この口コミは、孤高のグルメ☆さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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夜の点数:4.8
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料理・味 -
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|サービス -
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|雰囲気 -
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|CP -
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|酒・ドリンク -
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昼の点数:4.8
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¥50,000~¥59,999 / 1人
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料理・味 4.8
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|サービス 4.7
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|雰囲気 4.8
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|CP 4.0
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|酒・ドリンク 4.8
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[ 料理・味4.8
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| サービス4.7
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| 雰囲気4.8
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| CP4.0
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| 酒・ドリンク4.8 ]
2022/03/24 更新
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[ 料理・味-
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| サービス-
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| 雰囲気-
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| CP-
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| 酒・ドリンク- ]
2021/11/30 更新
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[ 料理・味-
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| サービス-
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| 雰囲気-
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| CP-
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| 酒・ドリンク- ]
2021/10/27 更新
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[ 料理・味4.8
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| サービス4.7
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| 雰囲気4.8
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| CP4.0
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| 酒・ドリンク4.8 ]
なぜこのお店が三つ星を獲り続けるのか?/ 銀座『よしたけ』の取扱説明書/ ワイン好き必食
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2025/05/15 更新
『なぜこのお店だけが食べログの評価低いのにミシュランでは高評価を受け続けるのか?』
複数のフォロワーの方々からこちらのお店のレビューを書いて欲しいと依頼されたためこちらの文章をもって回答致します。
銀座『よしたけ』にあって他のお店には無いものは何か?という質問は他店からも聞かれることがしばしば。
このレベルになりますと、食べる側にも総合的な見識/教養/鋭い味覚嗅覚がないと、単純に握り鮨や他のお料理の味だけの比較ではその違いは見つけられず捉え損ねてしまいます。
