カケスタ★たかひろさんが投稿したaru(愛知/駅前大通)の口コミ詳細

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<kakesta★カケスタ>

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カケスタ★たかひろ (40代後半・男性・静岡県) 認証済

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aru駅前大通、駅前、新川/フレンチ

6

  • 昼の点数:4.7

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 4.7
6回目

2023/02 訪問

  • 昼の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.6
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.7
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

豊橋フレンチ「aru」結婚記念11周年記念日に東三河の地素材を使った繊細なフルコースを堪能

愛知県豊橋市の雑居ビル2階に2017年12月27日にオープンされて以来、早くも頭角を現し、東三河エリアを代表する人気店へと成長されているフランス料理店「aru(アル)」に出向き、私たちの結婚11周年記念日「鋼鉄婚式」を迎えるお祝いを致します!

場所はJR豊橋駅から徒歩5分圏内の広小路沿い吉田ビルの2階となり、裸電球が灯す柔らかな光の下に掲げられたシンプルな真鍮のサインが目印です!


店名は御二人の子供の名前から取り名付けられ、「aru(アル)」。オープン時に生まれたばかりの子がもう6歳になり、じきに小学校に上がられるというから時の早さを実感してしまいます♪


木製扉の先には心地良い空間が待っており、店内のデザイン設計は、豊川を中心に活躍される一級建築士の「HAAG DESIGN + Haag Cafe(ハーグデザイン+ハーグカフェ)」がシェフのこだわりを取り入れ手掛けられており、シンプルさの中に柔らかな空気が流れる居心地の良い空間を醸し出しています。フロアの様子が伺えるキッチンを右手に配し、ゆったりと14席~18席ほどの席数を用意されておりますが、コロナ禍で席数を若干制限されながらの営業スタイルが続いているようです。


20代後半にパリでの修行時代に見つけたお気入りのレストランのような雰囲気を出したくて、古材を用いた円卓は外せないアイテムだったと話す鈴木シェフ。そんなシェフの想いを叶えたのは、愛知県設楽町の工房「木と革 aoyama」の職人である青山 和志(Kazushi Aoyama)さん!敢えて、古材を繋ぎ合わせ造り上げた味のある円卓には「肩肘張らずに食事を楽しんでいただきたい」という鈴木シェフの温かい想いが詰まっています!


季節を感じさせる生花は、豊橋の小さな花屋「さくらはなみせ(SakuraHanamise)」の松本桜子さんに定期的にアレンジとメンテナンスをお願いされており、いつもとてもセンス良く設えられており、春夏秋冬を感じられる生花に癒されております!


オープ当初からずっと応援している「aru」。美食のエキスパートがおすすめするレストランガイドとして世界20カ国で出版されているフランス発のレストランガイドブック「Gault&Millau(ゴ・エ・ミヨ)2022」にて2年連続で2トックを獲得。


こちらは、料理の基礎を大阪のビストロ「アヴォロンテ(’Avolonte)」の川田祐志シェフから学び、さらに、パリの3つ星「アストランス(l’Astrance)」で修行後に独立され最短でミシュラン1つ星を獲得した人気店「Sola」の吉武 広樹 (Hiroki Yoshitake)シェフと、同じく「アストランス(Astrance)」出身でミシュラン1つ星となる仙台の「ナクレ(nacrée)」の緒方稔シェフの御2人から素材の活かし方を多く学ばれ、大阪の「レストランエテルニテ(Eternite)」ではサービス兼Sommelierとして経験を積まれた鈴木 琢(Takumi Suzuki)シェフが32歳という若さで、Sommelierの奥様である鈴木 彩(Aya Suzuki)ちゃんと二人三脚で独立したお店です!


現在はランチ、ディナー共におすすめのワンコース「saison」¥13,200(12品前後)となり、シェフ自らの目で信頼を置く生産者たちの顔が見える食材を活かして、此処でしか味わえない東三河ならではの料理を提供。


本日のメニューにも記されているように、ここ数年の進化として、以前よりもグッと地元野菜に重きを置かれ、旬の移り変わりを敏感に、鈴木シェフの感性をふんだんに取り入れた繊細なコースというのが見受けられます。メニューの裏には鈴木シェフの想いが書き綴られているので、アミューズが運ばれてくる前に是非一度目を通してみてください♪


ドリンクメニューには、アルコールからソフトドリンクまで幅広く用意されています。今回も料理に寄り添うワインを日本、フランスワインを中心に用意してくれるワインペアリングをオーダー。ペアリングする量は料理に合わせて6種のワインを一杯ずつ、120ml(¥8,500) or 60ml(¥6,600) or 30ml(¥4,500)のペアリングコースの中から選べます。


「シャンパーニュ テタンジェ(TAITTINGER BRUT RESERVE)」
1734年創業のテタンジェはテタンジェ家が今尚オーナー兼経営者を務めるシャンパーニュではとても希少な大手シャンパーニュメゾンの1つ。シャルドネ種を主体とする繊細でエレガントな味わいを楽しめます!


「東三河の畑から 青首大根」
先ずは彩ちゃんの御実家で採れた新鮮な青首大根から、暖かい出汁のように繊細なスープで胃を優しく包み、ほっこりと身体をリラックスさせて食欲を増進してくれます。青首大根と水と塩だけで作るため、シンプルに大根の味わいをストレートに楽しめ、瑞々しくて、甘味の強い青首大根の香りとじっくりと焚き上げたからこそ感じる真の甘味が味わえます!


お次のフィンガーフードも春の演出がさらりと表現されています。店内のアレンジメントを担当されている「さくらはなみせ」の桜子さんが「料理にもぜひ添えてください」と無農薬の花を用意してくださっているとのこと。日本の四季の素晴らしさを一皿の料理の中でも感じられます♪


「東三河の畑から 紫キャベツ」
真っ白な陶器皿に白梅を添え、そちらとは対照的に妖艶な深紅の色合いを放つ紫キャベツの一品。


豊川の紫キャベツを紫キャベツのヴィネグレットの液に漬けに、ローゼルの塩漬け、自家栽培のディルから採れたシード、全国でも最大産地と誇る東三河の赤紫蘇をパウダーにして添えて。赤紫蘇から梅の香りを連想させ、酸味と塩味のバランスの良さが際立つ、最初の一口。


結婚11周年を迎える「鋼鉄婚式」。11年目の「鋼鉄婚式」は、10年目の「錫婚式」や「アルミ婚式」よりも硬い鋼鉄のように強い愛の絆で結ばれるという意味があるようです♪


「東三河の畑から RivermondFarm(リバーモンドゥファーム)さんのミニトマト」

今年からお取引きされている「RivermondFarm(リバーモンドゥファーム)」さん。こちらの完熟ミニトマトは、酸味がなく濃厚なトマトの甘味が味わえ、後味にピリッと刺激を感じる不思議なトマト。自家栽培しているローズマリーをパウダーにして添えられているため香りも楽しめます!


「東三河の畑から 北河さんのスナップエンドウ」

「豊橋百儂人」に認定されている「美緑の風ファーム北河」の竜髭菜儂人/北河芳泰さんのスナップエンドウ。前回は、彼の作る見事なグリーンアスパラガスをいただきました!お飾り用に新芽を添えて、畑から採ってきたかのような演出を♪


食用花のビオラなどで着飾ったスナップエンドウの中には、滑らかな口溶けの優しい自家製リコッタチーズに知多の柑橘ベルガモットの果汁を忍ばせてあり、一口頬張れば、シャキッ!ジュワッ!と溢れ出る旨みが迸ります!


「醸し人九平次 うすにごり 萬乗醸造」
愛知県の蔵元「萬乗醸造」で造られている清酒「醸し人九平次」の一年に一度の予約限定品。自社田「兵庫県黒田庄」で栽培された山田錦から造られたうすにごり生酒。 米の豊かな風味、にごりの仄かな甘み、透明感のある酸、アクセントを添える微かな苦み、五味の総てが調和した最高のバランスで醸される最高の生酒。お次に出る「新海苔」と「白蕪」に合わせて提供。ワインペアリングではありますが、料理に応じて、日本酒を差し込まれることもあるため楽しみ甲斐があります!


「浜名湖の新海苔」

浜名湖の新海苔とシジミのお出汁のスープの中に滑らかな口当たりのシジミの旨みを閉じ込めたフランと共に!海の恵みとも言える新海苔の香りをシジミの滋養溢れる味わいで満喫!


「ヤマザキ・ワイナリー ピノ・ブラッシュ(Yamazaki Winery Pinot Blush」
樹齢6〜22年のピノ・ノワールとピノ・グリを全房圧搾による混醸で造り、北国の春を思わせる可憐な白ワイン個性ある一本。「中口の白ワイン」ではありますが、全房圧搾だからこその淡いピンクの桜色が印象的です。優しく香る果実味と綺麗な酸味が引き締めまとめています!


「スフィーダさんのチーマディラーパ 平貝」

新城で無農薬野菜を育てる「スフィーダ(SFIDA)」さんのチーマ・ディ・ラーパ。”Cima di rapa”とはイタリアのカブの菜の花のこと。ようやく春が近づき、芽吹く菜の花のほろ苦さを、濃厚な甘味と歯応えが面白い平貝と共に味わえます。ソースもチーマ・ディ・ラーパをグラッセしながら作ることにより、一体感のあるまとまりに。上には、柚子のコンフィチュールと柚子パウダーを添えて、香りを感じながらいただきます!


「十六穀入りの食パン」
パンは、オープン当初から使われている豊川の「ブーランジュリーヨシオカ(Boulangerie Yoshioka)」の食パン。大好きな豊橋の陶芸家「鈴木 史子(Fumiko Suzuki)」さんの作品に添えて!十六穀の優しい香りが漂い、外はカリッと香ばしくトーストされ、生地はふわふわ、噛めば噛むほどに甘味が広がり、食が進み過ぎる美味しさで、誰もがおかわりをしてしまうご馳走パンです!


お次は、伊豆を拠点に活躍される木工器作家「飯田ウッドターニング(iiDA Woodturning)」の飯田慎一・飯田康恵夫妻が手掛ける温もり溢れる木のお椀に暖かなスープをその場で注いで完成させる一品。


伊豆高原で伐採された樹木から創り出す器は、生木が生み出す自然美に溢れ、人の手では成し得ない美しいラインが、そっと手に寄り添ってくれるようです。器にはアイアンフィニッシュという技法を用いられており、熱や油にも対応可能とのこと。こちらの料理には箸が添えられていただきます。


「白蕪」×「器:飯田ウッドターニング(iiDA Woodturning)」

2時間以上掛けてじっくりとローストした白蕪は、最後に炭火で焼き上げ提供され、とろとろに仕上がり箸がスッと入ります。スープは「鳥市精肉店」のあいち鴨から取れるお出汁と白蕪を合わせ、アクセントに2年程寝かすことで、まろやかな奥行きを引き出した自家製柚子胡椒を添えてメリハリを!


