ハラミ串さんのマイ★ベストレストラン 2017

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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ベストレストラン選定では2015年まで「予算5000円以内」という基準を設けていました。
とはいえこの基準はおすすめのレストランとほぼ同じでチョイスもかぶりがちです。
このため2016年からベストレストランは純粋に「その年美味しかったお店」を選ぶことにしました。
レギュラーのおすすめレストランとは一線を課す、文字通り「味のベストレストラン」です。

【2017年度の選考基準】
1.予算は考慮しない。純粋に美味しかったお店。
2.ランチメニューのみ飲み食いしたお店は不可。
3.ラーメンは別ジャンル扱い。
4.過去のベストレストランとは重複させない。

結果、2017年度のベストレストランは以下の通りとなりました。

1位 かたつむり(その他)
岐阜の山奥にあるキノコとジビエのお店。この店で受けた衝撃は、それはもう凄まじかったです(T_T)
山の恵みには感動で打ち震えるような凄さがあります。食材に漲る力の凄まじさに脱帽。

2位 溢彩流香(中華料理)
料理教室の延長でやってる感じのお店。出てくる料理もどこか家庭料理っぽい感じ。
なんともオーラに欠けるお店ですが、出てくる料理が素晴らしく美味しくてビビりました(^_^;)

3位 ぼるた(ステーキ・その他)
鉄板焼きメインの昔ながらな旨いもの屋ですが、週3日店を休みにして食材調達するという凄いこだわり。
ステーキの旨さは勿論、この店の白眉は野菜。チョイスも味付けもセンスありまくりです。

4位 清澄の里 粟(創作料理)
奈良の伝統野菜をふんだんに盛り込んだフルコースが出てくるお店。野菜作りから関わる本格派です。
ロハスとかオーガニックをあまり評価していない肉食人間の私の心にもしっかり響くものがありました。

5位 ラ・カンロ(フレンチ)
ジャンルはフレンチですがこの店の発想の自由さはその枠に収まりきらないと思う。
盛り付けや食器選びにも大変凝っていて、見て食べて美味しいオリジナリティ溢れる料理です。

6位 ラッフィナート(イタリアン)
こだわりの食材をメリハリある味付けで更に数段美味しいご馳走に昇華させています。
最小限の手数でありながら、これ以上は不要という絶妙の見切り方。素晴らしい!

7位 げんや(ちりとり鍋・焼肉)
ちりとり鍋って味付けがクドイ気がしてましたがここのは上質。味付けにセンスありまくりです。
焼肉・特にハラミとタンも極上品です。

8位 生ホルモン処おさむちゃん(焼肉・ホルモン)
ここは言わば『おさむちゃん劇場』。絶品の焼肉とホルモンをおさむちゃんが目の前で捌いてくれます。
あれだけ喋りまくりながら手が止まらないのは凄すぎ。キャトルラパンかここかってくらいのレベルです(^_^;)

9位 白(懐石)
正統派和食のお店。それでいてお値段も手頃。パシッとメリハリある味付けでかなり好みでした(^_^)
凝った料理もありますが、ストレートに美味しさを追求してる感じなのが好印象。

10位 リストランテハナタニ(イタリアン)
シンプルさと計算高さが上手く同居。華やかさのある極上イタリアンです。
ここの塩とオイルの使い方は他に類を見ない匠の技だと思います。

マイ★ベストレストラン

1位

かたつむり (山県市その他 / 郷土料理、野菜料理、創作料理)

4回

  • 昼の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2019/10訪問 2024/05/19

山の恵みが凝縮された超絶きのこの数々

【2019年10月 再訪】

またしても岐阜の山奥まで来てしまいました。10月は茸シーズン真っ盛り&狩猟解禁という絶好の季節^m^
前回訪問時に10月中旬が茸を一番楽しめると聞いてその場で即予約。今回は総勢8名での訪問です。
15000円で内容はお店にお任せ。その時に獲れた物を適当に見繕ってもらうにはこの予算が恐らくベストです。
香茸は特に強く希望しましたが、自然相手なので成果は確約出来ません。ちょっとドキドキ。

…が!どうやら大将は予約をすっかり忘れてたみたいです。そのままその場で凍りつく一向(^_^;)
たまたまここ数日できのこを大量に採っていたみたいで食材は足りるとのことですが、めっちゃ焦りました。
大人数でこんな山奥まで来て「出来ない」とか言われたらマジでシャレになりません。何とも恐ろしいです。
幹事はちゃんと1週間前に予約確認の電話を入れたようですが、この店は前日の電話もマストですね。

出足から相当バタバタしましたがやや遅れてなんとかコース開始…と思ったら、猪の前足ハムを1本渡されました。
骨付きハムをナイフと共に丸々一本渡されたのは生まれて初めてです。というか多分空前絶後の出来事と思われます。
どうやらいつもなら出てくる凝った前菜を仕込んでいない模様。これで適当に凌いでくれとのことです(^_^;)

酒はこちらがアレコレ持ち込んでいます。持ち込み料は1本1000円。ワイン・日本酒・焼酎等々をたっぷり^m^
ちなみに以前は酒の種類が貧弱だったんですが、ここ最近でワインを中心に品揃えはかなり良くなっています。

大将は調理の合間合間でこっちにも顔を出してきます。そして見せてくれるきのこやジビエの数々!
「うわ!何このキノコ、デカ! 」「穴熊ってこんな肉づきなんだ~」「蛇生きてるんですけど…?!」
繰り出される超絶食材に参加メンバーのテンションもグングンUP。この店は何回来ても楽しすぎます(^_^)

・猪の前足のハム
締った肉質で程良い燻製香とやや強めの塩気。野生動物とは信じられない深いコクと旨味があります^m^
これはそこらの高級ハムより数段上の旨さです。脂身も旨いですが赤身部分の旨さが超ヤヴァイ!

・塩茹で落花生
粒がめっちゃ大きな落花生。ホクホクの塩茹でですがちょっと芯を感じる硬さも少々あります。
エグミの無い優しい甘み。

・猪スペアリブ
大分内臓に近い部分を使っていると思います。先ほどのハムとは一転してクセも香りもかなり強烈(^_^;)
私はこれでもまあまあ大丈夫ですが、この獣臭に近い武骨な味わいが駄目って人も結構いました。
ある意味、こういうのにぶち当たるのもジビエなんだよなぁ。

・郡上天然鮎
中くらいのサイズで強めの塩と綺麗な焼き色。皮がパリッとしてて良い張りを保っています(^_^)
頭からバリバリ食えるし、ほろ苦いワタも繊細な白身部分と混ざると更に至福の旨さ。

・アミタケのお浸し
山のレバーと呼ばれるきのこ。コレは初めてです。何回も来ていますがまだ知らないきのこ出てくるね(^_^;)
で、このキノコですがマジでレバーです!これはちょっとビックリ。似ているとかじゃなくレバーそのものの食感。
きのことは思えないブリンブリンの弾力と歯触り。それでいて味わいはしっかりきのこ。おおお!!! コレは美味い!
きのこの存在感が圧倒的で、あっさりした出汁(きのこ出汁?)と合わせてあるのも正解ですね。素晴らしい(^_^)

・無花果の胡麻和え
口直し的な一品ですが、ほんのり甘口の熟した無花果に胡麻ペーストのコクと塩気が良く合います(^_^)

・焼き松茸
これは流石にご主人が採ったものじゃないと思います。キロ10万円するという岐阜県産の天然松茸。
私は正直松茸にほとんど興味が無い(高いしね)のですが、これはモノが違いすぎました。超旨いです!
松茸は香りを楽しむきのこかと思っていましたが、この松茸は豊かな香りに加え物凄くジューシー^m^
噛みしめる度に旨味豊富なスープが口の中にジワジワ溢れ出てきます。松茸って凄いきのこだったのね~

・香茸と舞茸の天ぷら、花咲栗と銀杏の素揚げ
・天ぷら盛り合わせ(里芋団子、稚鮎、白茄子)
天ぷら・油揚げの盛り合わせが2種類。どれもこの時期ならではの旬のものばかり。特にきのこね^m^
見た目はシンプルですがこの栗と銀杏は身が程良く締まっていて味が濃いです。シンプルな塩味で十分旨い。
白茄子は普通の茄子とは全然違います。もっとジューシーで香りが良いです。これも味が濃く感じるな~
そしてやはり真打は香茸!!! 香りが目に見えるんじゃないかってくらい強烈です。なんだコリャ(T_T)
なんかのガスでも発しているんじゃないかって位の強烈な芳香。出汁のニュアンスも感じる不思議なきのこです。
摘みたて・生の状態でも香りを確認しましたが、加熱すると更に凄いです。これはもう何と言えば良いのか…
乾燥物は通年で楽しめますが、生で頂けるのは今だけ。めっちゃ凄いものを頂いてしまいました(T_T)(T_T)(T_T)

・ツキノワグマ焼き
・ツキノワグマ脂刺身
ほぼ脂身ですがツキノワグマはこの脂身が最高に旨いです。サラッとした質感の綺麗な脂。
クドさは全くなく風味豊かなスープみたいな豊潤な味わいです。ぬぅう、最高かよ(T_T)
脂は刺しでも頂きました。融点はそんなに低くないので、こっちだと風味はちょっと感じにくいです。
とはいえこれは中々面白い食べ比べです。そしてこの生食は駄目って人も一定数いるハズ(^_^;)

・やまどり茸 きのこ鍋
・天然クレソン、猪しゃぶしゃぶ、猿しゃぶしゃぶ ←え?
ヤマドリダケ・鹿の舌・舞茸・木耳・ヌメリグチ・ヒラタケ・ショウゲンジシメジ・ムラサキアブラシメジ…等々。
ここまで種類が多く入るきのこ鍋って中々ないです。しかも普段あまり聞いたことのないきのこのオンパレード^m^
この鍋は香りが素晴らしいです。うっとりする豊潤さで普通の出汁の香りとは全然違う何とも言えない芳しさ。
このまま食べても滅茶苦茶美味しいですが、更にここへ脂ノリ満点の猪を投入してしゃぶしゃぶっとね(^_^)
この猪めっちゃコクがあって旨いです。サラリと解ける脂の綺麗さもお見事。フフフ、こりゃ堪らんネ。
で、気になるのがお猿さん。年間5頭まで捕獲OKらしく、可食部分は少ないものの一応食用になります。
これはまあ、ぶっちゃけそんな旨くは無いです。そして不味くもない。んん~ちょっと酸味がある様な…
鬼を祭る神社の供物はザクロって聞いたことがありますが、人間も酸っぱいらしいですね。シランケド(^_^;)

