レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2015/04訪問 2015/05/12
※5/19で閉店するのこと。ロードサイドにある、いわゆる町の中華屋さんなので、慌てず騒がず、これまで通りの営業で終わられるよう、お心遣いのほど個人的に願うばかりです※
池袋方面から川越街道を上板橋駅近くまで進むと見えてくる一軒。
深夜営業で夜な夜な鈍いライトに浮かび上がる姿を目撃しては気になっていた。店名にラーメンとあるが、完全なる町中華であると踏んでいた。
店内は大きなL字カウンターのみで、遮るものがなく広い厨房が丸見え。実に気持ちのいい景色。
カウンター上部に手書きのメニューが貼られ、案の定炒め物や定食の類がズラリと揃う。チューハイ等アルコールもそこそこあって、深夜食堂的光景が展開する。
チャーハン大盛¥650
お玉をひっくり返した時の半円が綺麗に残るドーム型ながら、レンゲを入れるとハラっとほろける。炊きたてを炒めた正統しっとり炒飯ながら、一粒一粒が薄い油でコートされ、ダマになるところが一つもない。しかし飽くまでしっとり仕上げ。
具はそんなに多くも大きくもない。味付けはかなり薄め。
付け合せのスープがワカメたっぷりで味付けはこれも薄めながらダシ感もあってついラーメンも期待出来そう。
大盛りは器の凹んだ底までタップリの量だが、この出来栄え、何なりと完食出来た。
ここからは閉店の報を聞きつけ再訪した時の話。
焼肉丼¥750
普通盛りでご飯はそんな多くはないが、具は豚の焼肉以外に野菜が豊富。
炒めはそんな強くなく、タレの味付けもやはりかなり薄味。その分、肉や野菜自体の味わいが立っていて、特に肉の甘味がよく感じられる、全体に優しい味。
最後の方で生卵を潰してグチャグチャに混ぜて食べると、味が非常にマイルドになる。優しい味がマイルドになっても余り変化ないと思いきや、マイルドさが強化されて、独特の旨みがグワッと前に出てくる。あぁ、知ってたら前半戦から混ぜるんだった!
キムチチャーハン大盛¥750
キムチの白菜が見えつつも、チャーハン本体を邪魔するほどでない量がなんともイイ。作るとき、予め準備されてたキムチをタッパーのような容器から出していたが、こちらのお手製と見えて、見た目も赤すぎないのは個人的には期待値が上がるところ。
食べてみるとこれがもう絶妙な味わいとシットリ加減。キムチの水気が加わることで、まるで計算されつくされたかのような適度なシットリ感が生まれる。さらに食感的にも具のアクセントが加わることで、食べごたえが生まれる。どうしてもこの手のメニューは具があればあるほど本来の炒飯との馴染みが悪く、食感的にも味的にも食べれば食べるほど2つの要素が乖離してくるのだが、これは分量もバッチシで全然分離してる感じがない。
また辛すぎないのも最後までこのマッチングの妙を堪能させてくれる。
以上で今のところ食べたもの全て。
中華屋では個人的に敬遠しがちなラーメンも好きな御仁が多く、ニンニクが効いているというスタミナやカレーラーメンも相当なもののようだ。
あと何を食べるか、そして最後の晩餐は何にするか、嬉しい悩みはつきない。
職人肌のマジメそうなオヤジさんだが、現状そんなに混んでない時でもオーダーが立て込むと大変そうで、皆、その辺は分かってて会計のタイミングを見計らったりしているが、行かれる方はその辺の配慮をヨロシクです。
3位
2回
2023/01訪問 2023/02/01
初訪以来、何度か伺っていたものの、数年ご無沙汰してしまっていたら、先日ちょっとした嬉しい変化があった。
駅西口から徒歩10分ほど。
相変わらずの佇まいでそこに存在している。これほど嬉しいことはない。
まずは5年ほどの話から。
塩ラーメン500円(現在価格)
こちらも鰹の風味はブワッとくるのだが、醤油ほどではなかった。スッキリとまとまっていて、さすがというべき美味しさなのだが、鰹のインパクトが強い分、やっぱ醤油が好み。
色味的にチャーシューの存在感が大きいが、やっぱりこちらの角煮的トロトロチャーシューは旨いなぁと実感させられた。
半チャーハン450円(現在価格)
肉ポジションの具材は、ベーコン?いやハムだろうか。コーンが多く、炒められて焦げた部分が実に香ばしく、コーンの甘味を引き立てている。
この甘味とチャーハンのしっとり具合が抜群に合う! しっとりチャーハンとしてかなり好み!!
それから月日が流れ、価格も改定。
チャーハン(フルサイズ)600円
それとルービー小瓶350円を頂きます。よく冷えたスーパードライで、口を濡らすには最適やね。
さてさてチャーハン。相変わらずのコーンの量はウハウハなのだが、その甘みとは別種の甘さを感じる。よく見ると、カニカマ的なものが入ってるではないか!?