「ドメーヌ・アラン・ジャニアール ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ シャルドネ
(Dom.Alain Jeanniard Bourgogne Hautes Côtes de Nuits Chardonnay)」
ニュイ サン ジョルジュから17km斜面を登った場所で、冬には10~20cmの雪が積もる高台で造られています。溢れ出るミネラル感、品の良い酸味、旨味のある酸とコクから長い余韻も楽しめる一本です。お次の魚料理に合わせて!


セラー越しに映る、キッチンで独り奮闘する鈴木シェフ。夫婦だからこその阿吽の呼吸で創り出される店の雰囲気は柔らかく、温かい。その面影が料理にそのまま反映され、食材にそっと寄り添う姿勢がいつも素敵だなと心から感じます♪


「法蓮草 アラ」
さかなへんに荒と書いて「アラ」。スズキ目アラ科の海水魚。ハタ科には同じく美味で高級魚とされるクエがありますが、このクエの九州地方での地方名が「アラ」とのこと。「アラ」と「クエ」は姿も似ているため混同されやすいのですが、実は別の魚とのこと。


むっちり、しっかりとした身質のアラは、炭火で焼き上げ、脂を感じつつもくどさはなく、まろやかな甘味が美味しい。御実家のレモンの葉で香りを付けた爽やかな泡と法蓮草に炭火で香ばしく仕上げた紅菜苔の菜花を添えて、食感と共に楽しみます!


「千野甲州ノンバリック 2018 旭洋酒」
エチケットのリネンに施された美しいハーブのステッチは、手芸作家として活躍する山岸みすずさんの作品。山岸さんの刺繍をモチーフに、様々な種類の草が生い茂る造り手・小川氏の畑と透明感のある味わいを表現しています。小川孝郎・崇両氏が育てる千野ヤマヂの甲州畑のうち、最も標高の高い部分を完熟で収穫しステンレスバレルで醗酵。病果や未熟果を念入りに除去し、ホールバンチプレスで優しくゆっくりと圧搾。さらにステンレスバレルで澱とともに貯蔵し、ノンフィルターで生詰している甲州ワイン。微かに緑がかった透明感のある仕上りで、甲州らしいフレッシュさやほろ苦さもあり、清涼な酸が楽しめます!


液体窒素で凍らせたスナップエンドウのパウダーをソース代わりに振りかけて完成させる一品。前回いただいた時に、あまりの美味しさと瑞々しさに衝撃を受けた有機玉レタスの登場です!


冷んやりと冷やして、このレタスにしかない瑞々しさと味わいを食してもらいたいと試行錯誤して作り出した至極の逸品。


「イチローさんの有機玉レタス」
豊川の「イチローファーム(Ichiro Farm)」は、先程のスナップエンドウやグリーンアスパラガスを作られている「美緑の風ファーム北河」の北河芳泰さんのお兄さんで、北河一郎さんと仰り、その御名前から「イチローファーム」と名付けられています。こちらで作られている有機栽培の「玉レタス」は、灰汁やえぐみが全くなく瑞々しく甘味が感じられます!


レタスが主役!肥料を与えずに土と微生物の菌の力で育て上げられる希少な作り手「イチローファーム」の有機玉レタス。甘夏、トマトクリーム、チーズ、大葉のオイル、発酵させたシークワーサーと、組み合わせの妙を楽しめる一皿!前回の爽やかさ120%の玉レタスと比べると、今回のバージョンアップで深みを重視したふくよかさ120%の玉レタスとなりました!


「カトリーヌ・エ・クロード・マレシャル オークセイ・デュレス
(Catherine et Claude Maréchal Auxey Duresses)」
ボーヌから10キロほど南に向かった、ブリニィ・レ・ボーヌ村にひっそりと佇み、テロワールのしっかり感じられる、ピュアな果実味の長熟タイプのワインを造り出すドメーヌ。マレシャル夫妻が造るエレガントでバランスの良い緻密なピノ・ノワールを堪能。こちらは2018年とまだ若く、ピュアで華やかな香りも楽しめます!


「季節のお野菜と本州鹿」×「器:釋永岳 âge」
本州鹿のローストはソース代わりにいただく野菜で織り成すパレットのような色とりどりの盛り込み。上からアレッタ(ケール×ブロッコリー)、ウエタトマト、タルティーボ、カーボロネロ(黒キャベツ)、プチヴェール、自家製らっきょう、プチラディッシュ、芽キャベツ、大根、スティックセニョール、人参、アンデスレッド、カリフラワー、春菊、牛蒡と、15種類もの野菜が散りばめられています!


血色滴るロゼカラーの鹿肉を包み込むかの如く華やかなマレシャルのピノとの相性も抜群!


本州鹿はロースとフィレの二種の部位を楽しめます。こだわりの地元野菜は添え物という感覚よりもメインに匹敵する装いで、それぞれに火入れするため、一瞬足りとも目を離せない難しさがあるようですが、この盛り込みにしてからの客ウケは非常に良いとのこと。確かに、ソースを絡めるのではなく、肉→野菜→肉→野菜と、交互にそれぞれの野菜を頬張るごとに、口中をリセットするかのような不思議な組み合わせで、まるでその都度一口目の肉を味わうかのような感覚に陥ります!


「RivermondFarm(リバーモンドゥファーム)さんの真紅の美鈴」
豊川の「RivermondFarm(リバーモンドゥファーム)」さんが手掛ける希少な苺「真紅の美鈴」は、本来ならば千葉県で栽培されている品種とのことですが、惚れ込んだ品種ゆえに、栽培が難しいとされていた豊川でも栽培を一昨年から取り組み、生産者さんや肥料屋さん、苺の業者さんに相談しながら試行錯誤を繰り返し、栽培に成功されています。その苺の色・香り・味・甘さ、その全てが濃厚!果皮だけではなく果肉まで美しく濃紅な真紅に染まっており、他の苺にはない黒みを帯びた色合いが印象的で、その姿形も味わいも初めての体験となる衝撃的な美味しさ!


「真紅の美鈴」を使った苺のデザートは、酸味が楽しめるラズベリーのチュイル、ミルクのムースやシャーベット、下には「真紅の美鈴」を忍ばせて、チュイルを砕きながら、その甘酸っぱい酸味と甘みを食感と共に楽しみます!


食後にはコーヒー、エスプレッソ、国産紅茶と並ぶ中「真紅の美鈴」のドライ苺を使ったというフレーバーティーをチョイス!


「ごとう製茶さんの無農薬紅茶 真紅の美鈴のドライ苺のフレーバーティー」
苺の香りとほのかな甘みが優しく染み渡る渋みの少ないまろやかな紅茶。


「真紅の美鈴 無農薬のやよいひめ」

苺尽くしのプレートは、サクサク食感が楽しめるラングドシャで仕上げた「真紅の美鈴」と「苺屋田中」の田中秀樹さんが無農薬で栽培されている「やよいひめ」の異なる二種の味わいを楽しみます!


「ベルガモット」
アールグレイ紅茶でお馴染みのベルガモット。知多のフレッシュなベルガモットの果皮のみを使用して作り上げ、ベルガモット単体の爽やかな香りをギュッと閉じ込めたソルベに仕上がっています!


結婚記念日ということで、季節感のあるナンキンハゼの白い実が愛らしいキャンドルリースにメッセージカードを添えてお祝いしてくださいました!(感謝)


毎年、結婚記念日には大好きなレストランへ訪れるようにしていますが、浜松⇄豊橋と程良い距離感であるため、愛犬ショコラのお留守番になるべく負担をかけないようにお出掛けできます。本来ならショコラも一緒にお祝い席に同伴させたいけれど、お利口に待ってくれているおかげで、ほんの数時間ではありますが、至福のひとときを過ごすことが出来ました♪


他のゲストがお帰りになってから、ゆっくりと鈴木夫妻を交えて今後のaruについてお話をすることが出来ました。彼にしか表現できない、此処でしか味わえない素材を活かした「aru」の身体喜ぶ料理たち。より一層、お二人らしいレストランづくりに励んでくれることと思いますので、楽しみにしています!

Restaurant aru(アル)
住所:愛知県豊橋市広小路2-28 吉田ビル2F
TEL:0532-54-5518
営業時間:ランチ12:00、ディナー18:00~19:00(L.O)
定休日:日曜日、不定休

2023/09/17 更新

5回目

2022/05 訪問

  • 昼の点数:4.6

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

豊橋フレンチ「aru」東三河の地素材を活かしナチュラルに身体に沿った繊細で端麗なフルコース

愛知県豊橋市の雑居ビル2階に2017年12月27日にオープンされて以来、早くも頭角を現し、東三河エリアを代表する人気店へと成長されているフランス料理店「aru(アル)」に出向き、フルコースランチタイム!


場所はJR豊橋駅から徒歩5分圏内の広小路沿い吉田ビルの2階となり、ユーカリの木と裸電球が灯す柔らかな光の下に掲げられたシンプルな真鍮のサインが目印です!暫くぶりに訪れましたら、1階に高級食パン専門店「麦ノ蔵」が出来ておりました。


店名は御二人の子供の名前から取り名付けられ、「aru(アル)」。


ゆったりとしたアプローチの先には、このお店のテーマカラーとなるスモーキーブルーの木製扉が優しく出迎えてくれ、扉の先には心地良い空間が待っています!


店内のデザイン設計は、豊川を中心に活躍される一級建築士の「HAAG DESIGN + Haag Cafe(ハーグデザイン+ハーグカフェ)」がシェフのこだわりを取り入れ手掛けられており、シンプルさの中に柔らかな空気が流れる居心地の良い空間を醸し出しています。フロアの様子が伺えるキッチンを右手に配し、ゆったりと14席~18席ほどの席数を用意されておりますが、コロナ禍で席数を若干制限されながらの営業スタイルが続いているようです。

20代後半にパリでの修行時代に見つけたお気入りのレストランのような雰囲気を出したくて、古材を用いた円卓は外せないアイテムだったと話す鈴木シェフ。そんなシェフの想いを叶えたのは、愛知県設楽町の工房「木と革 aoyama」の職人である青山 和志(Kazushi Aoyama)さん!敢えて、古材を繋ぎ合わせ造り上げた味のある円卓には「肩肘張らずに食事を楽しんでいただきたい」という鈴木シェフの温かい想いが詰まっています!


