4回
2022/07 訪問
真の贅沢とは何か。
蟹王府7/6
菜単
〈精美前菜五拼盤〉
★千葉 香酥 塔魚 北海道 牡丹蝦 撈汁 北海道 海螺貝
千葉舌平目の潮州式香り揚げ 甘い品のある中にねっとり。バターが合う理由がある。
北海道 牡丹海老の甘辛ソース
北海道 真螺貝の醤油風味
★福岡有明 椒麻海葵群馬毛豆 長野西葫芦
有明イソギンチャクと群馬枝豆の山椒オイル 長野ズッキーニの甘酢 極細切りにして生
〈熱菜八種〉
★黄油揚饭
南蘇名物 夫婦蟹味噌ソース 新潟魚沼こしひかり、香り米ミックスかけご飯
いい。パスタ,チャイラン
★酸湯辻析愛知象拔蚌
愛知ミル貝の湯引き濃厚酸辣
酸湯 バオラージャンと山椒のスープ
きぬがさだけ
キレがいい。
★姜葱茸蒸三重 石斑魚扣長茄子
三重オオモンハタと長茄子の蒸し物生葱姜風味
茄子の優しさがハタをエレガントにさせる
★蒜蓉焗沙鍋 北海道紅毛蟹
北海道毛蟹のガーリック蒸し焼き
蟹の香りがニンニクでたくましくいやらしく
★堂弄蟹粉千葉 館山海虎翅
千葉館山極上フカヒレと上海蟹の各種部位の炒め
二度干し イタチ鮫 弾力性がある。青とよしきリハネズミサメモウカ
お酢のしらこ、メスの卵、脚、胸肉、爪
蟹のオイル、野菜オイル、ネギ尾、紹興酒、生姜、きのこ、パクチー、塩、砂糖、鳥のエキス白胡椒、もやし
一皿一万八千円の料理である。
食べて味わい、相応の値段だと思う人もいれば、高いと思う人もいるだろう。
香港や上海でご馳走を食べ慣れている方にとっては、高値ではない。
それは裕福であるかというということより、経験値を重ね、それはそれだけの値段を出さぬと食べられないと知っているからである。
「堂弄蟹粉千葉 館山海虎翅。千葉館山極上フカヒレと上海蟹の各種部位の炒め」である。
フカヒレと一言にいっても、値段は千差万別で、この「海虎翅ホイフーチー」とは最も高い「天九翅」に続いて二番目に高級とされるフカヒレである。
このフカヒレはそうであり、イタチザメの尾びれである。
しかも二回干しているために弾力性が増しているという。
そんな高価なフカヒレを12人で一本半使い、上海蟹に白子や卵と炒め合わせるのだからたまらない。
ちなみに12人前で上海蟹24ハイ分ある。
もう計算ができません、ハハハ。
投入しますものは、雄のしらこ、雌の卵、脚肉、胸肉、爪肉、上海蟹のオイル、野菜オイル、ネギ油、紹興酒、生姜、きのこ、パクチー、卵黄、塩、砂糖、鳥のエキス、白胡椒、もやしとなる。
土鍋に火を入れ、正確な順番でそれぞれの食感や香りを生かすように精妙に火を通して出来上がる。
フカヒレには、味がない。
だから、上海蟹の白子と卵の合わさった豊満な味わいである。
上海蟹と日本のカニの美味しさの違いは脂にあるので、何かこう官能を責め立てられるような、味わいに脈動があって、気分が高揚する。
フカヒレは、柔らかなゼラチン質の食感が楽しめ、歯ごたえがありかつ滑らかで唇に触れ、歯を喜ばせ、口腔内の粘膜にしなだれる。
つまり海虎翅ならではの、太い一本一本が上海蟹のエキスをまとって、生き物ように、口の中で舞を踊るのである。
これはいけません。
高価だから、貧乏根性丸出しに一本一本噛み締めながら食べたいのに、内なる熱情に火をつけられてコーフンし、箸が止まらない。
気がつけば、皿は空になっていた。
これもまたゼータクという観念を伴った、快楽なのだ。
カニオイル、卵黄、きのこ、野菜油、蟹味噌、白子、生姜、胸肉、爪、脚
濃厚
★千葉文蛤清湯芥菜
千葉ハマグリと芥子菜の澄ましスープ
すっきり。スープ 使わず水だけ。
