レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2012/11訪問 2010/08/28
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今回の特別レビウは鶯谷駅から程近い場所にある
「よ~かんちゃん」を紹介します。
ラブホテルが密集している地域といえばこの界隈に
明るい方には分かりやすいでしょうか。
業態的にはスナックになるお店です。SMAPの番組で
取り上げられたこともあるので、行ったことは無くても
名前は知っている方は多いのではないでしょうか。
完全紹介制の店です。
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☆ ディズニーランドのような ☆
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店に入ってまず驚くのはあまりにも煌びやかな空間で
あることです。写真ではなく実際に見てみると思って
いたような雑多な感じではなく、極めて統一感のある
空間であることに気がつきます。
私はディズニーランドを連想しました。
極めて異質ではありながら客に落ち着きすら生み出す
空間。この空間を作り出すことにかなりの時間を使って
いることが想像されます。もてなしの心のひとつです。
クリスマスの時期はとんでもないことになるそうです。
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☆ 元浅草芸人 ☆
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よ~かんちゃんは71歳。かなり昔、名前を言ったら誰もが
知っているであろう方とコンビを組んでいました。
夢をかなえるために芸人を辞めました。
自分の店を持ち、ひとりひとりの客に向けて歌う。
夢をかなえた男性がいます。
こちらの店がオープンしてから31年。
元気をもらうことが出来るのは、よ~かんちゃんがとにかく
一期一会を大事にして真剣だからではないでしょうか。
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☆ 完全紹介制 ☆
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SMAPの番組で取り上げられたこともありますし、中村
勘三郎さんが大ファンということを公言してはばからない
こともあって、行ってみたいと思った方も多いと思います。
ただ、こちらの店は完全紹介制です。
店に行ってその理由であり意図が分かりました。
よ~かんちゃんは客ひとりひとりに向けて歌います。
予約の段階で紹介者を通じて参加者のおおまかな人物
像を聞いていると思いますし、当日、ショーの前に私達の
席に座り名前やどこから来たかを聞きます。
それらの情報を全部覚えているのです。
自分の仕事を振り返ってもここまで丁寧に出来るかと
考えさせられました。ルーティンワークにならないのは
まさに毎日違う客とまっすぐ向き合っているからです。
一期一会の気持ち。だからこそ伝わるものがあります。
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☆ 内助の功 ☆
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みんなで合いの手を入れながらショーは進みます。
そのとき、ひときわ大きな声に気がつきます。
その声はよ~かんちゃんの奥様なのです。
こちらのお店がオープンしてから31年。
決して順風満帆だったとは思いません。
でも、よ~かんちゃんの一番のファンが一番近い場所
にいました。それはとても素晴らしいことです。
私はその事実にも心を揺さぶられたのです。
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☆ ライフ・イズ・ビューティフル ☆
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今回、あえてショーの詳細には言及しません。
ただ、訪問して時間が経っているのもかかわらず、
目を閉じると幻想的な空間が今も思い出されます。
人生はいろいろなことがあるけど、過去の出来事の
全て受け入れて前に進もうと思った夜でした。
唯一無二。満点。
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2位
1回
2013/07訪問 2015/11/11
2012.02
その日降っていた雪は雨に変わりつつあった。震災直後の訪問以来だから約一年ぶり。何度か予約を試みるも、日程が合わずにこのタイミングに。人気の高さは相変わらず。ご主人の接客の気持ちよさも相変わらず。
写真が今回食べたものの全てで、出た順番通りに掲載。唯一、弱点というか、他の江戸前鮨屋と比較して落ちるなあと感じていた玉が大きく変わったのが大きな驚きだった。「半年前に大きく見直しました」とのこと。
青空や鮨なんばの大好きな玉に似ている印象で私の好み。これでおまかせの流れの中で違和感を感じるタネは無くなった。小肌や金目鯛といったような店の魅力を表すタネは今まで通りに安定感がある。
舎利は「沈む鮨」系のもので、これはほぼ完成系なのかな。私はもうちょっといろいろな意味で固いほうが好みなんだけど、これはこれで好きな人は多いとは思う。試行錯誤のなかで、現在の状態に落ち着いた印象。
「美味しい鮨とは何ですか?」という頓珍漢な質問に対して、丁寧に「舎利の違い」と答えてくれた。タネ質は最上級ではないとは思う。でも今までと変わらないように、舎利やタネの熟成へのこだわりはとても真摯なもの。
初めて杉田さんと出会ったとき、例えば、仰木監督がイチローに対して感じたであろう、成長過程におけるある種の狂気のようなものを感じた。今の状態は、よくも悪くもバランス感がある万人受けする方向に進んでいる。
今の状態で果たして満点の好みかと聞かれると難しい部分も正直ある。でも、江戸前鮨が好きになって、いくつかの店を開拓する気持ちにさせてくれたのは都寿司のおかげでもある。そういう意味で変わらずに大好き。
今回も気持ちのよい時間を過ごすことができた。同行者も喜んでくれた。店を出たら雨は上がっていた。否。雨が降っていてもそうでなくても空を見上げる必要なんてなかった。前を向いて歩いていこうと思う。満点。
2011.03
「今回の地震、大丈夫でしたか?」
杉田さんの第一声。まずは客の事を心配するのが杉田さんらしいと思った。当日予約の際に「タネがいつものように集まっていないし、舎利も普段の米と違います。それでもよろしいですか?」との問いがあった。私はそれで構わないと答えた。
計画停電が経済の復興に大きな影を落とす。飲食店の予約キャンセルが相次いでいる。都寿司もご多聞にもれず、地震当日から数日間はキャンセルの嵐だったと聞く。でも、この日は満席だった。いつもの活気があった。
一時的な料理内容なので詳細の言及は避けるが、確かに舎利に大きな違いを感じた。いつもと違う米を最適化するために握り加減も変えていた。正直、私の好みど真ん中ではなかった。でも試行錯誤しているのは伝わってきた。
大変な状況なんだろうと思う。でも、それを表情に出さず目の前にいる客に全力を尽くす。私は杉田さんを励ますつもりで店に来た。でも逆に私が励まされた。ああ、今やるべきことはこういうことなんだなあと。
今手に入るものを使って過去の習慣を捨てて今のために最大限の努力をする。そんな鮨だった。普段のほうがいいのは当たり前である。でも、この前向きな努力が地震を経験した私達が乗り越えるために必要なんだ。