季節を感じさせる生花は、豊橋の小さな花屋「Lacle Florists(ラクレフローリスト)」のkaori Akayaさんに定期的にアレンジとメンテナンスをお願いされており、いつもとてもセンス良く設えられた草花に癒されております!


こちらは、料理の基礎を大阪のビストロ「アヴォロンテ(’Avolonte)」の川田祐志シェフから学び、さらに、パリの3つ星「アストランス(l’Astrance)」で修行後に独立され最短でミシュラン1つ星を獲得した人気店「Sola」の吉武 広樹 (Hiroki Yoshitake)シェフと、同じく「アストランス(Astrance)」出身でミシュラン1つ星となる仙台の「ナクレ(nacrée)」の緒方稔シェフの御2人から素材の活かし方を多く学ばれ、大阪の「レストランエテルニテ(Eternite)」ではサービス兼Sommelierとして経験を積まれた鈴木 琢(Takumi Suzuki)シェフが32歳という若さで、Sommelierの奥様である鈴木 彩(Aya Suzuki)ちゃんと二人三脚で独立したお店です!


オープ当初からずっと応援している「aru」ですが、美食のエキスパートがおすすめするレストランガイドとして世界20カ国で出版されているフランス発のレストランガイドブック「Gault&Millau(ゴ・エ・ミヨ)2022」にて2年連続で2トックを獲得し、全国デビューを果たしています!


現在はランチ、ディナー共におすすめのワンコース「saison」¥11,000(12品前後)となり、シェフ自らの目で信頼を置く生産者たちの顔が見える食材を活かして、此処でしか味わえない東三河ならではの料理を提供されています!


店内のウォークインセラーには、日本ワインを中心におよそ700本ものワインが置かれ、今まで御2人で少しずつ収集してきた秘蔵っ子たちが並びます。近年注目を浴びる日本ワインを料理に合わせて楽しむことができるのも、このお店ならでは!


本日のメニュー


ドリンクメニューには、アルコールからソフトドリンクまで幅広く用意されており、ワインがお好きな方のために、日本とフランスワインを中心に構成し、料理に寄り添うペアリングワインのコースも用意されています。今回は7種類の料理にそれぞれワインを合わせてセレクトしていただきました!


Champagne「Petitjean Pienne /
Champagnes Blanc de Balncs Extra Brut」
(ブラン ド ブラン エクストラ ブリュット シャンパーニュ /
プチジャン ピエンヌ)


「ブラン ド ブラン エクストラ ブリュット シャンパーニュ プチジャン ピエンヌ」は、シャルドネのみから造られるブラン ド ブランのシャンパーニュ。高品質なシャルドネで知られるコート デ ブラン地区の中でも一際高い評価を受け、グランクリュ格付け村であるクラマン村で産するシャルドネのみで生産されています。幾つかの異なる年のワインをアッサンブラージュして造られ、3年もの熟成期間を経てリリース。焦がしたバター、蜂蜜、ほのかな柑橘の風味があり、繊細な酸味と華やかな果実味が調和されたバランスの良いシャンパーニュとなっています!


「春人参とライム」
春人参の香りや旨味を水に移した澄み切った冷製スープ。オリーブオイルを垂らし、仕上げにライムの皮を削り添えた一品。土の香りや野菜の自然な甘みを感じ、一気に食欲を掻き立てられる魔法のスープです!


最初の冷製スープで食べるモードにスイッチが入ったのか、俄然食欲が湧いてきました!初夏に相応しい色鮮やかな盛り付けも思わず心が躍ります!


この日は、友人の小野さんと一緒に伺い、以前から「aru」をお勧めしてはいたものの、なかなかタイミングが合わず、今回、初aruを体験していただきます!


「ミニトマト」・「もものすけ」


定番で提供している豊川の「ミニトマト」は、ローズマリーの香りを添えたタルト。アスパラガスの成長した穂先と葉を共に添えて。鈴木夫妻の友人の家族が丹精込めて作られている「ミニトマト」は「aru」には欠かせない食材の一つとなっています!一口で頬張れば、プチッと弾けるトマトの甘味に、程良い塩味を利かせてあり、ローズマリーの香りが鼻をくすぐるフィンガーフード。薄タルトのサクサク食感がまた良いアクセントになります!


赤蕪の一種で生で食すのに適している「もものすけ」を薄くスライスし、自家製のカラスミを挟み、ナスタチウムを添えて。柔らかな肉質で甘味の強い「もものすけ」にねっとりとした半生カラスミがマッチング!


愛犬ショコラを飼うようになってから、夜に出掛けることが本当に少なくなり、元々昼飲みの方が性に合っている私たち。心地良い陽射しが差し込む中、緩やかな時の流れを感じながら味わうワインはまた格別です!


「デラ空洞 2021/LES VINS VIVANTS(レヴァンヴィヴァン」
長野県東御市の「LES VINS VIVANTS(レヴァンヴィヴァン」から初リリースのワイン「デラ空洞2022」。2015年に東御市に移住された荻野夫妻が、ピノノワール、ガメイ、シュナンブラン、シャルドネ他、様々な品種を農薬や化学肥料を使わないナチュラルな栽培をしています。こちらは山形県産のデラウェアを購入して造っており、開放型のステンレスタンクにて除梗破砕無しの全房セミマセラシオンカルボニック仕込み。野生酵母で発酵が始まるのを待つ。ピジャージュは行わず、発酵が始まって4日目辺りから軽めのルモンタージュ。発酵中盤で空圧式のメンブレンプレス機にて搾汁し、果汁のみの発酵に切り替える。発酵終了後、少しでも旨味を持たせるために瓶詰めまでシュールリー。仕込みから瓶詰まで一切の亜硫酸は添加をしておらず、無濾過、無清澄。ヌーヴォーらしいチャーミングな香りとデラウェア特有の溌剌とした酸と旨味のバランスが取れたワインを「玉レタス」に合わせて!

エチケットのイラストは、イラストレーターのYunico Uchiyama(内山ユニ子)さんの個性的でキュートなデザインとなり、ワインとしてはあまり見掛けないエチケットですが、それが今時な気がして、一瞬「YOASOBI」的だと思いました!(笑)


「イチローファームの玉レタス」


豊川の「イチローファーム」は、グリーンアスパラガスを作られている「美緑の風ファーム北河」の北河芳泰さんのお兄さんで、北河一郎さんと仰り、名前から取って名付けられた「イチローファーム」。こちらで作られている有機栽培の「玉レタス」は、灰汁やえぐみが全くなく、瑞々しく、冬のレタスよりも葉が柔らかく、甘味が感じられます!上にベビーリーフのサラダを添えて、中に所々に金柑のコンポートやエシャレットのピクルス、生産量一を誇る豊橋の大葉で作ったオイルを添えたサラダレタスです!シャキシャキ感が半端なく、噛む毎にレタスの甘味を存分に感じ取れ、金柑のほろ苦さと、ほのかに香る大葉オイルが見事に融合し、デラウェアのナチュールワインとの相性も抜群!このレタスの持つ素材の強さを存分に活かしているサラダレタスにハマってしまいました!


自然の恵みが織り成す断面美!これほどに瑞々しく美味しいレタスであれば、一玉をあっという間に平らげてしまうことでしょう!愛知県と静岡県は本当に美味しい野菜を作る農家さんで溢れています!


「こことあるシリーズ 2018 ぴのろぜ/
COCO FARM & WINERY(ココ・ファーム・ワイナリー)」
このロゼワインは、もともと⾚ワインをつくるつもりのピノ・ノワールを試しにロゼワインにしたことが始まりで、一度限りのつもりで造られたワインがあまりに好評で、それ以降、洗練させながら最良の⽅法を模索されながら造られています。⼝当たりは伸びやかな芯のある酸味を軸にピンクグレープフルーツのような旨味と苦み⾹ばしさがあり、フレッシュで豊かな果実味のある味わいが心地好いワインを「初鰹」に合わせて!


殆どのサーヴを奥様の彩ちゃんが担当してくれますが、時折、鈴木シェフもキッチンから出てきて料理の説明をしてくれます!アシスタントを付けずに全てを一人で担う鈴木くんには脱帽です!


「新玉葱 初鰹」


御前崎の初鰹に薪の香りを纏わせ、ピューレにした新玉葱をソース代わりに添えて。紫ラディッシュや人参のピクルス、山菜のほろ苦さを持つツボクサと共に味わいます。自然派で山野草などの達人にお願いしている山野草なども料理に添えられているとのこと。山野草の栄養価や自然の力は底知れぬものがあります。厚めのサイコロ状にカットした初鰹は、淡く透明感のある美しい色合いで、今時期にしっくりとくるあっさりとした味わいが楽しめ、滑らかで上質な新玉ピューレの甘味が初鰹を優しく包んでくれています!


「北河さんのグリーンアスパラガス」


「豊橋百儂人」に認定されている「美緑の風ファーム北河」の北河芳泰さんのグリーンアスパラガスの登場です!太くて立派なグリーンアスパラガスですが、瑞々しさを味わうために下茹でなしで調理し提供。グリーンアスパラガスからとったお出汁をバターで乳化させたソースと木の芽、ディル、ボリジ、柚子のコンフィチュールを添えて。


北河さんのグリーンアスパラガスは香りが強く、柔らかくジューシィーな果肉が特徴で、バターソースの香ばしさにも負けず劣らずの個性が引き立ちます!


「シャルドネ 2018 ファンキー・シャトー/Chardonnay Funky Chateau」
山々に囲まれた美しい長野県青木村の農耕と水の守り神である“こまゆみ岳”山懐にてワイナリーを経営される金橋夫妻は、ワイン好きが高じてワイナリーを造ってしまったという何ともファンキーな御二人(笑)。薄濁りのナチュラルなシャルドネは、糖度が上がった葡萄を天然の力で1年以上の樽発酵。濃厚な果実味に優しい口当たりで、樽発酵の深みが楽しめます!


「全粒粉食パン」
パンは、オープン当初から使われている豊橋の「ブーランジュリーヨシオカ」の全粒粉食パン。大好きな豊橋の陶芸家「鈴木 史子(Fumiko Suzuki)」さんの作品に添えて!香ばしい全粒粉の香りが漂い、外はカリッと香ばしくトーストされ、生地はふわんふわんのもっちりしっとりとしており、噛めば噛むほどに甘味が広がり、悶絶級の美味しさ!人気のあるとても小さなパン屋さんと伺っているので、次回はこちらにも足を運んでみようと思います!


