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先ずは入口で小梅のリキュール。
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店の外観。
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杉玉。旨い酒が呑めそうな気がしますね。
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入口。
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石灯篭。
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未在。
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黒文字。
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店内の雰囲気。
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ここで店主が茶を点てます。
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店主の名刺と店案内書。
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呑んで食べて二人で…
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お弟子さんが二人、提燈を提げて公園下まで見送り
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ちょうど一年振りの"未在"さん。御存知のとおり二年連続ミシュランでは最高位の★★★評価を
受けた店であり全国の食通だけではなく同業の著名な料理人までもが店主"石原"氏の供される
料理を味わいに訪れる店であり全国の頂点に君臨する懐石料理店と云っても過言ではないでしょう。
前月伺った"竹馬"さんの店主"西岡長久"氏の御言葉を拝借すると往時"吉兆"さんに"石原"氏が
弟子入りで入門された際に店主の"湯木貞一"氏は"物凄いやつが今度うちに入ってきたわ…"と
真顔で本当に云ったのだそうであります。
例により外の待合席にて小梅のリキュールが供され、しばらくして店内へ…席に着くと店主"石原"
氏より、ひと組ごとに"ようこそいらっしゃいました"と顔を見ながら、ひととおり軽く挨拶を受けます。
料理は折敷が手渡され飯、汁、先付という茶懐石に則ってのスタイル、自分は二度目ということもあり
特に驚きはないものの多分はじめて伺った方はこのスタイルに一瞬、戸惑われることでしょう~。
全国の銘店の設計を手がけられている杉原デザイン事務所による内装の設え、凛とした空気が漂い
もてなしを受けるこちら側も思わず背筋を正されます(笑)
紅白の水引で結ばれた蓮の葉の中の蓮根餅の先付からはじまり、一文字によそわれた飯と赤だしの
味噌汁、その後に店名を冠した酒を一献、造りは真鯛と蛸、本鮪のトロと大トロ、槍烏賊、鱧おとしの
五種をふた切れづつ、椀物は鮑と鮑の肝の葛湯仕立、焼物は黒毛和牛の炙り、○(すっぽん)の煮凝
りを間に挟んで子鮎焼と焼物が再び、八寸には鯛の笹巻き寿し、鰻の印籠煮、鱧&焼鮎のムース状
の料理、八幡巻に糸もずくの海胆のせ、賀茂茄子と赤万願寺の炊き合わせを戴き食事は土鍋で炊き
上げられたごはんを赤蕪、水茄子の香の物で先ずは戴き次に焦がし湯を茶碗に注いで戴き茶漬風に。
食後の水菓子はわらび餅、店主自ら一服づつ点ててくださる御薄、フルーツカクテルに生姜のソルべ
と戴いてコースはひととおりです。
料理の美しさに目を瞠るものがあるのは云うに及ばずですが使われている器も見応えがあります。
今回は同じ時期に伺ったということもあり供された料理は一年前のものとだいぶ被っているようにも
レイティングしながら思ったのでありますが料理を戴いている際には、そんなことは余り気にもならず、
