レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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2位
1回
2011/03訪問 2012/06/26
【本日の独り言】
小倉の寿司文化は健在。
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11/03 再訪問
前回の訪問から約1年ちょっと。
今回は連れと近々神戸でお店を開く友人シェフの3人で訪問。
予約の電話を入れた際には、名前を告げていないのに、「◯◯様ですね」と。
電話番号もきちんと記録している辺り、お客さんを大事にしている印象を受ける。
前回と同様に14貫のおまかせでお願いした。
基本的には、年間を通して握られるネタはご主人の中である程度確立されているんだと思う。
その基本をベースにして、その時期毎のネタも中には盛り込まれる。
寿司を彩る様々なご主人の研究も進んでおり、時期よって変えてる部分があるんだろうけど、今回は軽く炙った太刀魚に梅肉を乗せたりと前回訪問の時と比べ、また試行錯誤の結果を見れた気がした。
基本14貫に5貫追加。
味のみでなく、目でも楽しむことのできる小倉の創作寿司。
江戸前とはまた違った楽しみがある。
ここは一年に一度通いたいなと思うことの出来るお店。
もり田という素晴らしいお店も小倉にはあるけれど、当分は天寿しにお世話になろうかと思った。
09/12
小倉は博多駅から新幹線を使えば、20分かからないのですが、その距離で4000円近いので、JRでゆっくり実家の最寄り駅である千早駅から小倉へ向かいました。
千早駅から小倉駅までは電車で1時間ぐらいなので、新幹線を使わなくても案外普通にいける距離です。
途中、当時福岡県民にとって人気スポットであったスペースワールド駅を通ったのですが、あまりにもお客さんが居なくて、ある意味、廃墟のようにガラんとしてました。
当時の盛況ぶり知っている自分としては少し寂しい気持ちになってしまいました。
説明不要ですが、この日にいった『天寿し』は『もり田』と小倉二大寿司名店として食べログで有名です。
予約は12月初旬に行なったので、遅かったかなと思いましたが、お昼の時間で予約を入れることが出来ました。駅からは歩いて5分ぐらいで、コレットというデパートの近くにあります。
店内はカウンターのみの6席で、非常に柔らかいほんわかした顔つきをした天野さんがカウンターに立たれています。
ご家族でやられているのでしょうか?お茶を持ってきてくれる女性の方も若い方でした。
電話での予約時に丁寧に簡単な握りの説明をして下さいます。
7貫で5100円、14貫で1万円で握ってくれます。
ちなみにお酒は置いていないので、お酒がどうしてもという方には少し物足りなく感じるかもしれません。
僕は予約時に1万円ぐらいでと伝えていたので、握りのみを今回頂きました。
この日に頂いたものは以下の通り。
お通しで胡瓜が出てきます。これがとても美味しいです。
・大間産まぐろ
まぐろは築地の親しくしているお店から取り寄せているみたいです。
この日のものは6日間寝かしたもので、熟成された非常に深みがある味でした。
正直今まで食べて来たまぐろの概念が変わるようなレベル。
軽く塩をふっていたのですが、この塩が良いアクセントになっていました。
・赤いか
美しく包丁を入れた烏賊はまさに芸術品。
うに、とびこをうえにあしらえて、さらに見たい目の素敵です。
もちっとした身、噛むほどに口に広がる甘みが幸せの一言。
ちなみにこの握りに振りかけられている胡麻は錦胡麻は南瓜なんかの野菜を使っているみたいで、非常に寿司に合います。
天野さんも最近この胡麻をある知り合いに教えてもらったらしく、それ以降非常に気に入って使っているようです。
・車海老半茹で
軽く表面が白くなるぐらいに茹でられた海老は身がしっかりしていて、茹でた部分の食感と生の部分のバランスが良いです。
・〆鯖
茗荷と羅臼昆布は載せられています。
〆具合も柔らかく、良かったです。
・帆立
帆立は非常に甘みの強いつめが今まで続いてきた流れとは対照的に、良かったです。
天野さん曰く「構成もお客さんが飽きないように考えています」とのこと。
・車海老頭
こんがり焼かれていて、こういうの好きです。
・あら
福岡といえばアラ。
二十キロぐらいのものらしく、脂ものっていました。
軽く炙ると上質の脂がこんがりした感じが何ともいえません。
・太刀魚
非常に肉厚で軽く焼かれていますが、非常にふっくらしていてかなり旨かったです。
これはもう一貫食べたかった。
・漬け
非常に甘い漬け。
これもわざとこういう味付けにしてアクセントを置いているとのこと。
僕はこれに関しては、少しくどく感じました。
・鱚
軽く炙って柚子胡椒が添えられています。
鱚の淡白な味と柚子胡椒の香りが良いです。
・鯵
粉末状にした醤油をかけています。
面白いですね、こういうの。
口に広がる醤油の香りと鯵のもっちり感が良かった。
・サザエ
鮑のような書簡でおくらの粘りとの相性良し。
・鯛
福岡ってやっぱり鯛がおいしいです。
肉厚で、錦胡麻との相性グッド。
・虎河豚の白子
炙ってトロトロの状態で噛むと温かいトロトロの白子が口の中に広がります。
シャリと混ざってリゾット上になって、美味しかったです。
・穴子
身がふっくらしていて、口の中ですぐに崩れる感じ。
・合馬産 筍
特別に北九州の合馬産の筍を握って出して下さいました。
これにメロンが付いて、10500円
非常に満足出来るないようです。
天野さんの人柄も素晴らしく、日々寿司を良くするために全国各地を回っているみたいです。
次回は『もり田』も伺いたいと思います。
3位
1回
2012/09訪問 2012/11/22
【本日の独り言】
京の言葉に癒しあり。
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12/09 再訪問
お盆の時期、京都は特に暑いので、一月ズラしてこの時期に関西を訪問することが最近多い。
まぁ、一月ズラしたことであまり暑さは変わらないんだけどね。
毎年恒例となりつつある京都、大阪、神戸のプチ旅行も今回二度目。
まずは、ここ桜田から。
今回は年配の方と同席だったこともあり、量的なことも考え、5000円のコースでお願いした。
前回は一万円。
感想としては、5000円コースでも十分に桜田を堪能できたこと。
値段をあげれば、素材、そして食器も高価なものが出てくる。
席は奥にある個室の座敷。
・梅酒
・百春
・八寸
・海老、鰻、舞茸の酢の物
・鱧と厚揚げ豆腐のお椀
・戻り鰹のたたき、烏賊、鯛
・素麺
・揚げ茄子、蓮餅、茗荷の炊出し
・鯛茶漬け
・デザート
相変わらず、お椀は秀逸。
鱧は関西の方のとっては、普通にスーパー等でも買うことが出来る食材だけど、圏外の人間にとってはやはり惹かれるところがある。
女将さんは去年と比べて若干お痩せになったように見えたけれど、立ち振る舞いはさすが桜田の女将という印象。
入り口には、火鉢で出来た風鈴。
残暑がまだまだ残る9月の京都。お腹と満たされた後、火鉢の風鈴の音にも心も癒された。
11/06
京都は高校の修学旅行で行ったのが最後なので、約10年ぶりの訪問になる。
当時の記憶は銀閣寺や京都御所などを観光した程度。
その他には、これと言った思い出は特にない。
今回は半日という短い滞在時間の間に目的が二つ。
一つ目の目的。
清水寺、そして僅かな時間ながら、京の街を楽しむこと。
恥ずかしながら、まだ京都観光の有名どころは未経験ゾーンが多い。
