・Complicite de Foie Gras ,l’un Confit,l’autre Poele Confiture de Tomate Verte Jus caramelise au Ratafia de Pin Sylvestre フォアグラの共演、コンフィとポワレ、緑トマトのコンフィチュールを添え、シルベスターパインの果実酒をキャラメリゼして)
口直し? に、”La Pause Provencale selon Edouard Loubet”。 アスパラのスープですね。直球アスパラ味。丁寧に作られ、澄んだスープからは想像もつかないほどアスパラです。アスパラが苦手な人はダメだと思いますが、僕にはじゅうぶんおいしかったです。これもやっぱりこの土地の野菜なのでしょうか。語学力のなさから、そこまで聞くことができませんでした。
そしてこの日のメイン。 “Pigeon des Alpilles Grille , Ses Sucs Friands Au Lait de Roquette du Couturas Tartelette d’Abats et Fleur de Ciboulette”。 うまく訳せませんが、要するに鳩のグリルですね。肝などの内臓もあります。そして、それらを酸味のきいたスープに浮かべています。ここで鳩とは! これまでのフォアグラ、オマールに負けない存在感を放つ素材、鳩。この日の主役を張るには十分な実力を持つ素材です。そして、切ってみると美しくロゼに火が入っている、理想の状態。素材だけではない、料理人の丁寧で偉大な仕事です。スープも適度な創作性があって良い。
パレードのフィナーレは”Tarte Tiede a la Brousse de mon Chevrier en Sableuse Citronnee Quelaues Cerises epicees & Jus aux Noyaux Fraicheur dAngelique de Mon Potaer 最後にプティフール。5種類ありますが、これは正直イマイチでした。まずいというほどではないですが、この素晴らしい料理たちの最後を締めるには少し役不足。ひとつ食べて、もうおなかいっぱいすぎだったので、「部屋で食べていい?」と聞いたら、笑顔で「もちろん」と。残りは自分たちの部屋でいただきました。
2006年のミシュラン・ギッド・ルージュは、この『LaBastidedeCapelongue』に2ツ星をつけました(ちなみに、ゴー・ミヨー2006年では18点)。
ルールマラン村にある、系列の『MoulindeLourmarin』からシェフ・EdouardLoubet(エドワード・ルーベ)氏が移動したことに伴って、星も移動。二ツ星とは「その地方に行くことがあれば立ち寄るべきレストラン」と言いますが、ここは是非食べて、いや、体験していただきたいオーベルジュです。ひとり185ユーロの価格は、1泊+夕食+朝食付きです。
場所は南仏、ボニュー村のはずれ。ボニューの村まで行くと小さな看板のようなものが出ていますので、それを頼りに。なお、村から歩いて行くのは、途中の民家に放し飼いの番犬がいるため危険。
四つ星のホテル施設は、いかにも南仏らしい素晴らしさ。部屋は内装、リネン、アメニティに至るまで、南仏で統一。
ここは典型的な欧米のバカンス地。プールや広い庭があり、バーやサロンも完備、初夏にはラベンダーが咲き乱れ、蝶が舞う。窓から見える景色も南仏の悠々としたもの。部屋のキーにはラベンダーのフレーバー袋がついている手の込みよう。天国というのはこういうところじゃないかと思える素晴らしさです。
部屋でふぅ~っと落ち着いたあと、トントン♪とドアをノックして運ばれてきたウェルカムフルーツ。こちらを楽しんだ後は入浴&ホテル探検♪
レストランのダイニング&個室も見学。
一息ついて夕食。
夏ならば、夜の食事は8時からがいいでしょう。部屋からレストランに着くと、「テーブルで召し上がりますか? それともまずはテラスで?」と聞かれるので、ここはぜひテラスで。
ここの醍醐味のひとつは、リュベロンの谷に沈む夕日を見ながら、ゆっくりとアペリティフ、そしてアミューズを楽しむのが素晴らしい。アペリティフとしては、シャンパントリュフが有名らしいです。今回はノンアルコールのカクテル(10ユーロ)をいただきました。
まずは、セーグル(ライ麦)のミニバゲットに、アンチョビを使ったペーストをつけていただきます。ムースや、羊を使ったひとくちコロッケもしっかりした味付けで美味。
そして、これはハズせないであろう、土地の野菜。カリフラワー、トマト、アーティチョーク…これらはこちらの庭や、ごく近所の土地で採れた野菜。プロヴァンスの灼熱の太陽に焼かれ、アルプス山脈から吹き付ける厳しい寒さの北風、ミストラルにさらされた土壌が生み出す野菜は、これまで食べたどの野菜よりも自然で濃厚な、土臭い味。新鮮さは言うに及びません。これらが、これから始まる「南仏ショー」の期待を更に盛り上げます。
