘の鯛 ・・・身の引き締まった鯛。ただ個人的にはお造りは鯛でなくても…と思ったりもします。非日常的な感じを期待して、という意味ですが。添えられている青海苔が秀逸。大葉と茗荷の超千切り、山葵。
5.焼物 鮎の炭焼 ・・・活でサイズを指定し、一日100匹そろえるので、産地の特定までは難しいとのこと。ほどほどの大きさですが、頭から尻尾まで骨など全く気にならず2匹完食。パサつきもないので、火の入れ具合が絶妙ということでしょう。
6.造り 南房総千倉の蒸し鮑 ・・・鮑の出汁の煮凝り的なものが掛かっており、より一層鮑の風味を楽しめましたね。柔らかさと歯応えが共存する、美味しい鮑です。
7.中皿 茹で鱧 梅肉 ・・・いやぁ~美味しかったですね。オーソドックスに鱧と梅肉なんですけどね。一口サイズの湯引き鱧にたっぷりの梅肉と茗荷と大葉の千切りを混ぜたもの、山葵がのっています。ただ出された通りに食べる。そのまま食べる。そして旨い。よくよく研究された絶妙のバランスなのでしょうね。
8.煮物 鯨ころ玉〆 冬瓜 豆腐 三つ葉 ・・・あまり見掛けない鯨を使った小鍋ですが、この日の最高傑作でしょうか。鯨の「ころ」は部位の名前。背中から皮にかけての脂身の多いところです。「玉〆」は簡単に言うと卵とじですね。とにかく脂身の溶け出し具合が素晴らしい!これを豆腐や冬瓜といった淡泊めな食材と合わせることで、旨味はあっても決してしつこくは感じない料理に仕上げています。旨い!
9.食事 ますのすけ釜炊きご飯 香の物 味噌椀 ・・・ マスノスケとはキングサーモンの和名で、日本近海では北海道の太平洋沿岸で少数しか漁獲されないため、高級魚として高値で取引されています。何といっても脂がのった身が美味しいですね。生姜が効いていて、そんなに脂っぽさは感じません。お替りをして、更に残りはおにぎりでお土産に。
10.デザート 西瓜 洋酒のゼリー 椰子の実スープ ・・・甘い種無し西瓜にジェルが掛かり、更にココナッツミルクのいい香りが…西瓜がこんなに美味しいと思ったのは初めてかも知れません。デザートまで手抜きなし。幸せな気分になりましたね。”終わり良ければ全て良し” 先人はいいことを言うものです。
全体として目を引いたのは「繊細さ」と「美しさ」
とにかく作業が細かく、手を抜かない、徹底したプロ意識、美意識が根底にあるのでしょう。
美しさには、もちろん盛り付けも器も含みます。
あとは「バランス感覚」ですね。
その一品の主役を引き立てる脇役のキャスティング、主役との相性を考え抜いて、時には主役を最大限ヒーローに祭り上げ、時には助演男優賞、助演女優賞を獲ってしまうような料理も…脱帽ですね。
お会計は2人で6万円余り。
ここに滞在した数時間への対価としては、正直とても安く感じます。
納得、満足、至福の時。こんな言葉がリフレイン(笑)
そして最後に一言 ”流石” です…。
何度かお邪魔すれば、おそらく私の中で最高のお店になるであろう ”予感” を感じつつ、石川さんと女将さんに見送られながら店をあとにしたのでした。
もちろん、次の予約はいただきましたよ(笑)
8位
1回
2016/03訪問 2016/06/21
史上最高の ”出汁” に出会いました。それだけで幸せですね。
【夜】[料理・味]5.5*40%+[サービス]5.0*15%+[雰囲気]4.5*10%+[CP]4.5*30%+[酒・ドリンク]4.5*5%=4.98(5.0)
※「料理・味」を特例で5.5ptで採点しています。ご了承下さい。
■2016.03.x再訪
一年ぶりの『くろぎ』です。昨年と全く同じ日に訪問となります。
予約が取れないことで有名なお店ですが、記念日の利用だったからか「来年の同じ日もお待ちしております。」なんて女将さんに声を掛けていただき、今年もお邪魔することになりました。
その時点で初夏には芝大門あたりに移転となるはずでしたが、諸事情で予定が延びてしまったようです。
お聞きした限りでは、古家を改装して使用するつもりだったのが思った以上に劣化が激しく、取り壊して建物から立て直しになったそうです。その上解体時にアスベストも出たりして、大幅に遅れてしまったとのこと。
今秋くらいには正式に移転となるそうですよ。
ちなみに席数が半分くらいになるとかで、より一層予約困難店になることでしょう。
この日は1階の奥の個室で。
窓の外にちょっとした坪庭もあったりして、風情豊かなお部屋です。
2階の4人部屋に比べると、かなりゆったりとしていて居心地もいいですね。
この日は、今年初めていただいた早掘り筍がイチオシ。
