7回
2020/06 訪問
確固たる味を基本に、変革が途切れないこのお店の凄さ
いろいろなお店が少しずつ営業を再開されていかれます。
そのような中、早く訪れたかったお店の一つがここ、鍾馗。
出掛けるタイミングがうまく合わず行きそびれていましたが、閉店時刻に近い頃、ドアを開けて中に入ると提灯は消えていましたが、お店の方のお聞きすると中華そばならばいただくことができるようです。
このお店の場合はここで帰ることを選ぶことは考えられません。
券売機は、大きな1枚のタッチパネルに変わっていました。
画面に触れると、中華そばと10円追加の大盛り、それにチャーシューの2種類のみが表示されましたので、それぞれにタッチし、お金を入れて発券しカウンターに着きました。
いつものようにマスターは、均質なオペレーションで中華そばを作っていきます。
今までと異なるのは、除菌のための薬品がカウンターの1人ごとに置かれていることと、6席に少なくなっていること。
まず中華そばが、その後2種類のチャーシューが別皿にのせられて出されました。
中華そばは、端の方にのせられたネギと四角い大きな海苔がトッピングで、メンマはなくなっています。
まず、スープを飲んでみると、以前のスープに比べ最初に感じる甘さが穏やかになり、最後に魚の節の上品でふわりとした余韻が残ります。
麺を食べてみると、以前のように最初の一口がおいしく感動的です。
舌触りが穏やかになった代わりに、のど越しがなめらかになりました。
チャーシューの1つ目、塩の方を食べてみました。
薄くカットされ、ハムのような口当たりの後、チャーシューらしい味が口の中に残ります。
もう一つの醤油煮の方は、厚めでチャーシューらしい香りがたっぷりで、箸で切り分けるとホロホロで、中華そばに入れることなくそのまま食べてみると、柔らかく脂が口の中で溶けていき、甘さが口の中に広がります。
この2種類のチャーシューの出来がよく、別に盛った理由がよくわかります。
できれば、ワインや日本酒など、お酒といっしょにいただきたいです。
麺は大盛りにしましたが、あっという間にお腹に納まりました。
最近、ラーメンを食べ進めるとその塩味の強さを感じることが多くなっていましたが、このお店のスープは最後まで穏やかな味わいで、ほぼ飲み干しました。
あいかわらず、おいしいお店です。
最近このお店はいろいろなタイプのラーメンを提供しているようなので、次はもっと早くお店を訪れて別のラーメンを食べてみたいです。
2020/06/07 更新
2019/09 訪問
確固たる味を基本に、変革が途切れないこのお店の凄さ
初めて出合った鰆煮干し中華そばをいただきました。
お店が移転してから数年経ち、このお店のラーメンを何度か食べてきた中、今までなかった海苔がのったのは初めてで、見た目の印象が変わっています。
思えば、このお店は同じラーメンでも、チャーシューの素材や作り方に切り方、ネギの使い方など、その時々の変化があり続けます。
それに、いろいろな節や煮干しが使われ、その食材に合わせてメニューの種類も常に変化していますし、前回訪れた時は、普段なら営業時間外の夜に、それまでの路線とかなり違う鴨そばをいただくこともできました。
このお店の良さの一つは、確固たる基本の味の上に、このように客を飽きさせることなく常に新しさを期待できることでしょうか。
午後1時半近くにお店を訪れると外に待っている方はいらっしゃいません。
提灯の灯を確認し中に入ると、ここにも待っている方はなく券売機を眺めました。
ボタンが前回までと大きく変わり、基本は中華そばに本節中華そば、下の方に煮干しそばや昆布を使ったそばなど、配置やメニューに慣れていません。
じっくり眺めると、鰆煮干し中華そばという鰆を使ったものがあり、鰆の煮干しそのものを食べたこともないことから、これに即決しました。
次回は、これも初お目見えの天然真昆布塩そばに決まりですね。