一皿一皿の料理に合わせてペアリングしてくれるワインたち。どの組み合わせも肩肘張らず力み過ぎず、自然と受け入れられるような、そんな優しさを感じるセレクトです!


「新鶴シャルドネ/シャトー・メルシャン」
福島県会津美⾥町新鶴地区の栽培農家の努⼒と独⾃の⾬よけ施設により、健全で⼗分に成熟したシャルドネを収穫し、新鶴のテロワールを反映したワインとなり、⼼地良い酸味と、トロピカルな⾹味が楽しめます!


お次の魚料理は、鈴木シェフ自らが渾身のスープを注いで完成させてくれます!


「春大根 金目鯛」


皮面を絶妙な火入れでカリッカリに仕上げた金目鯛は、ナイフを入れるとザクザクと心地良い音が楽しめ、身は凝縮された鯛の甘みを感じられます!大根の味わいが楽しめる愛らしい大根の白い花を添えて。彩ちゃんのお母様が作られている春大根を絞ったジュースと金目鯛のお出汁を使った身に沁みるスープでいただきます!皮が主役なのでは!?と思わせるほどの香ばしさで、ただただその美味しさに感動を覚えてしまいます!


鮮やかなグリーンのオイル、金目鯛の赤、大根の花の白と、見事な色合いとなる共演で、五感で幸せを感じる一皿!


「マコン ヴィラージュ 2019/ジャン・マルク ボワイヨ(Macon Villages/Jean Marc Boillot)」
「ジャン・マルク・ボワイヨ」は、1985年にジャン・マルク・ボワイヨによって設立されたポマールのドメーヌ。1984年まではヴォルネイの実家で祖父や父の下でワイン造りに励み、1989年までは自身のドメーヌを設立する傍ら、ピュリニーの名門オリヴィエ・ルフレーヴの醸造長を務めた実力派。フルーティーな果実香、肉厚で包み込まれるような味わい、ジューシィーな酸、綺麗に引き締まったフィニッシュが特徴的なワインです!


「ロッソトマト」


全国でも5名ほどしか生産者のいない味がギュギュッと凝縮された「ロッソトマト」も豊川の農家さん!隠し包丁を丁寧に入れ、炙ることで甘みを引き出す赤イカに、春の名残りのセリや菜花、芽葱のお花を添えて、「Moriウインナー」のベーコンと貝のお出汁のソースで味わいます!


「アズッカ エ アズッコ 風の丘ワイナリー ギャルソンヌ ロッサ 2017/Azucca e Azucco」
愛知県豊田市の小さなワイナリー「Azucca e Azucco(アズッカ・エ・アズッコ)」。こちらのワインは、まるで絵本の世界から飛び出してきたようなイラストのエチケットがとにかく可愛い!ボトル裏に書かれたポエムも気になります(笑)

”ぶどう成木とあたしのLove Buzz
カレにカンペキを求めて、やっていけるだろうか
もし私がカンペキを求められたら……
畑は鏡さ、ギャルソンヌ
下手っぴい切り換えたグニャグニャGUYOTの過去に
手を添えて、ナゼだか勝手に勝手に涙が出ちゃう。
カンペキなんて壊れちゃえ……”

ランブルスコを使ったワインでミディアムボディ。爽やかな後口となるため、あいち鴨の上に添えるシソ科のカキドオシに合わせて!


「あいち鴨」


私たちも大好きな豊橋の「鳥市精肉店」が誇る「あいち鴨」のお出ましです!2つの農場と独自契約し、自社生産でブランド化した県内唯一の地元産合鴨肉となる「あいち鴨」を丸々一羽、じっくりと炭火でローストして提供!ニンニクの芽と鴨のお出汁のソースで、花ズッキーニ、新じゃがメークイン、かき菜、小カブのピクルス、インゲン、スナップエンドウ、小人参、ラディッシュと、初夏と春を楽しめる野菜たちと共に!


上品でヘルシーな「あいち鴨」。炭火でローストすることで、しっかりと旨味を凝縮!


古くから薬草としても有名なシソ科のカキドオシを肉の合間合間にかじり、清涼感のある爽やかなアクセントとしていただきます!


「甘夏」


一つ目のデザートは、軽いミルクのムースの中に甘夏の果汁とヨーグルトのシャーベット、甘夏のピールのコンフィチュール、柚子のクリームを合わせた、八重咲きの薔薇の花びらを添えて!甘夏を剥いてそのままバクッと食べたかのように凝縮された旨味と清涼感を一気に感じられる一品!


「レモンバーム」


液体窒素でフローズンにしたレモンバームの香りで冷んやりとお化粧!


フレッシュハーブの爽やかなレモンバームとミントの香り、まろやかでほのかな甘みを感じるレモンバームに、「苺屋田中」の田中秀樹さんの無農薬の苺「やよいひめ」と共に。〆に相応しい、澄んだ味わいを楽しみます!


「フレッシュハーブティー」
この日のフレッシュハーブティーは、無農薬のレモンバーベナとレモンバームに田中さんの苺をセミドライにしたものをミックス。摘みとったばかりのフレッシュなハーブで、レモン香の爽やかさとまろやかな甘味が楽しめ、一杯目より二杯目がより香り豊かに味わえます!


「不知火」
小菓子として提供されるのは蒲郡の「不知火」を薄タルトで仕上げます。清見オレンジと中野3号ポンカンを交配して誕生した蜜柑の一種、不知火。こちらにネーブルオレンジの皮のコンポート、ローズマリーの香りを添えて、朝摘みたてのディナリアとコーンフラワー、バーベナの花々で彩ります。飾りも八重咲きのバラも華やかに!


「コーヒー」
豊橋の「Apollo Coffee Works(アポロコーヒーワークス)」の香り高いコーヒーでコースの余韻に浸りながら至福の時間。


暫く来れなかった間に、随分と腕を上げられて、より鈴木くんらしさを追求した繊細な料理を堪能できたように思えます。心なしか御二人の雰囲気も以前とは異なり、良い意味で自信の表れなのかもしれません。前日に髪を短くカットしたばかり、という彩ちゃん、本当に可愛いし!(笑)

彼にしか表現できない、此処でしか味わえない素材を活かした「aru」の身体喜ぶ料理たち。また直ぐにでも足を運びたくなるほどに心を奪われてしまったのは言うまでもありません。鈴木くん、彩ちゃん、また伺いますね!

2022/05/13 更新

4回目

2020/02 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

結婚記念日9周年目を記念する繊細なフレンチとワインのペアリング

愛知県豊橋市の雑居ビル2階に2017年12月27日にオープンされて以来、早くも頭角を現し、東三河エリアを代表する人気店へと成長されているフランス料理店「aru(アル)」へ!

場所はJR豊橋駅から徒歩5分圏内となり、ユーカリの木と裸電球が灯す柔らかな光の下に掲げられたシンプルな真鍮のサインが目印です!

ゆったりとしたアプローチの先には、このお店のテーマカラーとなるスモーキーブルーの木製扉が優しく出迎えてくれ、扉の先には心地良い空間が待っています!

季節を感じさせる生花は、豊橋の小さな花屋「ラクレフローリスト(Lacle Florists)」のkaori Akayaさんに定期的にアレンジとメンテナンスをお願いされており、いつもとてもセンス良く設えられた草花に癒されております!

わたし達の結婚9周年目をお祝いする記念日のこの日は、まだ肌寒さを感じる2月22日(土)のランチタイムとなりますが、入口には猫柳のもふもふっとした毛並みが顔を出し、壁には可憐で愛らしいミモザのリースが添えられ、すぐそこまで近付いている春の訪れを感じさせてくれます!

店内のデザイン設計は、豊川を中心に活躍される一級建築士の「HAAG DESIGN + Haag Cafe ハーグデザイン+ハーグカフェ」がシェフのこだわりを取り入れ手掛けられており、シンプルさの中に柔らかな空気が流れる居心地の良い空間を醸し出しています。フロアの様子が伺えるキッチンを右手に配し、ゆったりと6席~10席ほどの席数を用意!

こちらは、料理の基礎を大阪のビストロ「アヴォロンテ(’Avolonte)」の川田 祐志シェフから学び、さらに、パリの3つ星「アストランス(l'Astrance)」で修行後に独立され最短でミシュラン1つ星を獲得した人気店「Sola」の吉武 広樹 (Hiroki Yoshitake)シェフと、同じく「アストランス(l'Astrance)」出身でミシュラン1つ星となる仙台の「ナクレ(nacrée)」の緒方稔シェフの御2人から素材の活かし方を多く学ばれ、大阪の「レストランエテルニテ(Eternite)」ではサービス兼Sommelierとして経験を積まれた鈴木 琢 (Takumi Suzuki)シェフが32歳という若さで、Sommelierの奥様である鈴木 彩 (Aya Suzuki)さんと二人三脚で独立したお店で、わたし達夫婦のお気に入りのお店の一つです!

20代後半にパリでの修行時代に見つけたお気入りのレストランのような雰囲気を出したくて、古材を用いた円卓は外せないアイテムだったと話す鈴木シェフ。そんなシェフの想いを叶えたのは、愛知県設楽町の工房「木と革 aoyama」の職人である青山 和志 (Kazushi Aoyama)さんの手仕事で、敢えて古材を繋ぎ合わせ造り上げた味のある円卓には「肩肘張らずに食事を楽しんでいただきたい」というシェフの温かい想いが詰まっており、気取らずに会話を弾ませながら心から食の楽しさを知ることができるのです!

こちらではランチ、ディナー共におまかせとなり、ランチで6皿前後の3,400円と8皿前後の6,800円となり、ディナーで8皿前後の6,800円と10皿前後の9,800円とそれぞれに2つずつのコースを用意されており、シェフ自らの目で信頼を置く生産者たちの顔が見える食材を活かして、此処でしか味わえない東三河ならではの料理を提供されています!

ひょっこりと真ん丸く大きな晩白柚の後ろから顔を出し、厨房で準備に精を出すシェフの鈴木くんに御挨拶!
この日のコースでも登場する晩白柚は、熊本の露地物から、一回り小さい豊川の物、お裾分けで頂いた柑橘物までが順に並び、爽やかな清々しい香りを放っています!

卓上には「木村硝子店」や「ラディコン(RADIKON)」のワイングラスが整列し、店内のウォークインセラーには、日本ワインを中心におよそ700本ものワインが置かれ、今まで御2人で少しずつ収集してきた秘蔵っ子たちが並びます。近年注目を浴びる日本ワインや料理に合わせて提供してくれる世界中のワインを楽しむことができるのも、このお店ならでは!

今回は、8皿前後の「menu saison」6,800円にPairing wineのセットで事前予約しております!

