©Loroさんが投稿した赤坂 詠月(東京/赤坂)の口コミ詳細

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Loro piana。の食べ歩る記 備忘録

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赤坂 詠月赤坂見附、赤坂、溜池山王/日本料理

1

  • 夜の点数:4.0

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2011/03 訪問

  • 夜の点数:4.0

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

赤坂で尿酸チックな夜の宴 … 『詠月』。

三月に伺った料理店の中で記憶の中に最も強く残った店がソシアル赤坂の四階という意表を突くロケーションに
店を構えられていた當店"詠月"さん、店主の"岩崎 秀範"さんは京都でも知る人ぞ知る割烹"あじ花"さんで店主
である"田中元章"さんの下で腕を磨かれた方であり『滋味優先の料理』のイロハを身につけられている都内でも
数少ない料理人のひとり、畏友から久しぶりに良い店を見つけた。と奨められた料理店で當日は常日頃から京都
で美味しいものばかり食べている某女史を誘って初訪させて戴いた。

料理は『飯蛸』を炊いたものから、飯蛸の胴の部分には飯(たまご)がびっしりと詰まっており口の中に飯が広がる
春ならでは旬の味わい、飯蛸の持ち味を引き出すような淡い味付で上々、飯蛸の由来は胴の中の飯の形が米粒
に似ていることから"飯蛸"と呼ばれるようになったと云い伝えられています。
普通の蛸や烏賊ならば、たまごを抱えていると"子持ち"と呼びますが『飯蛸』の場合は『たまご』=『』と呼びます。
決して子持ち飯蛸とは云いません(笑)

焼き蚕豆』は外皮が焼かれ中の蚕豆は蒸し焼きとなりホックホク、京料理では食べられないものを客に供すること
はないので外皮も問題なく食べられる筈ですが過去に試してみたけれど美味しくないので中の蚕豆だけを戴きます。
焼き枝豆を蚕豆に置き換えたと思えば判りやすいかと…。

椀物には好物である『○吸い』、『』=『』であり鼈の吸物のことを通称『○吸い』と呼ぶのですが當店で供された
○吸いは"あじ花"さん譲りの滋味優先の味わい、帝都 東京に居ながらにして心は既に京都。鼈のエンペラーから
首肉、肝臓に丸太切りにした焼き葱が使われており色々な食感が愉しめる完成度の高い『○吸い』でした。

造りは『赤貝』、『』、活けの『車海老』の三点盛と別の器で『海胆』、赤貝は活けの貝から剥いたもので紐の部分は
勿論のこと『』までと余すところなく供されましたが赤貝は香り高く身には弾力があり肝まで美味しく戴きましたし鯛
は腹の部分で食感も味も申し分のない上物、昼に某処で供された鯛の薄造りとは全く対極のものであり京都の目線
で選ばれた、これぞ鯛の造りと呼べるもの、車海老は尾の部分を熱湯に入れ赤く色づけられたもの活けの車海老の
身はコリコリとした食感とほのかな甘みが醍醐味、海胆は明礬の味がする板うにではなく塩水漬にされたもの、身が
しっかりとしており甘みもあって美味しいものでした。

焼物は『真魚鰹』の西京焼、皮目からゆっくりと弱火で焼かれたもので身はしっとりとしており美味、次いで供された
小鍋立ては春に旬をむかえる白魚を使った『白魚の玉〆』、九条ねぎにたっぷりの白魚をふんわりゆるゆる絶妙な
玉〆加減、好みで黒七味か粉山椒をふりかけ味わいますが、これもしみじみ美味。

