人生の一時期、通信販売業界に身を置いていたことがある。
その母体は、当時誰もが知ったる、日本における通販のパイオニアだった。或る時私は、その子会社に、何の因果か遊び半分で籍を置いていた。しかしその後、十年保ったか保たずに、まさか全盛期には或る全国紙の輪転機をも止めた(注)という凄まじい伝説を持つその“先駆者”は、親も子も、あわれ空中分解することとなる。
その空中分解に臨場することなく途中離脱してしまったことについて、私は正直、とくに後ろめたさは感じていない。
ただ少し、虚しさが余韻しているだけだ……
注) 輪転機を止める:
翌朝配達しなければならぬ新聞の、突貫で行われる印刷作業を中止させるという意。重大な校正ミス(商品価格のゼロが一桁足りなかった等)が発覚したのであろう。それだけ莫大な広告費を新聞社に投じ、影響力を持っていた、ということである
時は流れ、私の周囲の人間がぽつりぽつり、マイコンのキイボードだけで綴ることの出来る電子日記なるものを開設し始めた。私は最初、それについては少しもぴんとくるものがなかったが、ふと考えると、ピクチュアに文字を添えて完成させるその形態は、通信販売の広告作り、グラフィックディザインに酷似しており、私の忘れかけていた、そして“挫折”した過去が鮮やかに掘り起こされて、私のそちら方面への創作意欲の炎が、幸か不幸か再点火されたのである。
で、その電子日記の飾り付け、賑やかしの為に、“食べログ”というものを始め、その私の投稿記事への導入ボタンをブログの脇に張り付けるわけだが、よくよく考えてみると、いや、よくよく考えなくても、ことご飯ネタについて、内容は電子日記の記事の、それはただの焼き増しに過ぎず、しかも時に、その内容が行き過ぎているものは、自己主張を押さえてマイルドに修正してさえいるのだ。
だからあっさり言ってこれは“無意味”なのだが、まあ、そんな無意味を惰性で続け、ここまできてしまった
そして、その私のお昼ご飯記事は件数的に、これまで三百数十。その中で、これまで差し戻された件数は、数件ほどか。パーセンテージでいってこれは、1%以上だが、2%に満たない。その数値について私自身としては、それでもここまで好き放題、言いたい放題やっていることを鑑みると、案外にこれは、低い数値だなと思っている。
概ね、突き詰められてしまえば店と関係有るかどうかも分からぬネタを延々引き擦りながらも、時折“ピックアップ!口コミ”なる模範的口コミ(かどうかは知らない)としてフィーチャして頂けることが、寧ろ不思議なくらいに感じていたのである。
そこで私が言いたいことなのだが……
酔っ払って忘れちゃいました♪
(これほんと)
思い出したら、また続きを書きます