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1位
1回
2014/03訪問 2014/03/15
福岡の筑豊で味わえる、日々進化を続ける本格的な南インドのミールス
黒崎駅から平成筑豊電鉄に乗り換えて、筑豊中間駅でおりたすぐ近くにあるお店です。
JR中間駅からなら、駅の入口にある地図で場所を確認して、徒歩10分前後くらいです。
こちらは、インド料理屋の中でも、福岡では珍しい、南インド料理を出すお店です。
我々がインド料理といってよくイメージするカレーとナンのセットは、北インドのものであり、
南インドは、それに比べると、若干異なります。
主な南インドの特徴としては、ナンの代わりにご飯が中心であることや、
素材の味を活かしており、カレーというよりスパイスを使ったおかずやスープ、といった感じの料理が多いこと、
また、味付けにココナッツやタマリンド(酸味のある果物)をよく使ったり、スパイスの種類もカレーリーフなど、
北インドの主流とは若干異なるという違いもあります。
そんな南インドのカレーとご飯の定食をミールスと言います。
このミールス、かつては福岡市内でも、西新のあんまーというお店で食べられたのですが、今年の1月に閉店してしまいました。
福岡のマイレビュワーさんが東京や神戸などで南インド料理を食べている口コミを拝見しても、
どうも博多もんの口には合わない味なのかな……と思い始めているのですが、
それでも、「いつもの北インドと違った魅力がある」ということを感じつつ、食べてみてほしいと思います。
なにしろ、ミールスを、兵庫や京都などでぼちぼち食べ始めた僕ですが、
このお店のミールスは圧倒されました。ご主人のこだわりが半端無い。
ミールスの哲学をきちんと汲んだ上で、日本の素材であるれんこんやゴーヤなどを、しっかりとミールスにしている。
スパイシーで、ハーブの香りもあり、素材のこだわりも凄く、圧倒されながらいただきました。
こちらのお店は、かつては韓国料理屋で、週に1回、ランチでミールスを出していたそうですが、
今回、南インド料理屋としてリニューアルし、今では、夜でもミールスが食べられます。
今回の僕の訪問も、昼に僕の地元飯塚市で野暮用を終えてからの訪問でした。
夜だと、ワインなんかも飲めますし、ご主人がお手すきのときは、ご主人と一緒にワイン飲みながら、
人生について聞かせてもらったりしても、凄くいいと思います。
僕は型にはまった人生でしたが、そろそろ生き方見直すときだ、そう思っていた矢先だったので
破天荒なご主人の生き方に、目から鱗が落ちるものがありました。
赤ワインがあると、話が進みますね。
訪問の際は、予約は必須ではないのですが、入れておくとスムースに進みます。
特に、ミールスについては、材料が品切れになることもあるため、遠方からの方は、予約しておく方が確実ですね。
僕が訪問したのは午後6時。バー風の外観にインド料理の看板、扉を開けて中に入ると、まずはミラーボールの光と
スパイスの香りがお出迎え。自動ドアに乗っても開かない。あれ?と思ったら、どうやら、側にある髑髏の飾りの口に
手を入れると開く仕組みのようです。「おのれの勇気を試してみよ」とありますが、確かに、南インド料理を楽しむには、
ある程度の心の準備をしておくのが良いため、ナイスな演出だといえます。
早速入店しました。店内の雰囲気はやはり、バーであり、お酒を楽しむにも大変いいのですが、
一味違うのが、やはりスパイスの香り。南インド料理と、ワインを楽しむには最適ですね。
メニューを拝見すると、基本はベジミールス\1800で、ノンベジはそれにいくつかカレーが追加されるようです。
僕は一通り味わえる「カーラ・ミールス」\2500を選択しました。
ベジミールスに、本日の魚介類のカレーとお肉のカレーがついて、チャパティ(パンの一種)も付きます。
なお、店内にもその日のメニューが掲示されており、ミールス以外に何か、という方でもいいのですが、
恋人の嘘を発見したい人のための「嘘発見器、無料貸し出し中」というのが、またにくい。
ご主人にとって、料理と人生は並列なんだな、と思いました。
テーブルにはミールスの食べ方の説明が掲載されていますが、ターリー(銀色の大きなお皿)にカレーを入れて、
ご飯と一緒に、混ぜて欲しい、とあります。
僕はあまり混ぜないたちで、よそのお店の現地から来たシェフから良く「混ぜてください」と指摘されていたので、
今回は混ぜて食べてみることにしました。実際、初めて混ぜて食べたのですが、詳細は後述しますが、確かに甘さ、酸味、肉の旨み、
スパイシーなど、様々な味わいが混ざり合って、絶妙な味になっていて感動しました。素材にこだわっているからこそでしょうね。
出て来たミールスは、見た目に驚きました。見たことの無い色、素材を使っていて、こんなミールスがあったのか!って。
ご主人から、いろいろ説明を聞いていましたが、まず、素材に驚きました。
れんこんのサンバルや、ゴーヤのポリヤルなど、日本の素材を使ってしっかりミールスにしているところもそうですが、
ライタ(ヨーグルトサラダ)にビートを入れて、綺麗なピンク色になっているところとか、見た目を見ても凄いです。
パイナップル使ったカレーの甘酸っぱさのバランス、魚介類のカレーは、今が旬のオイスターでしたし、凄く柔らかくて食べやすい。
後でご主人から、メールで詳しいミールスの内容を送ってもらったので、リストアップさせていただきます。
・大根と蓮根のサンバル
・ラッサム
・安納芋のクートゥ
・里芋とパイナップルのカーラン
・ゴーヤとグリーンチリのポリヤル
・キャベツのトーレン
・ビーツのライタ
・骨付きマトン
・牡蠣のモイリー
・トマトチャトニ
・レモン&ライムピックル
・レモンライス&バスマティー
・チャパティ
・パパド
ラッサムは、パクチーが凄く入っていて存在感がありましたし、骨付きマトンのカレーの存在感は、ベジ中心の中で、存在感を放っており、
程よい満足感を与えてくれました。キャベツのトーレンやゴーヤのポリヤルは、野菜本来の味と食感をそのまま活かしつつ、食べやすい。
ココナッツが生かされているため、唐辛子がそのまま入っていても、結構食べやすいんです。
最初は、ご主人から、混ぜ方をレクチャーしてもらいながら混ぜていきました。
レモンライスに合うカレー、バスマティライスに合うカレー、いろいろと程よく混ぜてくれまして、後は少しずつ味わった後、
豪快にかけていただきました。素材の旨みがあり、いろんな味わいがあるからこそ、混ぜたときの味わいは格別です。
これまで、混ぜて食べるのに抵抗があった僕ですが、ここで混ぜて食べてみて、混ぜて食べることの素晴らしさに気づきました。
あまりに感動して、暫く言葉が出ませんでした。一晩経過して今も、まだその余韻がさめません。
ごちそうさまでした。
メニューをご覧になってお分かりの通り、南インド現地にあるかどうかは分からない素材もあるのですが、
それでも、しっかりと南インドの味であり、どうやら、南インドはいろんな素材を使うので、南インド風に調理すると、
南インドふうになる、ということで、しっかりと南インドの哲学を活かした調理法のようです。
実際、「素材の旨みを活かす」という南インドの哲学は、相当高いレベルで活きていると思います。
福岡の、小倉や博多ではなく、ちょっと入った場所で、こんなに通好みな料理が味わえる。
これは、福岡に訪問した際は、ぜひ、カレー好きの方は、立ち寄っていただきたいと思います。
きっと、これまでミールスを食べた方でも、新しい感動が得られると思います。
ちなみに、ご主人がお手すきの時は、ご主人と話してみることをお勧めします。
ワインをいただきながら、話したのですが、「海外行くといいよ。まず最初は確実に水に胃がやられるけれど」とか、
「もっと女性にアタックするといいよ。せっかく中間駅から歩いてきたのなら、その道中で歩いている女の子口説いて、
お店に連れてくればよかったのに」なんて、まさに、おくての僕にとって、目から鱗が落ちる話ばかりで、
ちょっと、今後の人生を考えるにあたって、弾けてみたいな、と思わせてくれるのに十分でした。
なにしろ、韓国料理屋だったのに、南インド料理屋を開かれて、今度は近くにスナックも開こうか、なんて話しているご主人。
波乱万丈なのでしょう。料理も素晴らしいですが、ご主人も魅力的です。
まさに、そんなご主人の魅力が活きるミールスなのかもしれません。
なかなか訪問できない場所かもしれませんが、ここはまた訪問して、ミールスを味わいながら
人生について考えたいと思います。
2位
1回
2015/12訪問 2015/12/15
こだわりの素材と妥協のないスパイス調合で目くるめく感動を与えるパキスタン料理!
※再訪2013.12 カレーを食べ歩いた今再訪し、このお店のビリヤニを食べ、初訪問のころでは気づかなかった、
スパイスと素材への恐ろしいほどのこだわりに気づき、大変な衝撃を受けました。
※再訪2014.2 師匠Fisher.Lion様と訪問し、いろいろ勉強しました。改めてことごとく凄いお店と理解し、今後さらなる常連になることを決意しました。
※再訪2015.12 2014年は何度も通っていましたが、久々に訪問を再開しました。
■初投稿 2012.12.22 夜(総合点3.8, 料理4.0)素材にこだわりを感じる本格派インドカレー。次はビリヤニも食べたい!
