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Oishii!!~関西グルメ食べ歩きレビュー~ tabelog版
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いさを☆ (男性・大阪府) 認証済
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1回
昼の点数:5.0
¥10,000~¥14,999/ 1人
2006/06 訪問
パリを代表する三ツ星レストラン(当時)
「タイユヴァン」、フランス料理を好む人にとって、この名には特別な思い入れがあるでしょう。14世紀、「LeViandier」という料理書を著した古代の料理人、Guillame Tirel(ギョーム・ティレル)の別名を冠したこのレストランは、30年以上に渡って三ツ星を維持。キング・オブ・三ツ星といっても過言ではないでしょう。2006年度版では、ミシュラン三ツ星、ゴー・ミヨー17点です。パリ8区、凱旋門からほど近いこのお店の入り口は、意外なほど地味です。ドアマンがいなければ、見落としてしまいそう。しかし、一歩店の中に入ると別世界。研ぎ澄まされた空気に、一瞬ひるみます。それでも、コート係の方の「Bonjour!」という言葉と笑顔に、心を落ち着け、メインダイニングへ。最近改装されたらしいですが、木目をメインにした、重厚感のある落ち着いた空間です。そしてやってきました、Jean-ClaudeVrinat(ジャン・クロード・ヴリナ)氏、このレストランのオーナーであり、いまやフランス料理界の代表者とも言える方です。鋭いまなざしを一変、満面の微笑みで席に案内してくれました。テーブルにつくと、まずはクリームチーズのプティ・シューがサービスプレートに乗せられます。・グジェールこれを食べながら、メニュー選び。といっても、今回はランチの一番安いものに決定しているのですが。このムニュ・デジュネ(70ユーロ)は、最初に渡されるメニューには載っていません。サービスの方に聞かないと出てこないあたり、商売上手というか、何というか(笑) 内容はアントレ(前菜)+プラ(メイン)+デセールで、2種類から選べるプリフィクスになっています。・トマトのガスパッチョ、マスタードアイスを浮かべてさて、まずはアミューズです。トマトのガスパッチョとモスタルダのアイス。いきなりやられました。美味。トマトの酸味がすごく強いのです。日本のトマトは糖度を高くして、ものすごく甘いものが持て囃されますが、こちらのトマトは基本的にすっぱい。それを、非常に上品に仕上げてきました。アイスの絶妙な味の主張も完璧。また、スープの中には玉ねぎのようにサクサクした野菜が入っていて、食感のアクセントになっています。アミューズのガスパッチョとはこうあるべき! というお手本を見せられたような料理でした。・Veloute de crevettes grises小エビのクリームスープ前菜は2種類から選択。僕は小エビのクリームスープを。小さなエビをぐるっと円形状に並べたスープはとても味の濃いアメリケーヌソースという感じで、塩辛い。なのにおいしいのはなぜでしょう。日本では味わえないおいしさだと思います。・Risotto d'epeautre aux girollesジロール茸のリゾット(相方オーダー)少し残したあたりで、同席者が満腹だというので、皿をチェンジしてジロール茸のリゾットも頂きました。この皿のチェンジをお願いした時、新しいカトラリーにしてくれたのですが、使用済みのカトラリーを取る間にはもう、新しいカトラリーを持った別のスタッフが控えています。チェンジしてくれるサービスの方と特に会話した様子もないのに、このチームワーク。さすが「サーヴィスのタイユヴァン」と呼ばれるだけあります。そんな良い気分で頂いたリゾット、おいしいに決まっています。やはり味はかなり濃い目でしたが、米の炊き具合はヨーロッパではあり得ないほど完璧。ソースの煮詰めた甘さ、きのこのうまみの解け具合、感動の味です。・Rouget barbet poele,brandade de merlu et aioliヒメジのポワレ、メルルーサとアイオリのブランダードメインは大好きなヒメジをいただきました。