©Loroさんが投稿した日本料理 旬菜和田(岩手/遠野)の口コミ詳細

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Loro piana。の食べ歩る記 備忘録

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移転日本料理 旬菜和田遠野/日本料理

1

  • 昼の点数:4.5

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2012/02 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

いわて孤高の料理人 vol.1 … 日本料理『旬菜 和田』。

遠野には某携帯電話のCMのロケ地となり一躍知名度がアップした"河童淵"と岩手を代表する孤高の料理人の
ひとりである"和田大地"さんが腕を揮われる日本料理店"旬菜和田"さんがあります。

岩手にも御多分に洩れず『日本料理』を看板に謳う店は何軒かありますが、その実態は居酒屋料理にちょっと
毛の生えた料理を供するナンチャッテ日本料理の店が大半です。

日本料理の真髄は料理人の美味へのあくなき挑戦であり一期一会のおもてなしの心、旬の素材で季節感を現し
素材の持ち味を最大限に活かす緻密な計算に基づき作られる『引き算』の料理、決して足し算の料理ではあらず。

コース料理の腕の見せどころはコースの華である『椀物』であり、その『吸い地』の出来栄え如何によってコース
全体の印象も大きく変わてしまう要の料理です
五感を研ぎ澄まし繊細でありながらも奥深い旨味を愉しむということこそ日本料理の真髄てはないでしょうか?

四国四県よりも広大な面積を有す岩手、その中にあって空間の雰囲気、侘び寂びの心、使われる器とその器に映
し出す料理の美しさと安定感の高さでは新旧数多の料理店を見渡しても當店の右に出る店は見当たりません。

今回のレビューは未だ雪が残る二月中旬に伺った時のもの。先付の料理は三つの小鉢。先ず一品は『河豚』の
小鉢で『河豚のてっさ』に鉄皮、ここまでは良くある構成ですが、その上に金沢から仕入れた『河豚の卵巣の糠漬
が手ほぐしで飾られておりました。一見、焼き海胆を解したものと見間違えたものが『河豚の卵巣の糠漬』であり
この塩気を使い混ぜ和え味わうというシンプルながらも計算された一品からおまかせのコースははじまりました。
二つめの小鉢は『鯛の子』を炊いたものに三陸産の生松藻と茎若布の料理、海藻の小気味よい食感が愉しめる
料理で三つ目の小鉢には『蛍烏賊』に寒締のほうれん草に『黄身おぼろ』。というように残雪残る遠野にてやがて
訪れる春を感じさせてくれる料理の三タテ。

その後は『凌ぎ』代わりに供された焼きたて熱々の『出汁巻き』。ほんのり感じる甘味と出汁の塩梅が心をホッと
させられた後に『白魚』の上に湯葉と『生海胆』に蕨の小鉢、コースの華であり店主の腕の見せどころの『椀物』は
鹿島沖の『地蛤』と早獲りの『』を使った清汁仕立、『吸い地』は昆布と鰹の一番だし、表側には菜花に木の芽
に梅を型取った花麩、地蛤の裏側には蛤の出汁、白身魚のすり身、卵白で造られた『蛤真丈』という豪華なる椀。
濃い出汁が好まれる土地で滋味優先で食べ終わる頃に味のトーンをつけられた椀は稀なる味わいで美味ナリ。

造りは赤貝に北寄貝、平貝の炙りに伊佐木、あしらいに浜暴風、次の料理は名物料理の『竹蒸し』ではなく銀餡
がたっぷりとかけられた『玉〆』、焼物には"のどぐら~"が啼いて悦ぶ『のどぐろ焼』、蓋物の器の中には『桜鱒
の揚げ浸し。その上にはたっぷりの大根おろしが天盛りされ彩り豊かなあられが散りばめられ彩添えに獅子唐
とパプリカの素揚げ。一見単なる『桜鱒の揚げ浸し』に見えるこの料理ですが実は中に贅沢にも大葉に包まれた
生海胆』が射込まれていたことには驚かされました。

〆の食事は『穴子の小袖寿司』、香の物には温海蕪と野沢菜漬、椀物は赤だしではなく『穴子の骨』を一度焼き
摂った出汁で作られた味噌汁でメチャウマ、マンゴームースの上にデコレイトされた水菓子を戴き昼のおまかせ
料理はひと通りです。

旬の食材に季節感を感じさせてくれる食材を惜しげもなく使い振舞われた料理は原価度外視の大盤振る舞い。

今回も至福のひと時を過ごさせて戴きました。今回の訪問を経てサーヴィスとCP評点をそれぞれ上方修正し、
総合評価も★★★★☆(4.5)とさせて戴きました。
尚、評価基準につきましてはトップページの自己紹介欄に記載しておりますのでご参照戴けば幸甚です。

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2011/10のレビュー
岩手は松茸や短角牛に鮑や海胆と山海の幸が豊富に揃う食材の宝庫ですが折角の厳選素材を活かしきれる
料理人は極めて少ないということを今まで何度も云ってきました。それは決して料理人ばかりが悪い訳ではなく
質より量を求める食べ手側にも責任があるように思えてなりません。県都である盛岡の地に措いて真に御料理
と呼べるような料理を供してくれるのは"松もと"さんの他には何軒もないというのが現実だと思われます。

岩手県の面積は四国四県よりも広大な土地を有しておりますが人口密度は疎らであり衣食住の中心は盛岡に
アリ。と多くの方が思われているようですが、こと『』に関しては必ずしもそれは当てはまりません。

盛岡以外の地にも日々精進され頑張られている孤高の料理人が自分が知っているだけでも三名程居られます。
本当は内緒にしておきたい店ですが岩手にも頑張っている店があるということを示すため、それらの隠れた店を
いわて孤高の料理人シリーズ』として勝手にレイティングさせて戴くことにしました。