見た目も味も、たぶんカニカマだと思うが(違ってたらスミマセン)、チャーハンにしっとり感が増し、さらにコーンとの異なるW甘み&旨みを演出している。
あっつー間に平らげてしまったので、こりゃメーラン1杯イケるっしょ。
ネギチャーシューメン800円
おおっ、あの角煮的チャーシューがキレイに弧を描いて並んでるじゃないっすか!そこに辛味のついた白髪ネギがドカッと。
これは見た目ラーショっぽいが、食べてみるとクマノテのような甘めの調味料の味は皆無。適度な辛みがグイグイ食わせるタイプ。
醤油スープはやっぱりウマイっすねー。
自家製麺は中盛100円、大盛200円増しで頼めるので、チャーハンフルサイズでも、健康優良男性ならラーメン中盛イケると思う。デフォのラーメンが安いので、量を増やしてご馳走にしてもいいと思う。それくらいの価値はあると思うんだよなぁ〜。
ちなみに帰り際、店主に思い切って、いわゆるラーメンショップとの関係を聞いてみたが、全くないとのこと。
みずほ台駅西口からまっすぐ伸びる道路沿いにラーメン店が数軒あって、どこも埼玉の郊外らしいラーメンショップ的な佇まいで前々からずっと惹かれていたのだが、気づけばドコも入らぬまま、ココだけになってしまった。
外から丸見えな店内は、失礼な話、いつみても客がおらず、心配になっていた。
店内はそうとう席数のある大きなL字カウンターのみで、ラックに週刊誌とかが置いてある。
壁にあるメニューはラーショらしくネギラーメンと味噌とか味の他に、ゆずとかハングルなんてあるのも珍しいか。あとカレーやチャーハンも気になる。
醤油ラーメン(油多め麺硬め)¥450
450円!? ここまで安いと心配になる値段だが、目の前に出てきたラーメンを見て、心配が更に募ってしまった。間食とあって一番小さいラーメンだけにしたので一見少なそうに見えるが、ちゃんとチャーシューも厚めのが入ってて、安っちぃ要素がみじんもない。
てっきり豚骨醤油かと思っていたが、背脂は愚か、油多めにしても透明なラードもそんなに層をなしてない。確かに壁には鰹ダシのラーメンと書かれていたが、まずは一口、スープをズズッと頂くとその瞬間、鰹の香りが口中に一気に広がってビックリした。いわゆるラーショのラーメンとは全くの別物だったのだ。
鰹が出ているというと、イマドキな凝った和風のラーメンを想像されるだろうが、このラーメンは実にシンプルで、凝った感じが前に出ていない。兎に角シンプルに、純粋にウマイという感情がダイレクトで沸き上がってくる。
麺はラーショらしい、中細で少し縮れた柔らかい麺で、郊外のラーメン屋でよく出てくる、個人的に残念なタイプながら、このスープに馴染むのが不思議なのだが、驚くべきはチャーシュー。脂身が断層のように入っているが、これがもう超柔らかい!! 臭みなんてなく、アブラーにはタマラナイとろぷる感がある。
なんじゃこりゃー!!と興奮気味にそれぞれのパーツを味わっていたらあっという間に完食。
あまりの想定外、あまりに上を行く味・出来栄えに打ち震えつつ、感動を抑えてマスターに「メチャメチャウマカッタッス」とだけなんとか声に出して店を後にした。
先客が一人いたのだか、この人も相当気に入ったようで、帰りしなマスターに閉店時間を聞いていた。確かに、チャーハンとか塩とか他のメニューが気になりすぎる味に違いない。
この味が少しでも長く味わえるように、行ける時はなるべく行くようにしたい。この店がこのままで終わるとしたら勿体なさすぎる!
4位
1回
2015/03訪問 2015/08/26
サラリーマンの多い駅近ガード下というのは、さっと出てさっと食べれる立ちそばが付き物。有楽町と来ればそうしたロケーションの代名詞的場所だから、イカす立ちそば屋が無いはずがない。
で、レンガガードの角っこにある劇狭立ちそばが新角。
そばもさることながらラーメンも人気で、立ちそばでラーメンということは、フツーラーメン屋では出来ないトッピングが可能、ということで早速トライ!
入口の券売機でラーメンに種モノ数種を連打して店内に入ると、左手に立ち食いカウンターが伸び、そこに客が立ち食ってると後は大人一人やっと通れる程の幅しかない。
奥に進むと丼を上げ下げする受け渡し台があって、奥では店のオッチャンが数名、凄い勢いでそばを茹でたり天ぷらを持ったりしている。冷水機で水を汲んで、脇のこれまた劇狭のカウンターで待っているとスグ、テンコロラーメンの方〜というアナウンスが。
コロッケラーメン¥530+かき揚げ乗せ¥120
おおっ、透明なラーメンスープを、浮かぶことのないかき揚げの天ぷらとコロッケが覆っとる! 望んでしたことだが、改めてスゲー景色。
ピリッと濃いめに効いたタレの適度な塩っぱさが、淡くもシッカリと感じられる出汁と相まって、なんだかわからないけど、激烈な吸引力。素材がどうとか超越して、直感的なウマさしか感じない。
麺は中細ピロピロ麺。このスープに思いっきり馴染んだところを、天ぷらやコロッケの衣と一緒に食べると得も言えぬトリップ感が味わえる。でも食べ進んでも思いの外ヘバらない麺で吃驚。
天ぷらも、衣がスープ吸うのを前提に出来てるんじゃないかってくらいカチカチなのが似合う。ワカメが多いのも立ちそばっぽくてイイ。
スープを筆頭に立ちそば屋にあるもの何でも入れちゃえ的な、ロケーションを含めたトータルでカオスが織りなす正体不明の味わいに、満足以外の言葉が見つからないのだった。
いや〜、これはハマった!
