カケスタ★たかひろさんが投稿した柳家(岐阜/瑞浪市その他)の口コミ詳細

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カケスタ★たかひろ (40代後半・男性・静岡県) 認証済

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柳家瑞浪市その他/郷土料理、日本料理、海鮮

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.7
      • |CP 4.7
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2022/01 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.7
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

岐阜瑞浪「御料理 柳家」日本を代表する郷土料理店の一日一組限定の別館「柳家岐山」にておまかせジビエ!

岐阜県は瑞浪市の里山の四季が感じられる山奥にて、安政六年(1859年)江戸時代後期の古民家を移築した風情ある趣で佇む郷土料理の名店「御料理 柳家(YANAGIYA)」。

数多くの食通たちが「一生に一度は訪れるべき場所」としてその名を轟かせ、予約は完全予約制でほぼ紹介制となるため、一見さんお断り!?の狭き門。食通が食通の友を呼び、その連鎖で勢いは留まることを知らず現在も予約困難店となる名店中の名店です!


春は野山の芽吹きを感じるほろ苦さが堪らない山菜や野草を、夏は香り高き天然の鮎や肉厚な天然鰻などの極上川魚を、秋は松茸をはじめとする天然きのこ勢に、冬はもっぱら肉、肉、肉とジビエ好きには堪らない肉のオンパレードと、その時期だからこその里山の恵みを炭火焼きで仕上げていく「おまかせコース」1本で勝負する日本を代表する郷土料理の店。


先々代の祖母が隣の明知村で祖母が始めた小料理屋が始まりで、昭和21年(1946年)創業となる「御料理 柳家」は、三代目現当主の山田和孝(Kazutaka Yamada)氏の父である先代の山田昌明氏が「囲炉裏端で山の食材をその場で調理して食べてもらう」という今のスタイルを確立。そのスタイルを受け継ぎながら、世界中から注目を集める日本きっての名店に成熟させていった三代目。三兄弟となる山田氏は、三男の山田剛之(Masashi Yamada)氏と共に店を切り盛りし、次男の林薫(Kaoru Hayashi)氏は、2014年にオープンさせた名古屋の「御料理 柳家 錦」にて店長を務められ、三兄弟で「柳家」の名を背負っているのです!


「御料理 柳家(本館)」


「御料理 柳家岐山(別館)」


昨年2021年11月にオープンされたばかりの別館は、「柳家」の創業75周年を記念して建てられており、その設定は「一日一組限定」という勢の極み。コロナ禍の影響もあり、引き渡し日が一ヶ月ほど遅れてしまったようですが無事竣工されています!


この日の岐阜の気温は、僅か2〜3度と冷え込んだため、雨が雪に変わり、辺り一面が銀世界に陥る中、ドライバーをかってくれた友人のおかげで無事に到着することができました。まん延防止等重点措置期間中となるため、17時入店〜20時閉店となります。


戸を開ければ、見事な無垢材の伝統工芸品が鎮座しており、その威風堂々さは圧巻の一言。先代が骨董の収集家であったこともあり、本館別館ともに、その錚々たるコレクションの数々が見られます。


昨年2021年11月1日午後1時11分と「1」にこだわり柿落としを迎えオープンした「柳家岐山」。一日一組限定のこちらの別館に足を踏み入れることができるのは、懇意にしている友人のおかげです!


“ヒトサラ ベストシェフ&レストラン”とは、「シェフが選んだシェフ」をテーマに100人と100店をグルメメディア「ヒトサラ」が独自に表彰している年に一度のアワードです。昨年末に行なったシェフへのアンケートをもとに、オリジナルコンテンツ「シェフがオススメするお店」に寄せられた推薦を加味され、「もっとも精彩を放った」シェフとレストランを選出されており、こちら「柳家」の三代目:山田さんも受賞されています!


そして、専門家などによる評価ではなく、生活者による評価をもとにした独自の年間レストランアワード「The Tabelog Award 2022」。2021年に極めて高い評価を獲得した523店から、食べログユーザーによる投票で全国約81万店(2021年12月時点)の頂点として「Gold」、「Silver」、「Bronze」、「Best New Entry」、「Best Regional Restaurant」の各賞を選出しており、523店中31店の名誉となるゴールドを獲得され授与されています!


入口に設置されたワインセラー。ワインのセレクトは三男の山田剛之(Masashi Yamada)氏が一任されており、フランスやイタリアに直接買い付けに出られ、間違いのないライオンナップでお目見え致します。こちらのワインの年間仕入れ数を耳にした時は驚きを隠せませんでした!