生でも見せてもらい、炭でじっくり焼いて黒焦げになったものも見せてもらい。。。
そして硬すぎず、それでいて独特の食感を失わない絶妙な火入れと、うっすら醤油の香ばしいお味。堪能しました。
いつも楽しみにしている八寸は、桃の節句らしく合わせ蛤を模した器で。
初めて食べた半生のばちこ、得も言われぬ食感が印象的です。
フィレ肉と白子をパン粉でフライにしてしまうのも黒木流。
なかなか他の日本料理店ではフライにはしませんよね(笑)
そして私は最後の葛切りが大好物。
打ちたての強い食感と、濃厚な黒蜜。黒蜜は全部飲み干します(笑)
お祝いの席でもあり、黒木さん、女将さんには随分お気遣いをいただき、ありがとうございました。
また来年同じ日に新しいお店の方に伺います。
その前にもお邪魔できるといいのですが。。。
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■2015.03.x再訪
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念願の『くろぎ』です。
湯島の路地に佇む二階建ての一軒家。
思いっきり歴史を感じる古民家のような建物です。
風情があっていいですね。
近くにあるすき焼きの名店『いし橋』の方が雰囲気は上ですが、通じるものがあり、個人的には好きです。
多くの有名レビュアーの方々が絶賛し、またマイレビュアーの方々の内60名ほどが口コミを書かれています。
もちろん(すぐ打ち切りにはなってしまいましたが…)復活版「料理の鉄人」に ”和の鉄人” としてTV出演していたのは私だって知っています。
思い起こすと、今年の2月1日土曜日のことでしたね。
LINEに部下から「お疲れ様です。くろぎ、やっと取れました!」との連絡。
予約困難店は毎月1日から何ヵ月か先の予約を受け付けることが多く、この日のノルマは『くろぎ』と『鳥しき』でした。
「お疲れ様。それで、いつ?」
「7月○日です。しかも17時からです。とにかく押さえました。」
「…ありがとう。」
部下ふたりがオフィスの電話でリダイヤルを続けて、6時間後だったそうです、電話が繋がったのは。
ですから、ホントありがたみを噛みしめながらの訪問だったんです!
でも、この一件以来、部下に頼むのも、このように電話も繋がらない店を深追いするのも止めました。
業務にも支障が出ますし、何と言っても申し訳なさすぎます…
もともと「行きたい時に行けるお店」が良い店の条件の一つと思っていたのですが、食べログにハマるうちに「予約が取れる日に予定を合わせる」という自分のポリシーに反する ”本末転倒” なことが多くなっていました。
本題に話を戻します。
この日は4名での会食。
黒木シェフが凛とした顔で立つカウンター前を過ぎ、階段で2階の個室へ。
繰り返しになりますが、私は ”いにしえ” を感じるこの雰囲気が大好きです。
電話予約時に、「コースは18,000円のおまかせのみ。この時期は鱧が入るので、もう少し高くなるかも知れません。」との説明があったそうです。
この日のコース内容は次のとおりです。
1.御祝いのお赤飯 金粉 ・・・誕生日が近いものが2名含まれていたので。もちもち感が抑え目で、小豆の甘味、旨味が感じられる程良い塩加減。あまりもち米が好きではない私ですが、いきなり人生で一番美味しい赤飯をいただきました。
2.先付 焼胡麻豆腐 山葵 ・・・焼き目が強く、素朴な焦げ感が胡麻豆腐を一段と香ばしくさせています。中は絶妙なとろけ方ですね。
3.先付2 じゅんさい鮑酢 ・・・鮑を細く氷柱(つらら)状に細工した「つらら鮑」と旬のじゅんさいを合わせた酢の物。食感と清涼感を意識した一品ですね。
(黒木純シェフのご挨拶<1>、鱧や早松茸の説明)
4.御椀 鱧煮麺 冬瓜 ・・・鱧の骨を焼いて取った出汁、あとは昆布のみという「渾身の出汁」にメロメロ。異常なほど旨い出汁。少し強い感じはありますが、これだけ上等な出汁なら多少主張しても全く嫌味になりません。私の中で最高の出汁だと思いました。具材は、国産の2倍はするという韓国産の最高級鱧と、梅雨の冷え込みでこの時期ごく稀に顔を出すと言う岡山産の早松茸(さまつたけ)のコンビ。今日はこれが全てですね。これをいただけただけで「料理・味」は黙って6.0点です。
5.焼物 若鮎 塩焼き二丁 ・・・ボウルに入った活鮎を見せてもらいました。ピチャピチャ元気いっぱいです。この日は琵琶湖産でした。蓼酢に使われる「蓼の葉」が敷かれていました。新生姜の甘酢漬けがマイルドでとても美味しいですね。付け合せが美味しいって嬉しい!
