3回
2019/11 訪問
そば粉の持つポテンシャルを最大限に引き出した蕎麦のフルコース『石臼挽き蕎麦香房 山の実』
2019年11月に伺いました。
石臼挽き蕎麦香房 山の実さんへ。
山の実さんは北志賀高原にあるお蕎麦屋さんです。
スキーシーズン以外の季節(春~秋)の(基本)週末(HPで確認してね)のみ営業しています。
今シーズンのラストが11月17日までと知り、予約をして訪問することにしました。
ここ数年はご無沙汰していますが、過去何度か利用したことがあります。
北志賀高原は紅葉落ち葉が絨毯になり、煌びやかな季節の終わりを告げる雰囲気でした。
ちなみに山の実さんは竜王スキー場ゲレンデの目の前にあります。
新そばを味わいたいならばこの時期かも知れませんが、緑が眩い季節だとドライブも合わせて楽しめるかもです♪
山の実さんはゲレンデ横にあるお店らしく、普通のお蕎麦屋さんとはちょっと変わっています。まずは階段を登り、店内に入ります。雪で埋もれないように高床式住居になっています。また扉を開けると大きな石窯が出迎えてくれます。赤い床、そして奥には大きな薪ストーブが配置してあり、お店に足を入れると雪の季節(スキーシーズン)の営業がメインだったのかな~とも思えます。私たちが訪れた日は寒かったので風情あるこの雰囲気がマッチして心身共に温まることができました。
ちなみに「石臼挽き蕎麦香房 山の実」さんの休業中は「冬季ゲレンデレストラン 山の実」さんにバトンタッチになるようです。
注文したもの
■山の実セット(¥2,200)②
■季節のピッツア(¥1,300)①
こちらのお店は山の実セットを注文することをおススメします。
山の実セット:お通し+手引き蕎麦がき+生粉打ち(きこうち)蕎麦+蕎麦ピッツア
ちなみに蕎麦ピッツアは2人で1枚のセットになります。
今回は季節のピッツアはリンゴのピッツアだと知り、別に注文をすることにしました。
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◆お通し:この日のお通しは「そば粥」でした。山の実さんでそば粥を頂くのは初めてのような気がしたのですが、夫が携帯から写真を探して見せてくれました。2度目のようでした(食べログをしていなかった時期なのですっかり忘れてしまいますね)。ちなみに前回の写真と比べると今回は木耳入りになっているようでした。
ぷっくりしたそばの実が1つ1つしっかり形を残したそば粥です。厚みのある木耳と茹でた春菊、そして柚子の皮が添えられています。
お米の粥で例える重湯になる部分はさらりとした液体で、ほんのりとろみがついています。粘りがないお粥です。そばの実はきちんと形を残し、この外側はしっかりしているけれど、中はとっても柔らかいです。お口の中でプニプニした殻が弾け、そばの甘みと香りが広がります。厚みのある木耳は柔らかいけどコリコリ食感です。普通に食べている木耳とは食感が違います。ちなみに木島平産の木耳を使用とのことでした。
そば粥は薄味で上品な味付けです。そばの甘みと香りを楽しめます。爽やかな柚子の香りが加わり華やかさを増します。
◆手引き蕎麦がき:専用の手引き石臼で粗く挽いたそば粉と水だけで掻いた蕎麦がきです。
お皿には山葵が添えられています。別容器の塩を添えて頂きます。
蕎麦がきはまるですんだ(枝豆餡)のおはぎのようなビジュアルです。所々緑がかっています。長野ならではの餅米を半分つぶして作ったぼた餅(半殺し)のような感じの蕎麦がきです。粗く挽いたそば粉は食感がずんだのような粒粒感があります。歯切れがよく、弾力に富んでいて、粘り気は強すぎず弱すぎず。もちもちしていて、口の中で蕩けていきます。そして濃厚なそばの香りがお口の中に広がっていきます。塩や山葵(つんとくるわさび)を添えていただきます。はじめは蕎麦の旨味や甘味が優しい味わいなのですが、ガツンと蕎麦の香りが広がるのです。
◆生粉打ち(きこうち)蕎麦:黒い外皮をむいた丸抜きの実を当日の朝に電動石臼で製粉しているそうです。この挽き立てのそば粉と冷水のみで打ったお蕎麦です。山の実さんでは契約栽培された蕎麦の実の保存管理、皮むき、製粉、蕎麦打ち、釜茹でを全て店主さんが行っているそうです。蕎麦湯も茹で湯ではなく、別製となっています。