カウンターに座り、できあがるのを待ちました。
店主はいつものように、きちんとしたオペレーションでラーメンを作っていきます。
この様子を見ただけで、今日もおいしいラーメンをいただけると実感できます。
出されたラーメンには海苔がのり、今までと見た目の印象が変わっています。
まず、麺をいただきました。
最初の一口がおいしくて、最初の麺を食べた時のおいしさが忘れられないから、何度も訪れているといってよいでしょう。
麺を口に含んだ時の小麦の香りがよく、麺の面の舌ざわりが滑らかで、麺の角の鋭さも舌に感じられます。
ほどよい腰があり、最初の一口で麺の美味しさを改めて実感します。
スープの基本は、いつものこの店らしい中華そばらしいスープ。
鰆の煮干しの香りもよく、全体的にまとまりおいしいスープです。
薄く切られたチャーシューが5枚のっています。
バラ肉を煮て厚く切られたチャーシューが好みなのですが、このハムのような味わいがとても新鮮で、塩加減と脂分がほどよく、この中華そばに合っています。
今回もとてもおいしくいただきました。
店主のふるまいが心地よく、お店の設えもよく、変化し続けるこのお店のラーメン。
これを食べ続けたいと思えるお店です。
2019/09/23 更新
2018/12 訪問
12月22日までの鴨そば 甘い脂と和風が加わりこれも美味
土曜日の夕方、このお店を通り過ぎたら、いつもと違う景色を感じ振り返りました。
普段ならこの時間、シャッターが下りている店舗なのに、ほのかな灯が眼に留まりました。
お店の前に戻ってみると、ドアの向こう側に垂れ下がっているのはいつもなら丸い提灯なのですが、四角い提灯が燈り、鴨そばの文字がくっきりとしています。
これって何?と疑問に思いながらお店の中に入らずにはいられません。
券売機の前に立ってみると、いつもの節系中華そば・塩そばはすべて×で、この時間に食べられるのは、鴨そばと鴨増そば肉増し、鴨つけ麺の3種類のみです。
10円の大盛りと鴨そばのボタンを押し、チケットを持ってカウンターに座りました。
7席のうち4席にお客様がいらっしゃいました。
厨房には、いつものマスターはいらっしゃいません。
若い別の方が一人でラーメンを作っていらっしゃいます。
小さな鍋に一人分のスープを入れてIHヒーターで温めます。
次に丼を温めながら麺を茹でます。
その間にコンロで鴨肉を炙ります。
その後、丼にタレと温まったスープを移し、ゆで上がった麺をその中に入れ、鴨肉などをトッピングして出来上がりのようです。
それをプレートの上に乗せ、黒七味を添えてカウンター越しに出してくださいました。
鴨肉が2片、白髪ねぎに三つ葉、柚子のトッピング。
丼からはいつもの中華そばのようなスープに、寒い時には特においしく感じる鴨の香りが立ち昇ります。
麺を一口食べました。
いつも最初の一口は小麦の味を感じるとてもおいしい麺なのですが、今日も変わらず。
スープは鴨の甘みのある脂が加わって和風の味わいも感じられるとともに、香ばしさが食欲をそそります。
軽く炙った感じの鴨肉を食べてみると、しっかり厚みのある肉片で周りには焦げ目もありますが、中の方は柔らかく、口の中が鴨らしい味いっぱいになります。
途中から、添えられた黒七味をかけてみました。
スープの上に黒い粒が浮かび、そこから山椒やけしのような豊かな香りがします。
長野で有名な七味とは違って、漢方薬のような香りです。
この黒七味によって、スープに辛味の切れとスッキリした風味が生まれ、スープがまた違ったものになり、大盛の麺とスープもほぼ飲み干し退店しました。
お店の方にお聞きすると、この時期だけの夜の営業のようで、昼間はマスターもお店に出ているようです。
スポット的な鴨そばを味わいましたが、このラーメンもおいしかったです。
12月22日(土)までの夜の営業のようです。
2018/12/20 更新
2018/10 訪問
醤油ベースで、穏やかで、節の旨みの枯本節中華そば
