ikukoさんが投稿した祇園 呂色(京都/祇園四条)の口コミ詳細

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掲載保留祇園 呂色祇園四条、京都河原町、三条京阪/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2020/08 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

京都=和食の概念を覆すフレンチ:祇園 呂色

京都に来るとつい選んでしまうのが和食、けれど『祇園 呂色』を知ったからには、フレンチ目当てで旅計画を立てたい!と思ってしまうでしょう。

八坂神社のすぐ近く、一力亭から斜向かいのメインストリートに面した とあるビルの一室。そんな一等地にもかかわらず、外に掲げた看板は ほぼ目に入らない小さな物ですので、知っていないと入れない隠れ家のよう。ワンフロアにこちらだけ、エレベーターを降りた時から特別な時間が流れ始めます。


旅路での再会を祝う 最初の乾杯は ドンペリ。「ドン・ペリニヨン リミテッド・エディション・バイ・レニー・クラヴィッツ」
多彩なアーティストとインスパイアし合う相互関係を描いた限定ボトル。表面ラベルに伝統的な金細工の手法でメタルが槌打ちした、アイコニックなデザインを施されておりドン・ペリニヨンのユニークさやモダンで創造的な精神が表現。

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そして 今宵のコースが始まる。(ワインペアリング)

感謝
出会い
夏の息吹
神秘
大地と海
陰翳礼讃
生命
結び
横顔
共鳴
分かち合い

一瞬??と思うメニュー構成ですが 運ばれる度 ひと皿ずつ”謎”が解き明かされて行きます。

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《感謝》与謝野米・サフラン
お米をサフランで色づけ ”おこげ”にした一品。 上にかかる黄金色はチーズではなく、卵黄の塩漬けを唐墨みたいに欠いて乗せています。形を変えた卵かけご飯を表現しているのだそう!パリッとした食感が面白い。先ほどのドンペリとあわせ心地よいスタートを切りました。


《出会い》新牛蒡・玉蜀黍。
苦みと甘み2つの味わい、温度もアイス状の牛蒡と温かい玉蜀黍。これら2つを木のスプーンで一緒に掬い 口の中で”出会わせる” 。なんとも素敵じゃないですか!

「Meme Marie  / Francois Rousset Martin(シャルドネ 50%、サヴァニャン 50%)」サバニャンの味わいである 甘くないのに香りが芳醇な特長を生かした無濾過ワイン。


自家製全粒粉パンは、エシレバターを添えて。 


《夏の息吹》恵み野菜
野菜とハーブが織りなす、フレンチの美的感覚が込められた繊細な一品。一番下には パンチのあるビーツピュレ、ジャガイモケースのそこには、にんじんピュレを敷き、季節の野菜が色を添えます。ゴーヤやオクラなど部位によって味バリエーションは様々。混ぜ合わせて食べるのも楽しい。

「ビアンコ・トレベツ 2004 ダリオ・プリンチッチ(Bianco Trebez 2004 Dario Princic)」
イタリア北東のマセラシオンワイン(オレンジワイン)、ソーヴィニヨンブランの皮を漬け込み鮮やかなオレンジ色が美しい。ワイン単体だと強い印象を受けるワインですが、ビーツに合わせると優しく変化します。


《神秘》キャビア オシェトラ・卵
キャビアと卵、そして隠されたウニ と卵づくし。ラトビア産キャビアは塩分が抑えめ、まずキャビアだけを一口、残りは卵の中へ! 底からかき混ぜるとウニが現れるサプライズなひと皿。こちらに合わせるのは日本酒。魚卵に合うのは日本酒ですよね!!!

「丹 -ni- 竹野酒造」
京都丹後の酒蔵で 仕込み水を多めに使う事によりアルコール下げています。ワインの口当たりにかなり近く、飲みやすく、酒米は コシヒカリのルーツでもある亀の尾。


《大地と海》鮑・賀茂茄子
アワビをとにかく柔らかに仕上げた火入れが最高。和食や寿司屋では時間をかけ蒸すことが多い鮑、ろいろでは 一番最初に火が入った柔らかな状態をキープするのだそう。柔らかくありながら、もちっとした弾力、そして 貝出汁にパセリを合わせたソースが絶妙なマッチング、口の中からなくならいように、いつまででも食べていたい。蕩ける賀茂茄子に乗った三つ葉のトッピングが 京都らしさを感じます。 