昔ながらの伝統的な日本家屋の造りを尊重し、宮大工の技を散りばめた木造建築で、天井高のある開放感溢れる二間が続き、まだ新しい木の香りが漂いつつも、聚楽壁などの土の温もりを感じる落ち着いた趣の別館。味のある本館の年季とは異なる良さが此処にはあります。


二間それぞれに用意された掘り炬燵式の囲炉裏。その一室をゆったりと7名で貸切となるため、足を伸ばして寛ぐことができます。歓談しやすい対面式ではあるものの、大きな囲炉裏のおかげで程良い距離が保たれるのも嬉しい造りです!


本館、別館共に、提供する焼き物は、当主と三男が一本一本丁寧に焼き上げていき、何処か懐かしさを感じさせる田舎風のおもてなしを提供するのが「柳家」のスタイルで、この日は三男の山田剛之(Masashi Yamada)氏が焼きを担当してくれます。「柳家」は、世界各国の優れた美食店を1,000店紹介するフランスのレストランランガイド「La Liste 2019(ラ・リスト)」においても、世界のトップ10スコアにランキングされ、郷土料理賞もダブル受賞と輝かしい功績を残しており、そこから毎年授与され、「La Liste 2022(ラ・リスト)」では、コロナ禍ではあったものの渡仏され、剛之(Masashi)氏が満を持してその授与式に登壇された際の裏話や珍道中話も楽しく伺うことができました!


囲炉裏に用意された炭の火おこしは既に準備万端で、食材を待ち構えながら、私たちの冷えた体をも優しくじんわりと温めてくれます!炭は2種類の異なる炭を利用し、その組み立て方も独特です。円陣の中心に置いているのが備長炭で、周りには火が回りやすいアオガシを置いています。アオガシは香り付けの意味もあり、炭の良い香りを食材に閉じ込め堪能することができます!

今回はノンアルコールワインをセレクトしてもらいジビエに合わせることにしました!


先付け「蜂の子の佃煮、鰯の甘露煮、ハツと蒟蒻の赤味噌煮込み」

卓上にセットされていたアルコールおしぼりで手を拭き、不織布エプロンをかけ、最初の串が焼き上がるまでの間、先付け三点盛りを頂戴します。左から順に、岐阜や長野の山岳地帯の名物で珍味ともされている栄養豊富な蜂の子の佃煮。蜂の子は貧血改善、精力増強、がん抑制、老化防止など効果があり、様々な栄養素を多く含むとされ、昔から食す文化があります。甘辛く味付けされていて茶色いので、見た目から蜂の子だと認識し辛いですし、苦手な方でも食べやすいと思います。真ん中は骨まで食べられる鰯の甘露煮で、しっとりと炊かれた鰯はしっかりと味も滲みており、生姜が利いていてご飯のお供や酒の当てに最適です。奥はハツと蒟蒻の赤味噌煮込みで、酒好きには堪らない濃厚な味わいが楽しめます!


一串目は、鴨が葱を背負った「葱間」。


串を刺す位置と角度を微妙に調整しながら決め打ちし、焼き進めると鴨の脂が葱を通って滴り落ちる瞬間に、ジュッと美味しい音を響かせながら、良い色に仕上がっていきます!


面を返して、もう暫し。


最後の仕上げは炭火の上で炙りを入れます。脂が滴ることで火が上がり、見ているこちらもワクワクしてしまいます!


「鴨の葱間」

器に盛り、塩を一振りして提供される「鴨葱間」。鴨らしい弾力と甘味、鴨の脂を十分に纏ってとろける程に熱々とろとろの葱、ジュワッと溢れ出る肉汁と葱汁に、言うまでもなく相性抜群の組み合わせに舌鼓!


「大根サラダ」

地場の大根の皮を剥き半月切りにし、塩をかけただけのシンプルなサラダ。肉続きのジビエとなるため、箸休め的な存在。


提供される肉に合わせてお次のワインからは全て赤をオーダー!セレクトは全てワイン担当の三男・剛之(Masashi)氏にお任せしています!


話に夢中になっていると、既に次の串が焼かれており、お次は「鴨ロース」。


血の滴るような深紅色の身の締まった赤身肉。


仕上げは秘伝の漬けダレが入った壺にドボンと浸してから炙り焼き!秘伝の漬けダレはブレンドした醤油と生姜の継ぎ足しで出来ており、漬けた肉の脂や肉汁が滲み出ることで、深みのあるオリジナルの漬けダレになっています!