予約席には記念日ということもあり、線香花火のように愛らしく花開くシシウドやチューリップの純白の花々で統一しお祝いしてくださいました!

先ずは、Pairing wine①Champagneの「テタンジェ ブリュット レゼルヴ(Taittinger Brut Reserve)」の 良質なChardonnayの気品溢れる優雅で繊細な味わいと共に乾杯!

[aru menu saison]
1皿目「黄人参 金胡麻」
最初の一口目は、新城の無農薬の黄色い人参のムースと豊川の金胡麻を香ばしく煎り、マイクロハーブを添えたフィンガーフードタルト!
一口でパクリと頬張ると、驚くほどに甘味を感じる黄人参の滑らかなムースに、粒一つ一つの香ばしさが堪らなく食用をそそる金胡麻!
そこに、バターの風味とメープルシロップの優しい甘味が漂うサクサク食感のパートフィロが良いアクセントになっており、この一口の見事な調和で胃袋を持っていかれます!
同時にアミューズが提供された後ろの席からも「何これ!?美味しい~♪もう1個欲しい~♪」と思わず本音が声となり漏れてしまっている愛らしい女性の声が聞こえてきたので、わたしも心の中で「同感です♪」と頷いた次第です(笑)

2皿目「晩白柚 わさび菜 モッツァレラ」×「器:児玉修治」
熊本の晩白柚には、発酵柚子のヴィネグレットとイタリアンパセリを和え、無農薬のわさび菜やリーフチコリ、イタリアンパセリの新芽、ディルの花をバランス良く盛り込み、アクセントに添えたそばの実が良い仕事をしており、最後に鼻に抜ける香ばしさと食感を楽しませてくれます!
中には、クリーミィーなモッツァレラのクリームに自家製リコッタチーズのムース、イタリアンパセリで作った鮮やかなグリーンカラーのオイルを垂らしてあるので、混ぜ合わせながらいただきましょう!
張りがありフレッシュ感満載の晩白柚は果肉も大きく程好い酸味が爽やかなテイストで、わさび菜のほろ苦さをチーズのクリーミィーさがまろやかにし、新鮮な素材と一手間も二手間もかけたプロの成せる繊細な味わいのハーモニーに感動!

Pairing wine②「月を待つ 2017 / ココ・ファーム・ワイナリー Coco Farm & Winery(Here Comes The Moon / COCO FARM&WINERY)」
華やかな香りに瑞々しい酸が広がり、豊かな果実味が魅力のケルナーで微発泡性があり、フレッシュな果実感が楽しめ、スッキリとした綺麗な味わい!

「パン」×「器:鈴木 史子 (Fumiko Suzuki)」
パンは、豊橋の「ブーランジュリーヨシオカ」のバゲットを我が家も大好きな豊橋の陶芸家「鈴木 史子 (Fumiko Suzuki)」さんの器に添えて!

3皿目「タルティーボ 発酵赤ピーマン 真蛸」×「器:盤プロジェクト 常滑焼」
三陸の真蛸を柔らかく煮込んで、仕上げに高温で焼き上げているので香ばしい香りが立ち込める一皿!
発酵ビーツのパウダー、発酵赤ピーマンのソースと鈴木シェフが昨年夏から本格的に始めている発酵食品が活躍し始めており、香ばしさと深みのある酸味の駆け合いが堪らない一品!
シャキシャキ感を楽しむタルティーボと、フェンネルをピクルスにしたクリームをお好みで添えていただきます!

Pairing wine③「コート・デュ・ローヌ セザール 2005 / アフィラント(APHILLANTHES / CAESAR)」
「セザール」とは古代ローマのカエサルが由来となり、英語読みではシーザーと、名前からして風格漂うワインです!
グルナッシュ100%の果実味豊かながらに柔らかくエレガントな味わい!

4皿目「ホワイトアスパラガス カステルフランコ 金目鯛」×「器:鈴木 史子 (Fumiko Suzuki)」
御前崎産の金目鯛は、炭火焼きで皮面香ばしく絶妙な火入れがされており、フランス産ホワイトアスパラガスのソテーは、歯切れ良い食感と甘味が楽しめ、魚から取れる出汁にレモンの葉で香り付けしたエスプーマを添えて!
薔薇のような美しい模様が特徴とされるチコリの一種カステルフランコは、新城の農家さんが遮光で作られていることから優しいピンクカラーに仕上がっており、レモン水に浸してあることから更に綺麗な春カラーに染まっています!

シェフの鈴木くんの料理は、彼の繊細さと素材に対する愛情がヒシヒシと感じらるように、全神経を研ぎ澄まし手間を惜しまず調理されているのですが、これほどに完成度の高い料理を経験することはそうありません!
「豊橋でこれが食べれるなんて…」浜松人のわたし達は本当に幸せ者です!

Pairing wine④「アラン・ジャニアール / ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ シャルドネ 2015(Alain Jeanniard / Bourgogne Hautes Côtes de Nuits Chardonnay)」
電気技師であったアラン・ジャニアール氏がオフィスを去り、自然の中で仕事をしたいと、オスピス・ド・ボーヌの畑管理栽培をやるうちにブドウ作りの魅力にとりつかれ、祖母の持っていた1.7haの僅かな畑をベースに2000年にドメーヌを再興。奥ゆかしさがあり、繊細さと綺麗なフルーティーさを持ち合わせたChardonnayは、まさに鈴木くんの料理にピッタリです!

5皿目「黒大根 あいち鴨」×「器:釋永 岳 (Gaku Shakunaga)(mars bowl)」
昨年夏にオーダーをいただいた富山の陶芸家「釋永 岳 (Gaku Shakunaga)」の器をようやくこちらにも納品することが出来、初のお目見えとなります!
こちらは、あいち鴨から作るコンソメは鴨の旨味を凝縮させた味わい深いスープで、器の雰囲気も重なり、フレンチの技法をふんだんに詰め込んでいる調理法にも関わらず、和の趣が感じられる優しく力のある一品!
薄紫色が鮮やかなエンドウ豆の花、ディルの花やナスタチウム、ペッパークレスに葱の新芽、芽キャベツやさやえんどう、下に忍ばせた黒大根はバターの香りを纏わせて1時間ほど蒸し焼きさせたもので、大根の力強い味わいが楽しめます!

Pairing wine(日本酒)⑤「醸し人九平次 うすにごり 黒田庄産 山田錦 生酒」
愛知の銘酒「萬乗醸造」の「醸し人九平次」の冬季限定の生酒「うすにごり」は濁り酒にありがちな重たさや甘ったるさはなく、クリーンで飲みやすく、甘美という言葉が相応しい至極の一杯!

6皿目「東三河の季節野菜 本州鹿」×「器:釋永 岳 (Gaku Shakunaga)(áge φ280)」
設楽町の本州鹿のロース肉を塊肉で2時間程の時間をかけ、高温のオーブンで出し入れを繰り返しながらじっくりとローストし、最後に炭上に藁を敷き香ばしく燻し上げています!
三陸のつぼみ菜のロースト、チーマディラーパ(イタリアの菜の花)、緑のカリフラワー、1時間ほど蒸し焼きにした人参や菊芋、トマトやラディッシュのピクルスと季節野菜がたっぷりと添えられ、セリ科の根菜パースニップのピュレと合わせていただきます!
この火入れを完成させるまでにはかなりの時間を要したようですが、初めて味わう肉の食感です!
鹿なのに舌に添うような滑らかな舌触りとなり、まるで上質な鮪の赤身をいただいているかのような錯覚に陥る質感!

Pairing wine⑥「自園自醸ワイン紫波 / メルロー(MERLOT)」
岩手県盛岡市から南に位置する紫波町産のメルロー種葡萄を100%使用したワインでフレッシュな酸と果実味が広がり、優しい余韻が楽しめ、溢れる果実味と軽やかで爽やかなタンニンのバランスの取れた味わいが広がります!

わたし達が迎えた結婚9周年目は「陶器婚式」と言うそうです。
《陶器婚式に込められた願い》とは…陶器は扱い方1つで壊れたり長持ちしたりします。その繊細さを夫婦関係に当てはめ、大切にし合うことで長く幸せな家庭を築こうという願いから陶器婚式と名付けられました。
夫婦関係は陶器のように繊細で、喧嘩1つでヒビが入って壊れてしまうこともあります。そうならないよう、お互いに感謝し合って丈夫で温かい家庭を築いていきましょう!

まさににその通りだと思います!
とても固い絆で結ばれているようで、実は繊細で些細なことで壊れてしまうこともある夫婦関係。
そんな「陶器婚式」に込められた願いに乗じ、わたし達が大好きな陶芸家・釋永岳の器をバックに手を取り合い宣誓!
これからも互いを大切に想い合い、夫婦仲良く過ごせるよう過ごしていきたいと思います!

7皿目「春菊 苺」×「器:児玉 修治(磁器)」
デセールの一皿目は、飴チップの下に地元の旬となる苺の紅ほっぺとサラダ春菊で作ったアイスとヨーグルトのシャーベットが盛り込まれ、さっぱりとした大人の一皿!

8皿目「みかん」×「器:大西雄三郎」
結婚記念日を祝して「Happy Anniversary」とデコレーションしてくださったデセールは、シェフの鈴木くん自らが卓上で仕上げてくださいます!
蜜柑のフレッシュジュースを絞って生姜を合わせ、液体窒素で作り出すアイスパウダーをふんだんに振りかけて!
フレッシュ蜜柑にクレームブリュレのクリームや蜜柑のピュレを合わせ、エディブルフラワーや小粒の焼き菓子メレンゲなどを散りばめた爽やかな一皿!
折角なので記念写真を撮ってはみたのですが、ワインでほろ酔い気分となり、御満悦のわたし。そこにはまるで、晩白柚のようにパンパンに詰まった真ん丸顔がありました(笑)

小菓子「金柑」×「器:鈴木 史子 (Fumiko Suzuki)」
金柑のコンポートに自家製のリコッタチーズのムース、下にはサブレを添えて、サクッとした食感と金柑のほろ苦い甘味がコーヒーに良く合います!

食後のドリンク「コーヒー」
豊橋の「Apollo Coffee Works(アポロコーヒーワークス)」の香り高いコーヒーをいただきながら、手の空いたシェフの鈴木くんと彩さんと一緒に緩やかな午後のひとときを感じながらの歓談タイム!

彩さんから「大切な記念日にご利用いただきとっても幸せです!」と仰っていただきましたが、わたし達のほうが「最高の記念日となるフルコースに感謝感謝です!」と御礼申し上げます!

