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鱧寿司 鶏ハム 葛麺 蒸し鮑
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鱧、玉葱スープ
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骨抜き鱧の焼きしも
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骨抜き鱧の焼きしも
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鮎備長炭塩焼き たで酢
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冬瓜蟹餡
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冬瓜蟹餡
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鱧しゃぶ
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鱧しゃぶ
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鱧しゃぶ
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ちりめん山椒 茶漬け
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マンゴージュース
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アサビ生ビール
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獺祭 純米吟醸 （山口）
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十四代 吟選 （山形）
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水
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○撮影了承済
4～5年前に当店の存在を知り、やっと訪問の機会を得た。
米山氏は、この地に独立して7年を経過した。
四谷三丁目の方から津之守坂通り（つのかみざかとおり）を3～4分程度下っていくと、坂の途中左手に落ち着いた風情の外観に下がる “よねやま” の文字の入った暖簾が目に入る。
和風な店内は、カウンター5席、テーブル4席、半個室4席。
小ぢんまりとまとまった店内デザインは、米山さん自身が米山さんのイメージで線を引き造作させたそうだ。
料理は、基本1万円と1万5千円のコース2種のみ。もちろん注文すれば、内容や予算には応じてはくれるようだ。
この日は予約時に1万円をお願いした。
― 1万円のコース ―
・鱧寿司 鶏ハム 葛麺 蒸し鮑
今旬の味わい鱧寿司。
じゅんさいをあしらった葛麺は食感は印象深かった。
鶏ハムは変化球的アクセント。
蒸し鮑は濃厚なツメで。
・鱧、玉葱スープ
濃厚な玉葱のスープに沈む鱧。
繊細な味付けがそこにあった。
・骨抜き鱧の焼きしも 梅肉タレ
これは超びっくり。
300本近くあるＹ字の骨を手で抜き去った渾身の鱧の焼きしも。
皮を軽く炙った鱧を、ぶ厚く切っている。
その歯ごたえは、河豚を彷彿させる。
酸味を押させた梅肉の柔らい味わいも、実に繊細は仕上がりだ。
・鮎備長炭塩焼き タデ酢
今、旬の鮎を丹念に備長炭で塩焼きにしている。
つけだれはタデ酢にて。
主に福岡で栽培されているタデは、英語名でウォーターペッパーというくらい苦味
がある植物で、それを磨り潰し酢を合わせたものをタデ酢という。
さわやかな酸味とほどよい苦味が鮎の甘さとフィットする。
・冬瓜蟹餡
冬瓜よりも、蟹の多さにびっくり。
これは蟹餡というより、蟹の繊維がまるで素麺状態。
蟹素麺冬瓜入りみたいな。
・鱧しゃぶ
しゃぶしゃぶをする前に香ってきた出汁の香りに、すでにその旨さが伝わってくる。
惜しまず盛られたたっぷりの鱧は食べ応えありすぎ。
・ちりめん山椒 茶漬け
自家製ちりめん山椒をたっぷりかけた御飯をシンプルに茶漬けに。
実山椒の香りがいいですね～
・マンゴージューズ
なぜかデザートはマンゴージュース。
本日の流れとしては、違和感り。
和風テイストなデザートであってほしいと思えた。
◆アサビ生ビール
◆獺祭 純米吟醸 （山口）
◆十四代 吟選 （山形）
◆水
さて、先付けから始まった流れは、米山さんのイメージで、ほぼ鱧づくしになった。
どのひとしなも総じてとても繊細で優れた味付けにて、ぼく的には大変好みであり印象もよかった。
特に、鱧の骨抜きには本当にびっくりした。
なぜか、この日、米山さんやけに力が入っていたようで、その手間を惜しまず与えられたおもてなしには恐れ入った次第。
この手法を取り入れている料理人は、日本でも数人しかいないと思える。
鱧には、取り去りにくい厄介なＹ字型の小骨が300本近くあるわけで、通常それを手で抜き去るなどというのは至難の業であり、気が遠くなるような作業でもある。したがって、一般的に鱧は骨切りという手法で料理されているわけだ。
「料理の味付けは修行すればある程度できるようになります。食材もちゃんと選べばいいものは手に入ります。でも、それより、お客さんの体調、食べる量、イメージなどを料理人がどれくらいつかめるかが最も重要なことだと思います。結局、いい意味でお客さんを騙せる料理人がいい料理人であり、いい店だと思うんです」
その通りだ。
要は、どんな上質なものを出してもお客が理解できなかったり、受け止められなければ意味がない。逆に、どんなものを出してもお客心理を満足させてしまえば、「ここいいお店だな～」 と思うに違いない。
今回のおもてなしの心然り、四十代、言葉少なめのご主人は、料理や接客などに対する考え方、姿勢、取り組み方などに鑑みるに実に実直な方だった。
全体的には、味、ボリューム、質と非の打ち所のない流れだった。
強いて言えば、一点、決して不満ではないが、〆になる最後の食事やデザートにはもう一工夫ほしいかもしれない。異質な方向性のマンゴーなどを用意するよりも、冷えた “麦焦がし” などを出される方が、ぼく的にはビビビッとくるかと。ま、細かい点はともかくも、当店はぼく的に大きな印象を得た一軒になったことは言うまでもない。
なお、今まで 「鱧を食べるならどこがいいか？」 と問われた時に、CP・味総じてピンとくる店がなくお勧めしにくかったが、「それなら、よねやまがいいよ」 と言える一軒になったことも付け加えることにする。