私達の生活は普段とは大きく変わってしまった。電気が使いたいようには使えない。電車も通常ダイヤではない。人によっては住む場所も変らざるを得なかった人もいる。普段通りのパフォーマンスは無理かもしれない。
でも、今目の前にある自分が出来ることをとにかくやり遂げる。もちろん、将来の夢や希望を忘れずに。それが大事なんだと改めて思った。そんな夜だった。
地震を乗り越えた、とはっきり言えるときがいつになるのか正直分からない。でも乗り越えたときに、杉田さんの鮨を食べたいなと強く思った。不完全であるからこその勇気。前に進むしかない。満点。
2010.10
3回目の訪問。4月→7月→10月の流れ。本当は毎月来たい気分なんだけど予定が合わなくてのこのタイミング。2回転目の19時30分に訪問。選べる環境なら1回転目よりも2回転目のほうがゆっくり食べられるからおススメ。最近はさらに予約取りにくくなっている。
詳細内容は1回目、2回目にあるので割愛。つまみも4月の頃と比較してかなりよくなっている印象。+3,000円でつまみも食べられるわけだからにぎりだけというのはこちらの店に関してはもったいないと思う。
NHKで江戸前鮨について語る番組があって、青空や鮨かねさかの大将と一緒に杉田さんも出演していた。そのときに話していた内容が強く納得できる内容だった。
1回目のレビウにあるように、私がこちらの店に衝撃を受けたのは舎利の抜群の相性と小肌なんだけど、杉田さんは「舎利は全体の8割を決める」「小肌が4番打者。4番打者を一番最初に出してこちらの流れに引き込む」と。
決められたコストの中では鮪やら雲丹やらの所謂「分かりやすいけど高額なもの」をメインには出来ない。だからこその江戸前仕事を突き詰めての小肌。私はこちらの店に来るまで小肌というものを誤解していた。
銀座の頂上店に行けば、こちらの店よりも上質な鮨が食べられるのかもしれない。でも支払いはおそらく倍以上になる。この支払いでこの食後感。やっぱり私は他に比較する対象を見つけることが出来ない。
同行者にもとっても喜んで頂いた。江戸前鮨に関わらず全ての飲食店の中で一番好きな店なので喜んでもらえるととても嬉しい。何かいろいろ語ってたら、「これだから鮨オタは駄目なんだ」とか言われたけど。笑
杉田さんに1回目と同じ質問をした。「移転の予定はあるんですか?」と。同じ答えだった。「ありませんと。」それは前回の答えよりもはるかに自信に満ちた答えだった。このスタイルでまだまだ出来ることがいっぱいあると考えているんだと思う。
杉田さんが街場寿司出身であることを私はネガティブには捉えない。店を好きになることを人を好きになることと似ていると考えてみると分かりやすい。私は誰かのことを好きになるときに親がどうかということは考えたりしない。それと同じこと。杉田さんの鮨に対してどう感じるのかという事にしか答えは存在しない。
大好きな作家である太宰治の『晩年』の冒頭からの引用。ちなみに彼がこの作品を書いたのは27歳のとき。
「死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った」
わたしはこの鮨があれば生きていける。生きる理由のひとつに成り得る至高の江戸前鮨。5年後、10年後にどんな成長しているんだろうか。杉田さんの握る鮨も、何より私自身も。満点。
2010.07
再訪。写真を追加。当日予約で何回か振られていて満を持しての訪問。杉田さんは私が前回4月に訪問したことや何を食べたかを全て覚えていた。で、今回の結論から言うと前回より満足度は高かった。初訪問で満点を付けた自分の判断は間違えていなかった。自信が確信に変わる瞬間。
今回特によかったのはつまみの充実振り。前回は正直にぎりは最高だったけど、つまみは弱いなあと感じていたので、この全体を通してのバランスのよさは嬉しい誤算というか。こんな短期間でさらに一段上に行くものなのか。
鮨さいとうって何がすごいのかというと、おまかせをコースとして捉えたときの全体の流れの素晴らしさが他と比較して抜きん出ているってことなんだけど、それに近い水準を今回のおまかせから感じた。個々のネタでは鮨さいとうに勝ってるものもいくつかあるし。値段は鮨さいとうの半値に近い水準なのにね。
今回食べたもの一覧。何か抜けてるかもしれない。
<つき出し>
-なすのおひたし
<つまみ>
眞子鰈
蒸し鮑
鳥貝 ◎
山葵鱈子
鮟鱇肝 ○
帆立磯辺焼き
ねぎま焼き
<にぎり>
小肌
鯛 ○
春子 ◎
鰹 ○
鮪中トロ
鯵 ○
金目鯛 ◎
小柱軍艦
雲丹
穴子塩 ◎
玉
お椀
<酒>
生ビール2杯(ドイツビール)
黒龍3合
で、2万円を余裕で切る価格。やっぱり自腹で江戸前鮨を食べるという基準でこちらの店に敵う店を私は知らない。接待を受けるなら銀座の鮨屋で華やかな空間で食べればいいんだろうけど、こちらの店は支払いに対する納得度が抜群。この食後感でこの値段っていうのが素直に嬉しい。
つまみはどれもよかった。ハイライトは鳥貝。時期ズレだけど、生臭さを排除して甘さを際立たせたものでかなり秀逸。新ばししみづで味わった最高水準の鳥貝にかなり近いもの。これは驚いた。
にぎりは相変わらずの大安定。小柱軍艦は海苔が青空ほど美味しくないこともあって、「まあ、こんあものかなあ」という感じだけど、後は全て納得の水準。前回感動した小肌は時期ズレもあって前回ほどの感動は無かったけど、おぼろを使って必死に抵抗していた仕事振りは相変わらずさすがというか。
にぎりで特によかったのは前回同様に鯵、金目鯛あたりもそうなんだけど、それ以外では穴子。時期がいいというのもあるのかな。4月の写真と比較してもらえば何となく違いが分かるかな。青空のようにやわらかくて舎利を包み込むタイプ。秀逸。
舎利は塩の使い方とかを若干微調整している感じでポジティブな試行錯誤は続いている。
今回、遅い時間に伺ったので杉田さんといろいろお話をする時間があった。向上心があって仕事に対してまっすぐな姿勢は本当に人間的に尊敬出来る。杉田さんの下で働く弟子も大きく育っていくのでは。
同じ時間帯に食べていた感じのよい美男美女のカップルに話しかけられていろいろ話していたんだけど、こちらの店には徒歩で来て、江戸前鮨屋はここしか知りませんと。羨ましいなあ。
このおふたりのように近隣住民の自腹でいいもの食べたいってときの筆頭の候補がこちらの店なんだろうな。銀座の鮨屋とかとは明らかに客層も違って、私はこういう雰囲気も嫌いではない。
近くにマンションを買おうか真剣に考えた夜。私が人生で出会った江戸前鮨屋で一番好きな店。これからの成長も本当に楽しみ。満点。
2010.04
馬喰横山駅から歩くのが一番近い。東日本橋駅からも歩ける。透明のガラスケースからも感じられる街場の寿司屋感。ハレの日に使う店ではないのかもしれない。寿司ネタも銀座の頂上店と比較すると負けるのかもしれない。
でも、出会ってしまった。真摯な江戸前仕事。舎利の抜群の相性。もてなしの心の接客。極めて真っ当なお値段。私が寿司屋に求めるほぼ全ての要素を兼ね備えた奇蹟の寿司屋に。
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8,000円のにぎりおまかせと11,000円のつまみからのおまかせの2種。当然のように11,000円を選ぶ。もっと食べたような気もするので何か抜けているのかもしれない。
<つきだし>
-空豆
<つまみ>
眞子鰈
細魚
白魚酒蒸
コノワタの茶碗蒸 ◎
鰆 ○
<つまみ追加>
カラスミ
鮟鱇肝 ◎
<にぎり>
小肌 ◎
鯛 ○
春子昆布〆 ◎
鮪ヅケ ○
鮪中トロ ○
鯵 ○
鰆 ○
平貝
車海老
紫雲丹 ○
