2回
2015/02 訪問
本格和食の王道を行く料理屋(7回)
今回は、12月の記念日で夜の訪問。年末だというのに大勢のお客さん。今回もやっぱり和食の王道でどれも美味かった。
コースを基本に若干の変化系を入れ、瓶ビール1本+熱燗1合×2本
1.海老芋の粕汁
造り酒屋より直接取り寄せるという大吟醸の酒粕を使用。温まります。
2.鯖棒寿司
コレはオプションで特別のお願い。通常は香箱がに(=メスの松葉ガニ)の模様
コレは記念に写真とっておけば良かった。十分に脂の乗った鯖を軽くシメてあるので、しめ鯖といっても絶妙に軽いシメ具合。
上下の面は、大根のかつら剥きに側面はパリパリの風味豊かな海苔の組み合わせ。
3.お造り(アオリイカ+鯛+甘海老)
特に真鯛は最高の状態。佐島の真鯛だそうです。アオリイカはまったりとした食感。
4.白子の白味噌仕立て
ふっくらとした白子と白味噌が妙に合う。
5.ふろふき聖護院大根
6.ブリ照り
7.鯛めし(記念日特別仕様とのこと)
刺身で使ったデッカい真鯛のお頭を使ってあるので、バラエティー豊かな身が味わえる。
8.嶺岡豆腐(牛乳で作っ胡麻豆腐)
濃厚で粘りのある独特な食感の嶺岡豆腐を黒蜜で味わう。
最後の鯛飯は、全部食べられないので、お持ち帰りにしてくれました。おにぎりにして食べやすい状態にしてある点は気が利いています。来年は、もっとヘビーローテーションで通いたいので、また平日の昼狙いで行こうと思います。
【2012年2月】
2月の連れとのイベントとして、昼間に高級和食を食べて、渋谷文化村にフェルメール展を観に行くというプランで、1年ちょっと前の夜にお邪魔した「とよだ」さんを選択。前回伺った時は、創造性溢れる、発見のある料理ではないものの、気をてらわない、安定感のある料理だったので、ある程度お金を奮発しても、期待外れになる確率が低いだろうということで、選択。
しかしながら今回利用してみて、完全無欠と言ったら良いのか、完璧な料理の数々に改めてこのお店の実力を実感。「まずは、ちゃんとした和食を食べてみたい、外国人に和食のウマさを知って欲しい」という方にお薦めのお店です。
場所は、銀座の通りでは一番格式の高い並木通り沿い。しかもかつてロオジエのあった資生堂本社ビルの区画と同じ場所。ビルの2階とはいえ、立地は抜群の場所にあります。
夜は、お会計は、2名分の15,000円コース+熱燗2本(1.5合×2)で37,422円。超高級食材の大間のマグロや冬が旬の天然物のクエのほか、松葉蟹、トラフグ、大根、あん肝など、冬ならではの食材を使った豪華料理のオンパレード。
今回の昼は、2名分で16,170円=(7,000円×2+サービス料10%)×消費税。壱岐の本マグロや松葉蟹などの高級食材も一部使用していたが、それよりも何よりも、使っている食材が高級かどうかというよりも、素材それぞれの一番美味い状態で提供してくれるその処理のウマさにオドロきました。
●味・料理
料理は以下の通り。全般的に薄味で出汁のよく効いた料理。その出汁が上品で洗練されていて、混じり気の一切ない本当にピュアな出汁。
これで夜は15,000円、昼は7000円は、CP高いのではと思います。
<2010年2月の昼>
先付:えび、アスパラ、えのき、白魚、いくらの和え物
お椀:はまぐり、菜の花、わかめのお吸い物
お造り:壱岐の本マグロ、さより、ひらめ、ヒラメの縁側
焼き物:サワラの西京焼
蒸し物 :松葉ガニの蕪蒸し
ご飯:牡蠣炊き込みご飯、赤出汁、香の物
水物:日向夏、豆乳のプリン
どれもこれも、本当に食材が生きている。サヨリなんか、もちろん高級魚ではないけれど、鮮度も旨味も絶妙。ヒラメはコリコリしてるだけのものが多いのですが、舌触りの滑らかさや旨味の出方なども最高でした。
炊き込みご飯の牡蠣は、当然のようにふやけた感じになるはずもなく、プリプリで旨味をそのまま閉じ込めんだかのような味わい。ハマグリのお吸い物はもう、和食の王道の味ですね。
<2010年12月の夜>
○先付け:甘鯛の蕪蒸し
わさびがアクセント。あっさり味で旨みがあるのが、
本格和食屋ならでは。お汁も全て匙ですくって完食。
○兵庫県松葉蟹のメス、香箱(コウバコ)蟹、お酢のジュレ。
胴体の中心部にある卵(内子、ウチコ)、 甲羅の内側に付いている外子、(ソトコ)含む。
内子は美味いですね。
冬の場合、懐具合に余裕のある方は、松葉蟹コースがあってそっちもお薦めだそうです。
○京にんじん葉と蟹の身が入った飛龍頭(がんもどき)
繊維質の京にんじん葉とふわっとした火龍頭の食感に、これまた薄味で出汁
が本当に洗練された風味・味。
○佐島の鯖の棒寿司
これが一番美味かった。脂の十分に乗った肉厚の鯖を〆すぎず、
ご飯を少なめにして口の中に一息に入れると、鯖の旨みが口一杯に広がります。
ああ幸せな瞬間。今まで食べた鯖の棒寿司の中で圧倒的ナンバーワン。
○お造りは、大間のマグロ、豊後水道のクエ、北海道のあん肝
クエは数日寝かせて鮮度がギリギリ落ちない範囲で旨みを引き出しているという。
天然物は中々食べられないお魚だと思いますが、これも温度も程よく、熟れた具合
が丁度いい感じ。これも美味し。
○門司港に揚がったトラフグの唐揚げ
これも食材そのものの質の良さが実感。肉厚でふっくらした食感。
立派なフグです。
○聖護院大根の煮物
ゆずの薫り、繊維がきちっと残りながらも、出汁のしっかりしみ込んだ大根
そして、これも上品な出汁。和食ならではの味わい。
○スッポンの炊き込みご飯(香の物付き)
これでもかと、コラーゲンたっぷりのすっぽんの身が入った炊き込みご飯
贅沢です。
○和三盆のプリン
舌触りの超滑らかなプリン。
ご近所のロオジエのブリュレもその滑らかさに驚きましたが、このプリンも本当に滑らか。
●サービス
料理長は、気さくな方。変にピリッとした雰囲気のないところがリラックスして食事できる
空気をつくっているように思います。
タイミングを見計らいながらの料理の説明はもちろん、ちょっとした雑談などの話のネタも豊富なようで、初めての利用でも落ち着いて食事しやすい雰囲気。
給仕の方は、付かず離れず。でも上げ下げやお茶を入れるタイミングは絶妙です。「もうちょっとでお茶がなくなるから、お茶を取り替えてほしいな」というまさにそのタイミングで取り換えてくれます。お酒は、もうそろそろ無くなるなという、絶妙なタイミングでメニューを持ってきてくれます。ホームページによると若女将の方は、外国語も堪能なようで、外国人の方にもますますお薦めではないでしょうか?