そして、二つ目の目的。
それは「食」。
京都には未在やなかひがし、ささきなどそうそうたる顔ぶれが揃う。
その中で京都初心者の僕は今回友人の勧めもあり、この桜田を予約した。
連れも去年京都に行った際利用し、とても良かったと言っていた。
朝一便で伊丹に到着し、リムジンバスで京都駅へ。
桜田の予約が11時半からだったため、京都駅に到着後すぐに清水寺へ向かった。
日曜日にも関わらず、修学旅行生の姿が目立つ。最近は日曜日まで修学旅行のスケジュールに組み込まれているのかとちょっとビックリした。
高校生に混じって見学し、東山、八坂神社を周り、祇園からバスに乗って四条烏丸で下車。
市営地下鉄の四条駅から少し歩いた路地裏にお店はある。
お店に入ると着物を着た女性が丁寧に挨拶してくれた。
予約していたカウンターの席へ。
入り口を入ってからすぐの場所のあるカウンターからは厨房は見えない。
見えるのは壁に飾られている舞妓さんの絵。美しさに暫し見とれてしまった。
席に着くと、冷たい梅酒が出てきた。
外は半袖でも汗をかくぐらいの気候になってきたので、この一杯はその火照った身体を冷やしてくれた。
昼は5000円から18000円まで数種類のコースがある。
今回は一万円でお願いしていた。
内容は下記の通り。
まずはご挨拶ということで女将さんが美濃の百春というお酒を盃に注いでくれた。
口当たりの良いお酒だった。
女将さんは貫禄がある立ち振る舞い。さすが桜田の女将さんといった印象。
【食前酒】梅酒
【先附】水無月の胡麻豆腐と海老
【お椀】鱧と焼き茄子のお椀
【向附】鮪、烏賊、鯛
【お凌ぎ】穴子と新蓮根の飯蒸し
【八寸】鱧の押寿し、八幡巻、きぬかつぎ、鯖、金時芋、ほおずき(白和え)、茶豆
【焼物】鮎の塩焼き
【煮物】賀茂茄子の白味噌仕立て 青唐辛子
【食事】万願寺唐辛子と新生姜の炊き込みご飯
経験値の少ない僕はあまり多くを語ることはできない。
しかし、食材に対する火の入れ方、出汁ひとつにしても基本を完璧にされているからこそ、これだけの完成度が出ていると感じずにはいられない部分が要所要所に見られた。
特に鱧のお椀は一点の曇りもない。非常に上品な出汁に鱧と梅肉のアクセント。そこに加わる焼き茄子の香り。
素晴らしいの一言。
焼き鮎も一見シンプルながら、蓼酢と内臓のほのかな苦味との計算。
蓼酢の見た目の鮮やかな色もこの季節には嬉しい。涼しささえ漂ってくる。
目にも鮮やかな八寸。
今回は6月の終わりだったため、お皿には茅の輪くぐりの飾りが。
こういう見せ方はとても好き。
料理を運んできてくれた女将さんの娘さんもとても可愛らしい。京都の言葉、イントネーションに癒される。
そして今回お椀と共に感動したのが、万願寺とうがらしと新生姜の炊き込みご飯。
口に含んだ瞬間、万願寺のあおい香りと生姜のフレッシュな香りのオーケストレーションの衝撃は心から幸せだと思えるものだった。
残った分は、おにぎりにして握ってくれた。
こういうお店でのこのようなサービスは普通のお店の何倍も嬉しいし、親近感さえ感じてしまう。
「おもてなし」という心遣いが本当に素晴らしいと感じた。
帰りには、ご主人の五十鈴さんと女将さんの三人で外で立ち話。
そして、路地を曲がるまで深々と見送って頂けた。
常連客、一見客関係ないサービス。
ぜひ、また京都を訪れる機会があれば、再訪問したいと思う。
ちなみにお昼に関して1万円のコースは量が結構多い。
男性の僕でもお腹いっぱいで炊き込みご飯の余った分はおにぎりにして頂いたぐらい。
ランチでは、5千円のコースを注文されている方が多かったように思える。
5千円でも十分に満足できる内容だったので、あとはお腹との相談かなと思う。
約二時間いい時間を過ごすことが出来た。
4位
1回
2013/03訪問 2013/04/07
【本日の独り言】
春はトリコロールなシェフ
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13/03 再訪問
週末、日帰りで神戸。
Nudaにも春らしい食材がお目見え。
スタートは福岡合馬の筍。
あえてアク抜きは行なわず、エグ味を楽しむ。
名古屋河豚の身の弾力と辛味のあるおろし。
いいだこは頭は一口で。濃厚、そして蛸の卵の食感は久々。
鮑も薪で調理。
そしてメインは仔牛。フレッシュさ漂う味。
お酒は西川さんのナイスセレクト。
シャンパン、シードル、チャコリなど楽しませてもらいました。
4月から食材が充実するようなので、ぜひお近くの方は足を運ばれてみて下さい。
12/09 再訪問
一年ぶり。
僕が言うのもとても痴がましいことだけど、坂井さんの料理の方向性にさらに深みが増した印象を受けた。
エチェバリではなく、神戸のNuda。
食材、特に魚に関しては、地物の良さを伝える。そう、関西という環境でしか手に入らないもの。
それらに加わるシェフの熟練した技術と美的センス。
もうエチェバリなんて枕詞は必要ない、坂井ナイズされたNuda料理の数々。
全ての食材を裸にして、決して嘘をつくことを許さない。
心を無にして、それを食べ手として感じる。
口に運んだ瞬間、シェフが料理へ込めたパワーが全身へ伝わる。
次回も楽しみにしてます。
11/09 再訪問
三ヶ月ぶりの再訪問。
前回と比べて、さらに坂井シェフの薪料理がさらにパワーアップした気がした。
しかし、そこには繊細さもある。
チストーラ、自家製バター、大貝、そしてチュレタは定番。
ソムリエ西川さんのお言葉を借りれば、「鉄板」。
関西人の西川さんトークには、不思議な魅力がある。凄く人間味ある素敵な方。
今回、新しくお目見えした大きな足赤海老。
前回の川津海老のようなパリパリした殻の食感を楽しむものとは異なり、絶妙な火加減による温度を楽しむ料理。
写真でも分かる通り、限りなくレアに近い状態で、表面のみほのかに火が通っている。
プリプリの食感と素材の甘み、そこに控えめな薪の香りが加わる食べごたえある一品。
そして、今回一番感動した皮の表面を炙った鯖。
白身魚を好む坂井シェフの渾身の一品。
かなり繊細に熱が入れられた鯖の身は、淡いピンク色をしており、ビジュアルにエロささえ漂っていた。
ちなみに鯖は当日だと熟成が足りないため、前日の昼網の活け〆で神経を抜いたものを使っている。
フランスのモンサンミシェルから届いたというムール貝がこれでもかと入った器には、甘い人参のスープ。
今の時期は野菜が納得出来るレベルのものが少ないようだけど、全然悪くはなかった。
ここから肉食系が続く。
ウサギ、そして埼玉所沢産の鶉を豪快に手で頂く。
ウサギと鶉の肉質の違い、さらに添えられたジロール茸と鶉の内蔵。
特に鶉の内蔵は肝臓部分の深みと鶉の肉との相性が良かった。
ここでも西川さんの「ぴょんぴょん」と言ううさぎ跳びのパフォーマンス表現が冴えていた。お茶目な方だ。
魚料理は穴子。
穴子の薪焼きなんて食べたことある人って少ないと思う。
しっかり火が通った淡白な穴子には、万願寺唐辛子やパプリカ等の瑞々しさのある野菜の付け合わせが良いアクセント。
そして、鉄板チュレタ。今回は栃木牛。
さらにシェフの計らいもあり、今回良いフレッシュボルチーニが入ったということで、いつもとは違う豪華バージョン。
見た目もワイルドでザ薪焼きという印象。
スペインの山奥を思い出させてくれるようなお皿。
もちろんチュレタは単独でも美味しいけれど、そこにボルチーニから溢れ出す森のジュースと香りが加わると、さらに幸せな気分になることができた。
日々進化する坂井シェフの料理と西川さんのサービス。
これから食材が豊富になる秋。そして冬。
一年を通して、色々な発見が薪焼きにはありそうな予感がした。
次回は12月?
