レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2014/11訪問 2014/12/25
【追記】ランチ営業は2014年7月末日をもって終了しました。今後は夜の営業(土日は15時から)のみになります。
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阿佐ヶ谷のおおはまが閉店してから1年弱を経て満を持しての鎌倉でのオープン。鎌倉駅西口から歩いて5分程度と好立地。有名な飲食店で言うと茶処 こ寿々が徒歩1分程度の場所にある。居てもたっても居られずに通常営業オープンの初日に真っ先に訪問。
以前と変わらないコンセプト。美味しい料理をつまみながら和酒を愉しむ。極めてシンプルで気をてらうところがない。それでいて奥が深い。料理が目当てで訪問した客に日本酒に興味を持たせるきっかけを作る力がある。日本酒が目当てで訪問した客に料理をたくさん頼ませる力がある。日本酒の初心者が喜ぶ間口の広さと、日本酒の上級者が喜ぶ懐の深さと。
変わったところがいくつか。以前はカウンターのみだったが今回はカウンターメインもテーブル席がある。冷蔵庫が大きくなったと言っていたので日本酒の種類も増えたのかな。また、以前はなかった定食のランチ営業を週2日(月・木のみ)実施。もともと飲食店ではなかった場所を改装しての店内は、空間的に圧迫感がなく非常に居心地がいい。外観は店の事をよく知らない人がフラっと入りたくなる雰囲気を持っている。
テーブル席が増えた分、おおはまさんの負担は増えているはず。でも相変わらず自然体なのが嬉しい。満席に近い状態で注文が集中すれば料理が遅くなるのは当然で、でもその中で臨機応変というか、ベストを尽くしているのが伝わるから遅くて不満という感情は生まれないんだよね。むしろその臨場感を楽しみながら日本酒を飲むのが醍醐味だなあと。おおはまさんの所作を見ていると自分に活を入れてくれる感じがする。自分も仕事もっと頑張ろうって自然と思えるというか。
三品盛りは何種類かある中で自分の好みをセレクト。意識して野菜を食べられるのが嬉しい。豚ロースハニーマスタード焼ははちみつとマスタードの味の複合が日本酒とぶつかるのが面白い。しらすとお葱の出汁巻玉子は私の大好きなメニュー。おそらくメニュー記載があるものの中で一番出てくるのが遅いメニューだと思うんだけど(笑)、待ってでも食べたい。おおはまさんの料理の素晴らしさがこの出汁巻玉子の美しさでわかる。季節によって具材が変わったりするんだろうね。
阿佐ヶ谷のときは駅からちょっと離れていて、どちらかと言うと店のコンセプトを理解した客が来ていた感じで、逆にこの鎌倉では観光客も歩く通りに面している店だから、何というか、化学反応とでもいうのかな、この地でパワーアップしていくであろうお店がとっても楽しみで。そんなに遠くない時期に人気店になって、その活気が鎌倉に新しい風を運ぶことになる気がするんだよね。満点。
2位
1回
2014/11訪問 2014/12/25
2012.03
再訪。写真を追加。
前回の夜の訪問では箸休め的にコロッケが出てきたりして、よくも悪くも試行錯誤している印象があったが、今回は直球勝負に覚悟を決めた印象を受けた。直球でも客を満足させることが出来るとご主人が認識したのでは。私には極めて真っ当な進化に思えた。食材のコスト以外に妥協が無い、それが何より私が赤坂詠月を好きな理由。カウンターでご主人と女将さんと会話しながら食べる時間がとにかく楽しい。出汁を味わうとご主人の和食に対する想いが理解出来る。何もかもが心地いい。料理のボリューム感は客に対する心意気。それを全力で楽しめばいい。
「炎」というと赤色をイメージすると思う。見た目も赤い炎のほうが熱い気がする。でも実は赤い炎よりも青い炎のほうが温度は高い。まさに「青き炎」を持った料理人。和食の初心者でも上級者でも、全ての人におススメする和食店。料理が美味しくて幸せになり、ご主人と女将さんの気持ちが素敵でさらに幸せになる。これからもずっと訪問したい大好きな店。