この日も満席でお忙しく動かれる御二人の姿がありましたが、そんな中でもほんわかとした柔らかい雰囲気を醸し出す御二人に癒されながら、最高に幸せなひとときを過ごすことが出来ました!

Restaurant aru(アル)
住所:愛知県豊橋市広小路2-28 吉田ビル2F
TEL:0532-54-5518
営業時間:ランチ12:00~13:00(L.O)、ディナー18:00~20:00(L.O)
定休日:日曜日、不定休

2020/02/25 更新

3回目

2019/04 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

此処でしか味わえない繊細なフレンチは個性的な日本ワインと共に

愛知県豊橋市の雑居ビル2階に2017年12月27日にオープンされて以来、早くも頭角を現し、東三河エリアを代表する人気店へと成長されるフランス料理店「aru(アル)」へ!

場所はJR豊橋駅から徒歩5分圏内となり、オリーブの木と裸電球が灯す柔らかな光の下に掲げられたシンプルな真鍮のサインが目印で、この日はミモザとアザミも出迎えてくださいました!

ゆったりとしたアプローチの先には、このお店のテーマカラーとなるスモーキーブルーの木製扉が優しく出迎えてくれます!

店内のデザイン設計は、豊川を中心に活躍される一級建築士の「HAAG DESIGN + Haag Cafe ハーグデザイン+ハーグカフェ」がシェフのこだわりを取り入れ手掛けられており、シンプルさの中に柔らかな空気が流れる居心地の良い空間を醸し出しています。フロアの様子が伺えるキッチンを右手に配し、ゆったりと14席~18席ほどの席数を用意!

こちらは、料理の基礎を大阪のビストロ「アヴォロンテ(’Avolonte)」の川田祐志シェフから学び、さらに、パリの3つ星「アストランス(l'Astrance)」で修行後に独立され最短でミシュラン1つ星を獲得した人気店「Sola」の吉武 広樹 (Hiroki Yoshitake)シェフと、同じく「アストランス(Astrance)」出身でミシュラン1つ星となる仙台の「ナクレ(nacrée)」の緒方稔シェフの御2人から素材の活かし方を多く学ばれ、大阪の「レストランエテルニテ(Eternite)」ではサービス兼Sommelierとして経験を積まれた鈴木 琢 (Takumi Suzuki)シェフが32歳という若さで、Sommelierの奥様である鈴木 彩 (Aya Suzuki)さんと二人三脚で独立したお店です!

20代後半にパリでの修行時代に見つけたお気入りのレストランのような雰囲気を出したくて、古材を用いた円卓は外せないアイテムだったと話す鈴木シェフ。そんなシェフの想いを叶えたのは、愛知県設楽町の工房「木と革 aoyama」の職人である青山 和志 (Kazushi Aoyama)さんの手仕事で、敢えて古材を繋ぎ合わせ造り上げた味のある円卓には「肩肘張らずに食事を楽しんでいただきたい」というシェフの温かい想いが詰まっており、気取らずに会話を弾ませながら心から食の楽しさを知ることができるのです!

こちらではランチ、ディナー共におまかせとなり、ランチで6皿前後の3,400円と8皿前後の6,800円となり、ディナーで8皿前後の6,800円と10皿前後の8,800円とそれぞれに2つずつのコースを用意されており、シェフ自らの目で信頼を置く生産者たちの顔が見える食材を活かして、此処でしか味わえない東三河ならではの料理を提供されています!

先日、我が家で開催している陶芸展に遥々足を運んでくれた御2人。その時に「実際に器を使ってみたいです!」と嬉しいお言葉を頂き、この日はLade Gourmet & Hotel Web Magazine企画の『器と旅するシリーズ』として、企画第一弾で登場した陶芸家の「釋永 岳 (Gaku Shakunaga)」の無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインを誇るシャープな器と、企画第二弾で参加して頂いた下尾 和彦 (Kazuhiko Shimoo)さん&下尾 さおり (Saori Shimoo)さん御夫婦のユニット作家「Shimoo Design」の「日本の美」を象徴し、合理的且つ美しさを忘れない木製器を持参し「aru」とのコラボを特別にして頂きます!

店内のウォークインセラーには、日本ワインを中心におよそ700本ものワインが置かれ、今まで御2人で少しずつ収集してきた秘蔵っ子たちが並びます。近年注目を浴びる日本ワインを料理に合わせて楽しむことができるのも、このお店ならでは!

ホールを担当されるSommelierの彩さんにコースに合わせたワインのペアリングをおまかせすると良いでしょう!

先ずは、Champagneの「テタンジェ ブリュット レゼルヴ(Taittinger Brut Reserve)」にて乾杯!(*゚д゚*)人(*゚д゚*) A votre sante!!

1皿目「トマトとローズマリーと自家製リコッタチーズのタルト」×「Shimoo Design 浮様 リム皿 280」
玄米の上に添えたフィンガーフードからスタート!
一口で頬張れば、フレッシュで糖度の高い豊川のミニトマトのジューシィーな甘味が広がり、そこに滑らかで口溶け良く優しい味わいの自家製リコッタチーズ、彩りに春菊の花、そして風味豊かなローズマリーのパウダーを纏い、薄く仕上げたタルトとのサクサクとした軽さが相まり、思わず笑みが溢れてしまう一口!

「ギー・アリオン ドメーヌ・デュ・オー・ペロン トゥーレーヌ・シュノンソー ブラン(Guy Allion Dom. du Haut Perron Touraine Chenonceaux Blanc)」
フランスのロワール渓谷の畔にあるワイナリーが造り出すソーヴィニヨン・ブランは、香り豊かなフルーツ香やハーブ香が広がり、凝縮されたミネラル感を楽しめる味わいは華やかさがあります!
春を感じるフレッシュなアスパラガスに合わせて!

2皿目「グリーンアスパラガスとスナップエンドウ」×「釋永岳 áge 新作 Φ30」、「釋永岳 大工カット Φ30」
春の新緑を感じさせる色目鮮やかなグリーン × グリーンの仕上がり!
生でも食べられる無農薬のグリーンアスパラガスは大変希少で、10秒ほど茹でるだけに留め食感を大切にし、朝採れのスナップエンドウのソースは作りたてで、泡立ち良くきめ細やくな軽いソースに仕上がっていますが、スナップエンドウの濃さと甘味をダイレクトに味わえます!
アクセントとして三州豚のベーコンと自家製リコッタチーズを添えて!
ベーコンの塩気が入ることでスナップエンドウの甘味がよりふくよかに感じられる一皿!

「仲村わいん工房 手造りわいん さちこ(SACHIKO)」
「がんこおやじの手造りわいん」で名を馳せる「仲村わいん工房」が生み出す大阪のワイン!
奥様である佐知子さんの名前を冠したワインの品種は、甲州、デラウェア、リースリングのブレンドで、口当たり爽やかで瑞々しく、穏やかで柔らかくフルーティーなトロピカルニュアンスが楽しめる一杯!

3皿目「炭焼きグリーンアスパラガスと平貝」×「Shimoo Design 浮様 丸皿 280」、「釋永岳 gen 台皿 Φ30」
炭焼きのパワーで甘味を凝縮させたグリーンアスパラガスには、美しいボリジの花やハーブを添えて!
先程のボイルしたグリーンアスパラガスとはまた違った生産者のもので、さらに極太と立派な顔立ち!
産地が異なり、調理法が変わることで同じアスパラガスでも楽しみ方が幾通りもあると教えていただけます!
炭火上で転がしながら炙られたアスパラガスは、香ばしさと瑞々しさが溢れんばかりの味わいで、粒状に添えたレモンのジュレソースの爽やかな口当たりと見事なマッチング!
オープン当初から炭火用の器具は用意していたものの、全てを独りで調理することの大変さに導入を悩まれていた鈴木シェフ。
しかし、やはり炭火の力に勝るものはありません!
目の離せない炭火を導入することで今まで以上に手は掛かるでしょうが、料理の幅は確実に広がることでしょう!
バターの香りを纏った平貝のコクのある甘味と食感が癖になり、セルバチコとディルの香りが余韻を楽しませてくれます!
シンプルな料理ほど奥が深く、そのシェフの腕を存分に堪能できます!
いつもは真っ白な器でこの料理を提供されているようですが「Shimoo Design」の木目が浮き立つ浮様シリーズとの自然が織りなす優しい風合いがとても魅力的で古材を用いたテーブルともマッチング!
また、鈴木シェフとしてはあまり馴染みのない黒い器とのことでしたが「釋永岳」の他に類を見ない漆黒に盛り付けることで、いつもの一皿が生まれ変わり、その印象の違いを大いに楽しんでいただけたようです!

「城戸ワイナリー オータムカラーズ コンコード 2017」
長野の「城戸ワイナリー」。ベリー系の優しい甘みとプラムの甘酸っぱさ楽しめ、濃厚且つフレッシュなグレープジュースのような味わいを冷やして提供!
お次のフォアグラと共に楽しみます!

4皿目「とちおとめとフォアグラ」×「釋永岳 mars himawari Φ25」×「釋永岳 リバーシブルシャーレ Φ25」
朝採れのフレッシュなとちおとめの酸味とフランス産フォアグラのとろける甘さに、甘酸っぱい苺の自家製ヴィネガーを合わせた一品は、愛らしい金魚草の彩りを添えて!フォアグラは苦手と言う方にも是非お勧めしたい一皿です!
鈴木シェフの料理は、フレンチの技法を用いてはおりますが、中年層~年配層が好む旨味のある優しい味わい、言うなれば和食のような馴染みやすさと食べやすさがあり、わたし達の食の好みにピッタリです!

「バゲット」
パンは、豊橋の「ブーランジュリーヨシオカ」のバゲットを我が家も大好きな豊橋の陶芸家「鈴木 史子 (Fumiko Suzuki)」さんの作品に添えて!

「ココ・ファーム・ワイナリー Coco Farm & Winery 甲州F.O.S」
可能な限り葡萄から香りと成分を抽出し、赤ワインをつくるように皮と共に発酵させたオレンジワインは、深みのある琥珀色と複雑味を帯びた味わいで、他にないテイストを楽しませてくれます!
白ワインでありながら白ワインには醸し出せない深みのあるオレンジワインとサクラマスを合わせて!

