残念ながらこの前寄った定食屋さんは、庶民的な(それが悪いという意味ではない)垢抜けない普通の味と結構な値段がつり合わなくて幻滅してしまった。あの定食に1500円オーバーはなあ。多分もう行かないなあ。
でも、まあ仕方がない。新聞記事につられて行きたいいきたいなんて思ってて期待値も上がってたんだもん。
ただ、その時お店にいたお客さんは常連らしくお店の方と話が弾んでいる。その方にとっては単なる食べ物屋さんではない。会話を楽しむ場所であり、一日の疲れを癒すくつろぎどころでもある。そういう向きには無くなっては困る店なのだろうし、酷評してまで営業妨害をする気はない。俺一人の影響力なんか大したことないだろうけど、だからと言ってわざわざWorld WideなWebに載せる必要はない。どこで誰が見ているかわからないのがネットの怖いところ。ネットとか口コミとか食べログとかと無縁の生活をしている客(は依然多い)とお店の良好な関係を壊すことに何の意味があるのだ。
それなら、自分自身が口コミをしなけりゃそれでいいじゃない。そうまでして点数によるジャッジをすることに何の意味があるのだろうか。まあ、知らず知らず上から目線になってるんでしょうな。対価としてお金払ってるくらいで勘違いしちゃって。ただ食べてるってだけなのに。
本当に不味くて高くて態度悪くて不快な店だと判断するのが多数なら、ほっといたってつぶれる。でも味覚に絶対はないんだし(その店だって美味しいと評価している方もいる)、そこそこ旨けりゃいいという場合もある。前回は美味しくても次が不味く感じる場合もある。何が良くて何が不快かは個人の感性だ。しょーもない自分の価値観を正義感と勘違いしてどうする。そもそもチープな味、客へのぞんざいな扱いで人気の店だってあるくらいなのだ。それを知りつつ入ったくせに、気に入らないところを指摘するのが正しい態度なのか。もし知らないで入ったのなら、当たり外れは覚悟の上のはずだ。ハズレを引くのが嫌ならあなたがすでに口コミしたお気に入りの店に行けばいい。新しい店を開拓するってそれだけリスキーなことなんですよ。
あなたが嫌でもそれが(それで)いいという人の邪魔はやめたらいいんじゃないかな。だいたい初めての店を好んで行くのは口コミ件数を増やそうとしてるポイント厨でしょ。そういう邪な考えで入った店の悪口をおおっぴらにするなんて品位が疑われるよ。内輪で喋ればいいじゃないか。
正しいポイント厨はただただ、新しいところを漁るように回って、アリバイ残すように冷める(料理も周りの客も)のも構わず店内や料理を撮り続け行かなくても書けるような当たり障り無い感想を書き、二度と行かないけど「リピ確定です!」なんてフレーズで締める。そういうのなら俺も文句は言わないのだ(まさか)。
もともと、食べ物のブログは美味しかったのをお披露目するためのものだったのではないかなあ。こんないいお店がありましたよ、オススメですよという(若干こんなにいろいろ回ってて詳しいんですよ的な自慢もはらみつつ)。
そもそもタイヤ屋のやつだって、覆面調査員的なのがジャッジをするわけだけど別にどうでもいいお店に星はつかないし、つけない。
ハズレ引くのだって、考えようによっちゃまあ楽しいじゃない。そこそこ話の種になるし。
それはでも、わざわざ店名をオープンにして言うまでのことじゃないでしょ。
なので、ハズレを引かないように俺がわざわざみんなに教えてやってんだ! というおせっかい、時にはありがたいのだけど冷奴のミョウガみたいなもん。なけりゃないでいいし、あってもほんのちょっと。