天神北、ショッパーズあたりから道路を渡り西に進み、路地裏に入って昭和通りに平行に進んでいくと
舞鶴の隠れ家的なお店が軒を連ねている。
このお店もそんな中の一つ。入り口は小さいけれど、看板がかなり目立つため、前を通ったらすぐに分かる。
インドカレー好きとして一度は入りたいと思っていたが、遂に今日入店した。
入店時間は午後9時前。夕食の時間も終わり、お客は僕一人。
節電のためか、部屋の中は薄暗く、僕が来たら電気を明るくしてくれた。
同時に店内のテレビでインド映画のDVDを流し始めてくれた。
大勢のインド人が音楽に合わせて踊っている。何かにつけて踊りが始まるインド映画。僕はこういうのが大好きだ。
そしてこのお店、匂いが、よく掃除の行き届いた部屋の匂いなんだよね。インド料理店の匂いとは違う、清潔感のある印象。
こんな雰囲気の凄くいい店内で、僕はメニューを見た。
ディナーのセットはAとBとCが、あるのだが、どう見てもBセット1択じゃないのかと思う。
Aは、ナンとカレーとスープとサラダとドリンクで1380円。少し高い。
Bは、Aにミニライスが付き、カレーは2種類、しかもおかず2種(小タンドリーチキンとケバブ)がついて200円しか高くなくてリーズナブル。
Cは、Bのナンがチャパティになりタンドリーチキンがチキンティッカになるのだが、Bより500円も高い。
後述するが料理は最高なのに、価格設定が謎なのはどうしたことか。
余計なお世話かもしれないが、常連客なんかと相談して、値段とメニューは再検討したらベターだと思った。
料理が運ばれてきた。
最初に来たのがチキンスープ。チキンとバターを使った伝統的なスープだが、使っているバターがかなり上質の物だと思った。
これは本当においしい。
次に来たカレーも美味しい。これは若干通好みの味だな。
スパイスも、かなり厳選された本場のを使っている味。ほうれん草のサグカレーは、スパイスの味を
バターの脂っこさと塩辛さが引き立てているが、バターの質がいいので美味しい。
チキンのカレーはチキンの味とスパイスがブレンドされていて美味しい。
ここのカレーは、日本人の味に合わせるのではなく、現地の味を重視した味付けになっている。
だから、インドカレー食べなれていない人の中には合わない人もいるかもしれない。
しかし、本場の味付けを、素材を妥協せずに作っているから、ぜひ一度食べて欲しい味である。
インドカレーの世界は奥が深く、大きく分けて「日本人の味覚に合わせる」と「現地の味にこだわる」のベクトルがあるが、
食べログでは前者の系統のお店に人気が高いのが多いが、この店は後者に分類されるが僕は高く評価したい。
最後に。この店ではビリヤニ\1200も名物らしいね。店内のポスターでもパキスタン名物としてプッシュしている。
この店のクオリティなら期待できる。次に来たらこれを食べるぞ。
■再訪[2013.12.20]念願のビリヤニを食べ、相当な衝撃を受けた。ご主人からいろいろ話も伺いました。(総合点4.5に修正)
初訪問から丁度1年、あれから僕は相当な数のカレー屋を食べ歩きました。カレー好きの方とも交流を持つようになりました。
そんな中、このお店は、いろんなカレー好きから、高い評価を受けています。
僕の訪問時は、カレー食べ歩き始めのころ、上記のように「よく分からないがなんか凄いな」程度の感想でしたが、
今、あちこち食べ歩いた後に再訪問したら、半端ではない衝撃を受けました。
普通の人の中にも、「ここのインドカレーを食べたら、よそのは食べられない」という人がいるとご主人から伺いましたが、
まさにその通り。これまで僕は、「現地の人がやっているカレー屋で、福岡でうまいお店は?」と聞かれても、
一つに絞りきれませんでした。個性派や、日本人向けにアレンジされたうまい店はあっても、
素材とスパイスにこだわったお店で決定打がなかったのです。しかし、今回、このお店が、まさにそれだったのです。
今後、福岡市一帯で現地人のやっているインド料理屋のナンバーワンと言われたら、間違いなくこちらを挙げますね。
この日、訪問は午後9時過ぎでした。
かねてより聞いていたビリヤニを食べようとしたのですが、僕が食べ歩いていて、評判がいいこのお店に来た事情をご主人に話すと、
「それなら、裏メニューがあるよ」と勧めてくれました。
どうやら、前日まで宴会で貸切だったそうで、特別なメニューを作っていたようです。
「チキンプラオ(chicken polao)」という料理で、ビリヤニと似ていますが、辛さをおさえて、鶏のだしをふんだんにつかって味を出しているとのこと。
限定という言葉にめっきり弱い僕は、注文します。
ちなみに、こんな風に、スパイス好きをアピールすると、こちらのご主人は、見込んだ相手には、メニューにない料理も
作ってくれる様子なので、ぜひとも、カレー好きの方は、ご主人の真髄を見せてもらってはいかがでしょうか。
出て来たチキンプラオは、バスマティライスの上に大きな骨付き鶏肉とゆで卵が乗っています。
しかし、これがもう出て来た時点で匂いで衝撃を受けました。
脂が、鶏肉由来の脂を使っているんでしょう、凄く穏やかなんです。この時点でかなり衝撃を受けました。
そして、お米は、ご主人の話している通り、インドの高級米、バスマティライス。
実を言うと、初体験でしたが、食感といい、ほんのりする上品な匂いといい、他のインディカ米と違います。
スパイスに至っては、採算度外視に凄いスパイスを調合しているのが匂いから分かります。
プラオはビリヤニと違い、辛さを抑えているため、ペッパー系のスパイスが使われていないのですが、
香りを出すスパイスの調合が恐ろしく優れています。目視で確認できるだけでも、クローブとスターアニス、そしてシナモンの
ホールがそのまま入っています。あと、カルダモンの爽快な匂いが強いです。
凄い。口の中に広がるスパイスの香り、そしてお米を飲み込んだ後の後味。何から何まで、衝撃を受けました。
スパイスの調合で凄いお店って、福岡では、インドに修行に行った日本人がやっているお店に多いですが、
現地の人で、ここまで、高いスパイスを惜しげもなく使っているお店があったとは。
しかも、このお店は、お米も高級なバスマティライスだし、どこまでも妥協がありません。しばらく、身体が凍りつく感動でした。
しかもこれが、メニューの価格を見ると、そこいらのインド料理屋と同じような価格帯なんですよね。
僕はもう、ご主人にありったけの絶賛を述べましたよ。
そしたら、わかってくれて嬉しい、ということで、時間帯が遅いこともあって、僕と側にいた常連さんで貸切だった店内、
この3人で、いろいろと雑談をすることになりました。
こちらのお店、やはり、あまりに凄いため、一切積極的な宣伝は行っていないにもかかわらず、口コミで広がっているそうです。
テレビの取材も多数来ており、ご主人の1歳くらいの娘さんがこちらのカレーを食べている様子が放送されたそうですが、
本当に本場のスパイスは、子供が食べても平気であるばかりか、漢方などの薬膳と同様、健康管理に役立つといいます。
僕も、冬は薄着で健康管理していますが、そういえばここ数年風邪を引いていないのは、恐らく、カレーのスパイスのおかげでしょう、
この手の話で盛り上がりましたよ。
インド料理屋の中には、儲けに目がくらんで安いスパイス使っているところもあるけれど、うちはそんなことで妥協したくない、
お客さんに喜んでもらい、健康になってもらうのが、一番なんだ、と話していました。儲けは第2、客の喜ぶ顔が一番。
ええ、そのとおりを実行してらっしゃることは、食べてみればすぐ分かりますよ。
ご主人も僕を見込んでくれたのか、調理場まで見せていただきました。恐らく他言無用(your eyes only)なので
こちらに書くのは慎もうと思いましたが、「ぜひ書いてください」と話してくださったので、書ける範囲で書きます。
冷蔵庫にジンジャーがたくさん入っていました。ニンニクもひとつひとつ手でむいていて、こういう細かい手作業を怠らないこと、
きちんと、健康にいい素材を使っていることは、確かにいいですね。日本でも冬は生姜湯を飲みますが、
そういう意味でも、こちらのカレーは、夏だけではなく、冬の健康管理にも大変よさそうです。
あと、スパイスも見せてもらいました。詳しくは書きませんが、全部ホールスパイス使っていて、パウダーは一切使わない、
パウダーが必要になったら全部ホールから作る、と話しており、実際、スパイスの味がしみだしたソースは、
他のお店では決して見られないような芳香がありました。
こんな感じで、閉店の11時を超えて、終点間際まで、ご主人と出会った常連さんと話をしました。
常連さんは、画家で、インド映画を観ながら、インドの絵を描いておられる上品な感じの女性でしたが、
やはりこのお店のこだわりに魅了されている様子でした。
ご主人と一緒に3人で、マンゴーラッシーとチャイを飲みながら話をしましたが、これらも、他のお店とは一線を画するこだわりが凄かったです。
マンゴーラッシーといえば、よそでは濃縮液を使っており、食傷気味だったのですが、
こちらのお店では、なんとなんと、本物のマンゴーの果肉をすりおろして入れているのです!
