3回
2019/08 訪問
由良の海の幸が極まれり、都美人の美酒ととともに淡路を地元気分で堪能し尽くす!
すっかり身近なお気に入りとなった淡路島で年に一度は顔を出したい『海山』を今夏も訪問することができ、地元の海の幸を食べ尽くし。席について先付けから由良の赤ウニが供され、都美人の日本酒がすかさず盃を空にすすむ々々。
鱧に穴子、太刀魚、わざわざ用意してくれた大ぶりの牡蠣…。台風が近づき早くも海の中は大荒れだったらしく、それでも素潜り漁の名人である大将の親父さんが獲った海の幸はウニのみならず、もずくやこれも名物のワカメまでいつもながらお見事。
ここ最近、異常な酷暑が海にも影響し異変が起きてるとのこと。観光客を囲い込むリゾートグループの寡占化とともに危惧されますが、こんな地元に根ざした独自色のお店と共存し長らえるのが本来あるべき姿のはず。
レアな南あわじの日本酒とのペアリングも驚きの新鮮さで、至れり尽くせりなこのコースを銀座でならば倍の値でも足りない大枚をはたくであろう価値。
実家の親戚の家を訪れるようなアットホームさで受け入れられる居心地のよさもならではで、相性で人を選ぶとしてもオススメしたい場所なのです。
2021/04/26 更新
2017/09 訪問
由良の赤雲丹のみならず、素潜り名人と板前親子のここでしか味わえない幸と粋!
淡路島行の一番の目的はこちらに伺いたかったこと。今回究極のスペシャリテです。存在を知って1年近く、この時期の由良の赤ウニを楽しみに文字通り焦がれてやって来ました。
その期待は裏切られるどころか、いくら書いても写真をあげても足りないほどの満足感で1日立って思い返すだけでしあわせな気持ちに。
のっけからカワハギの肝が海の香りも濃厚な茶碗蒸し。続いてのお造りはその日の由良港獲れたて、器に目の前で一刺しずつ置かれていく様はキャンバスに絵が描かれていくかのよう。ボウゼ、青ベラ、タルメ、ニシ貝…と地産の珍しい名前も並びます。
天ぷらやこれも淡路ジビエの鹿肉をはさみ、名産である鱧はなんと卵や内蔵を鍋で…出汁にとかれて最後の一滴まで食べ尽くすほどうんまい!
そして出てきました、赤ウニがぱっくりふたつに割られて棘は動いてます。美しいフォルムの標本か芸術品みたい。中からすくって食べるのが勿体なく思えるほどですが、もちろん舌の上でとろけていきました。
その余韻に浸る間もなく、淡路牛の稀少部位とフグを焼きで、さらにアワビの肝焼きを鍋一面の天然ワカメと漁師風ごっちゃ煮でいただき…。
ところが「まだ食べれますか?」と聞かれて、全然いけるのがすごい。そこからおまかせで握りが。その締めはどんだけ嬉しくずきゅんとさせてくれるんだ、由良の赤ウニ!
お酒は淡路の名酒・都美人を山廃から店舗に出回ってない希少のものまで。出雲、久留米…と杯も銘柄ごとに彩りをかえます。
気づけば3時間。まだ洲本に開店して6年とのことですが、自分よりひと回り若い御主人が10代から板前になると決めて神戸や福岡で修業したのもまず地元・由良港で1、2と名を馳せた素潜り漁師である親父さんの魚を食べさせたいという一念。さらに淡路の食材、地産地消で盛り上げたいという意気。
すべてが許すなら毎月でも東京から来たい…せめて四季折々にでも、と惚れてしまいました。
2021/04/26 更新
四国旅の帰りは新神戸に戻る途中、ここ数年の通いとなっている淡路島の洲本温泉に1泊。仲間のおふたりと合流し、やはり恒例となり楽しみだったこちらに。
由良の赤雲丹はやはり極上、毎度これほどワカメが美味しいものかと感嘆する漁師煮など、素潜り名人のレジェンドである親父さんが毎日仕込む海の幸を存分に活かす大将の腕も再訪ごとに進化。
旬の魚を味わい尽くし、今宵も都美人のレアな日本酒がくいくいすすみ、あっという間の4時間…初訪問のふたりにも大満喫いただき幸甚。この時期になんとか来られたことも有り難く。常以上に悦びを噛みしめつつ淡路を後にします。