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木山丸太町(京都市営)、烏丸御池、京都市役所前/日本料理
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夜の点数:4.7
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¥20,000~¥29,999 / 1人
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料理・味 4.9
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|サービス 4.5
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|雰囲気 5.0
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|CP 4.5
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|酒・ドリンク 3.8
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[ 料理・味4.9
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| サービス4.5
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| 雰囲気5.0
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| CP4.5
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| 酒・ドリンク3.8 ]
なぜ木山がミシュラン2つ星ではないのか?/ 調律師
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2023/09/25 更新
京都『木山』は京都御所の南にある絹屋町にあります。
「和」のモードで京都に宿泊する際は同じく京都の俵屋旅館を拠点にすることが多いです。
ジョブズですら畏敬の念を抱く侠気の塊である例の大女将がいらっしゃるあの京都『俵屋旅館』です。
お店はマンションの1階にありまして、控えめな門構えからちょっとした日本庭園を思わす小さなお庭を通り。店内へ
入る前に右手に眼をやると木材が欅(けやき)か何かの美しい玉杢目(たまもくめ)の板上に白字で木山の文字。
店内に入るとカウンター席までの廊下の両側が名栗/なぐりの木でびっしりと埋め尽くされています。最近ではこの名栗加工ばかりに眼がいきますが、本来は釿(ちょうな)という専門道具で、文字通り栗の木に施していた加工です。
うーん、俵屋旅館でだいぶ鍛えられたとはいえ、薄暗くてよくみえない。でも本当の栗の木っぽいな。すごいなー!
とそんなところで立ち止まるわけにもいかず、奥のカウンター席へ案内されます。
薄暗い通路を抜けるとパッと明るくなり、中には贅沢に白木を誂らった/あつらったカウンター。
はー、これくらいのサイズの日本料理屋の空間好きなんだよなー。
げっ、この丸膳、神代杉じゃん?
げっ、この超かわいいガラス製のコップ、ラリック/Laliqueのアンティークじゃん?
合うなー、和の空間にラリック/Laliqueの食器。
バカラ/Baccaratのアンティーク物だとちょっと堅い雰囲気になっちゃうもんね。あ、奥にはバカラ/Baccaratのもある。男性和食料理人ってバカラ/Baccarat止まりの方多いんだけど、ちゃんとラリック/Laliqueまでカバー/Coverされてるだなんて、センス極上だね。
しかも全部がさりげない。
(気付かない方/興味ない来店者の方々は皆さん全くの素通りですが、本物グルメンなら器に関しては最低限知っておいたほうがいいですよ、結局繋がってますから(๑˃̵ᴗ˂̵))
お店で使用される近くの井戸水の白湯をまずはいっぱい。
ふぅ、胃が開くなー。
この水質で今日のお料理が頂けるということですか。
京都は実は土地の構造上はヴェネツィア/Veniceと同じく水上都市なんで、地下には美味しい軟水脈が沢山あります。
すみません、最初だけビールください!
あ、アサヒとプレミアムモルツですか?
じゃー、(ちょっと蒸し暑いので本当はサッポロがいいけど)アサヒでお願いします。
トゥクトゥクしゅわ~からのゴキュり。
あ~、アンティークのラリック/Laliqueグラスで飲むビール最高だ。
哲学者/研究者のような風貌のご主人(木山氏)が挨拶くださり、スタッフの方が眼の前で3種類の節を擦ってくださいます。ただのパフォーマンスと感じさせないところがこちらのお店の特別なところ。
スタッフの方々も皆さんお若いですが、堅過ぎず、砕け過ぎず、自然体できびきびと自分の役割をこなしています。Topが素晴らしい証拠です。
・粗節(燻製にしてない一年もの)
・本枯れ節(2年熟成でカビ付してるので旨味が強い)
・まぐろ節の血合い抜き(キハダマグロ/関東では“めじ節”関西では“しび節”)
粗節はフレッシュで華やかなかつお節の香りを、本枯れ節は2年前後熟成させるのでさらに鰹/かつおの旨味が濃厚に、まぐろ節はまぐろでは決して演出できない強くて濃い旨味があるからです。
ほんの20年前まではまぐろ節は京料理では使わなかったんですけどね。
美味しいモノを沢山食べている現代人の味覚に沿うように出汁にも上品な中にも力強さを演出したいと京都『瓢亭』の先代ご主人や和久傳などの京料理人達が当時の自分達より上の人達や常連と戦いに戦って総スカンされそれでも戦って獲得したのがこの京料理の出汁です。そんな彼等も既に先代、、、なんてTime flies/光陰矢のごとしなんでしょう。
最初に椀物というのは
「当店ではこの出汁でお料理つくらせて頂きます。」
という自己紹介。
それをさらにもう一段突き詰めると「水」から味わってもらうことになるわけで、とはいえそんなこと余程の実力がないと相手を興醒めさせてしまうとても危険な演出なわけで。
そんなことを考えながら同伴者との会話を楽しみつつ、近くの井戸から汲み上げた白湯を頂きお料理です。
あ、ワインもあるのか、ま、いいや、お任せするので今日のお料理に合う日本酒ください!
