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ぐじ(甘鯛)の造り。
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真ちゃん劇場 其の一。ぐじ(甘鯛)編。
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ぐじ(甘鯛)の造り。全体はこんな感じです。
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出汁巻き。
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○鍋。
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きずし。
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真ちゃん劇場 其の弐。目にも留まらぬ秒速編(笑)
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真ちゃん劇場 其の参。鯖編。
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鯖ずし。
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ねぎたっぷりの赤出汁椀。
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店の外観。
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火災にて現在休業中です。
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【稀少】若狭ぐじ(甘鯛)の造り。
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軽く昆布〆されていますが
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普通ぐじ(甘鯛)といえばこれです。
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看板代わりの表札です。
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紅白のぐじ(甘鯛)を見比べてください
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よこわのトロの炙りと赤身。
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若筍煮。
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ぐじ(甘鯛)焼。
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自家製鴨ハム。
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絶妙な火の入れ加減です
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新生姜のかき揚。
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○雑炊 (すっぽんぞうすい)
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不慮のもらい火という被災により長い間、休業となっていた"おがわ"さんですが年の瀬の昨年12月に
以前の店舗より30㍍程下がった場所に新生"おがわ"として目出度く新たなる船出をされました。
以前は店内の広さが5坪という超小体の店でありましたが移転後の店舗は以前の約三倍の広さとなり
店内環境は大幅に改善されましたが『食堂』という冠はそのまま継承、カウンター割烹の醍醐味である
目の前で繰り広げられる調理のライブ感は更にパワーアップ、距離感の近さも移転前の店と変わらず。
肩肘張らずに美味しい料理に舌鼓、そして美酒に酔いしれるひと時、ラフさ加減は木屋町にあって稀少。
久しぶりに伺ったこの日、用意されていた席は、かぶりつき席、もとい店主の正面の席、先ずは好物の
『ぐじ(甘鯛)』をオーダー、目と鼻の先の場所で、オトボケ顔の甘鯛を下ろしはじめる店主の『真太郎』氏。
調理のライブ感は"阪川"さんの『阪川劇場』をも凌ぐ『真ちゃん劇場』の幕開け、程無くして供された造り
は画像のもの、洛中には数多の割烹があり、あちこちの店で『ぐじ(甘鯛)の造り』を戴いてはおりますが、
これ程に立派で見事なものには滅多に出逢うことはありません。
『出汁巻たまご』はたっぷりの出汁を抱えたものでふわふわ、断面を見れば一目瞭然ですが幾重もの輪
が綺麗に重ねられており職人技が感じられる一品です。
そして好物の『○鍋』は"たん熊"さん系譜の店で供される清らかに澄んだスープとは対極の表面に脂分
が浮いたコクがあり濃厚で、うまみたっぷりの『○鍋』です。
すっぽんのエンペラーに肝、たっぷりの白葱に焼餅と、この鍋ひとつで力が漲ってくる感じがする滋味溢れる
味わいの『○鍋』も必食ものです。
そして『真ちゃん劇場』は更に続きます。『鯖ずし』は奥が深いよね。と自分が発した言葉が店主のハート
に火をつけてしまった訳ではないのですが自分が無類の鯖好きであることを知っている店主は『鯖ずし』
食べます?と當方の顔を覗き込んできたので、ウン。と答えると丁度、食べ頃の状態に〆られた鯖を取り
出し秒速の速さで皮剥き、半分は追い酢をして辛味大根のおろしをのせた『きずし』として残りの半分は、
舎利の合わせが終わった後で胡麻をふり『鯖ずし』として供されましたが、どちらも呻ってしまう美味しさ。
特筆すべきは『鯖ずし』、卸し立ての『本山葵』をたっぷりと使い『鯖』と舎利の比率がほぼ同率のもので、
寿司屋さんの鯖ずしとはまた違った美味しさ、鯖ずしのお供に作ってもらった葱たっぷりの『赤出汁椀』は
山椒がキリリと効いて味が締まったもので酒席の最後に戴くに相応しいものでした。
痒いところに気がつく涼子ちゃんのキレ味の良い接客に絶妙な距離感を保ちながら美味しい料理を供して
くれる真太郎氏、無事に第二章の幕が切って落とされた新生"食堂おがわ"さん、益々、自分好みの一軒
へと更に進化中ですあります(笑)
今回の再訪では不慮の火災にて前回の予約が水の泡になってしまったということもあり、ここには書けぬ
ような色々なサーヴィスや心遣いを戴きましたのでサーヴィスの評価を★★★★(4.0)⇒★★★★☆(4.5)へ、
移転とともに店内が広くなり居心地が随分改善されたので雰囲気の評価を★★★(3.0)⇒★★★☆(3.5)へ
とそれぞれ上方修正させて戴きました。
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2010/08のレビュー
大好きな一軒だった"食堂おがわ"さん。何ということでしょう~七月三十日に二階の他の店からの
出火の消火作業の巻添えで店内は水浸しになってしまい當分の間、臨時休業、本来であれば八月
のこの日の再訪を楽しみにしていただけにとても残念、前月に伺った際に戴いた料理画像を追加
アップしようかとも考えましたが事情が事情だけに見合わせて戴くことと致しました。
新たなる復興新生"食堂おがわ"さんの再開を心待ちにしつつ、被災の御悔みとさせて戴きます。
ということで不可抗力により急遽予定が変更となってしまい他に行きたい店は当然ながら今からの
予約では席を確保することも出来る筈もなく…ということで以前"中善"さんの店主の佐々木さんから
話を伺い少し気になっていた"らんど"さんという店へ伺うこととなったのであります。
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2010/04のレビュー
【"食堂"という文字を見て決して侮るなかれ … 『食堂おがわ』】。
"食堂おがわ"という店名を見聞きされて皆さま方は一体どのような店を想像されますでしょうか?