5位
1回
2015/01訪問 2015/02/19
練馬駅を背に南口の繁華街を望むと、目の前にデーンとそびえ立っているビルの2F、この練馬の山脈、アンデスに登ってみた。
ビル1Fの麓に来ると看板があり、食事はランチ以外でも9時半までサービスタイムが設けられているという。これはありがたい。カラーで写真も添えられており、カレーやナポリタンがなんともソソる。
はやる気持ちを抑えて階段を登ると入口に到着。ネオンのCAFEの文字が70〜80年代的なテイストを感じさせる。
木の扉を開けるとイキナリテーブル席が横に伸びている。その奥が厨房とレジ。更に奥にスペースが有るようなので行ってみると、通路の左右いっぱいとまた更にその奥に、4人卓を幾つもくっつけた空間が広がっていた。
壁一面が本で埋め尽くされており、ほぼ満席状態。今日びこの手の駅前喫茶でこんなに賑わっているのが奇跡のようだ。
ただ如何せん店内は煙草の煙が凄まじい。禁煙席は入口脇の数卓のみ。あすこじゃこの店の空間が味わえないので通路奥のドンづまりの席へ。まぁこういう店で煙害は覚悟の上。
店内はとにかく混んでいるから、店員も大忙し。なかなか注文できない。
とりあえず珈琲が飲みたいのだが、セットで頼んだので食後に来るっぽいことに暫くして気づいた。あちゃー、ここでもやっちまったか。でもまぁ先にとお願いしなかった自分のせい。つくづく学習能力がない。途中からお願いしようにも店員さん捕まえるのも一苦労。
何とかお願いして先にホットコーヒーにありつき、ホッと一息つく。作りおきかもしれないが、意外とネットリと濃度があって、付け合せには全然悪くない。
そこからまったり待つことしばし。
ハンバーグライス¥800
おおっ、結構デカいハンバーグ!! 早速ハンバーグをパックリ割らせて頂くと、またまた驚かされることに。
見た目以上に厚みがあって、粗挽きで所々あるタマネギもザックリとしてもう理想的なバランス! じんわり肉汁も滲み出て、洋食ハンバーグの範囲の中で肉の存在がハッキリ感じられるくらいに粗挽きで満足度高くまとまってるハンバーグは町洋食でも滅多にない。ドツボ。モロ好み。
しかもソースも外してないところがスバラシイ。甘ったるいデミグラスだったり、ただケチャップとウスターソースまぜただけのシロモノが掛けられたら、折角のハンバーグも台無しになるところだが、タップリめの大根おろしに醤油かな、でさっぱりまとめ、全然肉を邪魔していない。
添えられたキャベツも見た目シナシナで残念っぽく映るが、実際はそんなことなく、マカロニもあっさりめでイイ感じ。ご飯はシットリ銀シャリとは流石にいかないが、カピカピにならず硬めでも適度な水気を残していて、ハンバーグを当てて食べるには十分。
思わず無心で食べ切ってしまった。最後に残った珈琲を飲み干し、蝶ネクタイな似合いそうな(してたか忘れた)マスターに礼を言って下山。
店としての空間もさることながら、味も奇跡的とは。しかし特別な存在ではなく、このままでずっとここにあってほしいと心底思う喫茶空間だった。
6位
2回
2017/06訪問 2017/07/16
じょっぱりラーメンの追加レポをば。
塩ラーメン¥700
じょっぱりは全般にスープの比重が高いのだが、醤油だとタレの濃さ+液体油に背脂が大量に混ざってる感じになり、スープもあるが、脂と油と醤油の混ざり合ったドカンとくるパンチを味わう仕様になっている。
それの方が土佐っ子ぽいっといえば土佐っ子ぽいのだが、塩だと背脂が少なめな分、液体油も殆どなく、スープがしっかり味わえるので、各パーツがハッキリと感じられる。まろやかでしっかり豚骨だろう動物系メインの適度に乳化したマイルドスープがじんわりと口中に広がる。それでいて背脂もそれなりにあるので、背脂も堪能できる。
太めのぽっくりとした断面の丸っこい麺が、スープに馴染んで美味しく味わえる。
あっさりラーメン正油¥600
チャーシューが多いのはとある事情でサービスしていただいたので通常より多め。
背脂はかかっているけどしつこさは皆無。ベースのスープが全然違くて、鶏ダシなのかわからないけど、豚骨の炊きだしたダシの旨みとかコクの類はほとんど感じられない。麺も細く、完全に飲みの〆仕様。
しかし、これ一杯としての旨みはあるので、これはこれで美味しく頂けた。
つけ麺正油¥800
つけ汁は先の塩同様スープの比重が高いタイプで、背脂は控えめ。
麺は加水率の高いモチモチとしたもので、完全にラーメンのとは別使用。聞くとやはりつけ麺用の特注品。
つかこのつけ汁、あまりにスルスル飲めちゃうので、麺だけ食べつつ、つけ汁単体でグイグイ飲んでしまう。飲んでて気になったのだが、飲みやすいのはスープの比重だけでなく、なんか口の中がサッパリする要素があるからじゃないか。最初は酢がちょっと入れてあるのかと思ったが、ご主人に聞いてみると、生姜だという。言われれば正しく生姜。つけ麺で醤油ダレと背脂にこう合わせてくるのって意外とないかも。
スープ割をしてもらい、飲みやすくなった(醤油ダレだけど塩ラーメン的なバランスになった)ところを飲み干して完食。
土佐っ子からの変化球アレンジメニューもウマシ!