先ず第一弾では民話の故郷『遠野』に店を構えられている『和田 大地』さんが営まれる日本料理店"旬菜和田"
さんです。

當店の店主『和田 大地』さんは秋田県の日本料理界の第一人者である『牧野 誠悦』氏の下に十六年余り主従
され人気料理店"入舟"さんの二番手として牧野氏を支えられて来られた方であり料理の腕前は折り紙つきで鼈
から河豚までひととおりシーズンには味わうことが出来ます。

事前予約の上、久しぶりに遠野まで足を延ばし昼餉に店主『おまかせのコース』料理を味わってきました。

料理は綺麗なピンク色をした『くもこ』と可愛いサイズの岩手産の松茸の『焼き松茸』を使った酢の物からはじまり
八寸は皮目の輝きからも鮮度の高さを窺い知ることの出来る秋刀魚の小袖寿司に新いくらの醤油漬、いか塩辛
天然ものの『あみ茸』おろし、吸い物代わりに『松茸の土瓶蒸し』、そして修行先である"入舟"さんの名物料理の
竹蒸し』と呼ばれる変形茶碗蒸し、造りは二段構えで先ずは鮮度抜群の『活ぼたん海老』に鰹、直前に〆られた
ピチピチの『皮剥』の三点盛、前述の二品は出汁醤油で味わい『皮剥』は濃厚な肝醤油で戴きましたが肝の美味
しさに思わず頬が緩みます。造りというと兎角、鮪や鯛を使いたがる店も多々ありますが個人的には地物の旬の
味を愉しませてくれるこの『皮剥』の薄造りはポイントアップ。そして後出しで茹でたての『毛蟹』、この毛蟹は画像
ではその大きさが良く判りませんが1.5キロ程の雄武産のもの、身の甘みが強くなかなかのものでした。脚肉の影
に隠れていますが小鉢には剥き身も。炊き合わせには釣りモノの『めばる』の酒蒸し、里芋田楽、新銀杏に菊花
かぶの甘酢漬け、彩りの良い香の物が供され食事は『毛蟹のぞうすい』、食後の水菓子は無花果のコンポートを
使ったゼリーでひと通りです。

器あしらい』は完璧に行われていました。『器あしらい』とは温かい料理を盛り付ける器は温めた器を使い冷たい
料理を盛付ける場合には反対に冷やした器を使うということで料理店の基本中の基本のことがらなのですが意外に
も軽視されがちですが先に前述したような居酒屋に毛が生えた程度の料理店ではこれが全く成されておらず冷たい
器に温かい炊き合わせを入れたり造りを食洗機の中から取り出したばかりのような温かい器に平気で盛り付けたり
して供されますが此処ではそういったことは全くなし。

供された料理の出汁の加減や塩加減も気持ち強めの傾向にあり土瓶蒸しには酢橘を添えて供されましたがこれは
柚子じゃないと折角の出汁の味に苦味が出てしまうので柑橘使いはもう少し考えられた方が良いのでは?と思った
こともありましたが総体的には相変わらず費用対満足度の高い内容でした。

當店の料理の味に以上に美味しいものが供されるのは盛岡では"松もと"さん一軒ぐらいしか思い浮かびませんし、
""さんとは内容的にほぼ互角と思われますがこの内容で五千円ですから當店の方に分があるのは間違いなし。

盛岡に店を構えられていたら間違いなく超人気の店となることでしょうが過疎化が進む故郷の遠野で孤軍奮闘され
ている"旬菜和田"さん応援したい一軒です。

  • 河豚のてっさと鉄皮に河豚の卵巣糠漬の手ほぐしがけ。

  • 鯛の子に生松藻、茎若布に三つ葉。

  • 蛍烏賊と寒〆ほうれん草におぼろ玉子。

  • 焼きたて熱々の玉子焼。

  • 白魚、湯葉、生海胆、蕨。

  • 椀。

  • 蛤と蛤真丈、筍の清汁仕立の吸物。

  • 造り。あしらいに浜防風と紅白の梅型の型抜き。

  • 赤貝、平貝の炙り、北寄貝に伊佐木。

  • 玉〆。

  • 焼物は"のどぐろ"。

  • 器。

  • 揚物。

  • 桜鱒の中に"生海胆"が射込まれてました。

  • 穴子の小袖寿司。

  • 香の物(温海蕪と野沢菜)。

  • 穴子の骨で出汁を摂った味噌汁。

  • 水菓子。

  • マンゴームースがベースです。

  • 器も食器も良い物が使われています。

  • DOCOMOのCMに使われた"かっぱぶちはし"。

  • これが噂の"かっぱぶちばし"です。

  • かっぱぶちの詩碑。

  • 河童は何処に…

  • 狛犬ならぬ狛河童。

  • 河童が祀られているとか…

  • くもこ。

  • 酢橘の影には可愛い松茸も…

  • あみ茸。

  • 秋刀魚の小袖すし。

  • いくら。

  • 塩辛。

  • 八寸。

  • 土瓶蒸し。

  • 松茸。

  • 竹蒸し。

  • 造り。

  • 肝醤油。

  • 全体はこんな感じです。 

  • 皮剥は肝醤油で…堪りません。

  • 毛蟹。

  • 脚肉の影には剥き身も…

  • 炊き合わせ。

  • めばる酒蒸し、里芋田楽、新銀杏、菊花かぶの甘酢漬け。

  • 香の物。

  • 蟹ぞうすい。

  • 全体はこんな感じです。

  • 水菓子。

  • 店の入口。

  • 看板。

  • 店の外観。

2012/07/19 更新

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