©Loroさんが投稿した車力門 ちゃわんぶ(東京/四谷三丁目)の口コミ詳細

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Loro piana。の食べ歩る記 備忘録

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リニューアル車力門 ちゃわんぶ四谷三丁目、曙橋、四ツ谷/日本料理

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 3.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2012/03 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気3.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

荒木町 車力門通りの隠れ家です … 『ちゃわんぶ』。

塩竃の"千松しま"さんにて心づくしの昼餉のコース料理を堪能させて戴いた後、新幹線にて東京の寝城へと移動。
先祖の墓参りを済ませた後の夜の食事は荒木町の隠れ家であり大好きな"ちゃわんぶ"さんで友人と戴くことに…。

この日は型にはまったコース料理ではなく本来の割烹の醍醐味が愉しむことが出来る変則的な組立て、要するに
美味けりゃいいやん』方式(笑)

先付けはには好物である『鯖ずし』。鯖と舎利の比率は1:1の極めつけの黄金比、絶妙な〆加減で仕上げられた
鯖の味は勿論のこと舎利の一体感も申し分のないもの。久しぶりに美味しいと心から云える『鯖ずし』を口にする
ことが出来感無量。都内でこれ程まで完成度の高い『鯖ずし』を供される店はなかなか見当たらないと思う次第。

生誕記念日ということもあり蒸したて熱々の『赤飯』が供された直後の蓋物の中身は『鮑』の白味噌仕立の椀物。
』は大原産の『黒鮑』とのことで"千松しま"さんで昼餉に供された鮑の酒蒸しにも優るとも劣らない立派なもの。
口の中で程良い弾力といい昆布出汁主体の白味噌の味との相性も絶妙、天盛りにされた肝の磯の香りも味わい
の良きアクセント。箸休めには早春の味わいの『蕗の薹』、ほのかな苦さが何とも云えません。次の料理の合間に
酒肴として供されたのが『蛍いかの沖漬』、つるしこの食感が堪らない一品。

続いて供された『造り』の盛合せは『海胆』に『』に『初鰹』の三点盛、『初鰹』は敢えて『へぎ造り』と『平造り』という
二つの異なる切り方で供される辺りが『武澤』ちゃんの感性の高さ(笑)。同じ魚でも包丁の入れ方ひとつでこんなに
味覚の印象が異なるということを実践で楽しませてくれるのですから。真っ赤っかの『』の色合いを見れば鮮度の
高さは一目瞭然のことと思います。『』は適度に寝かせ熟成させられたもので旨味が頂点まで引き出されたもの。
口の中でダルンダルンと跳ね回る活かった鯛の食感も好きですがちょうど食べ頃を迎えた鯛の食感も堪りません。
海胆』は北方四島産の上質な『バフン海胆』の板うにでしたが口の中に広がる甘みは塩水海胆の比にあらず…。

造りで供された初鰹の腹須の部分は香ばしく焼かれ酒肴に早代わり、適度にのった脂の旨味と鉄味のバランスが
とれており酒が思わず進みます。魚の焼物はこれを入れて三タテの猛攻、食べ応えのある肉厚の『黒睦』の塩焼き
に好物でもある『本もろこ』と魚好きには堪えられぬ予想外の展開に…(笑)
この時期、京都の割烹や料亭では『本もろこ』を供されることは珍しいことではありませんが都内の料理店でまさか
味わうひとが出来るとは…。自分には不要ではありましたが添えられた『蓼酢』の出来栄えも上々のものでした。

続いて供された料理は今日は目出度い日ということで造りで使われた鯛の腹須の部分で作られた『鯛の潮汁』。
出汁の利かせ加減、塩加減の塩梅、吸い地のキレの良さは滋味優先の京都の椀に通じるもの。炊き合せは宮崎産
の『』と京都産の白子『』の味くらべ。香りでは宮崎、味では京都。食べくらべることで味の違いが判ります。

楽しい時間はあっという間に過ぎるもの香の物と具だくさんの味噌汁が供され、ドンピシャのタイミングで炊き上がっ
たばかりの銀舎利が茶碗によそわれます。今宵のごはんの友はサーロインのブロック肉から切り出した肉を炙った
和風ステーキ』といつもの『ビフカツ』の二種。炊きたて熱々の銀舎利の上に和風ステーキの肉を移動させ即興で
ステーキ小丼』の出来上がり。表面を軽く炙っただけの肉は勿論ミディアムレア、口に運ぶと肉の旨味と脂の甘み
が渾然一体となり得も云えぬ美味しさ。この日の牛肉は佐賀牛でしたが勿論、産経の無い『雌牛』の肉、黒毛和牛を
十把一絡げに考える方も居られるが雌牛と雄牛では肉質も味わいも大きく異なりますしましてや産経の無い雌牛
の肉は融点も低くトロケルように美味。これではごはんが進むのも無理はありません。食後の水菓子は牛肉の産地
と同じ佐賀の『さがほのか』、途中から荒木町の名物流しの新太郎氏が登場し生誕記念日を祝し一曲、 BIRTHDAY
ケーキのサプライズもあり愉しい宴も宴たけなわ。一度や二度の訪問だけでは當店の本当の良さは判らないかも。
通えば通うほどに引き出しの多さを体感することが出来る店が"ちゃわんぶ"さんの最大の魅力なのです。
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2012/01のレビュー
ひとつの節目となるレビューに合わせて今回レイティングさせて戴く店は数多ある都内の料理店り中でも東銀座の
"徳うち山"さん同様、何度も足を運ばせて戴いているお気に入りの一軒、車力門通に店を構える"ちゃわんぶ"さん。