銀座『よしたけ』レベルに美味しい握り鮨を出すお店は銀座に沢山あるからです。
そのため、正直こちらの握り鮨だけを食べて『あそこのお鮨が私は1番好き/1番美味しいと思う。』と仰る方の味覚を私はあまり信用しません。その方々は認知バイアス/ハロー効果に侵されていると思うからです。
個人の自由ですから、握り鮨だけを頂くのはもちろん良いのですが、それですと何故こちらのお店がミシュラン三つ星を獲り続けるのか理解できないと思うからです。
こちらの食事を通して深くそのお店の今に至る経緯を体感出来ないと思うからです。
銀座『よしたけ』の真価を体感するには、まだお若いですが、センスあるソムリエに任せて日本酒とワインをmixしたBy the glassでお鮨を頂きましょう。
ミシュランの銀座『よしたけ』に対する高評価は、他のどのお鮨屋よりも真剣に握り鮨×ワインのマリアージュを考えたからだと思います。
それは具体的にどういうことかといいますと、『山葵(わさび)』の前提を疑ったことから始まります。
私はミシュランの鮨『よしたけ』の圧倒的高評価の理由を
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ワインと合わせるために山葵(わさび)レベルから現代鮨を再構築したこと
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だと考えています。
握り鮨には鮫革や最も目の荒いおろし金で擦り下ろした丹波か伊豆の最高級山葵(わさび)という組合せはあまりにも当たり前すぎて多くの人はその前提条件を疑いません。
ただ、銀座『よしたけ』は疑いました。
銀座『よしたけ』だけが疑いました。
そして最新技術を駆使してとてもつなくCreamyな舌触りで刺激や辛み成分が控えめで余韻の短い山葵を擦り上げることに成功しました。
それはそもそも山葵×ワインというのは根本的に味覚成分的に相性が良くなく、加えて欧米人はハッカ飴ですら辛くて舐めれないほど、刺激的な辛みに苦手だからです。
酢に代表するような「酢酸成分」は大好きなんですけどね。酢は大丈夫でも山葵などの辛味は全く駄目。この辺はアジア人の眼には奇異に映るかと思います。ただ、世界中でアルコールを飲まない人達が増えてきて、本来でしたらお酢が大好きな日本人も酢の摂取量が毎年確実に落ちてきている中で、現代の日本人とヨーロッパ人の味覚や好みが年々近くなってきている点は興味深いです。現代の日本人の鮨の好みは回転寿司などにいけばよく理解できるでしょう。
さて、話を戻します。
山葵(わさび)はとてもきれいな水を好むので、古来より江戸前の握り鮨は伊豆や丹波の7-20年以上の最高級の山葵を鮫皮か特級クラスの造り手によるおろし金で極限まで細かく擦り下ろすのが理想とされていましたが、令和ではさらにその先をいきます。
鮫皮の何倍何十倍も目の細かい機材を使うことにより、とてつもなくCreamyでワインを邪魔しない山葵を擦り下ろすことに成功しているからです。何も分子料理の専売特許ではないわけです。これこそが料理界における科学の進歩/技術でしょう。
最初は山葵に何かを混ぜてこのようにしているのかと思いましたがさにあらず、ただ擦り方を変えているだけ。
その素晴らしくCreamyな山葵がある上に、こちらのソムリエはまだ若いながら、ワインだけでなく、料理という側面での味覚も鍛えてきているため、予算を伝えて8,000-15,000円/人で各握り鮨毎にその日の最善のワインを及第点以上のレベルで合わせてくれます。
こちらの「山葵(わさび)」の偉大さを語らずして、銀座『よしたけ』の素晴らしさは語れません。
握り鮨と合うお酒となるとどうしても原材料が『お米』である日本酒となりがちで、15年程前から今の日本酒ブームにある種最大貢献したといえる一ノ倉酒造「すず音」に始まった瓶内二次発酵の微発泡炭酸の日本酒もあるくらいなので、こちらがただ合うだけでなく、ビシッとマリアージュしたときというのはそれはそれで最高に素晴らしいのですが、そこからさらに世界の美食家達をターゲットにした場合、今や世界の共通言語となっているワインの前を素通りできないわけです。
銀座『よしたけ』は、特にワインとのマリアージュをどこのお店よりも真剣に考えた点がミシュラン三つ星として、評価されているのだと思います。
ソムリエが開けた日本酒を含めた世界中のワインを鮨に合うBestな状態でServeしてきます。これはどこの世界でも共通ですが、こういう場合素人が通ぶってワインを指定するのは野暮なこと。初めて伺うフレンチレストランでしたらデュギュスタシオンが良いように、どの世界でも本物のプロがいればそのプロに任せるのが1番なのです。
もちろん、この任すという行為は、そのソムリエが確固たる実力と倫理観を兼ね備えたプロであることが大前提です。
ワインと握り鮨のマリアージュを目指す場合、大前提としていわゆる超高級ワインとのマリアージュは省きます。グッドコンディションの超高級ワインはそのワイン単体で何時間も愉しめるほど時間と共に変化し、口の中で留まる余韻が長いからです。
偉大なワインは良い意味で余韻が長過ぎて、次のお皿に切り替えて移れません。
もしそんなことを嬉しげにしている人を見かけたら優しく微笑んでスルーして差し上げましょう。
その方はただそのお店において、他に自分の存在の差別化を図れる場所がなく、お金の使い方に困っていて嗅覚や感性があまり鋭くないだけだからです。
自分の眼の前のお料理とワインの両方を同時に損なっていることに気付いていないからです。
料理におけるマリアージュとは、それが和食であろうとフレンチであろうと、コース料理である限りにおいては、Serveされたお料理ごとに花火のように口の中でパッと打ち上がる程度の盛り上がりと余韻で充分なのです。
何故?