迷っている間に、勝手に足が神戸に行ってそうな気がしている今日この頃。
また行きます!
11/06
今後、間違いなく噂は神戸のみに留まることはないだろう。
スペインにエチェバリというお店がある。
http://www.asadoretxebarri.com/
ビルバオからバスで約一時間弱のデュランゴという街から、さらにタクシーで約三十分。
そこには、まるでアルプスの少女ハイジが暮らしているかのような世界が広がっている。
山羊や馬、牛がのどかに暮らす山奥。
そこにエチェバリはある。
スペインのカタルーニャやバスク地方には、エルブジ、アルサック、ムガリツというスペイン最高峰の店が揃う。
多くの美食家と言われる方々がそれらのお店とともに立ち寄る店、それが薪焼き料理として名高いエチェバリ。
オーナーシェフはヴィクトル・アルギンソニス氏。
そんなエチェバリに足を運んだのは約一年前の去年五月。
日本人の友人シェフがエチェバリでシェフとして働いていたのがキッカケだった。
坂井剛シェフ。
本場イタリア、都内や神戸のイタリアンの名店、そしてスペインで経験を積まれた。
その坂井シェフがスペインから帰国し、ソムリエ西川氏とともに神戸元町でお店をオープン。
もちろん、そのお店ではエチェバリ風の薪を使って調理された料理が振る舞われる。
開店前にエチェバリを坂井シェフと西川氏が訪れた際のヴィクトル氏直筆によるメッセージもお店のウィンドウで確認することが出来た。
開店を祝して全国のリストランテヒロのシェフの方々やビンゴの小林シェフ、ottoの山形シェフ、そして京都桜田からもお祝いの花が届いていた。
そして忘れてはいけない。
神戸カセント福本シェフとも非常に親交の深い坂井シェフ。
プレートには「親友」という文字まで書かれていた。
現在、料理はデギュスタシオンのみで完全予約制。
お店はJR元町駅から歩いて数分という立地。
小道に入った場所にあるため、一見分かりにくいけれど、お店へ近づくに連れて、薪が香ばしく焼けるいい匂いが漂ってくる。
それを目標に歩いた方がもしかすると確実かもしれない。
外観、店内の雰囲気は決して気取った印象を感じさせない。
ラフな気持ちで気軽に食べに来て欲しい、そういうお店側のメッセージの表れのようなものさえ感じた。
エチェバリとは異なる雰囲気だけど、すべてをエチェバリに固執する必要性も全くないと思うので、この方向性は間違っていないと思うし、むしろシェフの坂井さん、ソムリエの西川さんらしさが出ていて良いなと思った。
デギュスタシオン、日本語で言うと「試食」、英語で言う「テイスティング」という意味に近いと思う。
日によって仕入れる食材も違うため、お皿の数も微妙に異なる。
デギュスタシオン7500円で一本勝負。
この日は全部で12品。
コースの中にはいくつかエチェバリで提供されるものに似たものが存在するけれど、あくまで日本の食材を使い、そこには坂井さんの感性によるアレンジが加わる。
薪に関しても、エチェバリでは葡萄や桜、楢など色々な種類のものを使い分けているようだけれど、現在Nudaでは楢の薪を使う方向で固まった模様。
色々試した結果、日本の風土やさらにこの時期特有の湿気等も考慮した上で一番最適だったのが楢の木だったのかもしれない。
お店の中では楢の薪に火を入ったタイミングだろうか、時おり薪の香りで店内が覆われる。
その香りは臭覚を刺激し、脳にまで達する。
これから始まる料理の盛り立てる余興のような効果さえ感じるもの。
その香りに包まれて、気分はもう最高潮。
そしてここから坂井シェフによるデギュスタシオンコースが始まる。
まずはチョリソーから。
去年のエチェバリのスタートもそうだった。
・生チョリソー
外の皮はなく、レアっぽいミンチ状に仕上げられたチョリソーは柔らかな食感。
今のところNudaでも定番の一品だと思う。
パンは近くのベーカリー、サ・マーシュのもの。
カセントもこのベーカリーのものを使っているらしい。
去年の9月にオープンしたばかりの若いお店だけど、神戸では絶大な支持を得ているサ・マーシュ。
話はそれるけれど、実際お店へ行って、いくつかパンを買って、東京へ帰ってきた。
・自家製バターの薫製と野菜
軽く薫製されたバターの香りは、まさにエチェバリで食したそれに匹敵する勢い。
エチェバリでは山羊、Nudaでは乳牛を使用とのこと。
ソムリエの西川氏が言った「目を瞑って、口と鼻で楽しんで下さい。」という言葉がまさにそうだと思った。
口の中に心地よい薫製の香りが広がり、エチェバリの光景が頭に浮かんだ。
GGファームの野菜も甘く、薫製されたバターとの相性も非常に良い。
・牡蠣
余分な部分を取り除き処理されたもの。
エスプーマベースによる繊細な泡ソースが燻された牡蠣を優しく包み込む。
花弁の装飾も粋な計らい。
・川津海老
川津海老は瀬戸内海で多く水揚げされる海老。
毎日市場にシェフ自ら出向いて、地元の食材も仕入れてきているらしい。
遠方から来るお客にとっては普段あまり馴染みのない食材に出会うことが出来るし、地元の方にとっては身近な食材を薪焼きで食べることができる。双方にとって、魅力的だと思う。
川津海老特有の殻の香ばしさを活かしつつ、カリッとした食感も楽しむことができた。
・トウモロコシの冷製ジュース
燻したトウモロコシの入った冷製スープ。
スープと言えども、これは野菜?と疑うほどの甘み。まさにジュースのようだった。
エチェバリで感動したグリンピースのスープに似た感動がそこにはあった。
野菜本来の甘みに薪焼きの技法が加わることで、さらに素材の味を引き立てていた。
・大貝
大貝は、正式名称がウチムラサキ貝という大アサリのことを指すらしい。
神戸ではポピュラーな食材で、地元の人はつぼ焼きにして食べることが多いらしい。
大貝は貝柱などいくつかの部位に切り分けての盛りつけ。散らした菜の花の見た目も美しい。
貝の甘みと柑橘系の香り、部位毎の食感も面白かった。
• 鰯
小振りなサイズの鰯は開いて二枚に重ねられる。
ここにもシェフのこだわりがあり、身の部分はほんのりレア感を残している。
この辺りの繊細な火の入れ方は難しいところだと思うけれど、それを見事にやってしまうシェフ。
バケットに乗せて食べても美味しかった。
・フレッシュボルチーニ茸と茄子 卵黄のコンフィー風
まずは卵黄なしでボルチーニの香りを楽しみ、そして軽くコンフィー風にした卵黄を崩して。
二段階で違う発見があった一品。
・サマートリュフを散らしたポレンタ
サマートリュフはチーズを削ったような細かいものをポレンタを覆うように。
トリュフ自体に香りはあまりないけれど、ポレンタの滑らかさを削ったトリュフがふんわりと優しく包み込む。
ポレンタの中に潜んでいる牛テールも柔らかく、その優しい口当たりを決して邪魔しない。
・鮃のグリル
唯一この一品に関しては、白ワインの量が多い気がして残念に思ってしまった。
口に含んだ瞬間に白ワインの香りが鼻に強くついた。結構な量を使っていたんだと思う。
魚に関しては、次回に期待したい。
・チュレタ
エチェバリでもメインのチュレタ。
西川さんが大きな肉の塊を抱えて持ってきた。
3~4週間熟成させた赤身肉。今回頂いたものは新潟牛とのこと。
エチェバリのチュレタはワイルドさに溢れていた。Nudaのチュレタは、もう少し見た目からもマイルドな印象。
しかし、熟成した肉の旨味は十分に出ていたし、ボリュームもかなりある。