長野市でおいしいラーメンを食べたくなったら、まず鍾馗が思い浮かびます。
しばらくいただいていなかったので、久しぶりにお店に向かってみました。
お店に着いたのは13時40分頃。
お店の外に列はなく、中に入りました。
券売機を眺めてみると、玉子とメンマは売り切れですが、これ以外は大丈夫でした。
前回訪れた時は、中華そばしか残っていましたので一安心です。
ゆっくり考えて、枯本節中華そば大盛り900円にしました。
カウンターに座りチケットを渡し、マスターの仕事を眺めました。
いつものように、清潔な厨房の中で、ブレのない丁寧な仕事です。
出来上がり、眼の前に。
スープをいただき、その後に麺を。
まず、甘みがあって、その後に節の旨みが広がります。
醤油ベースで、穏やかで、節の旨みがしっかりしていて、飲み続けて飽きないですし、最後の1滴まで飲み干したい、とてもおいしいスープです。
麺の方は、最初の一口が特においしい。
小麦の味がスープに殺されなく伝わってきます。
それに、麺の切り方がよいのか、歯ざわり舌触りに鋭さや腰があって、食感もよいのがこのお店の麺のおいしさです。
今までと違うのは、チャーシューです。
肩ロースを使ったもので、何枚もの薄切り肉がのっています。
食べてみると肩ロースで薄切りということもあり、ハムのような味わいも加わり、新鮮な味と食感のチャーシューです。
薄いため、麺と一緒に食べやすいことも、今までのと違いです。
節を基本にしたおいしさは変わらず、細かいところで微妙に進化をしながらおいしくなっていくこのお店、何度も訪れたいお店です。
2018/10/03 更新
2017/12 訪問
中華そばも、ほのかな甘さを感じ穏やかなスープ
前回訪れて、移転した後も同じようにおいしかった鍾馗のラーメンを思い出し、再びお店に向かいました。
時間がよかったのか、外で待つ方もおらず、中に入ってチケットを求めました。
このお店のラーメンは節を使って味わいを豊かにしていますが、移転前のお店はベースとなる中華そばもおいしかったので、今回はそれを確かめるため中華そばを玉子とともにいただくことにしました。
チャーシューは前回がバラ肉でしたので、肩ロースに、そして卵を付けましました。
奥に入ると満席でカウンターの後ろの席で待ち、お客様が退店するのに合わせてカウンターに移りました。
カウンターから眺めていると、いつものように手際よく作ってくださり、さっそく食べてみました。
最初の一口のスープからはおだやかな甘みと醤油のコクの良さが伝わってきます。
そしてこちらも最初の麺からは、舌触りの新鮮さと味の良さがよく幸せを感じます。
価格も標準的で、この味のスープと麺ならコスパもよく、本当においしいラーメンです。
1週間後、また訪れました。
前回は、基本の中華そばをいただきましたので、今回は節の効いたラーメンをいただこうと向かいました。
前々回に鮪節をいただきましたので、できれば違う節のラーメンをと。
お店の外には待っている方はおらず、中に入ってみると券売機の前にも誰もいません。
ラッキーと思いがら券売機を眺めてみると、なんと中華そば以外は売り切れ状態。
アンラッキーですね。
ほぼ同時に入店した外国人4人の様子を見ていると、上手に箸を使いながらおいしそうにラーメンを召し上がっていました。
マスターも外国人とのコミュニケーションが楽しそうで、いい雰囲気でしたね。
2018/03/13 更新
2017/12 訪問
ほのかな甘さを感じ穏やかなのに節の味わい深いスープ
中央通りにあったお店から権堂へ移転して、しばらく経ちました。
訪れる機会を作ることがなかなかできなかったのですが、中央通りのお店でいただいたラーメンの最初の一口のおいしさを思い出し、その機会を作りました。
ドアを開けて中に入り左を向くと券売機があります。
中華そば、伊吹いりこ中華そば、鮪節中華そば、鮪節塩そば、枯本節中華そば、枯本節塩そばのラインナップ。
