『食べログに頼らない生活』マーサさんの日記

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お食事雑記。

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マーサ (男性・北海道) 認証済

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これはもう何人もの人が指摘しているからご存知の方も多いんだけど、食べログをみんなが当たり前のように使う(というか、お店を検索すると食べログのサイトが上位に出てくる)ようになって、点数でしかお店を評価しないようなことが起きている。

それの何が問題かというと、そのランキングを見て旅の人が、地元客がやってくる。口コミ件数が増え、評価の数字が上がる(どうやら件数の多さも点数に反映されているようだ)。みんなそこに集まる。
という循環が繰り返され、上位の店ばかりが混雑するという、一極集中化が起きるわけだ。
これは周りの店にとっては間接的に迷惑を被っているわけで、混む店にはなんの責任もないのだけどね。

旅行先では限られた食事、失敗したくない。その気持ちはよくわかる。でも、旅の最中に並んでまで時間を潰してまで、そのエリア一番の店じゃなきゃ、だめか? だいたい、そんなふうに祭り上げられた一番ってのは他の店を知らない観光客が作ってるランクなんだぜ。
美味しいから、じゃない。名が通っているから、なんだな。

そろそろモン・サン・ミッシェルのオムレツを出す店とかブルーボトルなんたらは混雑しなくなっただろうか。どっちもあんなに並んでまで食べたいお店じゃなかろうに(お店の皆さんゴメン。ディスってるんじゃなく、よくそんな長時間並んでられるな、という客側に向けた話です)。

これは食べログに限った話ではないのだけど、高評価されたお店は客が集まるんだからいいだろ、なんて単純な話ではないのだ。

お店には、お店を開くための準備というものが要る。
わかりやすいところで言えば、材料の仕入れ、仕込みだ。
円滑にサーブできるように、無駄を出さないように、それらの量は今までの経験などから見込まれる。当然、それに合わせてスタッフのシフトも行われる。

テレビや雑誌で特集が組まれる。口コミで点数が急に上がる。グルメブロガーとして著名な人が紹介する。グルメサイトで取り上げられる。
その他いろいろな理由で、急にお客が集まる。

テレビや雑誌だと取材という形があるから、そういう急変にも対応できるのだが、口コミやらサイトやらはお店の人にしてみりゃ全く知らない話なので、本当に慌てるらしい。仕込みが足りずにヤキモキし、当然品切れ続出でお店としての信用を落としてしまう。お客から直接文句を言われることもあるそうだが、それを仕込みが足りないからと責めることなどできるか。

某グルメ情報サイトなんかはお店の許可も問い合わせもなしにそういうことがあったらしい。しかも情報が誤ってたり古かったり。お店にとってはそんなPR、全くもって迷惑なことなのだ。

TBSアナウンサーのアンディこと安東弘樹さんがCMで旅先の偶然を楽しむためにグルメ情報サイトや雑誌などは一切見ない、との主旨のことをおっしゃってたが、意外にそういう方が楽しめるよなあ。旅も食事も。

実は最近札幌で小用を足してきたときの食事もそこから近くを歩いて見つけたもの。手当たり次第ではなく、勘を働かせ、吟味を重ねて飛び込んだお店が旨かった時の喜びはえも言われぬものがある。
もしくは雨が降ってきたのでとりあえずと思って入った喫茶店のサンドイッチがイケてたなんてなると、雨の憂鬱さも忘れちゃうかもね。
そんな意外な巡り合わせって楽しいじゃない。

たまには点数を気にせずお店を選んでみることをオススメする次第。
おなじみ孤独のグルメは、食べログ的生活と真逆だから楽しいしドラマが生まれると言えるんじゃないかな。
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