今回お酒は飲まなかったけれど、ワインとの相性も素晴らしいだろうなと思った。
お肉に合わせる農家の有機野菜は敢えて酸味の効いたドレッシングを使っており、熟成肉とのバランスを考えられていた。
・デザート
デザートはグラニテ、クリームチーズと薫製アイスの三種類。
女性の方にとって、これらは嬉しいと思う。
ベルベーヌの香りが心地よいグラニテは気持ちをホッとさせてくれる。
デザートの中でやはり一番は薫製アイスだろう。
バニラアイスを薫製。
この感動は必ず体験して損はないと思う。
こういうアイスは本当に他で食べることが出来ないんじゃないだろうか。
ぜひ、お勧めしたい。
そして最後の飲み物は珈琲、ティー、エスプレッソ、そしてほうじ茶から選ぶことができる。
迷わずほうじ茶をお願いした。
いいなー、こういうセレクトがあるのは。
とてもコストパフォーマンスが高い。
そして約二時間、十分に楽しむことが出来た。
サービスや料理の出てくるスピード等に関しては、他の方のブログを拝見し、何点か指摘されている部分も見かけたけれど、時期に必ず改善され、良くなっていくと思う。
特に薪は扱いに関しては、日本特有の湿度の問題もあるだろうし、簡単ではないだろう。
料理の出てくる時間(タイミング)には、多少の理解も必要かもしれない。
薪焼きはデリケートな部分とワイルドな部分という二つの側面があると思う。
そういう所も一つの楽しみと捉えるぐらいがちょうど良いのではないだろうか。
次回の訪問が今から楽しみ。
さらに一段と磨きのかかった坂井シェフの料理と西川氏のサービスも楽しみたい。
そして神戸を代表するお店となって欲しいと心から思うし、今後も応援していきたいと思っている。
坂井シェフ、西川さんの目は輝いていた。
間違いないと思う。
5位
1回
2011/09訪問 2012/06/26
【本日の独り言】
賛否両論よりは電話繋がります。
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食後、お店の外へ奥さんと一緒に出てきてくれた福本シェフ。
話した時間は五分弱だったけれど、その短い間で福本シェフの人間性を垣間見ることが出来た気がした。
「最年少でミシュラン三ッ星」こう言ったフレーズが福本シェフを語る際に多くのメディアで用いられるけれど、そういう眼で福本シェフと向き合うことには、少し違和感を感じる。
本来、ミシュランの星を取ったからといって、料理やシェフの人間性が変わるなんてことはない。
でも、現実は異なる。ミシュランの星が持つ光と闇。
シェフも人間、色々な人がいるし、ミシュランの星は少なからずシェフにとって重圧となり、何かしらに影響をもたらすかもしれない。
ただ、福本さんには変わらぬ強さと優しさがあった。
それは視覚的に見える範囲の外面的なものだけでなく、自分が信じる道を貫き通し、その意思や志を曲げず、日々精進して行くという内面的な強み。
「日々是好日」のような言葉が福本シェフを表現するには適しているかもしれない。
いつ何時も料理を楽しむ姿勢、それが活力源となり、素晴らしい料理の数々を想像出来る。そして、家族。
精神的にもきちんとバランスが取れていて、安定しているように見えた。
その福本シェフの料理。
昼夜共にコースは一種類となった。
美しい素材の層が幾重にも重なる秋刀魚と桃のミルフィーユ仕立てから始まり、シェフの創造力が遺憾なく発揮されたタパスの華やかさ。
まるで、何かエンターテイメントのように次から次へと運ばれてくる洗練されたアート作品と比喩しても良いセンスある料理たち。
あるシェフが福本さんのことを天才だと言っていたのを思い出した。
タパスの後はスープ、新鮮な農家の有機野菜、メインと続く。
この日のメインは梅山豚。
料理の流れとしては、前半タパスまでは勢いがあり、圧巻される。そして後半の着地点が近づくに連れて収束していく一連の流れ。
全体として最適化されていた。
楽しい時間は早い。約二時間弱あっという間だった。
もう少しだけでいいからこの時間が続いて欲しい、そう、小学生の時の夏休みの最後の週のような欲求がそこには芽生えていた。
神戸、いや、日本を代表する存在となりつつあるカセント。
そして、今年五月にオープンした元町の薪焼きヌーダ。
福本シェフと坂井シェフ。
互いに認め合い、尊敬し合い、神戸に新しい風を呼び込んでいる。
カテゴリーは同じスペインだけど、スタイルも異なるため、食べる側からしても連日、同日にこの二軒訪問しても重なる部分が少なく、十分楽しめると思う。
料理については、みなさん書かれているので、敢えて詳しく書かない。
次回は夜訪問して、魚料理も食べてみたいと思った。
ごちそうさまでした、そして楽しい時間をありがとうございました。
更なる驚き、今から楽しみにしています。
6位
1回
2011/09訪問 2012/03/20
【本日の独り言】
I understand what you said.
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ここ友栄で食べた鰻は、僕の20数年の人生の中で間違いなくナンバー1の美味しさであり、今後も恐らく生涯トップ3に入ること間違いなしだと言うことを先に記しておこうと思う。
「青うなぎ」
天然うなぎの中でも特に上質なものをそう呼ぶらしい。
生息地は限られていて、岡山の吉井川と旭川河口が交わる汽水域が全国でも貴重な産地として知られている。
良質な川床で育った青うなぎは泥臭さがなく、身は厚く、脂が溢れ、皮は炙ると香ばしい。
全ての要素において、多くの人々を魅了する。
その青うなぎを食することができるお店が箱根近くにある。
風祭という蒲鉾で有名な鈴廣蒲鉾本店がある駅が最寄り。
駅の周りは鈴廣かまぼこの里として知られ、蒲鉾博物館まである蒲鉾尽くしの街。
駅と繋がるお土産店では、多くの観光客の方々が蒲鉾を試食したり、蒲鉾に焼印をしたりで賑わっていた。
今回はフランス人の友人が日本へ結婚する女性の親へ婚約の許しを得るために来ていて、見事お父様より「お許し」を頂いたとのことだったので、お祝いの含め、鰻をセレクト。
もちろん箱根観光も合わせて。
予約は約一ヶ月前。
青うなぎの肝は予約しておいた方がいいとのことだったため、あらかじめ予約しておいた。
うなぎは焼津より毎朝直送された青うなぎを使用。
ただ、HPにも記載されている通り、現在青うなぎが品薄の為、いつ提供出来なくなるか分からないらしい。
貴重性が高まっている。
そんな貴重な青うなぎを今回はぜひ友人には味わって頂きたく訪問。
この日は電車だったため、駅から歩いた。
歩いて約5分、香ばしい鰻のタレの香りが漂ってくる。
国道沿いに面したお店には、車で訪れるお客さんが大半で、駐車場は満車状態だった。
店内に入ると、予約していない方々が腰掛けに座って待っていた。
予約なしだと日にも寄るけれど、平均で30分以上は待つ必要があるようだった。
やはり予約してからの訪問がベストだと思う。
さて、注文は予約の肝と特上うな重、そして白焼き。
予約時間の15分前辺りに電話を入れてくれ、注文も電話口で引き受けてくれるため、ちょど良いタイミングで料理が出てくる。
まず、青うなぎの肝の大きさに目を奪われてしまった。
味付けは甘めのタレで、黄身と共に頂く。
川臭さは皆無。程よい濃厚さと食感。
旨い!日本酒が進むこと間違いなしの一品!