その辺が"石原"さんの凄いところなのでしょう…、"未だ在らず"="未在"さん。茶懐石に興味
をお持ちの方は一度訪れてみても良いと思います。次回は季節を変え春に伺ってみようと思ってます。
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2009/08のレビュー
"【1111】件目のレビューに最も相応しい京都でひときわ注目を浴びている … 御料理『未在』"。
個人的に【1111】件目の節目のレビューに何処の店をレビューしようかと、ずっと考えておりました。
客の懐勘定を瞬時に見抜き、"こちらには丹波の松茸を、あちらには岩手の松茸を…"と自分のよ
うにボッーとしている客には全く悟られぬように素材の産地や質を変えて特定の馴染み客に"お客
様は別待遇です"的な京都式愛想のエッセンスを利かせた応対で客の心を巧みにくすぐる東京を
代表する某料理店をもってくるべきか、はたまた日本料理の聖地である京都でいろいろな意味で
今注目を浴びている當店【未在】さんにするべきかと無い頭を悩ませましたが賛否両論あります
"ミシュラン格付本"の京阪神版が間もなく発売されることから年末年始にかけ多くの食道楽の熱い
視線を浴びる京阪神エリアの料理店の中から個人的な節目の通算【1111】件目のレビューに僭越
ながら當店を選らばさせて戴いた次第です。
直近で伺ったのは盆休み初日の八月十一日のこと、京都の友人を誘い所定の時間に伺いました。
午後六時、この日の予約客十名が全員席に着いたところで店主である【石原 仁司】氏が表舞台
であるカウンター内のステージに登場し一礼の後、驚愕の料理コースの幕が切っておろされました。
"【未在】さんは本来、店内や料理の撮影は一切禁止でありますが今回は【1111】件めのレビュー"
に辺り店主【石原】氏に特別了承を得て"本邦初公開"で店内の様子も撮影をさせて戴きました。
料理の画像も何枚か写させて戴いたのですが他店で、その料理スタイルを模擬模造されても店に
多大なる迷惑を掛けてしまいますので自己判断にて掲載は自粛させて戴きますこと御理解ください。
先ずは大きな蓮の葉に包まれ紅白の結び紐で結ばれた先付けが供されますが、この一品目の演出
に大半の方は息を呑みド肝を抜かれてしまうに違いありません。
蓮の葉の紐を解いてみますと葉っぱが上下左右に開き中には"蓮の露"に見立てたプルンプルンの
【蓮根餅】が出汁のジュレと"ずんだ(枝豆)あん"が添えられ供されます。
茶懐石の作法に従ってでしょうか石原店主の故郷である【島根県】の米を使った時間に合わせて炊
きあげた炊き立てたての一口ごはんと順才の赤出汁椀を腹に収めたところで店主よりオリジナル酒
である"未在"が光栄なことに奥の席に座った自分から順に一献づつ振舞われていきました。
赤出汁椀には別皿で和辛子が一口ごはんにも別皿で葉唐辛子が添えられ供されましたが懐石料理
に精通されている賢者の方々は意味が、お解り戴けることと思いますので説明は割愛致します(笑)
そして店主から見た客のイメージに合わせて器が選ばれて盛込まれた【御造り】の鉢が供されます。
涼しげな硝子の大鉢から魯山人の稀少な器まで、さまざまな器が使われています。
この日の造りの内容は【槍烏賊】、槍烏賊の耳に切り胡麻を和えたもの、【明石の蛸】、海を越えて
ボストン沖で水揚げされた【ミナミ鮪のトロ&大トロ】、【鱧おとし】、【明石の鯛】という内容でした。
正直申し上げて割烹や料亭などで供される【お造り】や【刺身】類には余り期待などしておりません。
それは刺身に関しては魚種も豊富に揃う【鮨屋】で食べた方が美味しいに決まっている。と個人的に
思っているからなのですが當店で供された【造り】は、そんな概念を払拭する質の高いものが供され
ある意味うれしい誤算です(笑)
単なる魚の鮮度が高いとか質が高い。というだけのものではなく、それぞれの刺身に相応しい薬味と
"あしらい"が添えられているということでしょうか。
例えば、脂のりの強い【ミナミ鮪のトロ】には【本山葵の葉】、【山芋の短冊】を添え【針生姜】とおろし
たての【本山葵】、ウリのひとつでもある【出汁醤油の煮凝り】を合わせて食べさせたり【鱧のおとし】は