・アカヤマドリタケとタマゴタケの雑炊
先ほどの鍋を使った超贅沢な雑炊。旨味の塊であるタマゴダケとアカヤマドリダケを追加投入してあります。
カレー粉でも入ったかのような鮮やかなオレンジなのはこのキノコの影響ですね。んん~良い香り^m^
ぶよぶよしたアカヤマドリタケは信じられないくらいの旨味が出ます。和製ポルチーニの異名は伊達じゃない!
色んなきのこやジビエからにじみ出た風味と香りにこの2つのきのこがさらに合体して信じられない絶品になってます。
かたつむりに来るたびに頂く雑炊ですが、今回はシーズン真っ最中だったこともあり過去最高だったかもしれません。

・フルーツ盛り合わせ 
・珈琲とお茶受け(高山まめつかげ)
食事の〆はフルーツ盛合せと和菓子に珈琲。この店はフルーツも何気に凄いもんを取り揃えています(^_^)
ここまでずっと圧倒的な香りと風味にさらされまくっていたので、ホッと一息出来ました。

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【最後に】
出足は不安と絶望しかありませんでしたが、結果的には過去最高の内容でした。きのこってやっぱスゲーな(^_^;)
ジビエに関して言えば当たり外れが多少ありますが、天然素材にムラは付きもの。多様性を受け入れるのも肝要です。
それとこういうお店では特定の食材を求め過ぎてはいけないです。むしろ知らない食材との出会いを妨げてしまいます。
今回の収穫の1つはアミタケですが、これだって通常のコースだったら出ていたか分かりません。面白いもんです。
自分の好みは伝えた方が絶対良いですが、内容に関しては食材チョイスも含めてお店に任せた方が良いですね(^_^)
次はいつ訪問できるかな~ ご馳走様でした。
性懲りもなくまたこの山奥に来ました。在来線を乗り継いで最後は岐阜駅からタクシーで移動。
大阪から片道4時間弱の長旅です。酒呑みたさに4人が誰も運転をしたがりませんでした(^_^;)
今回酒は持ち込み(持ち込み料1000円/本)です。料理は予算15000円でお願いしました。
リクエスト食材は香茸とジビエですが、その時々でベストなものであれば何でもOKとお伝えしています。

・前菜盛合せ
こごみ・大根・小鮒の甘露煮・コシアブラ・南瓜・里芋・天然鴨の燻製・飯(いい)・モズクガニの子供・アジメドジョウ、
鹿のすい臓の燻製・筍と盛り盛りな前菜。こごみに味噌をかませたり大根は熊出汁だったり発酵食品を絡めて来たりと。
いや~相変わらず前菜からワールド全開ですね(^_^)

・あまご塩焼き
遺伝子汚染が進んでいるみたいで純粋なあまごは貴重とのこと。この日も純粋なアマゴは1匹のみでした。
ふっくら瑞々しい身とパリッとした皮。強めの塩気が野趣あふれる味わいを一層高めてくれます(^_^)
ちなみに交雑種と純粋種だと純粋種の方が旨かったです。

・香茸のリゾット
乾燥させた香茸とチーズを合わせたリゾット。むせかえる様な濃い香りが立ち上る凄い一品です(T_T)
ポルチーニのような芳香にシイタケを連想させる旨味。チーズのコクにも全く負けない芯の強い旨さです。
香茸は私の強いリクエストで出していただきましたが、やっぱりこの茸の旨さと香りは最強です。

・猪の肩ロース
脂身の少ない赤身部分ですが旨味がギュッと詰まっています。豚肉とも違う深いコクと適度な噛みごたえ(^_^)
猪はこれまで毎回頂いていますが、そのたびクオリティが高く驚きます。脂身も旨いけどロースも最高ですね。
こんな状態の良い猪はそうそう頂けるものではありません。これもこの店の真骨頂の一つです。

・鮎の熟れ鮓、カタクリの酢漬け、わさび菜、つくし
小鉢が一気に4つ。山菜系3品と鮎の熟れ鮓。どれもはっきりと個性のある食材ないし調理法ばかりです(^_^)
貴重なカタクリを始め山菜系はどれも普通の野菜とは全然風味が違います。つくしも何気に中々の旨さ。
鮎の熟れ鮓はかなり麹系の香りと味が強いです。好みがはっきり分かれそうですが私はこういうのも好み。

・真鴨の炭火焼(もも・ロース)とインカのめざめ
前回は鉄板焼きで頂きましたが今回はお店の人に焼いてもらいました。塊で焼き上げた後にカットしています。
鉄板焼きは目の前で焼けるライブ感やシズル音が楽しいんですが、火入れはお任せした方が断然良いです(^_^)
鴨は血のコクと脂身に旨さが集中します。食べ応えがあるのはロースですが旨さはももが断然上ですね~

・天ぷら:わかさぎ、のびる、たんぽぽ
・天ぷら:たらの芽、こしあぶら、ふきのとう、こごみ
天ぷらは山菜中心の構成で計7品。たらの芽・こしあぶら・ふきのとうあたりは天麩羅で鉄板の旨さ(^m^)
のびる・たんぽぽ・こごみも少しのクセやほろにがさや食感のムラがありますが、コレはコレで個性的で良し。
この店でこんなに天ぷらを沢山いただいたのは初めてですが、何気に衣の具合も揚げ加減も素晴らしいです。

・天然鰻の白焼き
運よく尻尾のあたりをゲット。鰻は脂も旨いですが天然モノだと皮とその下あたりが抜群に旨いんです^m^
パリッと香ばしい地焼きの皮とジュワッと沁みる脂の旨さ。しっとりホロッと崩れる身も素晴らしい。
天然鰻はモノにより味わいが大きくブレますが、この鰻は状態が中々良かったです。

・天然キノコの鍋、天然クレソンとセリ添え
猪、ツキノワグマ、穴熊 しゃぶしゃぶ 花山椒添え
ヤマドリダケをはじめ色々な茸が目一杯入った山間ならではの超贅沢鍋。この店の名物にしてこの日のメイン。
茸の豊潤な出汁がしみだしまくった鍋のスープはもうそれだけで物凄い旨さです。香りにもクラクラ(T_T)
ヤマドリタケはブニブニしてて脆い食感ですが旨味は強烈。この茸が入ると鍋の旨さがどえらいことになります。
そして満を持して猪・ツクノワグマ・穴熊を投入。軽く湯がいて脂身が透き通るような感じになったら食べ頃です。
もうそんなに驚くことは無いだろうってクマーッ!!! 何度食っても旨いじゃねーか(T_T)
獣系ジビエは脂身が最高に旨いですが、そこに茸の旨味が合わさるとマジで最高です。ええ、最高なんです。
一般的な脂身とは全然質感が違う綺麗でサラッと口どけする極上の脂身。脂身だけならツキノワグマが一番ですね。
味わいの上品さではしっとりした食感の穴熊が一番。猪はオールラウンダー。赤身も脂身も旨いです。

・アカヤマドリダケのリゾット
更に茸の宴は続きます。アカヤマドリダケを贅沢使いしたリゾットです。米と茸はスーパー合うんです。
そのままごくごく飲める旨さの出汁に緩くなった米の甘みが加わると発狂ものの旨さ。ぐぬぅ旨いぃぃ(T_T)
合間に香の物を挟みつつ夢中でむさぼり食います。こんな旨いリゾットこの店以外で喰えないですね。

・ビワのコンポート、国産パイナップル、ポンターレ、宮崎マンゴー
この店は何気に果物も凄いのを揃えています。もうさんざん食ったけどこれならお腹に難なく収まりますね(^_^)

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【最後に】
今回もジビエにキノコに山菜に天然鰻と目一杯堪能させて頂きました。山の恵みって本当に素晴らしい(^_^)
3回目の訪問でも感動は全く色褪せません。ある意味究極のレストランなんじゃないでしょうか。
というわけで、狩猟解禁&茸シーズン突入となる10月に次回の予約をいれました。もう今から楽しみです。
この店は今後も通い続けるであろうお気に入りです。こういうのが好きな人は絶対訪れるべき名店ですね。
ご馳走様でした。
前回の訪問でジビエときのこに衝撃を受けたかたつむり。今回はバスをチャーターして総勢12名で訪問です。
名古屋駅からの出発でしたが、特に渋滞がなければ大体小一時間ほどで到着します。

事前に食べたい食材は幹事を通じてお店に伝え済み。予算15000円で目一杯色々出してもらう腹積もりです。
私のリクエストはジビエもそうですがとにかくきのこ!この店で扱っているキノコは最高すぎるのです^m^
酒は参加者がワインを色々と持ちこみ。前回は運転手だったので飲めませんでしたが今回は思う存分飲めます。

・先付け
猪の頬肉、熊出汁の大根、小鮒、まきがき、あじめ泥鰌、バターかぼちゃ、さつまいも、里芋、猪のハム、猪の膵臓。
出足からトップギアの気合入りまくりな盛合せ。よくぞこれだけ色々な山の幸を集めたものです(^_^)
どれも単に珍味ってだけじゃない滋味深い味わいのものばかり。そしてぶっちぎりで旨かったのが猪の脾臓。
味付けは軽めの塩だけだと思いますが、しっかりした歯触りで噛みしめるたびにじわじわ旨みが溢れます(T_T)
猪はこの後大腸も頂きましたが、野生の猪の内臓って凄い旨いですね。こんなの中々食べられないです。
まきがきはこの辺りの郷土料理で柿を使った素朴な甘味です。こんなのまで出してくれるとは何とも嬉しい(^_^)

・お雑煮
時期的にこんな小粋な一品も登場。とはいえそこはやはりかたつむり。具材は天然ヒラタケ・黄金株・菜の花です。
上品な出汁にうっとりするようなヒラタケの芳香が加わってなんとも言えない良い味わいになっています(^_^)
お雑煮もこうやって頂くと大変なご馳走ですね。

・猪の肩ロース
この後の鉄板焼きは各自で焼くスタイルでしたが、この料理の火入れはお店がやってくれました。
これは要するに猪の塩焼き…なんですが、状態の良い雌の猪が入ったらしく肉質が最強に素晴らしいです^m^
弾力のあるむっちりした歯触りと、噛みつぶすたびに滲み出てくる旨み。野趣溢れる感じが堪りません。
家畜ではちょっと味わえないワイルドな質感で、脂身部分がまた最高に旨いです。