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※昼は休止中との事。夜のメニューで穴子茶漬けは要相談。
2011.02
夜に再訪。写真を追加。既に昼は予約無しでは入店が難しい人気になっている。昼の予約は11:45~と13:00~の2回で受け付けているとの事。1,200円で食べられる昼食として最高水準の内容だと思う。
夜は8,400円からのおまかせ中心。単品での注文も出来るし食材の希望や酒飲み放題の設定も追加料金で柔軟に対応するとの事なので、酒の希望を含めていろいろと相談してみるといい。
東京和食に慣れた人には弱く感じるかもしれない出汁の味わい。ただ、京料理を知っている人にとっては、この値段帯の和食でこの淡く深い出色の出汁を味わえることに驚きを感じるのではないか。ご主人は京都の複数の店での修行経験がある。原点は京料理。
まだコースの組み立てとして完全に完成しているとは思わなかった。試行錯誤もしている印象だった。それでいても、出汁の魅力とCPの高さは現時点でずば抜けていると感じた。CPにおいては中善までではないにしても、花邑と同等かむしろ上回っている印象。
和牛コロッケが出てきたりと若干遊びを出そうとしていたが、私はむしろ正統派として当たり前のものを当たり前のように出す方向性に進んで欲しいと思った。東京において1万円割烹で真っ当な出汁を味わえるのは貴重な事だから。
昼も夜も素晴らしい。今は昼が注目されているが、むしろオススメはご主人と女将さんの魅力をいっそう味わえる夜のカウンター。この界隈に地縁がある人は今のうちに常連になっておくべき。
非常に使い勝手のいい店なので知っておくと何かと使える。接待でもデートでも仲間との気軽な会食でも。それほど遠くない時期に夜も簡単には予約出来なくなる気がする。
隣のクラブから音が漏れるのは抜群のCPの高さでカバー出来る。この立地であえて店を開いたのは、自分の料理に対する自信があるから。それが自信過剰にならずにとにかく誠実にこちらに向き合ってくる。
やはり夜も素晴らしかった。これからの成長が楽しみ。
2010.12
真っ当な和食店がある雰囲気の場所ではなかった。会員制クラブが目立つ界隈でフロアの奥のほうにひっそりと佇んでいた。一応1階にはランチの内容が掲示してあるが、知らない人がフラっと入る店ではない。
私は所謂1万円割烹が昼に夜とは違う1,000円程度の軽いランチを出すのはあまり好きではない。それにはある種の割りきりが見えてしまうからだ。要はその店の本気を味わえないというか。その考えを根底から覆されてしまう料理に出会ってしまった。
魂がこもった料理。香の物からご飯にいたるまで全てに全力投球でコストの制限の中で最良のものを出そうと努力しているのがはっきりと伝わってくる。一期一会の真剣勝負。ご主人の本気がとにかく心地いい。
私はご主人がどういう経歴の持ち主なのか全然知らない。でも、料理人は経歴よりも何よりも作った料理を見れば分かる。そういう意味で素晴らしい料理人だと思う。女将さんの接客の真面目な雰囲気も佳い。
昼は穴子茶漬けと本日の定食の2択。どちらも1,200円。
穴子茶漬けを選択。穴子利久造り。定期的に変わる炊いたんと小鉢。香の物。薬味。おかわり自由のご飯と出汁茶。ご飯は最初に穴子を刺身として一緒に食べて、ご飯をおかわりして残りの穴子とともに茶漬けにする流れ。
千利休が胡麻を好んだことから胡麻を使う料理を利久と呼ぶことがある。穴子利久造りはその名の通りで穴子を味噌と胡麻で合えたもの。あまり生の穴子は食べる機会がないけど面白い食感で若干甘めの味噌ともよく調和していた。
