昨日の大雨は結果として震災を思い出させるほどの甚大な被害をもたらしてしまった。
低気圧と台風が干渉して生じさせた線状降水帯が長く激しい大雨を降らせ、栃木県、茨城県に未曾有の災厄を招いてしまった。
被災された方々のご無事と回復を祈るばかり。
義捐金の窓口ができたら、わずかながらでも支援させていただきたい。
北へ移動したこの降水帯は、今日は東北各地に猛威を振るっているようだ。何とか被害が甚大にならないといいのだが。
人的あるいは物的に明確な被害は報道されていないが、それでも東京も大雨だった。
目黒川、多摩川など相当危険なレベルまで窺ったようだが、氾濫や決壊には至らなかった。
昨年の広島土砂災害、今年のこの記録的大雨、自然の猛威の前に現実のあらゆる脆さを再認する。
大雨をついて銀行へ。いつも行列の絶えないATMコーナーもさすがに人は少ない。
この雨ではランチもままならず、見れば隣はマクドナルド。
当然、しばらく足を踏み入れたこともない。
7年間で売り上げは半分に、今年1~6月期だけでも262億円の赤字と惨状を呈し、打つ手も定まらず青息吐息はメディアやアナリストの格好の餌食と化している。
ビジネススクールやマーケティングセミナーでは、稀代の失敗ケースとして早くも俎上に乗せられていることだろう。
何事も実体験主義、ストアチェックのつもりでランチ入店とする。
マクドナルド渋谷東映プラザ店サービス品質やマーケティング評価は言い出せば尽きないが、ここで長々と語り出す話でもないだろう。
一言、まずメニューがわかりにくい。
何をどうオーダーしたら良いのか、セットと単品はどう構成を分けているのか、カウンターのスマイルを前に戸惑うことしきり。
最初の接点がこれでは顧客のロイアルティも形成しにくいだろうなあ。
とにかく、わかりにくいのよね。
ダブルチーズバーガーのセットを受け取って席に着く。
なんだかなあと思いつつも、イヤホンでBGMをセットし、自分の世界でランチとする。
シャッフルモードで、ランダム選曲された昼の1曲は、マイルス・デイヴィスのオール・オブ・ユー。
アルバム「マイ・ファニー・バレンタイン」の中の珠玉のナンバーだ。
この名盤、名曲の最大の魅力はわかりやすいことにある。
わかりやすいリリシズム。ただただ美しい響き。
黄金のカルテット誕生前、サックスはジョージ・コールマン。
ショーターが入っての黄金時代に比べると、シンプルに美しくわかりやすい。
ハンコックもトニーもジョージに呼応するかのようにわかりやすく美しい。
まだ魔界へ突入する前の色彩か。
もっとも、マイルスが一番きれいでわかりやすいことが、彼等を統制していたのだろうけれど。
すべからく、わかりやすいことは圧倒的に伝わる力がある。
こちらのハンバーガーチェーンも何よりそうあるべきかと。