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建物外観
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Wホテル
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Dining room
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Bar
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Courtyard
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Mocktail
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米料理
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和牛のタンと天丼(!?)
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ムール貝
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温泉卵と菊芋
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温泉卵と菊芋
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ピデ
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「子供のころの夏」
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「母から…」
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「黒海」
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「エーゲ海の魚のセリ」
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羊のケバブ
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イチゴのデザート
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「HELVA」
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プティフール
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バンコク、Wホテルの『The House on Sathorn』でディナー。130年前の建物は意外と大きいのですが、夜の雰囲気も良い。
料理はなんと、トルコ料理。先日はココでスペインの『ムガリツ』のシェフがフェアをやったりと、イノベーティブなスタイルでのトルコ料理ということで楽しみ。今回はあえてフレンチではなく、せっかくWに泊まっているのだしということで、こちらを唯一のファインダイニング訪問としていたのです。
ここは同じ建物の中でレストランが分かれていて、中庭の『Courtyard』はカフェもやってますし、『Bar』もある。そして『Dining Room』が、アジアベスト50にも入ったイノベーティブなトルコ料理なのです。
2日前にはココのバーに来てドリンクを間違われてフラフラに…そのことはちゃんと記録として残していたようで、席について最初に丁寧な謝罪と共にこのモクテルが。パッションを全面に出してくる、アジアらしいテイストで美味しい♪
最初の一皿は米料理。シャロットという野菜に米を詰めて、ウニとキャビアを乗せた、いきなり心を掴む一品。なかなか立派なウニは北海道からとか。ちょうど一口サイズで、噛むとあふれ出す旨味が凄い。
次はシェフの説明によると、和牛のタンと天丼(!?)ということ。確かに、タンの下に天ぷらっぽい衣がありますが、天ぷらと天丼の区別がついてないのかな?(笑) シェフは東京の日本料理『龍吟』にもいらっしゃったそうですが。タンはぬめっとした食感そこに天丼(笑)のカリカリを合わせる趣向。そして上にかけられた大量の黒トリュフのシュレッド。これが物凄く美味しいんです。ふわりと、それでいて強烈な香りがいっぱいに広がって恍惚。ああ、美味い。
次はムール貝。ボスポラス海峡の黒ムールらしい。貝の部分も食べられるように作ってあります。中にはタルタルでとろりとした味わい。カラッと揚がったジューシーな貝、ここまで食感も味も、リズムがすごく楽しい。
次に、温泉卵と菊芋。今度はフワフワ食感。いたって現代的な味わい、と表現したくなる。希薄な中にも、分かりやすい芯がある。これでやっと前菜が終了。いやはや、楽しい。とても楽しい。調理法も味の方向性にも広がりがあって、これだけでも小さなコース料理を楽しんだかのような。