「出来たばかりなので若干やわらかいかもしれません」と言われて供されたご飯は過不足ない絶妙な炊き上がりだった。しみじみと日本料理っていいなあ、出汁の力ってすごいなあと感じることが出来る料理。それが1,200円を支払うことによって味わえる。
この類の店が1,000円程度のランチを出すのはくろぎとかもそうなんだけど、有料試食というか、店のエッセンスを少しでも客に伝えて夜の集客につなげたいという思惑があると思う。
そう考えると最高のプレゼンテーションなのでは。ランチとして抜群の完成度を誇ってランチで完結しながら、夜も面白いだろうなあと感じさせる料理。夜は8,400円からのおまかせとのことだが、どんな料理が出てくるのか。
こじんまりした店内でこの値段でこのスタイルで続けられるのか分からない。むしろ客が来すぎてくろぎのように完全予約制になったり、構成そのものを変えてしまう可能性だってあると思う。
だけど、私が1,200円の至福を味わったという事実に何の間違いも無い。そしてその至福は何よりこれからの未来を期待させるものだったというのは食べ終わった後に幸せな余韻に包まれていたことで分かる。
夜の再訪が楽しみな店。
3位
1回
2014/09訪問 2014/12/25
2011.11
再訪多数。いま一番訪問頻度が高い店かも。写真を追加。料理メニューは食材の入手状況によって日によって変わる。期間限定のメニューも多いので、食べログに載っている写真はあくまで参考程度に。
予約は1930時までの入店であれば可能。それ以降は不可。それ以降の時間で当日行きたい場合は、新宿とかの近くから「もうすぐ行きたいんだけど、席空いてますか?」と電話で確認するのがいいのでは。
比較的空いている早めの時間の訪問がおススメ。マチルダの魅力をより一層堪能できるのではないかと。ひとりで切り盛りしている店なので、混んでいる時は時間がかかる料理とか頼みにくいしね。
あくまでワインバーなので、ワインを飲みたい人が行くべき店。ワインを輝かせるための素敵な料理の数々。店主のマチルダさんが作り出す空気感が何より魅力な、私にとっては唯一無二の大好きなワインバー。満点。
2011.09
6席のワインバー。店主のマチルダさんは、以前参宮橋駅の近くで洋菓子マチルダという洋菓子店を営んでいた。界隈の人は記憶にあるかもしれない。場所を変えて新たにワインバーを始めたのが去年の9月1日。
こういった女性ひとりでやっているバーには、女性店主の事が好きな男性常連客がいて店内に微妙な空気が漂っている店が多かったりするんだけど、マチルダは店主を中心にしたチーム、そんな空気感がある。
等身大。簡単なようで難しい。必ずしもワインの経験が豊富ではない店主がこの店をワインバーとして魅力的なものにしているのは、自分の戦える範囲で戦うという潔さが心地よく伝わって来るからではないだろうか。
人気の店。先月たまたま行こうとしたら満席で入れなかった。ひとりで全てをこなさないといけないから大変だと思う。でも、客が見える範囲はとても丁寧に掃除をしている。グラスもキチンと磨いたものばかり。で、客に供するときにもう一度キチンとグラスを目視する。ワインの知識以前の、客をもてなすという気持ち。
店主曰く「好みが偏りすぎ」との事だったが、飲んだグラスワインはどれもワインの個性がとても分かりやすいもので、ヤスウマビオワインの方向性としては悪くないなと思った。自由に選んでいる感じがいいのかな。
で、背伸び。等身大での真摯な姿勢の中にある成長しようとする気持ち。空を飛ぶわけではない。地に足が着いた背伸び。ひとりでこれだけの料理を対応するのは大変だと思うけど、徐々にメニューを増やしていると。
ポテサラでいきなり度肝を抜かれた。大量のマヨネーズで誤魔化した巷の凡庸なそれとは違う。マヨネーズを極力押さえてポテトを明確に主役にした上でベーコンでちゃんとアクセントをつける。これはとてもよかった。そもそも、メニュー名がポテトサラダ、ではなくて、ポテサラというのが可愛らしくていい。笑
