3回
2023/12 訪問
冬のラフィナージュで「クエ」と「コルヴェール」
9月に初利用して、とても気に入ってしまったので、連れともども冬の記念日に再訪。
やはり、冬のメニューもパーフェクトともいえる料理群。しかもこの料理が、このインフレ時代に
2万円代でいただける、というハイレベルなコストパフォーマンス。
(2名で伺い、1名22,000円コースにシャンパン2杯、ワイン2杯、ミネラルウォーター1本
→55,777円)
最高峰のフランス料理をリーズナブルに味わいたい方には最適なフレンチではないかと思います。
*ウニとオマールのスープは、極上の組み合わせ。ウニに雑味が一切ないのが素晴らしい。
*マッシュルームの旨みが充満されたスープもきのこならではの香りが楽しめました。
ここまでがメニューに載っていないアミューズ。
*ズワイガニのエフィロッシュとキャヴィア、カリフラワーのムース
キャビアで埋め尽くされた中には、繊維のしっかりしたズワイの身とカリフラワーのムースが隠されていて、一緒に口の中に含むと、至福の瞬間が訪れます。カニ自体の身の食感がしっとりとしていて非常に美味。
*フォワグラのポワレ、焦がしバターとパンデミスのソース
フォワグラの表面がパリッと仕上げてあるので、フォワグラの旨みが上品に包み込まれてある感じです。
*蝦夷鮑のコンポートと肝ソースで仕上げたリゾット
鮑ならではの弾力のある食感を完璧に実現しています。そして芯の残ったお米が実にキモのソースにマッチ。
*クエのブレゼ、ジャガタラ(柑橘)の香るヴェルモットソース
ソースが本当に美味かった。程よい柑橘の酸味がアクセントになっているんですね。肉厚のクエも見事なプリプリ感でした。
*新潟県産、網取真鴨のロースト、サルミソース
まさに冬ならではのジビエの真鴨。それにしても肉の食感が、なんというかブヨブヨしていないんですね。これでもかとばかりに肉がしっかりしている。天然と家畜(養殖)の違いは、肉質の弾性にあるように感じるのですが、まさにこのまがも=コルベールも、そんなお肉。もうちょっとたくさん食べたかったのが悔いに残ります。
ソースは、赤ワインをベースに内蔵含めたすべての部位を使用したというカモソースで、なんとも濃厚で、選んでいただいた赤ワインと一緒に食べると、まさにフランス料理のワールドが口の中に広がります。やっぱりフレンチのお肉は赤ワインがよく合う。
お酒に弱くてワインに疎い私でも「ここだけは譲れない」という感じです。
そして最後のデザートは2品で、どちらも最後をさっぱりしたものでキレにオチをつける、という印象のデザート。特に蜂蜜のアイスはお気に入りに一品です。
以上、今回も期待を超える料理で、繰り返し利用したい高級フレンチ。次回はもう更にリーズナブルなランチに伺いたいと思います。
2023/12/21 更新
2023/09 訪問
「高級日本料理」的、唯一無比のフレンチ
連れのリクエストで初利用の本格フランス料理店。
料理お任せで旬の食材使ってカウンターもあってシェフと会話しながら、という、高級和食屋的なスタイルの本格フレンチ。
銀座レカンで長くシェフをしていた方のレストランということで、そのイメージで利用してみたのですが、いい意味で期待を越える、究極のフランス料理で再訪必須。
▪️料理・味
夜はコースのおまかせ税込20,000円、1本のみ。これに連れの9,000円のペアワイン、私のビール、ガス入りMウォーター、赤ワイン1杯、サービス料10%で、合計59,290円でした。
帰り際にシェフが仰るには「毎日その日の食材をみながら、メニューを変えている」ということ。
ある程度メニューを固めずに柔軟にできるところは、大型グランメゾンにはできない、オーナーシェフのお店ならではのメリットかもしれません。
多種多様な食材と調理法と調味料を使った料理は、フランス料理ならではの強みを最大限発揮した料理で、至福の時間を連れとともに過ごすことができました。
☆ウニ入りのとうもろこしの冷製スープ
これはメニューに載っていなかったのですが、濃厚で旨味のある夏のとうもろこしスープは定番。とはいえ、このスープの中には焼きとうもろこしを入れて食感を変えたり、ボリュームたっぷりのウニを組みわせることで、「夏の北海道」をイメージさせる、粋な計らいのスープ。
ウニ自体も生ウニを使っていると思われ、妙な臭みが一切ない点は、さすがの仕入です。
☆ズワイ蟹のエフィロッシェとパプリカのムース、トマトの雫
これも夏らしいメニュー。エフィロッシェとは「ほぐしたもの」ということなのでカニをほぐして下にパプリカのムースを敷き、パプリカの苦味とトマトの酸味を組み合わせながら、キャビアの塩味も聞かせて、蟹の食感と味わいを引き立てさせる、という仕掛け。これも究極に美味。
☆岐阜県長良川産 鮎のポワレとリゾット