ラッシー自体の味わいも濃厚で、飲んだ後、後味の爽快さが凄くて、本当にじんわりと幸せを味わいました。
チャイの方も、他のお店ではミルクティーにシナモン混ぜました、という程度のものが多い中、
凄いハーブの味わいが凄かったです。ジンジャーがベースなんでしょうが、他のハーブの香りもたくさんして、
凄く身体に効きそう。サイドメニューひとつとっても、一切妥協がないのです。参りました。
ごちそうさまでした。
初心者の頃に入って「なんか凄いな」と思っていて、カレー通の知り合いが凄いお店だと言っていたこのお店、
食べ歩いた今行ってみると、なんて凄いお店だったんだろうか、と衝撃を受けています。
こういう凄いお店が、他のお店と同じ価格帯で平然と商売している、
それがインドカレーの世界の不思議ですよね。
僕だったら、値段が倍になっても食べに来ますけれどね、やはりそうはいかないのがインドカレー業界の難しいところなんでしょうね。
(※こちらは厳密にはパキスタン料理ですが、パキスタン料理の中でも、インド料理に近い分類のものです)
本当にここのビリヤニは凄いです。カレーも凄かったですが、やはりビリヤニがおすすめです。
子供でも食べられる味わい、とご主人が主張する味。ここを食べるとよそのインドカレーは食べられないと話す人、
そして、インドカレーを食べ歩いたのに、現地の人が作る中で一番衝撃を受けた僕。
本当に、老若男女におすすめです。本当に一流のインド料理は、こんな風に、普通を装って、皆の中に紛れているということを知ってください。
■再訪[2014.02.03]Fisher.Lion様にご指南を受けながらビリヤニをいただく。予約して裏メニューを食べたい!
ずっと余韻が冷めないお店に、今回、エスニック料理を食べ歩いておられるFisher.Lion様と一緒に伺いました。
今回頼んだのは、チキンビリヤニなのですが、彼もかなり高評価であり、
「福岡で、これだけ凄いお店があるとは。自分だったら通い詰めていた。このお店の常連になってパキスタンの味を
舌に刻み付ける価値がある」と話しておられました。
正直、スパイスの余韻が覚めない僕。常連になりたいと改めて思いました。
今回、予約をしての訪問でしたが、指定の午後7時に来ると「ビリヤニは炊いてる途中なので時間がかかる。
一昨日に予約を聞いて、昼からどたばたしながら作った」と話しておられ、
どうやら、ビリヤニは、予約をしないと、出せない日もあるらしいのです。
これは、それだけ下ごしらえが大変だということらしいのです。このクオリティなら納得です。
このため、メニューに出ている日だけ、ビリヤニは食べられるんだとか。数日前までに予約し、食べたい料理を伝えると確実でしょうね。
このお店はいつも常連さんが多く、メニューにない料理をご主人のアリさんが作ることが多く、
常連さんが「今日は裏メニューある?」と聞いて、その日ある料理を食べるのがいいらしいです。
ビリヤニも、今回、二人で訪問した我々のために15人分くらいこしらえてくれたそうですが、
次の日の昼には常連さんによってなくなってしまうだろう、とのことでした。凄いですね。
つまり、常連さんにとって、たまにある裏メニューをいただくのがこのお店の真髄になっているんですね。
パキスタン料理として有名なパヤ(牛すじをとろとろに煮込んだ料理)、カラヒ(汁気の少ないカレーみたいなの)、
ハリーム、ニハリといった料理が、出てくるそうです。
ただ、量が多いこともあり、カラヒなどは4人以上くらいでの予約が必要だとも言います。
予約の際に「この料理が食べたい」というと、仕入れなどにもよりますが、交渉により、作ってくれるそうです。
東京のパキスタン料理に詳しいFisher.Lionさんによると、カラチの空などのお店の名前を挙げ、
そちらの料理にかなり感銘を受けておられた様子ですが、
ご主人のアリさんもかなり彼のような人に受け入れてもらえて嬉しいと話しておられました。
僕は彼を「僕の師匠です」とアリさんに紹介し、さすがにFisher.Lionさんの方は大げさですよ、と話しておられましたが、まあそんな感じであり、
こういうカレー好き、エスニック料理好きの食通の人達にぜひとも広げたいお店です。
今回我々が頼んだのは、チキンビリヤニです。
スパイスと味の凄さは、前述のプラオと同様であり、そちらをご参考にして下さい。そこでも僕はスパイスの絶妙さを書かせていただきましたが、
Fisher.Lionさんは味わいを評価されていました。確かに、鶏肉で取ったであろうおだしの利き方は凄かったですが、
やはり、ここは彼のような食通もお墨付きなのか、と改めて僕も理解しました。
ビリヤニにはライタという、塩気のあるヨーグルトがついてきます。僕は「汁物をご飯にかける」というのがまだ抵抗があり、
別々に食べていたのですが、やはり彼もかけて食べていたことから、本来その方がいいんでしょうね。
どうやら、このお店でも、せっかくビリヤニを頼んでも、ライタだけ残してしまう人がいて、ご主人も心を痛めている模様、
やはり現地味の料理を出すお店の苦悩を感じます。僕も慣れの問題だと思うので今後、慣れていきたいところです。
このライタのうまさに感銘を受けたFisher.Lionさんは、ドリンクの中から、メニューにない塩ラッシーを頼まれました。
「メニューにはないけど……」といったご主人の言葉の口調を察知して「じゃあ出来るんですね」と言って、作ってもらった彼。
ああ、この手のお店に入りなれているな、と、僕も彼からステップアップのための秘伝を盗み取りました。
出してもらった塩ラッシー、初体験でしたが、絶品です。ライタのようにジュースというより、スープに近いんです。
しかし、上に散らしてあるクミンも相まって、絶妙に味が整えてある。甘いラッシーとは全然違った趣がある。
上品に、酸味とクミンの香りが口に広がって行く。確かにこれはいい。
パキスタンは暑く、汗をかくことがおおいため、塩分補給のために、塩ラッシーがよく飲まれるそうです。
日本でも、夏の熱中症対策などに凄くいいかもしれません。
ごちそうさまでした。「このお店に通い詰めて欲しい」彼の言葉、僕も共感しました。
ぜひ、今後足しげく通いたいと思い、次の日夜に足を運んだら臨時休業なのか、シャッターがおりていました。
やはり、訪問前に電話で予約しようと思った次第です。
■再訪[2015.12]訪問するたびに妥協の無さを思い知らされるお店
2014年はたびたびこのお店に訪問しました。
時には一人で、時には知り合いを連れて。
そのたびにご主人のアリさんは喜んでくれて、スペシャルメニュー(裏メニュー)を
振る舞ってくれました。
このお店は、いつも常連さんのために、通常のメニューの他に何かひとつ、
裏メニューを常備しており、予約があればそれを、それ以外の場合でも
何か人気のメニューを準備していてくれます。
僕はパヤやマトンカレー、ニハリなどをよくいただきました。
(他にもマトンクンナ(kuhna)とか、いろいろいただきましたが、調理方法は基本共通で、
羊の部位の違いなどのようですが、細かい違いは分かりません)
今回、その中から写真を4枚アップします。
僕は多くの場合、それらのカレーをナンと食べた上で、
さらにお店自慢のビリヤニをいただくことが多いです。
最後にカルダモンなどのスパイスがたくさん入ったチャイでしめます。
最近は口コミで噂が広まり、昼はいつも忙しいんだそうです。
それで、夜に訪問することが多いのですが、お客さんが少ない時には
いろいろと話も聞かせてもらいます。
スパイスに妥協がないこと、感動したお客さんがあとを絶たないこと、
特にパキスタンに数年在住していた人が、うわさを聞いて来てみたら、
現地の味そのものだったので驚いてファンになった話など、
現地の味が好きな人が、大ファンになった話をたくさん伺いました。
お店のスパイスに対するこだわりについても、僕にはいろいろと教えてくれます。
ターメリックライスをサフランライスだと偽って出すお店があるが
(アリさんは実名を挙げたがここでは伏せます)、うちは本物のサフランを沢山使う、と、
山のような分量のサフランを見せてもらったこともあります。
「お客さんの『喜び』こそが大切」これがアリさんの口癖であり、
本当に採算度外視であること、サービスの凄さにはいつも驚かされます。
僕もありったけの賛辞を送っています。
そんな僕ですが、しばらく(2015年2月~10月)仕事に忙殺され、食べ歩きを中断し、
このお店ともご無沙汰しておりました。
最近、久々に通い始めることにしました。
久々の僕の訪問に、アリさんは、とても喜んでくれました。
この日出してくれたのは、「レバーのカレー」でした。
カレーにレバー? 初耳でしたが、食べてみて驚きました。
レバーが具として入っているだけではなく、ルウの方もレバーがベースなのですが、
レバー特有の渋みや臭みが全くなく、レバーの持つ旨みが半端なく出ているのです。
これまでアリさんのいろんなカレーを食べてきましたが、このカレーは一番でした。
どうやらレバーの下ごしらえをしっかりすることと、使うスパイスをうまく使って