<白ミルガイとスナップエンドウの煮蒸し>
白ミルガイとスナップエンドウの中身とお米を蒸しor炊いたものです。白ミルガイ低温調理のような温度で火傷させず委縮させず、昆布出汁の中をくぐらせるように調理されているのでしょうか?やわらかくジューシーで、それらを全部お米が吸って、貝の匂いに敏感な僕でも美味しく頂けます。スナップエンドウはちゃんと別調理で色鮮やかさを保ったまま、パリボリ美味しいです。
<大原の筍と白木くらげ炊きモノ>
はー、美味しい白い筍。白い筍は虎ノ門『京味』の今は亡き西さんもお弟子さんに新幹線で京都まで取りにいかせてたなー。
筍だけは確かに抜群の鮮度×白たけのこに勝るモノはないだろうな。分厚くカットされているのに、歯でスッと通り、その断面からは香りとお出汁の香りがふわっと溢れて、隣には同じく大原の白いきくらげ。山のモノと山のモノを海のモノであるお出汁で見事に演出。乳白色(たけのこ)や透き通った乳白色(白きくらげ)の食材を盛っただけなのですが、器が素敵なのでちゃんと成立しています。もちろん、筍ときくらげが別炊きなのはいうまでもありません。美味しいです。
<毛蟹にすっぽんの煮凝り>
本当にこのすっぽんの煮凝りのとろけ具合というのはなんと官能的なのでしょうか?
ぬっちりぷつんと箸で切って口の中に入れた刹那にやわらかくゆっくり舌全体をすっぽんの旨味が包んでいきます。
ん?ちょっと生姜が勝ち過ぎているかな?と思いましたが、その下に敷かれている湯引きした浅葱/あさつきと毛蟹の身を混ぜたモノとちゃんと混ぜて頂くと完璧なお味に。
ふひゃ~、美味しいな~。
日本酒別のください!
<先程の3種類の節のお出汁をお猪口で>
うん、それぞれ見事に個性が合って、この演出は海外の方にも喜ばれるでしょうね、胃が開いて美味しいです。
こうやって単体で味わわせてからの?
<花鯛の椀物>
一番下にはウドを敷き、花鯛の焼き物でその上には三つ葉。
(丸ごと昆布で茹でて添える直前に切る)最後に少しゆず 梅の花を模した螺鈿細工が朱色のお椀に可愛い
料理されない方は全くイメージされないでしょうが、このウドも丸ごと昆布出汁で茹でて、お椀に添える直前に切って添えてあります。椀を頂いていると底からわずかな柚皮が。そう、柚皮アピールし過ぎなお店も、というかそれを喜ぶ食べ手が多過ぎるんですよ、今の世の中は。
柚子香が立ち過ぎないようにサイズで調整しているのかいったん水で洗って調整しているのか?いずれにせよ、日本料理の最上級教科書のような柚皮の使い方。
これなら柚子に飽きた僕も満喫です。
ふひゅ~、おいひ~。
それにしてもこの螺鈿の施された漆器のお椀、かわいいな~。
<お刺身>
さっきから気になってたんだよな、まな板の上。
これは甘鯛でしょ、こっちはなんだっけ、あの白い豚ヒレみたいな大きさあの身質、、、僕の大好物、そう、「クエ/九絵」!
ということで甘鯛とクエ/九絵のお刺身です。
この厚み!?
塩やわさび醤油、青海苔の入った醤油餡でえいやとパクリ。
たかがお刺身されどお刺身、お味×厚み×歯応えがぴったりです。
美味しいな〜。
お刺身が盛られている海老が描かれたお皿もいいなー。
クエ/九絵が海老などの甲殻類が大好きだからこれにしたとしたらすごいな、たぶんさすがにそれは深読みか(笑)。
う〜ん、それにしても、それにしてもです。
甘鯛もクエ/九絵も今まで随分美味しいの頂いてきてるけど、なんか旨味や甘味が良い感じに濃いな。
熟成香は、してない。
口の中の日本酒のせいかな?