※2014.01月 背脂が凶暴化、そして店内がカオスになってました(^^)
伝説の環七背脂土佐っ子出身で練馬ラーメン等を経て東武東上線下赤塚駅前に根を下ろした店。09年に初訪問し、その脂&油量にグロッキー状態となったこともあって、気づくと再訪まで5年以上間が空いてしまった。
外観は以前と変わらぬ印象で、居酒屋の居抜きの駅前ラーメン屋という佇まいだが、店内はまさに場末の酒場状態。前回は開店間もないくらいの時間に来たので気づかなかっただけかもしれないが、今回は0時を回った辺り。近所の居酒屋をハシゴした後、〆のラーメンなのか、完全なるヨッパライの宴が始まっていた。
案の定というか、入店した自分はイジられ役。ラーメンのみ利用の常連客は慣れたもんで、カウンターで完全にヨッパーを無視してラーメンをササッと食って帰っている。自分はこういうの平気だが、嫌ならこの常連のように無視しても大丈夫だし、店主のオヤジさんが窘めてもくれるので、安心してOK。
ともあれ、ラーメン¥600
う~ん、あれから5年以上経って消費税もUPしてるのにお値段据え置きはスゴイなぁ。
そうそう、前回の反省を活かして脂多めにしなかった。それでも背脂の多さもさることながら、透明油の量も半端ない。表面をレンゲで掬うだけで、背脂が透明油に浸ってる。脂&油の甘みがもうタマランですよ。
そして丼の底のタレを徐々に混ぜ、混ざり具合ごとに味を確かめながら、時折麺を絡ませて食べる。段々濃くて甘辛いタレとイイ感じにスープ・脂が絡まり、土佐っ子ラーメンとしてのまとまりと食べ応えが増している。いや、増し過ぎて最後の方はやっぱりヘビーというか、トゥーマッチになってシンドくなる。でも脂多めにしなかったのが幸いして、ギリ美味しく食べられるところで完食。
麺は土佐っ子のつるや製麺で、断面の丸っこい中太ストレート麺という定番ながら、一秀の韃靼麺に慣れているからか、食感的に物足りなさを覚えてしまう。チャーシューはトロトロだし、シワシワこりこりメンマとネギはスープと脂にはベストマッチ。
土佐っ子の本来のバランスはこのじょっぱーが一番近いらしいが、もうちょっとスープ少なめでニンニク効いてたりしてる方が好みに感じられてる。麺同様、これはまぁ自分の責任。でも、それを差っ引いても、これだけの背脂ラーメンが600円とは驚愕としか言いようが無い。
オヤジさんに礼を言い、ヨッパーに見送られ店を後にした。
通ってるわけではないので、今でも早い時間は落ち着いてるか分からないが、カオスを体感したい方は夜の更けた時間帯の方が深化しているかと。
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■前回訪問2009年1月:
※土佐っ子を前提に話をしてます。長くなるので説明しませんが詳しくは検索かけてみてください※
環七土佐っ子にいた方のお店。かつて練馬駅北口で練馬ラーメンという名で営業していたが、装いも新たにじょっぱりらーめんとして下赤塚駅そばに現れた。
見た目は単なる駅前の定食やつまみもありそうなラーメン屋。土佐っ子とも背脂ともかいてないので、知らなきゃまず入らなかったろう。しかし掲載雑誌のコピーらしきものが貼られ、それを読めば土佐っ子系列だとわかるのだが。
漫画や雑誌が充実しているし、店内はまずもって駅前ラーメン屋として出来上がっている。うっかり券売機に気づかなかったほど。土佐っ子のラーメンと思しき、ラーメンの正油をチョイス。デフォで脂が少ないと聞いていたので、脂多めにしてもらう。
で、これがラーメン正油麺硬め脂多め¥600(確か)!
おおっ、これは特製並みに脂多いゾ!脂2度かけじゃないか。これで600円はこの系統では最安値かな。チト記憶が曖昧なので、仮に650円だったとしても安い。デフォがどれくらいか知らないが、意表をつく脂の量にチト焦る。
奥からタレを引き出してみると、おおっ、いい感じの濃ゆ~いタレがでてきた。
食べてみると、おおっ、背脂の甘みとタレの辛みがまさに土佐っ子! ここまで往時の土佐っ子は脂多くなかった気がするが、記憶が美化されるのか、平太周~一秀の特製路線に引っ張られているのか、ある程度脂多くないと土佐っ子を感じなくなっているような気がする。
麺は確かつるやの麺箱を見かけた気がする。硬め指定とあって、ボキボキ気味で背脂との愛称は抜群。チャーシューも柔らかくて良くできている。
う~、ここまで脂が多いと疲れていたのでチト体調的にしんどかったが、体調よければもっとおいしく食べられた気がする。
なんにしても、このレベルの土佐っ子を血を引く店がまたひとつ発見できたというのは兎に角大きい。ただ、やっぱ、スープが多い気がする。かつて平太周で特製を始めたとき、土佐っ子を完全再現といったニュアンスの宣伝文句だったし、平山さんの口から、このバランスがベスト的な発言を聞いている。となると、やっぱり往時の土佐っ子はかなりスープ少なめだったんじゃないかと。こりゃ今一度、一秀にいかねばなるまい。
っつーわけで、いやはや、スゲー!うまっ!ごちそうさまでした~
7位
1回
2015/02訪問 2016/01/21
長年憧れていたコチラへやっと来れた15年2月の話。
ビルに入る数々の飲食店の誘惑を振りきり、地下からエスカレーターを上り1Fへ上がると、あった、あった、ありました、一際、昭和からの喫茶店風の佇まいの風情を漂わせているポンヌフ!