伊吹いりこを使ったものや、塩そばが新たに加えられています。
お値打ちなチャーシュー丼も健在です。
チャーシューは、肩ロースとバラ肉から選べるようになっています。
中華そばのおいしさを忘れられず訪れたのですから、塩そばは今日はありません。
鮪節か枯本節かで迷い、今日は鮪節、チャーシューはバラ肉を選択しました。
以前のお店では、麺の増量は無料でしたが、大盛りは50円の追加料金が必要なようです。
チケットを買って中に進むと、モノトーン主体のシックな店内に高い位置のカウンターのみ。
ジャズが流れ、ステンレスの什器が使われるなど、以前のお店とは別世界の空間が広がります。
背の高い椅子に座ると、厨房の中が眺められ、依然のお店と同じように清潔感があふれます。
マスターにチケットを渡し、ステンレスのピッチャーから水を注ぎ、少し飲みながら待ちました。
前のお客様のラーメンを作っているのでしょう。
丼を温め、麺を茹でながら、スープを寸胴から小さな鍋に注ぎ、計量器で節をきちんと計りスープの入った鍋に入れてIHヒーターにかけます。
チャーシューをスライサーで1枚ずつカットします。
麺のゆで上がりを見計って、鍋から丼に節を濾しながらスープを入れ、さらに節を絞ります。
麺が茹であがったら湯を切り、丼に入れ麺をスープに馴染ませ整えます。
最後にカウンター側に丼を置き換え、必要なトッピングを施します。
どのお客様のどのラーメンも同じオペレーションをこなします。
この姿勢、以前と同じです。
こういうラーメンが大好きです。
やがて自分のラーメンが完成しました。
まずスープの薫り。
丼に顔を近づけてみると、魚の節の良い薫りが立ち昇っていて、飲んでみると醤油味なのですが、最初におだやかで節の甘さとコクが来ます。
この甘さが何とも上品で、これをいただきたくてこのお店に来ているのでず。
麺を食べてみると、細麺で腰がそこそこあって、麺の角を感じる食感がよく、小麦の味わいもあるおいしい麺です。
特に最初の一啜りがとてもおいしく感じます。
前もそうでしたが、最初に麺とスープを口に入れた瞬間、このお店に来てよかったと感じます。
おいしいものは、あっという間になくなります。
スープをほぼ飲み干し、退店しました。
移転後のお店の雰囲気もわかりましたし、近いうちに再び訪れそうです。
2018/03/01 更新
店主が代わってから初めて訪れました。
前日に比べ気温が下がった日、ランチに熱いラーメンもいいなと思っていたところ、ちょうどこのお店に近くにいましたので、向かいました。
お店の前に着くと以前と同じように辺りに店名は掲げられていませんが、「営業中」の表示が店頭にあります。
中に入ると背丈ほどの券売機があります。
一つひとつメニューを眺めると、ずいぶんよいお値段です。
その中から本枯節中華そばと、大盛り、肉増し3枚の3ボタンを選びました。
以前と変わらぬカウンター席に着き、店主にチケットを渡しました。
麺の重さを計った後に茹で始め、丼を温め、スープを用意し、チャーシューをスライスする様子は、前店主に通じるものがあります。
5分で完成。
透明感のあるスープのラーメンは期待どおり、チャーシューは期待以上のボリュームです。
まずスープ。
最初に穏やかな口当たりと甘味を感じ、その後に醤油と節の風味が伝わってくるスープは、何度も通ってきた鍾馗の味を再びいただくことができてうれしくなりました。
以前よりも節の余韻が強く長く続いて、美味しいスープです。
次に麺を食べてみました。
以前の麺は、口に含んだ時の小麦の香りがよく、麺の面の舌ざわりが滑らかで、麺の角の鋭さも舌に感じられ、最初の一口がとても印象的でした。
それに比べると、食感などが以前の麺とは異なり、のど越し良くスープによく調和しています。
チャーシューは厚みもあって圧巻の食べ応えです。
スープ、麺、チャーシューとも新しい店主のもとでの新しいラーメンをいただきました。