調節した結果なんだそうです。
アリさんにとってはこれは子供のころからのいわば「おふくろの味」だったらしく、
僕に提供した後、自分用にも作って、食べ始めました。
いつもは夜はあまり食べないが、この味だけは懐かしくて、味見をしていたら
食べたくなった、とのことでした。
正直、こんなにうまいレバーは食べたことがなく、また、レバーのくせがなく
旨みが出た、奇跡のカレーだと思いました。
これらのカレーは、裏メニューのため、いつも食べられるわけではありません。
興味を持たれた方は、予約の際に、食べたいメニューを注文してみると、
きっと応じてくれると思います。
材料調達の関係から、数日前までの予約が確実であることと、夜の方が推奨です。
この日もアリさんと話す機会がありましたが、特に面白かった話をひとつ。
若干シモネタになりますが、ご容赦ください。
ここのカレーのスパイスは、まるでスッポンやマカのように、『精力』の方にも
良い影響を与えてくれるのだそうです。
ある50代の男性が、ここのカレーを食べた日の夜、そちら方面のパワーがみなぎっていた、
という話をしてくれました。それ以来、同僚を誘ったり、女性を連れたりしてきて、
大切な行為を行う前には、このお店のカレーを食べに来るのだそうです。
現にアリさんも50代前半ですが、そちら方面に関しても完全に現役だと話しておられました。
まあ、体つきを見ても若々しいですからね。
まだ僕は30代後半、そちら方面で悩んだことはなく、
スパイスで身体と精神が元気になる実感はありましたが、
それは下半身に対しても例外ではないのだ、と妙に納得したのでした。
本当に良いスパイスの、意外な一面をこの日の話は知ることが出来ました。
今回、訪問再開記念に追記しました。
今後もずっと通い続けたいお店ですし、通い続けるでしょう。
3位
1回
2014/11訪問 2014/11/12
JRの蒲田駅の隣、大森駅から蒲田方面に歩いて5分程度の場所にあります。
商店街の通りにありますが、こちらのお店はちょっと南国風の看板が出ているため、
見つけやすいと思います。
最初に注意が必要なのは、このお店、昼のみの営業です。
夜に蒲田在住の友人と行こうか、と思ったのですが、早く気づいてよかったです。
南インドの定食、ミールスを出すお店ですが、
このお店はベジミールス、つまり肉や魚を使わないミールスのみとなっています。
これまで何度かミールスは味わいましたが、いつもノンベジを選んでいて、
こちらで味わったのが初のベジミールスでした。
肉や魚がないため、若干物足りなさを感じる人もいることでしょう、
そういうこともあってか、このお店、なんとおかわり無料なんです。
ご飯だけじゃなくて、おかずも全部、おかわり自由なんですよ。これは凄いと思いました。
店内には、ミールスの説明を書いた紙がおいてあります。
サンバルやラッサムなど、それぞれの料理の説明の他に、
食べ方は「混ぜてください」とあります。
そう、いろいろご飯に混ぜてみて、その味の変化を楽しむことこそが、
南インドのミールスの楽しみ方だ、そう伺っていました。
そのため、今回も豪快に混ぜ合わせてみることにしました。
ご飯の上に乗っているパパト(豆せんべい)は、普通に食べてもいいですが、
砕いて、カレーに混ぜて食べてもいいと思います。
まずは、混ぜる前に、それぞれを少しずつ味わってみました。
ビーツのカーランは色がピンクで、ヨーグルトの酸味があります。
キャベツのトーレンはココナッツを使っていて、優しい味がします。
全体的に、優しくて穏やかな味わいが多いのですが、
アチャール、つまりお漬物は、辛さと塩辛さがあって、メリハリがきいています。
一通り味わった後は、お皿に乗っているカレーを全部出し、
ひとつずつかけて行き、インドのお米と混ぜ合わせてみました。
後から説明書を読むと、カード(ヨーグルト)は最後に白ご飯に混ぜるのがよいとありましたが、
構わずそれも一緒に入れて、そして豪快に混ぜ合わせて食べました。
インドのお米に、キャベツや豆などの素材の味がじんわりとし、
ココナッツの香りもすごくいいですね。
肉や魚がない分、物足りなくてお代わりをしたくなる人がいるでしょうが、
前述のとおり、お代わりはすべて自由。これは素敵です。
そして食後に、チャイを入れてくれたのですが、
これがカルダモンが結構入っていて飲みやすかったです。
ごちそうさまでした。
いつもミールスはノンベジばかり頼んでいた僕でしたが、
ベジミールスもなかなかいいじゃん、と実感させてくれました。
僕が地元福岡で初めて本格的なミールスを味わったのはKALAで、
ミールスを混ぜることを学んだのもKALAでした。
僕が店長さんに「福岡ではミールスは流行っておらず、KALAしかないのが悔しい」と話すと、
「KALAがお店を長く続けていれば、きっと浸透していく、まずはKALAのご主人には3年くらい続けてほしい」
なんて話しておられました。
こういうミールスが福岡でも浸透していくことを願ってやみません。
4位
1回
2014/05訪問 2014/05/30
毎日屋号が変わる隠れ家のラーメンは、透き通ったスープが特徴的な逸品だった
■訪問 2014.05.27
飯塚の中心街、バスセンター周辺から北に少し歩くと、片島交差点があります。
そこで左折(西)に進んで少し歩き、片島一丁目交差点に面して、そのお店はあります。
そこは僕の行動圏内で、よく通るのですが、そこで何かラーメンをやっているようで
少し気になっていました。
場所は、ピンクの外装が目立つ理容室の裏手。
しかし、のれんもかかっておらず、お店の看板もない。
それで、「マザコンラーメン」や「イマイチラーメン」、「片島太郎」など、
通るたびに日ごとに違った看板が出ています。
看板といっても、煙草の箱程度の大きさの小さな看板です。
まさに隠れ家的です。
最初に見たのは、昨年8月ごろでしょうか。気になっていたのですが、
僕がここを通るのは、片島のココイチにカレーを食べに行く時だったため、
ラーメンの気分じゃない、ってことで入店はしておりませんでした。
何より、毎日屋号が変わるなんて、食べログ泣かせじゃないですか。
ネットで検索して調べてみると、かなり話題になっているようでした。
お店の名前が「来来」だという説も出ていました。どうやらラーメンの器に
その名前が記されているから、ということです。
それで今回、早速入店したのですが、まさか僕の徒歩圏内に
こんな凄いラーメンを出すお店があったなんて、と驚いてしまいました。
この日の看板は「危」でした。何の危機があったのか分かりません。
僕が今回初訪問したのですが、時間は正午前であり、
かなりお客さんが入っていました。その後も次々に来る。
女性客が2人で入ってくることもあり、後述しますが、確かに女性にも向いている味です。
ラーメン500円と大盛り600円。あと白ご飯もあるようです。
メニューにはドリンク類も書かれていますが、この日は出していないようです。
一日限定30食とも言われるため、大盛りとかを頼むと味わえる人が減るだろうと思い、
いつも大盛りを食べる僕も、ここでは普通盛にしました。
ラーメンは5分くらい待って出てきました。
最初に驚いたのが、透き通っており、独特の臭みがまったくないことです。
見た目は、塩ラーメンかと思わせてくれます。
しかし、スープをすすってみると、凄く繊細で奥が深いのです。
鶏がらベースでしょうか、それにとんこつの味わいも加わっている。
全然しつこくないし、旨みをしっかりと凝縮しています。
しかも、それでいて、鶏がらとんこつ独特の旨み、こってり感がします。
あっさりしているようで、濃厚。
説明が難しいのですが、これまで僕が味わったことのないものです。
これに丁度良い固さになった麺を絡めながら食べると、本当にうまいです。
「味わい深い」という味覚の奥深さと、「脂もん摂りたい」って体の喜びの双方を満たしてくれます。
ごちそうさまでした。
僕がお店を出る際、ご主人は出口までついてきて挨拶をしてくださいました。
本当に丁寧な接客といい、凄いラーメンといい、パーフェクトです。
正直、このお店は、果たして大々的に紹介していいのか、悩ましい部分もあります。
今でも、ご近所さんが入って繁盛しており、ご主人一人で切り盛りしているようなので、
これ以上お客さんが増えても考え物かもしれません。
現にテレビの取材の申し込みがあったけれど、ご主人は断ったと話していました。
このため、点数は「遠くからでも飯塚に食べに来る価値がある」ということで4.5としましたが、
ご主人の望まないような方向に進む、例えば行列が出来て、常連さんが入れなくなるとか、
だとしたら、点数は改めさせていただく(評価なしにする、など)可能性があります。
最近飯塚はラーメンをプッシュしており、筑豊のラーメンは、博多や久留米のそれとは違った
独特の味わいがある、なんてことを聞くのですが、
そういう老舗のお店とは方向性の違う、こういうお店が出てくることで、
さらに凄いことになるな、と思いつつ、
やはりそうなっても、ラーメンマップみたいなものには、このお店の掲載は、
ご主人が固辞するだろうな、と思っています。