入店すると、昼過ぎながら満席。しかし、店先で一旦待たされるものの、あっという間に席が空き入店。
事前にオーダーを聞かれていたのだが、着席して間もなく品が置かれたのには驚いた。この辺はさすが新橋。
ハンバーグスパゲティ¥850
おおっ、これだよ、これ! 銀のペッカペカの皿にてんこ盛りのナポリタンと俵型ハンバーグという、ド直球そのまんまの飾り気も洒落っ気もなんもない感じ。こういうのを待ち望んでるのよ、昭和に小学生時代を送った我々アホどもは。
まずナポリタンをズズっといくと、アウチッ、ソースかなりビチャビチャで、気をつけて食べないとリーマンなら白いワイシャツがスプラッター状態になっちまう勢い。でもこれが逆にケチャップ感を強くしてて、さらに麺が太くてシッカリ茹だってて給食のソフト麺チックで、スパゲッチーと呼びたくなる食感&味わいになっている。
ハンバーグはかなり身厚で、食べ応えがある。中の餡はこれまたネッチョリしてるが、きめ細かいというわけではなく割りと目は粗くて、肉のミンチの塊を食ってる感は結構ある。ザックリ玉ねぎの食感がなんともタマラナイ。味付けが大人しいのは、上からかけられたケチャップソースとのバランスゆえか。具が玉ネギとハムってのもまたいいんだ。
もう無心にガッツイて完食。そこそこ量あるので、十分腹的にも満足出来た。
ロケーション、料理の見た目・味・量と、イメージする新橋メシの典型のようで、全てが非常にオジサンのみぞおちを突いてくる。憎いねぇ、参った!
8位
1回
2015/12訪問 2016/02/09
※2015.12月:再訪
自分的最強、長浜極細濃厚ド豚骨といえば、いっき。
2014年夏に近場にプチ移転した際に伺って以来、2軒めの飲み利用として訪問。
入口近くのテーブル席に着いてルービーで2度目の乾杯。
アルコールは生ビールのみで500円位だったかな。普段アルコールは酎ハイ派だが、ない時は飲む。キリン一番搾り、やったね!
グラスも曇るほどキンキンに冷えていて、くぅ~っと喉が締まる思いがする。
アテは、つまみねぎチャーシュー¥500
ラーメンにデフォで入ってる青ネギと別盛りで以前よく注文してた白ネギがたっぷりで、これは嬉しい。ラーメンのタレだろうか、適度に多めにかかってて、辛味と甘味のバランスがタマラナイ!
チャーシューはラーメンのと同じ、ややピンクがかったもの。改めてチャーシュー単体だけで食べると、弾力がある赤身で、しっとりと艷やかで、その実力を再認識させられた。
続いて、餃子¥400
出来合いのフニャフニャのを覚悟していたが、予想外に丸くぷっくりした餃子。見た目とおり皮厚の餃子で、しっとりと弾力がある。
中身の餡は熱々で肉汁が溢れるほどだが、野菜と肉のバランスが取れてて、安心して食べられる定番の味。野菜の甘味が生きてる。味は辛いのとか3種類あった気がするが、ラーメンも食うし最初はノーマルで正解だったかと。
〆はいつもの、らーめん粉落とし油抜き¥650
如何にも髄まで出まくってそうな濃厚豚骨フェイス。ラード抜きなので、乳化した豚骨のみのコッテリ具合と甘みが思う存分堪能できる。
極細麺もバキバキで、ズルズル啜るというよりモキモキ食べ流しこむといった食べ方になるのもいつ通り。
さらにいつも通り替玉¥120(無料券でタダ)も粉落とし。
最初はつけ麺状態で麺だけ食べて、残りを残った汁にドボン。
最後の一滴まで完食。この日もやはり底にそこそこ髄が溜まっていた。
飲んでようが前の店でも食べてようが、難なく替玉まで行けるものだ。いや、飲んでたからかな(^^)
■こちらの口コミはブログからの投稿です。
記事URL:http://blog.livedoor.jp/kekkojin/archives/52196817.html
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※2014.7月:プチ移転後初訪
地元民から近場に移転したという情報を頂いて、急行した。
今の場所はスーパー西友前の道を300mほど南下したところ。くるまやラーメンとコモディイイダの中間くらい…なんて地元民しかわからない目印を聞いていたが、キョロキョロしながら進むと、闇夜にポツンと明かりの灯るところに、ラーメンの幟旗を発見した。
あ、ラーメンショップもっちゃんの並びだ!
店内はレイアウトが変わっていて、多くがテーブル席で構成されており、入口対面奥にある厨房のところにカウンターが数席設えてある。入ってスグ厨房と向き合う感じで、以前より広く明るく見通しよく思える。厨房自体は広くなってるのかな。
とはいえ一人客は無条件にカウンターに促されるのだが、これまで店員は2人体制だったのが、一人増えてる。ただでさえ無口で無骨な感じの店員なのに、それが一人増えて威圧感も1.5倍になっとる。まぁ別に接客が雑だったり嫌なこと言われたりされたりするわけじゃないので全然問題ないのだが、今日びこういうラーメン屋も少なくなったので、慣れてない若人なんかビビっちゃうかもね。
ラーメン粉落とし油抜き¥650
おおっ、これまで以上に茶濁が深化してるじゃないッスか!!