・鴨燻製
しっとり仕上がっていて鴨の旨みがギュッと凝縮されています。田舎料理とは一線を課す上品さ(^_^)
これはモロにワイン向けの味わいです。山奥ならではの上質なシャルキュトリ。これも素晴らしい。

・サラダ
このタイミングでサラダです。どっさりの野菜にフレッシュな風味のヴィネガーとパルミジャーノ。
この店は何気に野菜も旨いです。合間にこういうのを挟んでくれるとコース全体が締まります。

・猪ももハム
こちらは前回も頂いた品。フツーのハムなんかより断然上の美味しさ&高級な味わいです。
骨付きの状態から目の前で都度薄くそぎ切りにしてくれる演出も良いですね(^_^)

・里芋、もろこ、銀杏 天ぷら
この天ぷらはいかにも「山の幸」って感じのネタで構成されています。このラインナップだけでニンマリ(^_^)
ネタそのものが上質なのは勿論、何気にこの店の天ぷらの揚げ具合も中々。もろこなんかはかなり旨いです。
もろこって味は良いけどちょいと川魚的な泥臭さもある印象だったんですが、これは全然臭みなしでした。

・猪レバーのバターソテー
猪のレバーは初めて食いました。ムッチムチの弾力があってパサついた感じは皆無。このレバー凄い!
結構しっかり火が入っているんですが、レバーの力強さが勝っていて物凄い瑞々しさ。そして深いコク(T_T)
私はこれまでホルモンを喰いまくっていますが、これは牛や豚とは別次元。物凄いパワーを持っています。
猪は脂身が一番旨いと思っていましたが、この日頂いたこのレバーと脾臓はその概念を軽く覆してくれました。

・あざみ、のびる、干し柿の天ぷら
天ぷら第二弾はかなりの変化球。のびるはともかくチクチクとげのある紫のあざみも喰えるとは驚き(^_^;)
とはいえ、これはあざみとは全く分かりません。じゃあ一体なんだと思ったのかと言われても困りますが。
干柿は天ぷらにすると中の水分が活性化してねっとりした質感になります。これも面白いな~

・鉄板焼き:鴨モモとロース、猪大腸、1年熟成のインカの目覚め、ヒラタケ、飛騨ネギ
鴨は血の滴る何とも艶めかしいビジュアル。脂身の質感からもなにか熱のようなものを感じます。
ロースとももを頂きましたがこれが滅法旨いです。特にもも!血のコクと脂身の旨さが悶絶もの(T_T)
普通の鶏肉とは全く違う深い味わいで、噛みしめるほどに旨みが口中に広がります。ぬぅぅ旨い。
更に驚愕だったのが猪の大腸。ムッキムキの歯触りで旨味もしっかり。そして脂身はサラッと上品です。
所謂シマチョウなんですが一般的に理解するホルモンとは全くの別物です。なんじゃこの力強さ!
鴨や猪大腸の脂を吸いこんだヒラタケやネギも超旨いです。こんな鉄板焼き、喰ったことないよ(T_T)

・天然キノコ鍋 天然クレソン添え
・しゃぶしゃぶ:猪肩ロース、アナグマ、ツキノワグマ(急遽追加・1人2切れ)
・アカヤマドリダケとトリュフを投入した雑炊
キノコどっさりで素晴らしい芳香を放つ魅惑の鍋。この鍋は味も良いですが香りでクラクラしますね^m^
キノコはそれ自体がかなり旨いですが同時に良い出汁も提供していて、どんどん鍋が旨くなってゆきます。
その素晴らしく旨い出汁を使って猪肩ロース・アナグマ・ツキノワグマをしゃぶしゃぶっと…。ぐぬぅ最高かよ(T_T)
猪の旨さはここまでさんざん味わいまくりましたが、アナグマもツキノワグマも最高に旨いです。ジビエは脂身が旨い。
アナグマは脂身だけでなく赤身のしっとりした舌触りも素晴らしいです。これはジビエの中でも最高峰ですね(^_^)
きのことジビエの旨味も加味された鍋は、最後アカヤマドリダケと国産トリュフと玉子を加えて雑炊にします。
私はこのアカヤマドリダケというキノコが大好き。ブニブニしてますが香りが素晴らしく旨味の塊です(T_T)
この鍋は色んな食材の旨さが渾然一体となった超絶のご馳走です。これだけの足し算でよくぞ味が纏まるものですね。

・フルーツと珈琲
猛烈な食体験のあとはさっぱりフルーツと珈琲で〆ます。この店はフルーツもかなりイイものを揃えてます(^_^)
上がりまくったテンションが心地よくクールダウンされました。

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【最後に】
最初の訪問も衝撃でしたが今回も凄かったです。訪問のハードルが高すぎるお店ですが来て良かった(T_T)
で、分かったこともいくつか。まず、鴨は塊の状態をお店の人に焼いてもらった前回の方が旨かったです。
赤身の繊細さはアナグマ。脂身は猪かツクノワグマ。そして状態が良い猪のホルモンの旨さは格別です^m^
この店の良さを知るには本来2人~4人がベスト。予算15000円位でご主人にお任せするのが最も楽しめます。
希少食材のお店ゆえ大人数での訪問はお店にかなり負担です。皆に行き渡らない食材は当然出できません。
…とまあ色々書きましたが、やはりこの店は最高です。今度は季節を変えて4人くらいで再訪したいです(^_^)
元々大好きなお店ですが、もはやすっかりこの店のトリコになってしまいました。ご馳走様でした。
【総評】
岐阜県山県市。車でしか訪問できない山里にある、ジビエや茸といった希少食材を扱うレストランです。
この店の「扱う」とは、単に仕入れが豊富という意味とは全く違って、もっと深くかかわっています。
野生動物を捌くのもキノコ狩りで山に入るのも、仙人みたいな風貌のご主人自らが行っています。
そうして手掛けた山の恵みの数々は、いままで体験したことが無かった凄まじい美味しさに溢れていました。
私はこれまでもジビエやきのこは結構食べていましたが、この店で頂いたそれらは全くの別次元。
こんなお店が存在していたとは本当に驚きです。本年度訪問したお店の中でぶっちぎりの1位です。

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岐阜県山県市。いままで聞いたこともなかった場所ですが、この山里に唯一無二の凄いお店があります。
外観は普通の木造平屋の民家そのものですが、良く見ると庭先に獣の皮がぶら下がっていたりします(^_^;)
元々キノコ採りを生業としていたご主人が、ジビエとキノコを出すレストランを自分で直にやり始めたそうです。
お店としては営業してから5年ほどですが、山の恵みに関しての取り扱い方や目利きは筋金入りの本物です。
調理はご主人ともう一人の女性の2人で担当していて、サービスは更に別の女性が担当しています。

ご主人は非常に気さくで話好きなので、食材のことや調理についてアレコレ詳しく教えてくれました(^_^)
山でたまたまフクロウと正面から目があった時の話を偶々聞きましたが、そういう体験談を伺えるもの楽しいです。
ちなみにフクロウの感想は「かわいい」ではなく「肉付きが良くて旨そう」だったそうです(^_^;)

扱う食材がマニアックなこともありこちらは完全予約制。食べたい食材と予算を伝えてお任せするスタイル。
豊富に取り扱うツキノワグマ・穴熊・鹿・鴨といったジビエは、業者任せにせず状態を確認してお店が直接捌きます。
今回は15000円の予算でコースを組んでもらいました。このくらいの予算が一番あれこれ一通り楽しめるそうです
ちなみにドリンクはビール・ワイン・日本酒等がありますが、今回は運転手なので葡萄ジュースです(T_T)

・前菜
動物性なのはモクズ蟹・アマゴの甘露煮・猪の燻製・味女泥鰌(アジメドジョウ)の天ぷらの4種。
野菜系はさつま芋チップス・かぶ・宿儺南瓜(すくなかぼちゃ)・里芋・熊出汁の大根・むかご・荏胡麻の味噌・冬いちご。
前菜からいきなり凄い盛り盛りです。天ぷら・煮物・燻製と手数も豊富で思わず笑みのこぼれる豪華さ^m^
食材の豊富さも嬉しいですが料理としてもそれぞれかなりしっかり造りこまれています。この前菜凄いね。
素揚げのモクズ蟹はこんな小さいのにしっかり蟹の味がします。ドジョウはホクホクした身質で上品な味わい。
アマゴの甘露煮もほろりと口の中で崩れるイイ感じの煮え具合。甘ったるさがなく魚の旨さが上手に引き出されています。
野菜系の旨さも素晴らしく、熊出汁で炊いたという大根なんかはこの店でしか出せない凄い逸品。かなり旨い(^_^)

・鹿のヅケ
脂身の少ない締った部位を使ったヅケ。ねっとりした舌触りに醤油のコクが加わった生肉好きには堪らん一品(^_^)
鹿はどちらかと言えば淡白な味わいの印象だったんですが、このヅケは味付けもハマっていて非常に力強い味わいです。

・鮎の塩焼き
鮎を楽しむにはかなり遅い時期ですが、ギリギリ落ち鮎が入ったとのこと。これは嬉しい(^_^)
旬は外れているかもしれませんが、この鮎は皮目に乾燥したみたいなパリッとした張りがあって香ばしいです。
頭からしっぽまでバリバリ全部いただいてしまいました。

・猪のスペアリブの炭火焼き
シンプルな炭火焼ですが、脂身にブリブリとした弾力と甘みがあって、骨周りの味の濃さも素晴らしい。
ジビエの旨さの大半は脂身にあると感じていましたが、これは正にそれを体現したような悶絶モノの料理です(T_T)

・みたたき
初めて聞く料理名。鳥の内臓を発酵させて作った料理だそうです。パッと見はうるか(鮎の内臓)かと思いました。
烏賊の塩辛みたいな味わいの珍味ですが、言われてみると確かに肉っぽい風味も感じます。酒飲みてーよ(T_T)

・太秋柿とカブのサラダ
オイル・塩・胡麻等でごく軽めに味付けしたサラダ。素材の味を直に活かした味付けでこれも旨い(^_^)
味が強めな料理が続いていたのでこのタイミングで出てきたのも丁度良かったです。