穴子ツメ
お椀
<酒>
生ビール1杯(ドイツビール)
黒龍5合
で、2万円を切る支払い。追加もしたし酒も普段よりたくさん飲んでこの支払いなので、これからもこのラインで収まるという安心感。鮨さいとうで3万円、青空で4万円払った人間としてはこのレベルの寿司がこの値段で食べられることが嬉しい誤算。
酒の値付けは高くない。品揃えもまあまあ。日本酒はもうちょっと幅広い価格帯のものがあるといいかなあという印象。
つまみ。
つまみはちょっと弱い部分もある。細魚は青空のほうに味付けで軍配が上がるし、カラスミの酒の肴感でも寿々に勝てない。ただ、コノワタの茶碗蒸は抜群だったなー。コノワタの強い風味と茶碗蒸しの包容力のある優しさが強烈にマリアージュして酒の肴として完璧だった。
にぎり。
最初に食べた小肌で完全にノックアウトされた。人生最高の小肌。ネタが最高なのではない。江戸前仕事を施された小肌として最高。塩の効いた舎利と優しいけれど持続する〆具合のバランスが素晴らしい。
舎利の相性が私の人生で一番。オーダーメイドで作った服のように完璧。大きすぎず小さすぎずのサイズ、舎利自体は固めで握り加減も固すぎず柔らかすぎずで口に入れた瞬間にネタと一体感を持って口の中で広がる。温度も米の銘柄も全部が好み。塩と酢もキチンと主張していて且つ強すぎない。
至高の江戸前仕事。
この立地で最上級のネタを使って最上級の値段で、というのは難しいんだと思う。11,000円のおまかせという制限の中での最上級のネタ。それは妥協、ではない。むしろ至高の江戸前仕事が際立つ形になっている。
素材と真摯に向き合う姿勢。これは美味しいとかの次元ではない。心を揺さぶられる。心意気に対して。
鮪の熟成感のご機嫌さは鮨さいとうに匹敵するもの。春子昆布〆も絶妙な〆具合。衝撃。こんなに素晴らしい寿司職人が馬喰横山にいるんだ。
杉田さんは鮨さいとうの斎藤さんとは一学年下、青空の高橋さんはと同じ年齢の方。接客は極めて誠実で丁寧。いい意味で寿司職人っぽくないというか。給仕や弟子への指示出しも見事。接客面でも不満は一切無し。
私は杉田さんに移転の可能性を聞いた。この場所でこのスタイルで続けて欲しいとの思いからの質問。最初はこだわりがあってこの場所で始めたわけではないけど、今はこの場所が好きと言っていた。
地元から愛される店。でも、地元だけに独占させられない名店。この界隈に住んでいる人が羨ましい。
満点。もちろん完璧の店ではない。でも修行先を超える努力は並大抵のものではない。今の姿勢があれば、この店はさらに成長していくはず。このお店の寿司を食べるために、これからも仕事を頑張ろう。
3位
1回
2012/02訪問 2012/02/18
まずはカナユニについて知っておくべきことをいくつか。
1966年創業。ビートルズが来日して日本武道館で公演をした年と言えば分かる人には分かるか。日本の総人口が1億人を突破した年でもある。まだ私が生まれていない年に創業したレストラン。
当時のレストラン事情はよく分からないけど、かなり時代の先をいっていたというのは想像に難くない。今から44年前だからね。で、店名が「かなりユニーク」の略。で、カナユニ。
はじめて日本のレストランで提供したものがいくつか。サングリア、エスプレッソ、キール、ボジョレーヌーヴォー。今はキールを食前酒として飲むことは普通のことになっているけど、当時はそうではなかったはず。
料理のカテゴリーとしては欧風料理。広義では洋食という表現も出来る。三島由紀夫が愛したといわれているオニオングラタンスープやタルタルステーキが特に有名なメニウになる。
三島由紀夫がカナユニの広告文の文章でオニオングラタンスープに言及している。広告文を書いた事が必ずしも愛したということとつながらないとは思うが、一応、三島由紀夫が愛したということになっている。
前振りが長かったけど、これから本文。
今回の訪問で3回目。料理をフルに食べてワインも飲んで、という使い方だとひとり2万弱くらいかかる感じ。今回は3軒目なのでワインバー的な活用。お腹の空き具合を聞いてくれて、お腹があまり空いていない状態であれば、頼めばハーフポーションをふたりで分けるというようなことにも柔軟に対応してくれる。軽い使い方だと5,000円くらいから。
オニオングラタンスープとタルタルステーキはいつも必ず頼む。完成された味。厨房に30年以上勤務されている方がいるといっていたので変わらない味を忠実に守っているんだろうと思う。進化していくことは大事。同じように大切なものを変わらず守り続けるということも大事なことだと思う。
生演奏を聞きながら、昭和の魅力が強く感じる空間で三島由紀夫が愛したオニオングラタンスープを食べ、日本で始めて供されたサングリアを飲む。変わらずに僕らの前に存在していることにただただ心揺さぶられる。
もし飲食店を将来的に経営する可能性がある方、もしくは既に飲食店を経営されている方は是非一度足を運んで欲しい。接客が完璧。客のひとりひとりと向き合い、客のために何が出来るかを常に考えている。サービスの面においてこちらの店に敵う店を私は知らない。
今回、何人かで接客してもらったが、そのうちのおひとりは19歳から働いてもうすぐ勤務が40年になるという。大卒のサラリーマンが定年を迎えるよりも長く働いている。カナユニこそ自分の人生。
私はその彼に言った。「カナユニは本当に素晴らしいレストランですね。大好きです」と。それは彼自身を肯定することに他ならない。非常に嬉しそうにしていた。もちろん、私もそれは嬉しかった。
カナユニの鍵を開ける勇気さえあれば、僕らは出会うことが出来る。昭和モダンの幻想的な空間で創業当時の客人たちは当時何を思っていたのか。考えるだけで僕らは胸が熱くなる。
僕らの横にたまたま有名な芸能人が座っていた。それすらも違和感が無い空間。僕らは過去を尊敬するからこそ前に進むことが出来る。変わらない事の大切さを感じた夜。唯一無二の世界。
4位
1回
2014/11訪問 2014/12/25
2011.04
ミシュラン掲載。食べログで焼鳥ランキングで全国1位。でも変わらない。相も変わらず女将さんの電話応対は心地いい。電話で直前予約を断られても、この対応の誠実さであれば、決して嫌な気分はしない。
もてなしの心、というのとはちょっと違う気がする。一生懸命、というのが適している気がする。18席の焼きに徹しながらも、客の動きをきちんと見ているご主人の臨場感を堪能するだけでも楽しい。そんな空間。
味は以前よりも若干濃い目、強めになった印象がする。酒飲みとしては許容範囲か。以前も書いた「素材を信じた意思のある焼き」は健在。外す串がない。全ての串が最適の状態で供される。
料理の意思ほど酒の品揃えに強い意志を感じないのが残念。ありがちなアッパー系居酒屋のような意思のない品揃えというか。悪くは無いけれど、焼鳥の頂上店として考えると、物足りないと思うのも事実。
材料が残っていれば、お土産を頼む事が出来る。「お弁当」と呼ばれていた。2,200円。見るからに美味しそうなそれを注文しようとしたが、材料がなく頼む事は出来なかった。予約時にお土産をお願いする事も可能。
予約が取り難いのが難点。というか、予約が取り難くて当たり前の店。写真の料理で4,000円程度かな。納得価格でご主人と女将さんの一生懸命を感じながら最高水準の焼鳥を楽しむことが出来る最高の店。満点。
2010.06
当日予約なんて絶対無理な超繁盛店のこちらの店に当日予約の電話。
私「今日行きたいんですが・・・。」
店主「申し訳ございません。生憎本日は予約でいっぱいでして・・・。」
ここまでは想定の範囲内。もちろん諦めない。
私「遅くなってもかまわないので、席があくまで待ちますので・・・。」←かなり健気