【もろみ醤油】と【梅肉だれ】、【鯛】は【鯛の肝と柚子胡椒を練り合わせて作った薬味】と【塩水だれ】と
いった具合なのです。ひとつの素材で二度美味しい店主よりの提案です。
それは一般的な常識に囚われない店主ならではのセンスで今まで味わったことのない素材と薬味の
マリアージュを堪能できることが間違いなくできるということです。
その後の【椀物】は【鮑】と【鮑の肝】の大根の葛湯仕立、【マイクロトマト】とトマトと【バジルシード】を
使った【トマトの冷製】、【賀茂茄子とささげと錦糸瓜の炊き合わせ】、【八寸】は団扇の漆器を使い
【鱧の子のムース】と【焼鮎のムース】、【絹かつぎ】、【茶豆(山形だだちゃ豆)】、【八幡巻】、【鯛の笹巻
き寿し】に【焼き大名唐辛子】、小鉢で供された【明石の蛸の吸盤と針生姜のジュレがけ】に【近江牛の
炙り】に【木の芽のペースト】と【辛味大根おろしのソース】、焼物は【子鮎焼】に蓼酢のペーストをのせた
田楽風の料理といった"和洋伊仏折衷"のあらゆる調理法を駆使して造りあげられた料理が、"ジャスト
インタイム"にて供されます。
料理の味は云うものでもなく日本はおろか世界まで視野に入れられた卓越したものであり、京都の
某人気割烹店の店主に"こんな料理は自分には到底造ることができない"と云わしめる程、その料理
のクオリティは驚愕ものの連続であり、これは食べた者だけが理解できることであって文字や言葉で
は到底綴ることのできぬものです。
食事は土鍋で炊き上げられたごはんを胡瓜、赤蕪、水茄子の香の物で軽く戴いた後に "焦がし湯"
を茶碗に注いで御茶漬風にしてサラサラと…。
店主が突然、loroさん 【久絵】ちょっと食べてみますか?というので黙って頷くと、じゃあ特別ね。と
云って40㌔程大の【久絵】が現われ身は軽く炙り、胃袋と腸は炭火焼にして供してくださいました。
炙られた久絵の身の皮ぎしはコリコリとした食感で噛みしめると脂分と旨みが口中にジンワリと広
がって至福のひと時です。
口直しの水菓子は何と三段構え、【10種類のベリーフルーツ寄せ】、【わらび餅】、そして店主が一服
づつ点て順に供される【お薄】、〆にさっぱりとキレのある【生姜のシャーベット】で今宵の茶懐石の
コース料理は、ひととおりとなりました。
當方の稚拙なレビュー表現では残念ながら當店の素晴らしさを全てお伝えすることができません。
論より証拠でビジュアル画像でご覧戴けないことが残念でありますが前述したとおりの問題発生が
懸念、思慮されますので、どうか御了承ください(笑)
【日本料理】に関しましては間違いなく"西高東低"という流れは揺ぎ無い事実ではないでしょうか。
特に京都の日本料理店の層の厚さや奥行きの深さは東京の日本料理店の比にあらずと感じます。
本当に心から感動する日本料理を喰らうのなら、やはり京都に足を運ぶしか術はなし。ですね。
日本料理をこよなく愛される方は是非、京都へ、そして都内の多くの次世代を担う日本料理店の
店主がこぞって京都で伺ってみたい店として真っ先にその名をあげる【未在】さんで五感をフルに
使い、その料理を味わってみてください。料理とともに使われている器も良くご覧になってください。
今まで思い描いていた日本料理の概念が根底から覆されることと思います。
日本を代表する京都の老舗料亭の店主や祇園料理倶楽部の一部の重鎮さんからは、"未在は、
やり過ぎ" という声も発せられているそうですが、基本を踏まえた上での"やり過ぎ" は客としては
ある意味歓迎すべきことではなかろうかと思う次第です。
今、現在、京都に措いて自分の背筋がピーンと伸びる思いがする料理店は下鴨にある【吉泉】さん
と円山の【未在】さんの二軒、この二軒の室礼と料理のセンスは都内の如何なる日本料理店より
現時点では輝いていると思います。
料理には二種類の酒蔵で造られている"未在"の名を冠した日本酒がベストマッチ、友人と二人で
ビールと、この二種類の未在を六合も呑んで二人で六萬円也。
決して安いお値段ではありませんが何故か"安かった"と客側が感じてしまうから不思議なんですね。
あとは、ご自身の眼と舌で…
勘定を済ませると店主と御弟子さんの丁重な見送り、御弟子さん二人が提燈を提げて円山公園の
階段まで送ってくれました。これも京都ならではの風情と妙味です。