一皿一万八千円という高価な料理の後に出されたのは、スープだった。
「蛤と芥子菜の澄ましスープ」である
出汁は使わず水だけでとったという。
それもあえて沢山の蛤でエキスを出していないのだろう。
淡い淡い滋味が舌を流れ、そこにほんのりと辛子菜の刺激が点滅する。
スープは、贅沢な料理の余韻を鎮静させるかのように、優しく感覚を洗う。
妙味必淡という意識が、ゆっくりと腑に落ちていった。
★北海道栗蟹柳焼豆麺
続いて出されたのは、「栗蟹と春雨の家庭風煮込み」である。
イソギンチャクのミソと蟹の風味で、春雨を炒めた料理である。
ミソと蟹のうま味が、春雨一本一本にからんで、笑い出したくなるほどにうまい。
無性に白いご飯が恋しくなる料理であった。
勢いだけで押し進める料理は、むしろ簡単かもしれない。
だがそれだと、食べている人の息がつまってくる。
濃淡や馳走と惣菜を使い分け、押しと引きの波を作っていく。
こんな料理の流れこそ、贅沢というのではないだろうか。
北海道栗蟹と春雨の家庭風煮込み
イソギンチャクの味噌と栗蟹
家焼は海鮮
家常は、肉料理
★清炒當季時蔬
季節野菜の炒め当日入荷
ベニヒユナ
ツルムラサキ的粘りと香り
〈主食・甜品〉
★潮式北海道長脚蟹粥·蟹粉生煎包
潮州式北海道ズワイ蟹入お粥・蟹肉入り焼き小籠包
お粥広東式とろとろ。
★姜汁印尼燕窩
インドネシア燕の巣入り 甘味生姜風味
蟹王府 総料理長 張志文
2022/08/08 更新
2020/12/26 更新
盆菜(プンチョイ)は、いわゆる中国のおせち。旧正月に家族が大勢集まった時に食べます。
入りしものは、伊勢海老、上海蟹、フカヒレ、アワビ、ナマコ、魚の浮き袋、ガチョウのもみじ、花椎茸・獅子頭、豚足、大根、広西州の里芋、蓮根、ブロッコリー、湯葉と、中国高級乾貨のオンパレード
スープは鶏のスープに、アワビの戻し汁やら何やら数種類を混ぜてある。
6〜8人前で8万円。
ちなみに6人なら一人一個のフカヒレとアワビを食べて、浮袋やナマコ数個、それにガチョウのモミジや肉類などを存分にお腹一杯食べられて、税込一人14600円なわけですから、安い。
この店でそれらを食べようと思ったら、最低でも3ん万以上かかるわけですから、それが半額ということになる
19日まで予約受付中とか。これは新年会盛り上がること間違いなし
盆菜一皿目は、伊勢海老、フカヒレ、アワビ、ナマコ、ガチョウのもみじ、魚の浮袋、肉団子、豚足、ブロッコリーが盛られた。
伊勢海老は上品なあまみを滲ませながら、プリリと弾け、フカヒレはスープの旨みを抱き込んだ太い繊維が、歯を喜ばす。
鮑は養分がじんわりと舌に落ちて、スープと抱き合い、味を深くする。
ナマコは、微かに自分を主張させながらも、ぐにゃりと柔らかく、とろんとしたスープに絡んでたまらない。
もみじを手でつかみ、しゃぶるようにして肉を骨から外せば、てれんと肉が甘えてくる。
豚足は、箸を入れた瞬間に崩れるほどに煮込まれて、とろとろと唇に絡みながら、消えていく。
肉団子の獅子頭は、豚肉の旨味を発散させながら、スープの深みと混じり合う。
浮袋は、ぐにゆりと歯が抱きしめられ、中からゼラチン質の甘みが染み出してくる。
そしてふた皿目は、湯葉や花椎茸がよく、3皿目な、スープが染み込んで一体となった大根が、体をのけぞらせる。
とにかく乾物のコラーゲンが凄まじい。これまたコラーゲンがたっぷり溶け込んだスープと共に、唇に、舌に、上顎に、喉に、口内の粘膜という粘膜を舐め回す。
最後はスープを薄めて雑炊にし、そこへ陳皮を振り、数滴紹興酒を垂らしてみた。
ああ。
これはいけません。