テラスを立ち、ダイニングへ。次に供されるのはエスカルゴを使ったスープ。酸味をきかせたスープにローズマリーで風味をつけています。添えられた花のプレゼンテーションも面白いし、味も良い。酸味があって、適度な独創性も。ちょうど前日にアヴィニヨンの『ChristianEtienne』でもエスカルゴを食べましたが、印象はまったく逆。行き過ぎた独創性は料理を破壊します。この独創性のバランスの取り方が、二ツ星たる所以なのではないでしょうか。
また、パンも5種類くらいはあったのかな。白、黒、天然酵母、カンパーニュ、バラエティに富んでいて、どれも美味。というか、それほど大きいわけではないこのオーベルジュで、これだけのパンの種類があるのってすごいですよね。でも、控えめにしておかないと、せっかくの料理が全部食べられなくなるので注意。
このあたりで日は沈み、空は青から闇へと変わり始めます。フランスの夏は9時でも、とっても明るいんです。そして、ダイニングの大きな窓からは、ボニューの村の突端にある教会が。谷に沈んだ夕日のあとに、ライトアップされた教会。村からはずれ高台にあるからこそのスペクタクルです。特に、キリスト教と深いつながりのある欧米人にとっては感慨深いと思います。
さて、料理はやっと前菜へ。
これまでは土地のものを使った料理ですが、ここからは高級素材です。まずはフォアグラ。
・Complicite de Foie Gras ,l’un Confit,l’autre Poele Confiture de Tomate Verte Jus caramelise au Ratafia de Pin Sylvestre
フォアグラの共演、コンフィとポワレ、緑トマトのコンフィチュールを添え、シルベスターパインの果実酒をキャラメリゼして)
フォアグラ、何グラムくらいあるんでしょうか(笑)でも、本当にそう思わずにいられないくらいたっぷり。ポワレもソースも、丁寧に作られておいしいのですが、やはり特筆はコンフィ。これだけの質を、そして量を、食べちゃっていいんでしょうか。フランスで何回かフォアグラのコンフィを食べましたが、ここのものが一番おいしかった。また、青トマトのコンフィチュールも甘酸っぱく、そして少しの苦味がいっそうフォアグラの濃厚さを引き立てるおいしさでした。
続いてはオマール海老。
Homard Fume au Pebre d’Ail Mousseline d’Ail doux & Pousses Germes au <> Sauce Blanche a la Citronnelle
最初に「こんな風にして作りましたよ」と。蒸し器に入った海老を見せてくれます。どう見ても中華の蒸し器ですけど(笑) 肉まんでも出てくるのかと思いましたが、すぐに素晴らしい燻製の香りが漂ってきました。この上にコーヒーで風味をつけたにんにくのムース。ソースはレモングラスの香り漂うホワイトソースをカプチーノ仕立てで。さわやかなソースで、フォアグラの後としては最高の一品と言えるでしょう。
口直し? に、”La Pause Provencale selon Edouard Loubet”。
アスパラのスープですね。直球アスパラ味。丁寧に作られ、澄んだスープからは想像もつかないほどアスパラです。アスパラが苦手な人はダメだと思いますが、僕にはじゅうぶんおいしかったです。これもやっぱりこの土地の野菜なのでしょうか。語学力のなさから、そこまで聞くことができませんでした。
そしてこの日のメイン。
“Pigeon des Alpilles Grille , Ses Sucs Friands Au Lait de Roquette du Couturas Tartelette d’Abats et Fleur de Ciboulette”。
うまく訳せませんが、要するに鳩のグリルですね。肝などの内臓もあります。そして、それらを酸味のきいたスープに浮かべています。ここで鳩とは! これまでのフォアグラ、オマールに負けない存在感を放つ素材、鳩。この日の主役を張るには十分な実力を持つ素材です。そして、切ってみると美しくロゼに火が入っている、理想の状態。素材だけではない、料理人の丁寧で偉大な仕事です。スープも適度な創作性があって良い。
また、肉は骨付きなので、フィンガーボウルも一緒に出てきます。フィンガーボウルにもかわいい花が浮かべてあります。こういう演出もすばらしいですね。
でも、メインはまだ終わりません。一緒に出てくるのは、ポテトグラタン。一番上にはにんにくがドーンと乗っていて、小さめの鉄鍋でたっぷり出てきます。小さめと言っても、付けあわせとしては十二分どころか十五分くらいはあるでしょう。なにせ、ここまでの皿数が多い上に、さらにコレなのですから。どんな大食漢でも大丈夫でしょう。フランスの田舎の料理という感じで、ほっこりした安心できる味です。
