『上海のレストランの紹介です(本格中華編その一)』グアルデリコさんの日記

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グアルデリコのレストランガイド

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昨年に続き、日本在住の知り合いの上海人の案内で、上海と杭州を旅行してきました。上海で利用した以下の2つの店の紹介をしたいと思います。

他の外国料理の事例に漏れず、日本人が美味しいと思う味と現地人が美味しいと思う味は、重なっている場合とそうでない場合があり、食文化の奥深さを今回も実感しました。

食べログ風に総合評価も付けましたので、機会があればご参考にしてください。

なお、本格中華の店では、結構高級料理も頼んでるにもかかわらず、どれも日本円換算で、1人2,000円以内と激安です。

【梅龍鎮酒家】★★★
上海市、南京西路にある梅龍鎮伊勢丹が入居する「梅龍鎮広場」内のレストラン。昨年に続き、二度目の利用。旅行ガイドに載っていないこともあり、伊勢丹入居の商業ビル内にもかかわらず、2回とも日本人は見かけませんでした。

なお、同広場の向かいに旅行ガイドにも掲載されている四川料理店「梅龍鎮酒家」があります。知り合いによれば、同じお店ですが上海では伊勢丹入居ビル内のお店の方が評判が良いとのこと。そして四川料理よりも上海料理のメニューがお奨めとのことです。

一般に上海料理は、マイルドな味が多く、かといって日本人があまり体験しない独特の味の料理もあるので、あまり日本人向きではないかなと思います(もちろん個人的感想です)。日本の上海料理とはだいぶ違うのではと思います。

⇒上海の人気店でも、現地の味のまま日本で出店したらきっと厳しいと思います。

以下主な料理の紹介です。

○蟹粉豆腐(蟹味噌ソースの豆腐煮)
上海料理の人気メニュー。蟹味噌の旨みがアクセントになった料理。豆腐は日本の絹ごし豆腐のような滑らかさ。上海料理は、にんにく等の香りが強いものを避ける傾向にあるようで、ちょっとあっさり目で物足りない感じですが、上海人にはこのくらいのマイルドさが良いようです。

○松鼠魚(揚げ川魚のあんかけ)
私は四川料理の揚げ魚のあんかけが好きですが、こちらは上海風でとってもマイルドな味。若干魚の臭みは残っていますが、松の実やカットされた根菜系の野菜を取り入れたケチャップがベースのソースで仕上げられており、お魚のお肉は白身であっさり味。生簀の魚をすぐに絞めて、高温の油で揚げているようです。

店内は、清潔感あふれ、非常に上品なお店です。

【金桂皇朝】★★★★
上海市内、久光百貨店内の広東料理レストラン。

この店、なんとロンドンが本拠地の「ロイヤルチャイナグループ」が中国に初出店(逆輸入?)した店。上海のほか、シンガポールのラッフルズホテル内にも出店しており、まさにグローバル中華レストラン。

私が今回訪問した中ではナンバーワンのお店でした。昼間の飲茶タイムに伺ったのですが、12時半には席を待つ行列ができており、地元でも人気のようですが、このままの味で日本で出店しても繁盛するのではと思います。

サービスも日本のレストランと遜色なく、満足のいくものでした。上海旅行・在住の日本人にお奨めのレストランです。

○飲茶
日本でもおなじみの海老餃子やシュウマイなどをオーダー。特に海老はプリプリで日本人も唸る飲茶です。

○化皮乳猪(子豚の丸焼き)
広東料理の人気メニュー。日本ではとっても高いので、中国に来たら是非食べたかった料理。

子豚の丸焼きといっても、そのまま出てくるわけではありません。北京ダックと同じように、皮とその内側の薄いお肉だけがカットされて供されます。

これに特製の味噌をつけて食べるわけですが、北京ダックのように脂っこくなく、日本人にとっても中華料理の特徴の一つである「皮パリ」料理の美味さを実感できる一品だと思います。

○白切鳥(蒸した鶏肉)
上海や杭州で有名な蒸し鶏を注文。日本と違って鳥の「オカシラ」つきで登場。骨付き肉の美味さは地元中華ならでは。

一般に骨の周りの肉は、「しまり」が良く、ゼラチン質も豊富で地元の方には欠かせないお肉の部位らしい。私も同感。

【最後にコメントしたいこと】
上海で悩ましいのは、水道水の臭みが強過ぎること。レストランのお茶や、スターバックス等喫茶店(あまりない)のコーヒーは、この水道水(もちろん煮沸していると思う)を利用していると思われ、独特の臭みが残ってしまっており、お茶やコーヒーの味・香りは期待できません。

日本では大阪の成功事例もあります。是非上海の水道局に頑張っていただきたいものです。
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