しかし、この日はノーアルコール。でもね、お酒がなくても本当に満足出来た。
友人もビジュアル的には多少躊躇したものの、食べてみるとその味には満足の様子だった。
ここは鰻のみでなく、お酒に合う創作料理にも力を入れている。
肝と創作料理で日本酒などを楽しむ方も多く見かけた。
最高の贅沢だと思う。
そして、白焼き。
身と皮の間の脂の量には、驚いた。さらに身の厚さ。
山葵、山椒味噌、珍しいところでは柚子胡椒も薬味として用意されていた。
柚子胡椒は粒も粗く、ペースト状になっていないため、繊細な身との相性も抜群。
脂分が多いため、フレッシュな擦ったばかりの山葵の香りと上質な脂によって緩和された刺激の両方を楽しむことも出来た。
白焼きを食べたことがなかった友人も鰻本来の味に感激。
そして、うな重。
照りの美しさ、上品なタレの甘み。
関東風のうなぎでは、今まで食べてきた中では間違いなくナンバー1。
東京の有名店、例えば南千住の尾花や江戸川橋の石ばし。
雰囲気という点においては劣るものの、味の面では、これらの店を超えるものを僕は感じた。
西の蒸さずに焼きパリッとしていて香ばしい鰻で育った自分にとってはそれがベースなんだけど、ここまで来ると認めざるを得ない。
本当においしい鰻を食べることが出来た。
友人も少なくとも今まで食べてきた鰻とは区別が出来たそうだったし、お世辞抜きに満足したようだった。
欲を言えば、箱根に宿泊して、後のことは考えずにたらふく日本酒を鰻と創作料理と共に楽しみたい。
いつか両親を連れて、箱根に宿泊がてら、この「小さな夢」を叶えることの出来る日が来ればなと思う。
最高の鰻を堪能出来、とても幸せな時間だった。
まさにここは鰻料理の桃源郷だと思う。
7位
1回
2012/06訪問 2015/11/11
【本日の独り言】
杉田さんの魅力。
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12/06
土曜日の早い時間は特に予約が取りにくい。そういう訳で一年半ぶり。
<つまみ>
・じゅんさい
・眞子鰈
・真蛸
・磯辺巻き
・蛍烏賊の味噌漬け
・鮟肝
・ねぎ間
<追加つまみ>
・白海老
<にぎり>
・小肌
・鯛
・蒸鮑
・春子鯛
・中トロ
・鯵
・金目鯛
・車海老
・紫雲丹
・赤身
・穴子(つめ)
・玉子
<追加にぎり>
・干瓢巻
小肌は完成系。仕事の美しさに見惚れる。
三日寝かした真鯛(愛媛)のねっとりとした甘みは甘海老に近い。他のお客さんもここまで甘みが出るのかと口を揃えていた。
あと、今回初めて頂いた金目鯛。
軽く炙った背中側の部分。
身の力強さを感じた。腹側とはまた違う。
小肌、金目鯛に関しては非のつけどころがないかも。
穴子は個人的になんばの方がトロトロで好み。
人気になり過ぎて、予約が取れなくなっているのが、唯一の難点かな。
次回の予約を試みるも八月までほとんど満席。諦めた。
相変わらず、杉田さんの気遣いができる方。
当日、常連さんのような方が二人で一升近く飲んでいた。
当然、声のボリュームも上がる。
店内を我が家のように。
節度は最低限守って欲しいところ。
ただ自分達がお店を出る際、申し訳なさそうに杉田さんがアイコンタクト。
もうそれだけで十分。
また、行かせてもらいます。
11/01
都寿司、江戸前で最も勢いがあるであろうお店。
場所は馬喰横山。
店内に入ると、ご主人の杉田さんが迎えてくれる。
お店の雰囲気は、銀座の高級寿司屋のような空気感はなく、むしろアットホームな印象すら感じる。
これは杉田さんという人間が出す親しみやすさが良い意味でお店の中に染み付いているからではないか。
握りのおまかせとつまみと握りのおまかせの2種類。
今回はつまみと握りのおまかせをお願いした。
<つまみ>
・そら豆
・かんぬき
・蛸
・帆立の磯辺巻き
・鮟肝甘辛煮
・えぼ鯛
かんぬきは身の弾力が好み、僕はやはり細魚や鱚には目がない。
鮟肝は味付けのみでなく、肝自体は小さいけれど、主張がしっかりとあり、濃厚さも感じる。
えぼ鯛は沼津産。えぼ鯛は小さなことから結構食べ慣れている味。
<追加つまみ>
・しめ鯖の大葉、生姜葱巻
〆具合も抜群、大葉と生姜の風味とも相性良し。
つまみの印象は、良いものもあれば、普通なものもあるというのが正直な感想。
単純計算で追加以外のものが3000円ということになるかと思う。
つまみに関しては、今後も定期的に通って、季節毎のものを試してみたいと思った。
<にぎり>
・小肌
・平目
・鰆
・春子
・中とろ
・鯵
・鰤の漬け
・車海老
・雲丹
・穴子(塩)
・穴子(つめ)
・玉子
<追加にぎり>
・漬け鮪
・赤貝
握りに関しては、今まで食べてきた江戸前の中では、ネタとシャリのバランス、握りの美しさに置いては自分の中でかなりの上位。
シャリの空気感がすごくあって、皿に握りを杉田さんが置くと、じんわりシャリが沈んでいく。
出されてすぐに口に運ぶと、口の中で自然とシャリがほぐれる。
繰り返しになるけれど、握りの美しさは本当に芸術作品のような孤高な印象さえ、感じた。
それは一番初めに出された小肌から見入ってしまうほどだった。
バランスが非常に良い小肌、藁で燻した鰆は追加したくなるぐらいの一貫。
光りものも旨いし、鰤の漬けも初めて頂いたけれど、脂の甘みとほんのり上品に軽く漬けたバランスが良かった。
車海老は山葵の代わりに、海老の味噌を。大分産らしい。
握りはこの値段からすると、とても満足出来る内容。
もちろん全てのネタが皆さんおっしゃる通り、最上級という訳ではないのだろうけど、杉田さんの丁寧な仕事がネタを何倍にも素晴らしいものにしていると思う。
お店は2回転が基本だと思う。
自分達は当日、2回転目に入店した。
席に着いた際、若い男性が二名カウンターにいた。二人とも寿司職人の方でどうやら杉田さんとも親交があるようだった。
一人の男性は恐らく見るからにまだ二十歳前。もう一人の先輩の男性が食べに連れてきていたという感じだった。
その若い方の男性に杉田さんが質問した。
「〜君はなんで寿司職人になろうと思ったの?」
その男性は、「カッコいいからです。」と答えた。
その言葉を聞いて、杉田さんはにこっと微笑まれた。
杉田さんの未来の職人に対しての眼差しや一つ一つ投げかける言葉、そして、その男性の素直な眼差し、そして言葉。
このやりとりを横で聞いているだけで、もう杉田さん、そしてこのお店の良さを感じずにはいられなかった。
杉田さんは昔、将太の寿司にエキストラで寿司職人として出演していたこともあるという秘話も話してくれた。
つまみ、握りはもちろん人というキーワードでも心を満たしてくれるお店だった。
☆に関しては、次回訪問での驚きも期待して4.5。
これからも、長く付き合っていきたいお店。
8位
1回
2010/12訪問 2011/01/04
石かわから虎白へと受け継がれた建物で、小泉氏の技を目にした師走の夜。
【本日の独り言】
すごく腰の低い小泉さん。
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2010年クリスマスディナーは一足早い22日に。