6.韓国産 鱧のたたき 鱧の骨の唐揚げ ・・・お品書きないこちらの一品が出てきました。土佐醤油と梅肉で。皮目のコリコリ感が堪りませんねぇ~
7.八寸 火取りばち子 季のもの色々 ①鯵の棒寿司 ②蛸のやわらか煮 ③ばちこ(ナマコの卵巣) ④九条葱の和え物 ⑤白桃の寄せ煮 ⑥海老の甘露煮 ⑦イカナゴの佃煮 ⑧ロケット(ルッコラ)と黒胡麻の和え物 ※写真左下から反時計回り
8.御造里 天然鯛 あしらい色々 ・・・①アオリイカ(卵の黄身のせ) ②天然鯛 ③スズキ ④まぐろ トロ・赤身(もみじ形の水前寺海苔) ※写真左上から反時計回り
9.炊合せ トマト 鴨肉 ・・・新作の冷製炊合せ。トマトを湯剥きして中をくり抜き、鴨のひき肉と玉葱の餡を詰めているようです。上には芽蕪が。酸味と甘味が共存する和風ミートソースをインスパイアさせる、夏らしい逸品かと。
10.天然鰻 蒲焼き ・・・高知県四万十川産の天然鰻。こちらもお品書きにない一品でした。さすがに専門店である池袋『かぶと』には及びませんが…。
11.食事 玉蜀黍豆御飯 香物 味噌汁 ・・・北海道産スイートコーンの炊き込みご飯は、そのトロける甘さと仄かなバターの香りが素朴で新鮮な美味しさですね。香の物は胡瓜糠漬を含む4種類。お替り自由の味噌汁は絶品。これも出汁の味に悶絶しました。残りのご飯はもちろん折に入れて持ち帰れます。
(黒木純シェフのご挨拶<2>、名刺を持って)
12.甘味 葛切り ・・・作り立ての葛切りは歯応えがいいですね。たっぷりの黒蜜と黄な粉が添えられています。更に最近オープンした『廚菓子くろぎ』の、和菓子と水出しコーヒーをいただきました。ろうそくを立ててお持ちいただいたので、皆でハッピーバースデー♪を熱唱(笑)
飲み物は、終始日本酒。次のとおりです。
神亀 純米酒 辛口 (埼玉) 1,700円/1合 ×2
貴 特別純米酒 (山口) 1,200円/1合 ×2
〆張鶴 純 純米吟醸酒 (新潟) 1,300円/1合 ×2
石鎚 吟醸酒 夏吟 槽搾り (徳島)×2 ※メニュー外
酒魂 大吟醸 手取川正宗 (石川県)×4 ※メニュー外
VOSS ノルウェー南部 スーパー・ピュア・ウォーター 純度の高い軟水 900円 ×4
今宵は、黒木さんの目指す ”本物の和食” を堪能させていただきました。
素材の声を聞き、食材に求められたものを献立にする…そんな実直な、時に愚直なまでのこだわりの一端にも触れさせてもらいました。
特に御椀の出汁、味噌汁の出汁、これは私の食べ歩き人生で最高のものとなりました。
まさにこれこそ ”生命の出汁” と呼ぶに相応しいものなのでしょう。
それだけでも、この日『くろぎ』にお邪魔した甲斐があったというものです。
ただ1点、サービスだけはイマイチで残念でした。
ご挨拶やお見送りを受けて、黒木さんの爽やかさ、謙虚さも伝わってきましたし、女将さんや若女将の笑顔や物腰も素晴らしかったと思います。
でも私なんか「一見の客」だから仕方ないのかも知れませんが、担当の若い方は慣れと経験が少ないのは仕方ないとしても、訓練も足りないレベルでしたね。
とにかく「がさつ」で…
皿をガン!と置く。
皿を置く時に、箸とかスプーンとかを箸置きから落としても(もちろんお盆の上の話しですが)そのまま。
ですから4人中2人が左利きだったのですが、当然向きが直るようなことは最後の一品までありませんでした。
私の経験上、一般的に一流と言われる和食店では、二品目にはほぼ確実に向きが直ります。
また、次の日本酒の相談をした時「スタッフに日本酒に詳しい者がいますので…」と言って退室して、いつまで待ってもその方が来ないで ”待ちぼうけ” を喰わされたことと、八寸の器を置く時に「デカイので置きづらい」と言ったのには驚かされました。確かにデカイうちわ型の器で、コップやお猪口をどかさないとお盆に載らないサイズでしたが…(苦笑)
あとデザートとお会計が異常に遅く、随分待たされました。
ずっとスムーズだったのに、最後の最後で押したので、予約していた2軒目に結局3回も電話するハメになりました(笑)
正直言って、そんなことを打ち消して余りある美味しさでしたが、それでも自分の計算式に当てはめた時「サービス」に4.5点以上付けられたら『くろぎ』が今までの1位の点数になったのに…と思うと残念ですね。
自分の中で1位であってほしい、1位であるべきお店だと思いましたから。
お会計も4名で12万円あまり。
食事をしながら、頭の中で「15万ちょいかも。それでコスパ3~3.5点だな。」と試算していたので、少し驚きました。
逆算すると、料理はおそらく2万円(サ・税別)だと思います。
残念ながら、既に年内はいっぱいとのこと。