本来は自分の隠れ家としてそっとしておきたい一軒でしたが相次いでレビューがアップされるや全国的に一躍注目
を浴びる店となってしまった以上、もう隠す意味も無くなってしまいましたので1,800軒目のレビューに當店のレビュー
をアップさせて戴くことに相成った次第です。

余りにも古い画像を用いても何ですから先ず今年の一月の最終日に供された料理画像をアップさせて戴きました。

この時点では未だ無印に近い店でありましたが供された料理画像の内容を良く見て戴ければ判る方には何を意味
しているかご理解戴けることと思います。

店主である『武澤剛志』は十八歳で"京味"さんへ弟子入りされた後、紆余曲折を経て西麻布の某料理店の料理長
として迎えられ再び板場に立たれ多くの馴染客の舌を呻らせました。その後、ひと悶着があり独立することを決意し
昭和の香りが微かに残る車力門に"ちゃわんぶ"という店名にて自身の店を構えられました。

"ちゃわんぶ"という店名の由来は『ぶっちゃん』という愛称で馴染客や料理界の先輩や同僚から呼ばれていたこと
から文字列を少し変えて"ちゃわんぶ"と命名、新旧の店が多く軒を連ねる車力門通にあって今や各方面から熱い
眼差しを浴びているホットスポットです。

當日の料理は一月最終日ということもあり先ずは身体の心から温まる『かぶら蒸し』の先付から。すりおろした蕪の
上には菊菜と生姜が天盛りにされ蕪の中には鯛、海老、百合根、木耳などを混ぜ合わせ蒸しあげたものの上から、
とろみのついたたっぷりの『銀餡』がかけられ熱々のものをフウフウ、ハフハフ云いながら食べる冬場には欠かせら
れぬ一品。山葵ではなく『生姜』で食べさせる辺りが如何にも武澤流、口の中で淡雪の如く消えて行く『かぶら蒸し
は身体の芯からポカポカと温めてくれました。続いて供された八寸には千両なす土佐酢漬け、『生からすみ』に菜花、
そして味比べで添えられた出来立ての『からすみ』。舌にねっとりと絡みつく『生からすみ』は消しゴムのようにぶ厚く
切り分けられており『たらこ』のように美しい色合いを放つ、口に含むと塩加減はギリギリまで抑えられており兎に角、
美味しい。味比べに添えられた出来立ての『からすみ』も適度にウエット感が残っておりこちらもまた旨し。隠し包丁
を入れ煮浸しにして冷やした酢漬けの千両なすとともに口に運ぶと更に味わいは広がった。何とかのひとつ覚えの
ように『からすみ』=『大根』の組合せではないところも粋さを感じます。

造りは二段構えで先ずは神経〆にされ活かった食感が愉しめる『』。これも上身の部分は『へぎ切り』にし腹身の
部分は故意犯的に『平切り』で供し、おそらくこれ以上はないであろう最高の食感を愉しませてくれます。上身の部分
は歯を跳ね返すような弾力があり腹身の部分は噛み締めて溢れ出る脂の旨さを満喫されてくれました。割り醤油と
おろしポン酢の二つの味で食べさせてくれる辺りもうれしい配慮。更には後出しにて『』と『皮ぎし』の部分も味わい
鯛の美味しさを余すところ無く味わい尽くします。もうひとつの造りは『きずし(〆鯖)』に『海胆』、『浅草のり』というもの
海胆』と少量の山葵を『浅草のり』で巻き口に運ぶと海苔の香りが口の中にパッと広がり鼻腔から抜けて行きます。
その後から後追いしてくる海胆の甘みと山葵の辛味が渾然一体となり得も云えぬ口福感で満たされます。口溶けの
良さは上質な海苔の証。『きずし』はレア気味に浅く〆られたもの。皮の輝きが鮮度の高さを物語っていますが絶妙
な塩加減が鯖の持ち味を最大限に引き出していました。

椀物は『穴子』と大根の椀。椀に張られた吸い地は椀種の『穴子』に負けぬよう鰹を強めに効かせた出汁でひと口め
から美味しさを感じさせてくれるもの。食べ終える辺りに味のトーンを持ってくる滋味優先の京都の吸い地とは対極の
吸い地ですがこれはしみじみと美味しいのです。椀の主役の『穴子』はふわっとろの一歩手前で寸止めされたもので
柔らかさの中にもわずかな食感を愉しませてくれるニクイ配慮です。確かにこれ以上、煮込まれたら食べている間に
椀が濁ってしまうでしょうから…。

