©Loroさんが投稿したつる幸(石川/金沢)の口コミ詳細

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Loro piana。の食べ歩る記 備忘録

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閉店つる幸北鉄金沢、金沢/日本料理

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2010/10 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

若女将の付かず離れずの丁寧なサーヴィスに感謝 … 懐石 『つる幸』。

金沢二日目の昼餉は今回の遠征の目的のひとつ"金沢一"とも称される名店"つる幸"さんで戴きたいと思い
事前予約の上の訪問、一見客に対しても実に丁寧な出迎えを戴き流石、金沢百万石一の料亭であると感心
するも束の間、通されたのは黒塗りのテーブルが置かれた左手に坪庭が臨むことが出来る個室へと案内して
戴いたことに、またまた感激、恭悦至極ナリ、先ずは おぶが一服供され飲物は何かお持ち致しましょうか
と問われたのでビールを所望、一献どうぞと若女将に酌を戴いて昼の懐石コースの幕は切って落とされました。

料理は前菜の"鰤のルイベと銀杏煎餅"から、鰤の脂ののり抜群の腹身の部分を凍らせたものをおろし生姜と
程良い酸味の酢味噌で戴くのですが、これが思いのほか美味、銀杏をあたり棒で叩き素揚げにした銀杏煎餅
も小気味良い食感のものでしたし実に目出度い器が使われておりました。

続いて供された八寸は皿の上にならべられた手の込んだひとつひとつの料理に否でも応でも目が奪われます。
先ずは皿中央に置かれた菊の花に見立てた"烏賊の手毬ずし"の美しいこと、そして右上に置かれた"毬栗"に
見立てた一品のイガイガは玉子素麺を素揚げにしたもので実の部分は栗を一度裏漉しにして形を整え渋皮を
纏った栗のように見せる演出と細やかな仕事が施されたもの、他には酢橘を刳り抜いた果皮の器の中には鱩
(はたはた)の朧和え、ブルーベリー入りのカステラに絹かつぎの中にアンチョビーを仕込んだものブルーチーズ
の煮凝りと洋の素材を使いつつも和のテイストを感じさせる和洋折衷の料理と目と舌を愉しませてくれる緩急と
抑揚をつけた料理に思わず頬が緩み目も悦び舌も歓喜、紅芋のチップスを落ち葉に見立てた演出などからも
店主の美意識とセンスの良さを窺い知ることができました。やはり目に美しく映る料理は食べても美味しいです。

椀物は出逢いものの鱧と松茸を椀種に使ったものでしたが鱧はひと手間をかけて"鱧真丈"に"松茸"は能登産
のものを四分の一本分を使い存在感は充分、そして懐石料理の華であり大事な根幹である"吸い地"は雑味の
ない清らかですっきりと澄んだ味わいで"招福楼"さん仕込みの京都の"桜田"さんの吸い地を彷彿させる味わい。

そして造りの盛合せは二段構えで近海の海の幸が盛り沢山、鉢盛りの中には鮪赤身づけ、"ガス海老"、赤西貝、
鯛、鮪のトロに細魚、飾り重に直接盛られた炙り螺貝と甘海老といづれも上質、中でも金沢近郊以外では滅多に
口にすることの出来ぬ"ガス海老"の美味しさは甘海老をも凌ぐ味であり、金沢を訪れたならば、これを食べずに
して帰る手はないと改めて認識。
若女将より"甘海老"は"辣油"の方で味わってみて戴きたいと促され、そうやって戴いてみたところ此れは新発見
違和感のある組み合わせと思いきや実際に口にしてみると意外な味わいに驚き、既成概念に囚われぬ奇想天外
とも思える楽しいプレゼンにも感心させられた次第です。

焼物は自称ノドグラー的には王道である脂のりの良い、のどぐろをひと塩で焼いたものが戴きたいところでしたが
西京漬にされた焼物も酒肴と考えるならばアリかと…、蓋物には"蓮根餅の生海胆のせ"と小芋と山菜の素揚げと
続き、この時期の金沢の愉しみのひとつの"香箱蟹"、京都でいうところの"こっぺ蟹"であるのだが金沢の香箱蟹
といった方が何故か聞こえが良い、しかし金沢の香箱蟹漁の解禁日は11月1日からであり解禁日まで未だ数日の
日があり、ひょっとして密漁もの?と尋ねてみますと隣接する新潟で水揚げされたものとのこと、ということで厳密に
いえば地物の"香箱蟹"とは若干の味の差はあるのでしょうが例えば漁を終え半日の時間で水揚げされる香住の
柴山港のずわい蟹や津居山港のずわい蟹と一日以上の時間差で水揚げされた他産地のずわい蟹の味とのような
決定的な味覚の差は無い筈ですから口に出来ただけで有難やであります。

食事は"鮭と栗の炊き込みごはん"と赤出汁椀に彩色豊かな香の物に"いくらの醤油漬"、この"いくらの醤油漬"
を炊き込みごはんの上にかけると即興の"鮭の親子丼"風に…勿論そのまま戴いても美味しい炊き込みごはんで
ありましたが一度で二度の味が愉しめることはうれしいかぎりです。

食後の水菓子もフルーツのヨーグルトがけと和菓子の二段構え、お薄を戴いて昼のコース料理はひととおりです。

今回は昼餉での利用でしたが若女将さんが付かず離れずのフルサーヴィス、店主と二人で休日には京都へ足を
延ばし色々食べ歩きを楽しまれている模様、そんなこともあり料理談義についつい華が咲いてしまい若女将さんが
付きっ切りとなった次第、昼の料理だけを戴いて評価をするのは本意ではありませんが、この料理内容で五千円、
アルコール代を加えても八千円ほどですから総合評価は★★★★★(5.0)の評価とさせて戴きました。

本来はメモリアルのレビューには當店のような店をレイティングするのが相応しいと思いましたが従来通り時系列
順を遵守するスタンスに従ってレビューをさせて戴いておりますので、その辺は御理解くださいますよう(笑)

  • 鰤のルイベと銀杏煎餅。

  • 八寸。

  • 何はなくとも先ずはビール(笑)

  • 手が込んでます。イガイガは玉子そうめんを揚げたものです

  • 松茸と鱧真丈の椀。

  • 造りは鮪赤身づけ、ガス海老、赤西貝、鯛、鮪トロ、細魚。

  • 炙り螺貝、甘海老。辣油と出汁醤油を使い分けて。

  • のどぐろ西京焼。

  • 器使いも素敵です。

  • 蓮根餅の海胆のせ、小芋の素揚げ。

  • 香箱蟹(こっぺ蟹)。

  • もずく酢とかに酢が添えられ

  • 鮭と栗の炊き込みごはん。

  • 香の物。

  • いくらの醤油漬も供されます。

  • いくらをのせて鮭の親子丼

  • いくらの醤油漬と赤だし椀、食事の全体はこんな感じです。

  • フルーツのヨーグルトがけ。

  • 和菓子。

  • お薄。

  • 楊枝は黒文字です。

  • 目出度い器です

  • おぶ。

  • 煎茶。

  • 出汁醤油を御持たせで戴きました

  • 看板。

  • 店の外観。

2011/01/29 更新

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