ザルに盛られたお蕎麦は十割蕎麦ですが、かなり細めで均一です。ザルに水気が残るわけでもなく、お蕎麦が乾いてもいません。こちらのお蕎麦も緑色をしています。
小皿に山葵が添えられ、好みに応じて塩や蕎麦つゆで頂きます。一般的なお蕎麦屋さんだと薬味が添えられていますが、こちらでは付いてきません(薬味を必要としないからです)。
コシと喉越しのよさを備えたお蕎麦です。塩を添えて頂くと舌触りのよさ、弾力ある食感、そばの甘みがダイレクトに感じられます。蕎麦つゆは甘さ控えめの凛とした味わいです。麺をつけて食べてもなるべく蕎麦の味わいを活かすように工夫されたものになっています。
◆蕎麦ピッツア:生地にそば粉を使用し、300℃の薪窯で焼いたものです。
まずはじめに「山の実セット」で注文をした須賀川ピッツアです。
そば粉を使用したピッツアはかなり薄めの生地で、3mmくらいの厚さです。トッピングは白髪葱とえのき茸、そばの実が見えます。生地の上に薄く伸ばした白みそのソースにほどよいチーズ感が合わさります。かなり薄い生地なのにどの部分もサクサクです。周りの縁の部分は空洞になっていてカリカリしています。ピッツアと考えると至ってシンプルなのですが、食べてみてください。食感といい、味わいとしても至高のピッツアです。チーズと白みその相性がよいです。はんなりとした白みその甘みとチーズの塩気、そして合わさり相乗効果で旨味が広がります。ピッツアとしてはソースもチーズも控えめな感じなのですが、程よい加減です。そして余韻としてそば粉の味わいがしっかり感じられるものです。香ばしく焼き上げられたピッツアの上にトッピングで飾られているそばの実。これは風味や食感のアクセントにもなっています。
そして季節のピッツア(リンゴのピッツア)です。基本同じようにかなり薄めの生地にチーズと薄切くスライスしたリンゴ、オリーブオイルと至ってシンプルな組み合わせです。信州ならではのリンゴを使ったピッツアや天ぷらをよく見かけますが、良い意味で想像したものとは別のものになっていました。薄くスライスしたリンゴは極力火入れがしていないシャキシャキ感が感じられるものになっています。甘酸っぱいリンゴは酸味の方が効いています。しかしピッツアを口にするとまるではちみつっぽい味わいになります。須賀川ピッツアもそうなのですが、生地とトッピングのどちらの味わいも活かす加減が絶妙です。食べはじめはそば粉のピッツアであることを忘れてしまうほど生地の薄さや焼き加減が逸品なのですが、風味を活かし、そばの香りが口に広がる。
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私たちは山の実セットに季節のピッツアを追加しましたが、山の実セットだけでも十分すぎる量です。夫が季節のピッツア(リンゴのピッツア)を私に食べさせてあげたかったようです。ありがとう(*^▽^*)
お店を後にすると滞在時間は1時間半強だったと思われます。店内の席数は満席にはしていないように感じました。スキーシーズンの営業を前提としたお店である関係上、席数は多いけれど細かい作業が行き届くような加減なのかしらと思います。ですから予約訪問が必須なお店です。土地柄そこまでと思われる方もいるかも知れませんが、山の中で見かける車はほぼこちらのお店に向かっていると言っても過言ではありません。品切れ終了にもなりますのでこの距離を訪れて無駄足になることは避けたいところです。
蕎麦の名店は他にもあるかも知れません。石臼挽き蕎麦香房 山の実さんの「山の実セット」はそば粉の持つポテンシャルを最大限に引き出した蕎麦のフルコースになっています。メインである蕎麦ピッツアは誰もが感嘆することでしょう。小麦粉のように手軽さがないそば粉を使用して極薄のクリスピーピッツアです。生粉打ち蕎麦の麺の細さもブレがなく均一でしたが、ピッツアの生地も均一の薄さです。高温で焼くことでそば粉の香りが引き立ち、香ばしさと食感のよさが際立ちます。焼き立てのピッツアはソースが塗られていても湿気った感じにはなりません。蕎麦がきもかなり特徴的で食べたい逸品です。