本当に隠れ家的な凄いお店。日々変わる屋号をチェックしつつ、
今後もココイチに行くか、こちらでラーメンにするか、悩ましい日々が続きそうです。
5位
1回
2014/03訪問 2014/03/06
フレンチ仕込みの繊細さが活きる、野菜の優しい味わいを活かした絶品カレー
四条河原町交差点のあたりから北に進むと、バーを中心にいろいろなお店が軒を連ねていますが、
こちらも、川沿いの2階にあるお店です。
1階の看板を見ると、「京都のカレー」と謳って、野菜カレーを中心に出しているようですが、
食べてみて、確かにこれは凄い、と感激しました。
野菜の味を最大限活かした、優しい味のカレーライスです。
ルウは1種類で、野菜カレーの他に、ビーフの塊を3つほど乗せたビーフカレーもありますが、
この野菜の旨みを活かしたルウなら、野菜カレーが確実に合うと感じました。
スパイシーなカレーや、お肉の存在感があるカレーとは一線を画した、素晴らしいカレールウです。
赤い看板に誘われて、階段をのぼって2階に行くと、バーのような店内があります。
眺めはよく、夜に訪問すればいろいろ楽しめそうです。
早速、カウンター席に着席し、ご主人に話を伺いながら、野菜カレーを注文しました。
前述の通り、ルウは1種類で具が違うだけなのですが、ビーフカレーよりも野菜カレーが絶対におすすめです。
なにしろ、野菜カレーの野菜は、よくあるような彩り重視で味は二の次の野菜ではなく、
旬の野菜をきちんと使ってこだわっているのです。
実際、出てきたカレーの、野菜の盛り付けを見て、驚きました。
訪問は3月ですが、旬の野菜をしっかりと使っているのです。
茸類、おねぎ、にんじん、赤ピーマン、そして山芋など、変わったものも使われています。
しかし、驚くべきは、これらの変わった野菜が、ことごとく食感の面で工夫されており、カレーに合うということです。
このカレールウが凄い。寸胴から漂ってくる次点で、香りが鶏肉の優しいおだしの香りで、
博多もんなら高級な水炊きの香りを連想させます。フランス料理のブイヨンですね、この香りは。
出てきたカレーをすくって口にいれても、それほどスパイシーさはなく、穏やかな辛さなのですが、
とにかく、野菜の優しい味わいが凄い。にんじんや玉ねぎの他に、かぼちゃなど、優しい甘味の野菜を入れているのでしょうか、
野菜由来の甘味が、ものすごくあるんです。それも、丁寧な甘さです。
凄い。これまで、スパイシーなカレー、お肉の存在感が凄いカレーは多数味わってきましたが、
それらを控えめにして、野菜のおいしさで勝負したカレーライスというのは初めてです。
これは間違いなく、カレー以外の料理で修行を詰まれた方だ、そう思い、伺ってみると、
案の定、京都のフレンチ料理屋で働いていたというのです。
だからこそ、フレンチ料理の繊細な味わい、野菜の優しい味わいを活かした、手間暇かけた味わいにこだわっているのです。
正直、相当手間がかかっているのは、味わってみてすぐに分かりました。
野菜がじっくり煮込まれて溶け込んでいる。ここまでじっくり煮込むのは時間がかかるだろうと思います。
トッピングの野菜もソテーされたりしているんでしょうか(フレンチに詳しくないのでこのあたり不明)、凄く食べやすくて、カレーに合っています。
刺激を求めるカレーではなく、野菜のおいしさをしっかりと味わい、優しい味わいのカレー。
まさに、京風カレーと申しましょうか、京都の和食やフレンチの繊細さを、しっかりと詰め込んだカレーライスです。
ご主人は「あまりスパイスに凝るのもなんだと思った」と話しておられ、まさに、フレンチの遺伝子を持って、
その繊細な味わいにこだわってカレーを作っているのが良く分かります。
京都にこのカレーライスあり、と申し上げておきたいです。
食育なんて言葉が出て来たこのご時世ですが、こういう旨い野菜のカレーを給食に出したら、
子供の野菜嫌いなんて一発でなおってしまうでしょう。そのくらい、野菜の使い方が素晴らしいです。
なお、このお店は、ご主人がフレンチ出身ということもあって、夜は、ワインとオードブルを出すそうです。
夜でも、カレー単品を楽しんでもいいのですが、ワインとオードブルを楽しんだ後、カレーでしめる、なんてお客さんもいらっしゃるそうで、
このカレーなら、大変最高の余韻が味わえると思います。
これまでいろいろなカレーを食べ歩いてきた僕ですが、この方向性のカレーに出会ったのは初めてです。
やはり、フレンチから入ったご主人だからこそ出来る芸当。
旬の野菜を使っているこだわりに感動した僕は、また夏の時期に訪問して、夏野菜でこのカレーを味わいたいと思います。
6位
1回
2014/10訪問 2014/11/04
※再訪2014.10.26 サバサンドを食べました
■初訪問 2014.10.04
大名の通りには最近、トルコ料理、特にケバブサンドのお店が増えています。
こちらのお店「アンゴラ」も最近オープンしたばかりですが、
このお店と同じ建物の中にスーダン料理の「ケバブーズ」もあり、
大名といえばどんどんうまいトルコ料理のお店が増えている印象です。
こちらは1階の若干奥まった場所にあり、僕の記憶が正しければ、
かつてはこちらはとんかつ屋だったと思います。
よって外観は、和風なのですが、店内はすごくおしゃれです。
居ぬきで入られたのかもしれなくてテーブルとかカウンターは和風なのですが、
壁に国旗とか、ペルシャ絨毯っぽいタペストリーが飾られていたり、
いい感じに落書き風の絵が描かれており、凄くトルコっぽいです。
僕は午後1時過ぎの訪問でしたが、一人で訪問したため、カウンター席に座りました。
メニューを拝見すると、トルコ料理としてケバブ料理や、
フムスなど、ピタパンにつけて食べる料理もありました。
最初僕はケバブピラフ\1000を注文しようとしたのですが、
メニューにファラフェル\500を見つけたので、ケバブピラフと一緒だと多いため、
普通のケバブサンド\500に変更して一緒に頼みました。
ケバブサンドには100円でドリンクがつけられるので、ザクロのジュースという
ちょっと珍しいのを注文しました。
最初にザクロのジュースが来ました。
ザクロは結構酸っぱい印象がありますが、シロップなどを入れているんでしょう、
甘さと酸味がバランスよくて良かったです。
そしてケバブサンドが来ました。
ご主人が肉を焼いている様子がカウンターからも見えましたが、
かなり本格的な量です。
近くにもケバブのお店はありますが、こちらはとりわけお肉の量が多いです。
また、味のバランスも考えて、キャベツやトマトと一緒に、きゅうりのピクルスも乗っています。
本当にピタパンにはさまれた具が大変多く、最初は具をフォークですくいながら食べて、
量が落ち着いてからピタパンと一緒に食べ始めました。
驚いたのが、お肉がよく焼けている上に、スパイシーであること。
この近隣では、こういうケバブはそれほどスパイスは使っていません。
カレー粉のような味わいですが、色付けのターメリックは使っていないらしく、
黄色くはありません。
「お口にあいますか?」と聞かれたので、スパイスが効いているのがいい、と話すと
喜んでくれて、「7種類くらいのスパイスを配合しています。
これがトルコ本場の味なんですよ」と教えてくれました。
「よその、名前は伏せておくけども、ケバブも視察で食べたけれど、
全然現地風じゃない」とも話してくれていて、
現地風の味が好きな僕は賛辞を送りました。
そして次にファラフェルサンドを作ってくれました。
ファラフェルは、ピタパンなしで提供することもできるが、
どちらにしても値段は一緒と言われたので、ピタパンにはさんでもらいました。
ファラフェルというと、イスラエル料理とか、ターメイヤと呼ばれるエジプト料理を思い出しますが、
ひよこ豆かソラマメを使ったコロッケ、と知ってはいたのですが、
これまで経験したことがありませんでした。
「ひよこ豆のコロッケ」とでも言いましょうか、玉ねぎやパセリで食感と味を調え、
コリアンダー(多分)などのすーっとする系のスパイスの味がしました。
ひよこ豆は軽くつぶされているだけで、こちらの食感が大変いいです。
揚げる油も植物油をつかっているそうで、現地ではベジタリアン向けとしても愛用されているようです。
ファラフェルは大変おいしいです。本格的なトルコ料理というと、
西新のミスターケバブを思い出しましたが、メニューにあったかどうかは覚えていません。
一発で気に入ってしまいました。
ただ、どうやらファラフェルは現地味と言っても、いろんなアレンジがあるようで、
たとえばひよこ豆の代わりにソラマメを使うとか、ほかに入れる素材の違いとか、いろいろあるようです。
ごちそうさまでした。
トルコ料理のお店は何軒か入りましたし、大名にやたら密集しているのですが、
こちらのはこれまで味わったことのない現地味で、
ご主人は「よそのお店は日本人向けに味を変えている、うちはあくまで現地味で行く」と
話してくれたので、僕はその姿勢に対して賛辞を送りました。
どうやらこのお店の他の看板メニューは、サバサンド\700という、一日限定10食が