お水で口を洗ってもう一度、パクリともぐもぐ。
うん、やっぱり良い意味で味わいがしっかりしてる。
僕「すみません、このお刺身はただのといっては失礼ですが、普通に切ったものでしょうか?なんか違う気がしまして。」
木山氏「あ、甘鯛は直前に煎り酒にさっとくぐらせてます。クエ/九絵は油の中に通してゆっくり加熱して、その油をしっかり拭き取って、最後に表面を焦がさないように炙ってからお出ししてます。」
僕「あー、やっぱり!甘鯛のほうは元々脂がしっかり乗っているから煎り酒通しで、クエ/九絵のほうは油通しなのは少しのコク出しと表面をしっとりさせたいからですか?」
木山氏「そうです×2」
僕「ありがとうございます、とても美味しいです♬」
ほら、これですよ。
外側の色が変わった部分は削ぎ落としてあるのでぱっと見気付かないんですけどね。
超一流の日本料理人はこれなんですよ、まったく(ノ_<)
気づいたらカウンターの他の来店者達が話をやめて我々のやり取りに聞き耳を立てているような?
と、そんなことはよくあることなんでいいんですが、それにしても、はー、しかしなるほど、結果最高のお刺身となって僕の眼前にあるわけで、お見事です。
〈スミイカ/ハリイカ〉
適切に低温加熱したスミイカとハリイカを生姜醤油で、でなくて、スライスした黄金色の唐墨を添えて、上からサッと油分を含んだ琥珀色のタレがかかっています。胡麻油は胡麻の香り控えめな白い最高級品にこれは魚醤?いしり(イカの魚醤とか)みたいなやつですか?あ、鮎/あゆの魚醤ですか、そうだ鮎醤の旨味を忘れてた、ここは関西ここは京都。胡麻油はこの量から推察するに胡麻の香りというかまとわせるために使っている感じ。
唐墨/カラスミも手作りか。
えー、毎年70-100kgですか?
すげー。
僕が好きな日本料理やお鮨屋は皆さん毎年唐墨/カラスミをご自分で作られてるなー、いくら良いボラの卵を買っても結局血抜きがめちゃくちゃ面倒なのに、、、。
ぶるんぷるんの熱いではなく温かいイカ達にこの鮎醤のタレだけでも最高に美味しいのですが、そこにこの口の中に微塵の生臭さもない唐墨/カラスミの味と旨味が加わって、この魚介類の相乗効果の旨味がぐわぁ〜。
次回からはどんぶりでください。
そうだよねー、生姜醤油も最高に美味しいですが、それじゃー居酒屋止まりの味構成、日本料理の一品にはならない。
絶対家でやろ。
次の日本酒、純米酒でお願いしゃっす( ´ ▽ ` )ノ
〈焼き物〉
金目鯛の木の芽焼き
おー、王道の焼き物。
良かった、このランクのお店で「のどぐろ」が出てこなくてホッとします。
お刺身で一口ふた口ならともかく、一流店でのどぐろの焼き物をありがたがる程おおらかな感性/味覚はしてないっす。
金目鯛の端を一口。
わー、これ金目鯛ですか、脂乗ってるなー。さすが金目鯛目金目鯛科の季節問わない深海魚。
パクもぐ×2、でもなんだろう、最初一口頂いたときはすごく油のって少し今までのコースから逸脱するくらい旨味強めしっかり気味だったのに、パクもぐ、今は口の中でナチュラルにバランス良くすごく美味しい。
色に例えるなら最初はずっとペールトーン/パステルカラーな味わいだったところに急にダスティー/スモーキーカラーが紛れ込んできたような違和感を一瞬感じたんだけどなー。
様々な和食屋で神扱いされているノドグロの焼き物でいつも感じるアレ。
せっかくの今までの流れや口の中での旨味の繊細な積み重ねが一瞬にして分断されてしまうアレ。
横にはうるい/はまぼうふう/セリの白和え。見た目にも緑のグラデーションあり、白和えが口の中を優しく中和してくれます。
で、パクもぐ、うーん、なんでこの脂の乗りでこんなに口の中でのバランスが良いんだろう?
美味しいからいいんだけど、妙に気になるなー?
ん、なんだこれ?
金目鯛の表面にうっすら白い泡状のモノがある。
これ、金目鯛から滲み出たモノじゃないよね?
ちょっとそこだけ舐めてみると、うっすら酸味がある!?
他の部位のそれを味わってもまた同じ!