店主「時間や席の確保はお約束できませんが、それでもよろしいでしょうか。」
私「家、近くなので大丈夫です。電話もらったらすぐに行きます。」←かなり健気
店主「了解しました。席が空き次第、電話させて頂きます。」
何とか当日予約OK。で、21時過ぎに席が空いた旨の電話がかかってきた。まあ、この日は体が空くのは21時くらいからだったのでちょうどよかった。こんな感じで時間は分からないし日によっては無理な場合があるけれど、何とか当日予約が可能。
食べたもの一覧。木札を見ながらのお好みも出来るけれど、今回はおまかせでの注文。「ストップしてと言うまで出し続けるのでお腹がいっぱいになったら言ってくださいね」というスタイル。
●さび
●血肝
●白玉
●銀杏
●背肝
●合鴨
●つくね
●アスパラ
●波
●砂肝
●ぼん
●膝の軟骨
●小玉葱
●ちょうちん
●はつもと
○焼きおにぎり
○スープ
○お新香
これで5,000円。食べる量によって値段も変動するけれど、普通に食べたら5,000~6,000円くらいに収まると思う。目黒駅すぐの立地でそれなりの設えの空間で昇天・超絶レベルの味の焼き鳥って考えると高いということはないかな。
夜の5,000円の食事でここまで満足感が高いものってほとんどないと思う。変なチェーン系居酒屋とか行っても料理だけで5,000円とか普通にいっちゃうでしょ。それを考えたらもう全然満足度が違う。
何が凄いって焼きが完璧。18席の焼きを大将ひとりで対応していてみるからに大変な感じなんだけど、供された全ての串が万全の焼きの状態だった。ひとつとして違和感があるものが無かった。
素材を信頼している意思のある焼き、というのが一番しっくりくるかな。大将は「ただ焼いているだけですよ」と謙遜するけど、全てにおいて明確な意思を感じる焼き。レアが必要な素材は徹底的にレア。大将の思いが伝わってくる。
特に昇天・超絶レベルのものは、さび、白玉、合鴨、つくね、ちょうちんあたり。そのなかでもちょうちんは別格。ていうか反則。写真にもある通り、黄身と鶏のマリアージュということなんだけど、鮨さいとうで鮪中トロを食べたときに感じる快楽に近い水準というか。数百円でこれが味わえるんだから有り得ない。
酒の話。エビスビール生500円、焼酎グラス500円からと値付けは妥当。飲んだのは生ビールと赤ワイン。Sileni Satyr Pinot Noir(5,000円)。これはもうちょっとだけ安くてもいいかな。やっぱり焼き鳥にはピノ・ノワールがよく合う。クセの無い飲みやすい味で悪くない。
品揃えはもっとこだわって欲しいかな。高いワインも置けばいいのに。
接客の話。焼き鳥屋って人気店では一見お断りだったりマイルールが厳格だったりって店が多いけれど、いろいろな意味で良心的で懐の深い店。女将さんはいつも笑顔での接客だし、大将は見た目強面だけど話しかけると誠実に気さくに会話をしてくれる。
ピークの時間帯はさすがに会話を出来る余裕はないけれど(それでも話しかけたらキチンと対応してくれる)、21時以降のある程度落ち着いた時間帯だと大将の仕事に対する真摯な姿勢が伺える会話が出来て非常に面白い。大将といろいろ会話したい方は遅い時間がおススメ。
デートに使える店。安いし。同じくらいの値段で考えると、例えばコジャレてて雰囲気よくて料理があんまり美味しくないダイニングバーとかの100万倍いい。最初は「えっ?焼き鳥?」って彼女に反応されるかもしれないけど、この美味しさにむしろビビる。「こんなに美味しい店知っているのはタダ者じゃない」と羨望の眼差しに変わるはず。笑
特に最初のデートにいい。最初のデートでいきなり高い店に行っちゃうと、それが基準になってその後の男性の懐が大変でしょう。今後のデートの場所を「安くて美味しくて居心地がいい店」っていう流れに持っていくにはベストの選択。
料理の質。値段。雰囲気。大将・女将の真摯な姿勢。当日予約出来る利便性。。。諸々を考えると私にとって唯一無二の焼き鳥屋ということになる。焼き鳥に関しては新規開拓する必要ないかな。満点。
■■■
※全席禁煙
※客層は6割がカップル、2割が男性サラ・リィ・マン、1割が女性同士といった感じ
5位
1回
2011/04訪問 2010/10/04
広尾の東京女学館近くの日赤通り商店街沿いにある。今年で25年目になる宮内家の家族経営による中華料理の店。宮内敏也シェフと息子による調理だから作る人の顔が明確に見える店でもある。
不思議な店。おまかせ15,000円だけの店なんだけど、店の設えは清潔感は感じるも、そこらへんの大衆中華とそれほど変わらない水準。客層も不思議な感じ。若干年齢層は高いのかな。いや、自分達が一番不思議に思われていたのかもしれない。笑
芸能人を含む業界人がよく来る店としても有名。理由としては。。
・値段が高いためか予約が直前でも可能。直前にしか予定が分からない人には好都合。
・料理のオーダーメイドが可能。値段をもっと上げて作ってもらったり食材を指定したり。
・良心的な価格でワインの持込が(一見であっても)可能。好きな酒が飲める。
・客層が芸能人を見てキャーキャー言うような人達ではない。
業界人が好きな店ってかなり美味しい店とパフォーマンスと箱の魅力だけで全然美味しくない店とハッキリ分かれると思うんだけど、こちらの店は明らかに前者。食べた皿に強弱はあれど、外した皿はひとつたりとも無かった。
正統派な中華ではもちろん無い。ヌーベルとひとくくりするのも何か違和感がある。創作料理というのはもっと違う気がする。宮内敏也シェフの卓越した中華のセンスを凝縮した宮内料理、そう表現するのが一番正しい気がする。
だから、必ずしも万人受けする料理ではないと思う。CPを優先する人にも厳しい。唯一無二の宮内料理が好みにはまった人が末永く訪問する、そんな店なんだと思う。そう考えると前述の不思議な客層、というのも理解出来る。
ワインリストはかなり貧弱と事前に聞いていたので持ち込み料を1本に付き2,000円払って連れとそれぞれ1本ずつ持ち込んだ。良心的な持ち込み料だと思う。一見でも可能なのも嬉しい。
6人くらいで行ってそれぞれ自分の好きなワインを持ち込んで、みたいな使い方も面白いかな。ワインを飲みたければ店のメニウから選ぶよりも持ち込んだほうが絶対にいいと思う。店も全然嫌がらないし。
まずは普通におまかせ15,000円を頼むのがいいと思う。で、気に入ったら次は食材の指定やら値段の指定やらでアレンジをお願いすると。正直、このシェフが50,000円で作る料理を指定したらどんな料理を作ってくれるのかと思う。笑
食べた料理の話。写真が食べた順で当日食べたものの全て。少量多皿で出てくる感じが普通の中華と違う。日によってメニウが違うとの事なので詳細には書かないけど、特に素晴らしかったものをいくつか。
まずは2皿目の半熟ピータン。まずこれに衝撃。アンモニア臭を感じずにただただピータンのやわらかさと深さを感じることが出来る逸品。ピータンがこれだけ美味しいものとは知らなかった。食わず嫌いはよくないなあ。
唐辛子の使い方も鶏の味付けも皮のパリパリ加減も渡り蟹と味噌の味わいのハーモニーも烏賊の炒め具合も甘さを抑えて素材感を強く感じることが出来る酢豚も全てが素晴らしかった。
8皿目のフカヒレ。素材的には値段相応でそれほど特筆すべきものではないと思うんだけど、あえてここでかなり濃い目の味付けにしていたのが印象的。素材を最大限引き出すということが具現化された料理。
冷やし麺と杏仁豆腐で〆。追加で炒飯などもあるらしい。ちなみに全て料理は取り分けて供してくれる。少量多皿で和食が好きな人も違和感なく入っていける料理。ちなみに私はお腹いっぱいになった。
シェフの奥様であるマダムの接客も好き。やわらかくて前には出てこないけど、こちらからの問いかけには的確に返してくれる。洗練された感じではなく家に行っておもてなしを受けているという雰囲気かな。