店主おススメのレバームースも是非頼んで欲しいメニュー。料理はどれもワインバーとしてかなり高水準なもの。軽くつまむ程度の店としても、一軒目としてお腹が膨れるまで食べる店としても使える自由度の高さ。
ブルーチーズのグラタンは私の隣に座っていて楽しく会話させて頂いた女性とシェアして食べたもの。はじめてお会いした方と楽しく会話して、ひとりだと多いというのでふたりで分けて食べる。そんなマチルダの空気感が好き。
この日はある程度長い時間いたので、店主とふたりだけの時間もあったし、客がほぼ満席の時間もあった。変わらずに楽しい時間を過ごした。ひとりでも、ふたりでも、一見でも、常連でも、楽しめる店だと思う。
バーでスマートフォンを黙々といじっていても何も生まれない。勇気を出して、店主や隣のお客さんに話しかけると何かが生まれる。その何かが明日を生きる糧になるのかもしれない。料理、空間、接客、値段が絶妙。
こじんまりした空間でありながら排他性が無い。非常に稀有。これはマチルダさんの才能。愛の才能。その才能がありながら、努力を怠らない。完璧な店ではない。でも、私は最高に好きになっちゃんだよね。
4位
1回
2014/11訪問 2014/12/25
2011.04
ミシュラン掲載。食べログで焼鳥ランキングで全国1位。でも変わらない。相も変わらず女将さんの電話応対は心地いい。電話で直前予約を断られても、この対応の誠実さであれば、決して嫌な気分はしない。
もてなしの心、というのとはちょっと違う気がする。一生懸命、というのが適している気がする。18席の焼きに徹しながらも、客の動きをきちんと見ているご主人の臨場感を堪能するだけでも楽しい。そんな空間。
味は以前よりも若干濃い目、強めになった印象がする。酒飲みとしては許容範囲か。以前も書いた「素材を信じた意思のある焼き」は健在。外す串がない。全ての串が最適の状態で供される。
料理の意思ほど酒の品揃えに強い意志を感じないのが残念。ありがちなアッパー系居酒屋のような意思のない品揃えというか。悪くは無いけれど、焼鳥の頂上店として考えると、物足りないと思うのも事実。
材料が残っていれば、お土産を頼む事が出来る。「お弁当」と呼ばれていた。2,200円。見るからに美味しそうなそれを注文しようとしたが、材料がなく頼む事は出来なかった。予約時にお土産をお願いする事も可能。
予約が取り難いのが難点。というか、予約が取り難くて当たり前の店。写真の料理で4,000円程度かな。納得価格でご主人と女将さんの一生懸命を感じながら最高水準の焼鳥を楽しむことが出来る最高の店。満点。
2010.06
当日予約なんて絶対無理な超繁盛店のこちらの店に当日予約の電話。
私「今日行きたいんですが・・・。」
店主「申し訳ございません。生憎本日は予約でいっぱいでして・・・。」
ここまでは想定の範囲内。もちろん諦めない。
私「遅くなってもかまわないので、席があくまで待ちますので・・・。」←かなり健気
店主「時間や席の確保はお約束できませんが、それでもよろしいでしょうか。」
私「家、近くなので大丈夫です。電話もらったらすぐに行きます。」←かなり健気
店主「了解しました。席が空き次第、電話させて頂きます。」
何とか当日予約OK。で、21時過ぎに席が空いた旨の電話がかかってきた。まあ、この日は体が空くのは21時くらいからだったのでちょうどよかった。こんな感じで時間は分からないし日によっては無理な場合があるけれど、何とか当日予約が可能。
食べたもの一覧。木札を見ながらのお好みも出来るけれど、今回はおまかせでの注文。「ストップしてと言うまで出し続けるのでお腹がいっぱいになったら言ってくださいね」というスタイル。
●さび
●血肝
●白玉
●銀杏
●背肝
●合鴨
●つくね
●アスパラ
●波
●砂肝
●ぼん
●膝の軟骨
●小玉葱
●ちょうちん
●はつもと
○焼きおにぎり
○スープ
○お新香