続いて出てきたパンはトルコの「ピデ」というもの。アツアツで薫り高さ、味わいの濃さから皮の薄さまで、すごく好み。バターを骨髄に入れるのはちょっと生理的に好きじゃないんですが、この発酵バターもハチミツも絶品。
続いては「子供のころの夏」と名付けられた、さわやかな料理。今回、一番のお気に入りでした。トマトの中には少し辛味のきいたサルサが詰まっていて、下には濃厚なパセリのソース。最後に目の前で、風味が強めの山羊のチーズをシャーベットにしたものを添えて。これがトルコ的な組み合わせなのかどうか、彼の国に未訪の僕には分かりませんが、どこか懐かしさ、そして楽しさがこちらにまで伝わってくる料理でした。
次に「母から…」と題された料理。これはひと口でトルコに旅立ってしまうような、スパイスの強烈な味わい。ラヴィオリに近いものですが、皮の薄さともちもち感は、『鼎泰豊』のような洗練されたもの。そこに水牛の乳で作られたコクのあるクリームと、スペインのピマンデスペレットのようなピュレ。まさに東洋と西洋の融合した、トルコならではの味ですね。もっとも印象的な料理でした。
「黒海」という名の料理。イタリアのポレンタみたいな、トウモロコシの料理。餅みたいなプルプルしたものの中にはケールが入っていて、不思議な味。
次は「エーゲ海の魚のセリ」とでも訳すべきでしょうか。メニューには「auction」と書いてあるので。イメージ的には、イスタンブールの水揚げなのかな。新鮮さをこういうメニュー名で語る手法なのでしょう。この金目鯛、良い食材です。ブイヤベース的な味わいのソースは、僕の大好きなフレンチの某店で食べるような美味。しみじみと美味しい。
それにしても、トルコってのは色んな海に面しているんですね。ここのシェフはトルコ料理、トルコの「食」をガストロノミーに昇華させる、世界でも第一人者として有名ですが、同時にトルコの食以外の面でも、料理を通じてアンバサダー的な役割を担っていくのではないでしょうか。少なくとも、僕にとっては一つ、トルコの素晴らしさ、食のレベルの高さを知ることができました。
メインディッシュは羊のケバブというもの。うーんコレは…乳飲み子羊のようですが、僕には脂身が多すぎて…。この辺りは好みもあるかと思います。僕は羊の肉部分が大好きなので、ちょっと残念。
さて、ココからはデザート。一品目はイチゴのキュートなもの。液体窒素で固めたヨーグルト、器も氷で出来ていて、さらにイチゴのソース。まあ、美味しくない訳ないですね。ちなみに、とても立派なイチゴなので、いやぁきっとアレだよ!南国は太陽いっぱいだからイチゴもよく育つんだよ!とかテキトーなことを言ってたら、シェフが「あまおうダヨ。世界一美味しい」って(笑) スミマセン、適当なこと言ってw
次にトルコのデザートだという「HELVA」。もっちもちのチーズケーキで、シェフは「餅」って言ってました(笑) 甘さもちょうど良く、食感が違ったら美味しいチーズケーキなんだけど、食感が違うとこれほど違うものなのか。いや、美味しいんです。ただ、腹に溜まるってだけで。なんていうか、トルコ料理ってホント面白いですね。
最後にプティフール。盆栽みたいなのにぶら下がってる…昔、友人のDavid Seniaも同じプレゼンテーションしてきたなぁ。そういえば、何となく目つきも似ているかも(笑) 3種類のプティフールですが、どれも美味しかった。ただ、個人的にはチョコに入ってるシュクレペティアンは、やっぱり苦手。まさかタイに来てまで、これを食べることになるとは思わなかった…。
せっかくなので、気分を変えてアウトサイドの席に移動していい?って聞いたらOKとのことで、中庭の『Courtyard』の席へ。先ほどまで食べていたのは「Dining Room」でファインダイニング、こちらはCourtyardという、サブダイニングという位置づけなのです。昼間はここでアフタヌーンティーやデザートも提供されている模様。ビートの流れる雰囲気の良い庭でいただくプティフールは最高でした。
料理は(肉以外)素晴らしかったし、雰囲気も荘厳でありながら軽快なBGM、そしてサービスもエンターテイナーというか、フレンドリーで楽しい! もちろんシェフも。ココはとても楽しいレストランなのです。
しかし、ココを含め、アジアベスト50系のレストランには特に顕著ですが、ある程度上(敢えてこう表現します)の方の料理は、共通する旨味の絶妙さがありますね。悪く言えば、突き抜けた味そのものというのは無いようにすら感じる。でも、そこをベースとしつつ、自分のオリジン ーここの場合は「トルコ」ですねー を、どうデコレートして、独創性とストーリーを感じてもらえるかで、ゲストの得られる楽しみは大きく変わるんだと思います。
それはシェフ自身が、自分は何者なのか?を考え、考え抜いて初めて産まれてくるもの。これって料理に限らず、僕らWebマーケティングだって、自分たちの強みとその理由、そして伝え方を必死に考えてアウトプットしてるのと同じ。料理にしろITにしろ、技術が進化した現代では、一定のレベルの結果は容易に作れる。その一歩先を見ているかどうかが、このレストランの楽しさを作ってるんだろうなと思いました。やっぱり、素晴らしいモノに触れるということは、自分のジャンルでなくても、勉強になりますね♪