・ジビエの刺身
ツキノワグマ・穴熊・真鴨の三種類。ツキノワグマと穴熊は予約段階でリクエストしておきました。
ジビエは脂が命なのでまさか生食するとは思いませんでしたが、意外や意外!これが滅法旨いのです^m^
軽めにスモークされた穴熊は肉の味が濃いです。ツキノワグマの脂身は口の中でじんわり優しく溶けます。
真鴨は締った肉質を予想していましたが意外にも柔らかな質感。血のコクが最高に旨いです(T_T)
この刺身三品は私がこれまで抱いていたジビエの概念を気持ち良く覆してくれました。これ、凄いな~

・揚げ物盛合せ
素揚げと天ぷらが入り混じった盛合せ。殻付き栗・干し柿・銀杏・ふきのとうに、なんと熊の脳みそです(^_^;)
食材がいかにも秋の山里って感じで嬉しくなるラインナップ。干し柿は天ぷらにしても中々イケますね~
そして気になる熊の脳みそですが、白子みたいな味わいとふんわり食感でかなり旨かったりします(^_^;)

・真鴨の炭火焼き、ささみの刺身
真鴨を丸ごと焼いてから切り分けてもらいました。予め部位ごとにカットして目の前で焼くこともできるそうです。
暫し待って出てきた皿は胸肉・もも・レバー・ハツ・砂肝・ボンジリ等がゴロゴロ並んだ圧巻の盛り付けです^m^
この真鴨は血のコクと脂身の旨さが何とも強烈です。シンプルな塩だけの味付けで十分以上に旨いです。
普通の鶏肉とは味わいも食感も全く違っていて、荒々しさも感じる風味が堪りません。ぐぬぅ、堪らん(T_T)
ささみはそのまま生食用に出てきました。焼き物と違ってねっとり舌に絡みついてきます。これもまた絶品です。

・天然ヒラタケの焼き物
焼き葱を添えたヒラタケの焼き物。天然ものなんて今まで食べたことがあったかどうか…
このヒラタケは肉厚でむっちりした歯触りがあります。香りも強く凄い充実した食べ応え!
シンプルこの上ない料理ですが、キノコの旨さをストレートに味わえて満足感は相当高いです^m^

・猪もも肉のハム
足の形をしたブツを目の前で切り分けてくれました。なんか凄くワイルドでいいですね、コレ(^_^)
見た目こそ凄いですが、このハムは舌触りも味わいも非常に上品です。猪は赤身部分も旨いねぇ。
塩加減は控え目で肉の旨味が前面に出た感じのハムでしっとりした質感。これ、高級なヤツですよ!?

・熊出汁とキノコの鍋
熊で取ったという出汁にたっぷりのキノコ。この時期はアカヤマトリタケやヒラタケが入るみたいです。
この鍋は熊とキノコの旨味がぎっしりで、クラクラめまいがする様な素晴らしい芳香を放っています(T_T)
ご主人はアカヤマドリタケをポルチーニに例えていましたが、この素晴らしい香りはポルチーニかそれ以上。
少しとろみのある部分に味と香りが特に強くあって、むさぼるようにして食べてしまいました。
キノコと熊出汁だけで相当旨い鍋ですが、更に穴熊・猪・ツキノワグマの肉を贅沢にしゃぶしゃぶにします。
この出汁にジビエの脂身の旨さまで加わると悶絶物の旨さです。むぐおぬぅあうぉがぁ、これ旨いっす(T_T)

・アカヤマドリタケの雑炊
キノコとジビエの旨味がぎっしり詰まった鍋の極上スープで雑炊を作ってもらいました。これ、ヤヴァイです(T_T)
米の甘味が加わるとスープの旨味は更に広がります。香りも旨味もこれまで体験したことの無いような凄い一杯でした。

・じゃがバター・国産トリュフ添え
珍しいので試しどうぞと言われて出てきました。なんと国産トリュフです。国産品があったとは知りませんでした。
こちらはヨーロッパ産と比べると香りが弱く味も殆ど無し。見た目はトリュフですがちょっと違うかなあ(^_^;)
とはいえ中々面白いものを食べさせて頂きました。

・香茸入り炊き込みご飯
乾燥させた香茸というキノコを使ったシンプルな炊き込みご飯ですが、これは香りが本当に素晴らしいです(T_T)
食べる前から香茸のうっとりする香りが漂いまくっていますが、食べると口の中や鼻孔にも香りが充満します。
香りが目に見えるんじゃないかと思えるほどの強烈な体験でマジでビビりました。これ旨すぎます(T_T)(T_T)(T_T)

・デザート
食後は栗きんとん・ラフランス・メロン・シャインマスカット・みかんのフルーツ盛合せです。
ここまでのコースで味・香り・食感の凄さに晒され続けていたので、最後の最後でホッと一息つく感じでした。
そして、何気にこのフルーツはどれもかなり良い物を使っていますね(^_^)

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【最後に】
この衝撃はどう伝えたらいいのか…。五感全部が刺激されるような凄い体験をしてしまいました(^_^;)
私のキノコ体験がそんなでもないことを差し引いても、この風味と味わいの衝撃は恐らく生涯忘れないでしょう。
この店に来たら是非目一杯アレコレ楽しんでほしいです。これだけの感動を得られるお店はそうそう他にありません。
訪問のハードルが非常に高いお店ですが、私はきっとまたこの時の感動を確かめに再訪することでしょう。
ご馳走様でした。

  • 香茸の天ぷらUP
  • ツキノワグマ焼きUP
  • しゃぶしゃぶ用の猪

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2位

溢彩流香 (富田、摂津富田 / 中華料理、餃子)

1回

  • 夜の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2017/07訪問 2017/07/28

家庭料理?本格中華? 予約困難&超規格外の名店

【総評】
摂津富田駅(大阪)か富田駅から徒歩5分ほど。料理教室の延長でやってる…みたいな変わった中華料理屋です。
知る人ぞ知るマニアックなお店ですが、なんと半年以上先まで予約待ちの隠れ大人気店だったりします(^_^;)
一般的に中華料理といえば『手間暇かけたスープが命』・『炎を制する』みたいなことが盛んに喧伝されます。
でもこの店の良さはそういう部分にあるわけではありません。厨房は一般家庭のキッチンとほぼ同じで食材も普通。
どちらかといえば家庭料理の部類だと思いますが、それが物凄く旨くて驚きました。ここの料理には唸るばかりです。
中華料理の英知はこんな部分にもあったんだという感動的な発見。心揺さぶられる素晴らしい料理を頂きました(^_^)
ちなみにお店の営業は夜だけですが日中は料理教室をやっているとのこと。参加しようかしばらく真剣に悩みました。

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お店は低層階がテナントフロアになっているマンションの2階。全然目立たないので看板をよ~く探してください。
すぐ近くからここに移転して来たらしいですが、このひっそり感はなんとも商売っ気無い感じですね(^_^;)

店内はテーブル席のみで20人弱のキャパシティ。厨房は客席と仕切りがあまりなく料理教室そのまんまです(^_^;)
実際に料理が出来るとお店の人が講師よろしく皆に料理の説明をしてくれます。なんか不思議な感じだなあ…
切り盛りしているのは中国系と思しき女性2人。なんというか調理人オーラの無いフツーな感じの方々です(^_^;)

メニューはかなり少なくて餃子や炒飯といった定番に日替わりが少々。基本は予算に応じてお任せするお店です。
ドリンクはビールと紹興酒にワインも扱っています。何気に適当ではなく料理に合せたセレクトっぽいな、コレ。
メニューのイラストやワインセレクトは常連客も力を貸しているみたいですね。愛されてるな~この店(^_^)
予約段階で3800円の手頃なコースを注文してあります。面白そうなので赤ワインと合わせることにしました。
ちなみにここの料理はワインとも中々好相性でした。

・カンパチと豚トロ
カンパチは香味油と塩で味付け。そこにみじん切りのパクチーが散らしてあって胡瓜と一緒に食べます。
味付けのバランスが良くブツ切りっぽいカットや胡瓜と一緒に食べさせる食感の演出もハマっています(^_^)
カンパチがお造り以外の生食でこんなに美味しいとは驚きました。見た目の美しさも素晴らしいですね。
豚トロはカリッと揚がっていて甘辛い味付け。添えてある薄切りのゴーヤは軽く塩もみしてあります。
酢豚に似てますがゴーヤの苦味が甘辛な味を引き締めています。計算された洗練さに思わず笑みがこぼれます(^_^)

・スイートコーンと卵白のスープ
味付けは恐らく極少量の塩のみ。擦ったスイートコーンをそのまま味わっているようなストレートな味わい。
粒粒感の残るコーンに緩く溶かれた卵白のトロトロが加わって食感が何とも気持ち良いです(^_^)
これ以上の引き算は成立しないであろうギリギリの加減。シンプルな着想が徹底されていて素晴らしい。

・牛肉とセロリの水餃子
これは定番料理みたいです。牛肉はすじ煮込みみたいな感じの甘辛でセロリも結構たっぷり入っています。
小振りなのでひょいと一口で頂くと口の中でフワッとセロリの風味が広がります。おお~これ凄い!^m^
モチモチした皮の食感や牛肉の旨味も当然利いているんですが、この餃子の主役は間違いなくセロリです。
セロリって風味が強くどちらかといえば野暮ったいイメージの野菜だったんですが、まさか餃子とこんなに合うとは!!