次回また伺えるようにご連絡をお願いして帰りました。
もう一度お邪魔することができたら、是非また彼に接客してもらい、若い彼の成長を肌で感じて、「サービス」の採点をアップできたら嬉しいですね。
9位
1回
2015/12訪問 2016/06/21
”世界遺産” である ”和食” を自信とプライドを持って世に送り出している日本料理の伝道師
【夜】[料理・味]5.5*40%+[サービス]5.5*15%+[雰囲気]5.0*10%+[CP]3.5*30%+[酒・ドリンク]4.0*5%=4.78(4.8)
※「料理・味」「サービス」を特例で5.5ptで採点しています。ご了承下さい。
■2015.12.1x再訪
年末のご挨拶を兼ねて、行きつけのお店を一軒一軒回るのが年の瀬の恒例行事。
この日は一番仲良しのあのコと『銀座 小十』奥田さんのところへ。
群を抜いて美しい料理の数々。
味はもとより、奥田さんのセンスの良さにいつも感心させられます。
せこ蟹(せいこ蟹・香箱蟹)の盛り付けは、各店個性が出て興味深いですね。
この時期、どこの日本料理に行っても必ずと言っていいほど出てきますが、全然飽きません(笑)
そして外子できれいに蓋をした、奥田さんも出し方もかなり独特です。
また日本料理のコースでは無くてもいいと思う ”肉” ですが、何故かここではなくてはならない主役のひとつだと思います。
魚と肉の炭火焼きを一緒に豪快かつ繊細に長皿に盛りつけられて提供されますが、肉だけを食べ続けなくて良いことも美味しく食べられる秘訣かも知れませんね。
年末のご挨拶をしつつ店を後にしましたが、30日に近くを歩いていたら奥田さんから声を掛けられて暫し立ち話を。
再度ご挨拶をするハプニングもありました(笑)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
■2015.8.1x再訪
なかなか18時2名のカウンター席の予約が取れません。
20時半入れ替えの二部制なので、後ろの時間は割と取れるようですが…。
そんなこんなで3カ月ぶりの訪問。
奥田さんの柔和な眼差しが迎えてくれます。
ここの醍醐味のひとつは盛り付け。
前菜、刺身、焼き物…その日の構成で可能なものは大皿(長皿)に二人前を豪快に盛り付けます。それでいて繊細かつバランス美に長けているんですよね。
この日の〆は土鍋炊き白米とびっくりするほど大きな天然鰻の蒲焼き。
思わずよだれが…笑
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■2015.5.1x再訪
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■2014.12.2x再訪
今年も残り数日。
お節をやるお店は、殆ど先週末で営業終了です。
そんな中、お店探しに苦労しつつ、ラッキーにも『銀座 小十』の予約が取れました。
ちなみに今月2回目。
お料理にも随分ご配慮をいただき、ありがとうございました。
他のカウンター席は全て前回お邪魔した時と同じものを食べていましたから、私達二人のためにかなりの手間だったと思います。
とは言え、連れの女性は違いますが…笑
この日は年末用として、プレミアム日本酒のメニューが別にありました。
四合瓶だけでなく、グラス売りもしていたので、普段なかなか飲めないお酒を色々試せてよかったですね。
年末メニュー中から「黒龍 石田屋」(グラス3,000円)、「黒龍 二左衛門」(グラス3,000円)、「純米大吟醸 磯自慢」(グラス2,500円)を、通常メニューから「飛露喜」(1合1,300円)などをいただきました。
お料理はいつもどおり25,000円(サービス料・消費税別)のおまかせコース一本のみ。
この日の内容は以下のとおりです。
1.聖護院蕪(かぶら)のすり流し 白子と下仁田葱
2.兵庫県産セコ蟹蒸し ※松葉蟹のメス。セイコ蟹、香箱蟹ともいう。
3.ぷりっぷりの帆立貝の真丈のお椀
4.お造り 大間の本鮪 青森の鮃 長崎のアオリイカ 静岡の生海苔
5.焼物 ”静岡そだち”チャンピョン牛 イチボの味噌漬け焼き 甘鯛の炭火焼き 菊芋チップ おから 大根の酢漬け
6.炊き合わせ 蕪の蓋 湯葉 穴子の干瓢巻き 海老芋 ほうれん草 椎茸
7.お食事 鰤ゴボウご飯 油揚げの味噌汁 香の物
8.牛乳ゼリー 江戸柿のムース掛け
日本料理を外で食べるのは今年最後になりますが、その〆に相応しい ”奥田ワールド” を堪能しました。
日本人に生まれて良かった…そんな思いを噛みしめながら、今年の ”食物語” も終わりに近づいています。
それでは皆さん、良いお年をお迎え下さい!