接待の客も多いと言っていたけど、接待向きではないような気がする。若い人達のデートも若干の違和感があるのかもしれない。でも、多くの人に味わって欲しい宮内家の料理とおもてなし。
一生付き合える中華の店を見つけた。宮内シェフの思いは息子に受け継がれていくんだろうと思う。見送ってくれたマダムは笑顔で言った。「またワイン持ち込んでくださいね!」と。私はマダムの目を見て笑顔で答えた。「また来ます」と。
6位
1回
2011/01訪問 2012/12/04
予約電話を何回か断られていた。ただ、電話応対してくれるお弟子さんの対応が気持ちよく、嫌な気分にはならなかった。また電話しようという気分にさせてくれた。
海外に行く用事があった。日本食が恋しくなるだろうと出発日の前日の夜の予約が出来るかどうか電話をしてみた。数日前に。運よく、21時からで大丈夫だった。運と縁は類義語だと考えているが、そういう意味ではこの店に縁があった。
21時ちょうどに訪問したら先客がまだいたため、同じビルの中の近くのバーに案内された。このバーの代金は店持ち。これは面白い仕組み。ビールを飲んで待つこと10分程度。お弟子さんが呼びに来た。
カウンター7席の空間。大将との距離が近く感じる。一見での訪問も、予約時に言った名前を覚えていて呼びかけるときは名前で読んでくれる。お弟子さんへの指示出しも的確。皿にヅケが残っていたらふき取ってくれる。素晴らしいホスピタリティの持ち主。人気がある理由が頷ける。
確かに、これだけ客と大将との距離が近いと自分以外の客の雰囲気が大事になってくる。気さくでノリがいい接客の大将だけに、その部分は運も必要になる。この日のこの空間は運がよかった。ご機嫌な時間を過ごすことが出来た。
食べたもの一覧。もしかしたら抜けているものがあるかもしれない。ネタについて産地などいろいろ質問すると丁寧に答えてくれる。雲丹があまりに美味しくて、「これ最高に美味しいです!」って言ったら嬉しそうにしていた。少年の笑顔だった。
<つまみ>
白魚
鮑・蝦蛄・蛸 ◎
鰹 ○
鮟鱇肝 ○
喉黒 ○
生牡蠣 ○
子持ちの槍烏賊
白子焼き
<にぎり>
鮃 ○
鰤 ○
小肌 ○
鮪赤味 ◎
鮪中トロ ◎
鮪大トロ ○
墨烏賊
車海老
赤貝 ○
鯵 ◎
紫雲丹 ◎
蛤 ◎
穴子塩 ○
穴子ツメ ○
鉄火巻
玉
お椀 ○
<にぎりのおかわり>
鮪赤味 ◎
鮪中トロ ◎
鮪大トロ ○
<酒>
生ビール1杯(銘柄不明)
景虎2合
ばくれん2合
で、3万円強。鮪三連発のおかわりと酒をちょっと飲みすぎなのでこの値段だけど、普通に飲んで食べたら2万5千円弱ってところかな。真っ当な値段。
つまみの鮟鱇肝、焼喉黒、生牡蠣あたりの連続攻撃はすごかった。焼喉も抜群に脂がのっていたし。日本酒が進む進む。鰹ヅケも時期がちょっと違うはずなのに抜群だった。時期ピークのときはどれだけすごいんだろう。
鮪は壱岐。熟成させた鮪。特に赤味に衝撃を受けた。中トロと大トロももちろん美味しかったけど、赤味が一番素材の可能性を引き出しているように感じた。我慢できずにおかわりをしてしまった。
紫雲丹が最高。間違いなく人生最高レベル。もともと馬糞雲丹よりも紫雲丹のほうが好きだったけど、この店のはすごい。トロける感覚とともに本物のうまみが口の中で暴れる。
ネタによって舎利のサイズ、握り加減を若干変えている。それぞれのネタに適応した仕事。ネタと舎利のバランスがいい。舎利の酢はあまり主張してこないけど、塩がうまく効いている。個人的には若干舎利自体が固いのかなと感じた。これは好みの問題。ネタと舎利の温度が一緒だから、口に入れてからの解け具合がいい。
ガリは普通。ちょっとしょっぱいかなあ。私の好きなガリではない。砂糖が入っているガリに舌が慣れすぎてるのかもしれない。
日本酒は4種類。品揃え的には厳しい。でもなんとなくこの店はお酒をたくさん飲むような店ではないような気がする。そういう意味では昼に行くのも面白いのかな。
トイレが外にあることは個人的にはあまり気にはならない。それほど遠いわけでもないし。ミシュランに最初に載ったときは一つ星だった。空間を評価して最高レベルではない、と最初は判断したのだと思う。ただ、この店の料理は抜群に優れている。最終的に三つ星になったのは料理の部分を最大限評価されたからだと思う。それはそれで間違っていない。
今のCPでやってほしいから、「銀座とかに移転しないで下さいね」と私は言った。大将は「(鮨かねさかの)大将がいる場所には行きませんよ!」と笑っていた。本当に多くの人から愛されている方なんだろうと思う。お弟子さんとの信頼関係も厚い感じ。体育会系のいい部分が凝縮された接客。
「慢心」とは真逆の接客。5年後、10年後にはさらにもう一段上にいく雰囲気を持っている。
大満足の2時間。特ににぎりはほぼ全てのネタがかなり高い次元で安定している。昼のにぎり18貫コース(15,750円税込)というのもいいかもしれない。季節ごとに訪れよう。鮨さいとうが鮨さいとうである限り、私は通い続ける。
7位
1回
2011/12訪問 2011/12/05
2011.12
水澤さんと柾木さんという稀有な存在同士が同じ空間にいた期間はむしろ奇蹟とも言うべきものだったんだろう。柾木さんがいない今、水澤さんと対峙するときに、箱の大きさが大きな違和感になる。
若手のバーテンダーは頑張っている。でも、一流と呼べるようになるまではまだ相当時間がかかるような気がする。この箱にはやはり大きな軸になるべき人間が最低ふたりは必要。そういう意味での違和感。
喪失感、とでも言うべきなのか。自分の中でこのバーに対して優先順位が大きく下がっているのを感じる。今ももちろん素敵なバーなんだけど。会いたいときに貴女はいない、というのは何と悲しいことなのだろうか。
2011.08
再訪多数。一番最近はオーナーバーテンダーの水澤さんが今年の7月に発売した『フレッシュフルーツ カクテルブック』にサインを頂くために訪問した。店で出てくるフルーツカクテルのレシピが惜しみなく書かれた良書。
去年の12月頃は忘年会後の集団客がテーブル席のほうにかなり多くて、正直五月蝿くてもう来るのを辞めようかな、と思った時期もあった。でも、何故かバーで飲みたいと思うときにティアレの事が頭にまず浮かぶ。
こんな事があった。水澤さんからの「(ここ以外に)何処のバーが好きですか?」との質問。私は麻布十番のラ・ユロットと答えた。答えたら何となく行きたくなって、ティアレの後にひとりで行った。
そうすると、少し後に、待ち合わせをしたわけでも何でもないのに、ティアレのバーテンダーおふたりが ラ・ユロットに普通に客として来た。私の一言で行ってみようと思ったのだろう。行動力がスゴイ。
赤坂と麻布十番はそれほど近い場所ではない。他に客が居ない時間帯だったので、ラ・ユロットで大好きなバーテンダーに囲まれてとても貴重な時間を過ごした。バーってやっぱり魅力的だなあと強く思った。
プライドを持ってバーテンダーの仕事をしている。だから私はティアレが好きなんだと思う。何となく私がどうして欲しいのかも何も言わなくても空気を読んでくれる感覚もあって、どんどんティアレを好きになっている自分がいる。
2010.11
再訪。写真を追加。雑誌に載った影響か最近の訪問ではかなり混んでいることが多い。その場合は若干うるさいし接客においても万全とはいえないのでひとりで行く場合はあえてピークの時間をずらしての訪問がおススメ。
フルーツカクテルは果物の素材の味わいを純粋に愉しむことを主目的としているものなので、ガツンと酒を効かせたタイプが好きな人には合わないかもしれない。普段酒をあまり飲まない人でもすんなり飲める感じかな。