・水晶餃子
こちらも定番料理。具材は海老・豚肉・クワイで皮に米粉とかタピオカなんかを使っていると思います。
水餃子同様一口で頂ける小振りで真ん丸なかわいらしいフォルム。皮がプルプルで唇にピタっと吸いつく感じ(^_^)
水餃子は香りが特筆点ですが、こちらは皮のプルプルとクワイのシャクシャクした食感の共演が素晴らしいです。
そして自家製の黒酢ベースのタレがかなり旨いです。これはこのまま舐めて酒が飲める旨さですね。

・もち米焼売
具材は豚肉とクワイで周りにもち米がみっしり。シンプルですがこちらも食感と味付けの妙味が素晴らしいです(^_^)
米の甘味・豚肉の旨味・クワイの食感が渾然一体となって美味しさを演出。この店の料理は実にセンスが良いです。

・海老と青トマト
海老は殻つきのまま素揚げしてあって、青トマトはその海老の風味を移した油で軽く素揚げしてあります。
海老は表面パリパリで香ばしく身はしっとり。見た目通り美味しいですが、この料理のメインは青トマト。
固めの青トマトを使う意味は食べてすぐ分かりました。この噛み潰すような食感はかなり良いです(^_^)
トマトの酸味に海老の風味が加わっただけなのに、それが何とも言えない美味しさ。これも面白いな~

・干し肉炒飯
造っているところを見ていたんですが、中華鍋じゃなくフライパンを使って炒めています。…うーむ、普通だ(^_^;)
炎の中に煽った米が舞う…みたいな絵はそこに存在しません。一般家庭で作る様子とほぼ変わりなし。
そんな造り方で具材も葱と干し肉くらいとシンプルなのにこの炒飯はすこぶる旨いです。これはどういうことだ?
みじん切りの干し肉は具材というより調味料みたいな役割です。炒飯というより肉入りのかやくご飯って感じ…かなぁ。
この干し肉炒飯にはいままで食べてきた炒飯とは全く違った旨さがあります。いやはや、中華は奥が深いね(^_^)

・麻婆豆腐
挽肉ではなく煮込んだ肉を使用。豆腐と合わせる過程で勝手に崩れて全体に馴染むそうです。
最近流行っている痺れが利いた麻婆豆腐とは全く違っていて、煮込んだ牛肉の旨味が前面に出た麻婆豆腐です。
これはこれでかなり旨い(^_^)

・醤油プリン
玉子の利いたプリンにみたらし団子みたいな甘じょっぱいカラメルソースを組み合わせてあります。
醤油って甘い味付けにも合いますね。食事の最後にさっぱり口直しできる感じがとても好印象(^_^)

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【最後に】
中華料理が大好きなのでいままであれこれ食べ歩いていますが、ここみたいな料理はちょっと他に記憶にありません。
この店の料理は食感の演出・味付け・食材の組み合わせといった着想部分が抜群に優れています。正にセンスの塊(^_^)
一般家庭でも再現可能っぽい普通な料理なのにそれが物凄く旨い。中華料理にこんな方向性があったとは驚きですね。
本日のお勘定は2人で10800円。1人あたり5400円です。この内容でこの値段は超お得だと思います。こりゃスゲー。
予約難は相当なレベルですがこの店には是非また訪問したいです。今のところ今年一番の感銘を受けたお店です(^_^)
ご馳走様でした。

  • 牛肉とセロリの水餃子
  • 水晶餃子
  • もち米焼売

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3位

ぼるた (トロッコ嵯峨、嵯峨嵐山、嵐電嵯峨 / ステーキ、野菜料理、洋食)

1回

  • 昼の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2017/11訪問 2017/12/20

軽やかで重厚。肉も野菜も全部旨い

【総評】
嵯峨嵐山駅(京都)から徒歩5分。ステーキ・洋食のお店ですが野菜にも相当こだわる何とも個性的なお店です。
建物は建替えて20年だそうですが創業は40年前。この地で長く営業しているちょっとした老舗でもあります。
こちらの営業は週4日ですが、お店を閉めている間は御主人自ら産地を回って食材調達をしています。
集めた極上の食材は確かな調理技術とセンスあふれる味付けが施されて素晴らしい料理に昇華(^_^)
加熱や風味付けといった基本部分の素晴らしさに加え、器にも拘っていて見た目にも非常に華やか。
御主人の個性と創作性が随所に光る、唯一無二の名店です。

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お店は竹林で有名な嵐山の散策コースとは反対側。紅葉で有名な常寂光寺方面の住宅街の一角にあります。
コンクリ打ちっぱなしの無機質な佇まいで壁面に直接「ぼるた」と掘ってあります。これは相当分かりにくい(^_^;)
外観は変わってますが店内は一転して内装も調度品も洒落ています。このギャップが何とも面白いですね~

メニューは洋食系の料理とステーキがメインで、コースも5000円~12000円の幅で設定されています。
コースはステーキだけでなく魚メイン・野菜メインの設定もあって、調達した食材にかなり自信がある様子です。
聞けばお店を閉めてる間もほぼ時間は食材調達に割いているそうです。特に野菜には力を入れているとのこと。
訪問は昼時ですが予約時に確認したところ夜のコースメニューにも対応してくれるとのこと。これは嬉しい(^_^)
ということで今回は5000円のお任せディナーコースを注文。ドリンクは瓶ビールをいただきました。

・ほうれん草と松茸のお浸し
味付けはゆず果汁と醤油というシンプルなお浸し・・・ですが、このお浸しが相当旨くてビックリ!
ほうれん草と松茸の歯触りが抜群で旨味も濃いです。ほのかに利いた柚子の酸味がまた良い感じです(^_^)
食材の良さが光る逸品ですが、その良さを引き立てる味付けや組み合わせにも唸りました。

・出汁で炊いた大根のフライ
おでんみたいに出汁で炊いた大根を何とフライで提供。超ジューシーで繊維質皆無の滑らかな舌触り^m^
サックリ軽く揚がった衣のクリスピーな感じと出汁でヒタヒタになった大根の組み合わせが最高に旨いです。

・帆立の出汁で炊いたブロッコリー
見た目はただの茹でたブロッコリーなんですが帆立の香りがフワッと立ち昇ってきます(^_^)
ブロッコリーはややアクの強い野菜だと思っていましたが、こちらはエグもなく優しい甘みに満ちています。
帆立出汁との組み合わせもハマっていて、食感と香りと味わいの全部で美味しく仕上がっています。

・蟹サラダ 
刻んだキャベツと胡瓜とほぼ同量のほぐした蟹が使われています。見ただけで美味しいのが確定のサラダ。
塩がやや強めに振られていますが、蟹と野菜の味が濃いのでこれが丁度の塩梅。うーん、これも旨いね(^_^)

・コンソメとポタージュを合わせたスープ
コンソメとポタージュを掛け合わせたスープとの説明。サラッとした質感ですが旨味濃厚です(^_^)
これは茸とか玉葱の旨味と風味でしょうか。コラーゲンもかなり含まれていてめちゃめちゃ旨いです。
具は何も入っていないのにこの飲み応え。少量でも凄いインパクトがあります。

・ポテトサラダと胡瓜の漬物
普通のポテサラと違って生玉葱の辛味とクリームソースのコクがビシバシ利いたメリハリのある味付け。
トマトに凄い張りがあって歯触りが強めなのにも驚き。この店の野菜は全部すごい力を持っています。

・ステーキ40g
牛肉の仕入れ先はいくつかあるそうですが、この日使っていたのは阿波牛。部位は多分サーロインのあたりです。
提供直前に大きな塊から切り出して丁寧にトリミング。目の前で焼きあがっていく様を直接眺めることができます。
このステーキは表面に軽い焦げ目があってクリスピー。中心部分はミディアムレアーな焼き加減でモロ好み^m^
焼きの仕上げで酸味のあるソースを軽く回しかけていましたが、あの一手間がかなり生きてる感じです。
肉質も文句なしだし厚みも丁度良い具合。奈良県産だという新米がグイグイ進む極上のステーキでした(^_^)

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【最後に】

『古き良き』的なお店かと思っていましたが、料理はどれも個性的で他で味わえない美味しさがありました。
このスタイルがいつから完成していたのか分かりませんが、どの料理にも唸る旨さがあって大満足です(^_^)
御主人のセンスが随所に光る唯一無二の名店ですね。ここは超気に入ったので是非また再訪したいです。
ご馳走様でした。

  • ほうれん草と松茸のお浸しUP
  • 大根のフライ断面
  • ステーキUP

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4位

清澄の里 粟 (帯解、櫟本 / 日本料理、創作料理、カフェ)

1回

  • 昼の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.1
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2017/12訪問 2018/01/07

山羊がお出迎えしてくれる絶品里山料理のお店

【総評】
最寄駅は帯解(奈良)。でも、そこからの徒歩だと小1時間かかる(実際に歩いた)ので、車での訪問が無難です。
粟は「株式会社粟」と「NPO法人清澄の村」が運営している、奈良の伝統野菜を使う完全予約制のお店です。
清澄の里は奈良市郊外に広がる山里の通称。お店の料理にはこの地で育てた伝統野菜がふんだんに盛り込まれます。
力強い伝統野菜がお店の調理で更に美味しくなる好循環。里山の美しい環境も含めて最高の御馳走です(^_^)

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帯解駅。結構な難読駅名ですが、これで「おびとけ」と読みます。うん、フツーは読めん(^_^;)
最寄り駅は帯解ですがお店のある場所はかなり離れた山里の中。基本は車で訪問した方が良いですね。
『清澄の里 粟』は実際にこの地で栽培した奈良の伝統野菜をふんだんに使った料理を出すお店です。
完全予約制で1日20人程を昼の1回転だけで受付けています。

お店の近くに到着すると周囲は民家に畑・田んぼ・山。飲食店などあろうはずもないような場所です。
小高い丘のような場所のてっぺんにロッジ風の建物と何故か山羊が数頭。なんだ、ココ(^_^;)
ちなみにペーター君は13時30分くらいになると、引き戸を開けて店内に顔を出してきます(写真参照)。

店内は敷居が無く天井の高い広々したフローリングの座敷になっています。テーブルには野菜サンプルが沢山。
みたことの無いような奇妙な形の野菜ですが、これらは全てNPO法人がこの地で栽培した野菜や穀物です。
多くは奈良の伝統野菜ですが、中には宇宙芋なんていう地球外生命体みたいな変わり種の芋もありました。

メニューは3500円・5000円のコース2種類のみ。共に野菜主体のコースでボリュームとデザートで差があります。
中々簡単に訪れることのできない場所なので、今回は5000円のコースにビールを付けて頂くことにしました(^_^)

~粟大和野菜のフルコース 5000円(税別)~

・葡萄ジュース
食前にジュースを頂きます。甘さが自然で口がさっぱりしますね。美味しい(^_^)

・先付け
かぼちゃ・ほうれん草とベーコン・パイ生地(中に豆?)・野菜のクリーム煮の4種類。
色んな野菜が使われた料理がアレコレ。どれも野菜の色が濃くてかぼちゃなんか人参に見えます。
出汁や醤油等で下味をつけた割と簡単な料理ですが、これが滅法旨い。なに、この野菜^m^
食感や味わいといった個々の持ち味がしっかりしている感じです。へぇ~これ旨いよ。