魚の焼き具合が完璧なのは、言うまでもありません。美味です。しかし、それ以上に感激したのが、魚の切身一つ一つについているドライトマト。酸味の強いドライトマトをネギのようなもので焼き付け、魚に留めてあるのです。見た目にも面白いし、ブランダードとの味のインパクトになって素晴らしい。全体としては、前菜に比べてかなり軽めでしたが、十分おいしかったです。・Poulet ,fermier aux legumes printaniers若鶏と春野菜のフェルミエ(相方オーダー)鶏の方は食べていませんが、軽めの味付けだけど美味とのことでした。・Ossau Iraty,confiture de cerises noiresオッソー・イラティ、ブラックチェリーのコンフィチュールチーズはオッソー・イラティ。単にシェーブルと説明されましたけど。チーズがこんな風に出てくるのって、日本ではあまりないですよね。立派な一品の料理です。まろやかなミルクと、甘味の強いベリーのコンフィチュール。もう最高です。最高なんだけど、だんだんおなかいっぱいに。・Craquant au chocolat et au caramelショコラとキャラメルのミルフィーユ・Saint-Honore aux fraises des bois木イチゴのサント・ノレ(相方オーダー)デザートはショコラをいただきました。美しいデセール(盛り付け)ですねぇ。板状のショコラの表面は非常に滑らかで、鏡のよう。皿に書かれた五線譜(?)を美しく反射しています。味は割と普通ですね。というか、これまでの料理のレベルが高すぎたせいでしょうか。おいしいのはおいしいです。まあ、目で楽しめたので、良しとしましょう。・6種類のプチ・ガトーミニャルディーズは6種類。これがまた美味。今回、パリへの旅行で、いわゆる「一流」と呼ばれるパティスリー・ショコラトリーにはたくさん行きました。しかし、どのパティシエの作るケーキも、このミニャルディーズにはかなわない。パート・ド・フリュイの強い酸味、ショコラの苦味、焼き菓子の甘味、全体としてバランス良く、しかも一つ一つが非常に美味。一番面白かったのは、ホオズキにチョコ(?)をコーティングしたもの。写真のピンクのものです。この甘酸っぱさと食感は初体験。全体で一つの世界を作るようなこのミニャルディーズ、最後を締めくくるには最高です。同席者はもう食べられなかったので、持ち帰りにしてもらいました。立派なマークの入った箱です。一つ残念というか、意外だったのは、客層。フランス人がまったくいないのではというほど、聞こえてくるのは英語ばかり。日本人も数組いました。フランス人のほとんどの人はレストランなんて行かない、ましてや三ツ星なんて一生に1回も行かない人がほとんどというのは知っていましたが、まったくいないというのには驚きました。予約は日本から、英語のメールで。見ていませんが、英語・日本語メニューもあるらしいです。ほとんどのサービスの方はもちろん英語でOK。パリの三ツ星として長い歴史がありながらも、門戸の広いレストランです。それゆえに、外国人が多いのでしょうけども。それでも、最高のサービスや重厚な内装、そして素晴らしい料理を楽しむためにわざわざ行く価値のあるレストランであることは間違いないと思います。■二ツ星へ降格(07年3月追記)※その後、2007年のミシュランでは二つ星に降格。個人的には納得のいくものではないです。一方で30席足らずのレストランが三ツ星に昇格するなど、この年のミシュランは大変動がありました。確かに、料理に斬新さを求めれば、こちらの料理はかなり伝統的寄りだといえます。しかし、けして伝統に縛られているわけではない。現代的な要素も取り入れつつ、伝統に軸を置いて少しずつ進化しているレストランだと感じます。何より、このカジュアルながらも折り目正しいサービスの質とその人数、そして明るさと重厚感を両立させた内装による雰囲気は、他のレストランが一朝一夕に備えられるものではありません。ミシュランという大きな影響力を考慮したとき、料理だけではなく、イベントとしての「食事をする」ことを重視すれば、これほど「三ツ星」(そこを目的にして旅行する価値がある)にふさわしいレストランはないと思っています(07年3月追記)。