こちらの店でフード系を頼むのははじめてだったんだけどブルーチーズのピッツアが絶品だった。バーで出てくるフードとして不満は何も無い。手間かかるメニューだから忙しい時間帯では頼みにくいのが難。
テーブル席がうるさいときがあることを許容する必要がある。カウンターだけの店だったらバーとして唯一の満点評価をつけたかもしれないバー。新しく入った3人目の人が成長すればもっといいバーになるはず。
2010.10
行く度にどんどん素晴らしくなっている印象がある。オーナーバーテンダーの水澤さんと女性バーテンダーの柾木さんのふたりでの接客。フレッシュフルーツのカクテルはスタンダードなものから面白い提案を含むものまで選ぶ楽しさがあり味も外さない。
私がバーに求める3つの要素「カクテルの腕」「客と向き合ったつかず離れずの接客」「真っ当なCP」の全てを兼ね備えたバー。ひとりでも、友人とでも、恋人とでも使える万能さがある。細かい事だけど、支払いのときに手書きで飲んだものと値段を書いたメモをくれるのが嬉しい。いつも、「思ったより安いなあ」と感じるCPも魅力。
たまたま訪問した日は雑誌『ブルータス』の発売日で、その号では「20年通えるバー」の特集をしていてこちらの店も載っていた。水澤さんは30代で自分の店をオープンしてまだ1年足らず。これから長い付き合いになるんだろうな、と思う。それこそ20年通えるバーだなあと思う。
テンダーやラジオのように水澤さんの下で働いた方が独立して素晴らしいバーを生み出していくんだと思う。これからが本当に楽しみな赤坂最強バー。私の好みでは東京においても五指に入る大好きなバー。
2010.04
写真を追加。オープンして半年足らずにもかかわらず、相変わらず盛況。水澤さんのタレントの魅力は勿論の事、3人のバーテンダーのチームワークが優れていて、様々な用途に対応出来る心地の良い空間を作り上げている。
女性バーテンダーが素敵。笑顔がCXの平井アナに似ている感じで。何かの賞を取ったカクテルを作ってもらったけど、レシピのバランスが抜群で、ひとつのカクテルとして完成していた。
ガールズバーっていう業態が好きではない私にとっては、この女性のようにカクテルの腕がある女性バーテンダーがこれからたくさん出てきてくればいいのになあと思う。
ホスピタリティに溢れている。もちろん供されるカクテルも抜群。願わくば、この気持ちを忘れずに営業を続けていってほしい。バーとしての完成度は現時点でかなり高い。で、さらに成長していく空気もある。
私が知る限りで、この界隈でベストのバー。
2010.02
門前仲町にオーパっていういいバーがあるよ、というのは複数の人から聞いていた。ただ、なかなか行く機会が無かったんだけど、その門前仲町オーパで店長をされていた水澤さんが、独立して赤坂に店を出したという話を小耳に挟んでいて気にはなっていた。たまたま、すぐ近くのすし匠斎藤に行く機会があったので、その後に訪問。
昨年の12月にオープンしたばかりのバーなのに、カクテルのレベルやら接客やら内装やらがいちいちレベルが高い。痒い所に手が届く感じの気持ちがいいバー。
フレッシュフルーツを使ったカクテルが売りの店なのかな。果物の生産者に対する尊敬の念が感じられるカクテルといったら言い過ぎか。いい素材を使っている。飲むカクテルというか食べるカクテルというか。トマトのカクテルをお願いしたら、あえてトマトの皮を残してのカクテルを作ってくれた。面白いなあ。あまおうのダイキリも大安定だった。
隣の客が「水澤さんはカクテルのチャンピオンで云々カンヌン。。」みたいな話をしていた。まあ、飲めば分かるからなあ。賞とかは正直興味がなくて、気になるのは味がどうなのかの一点だけ。そういう意味でこの店は優れている。
もちろんカクテルの味だけじゃなくて、接客もこなれているというか、空気が読むのがうまいというか。バーテンダーって「何でこの客はこの店に来たんだろう?」っていう素朴な疑問があるはず。それをうまく客に伝えて、そこから話を引き出す接客。
水澤さん以外にバーテンダーがふたりいて、計3人で対応している。テーブル席もあるので、妥当な人数配置なのかなと思う。ただ、オープン間もない段階から満席に近い状態に備えての人員配置をしているところはさすが。実際、結構混んでた。
安心してデートにも接待にも使える店。もちろん、ひとりで行っても面白い店だと思う。
3杯飲んで5,000円くらい。チャージが500円でフルーツカクテルが1,500円だったかな。で、普通のカクテルはもうちょっと安い。まあ妥当な感じかなあ。もうちょっと安いと嬉しい感じではあるけど。
いろいろな「兆し」を感じさせてくれるバー。それほど遠くないうちに、赤坂や東京を代表するバーになるんじゃないかという「期待」というか「兆し」というか。
赤坂は住んでいる場所でも働いている場所でもなくて、連れが働いている場所という理由でたまに来ていた場所なんだけど、まあいろいろな事情があってもうあんまり来ることはない場所になってしまったんだよね。
でも、赤坂でいいバーと出会うことが出来た。
8位
1回
2010/05訪問 2010/08/14
関内駅北口から徒歩5分。シシリヤの近く。中日ドラゴンズの井端によく似たイケメンの本田シェフがひとりで切り盛りするカウンターだけの和とフレンチとイタリアンの香りを感じる創作料理の店。
和とフレンチとイタリアンの融合って書いちゃうと極めて嫌な感じがするんだけど、そういう変な印象のあるこねくり回す系の料理ではなく、素材を活かすために可能性の幅を拡げたっていう表現が適切な料理。
キッチリと素材の輪郭を残して素材を際立たせるための和でありフレンチでありイタリアンという選択。本田シェフはフランスでの修行経験があり、国内ではイタリアンの店にいたこともあるとのこと。
基本的には5,000円と7,000円のコース。事前予約があれば10,000円のコースも出来るらしい。10,000円のコースはゴージャスな食材を使うとのこと。今回選んだのは7,000円のコース。以下はメニューからの転記。
ちなみに5,000円のコースは7,000円のコースからパスタと肉料理を抜いたもの。
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「美味礼賛」
\7000
前菜の盛り合わせ
日本人の味覚仕立て
ポロ葱とジャガイモの冷製スープ
本日の温菜
今日のパスタ
自家製”水塩”を使った
本日のお魚のグリル
”特製ピノ・ノワール味噌に漬け込まれた
仏産鴨肉のロティ
味覚を刺激する日本の香りに包まれて
山梨の農家のお米
無農薬ご飯
ご飯のお供をのせて
京都の赤だし
五条、山利さんの作るこだわりの味噌
”さくら”
季節のデセール
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写真が全ての内容。前菜、前菜、スープ、温菜、パスタ、魚料理、肉料理、ご飯、デセールの流れ。
最初に前菜のズワイガニのゼリー寄せを食べたときに「あー、この店当たりだな」と思った。なんちゃって創作料理ではなくて、フレンチの基本に裏打ちされた料理の数々。それは最後のデセールまで変わらなかった。
唯一相性が合わなかったのはパスタ。味付けが濃すぎた。ちなみにパスタの上に載っているのは30ヶ月熟成させたチーズとのこと。私のバカ舌では普通のチーズとどう違うのかは分からなかった。何となく濃厚な感じはしたけど。
魚料理、肉料理はどちらの出色の出来。魚は金目鯛。ちなみに魚の横にあるのは山葵ではなくてオリーブ。肉料理は鴨の旨みを引き出すレアな火の通し加減が絶妙。どれもレベルが高い料理だったけど、これはちょっと上に抜けている。おそらく一番人気のあるメニューなんじゃないかな。