あるそうで、次に入るならぜひ食べてみたいと思います。
本当に、トルコ料理が増えている中、ついに真打が現れたか、といった感慨にふけりました。
トルコはイスラム教徒が多いため、飲酒は出来ないかと思いきや、
ESEFビールや、RAKI(ラク)などが置かれており、夜の訪問ならこれらおすすめですね。
しかも、シーシャという水タバコも準備しているようなので、
夜はバーの感覚で楽しめると思います。
最後に個人的な話を。
最近僕の周辺がどたばたしている中、食べ歩きが出来ず、1週間ぶりくらいに外食で入ったお店ですが、
エスニック料理好きの僕を魅了してくれて、元気をくれました。
カレーが好物の僕ですが、妙に最近、トルコ料理にも惹かれつつある僕です。
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■再訪 14.10.26 サバサンドを味わう
前回の訪問で、ご主人からも薦められて気になっていた「サバサンド」。
今回、こちらを味わうために再訪しました。
お店の外には「一日10食限定」とあります。
どうやら相当人気が出ているようで、午後2時前には売り切れることもあり、
特に日曜日は、仕入れている鮮魚市場の水揚げが休みのため、日曜日はすぐ売り切れるそうです。
現に僕の注文後、二人の若者がサバサンドを頼もうとしたけれど
残りが1個だ、と言われて出ていく様子も見られました。
カウンター席に座ったので、サバを焼いている様子が見えました。
うまそうな匂いが漂ってきます。
鮮度もよさそうだし、期待できそうです。
そして、出て来たのは、ホットドッグ風のパンに、サバが挟まれたものです。
それにトマトや、ピクルス風の酸味ある人参の千切りが挟まっています。
早速食べてみると、サバの旨い味わいと柔らかさ、パンを合わせた食感が凄くいいです。
味も、塩味と、ほのかな酸味があり、サバとの相性が大変いいです。
サバには若干小骨が残っていますが、それもまたよし、といったところです。
ご主人に大変おいしいと伝えると、
「サバは塩と酢で味付けられているだけ」と答えてくれました。
そう、味付けはシンプルなのに、素朴な味付けが、
サバという素材の旨みを最大限引き出しています。
これが完全に現地の味なのだそうです。
ごちそうさまでした。
これと一緒にアプリコットジュースを100円で付けてもらったあと、
食後にサービスでトルコの紅茶を出してもらいました。
サバサンドについて、最初は「青魚を挟んだサンドってどうなんだろう」と思いましたが、
何もてらっておらず、素材の味で勝負して、ここまでうまいのは感激です。
一日10食限定のようですが、今後口コミで広まると、開店後すぐ売り切れ、
なんてことにもなりそうです。
興味がおありの方は、ぜひ早目に訪問して味わってみてください。
7位
1回
2014/10訪問 2014/10/30
中央区の高砂にあるお店です。
駅からは若干離れていますが、薬院駅からの徒歩圏内にあります。
こちら、かつてはラボラーチャと名乗っていましたが、
最近エルボラーチョ・ロスティに改名されたようです。
エルボラーチョと言えば、大名にある人気店ですね。
何が凄いって、料理も最高ですが、
接客が最高に良いですし、テキーラも加わってアップテンポになれることです。
そういうわけで、少し気持ちが落ち込んだときは、
僕はメキシカンのお店に入ることにしています。
こちらのお店も、接客が凄くアップテンポで幸せになれますし、
詳細は後述しますが、どうやら最近、自家製のテキーラを開発したらしく、
これがかなり絶品でした。
まずお通しが来ました。
サルサソースとトルティーヤチップスです。
このお通しはエルボラーチョ全店共通のようですね。
さくさくしており、お酒にも合います。
最初のお酒は、定番のコロナビールにしました。
ライムがついてきますので、絞るのがコツです。
店員さんがよく話しかけてくれるので、凄く盛り上がれます。
料理については、他のエルボラーチョにはない、
このお店こその料理を、と相談したところ、
「それならくるくるポジョがいい」と勧めてくれました。
くるくるポジョは、メキシコ流の鶏の丸焼きで、
フルサイズを頼むと鶏一羽の丸焼きになるようですが、これは9~10人分だそうです。
そこで、クォーターにしてもらいました。
4分の1でも、2~3人前とあって少し分量が多いのですが、
多少大食いの人なら問題なくいただけます。
カウンター席だったため、鶏肉を焼く様子が逐一見られましたが、
本当に笑顔で調理しており、ああ、調理そのものを楽しんでいるんだ、と
素敵な気分になれました。
出てきたくるくるポジョは、焼き加減もよく大変うまい鶏でした。
秘伝だというスパイスもほんのり効いており、
胸肉から、手羽元、手羽先までついてきて、
これにサルサソースを付けて食べると、大変良いです。
ビールを飲み終わったので、次のお酒を探していると、
店員さんが、今月限定のテキーラカクテルを薦めてくれました。
「テキーラスプモーニ」という、
グレープフルーツとテキーラのカクテルだそうです。
出てきたカクテルは、きちんとグラスのふちに塩が塗ってあり、
大変グレープフルーツがジューシーであるため、
度が高そうなのに、さらりと飲めてしまいました。
酔いが回るのが早くて、いい気分になりました。
このカクテルに合う料理として、魚介類はどうかと薦められました。
このお店は、メキシカンのうち、魚介類も扱っており、
確かにエルボラーチョの他の店舗でも、マリネなどが大変うまかったです。
魚介類メニューの中から、「アグアチネ・ネグロ」を選択しました。
鯛の刺身とエビが入って、イカスミで黒くなっているマリネです。
福岡だけあって、魚の鮮度は素晴らしいです。
鮮魚市場から仕入れてきたのでしょうか、やはり魚がおいしい土地の
メキシカンだな、と実感させてくれました。
次はいよいよテキーラに行くことにしました。
僕が、ゴールドかレポサドでよさそうなのを、と尋ねると、
「それなら自家製のやつがおすすめですよ」と薦めてくれました。
その名も雫(Shizuku)。
なんでも、エルボラーチョだけで扱っているオリジナルテキーラで、
「日本人の口に合うテキーラ」がコンセプトだそうです。
というわけで、雫レポサドを頼みました。
「ロックかストレートがいい」と僕が話すと、
それなら「ストレートがいいですよ」と薦めてくれましたので、
ストレートで行きました。
出てきた容器は、下の方にサボテンの形の突起があり、
見た目にもこだわっていますね。
そして少しずつ、口に運んでいきました。
さすがレポサド、味わいに奥深さがあり、
しかも、酔いの回り方が大変良いです。
アップテンポになれて大変良いのですが、
特筆すべきは、酔い方。
他のテキーラが一気に頂点まで行くのに対して、
こちらの雫は、少しずつ酔いが回って行って、
少ししたら頂点に達する、そんな酔い方なのです。
確かにこれは、日本の焼酎とかに似た酔い方だな、と感じました。
恐るべし、エルボラーチョ、オリジナルの和風テキーラ。
チェイサーも出してくれましたが、結局必要ありませんでした。
もう1品くらい食べたい、肉と魚の後なので、穀物類を、と話すと
薦めてくれたのが、今月限定のブリトー「アバ・アラ・メヒカーナ」でした。
ソラマメと鶏肉、トマトを使い、ハバネロソースの入ったブリトーです。
口に運んでみると、ペーストされたソラマメに、トマトの酸味と辛さがよく合います。
ソラマメの食感と鶏肉、ブリトーの食感が大変よく合います。
ハバネロソースも結構入っており、辛いのですが、他の穏やかな味わいに
アクセントを加えてくれます。
どうやら、メキシコ国旗の緑、白、赤をイメージしているそうで、
珍しい味わいで、僕は大変気に入りました。
ごちそうさまでした。
お会計は4750円でした。
料理もいいのですが、店員さん達が笑顔で仕事していて、
話しかけてくれるのが大変いいですね。
カウンターだったので、料理担当の方からも「いかがですか」って
聞かれたりして、まだ口の中に食べ物があったので、無言で
親指をアップして「グッド」のポーズを取りました。
店員さんもハッピー、そして僕もハッピーになれました。
今後も、せからしい(博多弁で面倒くさい、しんどい、うるさいなどの意味)事があったら
またメキシカンのお店に入ってハッピーになりたいと思います。
8位
1回
2014/10訪問 2014/10/26
東京駅から徒歩圏内にある南インド料理のお店です。
外の看板にも「南インド料理」とあります。
この日、僕は所用で地元福岡を離れ、東京に来ていました。
福岡市には、本格的な南インドのお店が皆無と言っていい状態で、
博多もんの口にはミールスは合わないのかな、なんて失望していました。
都市圏から少し離れた中間市にKALAというお店があり、
こちらのミールスが福岡の一番でしょう。
一方、東京には南インドのお店がたくさんあり、
東京駅から徒歩圏内にあるこのお店にまずは入りました。
今回はあまり自由に行動できる時間がなかったため、
インドカレーの食べ歩き、とはいかずとも、3軒のインドカレー屋さんに