これで5,000円。食べる量によって値段も変動するけれど、普通に食べたら5,000~6,000円くらいに収まると思う。目黒駅すぐの立地でそれなりの設えの空間で昇天・超絶レベルの味の焼き鳥って考えると高いということはないかな。
夜の5,000円の食事でここまで満足感が高いものってほとんどないと思う。変なチェーン系居酒屋とか行っても料理だけで5,000円とか普通にいっちゃうでしょ。それを考えたらもう全然満足度が違う。
何が凄いって焼きが完璧。18席の焼きを大将ひとりで対応していてみるからに大変な感じなんだけど、供された全ての串が万全の焼きの状態だった。ひとつとして違和感があるものが無かった。
素材を信頼している意思のある焼き、というのが一番しっくりくるかな。大将は「ただ焼いているだけですよ」と謙遜するけど、全てにおいて明確な意思を感じる焼き。レアが必要な素材は徹底的にレア。大将の思いが伝わってくる。
特に昇天・超絶レベルのものは、さび、白玉、合鴨、つくね、ちょうちんあたり。そのなかでもちょうちんは別格。ていうか反則。写真にもある通り、黄身と鶏のマリアージュということなんだけど、鮨さいとうで鮪中トロを食べたときに感じる快楽に近い水準というか。数百円でこれが味わえるんだから有り得ない。
酒の話。エビスビール生500円、焼酎グラス500円からと値付けは妥当。飲んだのは生ビールと赤ワイン。Sileni Satyr Pinot Noir(5,000円)。これはもうちょっとだけ安くてもいいかな。やっぱり焼き鳥にはピノ・ノワールがよく合う。クセの無い飲みやすい味で悪くない。
品揃えはもっとこだわって欲しいかな。高いワインも置けばいいのに。
接客の話。焼き鳥屋って人気店では一見お断りだったりマイルールが厳格だったりって店が多いけれど、いろいろな意味で良心的で懐の深い店。女将さんはいつも笑顔での接客だし、大将は見た目強面だけど話しかけると誠実に気さくに会話をしてくれる。
ピークの時間帯はさすがに会話を出来る余裕はないけれど(それでも話しかけたらキチンと対応してくれる)、21時以降のある程度落ち着いた時間帯だと大将の仕事に対する真摯な姿勢が伺える会話が出来て非常に面白い。大将といろいろ会話したい方は遅い時間がおススメ。
デートに使える店。安いし。同じくらいの値段で考えると、例えばコジャレてて雰囲気よくて料理があんまり美味しくないダイニングバーとかの100万倍いい。最初は「えっ?焼き鳥?」って彼女に反応されるかもしれないけど、この美味しさにむしろビビる。「こんなに美味しい店知っているのはタダ者じゃない」と羨望の眼差しに変わるはず。笑
特に最初のデートにいい。最初のデートでいきなり高い店に行っちゃうと、それが基準になってその後の男性の懐が大変でしょう。今後のデートの場所を「安くて美味しくて居心地がいい店」っていう流れに持っていくにはベストの選択。
料理の質。値段。雰囲気。大将・女将の真摯な姿勢。当日予約出来る利便性。。。諸々を考えると私にとって唯一無二の焼き鳥屋ということになる。焼き鳥に関しては新規開拓する必要ないかな。満点。
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※全席禁煙
※客層は6割がカップル、2割が男性サラ・リィ・マン、1割が女性同士といった感じ
5位
1回
2014/06訪問 2014/12/25
■ネットへの写真・住所・電話番号掲載不可(自分だけの記録としての写真撮影は可)
■一見お断りというよりも、店の趣旨を理解して訪問して欲しいというスタンス
基本的には「紹介制」「一見お断り」の店はレビューを書かない主義なんだけど、つくしのこは他の店の紹介制ともまたちょっと違うスタンスで、「親子ふたりで細々とやっている店なので、店の趣旨とかを理解した人に楽しんで欲しい」という店の意思が大前提なので、そういう理解が出来る方には参考になるかなと思って今回の訪問のレビュー。日本酒たくさん飲んだので、その備忘録も兼ねて。