場所は神楽坂。お店は9月にリニューアルオープンした虎白。
ここ数年この時期は毎年和食ディナーを選んできた。
小泉氏の和食へのアプローチが斬新な部分が多く、今年はこのお店をセレクト。
コースは現在13000円と17000円のコース。
コース内容は両コースともにほとんど同じで、使っている素材が良いものになると予約の際に聞いていた。
ちょうど予約した時期に連れが雑誌で虎白が特集されていた記事を見て、「トリュフなんて使って面白いね。」と言っていたので、素材が良い方ならその料理が組み込まれていると思い、17000円のコースをお願いした。
外観は旧石かわの時と変わって、壁一面に竹が敷き詰められた凛とした佇まい。
お店までの扉までの造りもとてもいい雰囲気。
店内はカウンター、そして天井の高いテーブル席になっていた。
天井が高くなった分、開放感もあった。
この日はカウンターではなく、テーブル席に通された。
この日の料理は、下記の通り。
・先付:湯葉豆腐 車海老 菊花あん
滑らかな湯葉と車海老の甘みがとても上品。菊花あんの見た目も素敵。
・揚物:ふかひれと熊本産の新掘り筍
ふかひれの煮で作った餡につけて頂くスタイル。筍の甘み、香りはフレッシュで良かった。
・しのぎ:のどぐろの棒寿司
大好きなのどぐろを棒寿司で。酢飯の具合とのどぐろの上質な脂、そして炭で炙った海苔の香ばしさは魚好きには最高。
・椀物:聖護院蕪と白子の擦り流し
白子は溶かれた状態で、蕪の包丁の入れ方も素晴らしく、二人とも微笑む。
・お造り:鮃のお造り
縁側部分と身の部分ともに、弾力があった。
・焼もの:金目鯛と海老芋 白味噌とトリュフのソース
白味噌とトリュフのソースの香りが素晴らしく、写真を撮るのをつい忘れて、箸が進んでしまった。
金目と海老芋とのソースの相性は抜群。ソースも全て食べてしまった。
・冷し物:河豚の香菜和え
九州出身としては、山口の下関も近いし、河豚は嬉しい。
前に出た焼き物が甘めの味付けだったため、この河豚はさっぱりとしており、料理の流れとしてもよかった。
香菜としての白菜のシャキシャキという食感と河豚の身のバランスも面白かった。
・煮込み:栃木牛のすき焼き風
これは虎白定番の一品。この日は栃木牛。生でも食べられるものを半生の状態で。
薄口の上品な割下、そして牛肉の下には舞茸や春菊なども良かった。
・食事:トリュフの雑炊、香り物
13000円のコースでは、食事がいくらごはんになる。
海鮮系の食事を期待していたのだけど、出てきたのがまさに雑誌の特集で紹介されていたトリュフの雑炊。
ちょっとトリュフがtoo muchな感じがしたけど、これはこれで美味しかった。
でも、連れと共にすき焼きと来ていたので、隣の方が食べられていたいくらごはんが気になったのが、正直な本音だった。
・デザート:黒糖の寒天、苺の果肉 クリームチーズのソース
これは連れが大絶賛。
クリームチーズのソースには軽くラム酒が入っているんだけど、これと黒糖の香り、苺の相性が抜群。
自分は半分食べて、連れにあげた。
そのくらい連れは気に入っていた。
全体的に良い意味でトリュフのせいかもしれないけど、和食を食べに来たという感覚をあまり感じることなく食事が出来た。
もちろん、全ての料理においての完成度も高い。十分に満足した時間を過ごすことが出来た。
一点お酒に関しては、日本酒がもう少し香りが立つものを個人的には置いて欲しいなと感じた。
ただ、女性が好むようなお酒は結構揃っており、あまり飲まない連れも気に入っていた。
最後は小泉氏が挨拶に来てくれ、名刺も頂いた。
とても腰の低い方で、話している間は終始胸の前で合掌をして、何度も頭を下げられたので、こちらが申し訳なくなるぐらいだった。
お店の外に出てからも、角を曲がるまで身送ってくれた。
今後も季節を変えて、小泉氏の新しい和を感じていけたら幸せだなと思った夜だった。
9位
1回
2011/10訪問 2012/06/24
【本日の独り言】
シャンパングラスが似合うご主人
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11/10 再訪問
ランチで訪問。
内容は下記の通り。
この日はおまかせで一人5800円程度。
今回ランチなのに、初めて夜出てくる海老しんじょうも出して頂けた。
鱧
蕪のどぐろ
鮪(対馬)
貝柱
鰹の薫製
炙ったしめ鯖
車海老
穴子
海老しんじょう
蒸し鮑
河豚
烏賊雲丹
おくら、茗荷
13貫でこの内容はとても満足が出来る。
定番の蕪の昆布締めとのどぐろを合わせた鮨は格別。
また、薫製にした鰹の香りも素晴らしかった。
そして最後のオクラと茗荷の鮨もご主人の色彩のセンスを感じる。
握るペースが少し早いので、大体いつも1時間以内の滞在だけど、次はゆっくりお酒を飲みながらもいいかなと思っている。
11/04 再訪問
今回は夜に訪問。
店内はお昼とは多少雰囲気が違うけれど、変わらずご主人の暖かい眼差しがお店を包みこんでいる。
つまみは煮こごりから始まり、季節的に最後の寒鰤、そして上品な味の海老しんじょまで。
握りは地物を中心として、ネタにはご主人らしい控えめな装飾。
ランチ同様、握りは12貫。
この日は追加で2貫頂いた。
知人の追加握りには、なんと平目の皮を炙ったものを握ったものまで登場。
ご主人は自転車がご趣味のようで、かなりこの話題になると話が饒舌になる。
かなりの距離を走行するらしい。
ツールドフランスのコースを走るぐらいの徹底的な拘りぶり。
この日はまたご主人の新しい面が見れた気がした。
福岡に帰った際は、かならず一度寄ってみたいお店の一つになった。
10/09
最近、福岡に帰った際は県内の寿司屋に一度は行くようにしている。
今回は先月行った金沢小松弥助のご主人森田さんから紹介された吉冨寿し。
長浜の屋台街からも歩いて5分かからない場所で、ちょうど東芝ビル正面にお店を構えている。
長浜という場所は、土地柄、昔からあまりいいイメージがないのだけれど、このお店は入り口の扉からなんともいえない趣きを出していて、非常にセンスの良さが伺える。
店内に入ると、素晴らしい空間が。
カウンターにはご主人が一人立たれていて、カウンター内には無駄な物が一切ない。
壁か飾られている書や一輪挿しが見事にマッチしている。
むちゃくちゃ好みな空間。わび・さびの世界がそこにはあります。
ここに須田悦弘さんの作品とかすごく合いそうな感じ。
ここは夜、昼ともに5000円のコースのみ。
この日頂いたのは全部で12貫。
鱧からはじまり、河豚、そして珍しいものではおくらや茗荷まで。
シャリの握りは小ぶりで柔らかめ、手でつかむと周りが軽く崩れそうなぐらい。
もう少し重みがあっても良かったかなと思った。
ネタで一番美味しかったのが、奄美の中トロ。
今年食べたマグロの中でも一番美味しかったかもしれない。
ご主人は握っている間もそうじゃないときもほとんど言葉を発しないのですが、こちらが美味しいと言うと、にこっと軽く微笑みます。この笑顔が不思議と言葉で語らずとも、心にメッセージが響いてくるような深いもので、一瞬ご主人が仏様のように見えてしまった。