たまたまかもしれないが、厨房変わって味がどうなるか心配している身には、これは嬉しい。
にしても50円値上げにも関わらずスープが少なくなった気がする。このころ豚の仕入れが高騰しており、大量の豚骨のみで長時間炊き出すこの手のスープなんていったらモロ直撃どころの話ではないだろう。それがこの程度の値上げでこのスープ量でクオリティを維持しているのだから、いや逆にスゴイ。
麺も相変わらずのクオリティ。たまらず替え玉を粉落としで。
いつものように麺だけ食って、残りをドボン。
さすがに替え玉2玉以上するとスープ量がキツイかと思うが、変わらないモキモキの麺と濃厚スープを最後の一滴まで堪能できた。
店入って右側、客席中央に設けられたレジで会計すると、やはりこれまでの替え玉券も使え、同様にまた新たに替え玉券をもらえるのだった。
本当にこれだけ食べてこのスープで650円で済むというのは申し訳なくなる程なのだが、場所が変わってもこれまで同様のクオリティを維持してくれていることに兎に角感謝したい。
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※2011.8月:震災後の営業状況
同年3月、震災直後でも頑張って営業されており、その後暫くしてどうなったか気になった時の話。
クソ暑い中だったが、もう絶品だったので、簡単にご報告。
いい意味で、なんにも変わってない。これは逆に凄いことで、前店主の離脱(八柱でもりやとして再スタート)という伝説的豚骨職人のいない中で、これだけの超濃厚豚骨スープを維持し続けているなんて。スープを見れる人間が育っていたことを素直に喜びたい。
深夜に訪問して、店に近づくこと数十m手前からカッチリ豚臭が香ってくる時点で、おっ、これはアタリかもと思ったのだが。
ラーメン粉落とし¥600
相変わらずの灰汁(≠アク。灰色の汁=はいじる)っぷりで、写真を撮ってもこれまでと代わり映えがないのが申し訳ないが…これまでにないほど灰濁してないか!?
飲んでみるとこれがスゲー!!!! もう言葉がない。これぞ純粋豚骨。これ以外のなんて表現していいかわからない。
替え玉¥100も粉落としで。まずはつけ麺状態で。
嗚呼、麺だけ1玉食いたいくらい。でも箸で麺を解せないので、脳ミソの孤島状態でドボン!
粉落としは替え玉に限るねぇ。昔の金太郎よりイイんじゃないかな。
前店主がいた頃を完全に凌駕して、ハイレベルなところでキープできているのではないだろうか。
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※2009.11月:店名変更後初訪問
店主が変わって、店名も「もりや」から「いっき」に変わっていた。
会計時に聞いたところ、10月の19-20日っていったかな、改装を機に店名変更したそう。改装といっても見た感じ殆ど変わってなかったから、看板とか名刺とかのことだと思う。ちなみに、替え玉券は「もりや」の名が印刷されたものでもOKだった。
で、とりあえず、らーめん粉落とし¥600に替え玉粉落としで食べてきたが、これがこれまでにないデキ! よく炊けた長浜豚骨ってスープが灰色いじゃないッスか。これは以前になかった程の灰色加減。コクはバッチシ! スープの味がみれる人がいなくなると極端に薄くなる傾向が豚骨ラーメンは富に強く懸念していたが、更に濃くなるとは!?
麺は気持ち太くなった気がするが味は同じく、麺屋自体は一緒だと思われ。
たまたまなのかどーなのか、今度の成り行きを見守っていく必要があるが、私的感覚で言わせていただければ、今回のは相当いいデキの長浜ラーメンだった。
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※2009.9月プチ移転前:店名変更後初訪問店名変更直前の比較
http://blog.livedoor.jp/kekkojin/archives/51659439.html
9位
1回
2015/06訪問 2015/07/13
前回タンタンがモロHITだったので、八王子ラーメンもうちょっと深いところを掘り下げたくなった。また八王子に来る用事があり、コチラへ。
場所はJR八王子駅から離れること徒歩10分超。駅から斜めに伸びる商店街を過ぎ、完全に住宅街になったところ、店らしき建物が見当たらない辺りに急にラーメンの文字が目に飛び込んできた。
出前もやるような完全な町の中華屋。店内はL字カウンターのみ7席ほどとかなりせせこましい感じ。でも逆にアットホームな感じで落ち着く。
カウンターと厨房との仕切りが低く、客と店側の距離が近い。厨房のお母さま方の動きがよく見える。旦那さんらしき男性が途中出前から返って来た姿が見えたが、基本女性で回しているのだろうか。タンタンもそうだが、八王子は女性が元気やね。
待っている間卓上のメニューを見ると、町中華の定番が一通り揃うメニューの多さもさることながら、値段の安さがとにかく目を引く。
ラーメン¥430
来ましたよ、コレ、真っ黒いスープ。超好みっぽそう!
スープをずずっと行かせて貰う。当然ショッパくはないわけだが、醤油の味の主張はないわけではなく、香ばしいような醤油の仄かなニガみと、動物系だろうダシのコクが奥底にしっかり息づいている。主張しすぎないながらシッカリしたコクの独特の味わい。
麺は中細の、やや平べったく、若干ウェーブのかかったもので、こういう町中華ではデロデロに茹だったものも少なくないが、ここのは結構バキっと形状を残す程の心地いい硬さを残す茹で加減で、黒いスープに合うんだ。
そして何と言っても刻みタマネギとの相性が最強。この値段で余りあり過ぎる内容の一杯。
全体に量が少なめというのもあるが、それよりもう無我夢中でガッついたことで、あっという間に完食。
八王子ラーメンの浸透力と奥深さを知った気がした。
10位
1回
2015/05訪問 2015/06/02
■2015年5月
茅場町の珈琲家で食べてから、改めてファーストインパクトを再確認したいという意識が強くなり、再訪。
前回と違うのは、店内に先客が居たこと。この日は後客もやってきた。常連と思しき近所の人ばかりで、町場の喫茶店らしい日常の光景となっていた。
奥のテーブル席に着いたが、カウンター越しに厨房の銅板が見え、ご主人が自分らが注文したホットケーキを焼く様が垣間見れた。
ウインナーコーヒー¥510
昔馴染みの所謂喫茶店メニューで何気に好物。冷たいのだとコーヒーフロートも好きなんですわ。
味は、これぞまさしくザ喫茶店の味! 濃い目にしっかり抽出した珈琲で、上の生クリームとのコントラストがよくとれている。サッパリとしたクリームで甘さは殆ど感じられないのに、スッキリとまとまりつつもチャンとコクは演出されている。
玉子ローストサンドウィッチ¥550
サラダまで付いる! 玉子はスクランブルエッグではなく厚焼き玉子状態になってて、適度にしょっぱくレタスもタップリ。
ホットケーキ1枚¥330。同行者はホットケーキ2枚¥580。
思ったより真円じゃなかったが、厚みは初回のイメージ通り。表面は両面ともバキっとキレイな強めの焼き目。ムラがなく本当にキレイ。茅場町より一回り小さいくらいで十分大きい。
割ってシロップを掛けて頂くと、均等に火が入ってベチャつかずパサつかず適度にシットリと焼けている。これよ、コレ!