・ローストビーフと湯葉
ローストビーフに使っているのは地元奈良の大和牛。赤身部分を使っていてしっとり仕上がっています(^_^)
締まった肉質ですが固さはなく旨味がギュッと凝縮。ちなみに肉はこのコースではこれで早々に終了です。
湯葉には人参やまなという野菜があしらわれていました。ゆるゆるの口解けと染みた出汁の具合が何とも官能的。

・野菜煮物
季節の葉物・根菜・芋をバランスよく盛り付けた煮物。色合いに麩もあしらわれています。
この煮物は出汁が非常に旨いです。葛でとろみをつけた野菜出汁にじゃこも足してるんだとか(^_^)
こういう煮物ってあっさりしすぎることが多いんですが、これはしっかり食べさせる味わいですね。

・野菜と鰆の豆乳鍋
先程の煮物で使われていた野菜出汁がベース。そこに豆乳のコクが加わって思わず笑みのこぼれる旨さ^m^
出汁だけでもゴクゴクのめる旨さがありますが、この出汁で煮込んだ野菜や鰆がまた一段と旨い。
途中、柚子胡椒で味変させたりして楽しみましたが、柚子胡椒のピリ辛はこの味にメッチャ合います。

・小鉢
錦糸瓜や蕪等の酢漬け。これは野菜の歯触りをかなりストレートに楽しめる食べ方です(^_^)
しっかし、ここまで本当に野菜ばかり。それでいて飽きさせず美味しいものが続くのは本当に凄い。

・野菜天ぷら
衣がふんわり柔らかな天ぷら。野菜が瑞々しいので濡れたようなしっとりした質感があります。
専門店とは違って素朴で家庭的な感じの天ぷらですが、野菜の味わいの濃さは流石(^_^)
ここの野菜はサクサクに揚がるよりもこういう感じの衣が合ってるかもしれません。

・ご飯、みそ汁、ナメコの旨煮、漬物
最後は赤米のご飯に茸入り味噌汁。付け合わせはシンプルにナメコの旨煮と漬物です。
サクッと〆る感じですが、このご飯とみそ汁もかなり旨い。ナメコもイイ味するな~^m^
恐らくこの店は野菜だけじゃ無く味噌や醤油といった調味料にも相当気を使っていますね。

・デザート
粟生(あわなり)という粟餅にチョコレートケーキとフルーツ。粟生は5000円のコース限定です。
粟餅は以前にも食べたことがあったんですが、正直微妙でした。なんというかスカスカなんです(^_^;)
でも、この時食べた粟餅は弾力と粘りが凄くて食べ応え十分。もち米って言われても分からないかも。
粟の現物を見せてもらいましたが背が高くて粒が丸々太っていました。こんな粟もあるんだねぇ。

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【最後に】
いや~、まさか野菜ばっかのコースがここまで楽しめるとは正直思っていませんでした(^_^)
お店の方々のホスピタリティも高く、終始客をあれこれ気遣う姿勢が本当に素晴らしいです。
食材の説明も丁寧ですし、本当に誇りを持って仕事をしているんだなぁと感じました。
場所柄、そうそう訪問できるお店ではありませんが、ここの料理には素晴らしい感動があります(^_^)
季節を変えてまた訪れてみたいですね。ちょっとお目にかかったことの無い素晴らしいお店です。
ご馳走様でした。

  • 野菜煮物
  • 野菜と鰆の豆乳鍋
  • 小鉢

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5位

ラ カンロ (大阪天満宮、南森町、天満橋 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 3.4
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2017/08訪問 2017/09/18

それは正に甘露の味わい…

【総評】
大阪天満宮駅から桜ノ宮方面に徒歩5分ほど。天神橋筋のちょっと手前の小路にあるフレンチのお店です。
こちらの料理は繊細さと重厚さのバランスが絶妙。フレンチの華やぎを新しい形で表現する名店です。
バターや塩を極力控えるモダンなスタイルながら、料理はどれも直球に響いてきます。捻った料理も凄い(^_^)
こちらは記念日やお祝い事といったハレの日に使うための特別なレストランです。

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お店は天神橋筋のちょっと手前。飲食店がまばらでやや閑散とした感じのエリアにあります。
『甘』をモチーフにした看板が小さく出ているだけなので、今までお店に全く気付いていませんでした(^_^;)

建物の奥へ入っていく石畳のアプローチから木製の重厚な扉を開けて店内へ。誘われる感じでワクワクします(^_^)
店内はモノトーンな色遣いで広い木製カウンターに8席のみ。ゴージャスというよりシックで大人って感じです。
厨房の様子はうかがえませんでしたが、ソムリエ兼サービスの男性が1人います。

訪問したのは日曜日の昼時です。基本はディナー営業のお店ですが、日曜日だけは昼も営業しています。
今回は知り合いのお祝い事で利用したので、奮発してランチではなく夜と同じコースを出してもらいました。

ワインはかなり品ぞろえが豊富です。8000円くらいからありますが、上は天井知らずな感じ(^_^;)
そっちで金を使うと凄いことになりそうなので、ソムリエと相談して手頃な赤ワインをボトルで頂きました。
飲むたびにグラスをいろいろ変えてくれましたが、グラスの形状で味が結構変わって面白かったです(^_^)

頂いたコース料理は以下の通りです。料理名はシンプルですが、非常に手の込んだ料理です。
器や盛り付けも大変凝ってます(^_^)

・Amuse:カプレーゼ
普通のカプレーゼではなく『モッツァレラ天ぷら』みたいな料理。チーズにふんわり食感が加わってオツな味わい。
ほんの一口サイズですが、この一品でワインにググッと引き寄せられました(^_^;)

・Gelee:茄子・雲丹
スッポン出汁のジュレと茄子のピューレを纏わせた雲丹のカクテル。旨味の組み合わせ方が何とも巧みです。
個々で美味しい食材を組合せで更に一段上に引き上げています。信じられない程の豊かな風味^m^

・自家製パン
クラスト・クラム共に不思議なムチッとした食感。マスカルポーネが入ってるようなのでその影響みたいです。
カリカリなバゲットも旨いですが、こういうソフトタイプのパンも良いですね(^_^)

・Soupe:イカスミ・パプリカ
パプリカベースのスープにシャーベット状のイカスミが入っています。この店にはいろいろ意表を突かれます。
この冷たさは野菜のフレッシュさを損なわないための演出ですね。なるほど~よく練られてるなぁ(^_^)

・Bagna cauda:グリーンカレー
カレーベースのバーニャカウダです。野菜は下茹でして薄くそぎ切りにしてあるのでソースが馴染みやすいです。
クルクルと丸めてボリュームを再構築しているのも面白いですね。そのままかじるより食感が良いかも(^_^)

・Bar→Poisson(魚料理)に変更:鱸のポワレ・キャビアクリーム
このポワレは火入れが完璧です。生食感がギリギリ失われる一歩手前を狙った瑞々しさ。これ、凄いね^m^
ソースはキャビアの塩気とアサリ出汁等が利いていて主張が強いですが、鱸に力があって上手く釣り合っています。

・Potaufeu:仔牛・鮑
このポトフのメインはスープと鮑です。仔牛は旨味をスープに全部放出してスカスカ。おまけみたいなもんです。
エグみのない仔牛の繊細な出汁に鮑の強烈な旨みが乗っかって、このスープはえらいこと旨くなってます(T_T)
牛肉をスープの材料的に使いきってしまう超贅沢な一杯。うーん、これは凄い。

・Brioche:鰻・フォアグラ
サクサクのブリオッシュに鰻とフォアグラを挟んだ料理。ここにきて脂&脂みたいな強烈コッテリの登場です。
かぶりついた瞬間に鰻とフォアグラの香りと脂の甘味が口の中で弾けます。ぬぁあぐわぁなんじゃコリャ(T_T)
ブリオッシュのほんのりした甘味と香ばしさがこの脂肪分コンビと強烈に合います。何とも凶悪な一発。

・Watermelon:ジン
スイカとパッションフルーツのカクテルです。じゅんさいもはいっていて、なんとも清涼感の高い一杯。
前段のブリオッシュサンドのこってり加減が強烈だったので、この優しい味わいは良い口直しですね(^_^)

・Coffee:ピスタチオ
ピスタチオはムースになっています。珈琲ゼリーのほろ苦さにピスタチオの脂肪分が程良く溶け合います(^_^)

・エスプレッソと軽いお菓子
最後はエスプレッソに一つまみサイズのお菓子が3品。怒涛のように続いた料理からホッと一息離れる瞬間。
この店はエスプレッソもきっちり美味しいですね(^_^)

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【最後に】
フレンチがベースにあることは間違いありませんが、この料理はラ・カンロ仕様のオリジナルです。
ソースや塩に頼らない工夫や仕掛けが随所に施されていて、全く新しい美味を造り上げています。
器も料理をくっきり際立たせる視覚効果があって、見栄えする料理が更に美しく映えています(^_^)
本日のお勘定は1人あたり約24000円。そうそう使えるお店じゃありませんが、満足すること請け合いです。
ご馳走様でした。

  • Brioche 鰻・フォアグラ
  • Potaufeu 仔牛・鮑
  • 鱸のポワレ・キャビアクリーム

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6位

ラッフィナート (芦屋(JR)、芦屋川、打出 / イタリアン)

1回

  • 昼の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2017/11訪問 2017/12/18

くっきり印象に残る味わい

【総評】
JR芦屋駅(兵庫)から徒歩10分ほど。素材への拘りと美味しさを引き出す様々な創意工夫が光るイタリアンです。
色合いや食感や温度にまで配慮が行き届いた多様な調理法は、見た目も非常に美しく味わいも抜群(^_^)
ラッフィナートはイタリア語で『優雅な』の意味。その名の通りゆったり贅沢な空間のリストランテです。

-----------------------------------------

JR芦屋駅から山側の住宅地エリアへ。岸の里ビルという洋館風の建物2階にお店はあります。
都心部のレストランとは一線を課す明るく広々とした店内は、席の間隔もゆったり取られています(^_^)
訪問は代休だった平日の日中ですが、30席弱ある店内は予約で満席の様子でした。かなりの人気店です。

メニューはコースのみでアラカルトはありません。各コースのボリュームは同じで値段は食材の差とのこと。
今回は一番手頃な4000円のコースにして、最初はビールで乾杯。その後赤ワインをボトルで頂きました(^_^)