6人で訪問。多くの種類を楽しむということであれば、この人数がベストかなあ。合コンでもこの人数が一番成功率高いって言うしね。笑 私よりも日本酒が詳しい方々ばかりなので、基本的には皆様方におまかせ。3種類ずつ頼んで終わったらまた3種類頼むという流れ。メニューから頼んでもいいし、お兄さんにおまかせで頼んでもいい。2種類は選んで1種類はおまかせとかね。
日本酒に関して素晴らしいのは、飲んだもの全てがベストのコンディションで供されたこと。結構有名店でもそういうのが雑な店多いから。ベストの状態で飲むことが出来れば、より自分の嗜好に対してシンプルに向き合うことが可能になる。そんな感じで、今回楽しんだのは22種類。同じ日にこれだけたくさんの種類の日本酒飲んだの人生で初めてじゃないかなあ。ワインなら何回もあるけど。
印は私の嗜好の備忘録。優劣ではない。
1 獺祭 オッターフェストサキ(麦酒代わり) ○
2 李白 雄町55生 19BY
3 屋守 純米 ◎
4 村祐 夏の生酒 ○
5 夜明け前 純吟
6 英君 ふな汲み生
7 阿部勘 特別純米 ○
8 開運 山田錦
9 王禄 生汲み 超辛生 ◎
10 竹鶴 21BY 雄町65 小笹屋 ○
11 富久長い とおるスペシャル 袋吊り 純吟
12 じこん 雄町 50生
13 温羅(うら) 雄町50生
14 貴 特別純米60 ◎
15 阿櫻 超辛口
16 花泉 十ロ万
17 七本槍 玉栄 80生 22BY
18 奥播磨 ダブルエックス生(酵母を二種類とか使ってるやつ) 21BY ○
19 よろこびがいじん 22BY 山廃 讃州雄町65生
20 村祐(多分茜ラベル)亀口取り生 ○
21 賀茂金秀 雄町 50生
22 昇龍蓬莱 雄町 60生
料理はおまかせで出てくる。「家庭料理に毛が生えた」とか「家庭料理の延長線上」というような表現ではなくて、まんま「家庭料理」かなあと。家庭料理を下に見ているわけではないので、それは否定的な言葉ではない。お母さんの上質な家庭料理としてじゅうぶんに楽しむ事が出来た。刺身とかよりも、手をかけた料理がよかったかな。最後のカレーとか。冬は鍋が出るらしい。
支払いは5,000円。料理のコストとかを考えるともちろん利益は出ているレベルなんだろうけど、CPがかなり良好なのは確か。お母さんとお兄さんの人柄も素晴らしいので、閉鎖的な空気もない。料理のレシピなんかも気軽に教えてくれるし。店に身をゆだねる割合がそれなりにあるので、自分の好みど真ん中の店というわけではない。でも定期的に訪問したい魅力的な店である事は間違いない。
6位
1回
2014/12訪問 2014/12/25
店名にある「山羊料理」という単語をみて「山羊には興味がないから」という理由でこちらの店をスルーするのはあまりにももったいない。私がこちらの店を訪問するのは山羊料理を食べたいからでも沖縄料理を食べたいからでもない。お姉さんに会いたいからだ。いや、山羊料理という視点においてもこちらの店は優れている。正直それほど山羊が得意ではない私が違和感なく山羊を味わえるのはひとつの驚きでもある。丁寧な仕込みがあってこそ。それでもなお、それ以上の大きな驚きがお姉さんの存在なのだ。
飲食業は大変な仕事だと思う。それは「やりがいがある」という枕詞があろうとなかろうと現場で頑張っている人たちにとっては変わらない。そんな状況のなかでごくたまに「飲食業が天職」みたいな存在に出会うことがある。単純に言えば、明らかに大変な仕事をしているにも関わらず、飲食業のやりがいを楽しんでるオーラを強く発している存在。そんな存在に出会うと嬉しくなる。それがこちらの店のお姉さんなのだ。