来年も宜しくお願いします。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
長年、日本料理の世界を牽引する奥田透さん。
その旗艦店となるのが、こちら『銀座 小十』です。
ミシュランでも三ツ星の常連のお店ですが、奇しくも私がお邪魔した翌日に発表された「ミシュランガイド2015東京」では二ツ星に減星となってしまい、私的には残念至極の思いでいっぱいです。
奥田さんは徳島の『青柳』他で修業。
その時代の同僚にミシュラン三ツ星の『龍吟』山本征治さんや、『銀座 小十』でも奥田さんの右腕と言われ、その後独立した『東家』坂内晃さんなどがいらっしゃいます。
どちらもお邪魔したことのあるお店。この日は、そんな話でも盛り上がりました(笑)
奥田さんは、その後1999年に29歳で故郷静岡で独立。
お父様の自宅を担保に2,000万円借り入れてのスタートだったそうです。
4年後の2003年7月に銀座で『銀座 小十』を開業し、3年ほど前に今の場所に新規移転して現在に至ります。
場所は銀座5丁目の並木通り沿い。ビルの4階になります。
同ビルには有名な正統派洋食店『南蛮銀圓亭』が7階に入っていますね。
また地下1階には、2011年8月にオープンした奥田さんの苗字を冠した系列店『銀座奥田』もあります。
系列店としては、他にこの11月に店名を新たにリスタートした『すし 晴海』(旧店名『鮨かくとう』)や昨年の9月にオープンしたパリ『OKUDA』など。
まさに世界を股にかけてのご活躍です。
開店1年を経過した今も、奥田さんは月の内1週間ほどはパリに滞在しているそうです。
店主奥田さん曰く、日本料理は世界一、なのに日本人はその誇りと自信がなさるぎる、とも。
日本料理の伝道師として ”世界遺産” である ”和食” を自信とプライドを持って世に送り出している…奥田さんからそんなオーラを感じました。
私などが言うのはおこがましいかも知れませんが…。
そんな奥田さんと私、生まれ年も同じ(当然年齢も干支も)、更には銀座に居を構えたのも一緒の2003年と共通項があります。
住む世界は違えど、そんなところも私が奥田さんに親しみというか、親近感が湧く大きな要因です。
これからも、今までにも増して、ワールドワイドに活躍していただきたいものですね。
前置きが長くなり失礼しました(笑)
エレベータを降りると、右手に暖簾が掛かります。
その先の扉を開けると…いや、開ける前に開けていただきました(笑)
スタッフの方にお迎えを受けて、右手のカウンター席にご案内いただきました。
手入れの行き届いた真っ白な美しいカウンターにゆったりと8席あります。
帰り際にご主人にご案内いただきましたが、入って左側に個室が3室。
真ん中の坪庭を挟んで4人用のテーブル席の個室がふたつ。
こちらは庭側がガラス張りになっていて、とても良い雰囲気ですね。
もう一つは掘り炬燵式の座敷で、6名まで利用できるとのことでした。
お料理は25,000円(サービス料・消費税別途)のおまかせのみ。
時間の方は、基本的に開店時間の18時スタートで20時半までの時間制のようです。
人気店なので、そのあと二回転目のお客さんもかなりいるようですね。
ご主人とご挨拶を交わし、いよいよ料理がスタートです。
当日の内容は次のとおり。
1.鮟肝 中はレアに仕上がった車海老 鳴門のわかめ ジュレがけ
2.蒸しセコ蟹(セイコ蟹・香箱蟹)
外子(卵)で埋め尽くされた美しい提供スタイルです。中には内子とほぐし身がぎっしり。
3.お椀 伊勢海老 舞茸 揚げ蓮根餅
伊勢海老と蓮根をすりおろして揚げた香ばしい蓮根餅が主役のお椀。具材は豊富ですが、見た目も食べても決してごちゃごちゃしておらず、豪華で贅沢なお椀です。個人的には、蓮根の食感がもう少し残っていた方が良かったですね。
4.お造り 北海道○○の鮪(赤身とトロ) 函館の鮃 淡路のアオリイカ 鮟肝少々
ご主人自ら包丁を入れた刺身の数々。鮃と烏賊は塩と酢橘で食べた方が素材の良さが引き立ちます。二人ですと大きな長皿に盛り付けて提供されるので、見た目もテンションが上がりますね。
5.焼き物 宮崎県尾崎さんの尾崎牛サーロイン 鰆の味噌焼き 菊芋チップ おから サイコロ状の大根の酢漬け
パッと見は立派な霜降りですが、想像以上に脂っぽくない、それでいて口溶けの良い上質なサーロイン・ステーキです。接頭語がかなり付いたブランド牛ですから、やはり相当に吟味されてこの牛に辿り着いたのでしょう。魚は鰆(さわら)。冬場は活動が鈍るので漁獲量も減り「寒鰆」と呼ばれて珍重されるようです。詳細は聞きませんでしたが、少し甘めの濃厚な味噌との相性もばっちりで、脂がのって美味しかったですねぇ。個人的には、この日一番の旨さでした。
6.炊き合わせ 穴子の干瓢巻き 湯葉 海老芋 蕪 ちぢみほうれん草
肉魚の焼き物のあと、口の中をリフレッシュさせる意味でもこういった炊き合わせは欠かせません。上品でいて上品すぎない、どこかホッとする一品でした。