・甘い人参のスプーマ 生うにとコンソメのゼラティーナ
お店の全コースで出される名物料理。ピューレ上の人参にコンソメのゼリーと雲丹が添えられています。
ピューレは素晴らしくクリーミーで人参の風味がほんのり。コンソメは出汁がギュッと濃厚。
人参のピューレにコンソメゼリーがゆるゆると口の中で合わさってゆくのが何とも快感です(T_T)
名物だけあってこの一品は相当な美味さです。

・はものカルピオーネ
肉厚な鱧を南蛮漬けみたいにしてあります。乳化してドレッシングみたいになったソースは酸味が穏やか。
鱧だけでもかなり旨いですが、野菜との取り合わせがハマっています。この野菜も味が濃くて旨いね(^_^)

・自家製パン
胚芽パンとフォカッチャの2種類でてきました。食感の違うパンを出してくれるのが嬉しい(^_^)
両方とも香りが強くふんわりしています。このままオリーブオイルだけで食べても十分美味しい。
料理と合わせると料理もパンも更に美味しくなります。

・かぼちゃのトルタ
プロシュートコット(加熱ハム)と古代米のリゾットに南瓜のピューレ・ズッキーニのソースがかかっています。
出汁が良く効いたリゾットにチーズの塩気と南瓜の甘味が加わって味わいを更に一段高めています(^_^)
色んな食材を使っていますが、古代米の優しい甘みがその中で埋没していないものお店のセンスですね~

・たこのトマトソース パッケリ
・いろいろなきのこのリングイネ
パスタは温・冷でそれぞれ1種類づつでてきます。この日は蛸が温、きのこが冷製でした。
パッケリはアラビアータみたいな感じですが、ピリ辛は唐辛子ではなくわさび由来。これ面白い(^_^)
リングイネはクリームソースからきのこの香りが物凄く香ってきます。旨味も強く力強い味わい。
どちらか一品だけでも相当満足ですが、贅沢に2種食べ比べをさせてくれる演出が心憎いです。

・鹿のカツレツ
メインは3種類ほど用意がありました。ジビエが好きなので鹿にしましたが珍しいことにカツレツです。
鹿は締った肉質でみっしり詰まってる感じ。充実した歯ごたえで噛みしめる度に赤身の旨味が湧いてきます(^_^)
ややもすれば淡白に感じてしまう鹿肉に衣のザクザク感と油が良い感じのコクを加味しています。これは素晴らしい。

・すだちのお口直し
・ゴルゴンゾーラのスフォルマート 黄イチゴのシェラート
酢橘のグラニテにヨーグルトムースと炭酸の泡が添えられています。爽快ですっきりした味わい(^_^)
スフォルマートの方は一転して濃厚な味わいで、ジェラートの黄イチゴも酸味がパシッと利いています。
ドルチェもタイプの全く違う2種類が出てきて満足度は高いです。

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【最後に】
料理はどれも華があって良く練られています。見栄えもするし食べると抜群に美味しい(^_^)
敷居の高いお店かと思っていましたが、スタッフのサービスは心地よく寛げる良い雰囲気でした。
本日のお勘定は2人で17107円。1人8500円ほどです。この内容ならかなりお得だと思います。
同じく芦屋にあるオステリアヴィヴァーチェも相当良かったですが、こちらも違う方向性で素晴らしいですね。
ご馳走様でした。

  • 甘い人参のエスプーマ 生うにとコンソメのゼラティーナ
  • はものカルピオーネ
  • (説明なし)

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7位

げんや (小路(大阪メトロ)、北巽、今里(近鉄) / 鍋、韓国料理、焼肉)

1回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.1
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 3.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2017/09訪問 2017/10/11

焼肉もかなり旨いけど、基本はちりとり鍋屋

【総評】
小路駅(大阪)から徒歩3分ほど。豊富な焼肉メニューをアテに〆でちりとり鍋を楽しめるお店です。
こちらのちりとり鍋はホルモンや精肉のレベルが高く味付けにもセンスがあって相当旨いです(^_^)
焼肉メニューも鍋の片手間に出しているものではなく、そこらの焼肉屋以上のクオリティ。下処理も完璧です。
安くて旨いを地で行く優良店なので常に客足の絶えない大人気ぶりも納得。めっちゃオススメです。

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お店は内環状線沿いを小路駅から北巽方面に歩いて3分ほど。大きな看板が出ているのですぐに分かります。
店内は厨房に面したカウンターと小上がりやテーブル席がいくつか。思ったよりキャパシティがあって店員も沢山いました。
予め予約してありましたが、フラッと尋ねたら満席の憂き目に遭う可能性大です。あぶねー(^_^;)

こちらはちりとり鍋がお決まりの品です。焼肉系メニューをアテに最後鍋で締めるのが基本的な利用方法。
焼肉系メニューがかなり充実してますが、お店の方も「ウチは鍋屋」とおっしゃっていました。私が焼肉屋と思って訪問してたのは内緒の話です(^_^;)

お店の人の話だと一品の量は多いようなので、焼肉系からハラミとタン、一品料理から牛肉のタタキをチョイス。
〆のちりとり鍋のホルモンや肉は自分でも好きに選べますが、初めてなのでお任せの盛り合わせを一人前にしました。酒はビールです。
この注文内容を2人で食べましたが、これでかなり腹一杯になります(^_^)

・上ハラミ・上塩タン
共になかなかの厚切りで脂乗りも上々。すりごまがたっぷり振りかけられています。
タンは一口食べてその弾力に驚きました。通常柔らかと感じるレベルを大きく上回るブリンブリンな瑞々しい弾力。おお〜ナニコレ?
ハラミも凄いです。どういう下処理をしているのかわかりませんが、瑞々しさと弾力が堪りません。舌触りも超滑らか。肉質の良さに加えて何らかの手間暇で極上に仕上げてる感じ。この2品は絶品です(^_^)

・和牛タタキ
使っているのはモモあたりの赤身主体の部位。焼肉が良かったので追加注文しました。
こちらも肉質はかなり良いですが、かなりあっさり味です。ハラミとかの前に食べた方が良かったですね(^_^;)

・ちりとり鍋
山盛りの野菜にバラやてっちゃんがこれまたたっぷり。コレで一人前?信じられません(^m^)
盛りの良さに目が行きがちですが、この鍋は味付けも絶妙です。甘辛なんですが甘みが上品で辛さにもカドがありません。肉・ホルモン・野菜の旨味も渾然一体となって滅茶滅茶旨いです!
こういう鍋ってスープの味で安物のホルモンとかを誤魔化してるイメージがあったんですが、ここの素材はどれも一級品。脂の旨さも野菜の甘みも堪らん(T_T)

・冷麺
スープ系の味もみたかったので、ちりとり鍋の〆ご飯・麺をパスして単品の冷麺を注文。
思った通り味付けの良さは冷麺でも健在。このスープは旨味豊富で後口スッキリ。硬めなシコシコした歯触りの麺もいい感じ。狙いはズバリ正解でした(^_^)

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【最後に】
メインのちりとり鍋は噂どおり文句なしの旨さ。焼肉のレベルも相当なものです。コレは凄い!
本日のお勘定は1人1人4000円弱。おお~こんなにも旨いのに何という安さ!素晴らしい(^_^)
ここは物凄く気に入りました。再訪必至の名店です。ご馳走さまでした。

  • ちりとり鍋 これで1人前!
  • 上ハラミ
  • 上塩タン

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8位

生ホルモン処 おさむちゃん。 (津久野 / 焼肉、ホルモン)

1回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 3.7
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2017/06訪問 2017/06/27

すごいよ!おさむちゃん 

【総評】
阪和線津久野駅(大阪)から徒歩20分強。おさむちゃん(店主)と奥様お二人で切り盛りする焼肉とホルモンのお店です。
おさむちゃんが繰り出す絶品料理と楽しいトークとサービスに大ハマりしてしまう人多数。常に予約で満席です(^_^)
食材レベルが高いのは勿論、カットの仕方や多様な味付けも相まって目一杯肉とホルモンを楽しむことができます。
駅から遠い幹線道路沿いという一般的には飲食店に適さない不便な場所ですが、わざわざ足を運ぶ価値アリの名店です。
ちなみに人気&小キャパにつき予約は相当困難です。興味の湧いた方は気合を入れて電話してください(^_^;)

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お店は角地の形状そのままの変則&狭い造りになっています。立地も外観もここが人気店とは到底思えません(^_^;)
ガスコンロの仕込まれたカウンターのみの店内は、厨房も席間隔もかなり狭く客同士が肩寄せ合う感じになります。

定番メニューは一応ありますが、この店ではアラカルトよりもおさむちゃんに任せてしまった方が絶対楽しめます。
仕入れによって常時出せない希少部位もあるので、そういうのはレビューから割愛(ちなみに2品出てきました)しました。

・もやしのナムル・キムチ盛合せ
シャキシャキ食感が残ったもやしで甘味もしっかり。トウモロコシを連想させる旨みの強いナムルです(^_^)
そして圧巻は何といってもキムチ盛り。定番食材以外になんと苺・プチトマト・アボガドまであります!?
やや浅漬けでオキアミ等のうまみ成分が豊富。野菜やフルーツの甘さを旨く引き立てています。苺も旨いね^m^

・牛タン
黒毛和牛は舌も色が黒っぽくて『これが本物です』とおさむちゃんが誇らしげに見せてくれました(^_^)
梅ダレと本わさびで頂きましたが、流石本物と自慢するだけあってこの牛タンは旨味が濃くて凄い脂乗り。
適度にムチムチしつつもサクッと噛み切れる超気持ち良い食感で、牛タンとして完璧な旨さですね。

・みすじ焼きしゃぶ
極薄にカットして表面を炙る程度に加熱したらにんにくチップと自家製ポン酢を乗せてくるくる巻きとります。
ふんわりした食感で脂も肉もスッと口の中で溶けてしまいます。ぬあぉあ、コレ悶絶物の旨さです(T_T)
薄切り&多重層だとこんなにもふんわりとするんですね。にんにくチップもいい仕事してます。

・ハラミ
刺しは程ほどで筋繊維が熟成で柔らかにほどけています。かぁあ、こりゃ見るからに旨そうじゃないのさ^m^
ミディアムレア位に炙って頂くと肉汁と旨味が口の中に一気に大放出。赤身の旨味も脂身の甘さも完璧。
変に油ギッシュなハラミよりも私はこういうタイプの方が数段好みです。こりゃ飯が進みますな~