あくまでメインは眼の前のお料理だからです。
ただ、口の中で握り鮨を邪魔せず、スパッと断ち切るだけで、山梨や長野あたりのワインを合わせるのはこれまた退屈で芸がありません。
その程度でしたら日本酒で充分だからです。
やはりミシュランのスタッフ達のホームグラウンドのワイン(フランス/ドイツ/スペイン/イタリア)を合わせてこそ、彼も納得するわけです。
余談ですが、日本酒は"Rice wine"といいます。
私はポイント×2で口の中を新鮮な状態にするためにお水を頼むのですが、さりげなくバカラのローハン種「クヴィユ(樽型)」タンブラー に入って出てくるのもとても気に入ってます。先日伺った京料理の良店である日本橋『OIKAWA』もそうなんですよね。「アシッドエッチング」で繊細に描かれたつる模様が、お水で口を潤すたびに指先を優しく官能的に刺激してくれます。アシッドエッチングのグラスには「無炭酸の水」がよく似合うと思います。
うっすらと汗ばむ季節にキリッと爽やかながらしっかりと舌の上に旨味が乗るまるで極上のブランドブラン(シャルドネ100%で造られるシャンパーニュ)を彷彿させるような新政の微発泡日本酒(with シャンパングラス)と真蛸の3種やマコガレイの刺身の味の輪郭を際立たせる組合せから始まり、これ以上ないというレベルまで柔らかく蒸し煮した鮑を肝とバターを使わずに乳化させてまるでフレンチのソースのような風味で頂くのは、北イタリアかスペインの古代の製法/地面に埋めた甕(かめ)でそのままノンフィルターに発酵醸造して作られた濁り酒のようなコクと酸を持ち合わせた白ワイン。
鮑の風味を見事に和の枠をギリギリ逸脱することなく増幅し残りのソースはリゾットのようにして頂き、あえてほとんど熟成させない鮪(まぐろ)はスペインのシェリー酒を彷彿させるような赤ワイン、、、この日だからこそ成立した再現不可能な組み合わせを滔々と申し上げるのは野暮なのでこの辺にしますが、いずれにせよこれらのマリアージュはワインLover達を唸らせます。
仕事において何か新規ビジネスを立ち上げたり現状打破しようとする際に『前提条件を疑う』というアプローチがあります。
こちらのお店は、『山葵(わさび)』から現代の握り鮨の常識を疑ったんですね。そして自分達が目指す世界的な鮨屋になるための「食べ手側(欧米人)」の味覚や思考を徹底的に追及しました。
そして辿り着いたこのスタイル。
その結果のミシュラン三ツ星なわけです。
お酒が飲める方が六本木『さいとう』に行こうと頑張るなら、こちらの握り鮨を昼から夜からBy the glassで堪能するほうが遥かに人生が豊かになると思います。
美味しい日本酒と合わせてくる美味しいお鮨屋はまた他にも沢山ありますが、そしてそもそも握り鮨をワインと合わせることの是非はさておき、このレベルの握り鮨をワインととなると一気に3-4店舗に減ってしまうのが現実です。
ある人は会食やデートのために、ある人は安心を、有る人は虚栄心を満たすために、ある人は刺激をもらいにいくのが世界レベルの飲食店の存在意義ですが、そういった観点で見た場合に、By the glassで頂く鮨『よしたけ』の握り鮨は味覚や感性の鋭い食べ手に特別な時間を提供してくれると思います。
”自分の仕事の前提条件を疑う”
常人にはまず出来ることではありませんが、それを体現しているお店や人に出逢ったらそれはとてつもなく幸運なことです。
銀座『よしたけ』の素晴らしさを讃えると同時に、どちらのお店が良いかどうかということではなく、食べ手に一切媚びることなくミシュラン三ツ星を獲り続けてきた鮨『すきやばし次郎』にも改めて頭が下がります。
ワインが好きで新たな刺激やアイデアを外部に求めている人に、もしくはワインが好きな方との会食やデートに。
※アルコールが苦手な方でも、ほんの数滴口に含むもしくは握り鮨に垂らす(もしくはその逆)だけでマリアージュは体感できます(2024年以降、私が絶賛したソムリエは移動してます)。
※私のレビュー以前に銀座『よしたけ』のワサビに関してはどなたも言及しませんでした。
※ランチのキャンセル枠が狙い目です。
※1998年7月8日に開発された微発泡日本酒である一ノ倉酒造『すず音』の日本酒業界への貢献度は、銀座『よしたけ』とは関係ありませんが、多くの方に知って頂きたいです。
※この日の前菜の蛸はあと2段階柔らかく煮付けるのが正解でした。
※同じミシュラン三つ星の銀座『次郎』の握り鮨も大好きですが、六本木『さいとう』は没個性で優等生過ぎて、『次郎』で埋められない空白は『よしたけ』が埋めてくれるので、私にはあえて予約してまで行くほどのないお店と位置付けています。
※こちらから2019年に独立されたお弟子さんが銀座『むらやま』の御主人です。
※上述した山葵のステンレスおろし金詳細知りたい方はLINEください。