寿司も良かったけど、この店の空間が繰り返しになるけど、非常に素晴らしかった。
ご主人と空間がもう一体となっている印象。
今回非常にいい自分好みのお店を見つけることが出来たと思う。
森田さん、そしてここのご主人。
このレベルの職人に出会って、そして会話し、料理を頂く。
この上ない幸せな時間だと思う。
10位
1回
2013/03訪問 2013/06/16
【本日の独り言】
次郎並み?のスピード握り
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13/03 再訪問
時期的に白身があまり揃わない時期だったけど、いかなごやメバルなどの魅力的な魚も入っていた。
この日は二十五貫。
ご主人は握るスピードがスゴく速い。
早い時間だったので、一対一の真剣勝負。
帰りの新幹線の時間もあったけれど、滞在時間は約45分。
内容は下記の通り。
• 鱸
• 鯒
• 皮剥
• ツバス
• 平貝
• 目板鰈
• ひいか
• あぶらめ
• 平目
• 平目えんがわ
• 真鯛
• 名古屋河豚
• 皮剥えんがわ
• いかなご
• 蛸
• 舌平目
• 本メバル
• マナガツオ
• 鰤
• 白みる貝
• 平目昆布締め
• タモリ
• はりいか
• 穴子(ツメ)
• 由良うに
いかなご、メバル、あぶらめ、平目あたりが良かったかな。
逆にマナガツオや白ミル辺りはいらなかったかも。
あと、昆布締めと穴子は好き嫌いあるかなと。
真剣に一つ一つ味わって食べると、細かな香りや食感の違いが分かる。
逆にただ口に入れて食べるだけだと、せっかくの魅力を味わえず損することになる。
神戸には生粋などの江戸前もあるけれど、やはりせっかくならこういうところで地物を楽しむ方がいいかなと思います。
11/09
地方に住む人間にとって、江戸前鮨は何か特別な存在であるような気がする。
それは「憧れ」という言葉で表現してもいいかもしれない。
地元福岡では、近松や安吉。隣の佐賀では、つく田。
これらの店は、ファンがとても多い。
神戸にも江戸前鮨のお店は多くあり、中には生粋のようにミシュランまで獲得しているお店もある。
でも、僕は思う。
地方での江戸前も悪くはないけれど、折角であれば、その土地の旨い魚貝を職人さんの仕事と共に楽しみたい。
それは別に必ずしも江戸前でなくてもいいと思う。
小倉の天寿しやもり田、江戸前ではないけれど、それぞれには特徴がある。
こういう面白さを地方のお店には求めたいという想いが自分の中にはある。
もちろん、地方の江戸前鮨に興味がない訳ではない。
事実、安吉もつく田も好きな鮨屋なのだから。
今回は友人にこの店を紹介してもらった。
瀬戸内海ものを中心にその日の昼網で状態の良い白身魚を多い時は30種類以上仕入れる。
鮪などは一切置いていない。
白身の他に揃えているのは、由良雲丹ぐらい。尋常じゃないほど、白身にこだわり抜いている。
この日は関西に大きな被害を与えた台風が過ぎた2日後だったため、通常よりは魚の種類が少なかったけれど、それでも18種類揃えられていた。ネタケースには、その日仕入れた魚を捌いた後の頭がいくつも並べられていた。
これを見ただけでも、これから始まる握りを期待せずにはいられなかった。
つまみ等は注文せず、ひたすら白身の握りを頂いた。
お通しはとらはぜの南蛮漬け。はぜという名前がついているけれど、キス科の魚。
鱚と変わりない、さっぱりした旨味に南蛮の酢が良く合う。
怒濤の白身ネタは下記の通り。
・目板鰈
・鰣
・鯒
・舌平目
・タモリ
・ツバス
・真鯛
・皮剥
・鯖
・しお
・丸鯵
・鱧
・平目の昆布締め
・蛸
・ベラ
・名古屋河豚
・由良雲丹
・皮剥縁側
タモリやツバス、しおなど初めて聞く魚も多い。
タモリは瀬戸鯛、ツバスは鰤の若魚で体長は40センチ以下のもの。もう少し大きくなると、ハマチになる。
しおはカンパチのことを指すらしい。
「こんなに白身ばかり食べて何が面白い?」なんて決して侮ってはいけない。
繊細な部分だけど、身の弾力や締まり、香り、甘さなどが個々に違う。
ご主人の魚の〆かたにも職人技があって、最高に旨い状態にするために、きちんとした技があるとのこと。
ある程度期待はしていたけれど、当初の期待の何倍以上の驚きを与えてくれた。
友人曰く、一番種類が多い時は35種類近くあったらしい。
握りの大きさは小ぶりなので女性でも15貫ぐらいは全然いける量。
秋口が一番種類も多く、白身が美味しい時期だとご主人が言っていた。
個人的にはベラを寿司で食べさせてくれるところは、恐らく日本中探してもここぐらいしかないのではないかと思った。
追加でいくつか。
特に丸鯵は脂のバランス、身の締まり、そして皮の部分と身の間の甘みが最高。
関鯵などと比べても決して引けをとらないんじゃないかと感じた。
・目板鰈
・丸鯵
滞在時間は僅か一時間程度で約20貫近く食べた。
お会計はお酒を2合入れても、一人9千円ぐらい。とても満足な内容。
次に何が出てくるんだ?という食べていてワクワクする気持ち、知らない名前の魚は未知の生物との対面のような心をくすぐるものがある。
いやー、凄いお店を紹介してもらった。
神戸に行った際、外せないお店がまた一つ増えた。
次の訪問が今から待ち遠しい。
新しい出会い、いい響きだ。
【本日の独り言】
目に涙が。
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12/12 再訪問
2012年、最後のレビューはこのお店と決めていた。
この鳥重というお店、お母さんという女性と出会えたことは、とても幸せなことだった。
語り尽くせない思い出がある。
「ありがとう、お母さん」
シンプルにそう最後に伝えた。
素晴らしい思い出、一生忘れない。
本当にありがとうございました。
12/05 再訪問
いつも美味しいレバ刺しのベストな時期はもうすぐそこです。
12/01 再訪問
今年初めての訪問。
新年のご挨拶は今年で何度目だろうか。
この日のレバは冬にも関わらず、状態がかなり良かった。
濃厚さ、ひんやりとした温度。
今年も宜しくお願いします。
11/10 再訪問
前回が今年最後の訪問のはずだったが、急遽お誘い頂き、本当に今年最後の訪問で伺った。
来年は多少変更があるものの、営業は続けられる。
そして、鳥重を歴史の1ページに残すだろう素敵なものも近々世の中にお披露目される予定。
来年の楽しみがまた増えた。
11/09 再訪問
今年最後の訪問は例年と比べても早い9月となった。
当日は渋谷のんべい横町60周年記念のイベントが行われており、オリジナルの升にのんべい横町特製の日本酒も振る舞われた。
お会計が終了したのは午前1時前。
来年の予約をして、今年の鳥重を締めくくった。
体に無理のないように営業されて欲しいと思う。
今年もありがとうございました。
11/07 再訪問
レバ刺しに関しては、先月の方がより濃厚だった。
やはり個体差があるんだと思う。
今回初めて皮をタレで注文してみた。