入ることが出来ました。
今回の入店は夜、午後5時過ぎでした。
店内は青色でシックな感じになっており、
僕が最初の客でしたが、その後次々に人が入ってきて、
かなり店内は賑わっていました。
メニューを拝見しても、ミールスはもちろんですが、
ドーサやワダなど、南インドを代表するものが並んでいました。
早速、ミールスを注文することにしました。
ベジとノンベジがありますが、今回はノンベジを注文しました。
出てきたミールスはかなり本格的なものでした。
サンバルやラッサム、
そして、チキン、魚、えびのカレーがありました。
えびはカレーというよりポリヤルに近い感じでした。
少しずつ口に運んでみます。
カルダモンシードなど、ホールスパイスがたくさん使われています。
南インドらしく、素材の味を活かしつつ、
スパイスをきかせたうえで、結構な辛さですが、うまいです。
これにパパトと、プーリー(多分)が2個ついてきます。
まずはこれらをカレーに漬けながら食べ、
その後、バスマティライスに残った具を全部流し込んで混ぜて食べました。
ご飯に全部混ぜて食べるといい、というのは、
前述の中間市のKALAのおかげで知りました。
それまで、僕は混ぜるのに抵抗があったのですが、
今では全部混ぜて混ぜて、絶妙な味の変化を楽しむことが出来ました。
しかもこのお店、サンバル、ラッサム、ライスのお代わり自由、というのに驚きました。
僕の地元福岡でも、北インドカレーは過当競争になっており、ナンのお代わり無料を
謳うお店がおおいのですが、
東京では、ミールスも出している数が多いのでしょう、
こうやってお店ごとに切磋琢磨しているのが凄いと思いました。
ごちそうさまでした。
あまりにうまいため、一気にいただいてしまいました。
辛いのですが、辛さを乗り越えた先にある旨みが強く、
まさに南インドの特徴を活かしているお店です。
また、本物のバナナの葉が敷かれているのもこだわりを感じました。
南インドの本場ではバナナの葉に載せられているのは知識としては知っていましたが、
大抵、バナナの葉を模したお皿などで提供されるため、
こういうところにもさりげないこだわりが感じられました。
やはり、東京は、人口が多く、お店が多く、それゆえに名店も多いのでしょう。
東京駅から歩いて行ける場所に、このような良いお店があるのが凄いです。
今は福岡に戻ってから口コミをしたためておりますが、
また東京に行く機会を心待ちにしてしまう僕がいます。
9位
1回
2014/03訪問 2014/03/19
初体験のミャンマー料理は、お茶の葉やヤギを使った珍しい料理の数々だった
ゆいレールを安里駅でおりて、大通りに向かうまでの間に、アーケードになった通りがあります。
それが、栄町市場。僕の地元、福岡の人なら、柳橋連合市場なんかを想起させる、大変、人情味のある通りです。
僕がホテルに向かおうと通っていたのは午後7時過ぎ。安い居酒屋が数多く軒を連ね、
常連さんと思しき人達の談笑する声がお店の外にも漏れ聞こえてきて、大変素敵な雰囲気に浸れます。
そんな中、ちょっと変わった看板を出しているお店を見つけました。
何でも、ミャンマー料理のお店、だというのです。
僕は、地元福岡で、東南アジア料理が好きで、結構食べ歩いてきました。しかし、ミャンマーは未経験。
しかも、店頭のメニューを拝見すると、なんだか珍しいメニューも多々ある。
お店の前では、オーナーさんと思しき男性が、近くを通りかかった人に説明しています。
こうやって、お店の魅力を伝えて客を呼び込んでいるのです。いいですね。
僕が事情を話して伺うと、こちらのお店はミャンマー人の料理人がやっているのですが、
ご主人もミャンマーに行っており、それでこのお店を開いたんだそうです。
ミャンマー料理の、東南アジアのほかの地域との違い、特徴を伺うと、
食材が、川魚、特になまずを使うこと、また、お肉も、豚、牛、鶏に加え、ヤギもよく使うんだそうです。
沖縄でも、ヤギ汁など、かつてはヤギはかなりポピュラーな食材だったということもあり、
ミャンマー料理と沖縄は、意外と接点があるんだ、と話しておられました。
店内は、かなりお客さんが入っています。ご主人のアピール力の賜物でしょうか。
伺うと、結構地元の常連さんがいらっしゃってるそうです。
早速、僕も入店することにします。
まず最初に驚くのが、値段の安さ。サラダとかは350円とかで、カレーも550円、
ミャンマービールも500円と、大変安くなっています。
東南アジア料理って、どこも1品が1000円前後するところが多いですよね。
ご主人によると、この価格設定は、やはり、場所を考えてのことなんだそうです。
普段、こういうお店に入らない人でも、気軽に入れる価格設定にしているんだ、ということです。
実際、値段の割に、かなりの満足感があり、他の東南アジア料理屋のように、希少価値で高くするのではなく、
あくまで競争相手は近くの居酒屋なんだ、って姿勢が凄くいいと思います。
早速、ミャンマービールと、いくつか、ミャンマーらしい珍しい料理を、ということで、
頼んでみることにしました。
・ミャンマービール\500
缶の状態で提供されます。飲んでみると、かなり麦のコクがあり、のどごしも良いです。
それでいて、さらりと飲めて、大変飲みやすく、料理に合いますね。
これはおすすめです。
・やぎジャーキー\350
メニューによると、癖になってリピートする人続出中、なんだそうです。
独特の癖があるけれど、それがいいんだとか。
実際、出て来て最初にほんのり香るのが、羊肉に似た香りだけれど、馬肉とも猪肉とも付かぬ、独特のくせ。
しかし、ジャーキーにすることで、そのくせはかなりおとなしいんでしょう。
実際、凄く食べやすいです。ジャーキーなので、口の中でよく咀嚼すると、ほんのり、ヤギの癖が感じられます。
自家製なんでしょうが、竹に巻かれているなど、燻製のやりかたもうまく、
確かに僕もリピートしたくなりました。
・お茶の葉サラダ\350
ミャンマーにあるお茶の葉を使ったサラダといいますが、日本の緑茶にも似た品種なんでしょうか。
出て来たサラダにのっていたのは、あのきゅうすで入れたお茶の葉の、お湯に漬かったビジュアルなんです。
しかし、これが、うまい。
お茶の葉をよく刻んで、油で炒めてあるんです。ピーナッツも一緒に炒めてあり、
お茶の葉のほんのりとした渋みとお茶独特の苦味が、油と塩味で引き立てられており、
それがピーナッツと一緒で面白い食感になっています。キャベツもコールスローのように和えてあり、
大変食感が面白いです。やはり、お茶の葉の苦味、渋み、そういうものが、油分と塩分とブレンドされると、
こんな面白い、そしてほんのりうまい、味わいになるのか!って感激しましたよ。
これは、ミャンマー独特の味として、是非多くの人に味わっていただきたい、物珍しい味です。
・ミャンマー魚カレー\550
カレー好きの僕は、ミャンマーカレーも注文することにしました。
チキン、ポーク、魚など6種類あるのですが、ルウは共通で、トッピングの違いだけだそうなので、
気になる方はどれを頼んでも大丈夫です。
僕は魚にしましたが、白身魚で、川魚独特の脂がのっていて、なんだろう?と思って伺ったら、
なんと、なまずなんだそうです。
ミャンマーでは川魚が大変メジャーで、モヒンガーというなまずのスープもこちらのお店のメニューにあるそうです。
川魚特有の癖は取り除いてあり、大変食べやすくなっています。
カレーの方は、日本人が好みそうなカレーライスの味で、少しスパイシーに作ってあります。
具も、じゃがいもやにんじんなど、実に日本の王道の具です。
どうやらこれは、日本人の口に合うようにアレンジされているようで、
現地のカレーライスは、もっと日本人に馴染みのない具を使うし、大変脂っこいんだそうです。
または、スープカレー状のさらさらしたものもあり、大きく分けて2種類だとうかがいました。
脂っこい方のカレーは、塩辛さも強いそうです。まさに、暑いところ特有の、塩辛い料理、というわけですね。
僕はその現地味の方が食べたかったので伺うと、注文時に言ってくれれば、現地味で出すことも出来るそうで、
現に、常連さんは現地味が気に入って、いつも現地味でオーダーしている人も結構いるとか。
僕も次に訪問するときは、現地味で食べたいですね。「ランチもやっているから明日来たら」と誘われたのですが、
あいにく今回の訪問では再訪出来ませんでしたが、ぜひまた立ち寄りたいお店です。
ごちそうさまでした。
懐かしいお店が軒を連ねる場所で、異国情緒溢れる料理を提供するお店、それでいて、
他の居酒屋と同じように、エスニック料理が不慣れな人でも、懐深く受け入れる、素敵なお店でした。
現地味で、とオーダーすれば、エスニック料理を食べ歩いた人でも満足しそうなのも、興味深いです。
なお、このお店が、僕の食べログでの、記念すべき700番目の口コミとなります。
沖縄で出会った、思い出深いお店を、700番目とさせていただきました。
10位
1回
2014/01訪問 2014/01/03
こだわりの納豆を使った、納豆尽くしの居酒屋メニュー。何と納豆スイーツまである!