昼間からやっていて早い時間帯にはお母さんもいるけど、基本的にはお姉さんひとりで店の諸々をこなす。仕込みの時間を考えると12時間くらいはぶっ通しで働いているのかな。ひとりでこなすにはいろいろ難しいところもあって、客の注文を忘れるみたいなこともたまにあったりするだけど、何ていったらいいのかな、一生懸命で嫌味がないから不愉快にならないし、とにかく客に対する受け答えが誠実だからいい意味でお姉さんのペースに巻き込まれていくんだよね。
お姉さんのハイテンションが継続するってのは演技でも何でもなくて、とにかく自分の店に客が来て楽しんでくれるのが幸せだからって気持ちが自然とそうさせる感じで。そんなお姉さんの姿を見て客同士でも楽しく盛り上がっちゃう空間がある。テーブル席もあるけど、カウンターでお姉さんの一挙手一投足を近くに感じながら楽しく飲み食いするのがお勧め。大人数でも対応できるけど、ふたりがベストかなあ。
正直那覇には心を揺さぶられる店が少なくて、あんまりお気に入りの店が多くない。そんな中でここは私にとって別格の存在かなあと。ディープなエリアにあって、店の雰囲気もディープな雰囲気だけど、素敵なお母さんとお姉さんが待っているとても気持ちがいい店。何かいろいろサービスしてくれてこんなに安くていいの?と思うこともしばしば。沖縄料理も一通り揃っているので、山羊料理が無理でも気軽に沖縄料理を食べる空間としてもお勧め。那覇の大好きな店。
7位
1回
2014/03訪問 2014/03/29
沖縄には「不定休」の飲食店が多い。沖縄の独特の風土が理由の場合も多いけれど、働いている方が高齢で体調が理由という場合もあるので、一概にそれに対して不満を持つ事はない。訪問時に電話で確認する事が必要になってくるが、予約して行くような店ならともかく、気軽に行くタイプの店にわざわざ電話確認するのもめんどくさい。そんな感じで何軒かの店に振られて、なかば諦めつつ石垣空港に向かう途中で最後の最後に辿り着いたのがこちらの店。
店の看板にはCLOSEとあった。でも何となく予感があったので店の中へと向かった。やった、営業していた。ただ一部のメニウが売り切れで選択できる範囲が狭まるという。それは全然問題なかった。時間的にこの店が無理なら石垣島のごはんを諦める必要があった。オープンして一年余り。自宅を改装して作ったような雰囲気。近くの海岸に歩いていける。とても期待が高まる空間だった。
朝と昼の営業。あさごはんは800円。ひるごはんは1,300円。今回は昼の訪問なので、ひるごはん。普通のごはん屋さんの値段から考えるとちょっと高い。普通は「観光地価格かな?」と考える。そんな考えが浅はかだということをこれから出てくる料理で知ることになる。久しぶりに料理で心が震えた。観光地でこんなに素晴らしい料理が食べられるのか??と。
所謂「家庭料理」の範疇ではない「和食」の基本を知った上で、このエリアの素材を多く使った料理。最初の前菜から最後のシフォンケーキまで外すものがなかった。ものすごく丁寧で気合い入れて作っているのが感じられる料理。もちろん、地元の家庭料理を食べるのも楽しい。でも、料理人の意思と地元の食材に対する愛を明確に感じられる料理がこの値段で味わえる事がただただ嬉しい。彩りのある料理は元気になる。
接客も気持ちがいい。石垣島の風も何もかも気持ちがいい。奥まった場所にあるので、観光客には今のところあまり知られていないようだけど、地元の人達には既に美味しい店として有名だという。まあ、観光客も含めてもっと有名になるのは時間の問題なのかもしれない。
何軒もの不定休の店と出会い、残念な気持ちでいた時にこちらの店と出会った。でもそれらの店が不定休だったからこそ出会う事が出来た。むしろ休んだ店に感謝したい気持ちにすらなった。飛行機に乗った後も、美味しかった料理を思い出して幸せの余韻に浸っていた。石垣島のしあわせごはん、今度石垣島に行く時にも必ず寄りたいと思う。必ず予約して。
おおはまの復活が最高のニュースでした。15年は泡沫レビュアーの矜持としてもっといろいろな店に行って心震えたいなと思います。週一回くらいのペースでレビュー書ける余裕が出来れば嬉しい。