ご飯。白米が出てくるとは思わなかったのでビックリした。やっぱりご飯って美味いよねえ。月によっては炊き込みご飯になったりもするらしい。赤だしも濃厚な味噌の味わいが心地よい逸品。
デセール。これまた素晴らしい。私の好きなタイプのプリン。やわらかすぎずにキッチリとした濃厚な味わい。ハイレベルの料理の数々の最後を飾るのにふさわしいもの。最後はほうじ茶が出る。
ワインの話。
メニュー表記は30種類程度。グラスワインは700円からで、ボトルワインは5,000円から。ほとんどのワインがグラスワインでも頼める。グラスワインの値付けがかなり安い。ボトルワインの1/7程度の値段。
ボトルワインの値付けも妥当なもの(国産ワインは小売価格の3倍弱程度)なので、グラスワインの安さが際立つ。こちらの店は料理に合わせてグラスワインで都度楽しむ感じがいいんだろうと思う。
支払いはワインを飲みすぎたのでひとり当たり2万円弱。サービス料の類は無し。レシートで詳細の内容を見せてくれる。普通の人はふたりで行ってボトルワイン1本頼むイメージでひとり1万円強といったところかな。
本田シェフの手際のよさは特筆もの。もちろんカルトが無くてコースだけだからということもあるんだけど、ほぼ満席の状態でもあんまり待つっていう感覚が無かった。
しかも、料理を作るだけではなく、客への目配りもキッチリしている。ホスピタリティ抜群の接客。カウンターであることを必然にまで高める所作。もうひとりいたほうがいいのにとは思う。ただ、ひとりだからこその臨場感もある。
オープンしてもうすぐ1年になる。それほど遠くない時期に予約が取れない店になりそうな予感。自分が好きな店が流行るのは喜ばしいことなんだけど、2回転制とかにはして欲しくないかなあ。
この日は4時間弱の滞在で心躍る極上の時間を過ごすことが出来た。デートとして特におススメの店。
9位
1回
2011/06訪問 2010/08/13
・。★・。☆・。★・。☆・。★・。☆・。★・。☆・。
★・。☆・。★・。☆・。★・。☆・。★
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広尾駅から広尾商店街を歩き徒歩3分程度でたどり着く
好立地にある割烹の「広尾一会」を紹介します。
霞町すゑとみ出身の渡部純一さんが2008年7月に開いた
店です。ミシュランの一つ星を獲得しています。
店名の由来は多くの方が想像する通りで「一期一会」からです。
名は体を表すと言いますが、本当に名前の通りの一期一会の
素晴らしい体験をする事が出来ました。
飲食店の新規開拓の喜びを感じさせてくれた店です。
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☆ バー・ラ・ユロットとの出会い ☆
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こちらの店を知ったのはよく行く素敵バーのマスターからです。
麻布十番のバー・ラ・ユロットの川瀬バーテンダーの紹介です。
私は自分が大好きな店の店主によくおススメの店を聞きます。
大好きな店が紹介してくれた店は嗜好が一致するからなのか、
これまた大好きになる可能性が結構高いです。
効率のよい新規開拓方法だと思っています。
「お造りの無い1万円割烹」との情報です。
それぞれの皿の素材感を高めるため、あえてお造りを外して
の流れとの事です。考え方には賛同します。
和食の主要顧客はやはり江戸前鮨にも結構行くという仮説に
基づいて考えると、この価格帯で入るお造りで満足いく水準の
ものを提供するのはかなり難しいのではないでしょうか。
お造りは鮨屋に任せる、それはひとつの真っ当な考えです。
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☆ 吉田酒造店との出会い ☆
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清酒は吉田酒造店の「吉田蔵」「手取川」のブランドのみです。
都内で唯一蔵元よりの直送だと聞きました。
ここにも店主と吉田酒造店の一期一会の出会いがありました。
渡部氏が塩を求めていろいろと探していたときに「たまたま」
こちらの蔵元にたどり着いて蔵元に惚れ込んでしまいました。
相思相愛とでもいうのでしょうか。蔵元も都内で唯一直送を
しているようにこちらの店を応援しています。
だから店主は吉田酒造をメインで展開する判断をしました。
もちろん、「吉田蔵」「手取川」のなかにもいろいろな種類が
あるので、品揃えが少なすぎるということはありません。
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☆ 霞町すゑとみとの出会い ☆
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渡部さんは霞町すゑとみで働いていました。
しかも店を立ち上げた一番大変であろう時期です。
末冨さんは料理人として厳しい方で有名です。
私は意地悪な質問を渡部さんにしました。
「霞町すゑとみで働いていて大変じゃなかったですか?」と。
渡部さんはハッキリとこうおっしゃいました。
「末冨氏のもとで働いて食材や調理に対する真摯な姿勢を
学び本当によかったと思っています。感謝しています。」と。
ただ、渡部氏はこうも言いました。
「味は必ずしも末冨氏と一緒ということではありません」と。
末富氏への感謝の気持ちと一国一条の主としての矜持。
私はとても爽やかな風を感じました。
私は1万円前半レベルの所謂「カジュアル割烹」において、
霞町すゑとみは最高水準の店だと思っています。
末富氏の厳しさの先にこの高みがあったということです。
ちなみに、写真に写っているお盆は末富さんから開店当初に
贈られたものだそうです。かなり高価な代物です。
渡部さんは実は末富さんの5歳年上です。第三者の立場から
修行時代の大変さを勝手に妄想することは出来ます。
でも、渡部さんも末富さんも本物の料理人であるという事実が
あればそれだけでいいと私は思っています。
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☆ 一日3組との出会い ☆
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夜は一日で3組に限定しているということです。
実際、当日予約の電話をそれを理由に断っていました。
満席感を演出しているのではありません。
大将と女将のふたりでやっている店ゆえ、満席に客を入れると
満足のいくおもてなしが出来ないという判断のもとです。
渡部さんは「料理を出すのが遅くなって申し訳ございません。」
と何回か私に言いました。私はそれほど待っているという感覚
はありませんでした。少し気にしすぎだなあと思いましたが、
そういう風に気をかけてくださるのは嬉しいことです。
一期一会の精神で客に接してるんだろうなと感じました。
_______________
☆ 真っ当な食材との出会い ☆
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大将は言いました。
「家庭では作ることの出来ない料理をお出ししたい。」と。
ちなみに夜は10,500円のおまかせだけです。
先付の蒸鮑。いきなり驚きました。お造りを無くした必然性を
強く感じる素材感。既にこの時点で確信しました。
こちらの店は「当たり」だと。
鱧のお椀でクライマックスに到達します。
鱧の素材が良質なのは勿論の事、出汁が本当に素晴らしい。
この価格帯の割烹でこのレベル感の椀が出てくるとは。。。
一皿一皿から大将の熱い想いが伝わってきます。