2014年の年明けの1月2日、天神で用事を終えて薬院で夕食を食べる場所を探していると、納豆料理専門店を発見しました。
場所は薬院駅の高架下からモスバーガーに向かう途中、スイス料理 ハウゼが入っているビルの同じフロアです。
まだ年末年始休業のお店が多い中、こちらの納豆料理専門店は開いていたので、入ってみることにしました。
実は僕は、このお店は、かなり前から存在を知っていました。
奇食の館という、変わった食品や料理を扱うサイトで紹介されていたからです。
このサイトでは、名古屋のマウンテンの、あつあつのスパゲティの上に生クリームや果物を載せた料理や、
愛媛の道後温泉の近くのとんかつパフェを出すお店などを紹介していました。
こちらのお店も、納豆料理専門、納豆スイーツまであるということで、かなり大きく取り上げられています。
つい最近まで、こちらのお店は浄水通りにあったようですが、そこは高級住宅街。
なかなか通らない場所のため、訪問の機会を伺っていた状態ですが、昨年10月7日にこちらに移転したようで、大変アクセスが良くなりました。
ご主人に話を伺っても、こちらに移転してから、ランチで近所のビジネスマンが気軽に入ってくるようになったり、
遅い時間でも、飲みのシメなどに入ってくるようになったそうです。
実際、こちらで食事をして思ったのは、納豆に結構いいものを使っているようで、食べやすいため、
一発ネタに終わっておらず、納豆が食べたい人の需要にしっかり応えているということでした。
このため、常連客がつくようになったのだと思います。
また、料理の食材や味付けを見ても、納豆の味わいを様々な角度から引き出せるように、それぞれ創意工夫が凝らされており、
本当においしい納豆料理を提供しようという心意気を大変強く感じました。
このお店を開いた経緯は、マスターが大変な納豆好きで、水戸にも足を運んでいたと言いますが、
本場の水戸には、納豆料理を出すお店はあっても、それ専門のお店はなく、ならば自分で始めた、ということだそうです。
結果、創作メニューが多くなり、ついには納豆のスイーツまで作り上げたわけですが、
恐らくこれは日本中探しても、ここだけだろう、とのことです。調べていませんが、僕もそれは多分間違いないと思います。
メニューを拝見すると、ラインナップは居酒屋料理が一通り網羅されています。
お刺身にサラダにコロッケなどの創作料理、ご飯物にパスタ……しかしその全てに納豆が使われているのです。
(一応、納豆なしメニューも準備はされていますが)
ドリンクは大変一般的なものが並んでいるため、ご主人に納豆に合うお酒を伺ったのですが、
特に特別なものはないとのことであり、お勧めっぽいスパークリングワインにしました。
その後は生ビール(エビス)にしました。納豆で口の中がねばねばするため、ちょっと度の低いお酒で口の中を洗い流すのが
いいのかな、と個人的には思いました。
今回頼んだ料理は以下のとおりです。
・馬刺しの納豆ユッケ\980
出て来た見た目は、実に普通のうまそうなユッケですが、実は中にひきわり納豆が隠されています。
生卵と一緒に混ぜていくと、納豆が出てきて、いい具合に混ざります。
ユッケの食感と、納豆の食感、そして、納豆の独特の匂いが混ざり、そこに納豆のタレで味が調えられています。
あまりねばねばしすぎず食べやすく、それでいてユッケの味と納豆の旨みがある。最初の納豆料理は、かなり好印象でした。
以下、全体的に、こちらで使っている納豆は、我々がいつもスーパーで買っているものより、高級品だと感じました。
食感が良く、糸の引き方が上品で、大変食べやすかったのです。納豆単品や納豆ご飯もメニューあるので、興味のある方はどうぞ。
・和風クリームチーズ納豆\590
とりあえずの一品の中から、一番味が想像できなかったこれを選択。
出て来たのは、納豆とチーズがドレッシングのかかったサラダの上にグレープフルーツと一緒に盛られたものでした。
納豆とチーズだけだと、酸味が足りずにしつこくなるため、そこに甘酸っぱさを整えているのがよいですね。
納豆のタレの代わりに爽快なドレッシングを使っているのもいいです。
それでいて、チーズの甘さと、納豆の独特の匂いと食感が損なわれておらず、むしろ果物の酸味と一緒だと
納豆はここまで新しい味わいになるのか、と感激しました。意外性を楽しみたい人にはおすすめです。
・カリカリ納豆コロッケ\580
このお店の一番人気なんだそうです。コロッケの上には粉チーズ、お皿にタルタルソースが敷かれており、
見た目にもかなりこだわっています。
コロッケの中を開けてみると、納豆はポテトと一緒にマッシュされており、形はあまり残っていませんが、
それでも、独特の匂いがポテトに混ざってほんのりとします。
こちらのコロッケは、納豆は脇役扱いに近いのですが、それでも、いつものコロッケに独特の味わいを醸しだしており、
タルタルソースの旨みや酸味とあわせると、大変合うことが分かります。
いつもは、添付のタレで食べていた納豆ですが、まさかタルタルソースとあわせてコロッケとして食べると、
こんな新しい味わいなのか、と。
・納豆家チャーハン\680
ご飯物の中でお勧めしていただいたメニューです。見た目は普通のチャーハンですが、
テーブルに置かれた時点で納豆の香りがほんのりします。
中を開けると、かなりの量の納豆が形のまま使われており、ほんのりと粘り気が感じられます。
チャーハンにはかつおぶしと刻み海苔がかかっており、ベーコンやマヨネーズなどを使ってこってりさせていますが、
ご飯自体はそこまで脂っこくありません。
刻みネギなどとあわせて、納豆ご飯のあのうまさが感じられるチャーハンです。
納豆は火を止めてから入れられたのでしょうか、納豆独特のあの匂いの主張が爽快です。
スイーツの前にもう1品頼みました。
・納豆のガーリックバター炒め\590
納豆とベーコンをガーリックバターで炒めた料理で、キャベツやミニトマトの上に載せられ、上には刻みネギがかかっています。
まさに納豆がメインの、納豆の味を楽しむための料理だといえますが、
納豆の強さに負けないために、ガーリックバターも味をかなり強く利かせてあります。
結果、納豆の味とガーリックバターの味が大変強く主張しあい、大変強力で濃厚な味わいとなっています。
野菜が敷いてあるのは、これを一緒に食べて、味のバランスを取るためでしょうね。
こちらは、納豆の味わい、それも新しい方向性を楽しみたいという方にはおすすめです。
そして、待望の、スイーツです。
・納豆チョコロールケーキ\280
恐らく日本でここだけであろう、納豆スイーツ。これの他には、納豆アイス、納豆ガトーショコラ、納豆モンブランなど多数あります。
一緒にほうじ茶をだしてくれましたが、「納豆は入ってませんが」と断りつきで出してくれたのがほほえましくてよかったです。
お酒を飲むため、普段甘い物は食べない僕ですが、チョコレートの苦味が心地よく、大変食べやすいですね。
そして、納豆が粒のまま入っており、納豆の独特の味わいと、チョコレートの苦味が、大変マッチしているのが分かります。
それらがクリームの甘味と、妙に合うんですよ。
まさか、チョコとクリームに納豆の味わいがここまでマッチするのか、と意外性に驚きました。
ごちそうさまでした。
ご主人の納豆に対するこだわりと、そこからくる、味わいを最大限に考慮して、
ある料理では納豆の味を前面に出して、またある料理では脇役的に納豆を出して際立たせる、そんな様々な納豆の味の魅せ方に、
まったく退屈することがありませんでした。
この納豆の味わいの魅せ方で思い出すのが、イタリアンでのブルーチーズの使い方ですね。
独特の癖がある食材を、その癖をどう魅力的に料理に生かすか、という創意工夫。
まさに、こちらのお店も、納豆に関して、かなり高いレベルで、それをやっていると感じました。
お会計は多めに食べたため、4700円くらいとなりましたが、こちらのお店には一人2100円からのコースもあり、
3000円前後の予算を考えておけばいいのではないでしょうか。ランチもやっているようで、そちらで気軽に味わうのもよさそうです。
納豆といえば、お肉を食べない精進料理でも豆腐や湯葉などと一緒に良質なたんぱく質補給に使われる食材。
その納豆の、新しい境地を垣間見た気がしました。
イロモノとして捉えられがちなスタンスでしょうが、かなりの本気を感じましたよ、僕は。
ぜひ、若い人がネタで宴会で盛り上がってもいいでしょうし、健康に興味のある方が納豆を食べに訪問してもいいでしょう。
薬院駅近くにやってきたこちらのお店、僕は今後も注目してまいりたいと思います。
2013年は、福岡市にあるお店を中心に回っていた僕ですが、
市内はある程度行きつくした感が出てきたこと、
そして2014年は、仕事の用事もあって、京都や東京に行くことが増えたため、
ここぞとばかりに、出先で食べ歩いていました。
また、地元の飯塚のお店についても、発掘のために訪問しました。
そんな中から、特に印象深かったお店を選びました。
1位のKALAについては、南インドのミールスを出してくれるのですが、
遠くからでも足を運ぶ価値があると思います。