記事URL:http://oishiikansai.com/travel/france2006/taillevent.html
2014/12/03 更新
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一人で入りやすい
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喫煙可
ワインあり
日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
「タイユヴァン」、フランス料理を好む人にとって、この名には特別な思い入れがあるでしょう。14世紀、「LeViandier」という料理書を著した古代の料理人、Guillame Tirel(ギョーム・ティレル)の別名を冠したこのレストランは、30年以上に渡って三ツ星を維持。キング・オブ・三ツ星といっても過言ではないでしょう。2006年度版では、ミシュラン三ツ星、ゴー・ミヨー17点です。
パリ8区、凱旋門からほど近いこのお店の入り口は、意外なほど地味です。ドアマンがいなければ、見落としてしまいそう。しかし、一歩店の中に入ると別世界。研ぎ澄まされた空気に、一瞬ひるみます。それでも、コート係の方の「Bonjour!」という言葉と笑顔に、心を落ち着け、メインダイニングへ。最近改装されたらしいですが、木目をメインにした、重厚感のある落ち着いた空間です。
そしてやってきました、Jean-ClaudeVrinat(ジャン・クロード・ヴリナ)氏、このレストランのオーナーであり、いまやフランス料理界の代表者とも言える方です。鋭いまなざしを一変、満面の微笑みで席に案内してくれました。テーブルにつくと、まずはクリームチーズのプティ・シューがサービスプレートに乗せられます。
・グジェール
これを食べながら、メニュー選び。といっても、今回はランチの一番安いものに決定しているのですが。このムニュ・デジュネ(70ユーロ)は、最初に渡されるメニューには載っていません。サービスの方に聞かないと出てこないあたり、商売上手というか、何というか(笑) 内容はアントレ(前菜)+プラ(メイン)+デセールで、2種類から選べるプリフィクスになっています。
・トマトのガスパッチョ、マスタードアイスを浮かべて
さて、まずはアミューズです。トマトのガスパッチョとモスタルダのアイス。いきなりやられました。美味。トマトの酸味がすごく強いのです。日本のトマトは糖度を高くして、ものすごく甘いものが持て囃されますが、こちらのトマトは基本的にすっぱい。それを、非常に上品に仕上げてきました。アイスの絶妙な味の主張も完璧。また、スープの中には玉ねぎのようにサクサクした野菜が入っていて、食感のアクセントになっています。アミューズのガスパッチョとはこうあるべき! というお手本を見せられたような料理でした。
・Veloute de crevettes grises
小エビのクリームスープ
前菜は2種類から選択。僕は小エビのクリームスープを。小さなエビをぐるっと円形状に並べたスープはとても味の濃いアメリケーヌソースという感じで、塩辛い。なのにおいしいのはなぜでしょう。日本では味わえないおいしさだと思います。
・Risotto d'epeautre aux girolles
ジロール茸のリゾット(相方オーダー)
少し残したあたりで、同席者が満腹だというので、皿をチェンジしてジロール茸のリゾットも頂きました。この皿のチェンジをお願いした時、新しいカトラリーにしてくれたのですが、使用済みのカトラリーを取る間にはもう、新しいカトラリーを持った別のスタッフが控えています。チェンジしてくれるサービスの方と特に会話した様子もないのに、このチームワーク。さすが「サーヴィスのタイユヴァン」と呼ばれるだけあります。そんな良い気分で頂いたリゾット、おいしいに決まっています。やはり味はかなり濃い目でしたが、米の炊き具合はヨーロッパではあり得ないほど完璧。ソースの煮詰めた甘さ、きのこのうまみの解け具合、感動の味です。
・Rouget barbet poele,brandade de merlu et aioli
ヒメジのポワレ、メルルーサとアイオリのブランダード