何とかメインを食べ終え、ここからはデザートです。しかし、ここはフランス。ここからがまた甘いもののパレードなのです。まずはプティ・サイズのクリームブリュレ。甘い。美味い。メインのスープが酸味のきいたものだったので、これだけ甘いものでも大丈夫です。
次にアイス。チュイールの上に乗せられたのはベリーの実と、奥にセロリのアイス。これぞ口直し。さっぱりした苦味のきいたアイスは、口内をリセット。メインから数えて、酸味・甘味・苦味と、バランスよく行進です。
とりあえず半温製のタルトですね。シェーブル(羊のチーズ)も入ってます。甘い。とにかく甘い。半温製なので、特に甘さを強く感じます。アイスやスリーズ(さくらんぼ)の酸味のおかげで食べられましたが、これ単体だとキツイかも。もうおなかいっぱいすぎて苦しくなってました。
パレードのフィナーレは”Tarte Tiede a la Brousse de mon Chevrier en Sableuse Citronnee Quelaues Cerises epicees & Jus aux Noyaux Fraicheur dAngelique de Mon Potaer
最後にプティフール。5種類ありますが、これは正直イマイチでした。まずいというほどではないですが、この素晴らしい料理たちの最後を締めるには少し役不足。ひとつ食べて、もうおなかいっぱいすぎだったので、「部屋で食べていい?」と聞いたら、笑顔で「もちろん」と。残りは自分たちの部屋でいただきました。
ハーブティーは、もちろんフレッシュハーブティー(6.5ユーロ)。ハーブワゴン登場です。
ちなみに、今回チーズは食べませんでしたが、他のテーブルに出てたチーズワゴンを見る限り、かなりの種類がある模様でした。ハーブティーは、いつもならカモミールなのですが、せっかくなのでおすすめのミックスハーブをいただきました。
この日の素晴らしい食事と景色、サービスなどを振り返りながら飲み干してディナー終了。
部屋に帰るとターンダウンサービスが済んでいて、枕元には小さなバゲットが。たぶん、小腹が空いたとき用なんでしょうけども、日本人はそんなに食べられません(笑)せっかくなので、ありがたく翌日の間食にしました。
さて、翌日の朝食です。テラスとは反対側の庭の方でいただきます。鳥たちのさえずりが響き、噴水の音がさわやかな空間に、白いパラソルとテーブルが置かれた、南仏らしい庭。
料理はダイニングにあるビュッフェ。それと、給仕長に「卵はどうされますか。ゆでたまご?目玉焼き?スクランブルエッグ?」と聞かれます。ビュッフェだけではなく、ちゃんと焼きたてのものが食べられます。しかも、このビュッフェの方にもびっくり。パンは6種類。しかも前日のディナーに出てたパンとはまた別もの。どれだけのパンを用意しているんでしょうか。さらに、チーズが6種類。フレッシュのシェーブルからハードタイプ、ブルーチーズまで。日本で買ったら1個1000円はしそう。これを好きなだけ切っていただきます。
バターはエシレのバターを、これまた適当に取って食べます。日本で買うと1個300円しますよね。うーん、贅沢。
生ハムやフルーツ、フレッシュジュースやヨーグルトも充実してますし、何よりこの朝食を贅沢にこの素晴らしい庭で食べられるというのが素晴らしい。
サービスについては、英語のわかる人は少ないです。給仕長の男性は英語がネイティブっぽく、完璧ですが、あとの人は簡単な英語くらいです。それでも、全体として楽しんでもらおうという気持ちがしっかり伝わってきます。特に給仕長の笑顔は素晴らしい。帰り際に「特にあなたの笑顔に感謝します」と伝えると、またいい笑顔。服装が南仏っぽいのも気持ちが良いです。『タイユヴァン』など、パリのトラディショナルな三ツ星ではばっちり黒スーツを着込んでいますが、それはここには合わない。南仏色のリネンを使った、このゆるい感じが、僕のようなアジア人の未熟な人間でも受け入れてくれる感じがします。これはパリではできない、素晴らしいサービス精神です。ここはある意味、パリの三ツ星よりも価値のある、「ここでしか味わえないレストラン」といえるでしょう。
予約はホームページのアドレスへ英語でメール。クレジットカードで事前に3割を支払います。支払いは2名で400ユーロほど(約6万円)。宿泊と料理がひとり185ユーロ(※季節により変動があります)。二ツ星の料理をこれだけ堪能し、(元)四つ星のホテルに泊まってひとり3万円は格安といえるでしょう。
少し行きにくい場所にありますが、「食べてみてほしい」だけではなく、ぜひとも「体験してほしい」オーベルジュです。