2回
2025/06 訪問
必死さと努力 一生懸命 → 期待の新星☆
ごく稀にですが、高級飲食店さんに行かせて頂くと、そのお店のオーナーシェフさんや親方さんに限って、意外にも実はこう言われるのを耳にすることが多いのです。
「技術なんてどうにでもなるし、ある意味どうでもいいんだ!大事なのは人として料理人としての人間性!!」
職人さんの世界、技術向上に切磋琢磨することはもちろん大事なのですが、それ以前に人間力が問われるし、人間性が高い人であればあるほど、お客様を喜ばせることや上手くなろう、美味しいって言ってもらおうとする姿勢そのものによって、その副産物的に魅力が増して、技術が向上されて磨かれるというのです。
特にお鮨屋さんは、その「人間力」の要素が非常に大きいのだそうです。
東北を代表する高級料理店・鮨店である、秋田県が誇る屈指の名店である「鮨駒」さん。
本店の由利本荘市から小一時間離れたJR秋田駅東口に、海外出店のための研修店を兼ねている2号店「鮨屋」さんがあります。現在6名の職人さんがしのぎを削っているなか、今日の大将はKさんが努めてくださいました。自信満々に軽妙に語っていながらの軽快な握りも、生駒親方から見ると「今日はなんかいつもより悪いね。緊張してる感じだね。」というから驚きでした。
実戦的な育成の場としては申し分ないステージですし、親方に対する強いリスペクトも伝わってくる雰囲気です。それでいて職人同士の俺が俺が・・・というピリピリ感や緊張感も手伝ってとても良いです。
期待の新星たちの競演。必死さや努力、ひたむきさなどの一生懸命さが、美味しいネタやシャリを一層引き立たせます。
そういった人間性がひしひしと伝わってくるので、見るたびに技術も伴ってくるんですね♪
その頑張りや将来性に対して、エールの満点を贈らせていただきます。
2025/06/11 更新
何事も、師匠から心技体を教わり、その師匠に近づくために努力を重ね続けることは職人の世界においては、よく耳にするお話です。料理人の世界、また鮨職人としての成長とは、親方の一挙手一投足を常に見ていなければ、感じていなければ体得するのは困難でしょう。
こういった修行の世界は、本来10年とか20年とか長い年月をかけて形になるものです。
ところがこの「鮨屋」さんは勝手が違います。
師匠は、東北秋田のみならず時に日本中、また時には世界を相手に食通を唸らせる由利本荘市の名店「鮨駒」の生駒大将です。約1年と数カ月前あたりから、海外進出用のために職人を複数名育成しておられます。実戦経験を積むにあたり、どのような教え方をすると、このように見違えるような進歩を遂げるのでしょうか!?
私の初来店は確か1年前。昨年の11月でした。
その時の職人さんの数は6名で対応していたと記憶しています。
とにかく上手い下手など関係ない、がむしゃらな一生懸命さ100%の姿に胸を打たれたのを今でも覚えています。その雰囲気を感じるだけで応援したくなったり、とてつもなく美味しくなったりしたものです。お鮨の形も崩れようがご愛敬です。お客様サイドも温かい目で大目に見てくれていましたし、いわゆる全力疾走のお鮨を感じたことだけが印象に残っていました。その後に今年の6月にも来店して、その時も6名でした。
今日は3名です。
とにかく動きが抜群に良いのです。見違えるほどに余裕すら感じられるほどに・・・
また何よりも、お鮨やお料理が本当に美味しい!
今日の大将役は、私の初回来店時、大事なお客様にお水をこぼしていた職人さん(笑)
ただその方が只者ではなかったのは、その後に精神的に崩れることなく、しっかりと渾身の握りを見せていたことでした。それがすごく印象に残っていたのです。
今日はもう、彼の独壇場です。実に堂々として目配り気配り、そして笑顔を絶やさない。
お客様との掛け合いにおいて闘争心が奮い立つようなオーラを纏い、スタートからお店の雰囲気が違います。いや正確には彼だけではありません。あとの2人の成長力までも凄いのです。出張遠征や他流試合も重ねているようで自信に満ちた表情でした。1つのチームとしての動きが冴えわたっています。
確かな目標を持った人間というのは、とても成長が早いといいます。
まさに彼等の成長力というのはドッグイヤーとも言うべきもの。とにかく驚かされました。
ご来店されていた生駒大将。店内では皿洗いまでこなす後方支援をしながら、じっと彼等3人の動きを優しくも厳しくも見ておられました。基本的な部分で手を差し伸べる機会はだいぶ減ったと言われていましたが、大将目線では決して大満足されている訳では無かったご様子でした。言い出せばキリがないほど、まだまだ課題はあるとのお話ですし、ゴールはまだ先であり要求レベルも自ずと高くなります。
普段から大将は、毎回のように職人さんの動画を撮られては、1人1人の職人さんと日々しっかりと話し合っておられるとのこと。その積み重ねと期待に応えようと努力する職人の皆さんの姿は、初めて見たときから全く変わっていませんでした。
また次に来た時、どんな成長力を見せてくれるのかがもう今から楽しみでなりません。
いや、次に来た時には今のメンバーが海外へ旅立ってしまっているかもしれませんね。