7.お食事 甘鯛と炭火で炙った自家製からすみの土鍋炊きご飯 油揚げの味噌汁 香の物
甘鯛の旨みがギュッと凝縮された炊き込みご飯。炭火で炙った自家製のからすみが、味と食感のアクセントになっています。ペロッと平らげてすぐにお替りしましたが、お替りしたご飯にもしっかり甘鯛とからすみが乗っていて嬉しくなります。二人ともお替りしましたが、更にお持ち帰り分が残っていて、連れが思わず笑顔。
8.林檎二種のコンポート 揚げ八ッ橋
9.お抹茶 黒糖
テンポ良く料理が出るので、あっという間の2時間余り。
ご主人との会話も、連れとの会話も、もちろん料理も楽しまなければならないので…その上写真撮影とメモまでですから、ホント大変です(笑)
奥田さんの料理は、決して奇をてらうものではなく、ある意味オーソドックスですが、随所に自分らしさを表現しているように感じられます。
また、素材への頑固なまでのこだわりが、数々の美味しい料理を生んでいるのだと実感できるものでした。
更に言えば ”端正で美しい料理” とでも言うのでしょうか。
恰好良くて、惚れ惚れするほど美しいんですよね、本当に。
日本料理の枠から外れたり、奇抜な器を使ったりする訳でもないのに、どこか新しくもあり、そして一品一品に必ず ”凛” とした美しさを兼ね備えているんですね。
帰りに奥田さん自ら個室3室をご案内いただき、更に一般的には部外者を入れないであろう裏厨房の中にまでお招きいただきました。
カウンターの厨房ではご主人を含め常に2~3人でしたが、裏厨房には8人前後の若い衆がせわしなく手を動かしており、正直びっくりしました。
22席のお店で、こんなに料理人がいるとは…驚きですよね。
ご主人によると、来春には調理学校卒の新人が5~6名入ることも決まっているようです。
それでも半分残ればいい方、と奥田さんは言っていました。
「最近の若い者は我慢ができない…」そんな言葉は、このご時世、どんな有名店でもほぼ共通のようですね。
最後に「みなさん、頑張って下さい!」と勇気を振り絞って声を掛けてみましたが、「ありがとうございます!」の元気のいい声が返って来て、どこかホッとしました(笑)
10位
1回
2016/04訪問 2016/07/22
【夜】[料理・味]5.0*40%+[サービス]3.5*15%+[雰囲気]4.5*10%+[CP]5.0*30%+[酒・ドリンク]3.5*5%=4.65(4.7)
■2016.4.1x再訪
相変わらずの安定感が心地よい『晴山』
ばちこ、サクラマス、稚鮎、山菜、花山椒、鯛子…などなど、この夜も季節感満載、春爛漫の料理が並びます。
オーソドックスですし、奇を衒った(てらった)料理はありませんが、それで勝負できることがある意味素晴らしいことです。
童顔の山本さんですが、きっと芯の強い料理人なんですね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
■2016.2.1x再訪
こちら『晴山』には、昨年の初夏から2カ月に1回は必ずお邪魔して、一年のサイクル(=四季の変化)を肌で感じてみたいと思って通い続けています。
驚きは決して多くはないのですが、基本に忠実で安定した料理内容と15,000円という限られた金額(私が伺う日本料理のコース料金としては安い方です。)の中での納得感が高いお店だと思いますね。平たく言うとコスパがいい、ということですが。
あと1回か2回でサイクルが完成しますので、あらためて写真を見直して日本料理の四季折々を振り返ってみたいですね。。。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
■2015.12.1x再訪
年内最後の『晴山』
今やミシュラン二つ星の常連で食べログも4.3点台を長らくキープしています。
もちろん、私が定期的に通う、大好きなお店のひとつ。
この日一番良かったのは越前蟹の真丈を使ったお椀。
蟹の旨みを知り尽くしているからこその逸品。
形はしっかりしているのに、口解けは絶妙。そしてお椀の中で微妙にくずれた蟹の身が舞っている汁がこれまた絶妙。計算づくなのでしょうね。
また昨年に引き続き二度目の蟹クリームコロッケは、おそらくここでしか味わえない一品でしょう。
高級割烹でコロッケ。。。多少なりとも違和感はありますが、自信がなくては決して出せない料理だと思いますね。
更にデザートがいつも秀逸。
和食好きの私ですが、最後のデザートが楽しみで仕方がないお店はここと『虎白』しかありません。
『虎白』は毎回大きくは変化しませんが、安定して滅茶苦茶美味しいデザートを出してくれます。逆に『晴山』は毎回毎回「今日はなんだろう?」とワクワクするような違った形の新しいデザートを提供してくれます。
帰り際、山本シェフにお見送りを受けながら、手土産まで頂戴してしまいました。
来る2016年も宜しくお願いします。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