山椒を散らして食べると、甘いタレと山椒の香りがさらに美味しさを倍増させてくれた。
お母さん、仕事を終えて家に帰り着くのは、毎晩午前3時らしい。
焼き場の前の体感温度はかなりのものだと思う。
お体には十分気をつけて頂きたいと思った。
11/03 再訪問
地震の後、初めての訪問。
地震当日もお店、そしてお母さんのことを心配していたが。当日も休まず営業されていたらしい。
さすがに18時の回は皆さん来られなかったとのことだったけれど、お母さんは「お客さんが来られる可能性があるのに休むわけには行きません」といつもの通り、開店一時間前から炭で火を起こしていたらしい。
いずれにせよ、ご無事で何よりだった。
今回、初めてぐりぐりを頂いた。
軟骨についている肉の部分。
これが美味しかった。
11/01 再訪問
今年初めての訪問。
同席した皆さんも常連の方々ばかりで、お母さんから「今年もよろしくお願い致します。」との言葉で始まりました。
今回は最終回の21時半。久しぶりにこの時間帯になった。
21時半と言えども、スタートは前のお客さんの絡みで22時ちょっと過ぎにスタート。
この日は正肉、ささみ、軟骨に刺身ミックス。
レバ刺しはお母さんがこの時期は一番水っぽくて、申し訳ありませんと一言。
確かにここのレバ刺しを食べて、舌が肥えてきたせいか、やはり水っぽさを感じ、甘みもいつものものと全く違うものだった。
写真も9月のものと比べても色が全く違う。
正直、かなり贅沢なことを言っていると思う。
そして、この日は隣の常連さんから良い情報を聞いた。
前から名前の分からなかった軟骨部分の部位の串の名前がついに分かった。
その名も”ぐりぐり”。
”ぐりぐり”とは膝軟骨の間の肉みたいな事を言っていた。あまり多く取れない部位なので、ほとんどないとのこと。
なので、かなりレアな串になるかと思う。
食べ終わったのは、夜中の0時20分近く。
最近は、最終回はいつもこのぐらいの時間らしい。
この時間から片付けを考えると、ご高齢のおかあさんにとっては、結構お体に堪えるのではないかと思ってしまった。
お体には十分気をつけて欲しいと思う。
次回は今月末。
ぜひ、”ぐりぐり”を食べてみたい。
10/11 再訪問
今回は2010年最後の訪問。
最近は昔と比べ、やはり予約がとりにくくなっているのは事実。
訪問頻度も昔より少なくなった。
本日は、珍しくお母さんが刺身を出すのを忘れていて、焼きが全て終了した最後に登場というハプニング。
しかし、失敗してもお母さんは笑顔と饒舌トークで乗り切る。
この辺りのお母さんの人柄が僕は大好きだ。
最後にお母さんには、「良いお年をお迎えください」とちょっと早いご挨拶をして、2010年を締めくくった。
10/09 再訪問
半年以上ぶりの訪問。
今年は猛暑なので、レバ刺しの甘みが例年以上に長く続いているみたい。
お母さんいわく、今年は多分10月ぐらいまでレバ刺しは水っぽくならなく、甘みの深いものを食べれそうとのこと。
レバ刺しの写真を見返してみると、鳥自体の個体差からくるものも当然あるけど、季節によって色目にも変化があることが分かりました。
10/02 再訪問
約半年ぶり。今年もお母さんは元気で何よりです。
恒例の新年のご挨拶を丁寧にして頂き、こちらこそ「今年も宜しくお願いします」と挨拶させて頂きました。
この日の収穫は、今まで知らなかったメニューは存在していたこと。
名前は忘れましたが(お母さん特有の命名のため。。)、ナンコツのつなぎの部分らしいです。
なんかヘンテコな名前だったとは記憶しているのですが。。
常連さんの裏メニュー的なものなんでしょう。
次回は注文してみたいと思います。
09/06 再訪問
ちょうど一年ぶりの訪問。
思い起こせば一年前の訪問時は、このお店の最大の魅力であるレバ刺しがもう入らなくなるかもとお母さんが言っていた。
そしてその後一時期レバ刺しの提供は控えていたみたいだが、そのレバ刺しも見事に復活していました。
ただでさえ今日は外も蒸し暑かったですが、店内は例のごとくぎゅうぎゅう詰め状態でお店の中も蒸し暑いですが、これもこのお店の魅力。
さて、今日は串ものは柔らかいモツ、ハツ、正肉、追加で合鴨を注文。
手羽先を久しぶりに食べようと思ったのですが、今日はお母さんが忙しそうだったので、次回にしてといわれました。ここはお母さんにあくまで従います。
そして刺身はレバーとささみのミックスで。
瓶ビール2本にワインで今日も結構飲みました。
刺身は最高です。濃厚すぎます。都内ではCPを考えれば確実にナンバー1です。
ちなみに今日のお会計は二人で割引してくれて、4000円でした。
一人2000円の破格です。ありがとうお母さん。
あと2年間悔いの残らないように食べます。
08/06
渋谷ののんべえ横町のお店。
もう10回くらい訪れていると思います。
今日は最終回の九時半からの予約。
いつも、はじまりを知らせる
「では、はじめさせていただきます。」
というお母さんの言葉が個人的に好きです。
今日はやわらかいモツ(塩)、ハツ、しっぽ(ぼんじり)、合鴨、ミックス刺身(ささみ、レバ)を注文。
瓶ビールで乾杯をして、おろしを口にしているとモツが焼き上がりました。
ほんのり半生のモツは甘みがあり、口の中でとろけてとても好きです。
次にハツ。
ここのハツは、噛むと中からジューシーな旨味が出てきます。
一本の串が大きいため食べこたえもあります。
ここで、ささみとレバ刺し。
ここのレバ刺しは今のところナンバー1だと思っています。
いつもごま油をもらうのですが、これがレバ刺しにはやはり良く合います。
夏が一番レバ刺しは甘みがあり、美味しいのですが、お母さんの話に寄ると、今年の夏のお盆以降はレバが入らないかもということ。
燃料高の問題が関係しているという話でした。
心配です。。。
でも、お母さんのコネクションがなんとかしてくれることを祈ります。
ちなみに今日始めて知りましたが、レバ、ささみ、砂肝は鳥取の大山から仕入れているみたいです。福島の鳥も昔は試してみたということですが、最終的に満足できたのは鳥取のものだったみたいです。
しかし、その中でも水っぽいレバはお店では使わないというこだわりを披露されていました。
そこまでのこだわりがあるからこそ、この上質なレバを提供することができるのでしょう。
合鴨は築地から仕入れているということです。
しっぽ(ぼんじり)はなにげに初めて注文し明日が、そこそこでした。
軟骨を隣の人が注文していて、初めて軟骨がこの店にあることを知りました。
次回は注文したいと思います。
最後に合鴨。
ここではいつも正肉ではなく、合鴨を注文します。
鴨の旨味を十分に感じることのできる一品です。
最後はおしんこと鳥スープで心もほっとします。
お会計は、二人で3400円。
いつもどういう内訳なのか気になります。
お母さんの人柄も含め倍の値段を払っても全然惜しくはないというのが毎回の本心です。
あと三年で60周年みたいです。
お母さんも60年は続けることが当初の目標だったと仰っていました。
いつまでも続けてほしいものです。
渋谷でほっとできる素晴らしいお店だと思います。