美味しかったです!ご馳走様でした。
お通し(そば粥)
手引き蕎麦がき
手引き蕎麦がき
手引き蕎麦がき
生粉打ち(きこうち)蕎麦
生粉打ち(きこうち)蕎麦
そば湯を加えると
須賀川ピッツア
須賀川ピッツア
須賀川ピッツア
須賀川ピッツア(裏)
季節のピッツア(リンゴのピッツア)
季節のピッツア(リンゴのピッツア)
季節のピッツア(リンゴのピッツア)
メニュー表
メニュー表
メニュー表
店内ではそばの実やそば粉を販売しています。
店内ではそばの実やそば粉も販売しています。
店内ではそばの実やそば粉も販売しています。
そば
ピッツアは全国発送もしているようです。
お店の外観
お店の外観
2019/11/23 更新
2020年9月に伺いました。
石臼挽き蕎麦香房 山の実さんへ。
予約をしてからの訪問です。
もう少しすれば新そばの季節。
今年は敢えて避けて、
この時期にしました。
早めに到着、
予約時間まで
近くを散策することにしました。
ほんのり肌寒さも感じましたが、
高低差のあるこの場所は
歩きがいがあります♪
身体が温かくなってきます。
歩いていると人とすれ違うこともありません。
まだオフシーズンだからなのよね。
秋が深まり、葉が落ち、
白銀の世界が広がる頃。
この地の華やかな季節がやって来ます。
そうすると
石臼挽き蕎麦香房 山の実さんは
お休みです。
注文したもの
■山の実セット ②
■石窯焼きピッツア(須賀川)①
※ちなみにセットのピッツアは2人で1枚となっています。
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◆山の実セット:
(お通し(そば粥)+手挽きそばがき+生粉打ちそば+季節のピッツア(信州りんご))
◎お通し:薄味のお出汁で炊いたお粥。重湯の部分はさらりとしていて粘り気がありません。そばの実はぷっくりしています。表皮はしっかりしているものの、お口の中でプチプチ弾けます。そばの香りと甘みが広がるお粥です。
◎手挽きそばがき:
お皿にはわさびが添えられています。ぼた餅(半殺し)のような感じです。そして緑がかった色合いがずんだ餅のようにも思えます。歯切れがよく、粒感があり、弾力がある不思議な食感。お塩やわさびを添えてもいただきましたが、何もつけなくても美味しいそばがきです。
◎生粉打ち蕎麦:
丸笊に盛られた十割そばです。かなり細め、薄緑色をしています。
小皿にわさびが添えられ、好みに応じて塩や蕎麦つゆでいただきます。
お蕎麦屋さんだと薬味が添えられていますが、こちらは付いてきません(薬味を必要としません)。
コシと喉越しのよさを感じるそばです。塩でいただくとそばの風味や食感をダイレクトに感じられます。そばつゆは甘さ控えめの凛とした感じのものです。何も付けずに添えずにいただきました。そばがき同様、そのままでも食べられちゃう美味しいおそばです。
◎季節のピッツア(信州りんごのピッツア):
かなり薄めの生地にチーズと薄切くスライスしたリンゴ、オリーブオイルの組み合わせでシンプルです。薄くスライスしたリンゴはシャキシャキ感が感じられるもの、酸味の方が効いています。今年は青りんごだったような気がします。こちらも蕎麦ピッツアです。
◆須賀川ピッツア:
そば粉を使用したピッツアは3mmくらいの厚みです。トッピングは白髪葱とえのき茸、そばの実が見えます。生地の上に薄く伸ばした白みそのソースにほどよいチーズ感が合わさります。
白みその甘みとチーズの塩気が合わさります。ソースもチーズも控えめ、そば粉の味わいもしっかり感じられるピッツアです。小気味よいサクサク、カリカリ食感も楽しいです。
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新そばの季節に限らず、
やっぱり美味しい♪
多分5回目の訪問です。
こんなご時世だからこそ、
今年も訪問できてよかったです♡
美味しかったです!ご馳走様でした(*´▽`*)