昨日はミラノからドバイに入った。ドバイでバイオホライズンインプラントのシンポジウムに出る為だ。バイオホライズンインプラントは新しいインプラントと思い込んでいる人が多いが、実はアメリカのインプラント界の老舗、バイオロックインプラント社とドイツインプラント界の老舗のマエストロインプラント社がレーザーロックという技術を製品化する為に出来た会社で、その裏にはアメリカインプラント会を牛耳るDr.キルシュの存在が有る。Dr.キルシュは事実上は現在アメリカインプラント界の頂点に君臨しており、アメリカで最も権威が有る(この最も権威が有るというのが実にややこしい)アメリカインプラント学会の専門医を取得する為のバイブルとなっている本を書いているのだ。
インプラントは確かにネック部にはレーザーロックという最新の技術が使用されているが、このレーザーロックの効果を積極的に使用する為に、ネック部を骨縁上にした浅い埋入深度で埋めたという症例写真を私は大きな海外の学会では過去に見たことが無い。私はこの技術がシアトルでAAP(アメリカ歯周病学会)の企業講演(会の本講演の前日に企業がスポンサーとなって講演がある)時にマイロンネービンスとピコスが講演を行った時に「本当かな?」と半信半疑で注目してから(9年程前だと思う)ずっと動向を見ていた。
私自身はここ1年でバイオホライズンインプラントを500本程埋入しているが、何故か現時点において一本もインテグレションしなかったインプラントが無いという優秀なインプラントだ。しかし、このインプラント本体のチタン表面はSLAなどの高度な加工をされた表面では無く、単に、ブラストされた表面だ。
インプラント界ではストローマンインプラント社のSLA Activeに代表されるような高付加価値の高価なンプラントが次々と発表されている一面があるが、反面ではサイブロンデンタル社のように、インプラントの表面は単にブラストで、ネック部のジョイントも過去に大量に流通して一般的なジョイント形状へ戻るような2極分化の方向で動いている。