相当なサイズの鮎をさまざまな調理法で最大限に生かした逸品。骨や頭はカリカリに揚げて香ばしさを引き出し、鮎の肝はリゾットとしてコメに浸透させ、身は焼いて中身はふんわり、皮はパリパリにし、これをアスパラガスなどの食感を組み合わせている。これは究極の鮎。
本当に手間がかかってます。
☆ドンブ産ウズラとサマーセップ茸のマルミット
マルミットは「鍋」の意味なので、焼いたウズラをウズラの骨などを使ったコンソメのスープ仕立てにしてあるからかもしれません。
とにかくこの料理はコンソメスープですね。これも究極に美味。スッキリしていて雑味が全くなく、しかもウズラの旨味が充満している。
(もちろんウズラ肉もセップも最高のクオリティです)
☆青森県産 ヒラメのブレゼ、シャンパーニュソースのグラティネ
グラタン風にオーブンで焼いているのでこんな名前がついているのか?それにしてもこのシャンパーニュソースも絶品でした。思わずこれだけで、フランス料理の真骨頂を実感できます。これでもうちょっっとトマトの酸味の量が少なければ、パーフェクト。
ヒラメの白身も見事にソースに絡んで、白身魚ならではの上品な味わいが実感できます。
☆北海道大雪山より 夏鹿のロースト、ポワグラードソース
このソースもウズラのスープに勝るとも劣らない、スッキリしていてうまみが口の中にふわっとひろがるソース。鹿肉のピュアな赤身と赤ワインとの組み合わせに、芽キャベツの苦味がアクセントになっている。
☆デザート
パッションフルーツと塩アイスのコンポジションと、静岡県メロンのカクテル、はちみつのアイスの2品。
お気に入りのパッションフルーツの酸味や、アーモンドのムース的?な、カクテルなど、夏のデセールらしい味わいでした。
以上、日本の旬の食材を見事にフランス料理に組み合わせた、クラシックともモダンとも違う、ハイクオリティフランス料理でした。
サービス・雰囲気
銀座コアビル裏の、至極立地の良い場所。銀座駅から1分。銀座駅からコアビルの地下を通って1階に上がると、ほぼ雨に濡れずにレストランのビルに辿り着けます。
接客はソムリエールと厨房の若手男子。
お店自体コンパクトなお店で、しかもオープンキッチンなので、シェフが調理しながら全体のサービスをチェックしていると思われ、適切なタイミングでの料理やドリンクが提供されます。
私たちはテーブル席で連れと向かい合って食事。椅子も長時間座りやすく、余裕のある空間。
カウンターもあって、本格和食屋みたいにシェフと会話しながらの食事も楽しめるようになっています。
記念日ということで、素敵なお皿のペインティングに、オルゴールで演出するというのがオシャレ。
次回は季節を変えてきてみたい。
それにしても日本のフレンチって、舶来物ではあるものの、日本が世界に誇れる最高峰の文化じゃないか、と思ってしまいました。
2024/04/18 更新
今回は初めてのランチで利用しましたが、一般的なフランス料理のような濃厚な料理ではなくて、高級和食のようなすっきりしつつも旨みが満ち溢れているようなソースが料理全般にわたって一貫しているところが特徴的なフランス料理。
しかも圧倒的にリーズナブルなので、再訪必須のレストランです。
2名で伺いランチコース2✖️1万円。赤白ワイン3杯✖️2,200円。ミネラルウォーター2100円にサービス料込みで合計30,580円。この立地とクオリティーでこのプライスは今どきなかなか他ではないのではと思います。
菜の花のアイスから始まったアミューズは、新玉ねぎの冷製スープが甘味と旨みが充満した見事なスープ。
前菜一品目のホワイトアスパラガスのシャキッとした食感とホタテ貝のまろやかな味わいの組み合わせが絶妙。
前菜二品目のフォワグラのポワレは、一般的に濃厚な甘味を組み合わせるのではなくすっきりした和風みたいな旨みエキスが詰まったようなソースでいただくのが面白い。
桜鯛のポワレもほんのり柑橘の香りがするソースがなんともいえない味わい。
メインの鴨肉ローストは、レアな赤身のお肉に脂の乗った皮のバランスもよく、そしてりんご系アルコール(=カルバドス)のソースが見事に調和。
最後のデザート(イチゴとブランマンジュ、ハチミツノアイス)が意外にもイチゴたっぷりでボリューム満点。
などなど「フランス料理はちょっとコッテリ系でいやだな」と思われる人に対して「実はこんなフランス料理もあるんですよ」と言いたくなるような見事なスッキリ系のフランス料理でした。
サービスも、安定感あるサービスで「ウェルカム」な雰囲気がちゃんとお客に伝わってきます。本当にレストランは、サービスのクオリティーが維持できていないと、せっかくの最高の料理も台無しになってしまうな、と新ねて思ってしまいました。
(最近の某焼き鳥屋での悲しい経験があったので。。。)