●雰囲気
L字型のカウンターは、10名程度が座れる規模。4名洋テーブル席が2卓。
これに半個室が一室あるようです。
有名建築家がデザインしたという内装は、決してそんな風には見えませんが
奇をてらった風がなく、落ち着いた内装でこれも美味しい食事を楽しむには
ふさわしい空間になっていると思います。
休日でも満席状態でしたが、落ち着いたお客さんが多く、
西洋人の方も何人かいらっしゃいました。
オーソドックスな本格日本料理屋なので、
確かに外人を美味しい日本料理に連れていくには、この店は、ぴったりだなと
思います。
2015/12/14 更新
料理長が変わって、久しぶりにどんな感じだろう、と思って記念日に利用してみましたが、和食の美味さを見事に体現した完璧な料理でした。
やはり大きく変わったのは出汁で、昆布系のお出汁で、すっきりしたクリアな高級和食ならではの感じは相変わらずの素晴らしいお出汁。
それと、これは銀座はどこも同じかもしれませんが外国人シェアが更に高まったということか(相変わらずのミシュラン星輝く店もあってか)。そして値段はインフレ時代を反映した価格。
9年時間が経つと「世の中ってこんなに変わるんだな」という印象でした。
▪️料理・味
二名で伺い、税込27,000円のコースに瓶ビール小、生ビールに日本酒二合にサービス料10%で合計約67,000円でした。
*ズワイガニのメスとセリ&白飯
見事に身はもちろん、味噌から内子から外子からすべてバランスよく配置され、粒がたった粘りのあるお米とよく合います。
*クエと聖護院大根
究極のすっきりした昆布系のお出汁が見事。ゆずかおるお椀で洗練されたクエと、崩れすぎず、かといってちゃんと柔らかい食感の大根。
*青森のヒラメとマグロ(大間)に白子のタレ
ヒラメに白子にからめてポン酢で食べると、確かにこれは旨みが際立つ。初めての体験。温度管理の完璧な刺身は高級和食ならでは。
*マナガツオの幽庵焼きと菜の花
美しい焼き物に載せられた高級魚マナガツオ(カツオではない)ならではの、ふんわりした味わい。幽庵焼きといってもタレがまったくないかのようなほんのりした味わいが素材の良さと技術の高さを証明しています。
*自家製からすみのお餅サンド?
お餅の香ばしさがカラスミのネトッとした食感によく合います。そして大根の擦り流しが絶妙。
*フグの唐揚げとフグ皮の口休め
普通のフグの唐揚げと違って、衣の感じがフリットのような薄い膜を張ったかのような感じで、フグの旨みを逃さない工夫なのか。大きな身のフグで食べ応え十分でした。フグ皮は冷たい出汁が凝縮されたジュレが素晴らしい。
*海老芋の煮物
これも究極のスッキリ出汁ですね。海老芋の繊維がよく活かされた調理で、最後にこれが出てくるというのもいいですね。
*桜えびの土鍋ごはん
生の桜えびを使ったということで、エビなならではの味や香りも実にマイルドで、一粒一粒のお米が立った権益な仕上がりの土鍋ご飯でした。
*お抹茶とあんこのお麩サンド
これも器がおしゃれ。甘さを抑えた餡とカリッとしすぎずの独特の食感のお麩。
最後にフルーツゼリーとあまおう食べて締めました。
*日本酒
島根県の「月山」吉田酒造:無濾過生原酒でお米の旨みが実感できる生酒
新潟県の「みなも爽彩純米」吉乃川:すっきりしたピュアな純米酒(販売店専用とのこと)
▪️サービス・雰囲気
カウンターの栂の木がいい塩梅で経年劣化していて、時間の経過を感じさせてくれます。レイアウトは8年前と変わらず。
料理長の丁寧な調理の姿をみつつ、複数の女性スタッフがサポートするというスタイル。
客層的には外国人と接待がメインでしたが、このような完璧な日本文化を体現した本格和食が外国人の方に供されていることに、日本人としてはちょっと嬉しい気分でした。