あーっ、これだっ!!!
僕「御主人、この金目鯛何か塗られてますよね?これなんですか?酢のムースみたいなの。」
木山氏「あ、それはですね、酢に卵白と出汁を和えたモノで、焼いてる途中から塗って少しに酢を飛ばしてるんです。」
僕「やっぱり。これってあれですか、金目鯛の脂が強いからそれを中和するために的な?」
木山氏「そうです×2、ちょっとこの時期の今日の金目鯛の脂のノリが凄かったので(笑)」
僕の味覚嗅覚の理解者がここにもまた1人、、、(泣)
ねー、超一流店は一時が万事これですよ、皆様。
良い食材を仕入れるのは大枚はたけば誰でもできます。
ま、大枚はたくのもそれもある意味力ですけど、で、良い食材をそのまま味を損なわずに提供するのもそれもまたある程度の実力×素直さ/誠実さ/最低限のセンスみたいなのがあればできます。
でもですよ?
相手は生物、人間だって色々な人いますでしょう?
魚だってお肉だって野菜だって皆んな生き物、そのとき×2で千差万別食べてみないと分からないことが沢山あるわけです。
じゃー、どうするか?
作り手がその日その日で調整するしかないでしょう。
それが、それこそが超一流の料理人の腕の見せ所でしょう。
この「調整力」とでもいいましょうか、自分が提供したい味という名のイメージにいつでもどんな食材でも限りなくそこに近づけていけるこの能力、これだけは超一流の料理人以外無理です。
最近はスープレベルなら色々可視化できるようになってきてますけど、ここでいう超一流というのはフレンチでしょうがイタリアンでしょうが、ラーメン屋でしょうがジャンル関係ないです。
いるところにはいる、そういうレベルの料理人。
そんな中で僕は特に日本料理でそのレベルの料理人をとても尊敬してます。
なぜなら、食材や味付けが他ジャンルに比べて特に繊細な中でその調整をやってらっしゃるから。
誤解を恐れずに申し上げるなら、他のジャンルが1センチ単位3-5ミリ単位での調整なのに対して、日本料理はさらに細かい単位での調整を強いられる中でそれをやりきるからです。0.2-0.1ミリ単位といったレベル。
そして何よりも、そこまで調整しても食べ手にはまず気づかれることはほとんどない中で、いつ気づかれるかもしれない来店者のために、もしくは自分が思い描くイメージに近づけるために、もしくは食材や生産者に対して敬意を表するためにそれをやってらっしゃるからです。
もちろん人気店の日本料理人の中でもそのレベルの方なんてそういらっしゃいません。
私見ですが、まーいらっしゃらないですね、そんなレベルの料理人は。
先程の金目鯛だってそうです。
脂が乗ってて美味しいですよ!なノリか隣にカボスや大根おろし添えたりしてせいぜいそれで終わりがほとんどの中、卵白に酢を混ぜて、焼きで酸味を少し飛ばしてそのときの金目鯛の口の中で感じる味を自分の最高のイメージに調整させていらっしゃるわけです。
はーっ、すごいっ!
これは色々な魚に色々なパターンで相当応用効きますよね。
はーっ、すごいっ!!
〈たいらぎ貝と新わかめの酢和え 片栗の花を添えて〉
ここで小休止。新鮮なたいらぎ貝を、それでも万全を期して何かの出汁などの中をサッとくぐらせてらっしゃるのかな?貝に敏感な僕の嗅覚にも微塵の生臭みも感じさせず甘味だけを抽出。肉厚な春わかめも美味しいです。
クニュしゃく、くにゅシャク、ごっくん、お任せ純米酒をぐびりでぶはぁ〜。
〈桜鱒の揚げ物 胡桃ペーストと揚げたわかめを添えて〉
おお、締めにかけて一気に流れが迫り上がってきました。
綺麗な綿実油でカラリオ揚げられたカリッからのホワホワ桜鯛。
〈牛スネ肉の煮込み〉
4cm四方の四角いスネ肉がゴロッとね、なんだかワインも飲みたくなってきました。くっ、今回は半分仕事なんで我慢!