■2015.10.1x再訪
初夏、初秋、晩秋と2カ月弱のサイクルで3連続の訪問となります。
毎回お邪魔した時に次の予約をお願いしています。
ちなみに次回は12月。『晴山』山本晴彦シェフの ”冬” に期待が膨らみますね。
このところ続けてお邪魔している最大の要因は「日曜日に営業している」ことです。
日曜日に美味しい日本料理が食べられる幸せ!って素晴らしいことですね。
なんと言っても、一流どころで日曜日にやっている和食店はほとんどないですから。
コースは15,000円で割と基本に忠実なオーソドックスな料理ですが、安心感と割安感は抜群です。
ここ2回は、フカヒレを使った意欲作も見せてくれました。提供の仕方は違いましたが。
7月、8月と連続で食べた鮑素麺(ここでは少し太い稲庭饂飩でしたっけ?)をもう一度食べたかったなぁ…笑
これはホント絶品中の絶品ですよ。
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■2015.8.3x再訪
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■2015.7.x再訪
ある記念日が日曜日に当たったので、再訪したいお店リストの中から迷わず『晴山』をチョイスしました。
もちろん余裕をもって電話をし、予約しましたよ。何と言っても超人気店ですからね。
和食大好き人間の私にとって、日曜営業の日本料理店はホント貴重です(笑)
この日がまだ2回目の訪問でしたが、すっかり気に入りました。
派手さはありませんが、本当に丁寧な仕事をされており、玄人好みのお店かも知れませんね。
コストパフォーマンスも素晴らしいですし。
お店や料理人に対する最高の褒め言葉は「帰りに次の予約を取る」ことだと思っている私は、当然の如く来月末の予約をいただいてお店を後にしました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
三田の慶應キャンパス近くに店を構える日本料理『晴山』
ミシュラン☆☆にして、食べログでも常に4.3点前後の高評価を維持する、私的にはかなり期待のお店です。
すぐ隣のビルには、やはりミシュラン☆付き中華の『御田町 桃の木』があります。
今年のゴールデンウィーク頃でしたか、車を100円パーキングに停めて歩いて『御田町 桃の木』に向かっている時に『晴山』の看板を見つけて、こんなところにあるんだぁ…と思った記憶がありますね。
以来、何度か電話をしてみるものの思った日にちで予約が取れず、なかなか伺えませんでした。
和食は基本2名でカウンター主義ですが、こちらのお店は日曜日も営業しているとのことなので、家族4人での会食にと思い立って余裕を持って予約しました。
家族の予定を確認し、受話器を手に取ります。
1月半ほど先の日程を告げると、一発合格となりました。
コースは10,000円と15,000円のみとのこと。お安いですねぇ~
迷わず15,000円をお願いし、受話器を置きました。
そしてやっと当日を迎えました。
普段は家族と一緒の時は酒を飲まない私ですが、この日は連休の中日だったので、少しくらい飲もうかなぁ…とタクシーで向かいます。
赤坂の我が家からですと、飯倉片町、新一の橋を通過し、三の橋で左折、桜田通りにぶつかるちょっと手前という案内になります。
お店は地下一階。
表に行燈風の看板があり、外階段を下りてゆきます。
エントランスホールが思いの外広く、ちょっとした坪庭も造られていて、なかなか良い雰囲気です。
扉を開けると、何と正面がガラス張りの厨房。
炭火の焼き場で魚が焼かれています。
私達に向け、中から威勢のいい声が掛けられます。
オーナーシェフの山本晴彦さんは、調理学校卒業後、岐阜の名店『たか田八祥』(食べログ4.22点)で十年余り修業してから、三年前31歳の若さで独立されたとのこと。
現在34、5歳のはずですが、童顔なので幾分若く見えますね。
店名『晴山』の由来は、恐らくご自身の漢字イニシャルなのでしょう(笑)
店内は、日本料理店としてはモダンでスタイリッシュな印象。
入口から見て左側にL字カウンターが8席ほど、右の通路の途中に4名用の半個室席、更に左に曲がった奥に4名テーブル席が3卓といった造りになります。
この日は奥のテーブル席に案内されました。
こちらのブースは、全部を使って12名から詰めて14名くらいの個室空間としても使えるとのこと。
知っておくと、何かの時には役に立つかも知れませんね。
ただこのくらいの店の広さや席数になると、いくら日本料理店とは言っても専任のサービススタッフがいた方がいいと思いますね。
店長とか、女将とか…ね。
スタッフ全員が厨房兼務といった格好なので、少し落ち着かないというか、余裕がないというか。
この日は厨房から一番離れたテーブル席だったので、余計そう感じたのかも知れませんけどね。
まずは飲み物。