5皿目「サクラマス 白菜菜花 新玉葱のコンソメスープ」×「釋永岳 mars himawari Φ25」、「釋永岳 mars 平皿 Φ25」
桜の開花時期に楽しめるまさに今が旬の北海道のサクラマスは強火でサッと火入れし、湯がいた白菜菜花を合わせ、白菜菜花と聖護院菜花の大小異なる黄花を浮かべ、新玉葱が美味しいこの時期限定の澄んだコンソメスープと共に!
上質な脂があっさりと堪能できるサクラマスの美味しさはもちろんのこと、菜花の染み入るような旨味が際立ち心を奪われます!
もはや野菜もメイン食材のよう!
豊かな大地に広がる菜花畑のようで、春の風を心地良く感じる一皿!
そして「釋永岳」の火星をイメージしたmarsとの相性も良く、鈴木シェフが一番最初に「お気に入り」認定してくれた器でもあるので、今回コラボしていただけて本当に良かったです!

「ファンキーシャトー ピノノワール(Funky Château Pinot Noir)」
長野の子檀嶺岳の山懐に佇む「ファンキーシャトー」のピノ・ノワールは、ベリー系の果実味とスパイシーな野性味の妖艶な味わいが楽しめ、パワフルで癖の強さが面白いワインを肉料理の花悠豚と合わせて!

6皿目「春野菜 花悠豚のロースト」×「釋永岳 áge Φ33」、「釋永岳 gen シャーレ Φ28」
桜色に染まり、きめ細やかな千葉県産ブランドの麦豚となる花悠豚(KASHU)は高温のオーブンで3時間ほどじっくりと手間暇を掛けて出し入れを幾度も繰り返すことで、中はしっとりもっちりと仕上がり、最後に炭火で炙ることで香ばしさを増し、コクのある旨味と共に脂までもあっさりといただる一品!
一見、淡い桜色をした火入れ状態を見ると「低温調理」と錯覚しやすいのですが、この「高温ロースト」は鈴木シェフならではのこだわりの火入れ!
炭火で炙ったスイスチャードやスティックセニョール、フレッシュアスパラガス、スナップエンドウ、ラディッシュにエシャレットのピクルス、イタリアンパセリの新芽やアリッサムとディルの花を添えて!
何度もladeの記事や雑誌等で見掛けたという「釋永岳」のágeですが、実際に手にし用いることで想像以上の出会いと喜んでくださり嬉しい限りです!

7皿目「苺」×「釋永岳 mars bowl Φ10」、「釋永岳 gen bowl Φ11」
バニラアイスに冷たいミルクパウダーをたっぷりと纏わせ、とちおとめのフレッシュな苺と発酵苺、さらに発酵苺のスープ、ブランマンジェを忍ばせて楽しむ春のデザートは撫子の花を添えて!
小粒サイズのフレッシュなとちおとめが好きで、敢えてこのサイズ感のものを仕入れているとのこと。フレッシュな食感と発酵させた凝縮感のある両者の味の違いを楽しめるのも嬉しいです!

「エスプレッソコーヒー」と「サブレ」
豊橋の「Apollo Coffee Works(アポロコーヒーワークス)」の香り高いエスプレッソと小菓子のサクサクサブレを楽しみながら、手の空いた鈴木シェフと彩さんと一緒に緩やかな午後のひとときを感じながらの歓談タイム!

「地のものを大切にしたい」と願う鈴木シェフは、用いる食材や器は極力近郊の生産者を採用されているのですが、今回は特別にわたし達が応援している富山作家を用いてくださり、今までにあまり用いたことのない黒の器や木の器と実際にコラボしてみると新たな境地が切り開けたようで、とても刺激をいただきました!と嬉しそうに話してくださいました!

春の陽だまりの暖かさのようなほのぼのとした鈴木夫妻が営む「aru」は、わたし達のお気に入りのお店となります!皆様も是非足を運んでみてください!

Restaurant aru(アル)
住所:愛知県豊橋市広小路2-28 吉田ビル2F
TEL:0532-54-5518
営業時間:ランチ12:00~13:00(L.O)、ディナー18:00~20:00(L.O)
定休日:日曜日、不定休

2019/04/05 更新

2回目

2018/07 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

「aru」丁寧な手仕事が生む繊細さを楽しむフレンチとペアリングディナー

愛知県豊橋市のJR豊橋駅から徒歩5分圏内の雑居ビル2階に昨年末2017年12月27日に新規オープンされたフランス料理店「aru(アル)」へ!

雑居ビルの階段脇にあるオリーブの木と裸電球が灯す柔らかな光の下にシンプルなサインを施した真鍮の看板が目印となります!

店内のデザイン設計は、豊川を中心に活躍される一級建築士の「HAAG DESIGN + Haag Cafe(ハーグデザイン+ハーグカフェ」が シェフのこだわりを取り入れ手掛けられたとのことで、シンプルさの中に柔らかな空気が流れる居心地の良い空間!

フロアの様子が伺えるキッチンを右手に配し、ゆったりと14席~18席ほどの席数を用意されており、Sommelierとしてホール経験を経てシェフになられた鈴木 琢 (Takumi Suzuki)さんと奥様の鈴木 彩 (Aya Suzuki)さんもSommelierという最強タッグの御夫婦で営まれるレストランで、オープンしてから食通の間で話題を集め、わたし達夫婦も1度で虜になってしまったお店で、既に人気店の仲間入りを果たしております!

前回はランチ訪問でしたが、この日は友人を交えての再訪ディナー!
こちらでは、完全予約制でランチ、ディナー共におまかせのワンコースのみのスタイルとなり、今回は有難いことに運転手が居てくださるので、コースに合わせてペアリングワインをオーダー!

aruでは、ウォークインセラーに常時700本近いワインを保存されており、その内の7割り程度が日本のワインとなっており、御2人が年月を掛けて収集してきた面白いワインも登場します!

先ずは、 シャンパーニュ「エドモンドシュルラン カルトノワール」で乾杯!
ピノノワール主体となり、バランスの取れたエレガントな味わいで清々しさを感じながらスタートです!(´∀ノ`*) 夏真っ盛り!

[aru " été "]前菜3皿、魚料理、肉料理、デザート2皿、カフェ 5,800円

①「ズッキーニ サワラ バジル」
サワラは冷やし過ぎると脂の口溶けが悪くなってしまうため、塩で〆てから燻製にかけ、表面を軽く炙ってほのかに温かくして提供!
ソースは夏らしさを感じてもらうための工夫が成され、バジルに赤玉葱、千鳥酢を合わせたヴィネグレットで、プロヴァンスのオリーブと新城の新ニンニクをベースにしたさっぱりテイストのタプナードを添えてあります!
生のズッキーニは彩りと共に食感のアクセントに添えて、目でも楽しめ、丁寧な手仕事を感じさせてくれる繊細な前菜!

②「メロン トマト キュウリ」
メロンとトマトの組み合わせを楽しむ頂く一品は、鈴木シェフがフランス修行中に「Sola」の吉武 広樹 (Hiroki Yoshitake)さんの下で働いていた時に夏に作っていた思い出の料理を自己流のアレンジを加えて彩り豊かに提供!
メロンは地元のアールス(マスク)メロンをエスプーマでムース状のソースにし、様々な種類のトマトやキュウリ、レモンバジルや大葉のマイクロハーブを添えることで、スッキリと食べ進むことができます!北海道の大きな甘エビは旨味の要素としてプラスし、果実とは違う甘味を投入することで味に変化を起こし楽しませています!

こちらには、 透明感のある軽やかな瑞々しさと爽やかな味わいが楽しめる「甲斐ワイナリー株式会社」の「かざま甲州シュールリー 2016」を合わせて!

③「フォワグラ プラム メレンゲ」
スペインのフォワグラのポワレに地元のプラムのコンポート、コンフィチュールのソース、プラムのシロップ、塩メレンゲを添えて。全てを合わせて頂く事で、フォワグラの甘みやプラムの酸味、メレンゲの塩気のバランスを楽しめる一皿に!旬の短いプラムを用いることで、日本だからこその季節感を感じてもらえたらと願って作られた一品です!
夏にフォアグラは重いかしら!?という概念をいとも簡単に覆してくれる逸品!

こちらには、長野の「城戸ワイナリー」の「オータムカラーズ コンコード 2016」のベリー系の優しい甘みとプラムの甘酸っぱさ楽しめ、濃厚且つフレッシュなグレープジュースのような味わいと共に楽しみます!
 
④「イサキ フェンネル オクラ」
魚料理のイサキは、皮目から強火で一気にパリッと焼き上げ、高温のオーブンで仕上げた高温ロースト!ハマグリの旨味が凝縮された出汁をベースに、燻製バターを合わせた泡立てたソースは、地場ハーブのフェンネルをお酢やレモンと合わせた激旨ピューレをアクセントに添えて!
付け合わせは、生の赤の丸オクラとさっと湯がいた緑のオクラに、バターでグラッセしたズッキーニを添えて、敢えて魚だけではなく、夏野菜の美味しさも楽しませてくれる見事な夏の装いです!

一皿一皿の器にもこだわり、愛知県近隣の作家作品を用いられている「aru(アル)」の今回の器も思わず我が家に迎え入れたい子ばかりの品揃えです!

こちらには、フランス・ブルゴーニュの「ジャンマルクボワイヨ マコンヴィラージュ 2014」を。燻製の泡のソースや脂の乗ったイサキに合わせて、樽感と酸のバランスの良いシャルドネの白と合わせ、凝縮されたフレッシュ感がある中に、たっぷりとしたボリューム感とまろやかな味わいで余韻を楽しめます!

⑤「みさき牛 トマト トレヴィス」
肉料理は、愛知のみさき牛のイチボのロースト!
高温のオーブンで出し入れしながら約1時間半かけてじっくり焼き上げる一品!
脂も乗っている部位なので、さっと焼いたトレヴィスを苦味のアクセントに、新城の無農薬のトマトはセミドライにして塩と少量のブイヨンでのばした濃厚なトマトのソースにし、酸味のアクセントを味方に、脂をしつこく感じさせない胃もたれ知らずの仕上がりに!
生のサラダナスは口休め的な存在としていただきます!
牛の上には薄っすらと各種肉から取った出汁を添えることで、より深みのある旨味を感じさせ楽しませてくれる絶品肉料理!

同じくブルゴーニュ「ジャンマルクボワイヨ ブルゴーニュルージュ 2015」を。若々しいピノノワールの酸を合わせることで、みさき牛の脂を食べやすくなるように!

⑥「スイカ」
地元の黄太郎スイカをソルベにし、お口の中をサッパリと!
鮮やかな色合いの黄色いスイカは、一口で凝縮されたスイカの旨味と涼を感じ、一気に夏休み気分です!