〈締め〉
締めは4種類から選べます。召し上がれるなら全部も可能。サイズはSMLサイズ。
・貝出汁ラーメン
・カツオ丼
・真鯛の白子丼
・桜海老の天丼
ここであらゆる来店者のあらゆる味と量のニーズを完全に満たそうというわけです。
僕は全部オーダー、サイズはSで。
全て一定水準以上に美味しいです。
もー、お腹いっぱい無理です。
〈デザート〉
デザートは2種。
一種目は蕗/ふきと蕗のとう/ふきのとうのシャーベット
ですよねー、蕗と蕗のとうは別物ですもんね。蕗と蕗のとうがそれぞれ灰汁/あくをしっかり取り除いて、スジなどと丁寧に取り除いて甘く炊かれて、それから何度も凍らせては混ぜて凍らせては混ぜてを繰り返して丁寧になめらかにされて、液体窒素などは使わず手作業だけで見事に伝統的且つ現代的な逸品に。
まー、はっきりいってめちゃくちゃ美味しいです。
2種目はメレンゲで包んだ冷たい梅餡の和菓子でお茶をたてて頂き完食。
椀物もちゃんとお出汁を変えて、飽きさせないように、1つ1つが印象残るように。
1981年生まれですかー、京都『和久傳』で15年修行されて独立、それでこの完成度とは恐ろしい、本当に恐ろしい。
別に料理を舐めてるとかそういうことではなくて、余裕ですもんね、余裕。
そして自分の過去と料理への圧倒的な自信。
それらが素晴らしい杢材達に中和され、静かにナチュラルに滲み出てます。
まだ全然余力あるこの感じでミシュラン1つ星。
ではここで冒頭タイトルを振り返ります。
> なぜ木山がミシュラン2つ星ではないのか?
それは、ミシュラン審査員達がこのお店が如何にすごいことを色々されているかに気付けないからでしょう。わざわざ自分達がやっていることを総て言葉にして説明もしませんし、大袈裟な動きでアピール/appealもしません。そんなこと「野暮」だからです。まずは来店者達がくつろげて愉しんでもらえればそれが大切それで充分だと思ってあるからです。
個人的には京都『木山』は既にミシュラン2つ星レベルです。
木山氏はまるで世界中の一流演奏者達が必ず自分のコンサートにきてもらう超一流のピアノ調律師のよう。ピアノなどの音を一音一音鳴らして音を確かめて本来の音に調整するあの調律師です。コンサートなどに使われるグランドピアノは全体で20トン近い張力が常にかかっているのですぐに狂いが生じますが、そんな生き物のような打楽器を本来の音に戻すのが調律師。
あらゆる食材を「日本料理」という枠からははみ出さずに、手間は惜しまず、でも最小限の動きで自分のイメージしたコースの味に合わせてくるその高次元のセンスや調整能力はそんなことを彼のお料理を頂いている僕に感じさせます。
僕は京都『木山』は今のままで充分なのですが、もし伸びしろ/課題があるとしたらお酒でしょうか?日本酒やワインといったお酒を特段決めておらず毎回異なります。その時×2に酒屋さんがお勧めの日本酒をお料理に合うタイミングで提供下さってます。
かつお節などもそうですが、お酒も信頼できる取引先に任せているわけです。特に日本酒は懐深い飲み物ですから充分それでも合うわけです。
でもそれも今はまだ今後のために「あえて」そこまで踏み込んでいないだけって感じです。人生は長いので、まだ完成までの過程を奥様やお店のスタッフ達とゆっくり愉しんでいる、そんな感じ。
ミシュラン三つ星までの道が鮮明に見える×2。
和食好きが京料理を堪たいときに季節ごとに必ず寄りたいお店の1つです。
はぁー、恐ろしい。
内装/お料理/接客はほぼ満点レベルであとはお酒を3.8ptとしてこの総合評価です。
ほんと和食は京都で頂くに限る、こういっては申し訳ないですが、東京はちょっと同じ和食のミシュラン店でも京都のミシュラン店と比較しますと星が1-2個下になります。それで満足する富裕層達が沢山いるから良いのですが、豪華な食材や雰囲気に頼り過ぎ、高過ぎ、おおざっぱ過ぎなお店が多過ぎです。
東京住まいのグルメン達が例え京都日帰りでも来る価値あるのが京都の極上日本料理店。
器好きな僕は両メーカーの様々なグラスをそのときの気分に変えて普段使用してますが、皆様も日々使うグラス/glassをまずは現行モノでも良いので最高ランクのバカラ/baccaraやラリック/Laliqueにされることお勧めします。
使うたびに触覚や視覚から感じる幸せはグルメンには代え難いからです。
お一人様はもろろんのこと、デートや友人知人とにお勧めです。
※事前予約必須です。
※個室もあります。
※ランチでも夜メニュー頂けるのでそれもお勧めです。
※夜は1回転の一斉スタートです。
※2022年7月からランチ14,520円ディナー30,250円/人です。
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