6月だ。初夏の陽射しをいっぱいに受けて燃えるような新緑の日比谷公園。
古い友人と待ち合わせて久しぶりのランチ。公園内の
日比谷松本楼。
わずかに渡る風もまだ湿り気を含まず、公園は実に平和な時間と空気に満ちている。
ちょうど今読んでいる本の中に、1971年反体制過激派による闘争の時代、まさにこのレストランが火炎瓶によって焼失し従業員一名が亡くなると言う件が出てきたところなのだが、そんな時代も歴史もすっかり忘れ去られたように時間が流れている。
あれは何だったのだろうか。
この季節、こんな気候の昼時に、テラス席を選ばない理由は無い。都会のど真ん中とは思えない、森と木漏れ陽の一角に席を取ってひとごこち。
ランチは、定番のハイカラハヤシライス。実にオーセンティックなデミグラスソースが優しい。何のケレンもない。この空間にぴったり。
これで十分だ。
友人との会話、仕事の話などはほんのアペリティフ。豊かで洗練された中国人訪日旅行者の意外性と音楽の話、例えばハービー・ハンコックにあってキース・ジャレットにないもの、マイルスに暴力性はあるのか、ジェームス・テイラーのハーモニーセンス・・・、そしてアメリカのエリート政治家の本音、バー経営の現実性、健康と家族、最後は中年の失恋と傷心にたどり着く。
それまた、これで十分だ。
池の噴水も穏やか、縁のもみじも藤棚も今は一様に濃い緑。
人間も季節もゆっくり動いて欲しいな。