⑦「新茶 ヨーグルト」
豊橋の無農薬の新茶を用いて、静岡らしい香りを楽しむ爽やかなアイスとヨーグルトのソルベを合わせた涼し気なデザート!上にはミルクのパウダー、砕いたアーモンドを添えてスッキリしながらコクのある絶品デザートとして楽しみます!

⑧「アポロコーヒーワークスコーヒー」

よく、わたし達夫婦が料理について話し合う中で出てくるキーワードがあり、常に「シェフの顔が見える料理」を求めており、より、好むのですが、まさに、鈴木シェフの料理は「彼の食材に対する慈しみの心や彼の優しさが滲み出る料理そのもの」であり、だからこそ、その想いを汲み取れる一皿一皿に感銘を受け、身も心も満たされていきます!

現在、ランチ営業は予約困難な日も多いようですが、夜は比較的狙い目となります!ゆっくりと鈴木シェフや奥様とお話を楽しまれたい方は、平日ディナーへ訪れてみてくださいね !

aru(アル)
住所:愛知県豊橋市広小路2-28 吉田ビル2F
TEL:0532-54-5518
営業時間:ランチ12:00~13:30(L.O)、ディナー18:00~20:00(L.O)
定休日:日曜日、不定休

2019/02/06 更新

1回目

2018/02 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

「aru」豊橋にオープン!繊細なフランス料理と日本ワインのマリアージュ

愛知県豊橋市のJR豊橋駅から徒歩5分圏内の雑居ビル2階に昨年末2017年12月27日に新規オープンされたフランス料理店「aru(アル)」へ、私達夫婦の結婚6周年を迎えた2月22日(にゃんこの日)の記念日のお祝いとしてお邪魔しました !


オリーブの木と裸電球が灯す柔らかな光の下にシンプルなサインを施した真鍮の看板が目印です!


ワクワクと心躍らせるような素敵なアプローチの先には、スモーキーブルーの木製扉が出迎えてくれます!


店内は、フロアの様子が伺えるキッチンを右手に配し、ゆったりと14席~18席ほどの席数を用意されており、Sommelierとしてホール経験を経てシェフになられた鈴木 琢 (Takumi Suzuki)さんと奥様の鈴木 彩 (Aya Suzuki)さんもSommelierという最強タッグの御夫婦で営まれるレストラン。


デザイン設計は、豊川を中心に活躍される一級建築士の「HAAG DESIGN + Haag Cafe(ハーグデザイン+ハーグカフェ」が シェフのこだわりを取り入れ手掛けられたとのことで、シンプルさの中に柔らかな空気が流れる居心地の良い空間に!


年明け早々にグルメな友人のFB記事で紹介されていたこちらの料理写真を拝見した際、「良い顔をした料理たち」と一瞬で心惹かれ、期待を膨らませての初訪となりましたが、その期待を遥かに上回る料理たちに出逢え、終始御満悦の時を過ごすことになります!


料理の基礎を大阪のビストロ「アヴォロンテ(’Avolonte)」の川田祐志シェフから学び、さらに、パリの3つ星「アストランス(l’Astrance)」で修行後に独立され最短でミシュラン1つ星を獲得した人気店「Sola」の吉武 広樹 (Hiroki Yoshitake)シェフと、同じく「アストランス(Astrance)」出身でミシュラン1つ星となる仙台の「ナクレ(nacrée)」の緒方稔シェフの御2人から素材の活かし方を多く学ばれ、大阪の「レストラン エテルニテ(Eternite)」ではサービス兼Sommelierとして経験を積まれた鈴木シェフが32歳という若さでSommelierの奥様である彩さんと二人三脚で独立したお店。


20代後半にパリでの修行時代に見つけたお気入りのレストランのような雰囲気を出したくて、古材を用いた円卓は外せないアイテムだったと話す鈴木シェフ。そんなシェフの想いを叶えたのは、愛知県設楽町の工房「木と革 aoyama」の職人である青山 和志 (Kazushi Aoyama)さん!敢えて、古材を繋ぎ合わせ造り上げた味のある円卓には「肩肘張らずに食事を楽しんでいただきたい」というシェフの温かい想いが詰まっています!


こちらでは、ランチ、ディナー共におまかせのワンコースのみのスタイル。

ランチは、前菜、魚料理、肉料理、デザート、カフェで2,800円、ディナーは、前菜3皿、魚料理、肉料理、デザート2皿、カフェで5,800円とかなりお得感のある価格設定で楽しめるのも嬉しい限り!


店内のウォークインセラーには日本ワインを中心におよそ700本ものワインが置かれ、今まで御2人で少しずつ収集してきた秘蔵っ子たちが並びます!


ホールを担当される奥様の彩さんにワインのペアリングをおまかせし、先ずはエチケットのイラストが可愛い新潟の「カーヴドッチワイナリー(Cave d’Occi)」のどうぶつシリーズ「2015 むささび Blanc de Noirs」にて乾杯!


契約農園産のカベルネ・ソーヴィニョンが90%と自社農園のシャルドネ10%のにごり微発泡ですが、力強いアタックと白桃のようなリッチな香りの味わい深いスパークリングワイン!日本ワインの経験が少ないため、良い勉強になりそうです!


一皿一皿の器にもこだわり、愛知県近隣の作家作品を用いられている「aru(アル)」。様々な想いが詰まったお店の店名は何故「aru(アル)」なのでしょう?その答えもとてもシンプルなものでした!鈴木さん御夫妻の最愛のお嬢さんの御名前「はる」から取り、フランス語では「H」の発音をしないため、「Haru」の「H」を取り「aru」に。御二方の宝物が店名なのです♪そんな思い入れもとても素敵♪


この日の前菜は「わさび菜、ホタルイカ、マスカルポーネ」× 多治見の陶芸家/田中直純


軽く炙り、ふっくらと柔らかく仕上げたホタルイカは、マスカルポーネの滑らかなエアリームースに合わせた一品。軽く塩を振ったシンプルなサラダタイプの出で立ちですが、高糖度のカットトマトの濃厚さとほろ苦さを楽しめるシャキシャキのわさび菜なども素材の良さを器と共に引き立てています!


パンは、豊橋の「ブーランジュリーヨシオカ」のバゲットを我が家も大好きな豊橋の陶芸家・鈴木 史子 (Fumiko Suzuki)さんの作品に添えて♪


魚料理には、山梨の「共栄堂ワイナリー(Kyoeido Winery)」の小林剛士さんが醸造する自然派ワインで、まるで暗号のような銘柄「K16 AK DD(橙)」を合わせていただきます。


アートのようなエチケットが渋過ぎて、思わずエチケット買いしてしまいそうな雰囲気ですが、味わいも申し分ありません!甲州を使用した秋限定の橙は琥珀色に輝き、森のようなハーブのような澄んだ爽やかな香りが立ち上がり、軽やかなテイストの中にはスパイス感もあるため、白身魚との相性の良さを直感でくすぐられます!


魚料理は「鰆、はまぐり、蕪」× 浜松の陶芸家/くるり窯・福井一伯

御前崎産の脂の乗り始めた肉厚な鰆は、皮面を高温でカリッと焼き上げてから、オーブンでミ・キュイに仕上げ、攻めの仕上がり!ホロホロとした身はふわっと軽やかでしっとりとした食感が楽しめ、魚のアラから取った出汁に蛤の旨味を移し、少量の生クリームで仕上げ、海の恵みを感じる優しいスープに浸していただくと溶けてなくなるほど!透けるように薄くスライスした蕪との相性も抜群で、彩りとアクセントに用いられた鮮やかなパセリオイルの風味が堪りません!


肉料理には、「ココ・ファーム・ワイナリー Coco Farm & Winery」のコラボワイン「こことあるシリーズ2014 ピノ・ノワール」を合わせて。北海道は余市の「木村農園」にて栽培されたピノ・ノワールの醸造は、受託醸造所「トアール・ワイナリー(10R Winery)」の醸造家ブルース・ガットラヴが手掛けられ、自然の味わいを活かした製法で造られたピノ。フレッシュな果実味と風土の香りが漂い、日本のピノでもこれほどに表現豊かな旨味が楽しめるとは驚きの1本です!エチケットには「桜」が描かれ日本らしさも存分に感じられます!


肉料理は「三河赤鶏、人参、タルティーボ」× 豊橋の陶芸家/鈴木 史子 (Fumiko Suzuki)


愛知県が誇るブランド鶏の三河赤鶏の胸肉を身厚で用い徹底した温度管理で、秒単位で向き合った渾身の一皿!鈴木史子さんの生成りの大皿に良く映える野菜たちは、鈴木シェフも大好きなタルティーボを主にデジマのジャガイモ、スティックセニョール、芽キャベツ、ちびっ子人参などを絶妙な火入れで提供!人参はピューレとパウダーに仕立て、菜ばなのような食用花オータムポエムも愛らしく添えられているため彩りが素敵!地元に戻られたシェフは、農家さん達が丹精込めて作られる東三河の野菜たちの美味しさに日々魅了される毎日だそうです!元々、鶏料理は大好物ですが、鶏胸肉をこんなに美味しくいただける日が来るとは思いもしませんでした!豊橋という土地柄もあり、ジビエなどの攻めた食材はなかなか手が出し辛いとのことですが、鶏や豚を用いながらも今までに味わったことのないメインディッシュの世界に誘ってくれることでしょう!


結婚歴6周年が同じということで、御2人からも嬉しいお祝いをしていただき、店内の生花やドライフラワーのアレンジメントを全て手掛けられている「Lacle Florists(ラクレ・フローリスト)」のブーケを頂戴し、一緒に記念撮影!


大好きなラナンキュラスのロゼヴェールが愛らしく春の装いです♪


デザートは「ショコラ、ジャスミン、メレンゲ」× 豊橋の陶芸家/阿部 有希 (Yuki Abe)

滑らかで濃厚なショコラは、ジャスミンの香りが馨しいソルベと合わせ、サクサクのメレンゲやほろ苦仕上げのクランブルと一緒にいただくと、タルトのような仕上がりに!


食後には、豊橋の「APOLLO COFFEE WORKS(アポロコーヒーワークス)」の香り高い「コーヒー」と香ばしさが堪らない「豊橋有機栽培のほうじ茶」をいただき、至福のひとときを過ごさせていただきました!


季節の移ろいを感じる旬の食材や地場の露地野菜を用いて、日本人ならではの繊細なフランス料理と日本ならではのワインでマリアージュし、本当の食の楽しみを提供してくださる「aru(アル)」。オープンされてまだ間もないレストランですが、大ヒットの兆し間違い無し!


温厚であったかい鈴木御夫妻の人柄にも惹かれ、わたし達のお気に入りのお店となりました!お勧め度100%!!

2018/07/03 更新

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