ひとつ、前回と印象が異なるのが生地自体の重み。前はもっとフワッとしてたと思ったが、改めてコチラのを食べてみて、なるほど、生地自体はかなり他所のホットケーキに比べてこの珈琲家系は重いことがわかった。その重い生地が、ただ重いだけで食べてて苦しくなるか、キッチリ丁寧に焼くとシットリ焼き上がって量食べられるようになる。
手焼きのホットケーキの店が限られる中、こうして焼き立ての職人技が体験できるのは値段じゃなくて、贅沢極まりない。
たまのチョットばかりの遠出に最高の一品。これぞ贅沢。
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■初回訪問
稲田堤の駅周辺はスーパーの他、個人商店が軒を連ね、とにかくガチャガチャと賑わっている。そんな商店群に紛れるように一軒の喫茶店がある。小奇麗な感じの、しかしどの街にもありそうな佇まいながら、ホットケーキが絶品という。
1年少し前、ホットケーキが有名な万惣フルーツパーラーが惜しくもその歴史に幕を閉じたが、最後の5年ほどに供されていたホットケーキが、どうもそれまでの自分が知るものとは違って、薄くなっていた。以前のような分厚いホットケーキはないものかと調べていたところ、こちらに出会った。
店内は広く、珈琲館とかコロラドといった一昔前のチェーン系の大きめの店舗を思い起こさせるが、所々にある小物が女性的センスを感じさせ、明るく開放的なつくり。町の珈琲店らしく雑誌や新聞も充実している。
先に注文したドリンクが届くが、このバナナスムージー¥470も只者ではない。
いやフツーにバナナをミキサーにかけた代物なのだろうが、こうした喫茶店でないと、バナナの香りづけをしただけのようなマガイモノが平気で出てきかねない。濃厚なバナナ特有の香りもよく、これで500円未満というから恐れ入る。
凡そ20分程で、マスターによってじっくり焼き上げられたホットケーキが登場。
見よ、この見事な厚み!
1枚が320円とお値打ちなのに、2枚だと550円。さらに必ず上にチョコンとベイビーホットケーキがついてくるというのだから何とも憎い。
こんがりキツネ色に焼けた表面のザクッと感に、中のフンワリモッチリとした手応えがなんともタマラナイ。噛むとしっかりと跳ね返すような弾力を持った密度の高い生地の食感が舌に圧をかけてくる。フンワリと、それでいて全くスカスカじゃなく焼き上がっている。
シロップと濃いめのマーガリンをたっぷり塗ったくって食べると、1枚でも十分、二枚なら満腹満足、幸せになれること間違いない。
自分がいる間、一人もお客さんがやって来なかった。もうお店の方自身もガムシャラに営業するという感じではないのかもしれないが、生地から注文毎に焼いてくれるホットケーキが現存している事自体文化遺産級なので、もう少し賑わって、沢山の方に本物のホットケーキ、本来の喫茶文化に触れて欲しいと思った。
閉店の報を聞いたのはつい1ヶ月ほど前だったろうか。
たぬきやを知ったのは比較的最近とあって初訪はつい数年前。再訪を誓ったが、それがまさか最期となるとは。
駅から真っ直ぐ多摩川に向かって数分、土手に上がって川を見渡すと、前回同様海の家のような佇まいは相変わらずそこにあり、営業中と書かれた幟旗も確認できた。
店に近づくと、平日の15時過ぎと開店して間もないにも関わらず、外にあるアウトドア席はほぼ満席。それでも隅っこの席に潜り込みことが出来た。
そして店内に赴き注文を告げ、まずは飲み物だけ持って席に戻る。
チューハイ¥350でカンパイ!