・ホルモン
アカセン・シマチョウ・ウルテ・タンツラの4部位をこってり味の味噌ダレで(^_^)
おさむちゃんの扱うホルモンは精肉に負けないレベルでどれも極上。特に縞が美しくでたシマチョウは絶品です。
カット前の状態も見せてくれましたが、ホルモン越しに覗きこんできたりと、おさむちゃん動きが面白すぎます(^_^;)

・クッパ
カットで半端になった色んな精肉やホルモンをこれでもかとぶち込んだクッパ。ある意味この店一番の贅沢品。
肉のうまみを凝縮した感じの濃厚さで、ピリ辛に仕上げてあるのがまた泣かせます。このクッパも旨いな~^m^

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【最後に】
料理はこんな狭い店でよくぞこれほどの品数を捌けるものだと感心する充実ぶり。やるなぁ、おさむちゃん(^_^)
一般的にホルモン屋の御主人ってつっけんどんな対応であることが多いですが、こちらはサービス精神が超旺盛。
材料の説明も徹底的にしてくれるし仕入れ先からカットの秘訣まで何でもかんでも詳しく教えてくれます。
時に冗談も交えつつ楽しそうに調理しまくるおさむちゃんを見るだけで、こちらも楽しくなってきますね(^_^)
本日のお勘定は〆て8500円。最高級の肉も喰いまくってこの値段に収まったのはかなり良心的だと思います。
相当な予約難の人気店ですが、ここはまた是非来たいですね。ご馳走様でした。

  • アカセン
  • 黒毛和牛のタン
  • ハラミ

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9位

(奈良、近鉄奈良 / 日本料理)

1回

  • 昼の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2017/05訪問 2017/06/03

輪郭のくっきりした印象に残る料理の数々

【総評】
JR奈良駅から徒歩5分ほど。住宅街の緑道沿いでひっそりと営業している和食のお店です。
某有名料亭や海外でも腕を振るったというご主人の造る料理は力強さと可憐さが絶妙なバランスで同居。
見た目の美しさとは裏腹に意外と強めな味付けですが、食材の持ち味がしっかり活きているのは流石の一言。
出汁の味わい・食感の演出・組合せ・盛り付けの美しさと、どれをとっても一級の和食を楽しめます(^_^)

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お店は飲食店などありそうもない静かな住宅街の緑地沿いの一角にあります。看板も暖簾もありません(^_^;)
灰色の塗壁に小さく『白』と書かれただけの超目立たない外観なので、最初気付かずに通り過ぎてしまいました。
読みは白と書いて「つくも」ですが、これは漢字の百から一を引いた九十九(つくも)を白に見立てた言葉ですね。

店内は磨きこまれた立派なカウンターとテーブル席が少々。調理はご主人と男性がもう一人。女将さんが一人います。
昼のメニューはアラカルトではなく精進料理か一汁三菜のコースの2つ(共に5000円)。酒は奈良の地酒が中心ですね。
今回は一汁三菜のコースに櫛羅を冷やで頂くことにしました(^_^)

・八寸
アスパラガスの茶碗蒸し、アイナメの天ぷら(卯の花使用)と筍、クサガレイの塩焼き、本鱒の土佐酢ジュレ添えの4品。
この八寸には唸りました。味付けもそうですが食感の演出や食材の組み合わせに至るまでどれも素晴らしいです(^_^)
特に気に入ったのは茶碗蒸し。自然農法の卵を使っていて出汁はひね鳥でしっかり。アスパラの甘味とも絶妙に合います。
土佐酢ジュレで食べる本鱒も非常に良かった。ジュレは生食感を損なわないしだけでなく瑞々しさが一段増します。

・お椀
新じゃが饅頭とホラ貝という何とも珍しい組み合わせ。別添えで大和当帰という山菜の天ぷらもついてきました。
このお椀は出汁が素晴らしく上品で旨いです。油ものと合わせてコクも加味。シコシコしたホラ貝とも好相性(^_^)
個性の強い食材を組み合わせているにもかかわらず、全体のバランスはピタッとハマっています。凄いお椀ですね。

・天丼
〆は天丼・蕎麦・牛肉のしぐれ煮丼(料金割増)等、いくつかから自分で選べます。今回は天丼にしてみました。
米は奈良県産のヒノヒカリでネタは海老・コシアブラ・えのき茸・人参等。このお店は奈良の食材をかなり多用します。
先程のお椀で頂いた天ぷらも素晴らしかったですが、この天丼の天ぷらもサックリ軽く上がっていて大変な美味(^_^)
天つゆは控え目ですがしっかり旨味が利いていて、そこに自家製の十七味を振りかけると味に奥行きがでて更に旨さUP。
この天丼は加熱と衣の食感で食材の持ち味が巧みに引き出されています。味付けも秀逸で専門店より旨いかも(^_^;)

・デザート
最後は純米大吟醸の羽二重アイスに苺・キウイフルーツをあしらったデザートで口をさっぱりさせます(^_^)
フルーツをあまり捻って出されるのは好みじゃないので、こういう提供のされ方は大歓迎。とても美味しいです。

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【最後に】
噂には聞いていましたがこの店本当に凄いです。どの料理も味わいの輪郭がクッキリしていて余韻が素晴らしい(^_^)
手間暇の全てがちゃんと計算されていて余すことなく旨さにつながっている感じ。盛り付けや器も大変美しいです。
普段は焼肉だの中華だのばかり食っている私ですが、ここの料理は心に訴えかけてくる強いインパクトがありました。
本日のお勘定は2人で〆て12096円。この内容で1人約6000円は相当お得だと思います。いや~良いお店だなぁ。
今度は夜に伺ってコースをしっかりと頂いてみたいです。ご馳走様でした。

  • 八寸
  • お椀
  • 天丼UP

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10位

リストランテ ハナタニ (三宮(神戸市営)、三ノ宮(JR)、神戸三宮(阪急) / イタリアン、ワインバー、パスタ)

1回

  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥6,000~¥7,999

2017/10訪問 2017/10/25

オイルと塩の加減が絶妙

【総評】
三宮各駅(兵庫)から徒歩7分ほど。ミシュランガイド掲載(ビブグルマン)の大人気イタリアンです。
こちらの料理は塩やオイルの使い方が絶妙で、スタンダードなイタリアンでありながらかなりの旨さ(^_^)
基本的なことを徹底している凄味とでもいうのでしょうか。食材が生き生きと皿の上で輝きを放ちます。
適度に高級感があってホスピタリティの高いサービスも心地よい、なんとも素晴らしいリストランテです。

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お店は神戸中央協会のすぐ近く。小さく「HANATANI」と書かれた黄色のテントが目印の洒落た外観です。
2016年7月に2軒隣りから移転した際に、店名をオステリアから現在のリストランテハナタニと変更しています。

店内はカウンターとベンチシートタイプのテーブル席に奥が個室風な一角になっています。30席分ほどでしょうか。
明るく開放的な造りで床・壁は重厚感のある石材を使用。カジュアルな中にも程良く高級感があります(^_^)
人気と聞いていたので予め予約(2名)してありましたが、訪問時はやはり満席。フラッと立ち寄るのは難しそうです。

ランチはコースが3000円・3600円・6000円の3種類。アラカルトもありますがオススメはやはりコースとのこと。
今回は3600円のコースと最初はシャンパーニュ。その後は赤のグラスワインを頂きました。

・小皿:オルトラーナ(野菜の前菜)
トマト・万願寺とうがらし・茄子・アスパラガス?等に塩をしてオリーブオイルで軽く和えた一品。
塩気はかなり控えめでオイルはやや多め。この加減がなんとも絶妙で野菜の輪郭をグッと引き締めます(^_^)
一見するとなんてことない料理ですが、いきなりやられた感じです。

・自家製パン
焼き色が淡くしっとりソフトな質感。フランスパンとは大分違うずっしり重い質感でかなり旨い(^_^)

・前菜:一本釣りの鰤のカルパッチョ
この鰤は色合いが何とも美しいです。薄いカットですがそれでもシコシコした歯触りが何とも爽快(^_^)
オルトナーラ同様に淡い感じの味付けなんですが、それが鰤本来の旨さを際立たせています。これも凄いね。

・パスタ:トルテッリ(ほうれん草とリコッタチーズ)
・パスタ:ブラウンマッシュルームと椎茸のパスタ
1皿のボリュームを抑える代わりに2種類出してくれました。こういう融通の利かせ方は嬉しいです(^_^)
トルテッリはほうれん草ペーストにチーズのコクがブレンドされていて、封じ込めた香りが鼻孔を駆け抜けます。
パスタの方は細めの平麺。麺自体はやや硬めで啜ると空気を含んだような感じになります。この食感面白いな~
両方とも自家製みたいですが、この店はパスタだけ食ってもかなり満足出来ると思います。素晴らしい。

・大山豚のシンプルなロースト
使っているのは赤身主体の肩ロースあたりでしょうか?分厚くカットされていて焼き色は淡いピンク(^_^)
じゃがいもペーストとパセリのソースとともに頂きますが、この豚肉は噛み潰た時の充実感が凄いです。
歯に吸いつくような瑞々しさがありつつ弾力もしっかり。脂身の甘味にパセリの風味が合わさるのがまた旨い(T_T)
シンプルなんて表記されていますが、焼きの絶妙さといい食材の組み合わせといい、全ては計算づくの一品です。

・チーズケーキ
・ティラミス
両方ともシンプルですが生地本体の造り込みが丁寧でかなり旨いです。濃厚なのに重さを感じない上品な味わい(^_^)
特にチーズケーキはスイーツ専門店で食べるより旨いかもしれません。かなりオススメ。

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【最後に】
味付けはどれも繊細ですが控え目とイコールではありません。食材の持ち味とのバランスの取り方が絶妙(^_^)
安易に塩をふる料理よりもこういう方がはるかにセンスを感じます。そして食べてみると実際にかなりの美味。
自家製パスタも良くできているしドルチェのレベルも高い。料理全般にハイレベルでコース全般に大満足です。
本日のお勘定は1人6000円ちょっと。この内容なら十分すぎるほどお得ですね。流石人気になるだけあります。
ご馳走様でした。

  • 大山豚のシンプルなロースト
  • ブラウンマッシュルームと椎茸のパスタ
  • トルテッリ(ほうれん草とリコッタチーズ)

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