赤ムツの焼物。これもかなりコストかかっている素材感で且つ
絶妙な味付け、焼き加減の逸品です。
こういう魚を味わうと、「やっぱり魚に関しては和食だなー。」と
感じてしまいます。日本酒との相性も最高です。
ご飯は白ご飯と玉子、所謂玉子ご飯と季節の炊き込みご飯が
選ぶことが出来ます。炊き込みご飯は鱧、じゃこ、穴子など。
今の季節は鱧を選ぶ客が多いのかなと勝手に考えていました
が、いろいろのようです。若い客は案外玉子ご飯を選ぶ方が
多いし、年配の方はじゃこを選ぶ方が多いとの事でした。
私は穴子ご飯にしました。江戸前の穴子は適度なふっくら加減
とシッカリとした味わいでとても好ましいものでした。
10,500円というと場合によっては家庭料理の延長線上の料理
を出す店も多いですが、なるほどこちらの店は大将が言った
通りの矜持を持った割烹でした。
_______________
☆ これからの若者との出会い ☆
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私は和食が大好きです。
大学卒業後、関西に住んでいた私は背伸びをして京料理の店
にいろいろ行きました。私は肉よりも魚のほうが好きですが、
やはり魚の調理に関しては和食が一番であると思っています。
この日、他の客は年配の方ばかりでした。
私は若い人に和食に触れて欲しいなあと思います。
敷居が高いというイメージがある和食ですが、こちらの店では
お酒をたくさん飲んでもふたりで3万円で行くことが出来ます。
和食の入門編としてまさに最適な店です。
私は最後に大将にこう言いそうになりました。
「末富さんの店と同じくらい食後感が素晴らしかったです。」と。
それは無粋なのかなと思って言うのは辞めました。
これから何回通ってから言いたいと思います。
「末富さんの店より美味しかったです。」と。
そのときに満を持して満点をつけたいと思います。
広尾には素敵フレンチがたくさんありますが、和食もこれから
が楽しみな店があります。定期的に通うことになりそうです。
・。★・。☆・。★・。☆・。★・。☆・。★・。☆・。
★・。☆・。★・。☆・。★・。☆・。★
・。☆・。★・。☆・。★・。
10位
1回
2010/03訪問 2010/05/16
大正14年創業の洋食屋。当時からの内装をそのまま活かしているわけではないので、それほどレトロ感があるわけではない。高級感があるわけでもなく、かといって下町の庶民的な空気かというとそうでもない。不思議な空間。
サービスはやるべきことはキッチリするけど、ハートフルな感じではない。中途半端な価格帯のフレンチとかにありがちな冷たい感じというか。私はあんまり好きな接客ではない。
私はいつもメンチカツを食べるために行く。もちろん、洋食屋なのでいろいろなメニューがある。ハンバーグもあるし、スパゲッティもあるし、定食という名のコースもある。でも、まずこの店の実力を知るためにはメンチカツがいい。
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遠い日の記憶。
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メンチカツって子供の頃から大好き。この店のメンチカツ1個で1,150円。2個の場合は2,000円。高いよね。ただ、CP云々っていうのは、同等レベルの味で且つ比較して安いという競合店が存在してはじめて言える話だと思う。この店はそれに当てはまらないのかなあと。
所謂巷の洋食屋で嫌いなのは、ドミグラスソースで肉質の悪さや調理技術の無さを隠そうとしている料理が結構多い事。実際、それである程度ごまかせちゃうし。
この店のメンチカツはメンチカツ自身とドミグラスソースのバランスが最高。それぞれがキチンと自分たちの役割が分かっていることにより、至高のメンチカツとして輝いている。
メンチカツ。
ナイフを入れたとたんにとんでもない肉汁が溢れ出てくる。不自然なまでに。この時点で店側の術中にはまっている自分がいる。衣もサクッとしていて好ましい。ミンチ肉もとにかく丁寧な下処理と絶妙な味付け。口触りに雑味感が一切無い。
最高の素材を使っているわけではない。でも素材の限界をわきまえた上で最大限に活かす潔さを伴った完成度の高さ。長年培ってきた調理技術。どこでも食べられるメンチカツというメニューで感動を与えてくれる。
ドミグラスソース。
控えめな味。これは弱いということではなく、メンチカツの存在感をわきまえた味わい。甘すぎない。クドすぎない。ただ、酸味などの必要な要素はキッチリと表現する。本物のメンチカツを輝かせるための存在。
付け合わせは至って普通。
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目を閉じると子供の頃の自分を思い出す。放課後に友達と一緒にメンチカツを頬張っていたあの頃を。あの時一緒にメンチカツを食べたあの人は元気なのかなあって。
大人になって、こんなに美味しいメンチカツと出会うことが出来たんだよって言ってあげたい。
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ついでにハヤシライスも注文。これは2,300円だったかな。この店でメンチカツの次に頼むんだったらハヤシライスがいいと思う。これはメンチカツと違って唯一無二の存在とは思わないけど、値段を鑑みても水準以上であることは確か。
メンチカツのドミグラスソースと同様で、甘すぎずクドすぎず控えめだけどしっかりとした味わい。それほど濃厚な感じではない。具も牛肉がたくさん入っているし玉葱の味の浸透具合も好ましい。
この日は調子乗ってパパイヤのババロアを注文。800円。何気にこれも良かった。この値段がどうかというのはあるけどね。昔ながらのスイーツって感じで懐かしい味わい。次また頼んじゃうかも。
ハンバーグとかスパゲッティも巷の洋食屋と比較して水準以上だと思うけど、これは他の店でもっと美味しくて安いところがあると思う。コースも面白いと思うけど、ちょっと高いかなあ。
総合評価も味もメンチカツ(+ハヤシライス)の評価。店全体の料理の評価ではない。私はこれからもこの店に定期的に訪問する。
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日本一のメンチカツを食べるために。
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食べて飲んで笑うことが出来る最高の店ベスト10です。
江戸前鮨は日本橋橘町都寿司、青空、鮨さいとうが私の中での3強で後に寿々や鮨なんばが続く感じです。未レビューの鮨水谷、鮨はしぐちも訪問済みですがその3強を脅かす存在にはならなかった。鮨はフレンチやイタリアンと違って店によって構成が大きく変わるということはないので新規開拓は大きく減らして馴染みの店を定期的に訪問します。特筆すべきことがなければレビューの更新もしません。
バーはデート以外の用途であれば赤坂見附のティアレ、デート需要であれば麻布十番のラ・ユロットが好きです。後は三軒茶屋のバーシーツとか。バーは今後も継続的に新規開拓を進めていきます。普段行かない場所に行ったときも積極的にバーを訪問したいと思っています。
2010年はたべろぐを通じた新しい出会いもあり、とても有意義に過ごすことが出来ました。2011年に関しては(立ち食いを含めた)居酒屋、1万円割烹、中華、蕎麦、鰻、カフェあたりを積極的に攻めたいと思っています。フットワークの軽さと(価格帯も含めた)カテゴリーの幅の広さが私の存在意義だと思っているので、その部分に関しては今後も継続します。