氷を豪快にぶっこんだグラスにパックの焼酎をぶっかけて作られただけあって、なるほどワイルドで濃いめな一杯になってる。河原でのみにはサイコーの一杯やね。
お新香¥400
最初チョット強気な値段だなと思ったらこの量ですよ。しっかり浸かってシワもあって独特の匂いも微かに芳しく香る。ショッパさも結構あって、アテには申し分ない。
ポリポリやりながら川を眺めながらのんびりすること30分以上は優に経っただろうか、焼き物が数組分一気に出来上がったようだ。
焼き鳥盛り合わせ塩¥500
この大ぶりの串で一本100円というのだから恐れ入る。それでもってしっかり焼けてて食べごたえバツグンなのは前回証明済み。今回は前回と組み合わせが違って、左から、とり正肉・レバー・白モツ・つくね・かしら。かなり前回とはバラけたのは嬉しい上に、好物のカシラがカブったのは上出来。初めてレバーを食べたが、臭みなくホクホクに焼き上がっている。粗塩をつけるとしょっぱさに加えて甘みも増して、正肉もカシラも旨みを存分に味わえる。
レモンサワー¥350
すっかり冷めたがそれはそれでこのロケーションならではの味わいに変化した盛り合わせを突きながら、川をぼーっと眺めつつマッタリ過ごす。
客は後からどんどんやってきて、気づくと店内もほぼ満席状態。客はテーブルを一緒にすると他人同士でも会話が自然と生まれるもので、漏れ聞こえる会話によるとミュージシャンや編集者なんかが一緒にダベっている。
ニンニク焼き¥150
皮を剥がしながらホクホクの身を出して食べる、あの芋類のような食感がタマラナイ。辛めの味噌も実によく合う。あぁ、やっぱニンニク旨いなぁ。これとチューハイとこの景色、他に何もいらないって思えてきちゃうが、こんなふうに楽しめるのも今日で最後かと思うと、なんだか切なくなってくる。
河原ということもあり、かなり日が暮れてくると体の芯から冷えてくる。
そんなタイミングで牛もつ煮込み¥450が出来てきた。やっぱりトロトロのもつに濃いめの味噌の汁、そこに七味をかけてピリッとくうと文句なしですな。そして実に温まる!
焼きそば¥400!
それからさらに時間が経過し最後の一品。これは温まる!
麺は一般的なものかもしれないが、鉄板で結構な量の野菜と焦げが付くまでしっかり焼かれているので、ポリポリしたところと、熱で蒸し状態で柔らかくなったところがあって、異様に満足感がある。味はサッパリめのウスターソースのような感じがして、味があまりつきすぎてないのが逆に食べ手がある。肉もバリバリに焼けてて妙に旨い。
焼きそばを食い終わったら2時間近く、思ったより長居してしまった。
土手を上る手前でふと振り返ると、河原の闇夜にたぬきやの明かりだけが浮かぶ上がる。やっぱり異界感というか、日常とは切り離された空間だったなと思うのだった。
2回くらいしか来れなかった自分が言うのも何だが、今日明日で閉店という時に、たぶんバアチャンも最後の力を振り絞るだろうけどとっくに限界だろうから、近所で河原をよく通る人とかのための最終日にしてあげて欲しい。
河原で飲める店があると噂で聞いてずっと気になっていた。
稲田堤の駅前の道をひたすら真っ直ぐ、5分ほどで多摩川の土手にぶつかる。土手上の車道を突っ切り、河原へと降りる階段を進むと、おおっ、海の家みたいな小屋が建っとる!
営業中のノボリがはためいているから営業してるのだろう。恐る恐る階段を降り、河原に出て近づくと、テラス席のようなものが川と平行して伸びており、一応よしずが天井にかかっているが、ここがほぼアウトドアで飲める作りになっている。
中は薄暗く、大きなテーブル席がいくつも並んでいで正に海の家。その気分で中でヤルのも悪くないが、折角なのでまずは外の席に陣取る。
再び店内に入り、入口付近のカウンターとも付かない場所に行くと、店のオバチャンが出てきてくれた。お店で作ってくれるものはそこで頼み、ビールとかお菓子は自分で取り出しで会計し勝手に席で食ってよしというシステム。角打ち的であり、かつ自分が子供の頃慣れ親しんだ駄菓子屋と同じでもある。店側が高齢者ということもあり、自然発生的に出来上がったシステムなのだろう。忙しい土日は完全前金制だが、手の空いた平日は追加注文前提の客には後会計も受け付けてくれる。
ツマミは出来たら席に持ってきてくれるとのことで、その場でスグ作ってくれた同行者のチューハイ¥350と自分の青りんごサワー¥350をもって席へ。
目の前の川や遠く調布の町の景色を見ながらチビチビと飲む。こういうところではチューハイ、それも特に駄菓子っぽい味のするサワーに限る。これぞ休日。ヤバイ、家に帰りたくなくなってきたぞ。
完全に頭がボケーっとしたところに、オバチャンが牛もつ煮込み¥450を運んできてくれた。
気づけば自分から取りに行くべきところ、ぼーっとしてた。
煮込みは想像を遥かに超えるしっかりしたモツの姿と分量で、新鮮そうなネギが散らしてあるのもまた、下手な居酒屋よりシッカリとした仕事を垣間見せる。モツも臭みなくプルプルと柔らかく、汁はキリッとした濃い目の味噌ダレで、舌触りでザラつきも感じるシッカリ煮込んだもの。
暫くして追ってオバチャンは焼き鳥盛り合わせ¥500を持ってきてくれた。
塩でお願いしたのだが粗塩。トリナンコツ、皮、カシラ、レバと、あとタンだったかな、どれも外はカリッと中はホワンと丁寧に焼かれていて、特にトリナンコツのコリコリと身の柔らかさ、そしてカシラのジューシーさはそこらの焼き鳥屋に全く引けをとらない。
2杯めの日本酒(常温)¥350とカルピスハイ¥350のついでにニンニク焼き¥150と焼きフランク¥200も追加してみた。
ケチャップとカラシが両サイドに添えられてるのがいいが、なんだろう、どっちもただ焼いてあるだけなのに、ロケーションの成せる業以上に単純に焼いただけの旨さが溢れてる。串から抜いてくれた、皮のパリっとした食感のソーセージに、焦げた皮の中から出てくるシットリとして艶やかで噛むとプリっとした甘さもあるニンニク。
ヤバイ。現実に帰りたくなくなるような感覚、これこそをヤバイというのではないか。
こういう独特の地場をもったゾーンがあること自体が奇跡、行かれる方は大人数や大騒ぎを控え状況を鑑みてそうっと末席を汚す感じで、お願いしたい。