日本酒メニューの中に店名と同じ『晴山』(島根県 純米酒 一合1,400円)が目に付いたのでスタッフに聞いてみると、もともとある銘柄ではなく、蔵に頼んで作ってもらっているとのことでした。
それはそれで楽しみなので、とりあえず純米酒『晴山』をいただくことに(笑)
料理は先述のとおり@15,000円のおまかせコース。
この日は ”蟹” 中心の豪華な料理でした。
1.香箱蟹・・・香箱蟹は北陸地方で獲れるメスのズワイガニの総称。オスに比べると体が小さいため、味わいが濃厚で旨味がたっぷり。これを丁寧に剥き、身と外子(茶色のつぶつぶ卵)、内子(オレンジ色の味噌の部分)を甲羅に詰め直したものに、甲羅でとった出汁のジェルが掛けられています。紫蘇の花が見た目にも味的にもアクセントとして効いていますね。
2.甘鯛と自家製からすみのお椀・・・自慢の炭火焼きを使ったお椀。焼いた甘鯛があまりに香ばしすぎて、お椀を口元に近づけた瞬間からグッと引き込まれる一品です。甘鯛は香りだけではなく、弾力のある食感もすばらしく美味しいですねぇ~。
3.鮃のお造り・・・鮃の切り身が立体的に5枚積まれています。岩海苔、酢橘、塩、山葵、そして刺し猪口に醤油が添えられます。色々な味、食べ方でいただけるので、これはこれでアリかも知れませんが、5切れが全て鮃である必要もない気がします。そういった意味ではお造りとしては幾分寂しいでしょうか。
4.越前蟹のクリームコロッケ・・・写真を見ていただけば分かりますが、蟹肉が溢れんばかりの蟹クリームコロッケです。普通はクリームの中から蟹を探すのが大変ですが、これはクリームコロッケというより完璧に蟹コロッケです。旨いに決まっています。皿の手前には薄紫色の玉ねぎのソースがフレンチ風に。これと一緒に食べるとコクが増して更に旨い!通常はコロッケの中に入れる玉ねぎを、中には使わずに敢えてソースにするあたりが憎いですねぇ~笑
5.鰆の炭火焼き・・・脂の乗ったサワラ。うっすらと西京味噌の香りがするような、しないような…繊細な味付け。私の舌もアテにならないかも(笑) 添え物はこの時期定番の海老芋と銀杏の素揚げ。ともに大好きな食材です。
6.鱈の白子の揚げ出し・・・白子はもう少しレアな方が美味しいと思います。白子に載ったもみじおろしが溶け込んだピリ辛の出汁は、揚げ物の油がしみ出しているにもかかわらず、さっぱりしていてとても美味しい。完飲です(笑) 丁寧に切り刻まれた極細の葱、この香りと食感もかなり効いています。若い方が一生懸命仕込まれたと思うと、旨さ倍増ですね!
7.越前蟹と芹の土鍋炊きご飯・・・テーブルの脇まで運ばれて来て、土鍋の蓋が開けられる瞬間はいつもテンションMAXです。何が出るかな、何が出るかな♪ 思わず口ずさんでしまうくらい楽しみなんですね(笑) 具材だけでなく、一気に広がる香りも湯気も…好きなんです。この日は越前蟹と芹がたっぷり!一品目が香箱蟹、四品目が越前蟹のクリームコロッケ、そして七品目が越前蟹と芹の土鍋炊きご飯。最初と最後とド真ん中と…計算され配置されたこの日の主役 ”蟹” さんたち。麻雀だと一四七(イースーチー)の三面待ちですね。ほんのり柚子の香りが効いていて、嗚呼、美味しい~
8.林檎のすり流し 苺 柿 蜂蜜のゼリー掛け・・・三種類の果物と三パターンの食材の形状を組み合わせて、美味しいデザートが生まれました。最近のお気に入りの日本料理店は、皆デザートが素晴らしいです。最後のデザートまで力を入れる…ひとつのトレンドなのかも知れませんね。
この日は、正直、二品目までで勝負あった!でした。
もう後は「時の流れに身を任せ」てさえいれば、山本シェフがゴールまで送り届けてくれること請け合い(笑)
初めて伺ったお店で、そんな気分にさせてもらえるのはとても珍しいことです。
お会計は4名で75,000円あまり。
家族4人での外食としては、かなりリーズナブルに収まりました。
一般的な和食店のコースに比べると品数が2品前後少ないのは気に掛かりますが、一品一品のポーションはしっかりとしているので、量的な不満は全くありませんでした。
ただ、これだけの料理を出すのですから、あと一品でも二品でも見てみたい…そんな未練というか名残惜しさはありますけどね(笑)
まだまだお若いご主人なので、これからの活躍に益々期待します。
季節を変えて、またお邪魔したいと思います。
今度は是非カウンター席で。
和食が一番好きな私の ”大好きな日本料理・割烹” ランキングです。
『銀座の夜の物語』を名乗る私としては、銀座エリアのお店が3店舗しかランクインしていないのは少々残念ですが、それだけ幅広く足を運んでいる結果とも言えます。
トップ10の中には今年だけで5回以上訪れたお店が5軒、3回以上訪れたお店が3軒もあり、好きなお店、ご主人とウマが合うお店は定期的にお邪魔しています。
正直なところ、最近は新規開拓に少々お疲れ気味です。
いろいろ回った結果、本当に良いと思うお店を回遊している方が疲れませんし、楽しいですね。
皆さま、本年もお付き合いありがとうございました。