「鴨ロース」

炭の火入れに勝るものは無し。時期が限定される旬の食材の新鮮な肉を新鮮な内に捌き、囲炉裏で焼き、脂と血が滴る熱々の状態で頬張り、肉本来の旨味を味わうとはまさにこのことで、これぞジビエ!と思わせてくれます!


お次は、真っ白な脂に淡くピンク色のきめの細やかな肉質は豚のように見えて、実は肥大させた「猪」とのこと!(驚)


その猪の脂は本当に良く燃えます!それだけ、余分な脂を落としてくれるので、脂の塊を見ても自然と恐れる気持ちは無くなります(笑)


激しく立ち上がる炎に身を潜らせて仕上げるその見事な火入れは、パフォーマンスさながらの熟練の技でもあり、見惚れてしまいます!


「肥大させた猪ロース」

絶妙な火入れで、しっとりと柔らかく、旨味の濃い猪は、酸味のある粒マスタードをたっぷりと付けていただきます。敢えて肥大させたという猪の脂はサラッとしており、飲める脂と言っても過言ではありません!50歳間近の私が苦手とする脂を飲めると言うのですから、これはもう食材の成せる技となります。良質な脂は甘味もあり、女性の美肌にも欠かせません。さらに、低カロリーで高タンパクと言うことなしの猪です!


「柳家」では肉質がやわらかく、香りがやさしい1歳以下のメスの仔鹿を好んで使うことが多いそうです。厚さ2cm程に分厚く切ったロースをじっくりと焼いていきます!


「仔鹿のロース」

繊細で柔らかな肉質はジューシィーで、仕上げに秘伝の漬けダレに潜らせているため、そのままでも十分美味しいのですが、柚子胡椒を添えることでパンチの効いた味わいに!


家業のお手伝いもしながら、昼夜働く御両親の背中を見て育つクルミちゃん。あやとりが得意なようで、待機中に色々披露してくれて、こちらはエッフェル塔!齢5歳にして大人に物怖じすることなく会話ができる、将来有望な後継ぎの一人かもしれません(笑)


先端にハツを乗せた一羽を半身にした「仔鴨」。仔鴨はマガモの小さい鴨、鴨の子供と思われている方も少なくないと思いますが、実は全くの別品種で仔鴨は「仔鴨」という鴨の名前とのことで、「鴨界では一番美味しいと思いますよ!」と剛之(Masashi)氏。


ここまで、肉、肉、肉と肉続きのオンパレードでしたが、まだ自分の脳と胃が肉を欲する力が残っているから驚きです!


「仔鴨の半身」

秘伝の漬けダレを身に纏い、艶やかに仕上がった「仔鴨の半身」!豪快に足を拝借し、かぶり付きます!こちらには、香り爽やかな本山葵を添えていただきます。冬は優しい伊豆の本山葵を、夏は刺激的な安曇野の本山葵を使用されています!


お次は「鴨鍋」。たっぷりの野菜の出汁と鴨の旨味が詰まった「鴨鍋」の取り分けもスタッフさんがしてくださいます!


「鴨鍋」

里芋、大根、インカのめざめ、蕪、豆腐、しめじ、なめこ茸、玉蒟蒻、葱、牛蒡、芹とたっぷりの野菜に鴨肉を加えた具沢山の鴨鍋!大きな囲炉裏の下、皆で一つの鍋を囲めるなんて、本当に田舎の実家に帰ってきたかのような、ほっこりと温かな気持ちにさせてくれます!


お野菜たっぷりで食べ応えがあり、素材それぞれの旨味はもちろんのこと、濃厚な鴨の脂の甘味と旨味がほとばしる絶品鴨鍋!辛味を楽しむ一味と香りを楽しむ七味はお好みで!


〆には「自然薯」が登場!ここでも長女のクルミちゃんがお手伝いしてくれていて、お櫃からご飯をよそってくれました!


「自然薯のとろろ飯」

古来より滋養強壮食として珍重され山菜の王者「自然薯」。静岡県で自然薯といえば、私の実家でもそうでしたが、鯖の味噌汁で伸ばすのが一般的のように思いますが、こちらでは、香り高い鰹出汁で伸ばすサラサラとしたあっさり目の自然薯となり、麦飯にたっぷりとかけても軽く飲めてしまう美味しさ!思わず2杯目のおかわりもペロリと頂いてしまいます!


デザートは何故か「三ヶ日みかん」で御座いました!


温かな囲炉裏を囲み、美食や旅話が尽きない仲間との究極のジビエの集い。お誘いいただき本当に有難う御座いました!その時期毎に異なる楽しみ方がある「柳家」に、また是非次回もお声がけ頂ければと思います!

2022/02/14 更新

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