今回のレビューは決してウケを狙ってのものではありません。世の中には見栄を張って"割烹"とか
"日本料理"や"京料理"という看板をやたらに掲げたがる店が数多ありますが當店は逆バージョン
の店なのであります。
店主の"小川真太郎"氏は未だ三十二歳という若き料理人ですが祇園"さヽ木 "さんや"さか本"さん
といったミシュランの★獲得の人気店や先斗町の隠れた銘店"余志屋"さん等での修行経験があり
腕前は確かなモノを持たれているもののそれぞれの修行先では黒子として裏方仕事をすることが
多かったということから特定の御贔屓さんも持たれないままに独立。となると当然当初はフリー客を
相手に店を営むこととなる訳であり誰でも気軽に入り易いようにと敢えて"食堂おがわ"と名乗った
そうでありますが結論を先に申し上げますと當店は"羊の皮を被った狼"のような店であり先に記し
ましたような名前先行型の似非なる割烹や似非なる料理店のような"名ばかりの店"と対極に位置
する店なのであります。
調理場と客席を合わせても、たった"五坪"という店内に全八席の凹型のカウンター席が設けられて
いる為に店主との距離感は良くも悪くも極めて近く、まるで友人宅のダイニングでもてなしを受けて
いるかのような錯覚すら覚えます。
本来の割烹使いが出来る店でありボードに書かれた本日のアラカルトメニューから好みの料理を
選び酒のアテとして一品料理を味わうのも良し、造り、汁物、焼物、揚物、食事と自分オリジナルの
コース仕立として料理を愉しむも良しと、楽しみ方はその日の気分に合わせて利用できる店です。
この日は品書きの"造り"から"ぐじ(甘鯛)"と"よこわのトロ炙り"、"汁物"から"若筍煮"、"焼物"から
"ぐじ(甘鯛)焼"と自家製の"鴨ハム"、"揚物"から"新生姜のかき揚げ"、"食事"に"〇ぞうすい"を
選び自分仕様のコース仕立の料理を最近、一番お気に入りの日本酒"蒼空"とともに味わいました。
先ず"造り"で供されました"ぐじ(甘鯛)"の色を良くご覧になってみてください。
一般的な"ぐじ"の身は白身ですが今回供されたものは極稀に見る赤身がかった超稀少な"ぐじ"で
あり、これは海を回遊せず湾内に留まっていた"若狭ぐじ"の中でも通称"根ぐじ"と呼ばれ滅多には
市場に出回らないものなのだとか?
比較対照のために一般的な"ぐじ"の身をならべてみましたが紅白の色の違いは明確、一般的な
白身のものも赤身がかった身も共に昆布の旨みと香味が身に軽く移る程度に"昆布〆"にされた
ものですが両方食べ比べてみますと赤身がかったものの方が味が濃厚であり美味さがギュッと凝縮
されているように感じました。
"よこわのトロの炙り"は東で呼ぶところの"めじ鮪"、適度に脂ののった腹身の部分を鰹のたたき風
に焼霜造りにされたもの六切とともに赤身の部分が二切、一緒に供されました。
成魚である本鮪程ではないものの流石に本鮪の幼魚、身は柔らかく腹身の部分の味は格別であり
赤身の部分も爽やかな鉄味と酸味が愉しめ養殖ものや蓄養ものの本鮪を戴くよりは個人的に好み
山葵も勿論、卸し立ての本山葵、脂ののったトロと本山葵の相性の良さは云うまでもなく。
"若筍煮"はトロトロととろける若布と筍のゴールデンコンビ、筍は勿論、朝堀りものが使われており
若布の風味が筍の旨みを引き出してくれる旬の味、筍には隠し包丁が入れられており出汁が良く
滲み込んでおり木の芽の香味が添えられた美味しいものでした。
"くじ(甘鯛)焼"は頭の部分と身の部分と2ポーション遠火の強火で、こんがり狐色に焼かれたもので
きちんと立てられた鱗が焼の技量の高さを物語っています。ひと塩され軽く干したものを焼かれた
甘鯛の身は甘く鱗の部分はシャリシャリと、勿論、頭も身の部分も筏つき(骨つき)の方です(笑)
もう一方の焼物は店主渾身の自信作の"鴨ハム"、たっぷりの脂を抱いた身を塩水に浸し絶妙な火
加減で焼き上げたもので実山椒と粉山椒で香味づけされた鴨ハムは柚子胡椒との相性抜群です。
"柚子胡椒"は九州発祥で今や全国区の調味料ですが當店の店主"小川真太郎"氏も"大渡"さんの
店主の"大渡真人"氏同様の"博多っ子"ゆえ純情で使い方は誰よりも心得ているのです(爆)
"揚物"の"新生姜のかき揚げ"は千切りにした"新生姜"の他に薩摩芋にうすい豆にコーン 軽めの
揚がりで塩を適量パラパラふりかけて戴きますとさっぱりして不思議と後を惹く味です。
"食事"の"○(すっぽん)ぞうすい"は鼈の滋味溢れる味わいで目茶ウマ、"香の物"の中の"長芋"と
"蕪"も美味しかったです。
余談ですが"○(すっぽん)ぞうすい"には希望により"味ぽん"が添えられますが鼈のエキスと繊細な
味を愉しむならば何も加えず、そのまま戴くことをお奨めします。
味ぽんって結構味が濃いですから塩気が足りないと感じた時には食塩を少量加え戴いた方が折角
の味を損なうことなく良いでしょう。
最初から味ぽんを入れて食べるなんて言語道断持っての外、味が台無しになってしまい勿体ないで
すから…、勿論、自分は何も一切加えませんが。