蒸し物は『鯛のかま骨蒸し』。鯛の目や口の周りのデロデロとしたゼラチン質や程良く締まり脂ののったカマの部分は
鯛の美味しさがギューッと凝縮されており食べ応えも充分。たっぷり添えられた『九条ねぎ』のシャキシャキとした食感
が良いアクセントになってました。勿論すべて綺麗にしゃぶり尽くし、お約束の『鯛の鯛』をゲット(笑)

炊き合わせは『海老芋と菊菜』。隠し味に『干し海老』が使われているのが肝です。肌理が細かくねっとりと柔らかい
海老芋』にはたっぷりと出汁が含まれており仕上げにかけられた『ふり柚子』の香りが堪りません。

そして"ちゃわんぶ"さんの『名物料理』にもなりつつある『ビフカツ』。牛肉の産地はその時どきで異なりますが信頼の
できる肉屋さんから三歳未満の雌牛の肉だけに拘ってブロック肉の状態で仕入、食べ頃になるまで店の冷蔵庫の中で
じっくりとエージングされた肉で作られる一品。

この日供された肉は『伊賀牛』。サーロインの部分を切り出し脂の部分を除去して作られた『ビフカツ』は肉の肌理が
細かく甘みが感じられるメチャメチャ美味。都内でも『ビフカツ』を味わさせてくれる店は数多あってもこれ程美味しい
ものは滅多に口にすることは出来ないと思います。ビフカツの本場の京都で供される"はふう"さんの五千円のビフカツ
にも匹敵する肉質のものであり"安参"の裏メニューで供された『ビフカツ』以来の感激ものでした。

香の物が供され、いよいよ〆の食事。この日の炊き込みごはんは贅沢にも見事な大きさの外房大原産の『真高鮑』を
二個も使った『鮑の炊き込みこはん』。大胆に切り分けられた『』がこれでもかと云わんばかりにゴロゴロと入って
おりました。おかわりでひとり一個分の『』を腹の中に収めた計算になります(笑) 『肝』は香の物とともに供され食事
の合間に味わうと美味しさ×2。

忘れてはならぬのが三種類の味噌をブレンドして作られた『味噌汁』の美味しさ。麦味噌の甘みがやや強めに感じる
味噌汁ですが食事の〆にこの微妙な甘みが堪りません。

これだけの料理が供され料理代が壱萬円は破格過ぎますが、この日も予約を入れた時点で既に『武澤』さんの体内
にスイッチが入ってしまったようで大盤振る舞いの内容となりましたが経木に書かれた本日の品書きの内容を見ますと
初めから企てておられたことが判りました(笑)。

自分の贔屓にしている店が脚光を浴びるのはある意味うれしくもあり悲しくもあり何はともあれ店が繁盛してくれれば
1ファンとしてはうれしいのですが心情は微妙です。ただ供される料理を口にするとそんな鬱憤は晴れてしまいますが。

  • 鯖ずし。鯖と舎利は贅沢にも1:1の黄金比。

  • 生誕記念日にと御祝いの赤飯が供されました。

  • シャンパン代わりに発泡濁りの日本酒でゆるゆると…

  • 器。

  • 白味噌仕立ての鮑の椀。

  • 箸休め。

  • 蛍いかの沖漬。

  • お目出鯛(笑)

  • 造り盛合せ。

  • 鮃の縁側のにぎり(凌ぎ)

  • 生姜と山葵で醤油のおてしょうは二つ。

  • 鰹の腹須焼。

  • 黒睦焼。

  • 大好物の本もろこ。

  • 本もろこ焼。

  • 器。

  • 鯛の腹身の潮汁。

  • 筍剥き剥き…

  • 京都vs宮崎。二種類の筍が用意され…

  • 器。

  • 下の色白が京都、上が宮崎の筍。味くらべ…

  • 味噌汁と香の物。

  • 炙り焼き。

  • ごはんも炊き上がり…

  • ビフカツも…

  • 和風のステーキ丼まで

  • 水菓子のいちご。

  • Happy Birteday…(笑)

  • 流しの新ちゃん(掲載了承済)

  • 美味しい。

  • ケーキに合わせて此れを…

  • かぶら蒸し。

  • 千両なす土佐酢漬け、生からすみ、菜花。

  • 鯛の造り。

  • 割り醤油とおろしポン酢。

  • 鯛の皮と皮ぎしをおろしポン酢で…

  • この日の一本は"寫楽"の純米生酒。

  • きずし(〆鯖)、海胆、浅草のり。

  • 煮穴子の椀。

  • 鯛のかま骨蒸し。

  • お約束の鯛の鯛(笑)

  • 海老芋と菊菜の炊き合わせ。

  • 伊賀牛のサーロイン。

  • ビフカツ。

  • 香の物。

  • 鮑の肝。

  • 鮑めし。

  • 味噌椀。

  • 店の外観。

2012/09/14 更新

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