メインは大好きなヒメジをいただきました。魚の焼き具合が完璧なのは、言うまでもありません。美味です。しかし、それ以上に感激したのが、魚の切身一つ一つについているドライトマト。酸味の強いドライトマトをネギのようなもので焼き付け、魚に留めてあるのです。見た目にも面白いし、ブランダードとの味のインパクトになって素晴らしい。全体としては、前菜に比べてかなり軽めでしたが、十分おいしかったです。
・Poulet ,fermier aux legumes printaniers
若鶏と春野菜のフェルミエ(相方オーダー)
鶏の方は食べていませんが、軽めの味付けだけど美味とのことでした。
・Ossau Iraty,confiture de cerises noires
オッソー・イラティ、ブラックチェリーのコンフィチュール
チーズはオッソー・イラティ。単にシェーブルと説明されましたけど。チーズがこんな風に出てくるのって、日本ではあまりないですよね。立派な一品の料理です。まろやかなミルクと、甘味の強いベリーのコンフィチュール。もう最高です。最高なんだけど、だんだんおなかいっぱいに。
・Craquant au chocolat et au caramel
ショコラとキャラメルのミルフィーユ
・Saint-Honore aux fraises des bois
木イチゴのサント・ノレ(相方オーダー)
デザートはショコラをいただきました。美しいデセール(盛り付け)ですねぇ。板状のショコラの表面は非常に滑らかで、鏡のよう。皿に書かれた五線譜(?)を美しく反射しています。味は割と普通ですね。というか、これまでの料理のレベルが高すぎたせいでしょうか。おいしいのはおいしいです。まあ、目で楽しめたので、良しとしましょう。
・6種類のプチ・ガトー
ミニャルディーズは6種類。これがまた美味。今回、パリへの旅行で、いわゆる「一流」と呼ばれるパティスリー・ショコラトリーにはたくさん行きました。しかし、どのパティシエの作るケーキも、このミニャルディーズにはかなわない。パート・ド・フリュイの強い酸味、ショコラの苦味、焼き菓子の甘味、全体としてバランス良く、しかも一つ一つが非常に美味。一番面白かったのは、ホオズキにチョコ(?)をコーティングしたもの。写真のピンクのものです。この甘酸っぱさと食感は初体験。全体で一つの世界を作るようなこのミニャルディーズ、最後を締めくくるには最高です。同席者はもう食べられなかったので、持ち帰りにしてもらいました。立派なマークの入った箱です。
一つ残念というか、意外だったのは、客層。フランス人がまったくいないのではというほど、聞こえてくるのは英語ばかり。日本人も数組いました。フランス人のほとんどの人はレストランなんて行かない、ましてや三ツ星なんて一生に1回も行かない人がほとんどというのは知っていましたが、まったくいないというのには驚きました。
予約は日本から、英語のメールで。見ていませんが、英語・日本語メニューもあるらしいです。ほとんどのサービスの方はもちろん英語でOK。パリの三ツ星として長い歴史がありながらも、門戸の広いレストランです。それゆえに、外国人が多いのでしょうけども。
それでも、最高のサービスや重厚な内装、そして素晴らしい料理を楽しむためにわざわざ行く価値のあるレストランであることは間違いないと思います。
■二ツ星へ降格(07年3月追記)
※その後、2007年のミシュランでは二つ星に降格。個人的には納得のいくものではないです。一方で30席足らずのレストランが三ツ星に昇格するなど、この年のミシュランは大変動がありました。
確かに、料理に斬新さを求めれば、こちらの料理はかなり伝統的寄りだといえます。しかし、けして伝統に縛られているわけではない。現代的な要素も取り入れつつ、伝統に軸を置いて少しずつ進化しているレストランだと感じます。
何より、このカジュアルながらも折り目正しいサービスの質とその人数、そして明るさと重厚感を両立させた内装による雰囲気は、他のレストランが一朝一夕に備えられるものではありません。ミシュランという大きな影響力を考慮したとき、料理だけではなく、イベントとしての「食事をする」ことを重視すれば、これほど「三ツ星」(そこを目的にして旅行する価値がある)にふさわしいレストランはないと思っています(07年3月追記)。