ここまでの料理は奇を衒わぬ日本料理の流れで来ておりましたが次に供された油ものが変化球の『ビーフコロッケ』、
流石に一瞬、驚きましたが鹿の子揚げ風にザックリと生パン粉で揚げられたコロッケは塩で味わうと男爵芋の甘み
が増しこれはこれで旨いから難いことは抜きで…変化球の後は"あじ花"さん譲りの『汲み上げ湯葉』、『粟麩の胡麻
味噌焼
』と素朴な料理ながら京料理の真髄を感じさせてくれる料理が続いた後、再び『牛肉網焼き』、フルーツトマト、
焼きチーズ』と遊び心を感じさせる料理が続き、そしてひと呼吸措いて供された『毛蟹』、毛蟹は一般的には冬が旬
と思われがちですが三月の流氷明けの毛蟹の味は格別、身の詰まり具合もさることながら蟹の身の味が濃厚です。
天盛りにされた『蟹みそ』も甘みがあってクリーミーな味わいに感激、思わず日本酒の速度が加速してしまいますが
更に大好物の『河豚の白子焼』で追い討ち、外は香ばしく中はトロトロととろけるような口あたりで味は超濃厚であり、
目を閉じると口福の瞬間が訪れます。たぶん今年の食べ修めであろうと思われる『河豚の白子焼』はうれしかった。

〆の食事は時間を見計らって土鍋で炊き上げられた『鯛めし』、香の物には勿論『紫葉漬け』入り、『鯛めし』は『
の方は奥のテーブルの団体さんへ自分達には『中骨』で炊かれたものが供されましたが見栄えは間違いなく『』の
方が立派に見えますが実は『中骨』の方が旨味がでて味はワンランク洗練されているように個人的に思うので歓迎、
香の物には抜かりなく『紫葉漬け』がつけられてました。『鯛めし』と『紫葉漬け』の組合せは『鰻重』と『奈良漬』と同じ
ように双方の味を昇華させる気っては切り離せない黄金の組合せ、食べ切れぬ分はオミヤにして戴いて翌朝寝城
で朝餉として戴きました。食後の水菓子はイチゴの下に『自家製のキャラメル』というように遊びの要素を入れたもの。

"あじ花"さんで学ばれた京料理の基本がしっかりとされているから合間に変化球や遊び心のある料理を入れても
大きな違和感を感じずむしろ色々な味を楽しませて戴いて食後感も満足の行くものでした。
そして何よりも特筆すべき点は費用対満足度の高さでしょう、口にしたものの質や味、品数を勘案しますと赤坂の地
で壱萬円未満のコース料理でこれだけのものを供されるとは予想外だったので随分得をした気分にさせて戴き、ふと
湯島にある人気店の"くろぎ"さんが"湯島一二一"さんという看板を掲げられていた頃のことを思い出しちゃいました。
當店へは機会を見て間違いなく再訪させて戴きたいと思う一軒で噂以上の佳店に出逢え今宵も満足。

三月は他に広尾の"広尾一会"さん、"二戀"さん、四谷の"うえ村"さんの他に数軒の店へ予約を入れておりましたが
東日本大震災の関係で全て予約をキャンセルすることとなり順延となってしまったことが唯一の心残りでありますが
秋の風が吹き山海の食材が出揃う頃に改めて訪問させて戴く予定です。


  • 飯蛸。

  • 焼き蚕豆。

  • 椀。

  • ○吸い。

  • 造り三点盛(鯛 腹身、赤貝、活車海老)

  • 生海胆。

  • 真魚鰹幽庵焼。

  • 白魚玉〆(小鍋立)

  • 原了郭の黒七味と粉山椒をお好みで…

  • ビーフコロッケ。

  • 汲み上げ湯葉。

  • 粟麩の胡麻味噌田楽。

  • 牛網焼き、フルーツトマト、焼チーズ。

  • 毛蟹。

  • 酒器。

  • 河豚の白子焼。

  • 鯛めし炊き上がりました。

  • 香の物には紫葉漬けが勿論入ってます。

  • 食事は鯛めし。

  • 水菓子(イチゴの下には自家製のキャラメル)

  • 店の外観。

  • インフォーメーション。

  • 店はソシアル赤坂の四階。

  • オミヤの鯛めし。

2011/07/06 更新

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