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昼の点数:5.0
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~¥999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 5.0
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|雰囲気 5.0
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|CP 5.0
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味5.0
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| サービス5.0
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| 雰囲気5.0
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| CP5.0
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| 酒・ドリンク- ]
文化遺産級の空間と味に酔いしれる
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天丼中
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入口
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看板
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2012/04/03 更新
長らくの歴史に終止符が打たれた万惣フルーツパーラーに赴いた際、その前に昼飯を済ませたのだがコチラ、10年くらい前にたまたま前を通ってからずっと気になっていた風格溢れる天丼屋。
それから苦節十年。やっとの訪問と相成った。
何度見ても惚れる佇まい。しかも惚れるのは建物だけじゃなく、高く止まってそうに見えて、値段はありえないほどのリーズナブルさ。一番安い天丼で1000円札で相当の釣りが来る。
嬉しくてニヤニヤしながら暖簾を潜ると、待ってました焦げ茶色の重厚空間。とはいえ実際はかなり気易い感じ。テーブル席5〜6卓がメインで、奥に小上がりが2卓だったか。団体でというより、1人メイン、多くても3人程度でさっくり食べて帰るつくり。
入って右手厨房は腰より少し高いくらいの高さにスリット状に隙間があって、小母さま数名と鍋の前に張るオヤジさんの姿が垣間見える。ちょうど席から天ぷらを揚げる鍋が見えるのだが、超年季入ってて、否が応にもテンションが上がる。
天丼中¥650
吸い物にそば(そうめん的なもんだったかな?)がたゆたってるのもいいのだが、やっぱこの天丼がこの値段というのが目の前にしても未だ信じがたい(あ、ちなみに前金制。入ってスグ右手前の帳場みたいな所で食券を買う。といっても券は手渡される厨房に流されるのだけど)。
期待通りの黒っぽい揚がり。満遍なく回しがけられたタレ。その油とタレの合わさった香りが、ふわっと立ち上がり、鼻腔をくすぐった瞬間、もう卒倒しそうになる。
天ぷらにグワッと噛み付くと、ザクッと小気味いい揚げの食感の後、甘じょっぱいタレが油のコクに乗って口中に広がる。
タレは大正3年の創業以来の継ぎ足しだそうで、故に、このニガ甘くも苦み走らない、甘くともカッタルさのない、まったりと濃厚な舌触りながら後味サッパリという超絶ダレが実現しているのだろう。
正直、天種自体は特別に凝った食材ではないと思うが、エビも臭みはないし、大きなかき揚げの主要構成要素となるゲソもプリプリ。甘くなった玉ねぎと甘辛のタレとの相性も抜群。
その天ぷらを差し置いても、固めに炊かれつつも甘みとふっくら加減を残した米に、丼の底にギリギリタレが溜まらない程度にタップリと染み込んだタレを掻き込めるだけで、もう十分値段以上の価値はある。
ドンドン戦前の看板建築が取り壊される界隈にあって、未だここで営業しているだけでも奇跡としか言いようがない。行けるうちに出来るだけ多く訪問したいと思う、なんとも愛おしい空間・味だった。