「ムルソー クロ デュ ミュルジェ 2011 ドメーヌ アルベール グリヴォー(Meursault Clos du Murger Albert Grivault)」
ブルゴーニュ ムルソーでありながらエレガント系。パセリベースで濃いソースではないので、強すぎない優しい味わいが合います。


《陰影礼賛》肝
題はもちろん谷崎潤一郎から、影の美しさを感じる日本の美感覚を表現しています。先ほどの鮑の身が”光”とすれば、肝は”影”。茶碗蒸し(ロワイヤル)に仕上げられ、微かな苦みを感じる程度の控えめな肝具合が奥ゆかしい。文学を表現するって かなり繊細な感覚だと感じました。

「 陰翳 -in/ei- 竹野酒造」再度 竹野酒造の日本酒が登場。先ほどとは異なり、甘さを感じる口当たり。竹野酒造は プレステージキュベに当たるラインナップを日本酒で作り出しています。この頃大分 世界進出してきた日本酒ですが、価格面ではまだまだ高級品を呼べる物が少なく、早く最上級シャンパンに肩を並べるようになって欲しいですね!


《生命》但馬牛・大黒しめじ
炭焼きの火加減を極めた 但馬牛。毎回変わる炭をコントロールし、肉汁を上に塗りながらじっくり赤身肉にうま味を纏わせます。ハーブは木の芽を使用、スッと鼻に抜ける爽やかな香りに初夏を感じます。 ニンニクのコンフィを背で押しソースがわりに合わせたり、丸ごと使った大黒しめじは味が凝集、食べているだけで幸せになれます。

「ドメーヌ・ヴィレ "ルネッサンス" 2015(Renaissance Rouge 2015 / Domaine Viret)」
一番ワインが美味しく作れると言われているマグナムボトル。フランス南部 コート・デ・ュ・ローヌ地方、グルナッシュのアニマルなフレイバーに果実味甘味も感じられる赤。今回使った ランプ肉の野性味と良いマッチング。


《結び》七谷鴨そば
京都 亀岡の七谷鴨は ”火を入れても硬くならない”と言われて人気が高い。 この鴨を贅沢にコンソメに使っています。つまりラーメンが鴨出汁なんですよ!!! 開花楼のデュラムセモリナ粉を使った麵との相性も◎。どんなに酔っていても、この一杯はお腹に入れるべき。  果実味のあるワインとも合うので、先ほどの赤を少し残して置いて、ラーメンと共に楽しむのもアリ♪


《横顔》紫蘇
2種の粒子の違いで味わう紫蘇アイス。どこか懐かしい味が。

 
《共鳴》マンゴー・フロマージュブラン
共鳴 2種類を交互に食べることにより 味を高めるデザート。宮崎マンゴーに海ブドウの組み合わせがなんとも新鮮!凍らせたスイカに塩を振るイメージで乗せてみたい!と思ったシェフ最高、プチプチ食感も楽しめます。パッションフルーツの酸味も効いています。そしてフロマージュブランのアイスは、ほぼ 凍らせたチーズと言ってよい濃厚さ。右を食べ・左を食べ・デザートワインを口に含み、三身一体で味わって欲しい。

「エル ジェネリック ソーテルヌ」
ボルドー 貴腐ワインで、あそこの物らしい。全部樽詰めせず、、、別の物として発売しているから”ジェネリック”なんですって。 


《分かち合い》アーモンド
3種のミントとレモングラスを使った爽やかなハーブティー。殻付きアーモンドから作ったアーモンドショコラは、その手間ひまを考えると一口で食べるのが惜しくなります。そして、焼きたての小さなフィナンシェ。 お腹いっぱいだけど、このひと口で幸せな時間が終わってしまうのですね。


小霜シェフの考え尽くされたお料理の数々、そこに 佐橋ソムリエの冴え渡るペアリング、楽しすぎてあっという間に時間が過ぎ去りました。カウンター席のみなので、お二人との会話もお食事の大切なファクタ、程よい距離感が居心地の良さに繋がってるのだと思います。更に 初めに見せられた一枚のメニューに、食後 薄紙を重ね合わせると完成する演出もステキ。京都に来る事がますます楽しみになるお店です。


2020/08/09 更新

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