レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
4回
2022/11訪問 2024/08/23
☆二言目を言えば:Still the best Japanese-South Indian food
肉系タンドリー料理、カレーのどれもが素晴らしいが、クルチャ(チーズ・)も傑出している。印料理店には、どこにでもある料理だが、この店のクルチャはレベルが違う。
田村大将が不在で運営体制が変わっていたので暫く躊躇していたが、思い立って久しぶりの再々々々訪問。
急な予約だったが開店と同時に席を貰えたのでタクシーを飛ばして向かうと、なんと田村大将も関西から戻り復帰されていた。
今日はビリヤニもあり、早速お願いする。
相変わらず、ケバブは素晴らしい。ハートランドの麦酒が進む。タコのサラダも盛りが良い。
チーズクルチャ(この日はチーズが少なめで薄い感じはしたが)もビンダルも変わらず旨し。
どちらもダヴァインディアと繋がりのある「やっぱりインディア」が徒歩数分圏内にあるのは奇遇だが、同じ幹から来た2店だとしても日系のここと、印系の「やっぱり」では全く違う枝になっている。
どちらが良いかは、個人的な好みによろうが、私的にはインド料理をこんなふうに清廉な味に導いて食させてくれるカッチャルバチャルには感謝しかない。
魯珈やデリーのような単純なカレー屋を除いてのインド料理店の中で、間違いなく一番好きだ。
昼営業開始
*** マロワン<Malouin>の Smug tongue,,,,, Just for your information,,,,,
◎心はどれだけ幸せだったか?
久々にエスニックが食べたくなり、インド料理で食べログ評価が全国1位というのに興味を持ち訪れた。丸ノ内線新大塚駅から程近い急な階段を上った小さな店。当然ながら満席。漠然とインド系の人が経営・調理しているのかと思って伺ったが、正真正銘の日本人2人が調理・サーブをしていた。
個性の強いエスニックを日本人向けにアレンジした店というのは多々あるが、ここは”青は藍より出でて藍より青し”の感があった。
食している時の満足感、そして普通のインド料理を食した後とは違う胃腸の爽快感。
南インド料理の枠内にとどまらず、今まで食べたインド料理、カレーの中でも1、2を争うほど心は幸せに。
◎舌はどのくらい唸ったか?
個人的にインド料理で一番好きなのはシークカバブである。昔、銀座ナイルレストランでナイルさんに、シークカバブありますか?と尋ねたら ”シークカバブはインドでは屋台料理だから、うちのようなちゃんとしたレストランでは出さないだよ”と言われた事がある。その真偽はわからねど、インドも台湾のように屋台料理が一番美味いのかな?などと思った記憶がある。シークカバブのインドでの品位はどうであれ、好きなものは好きなので、インド系の店に行ってカバブがある店では必ず頼む。
そうやって、これまで数百本は食べているシークカバブの中でもカッチャルバッチャルのシークカバブは最高に美味かった。スパイスの練り込まれ方が絶妙なのだ。
強すぎず、弱すぎず、香ばしい。羊も肉が良質でミンチ状というよりは肉巻きに近い粗挽きである。舌は音を立てて唸った。
ガーリックチキンでも再び舌が唸る。カレーは今日のカレーとしてキーマバイガン、海老と烏賊(烏賊のゴロが入れてある感じ)の二種類頼んだが、ソースの質が全く異質でシェアして食べると愉しかった。
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
きっと、すぐに足は自然に向くと思う。新大塚は大手町からも丸ノ内線で約10分と非常に近かったし。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
Cheese Kurcha is so tasty and quite reasonable.
☆In a ward ~一言で言えば : Magician of spice
●他の人は言わないかもしれない A straight tip
ビリヤニ系にもメニューを広げてもらえると楽しい。
できれば日曜日を営業していただき、代わりに平日のどこかで定休していただくと行きやすい。
例えば日曜営業は昼16:00ぐらいから営業の早仕舞いででも構わない。
3位
2回
2018/09訪問 2025/11/21
☆~二言目には、: Nakaji Theater is in full swing yet again
中治劇場(中治寄席かもしれない)は、今回も盛り上がる!
心の幸せになりかたは、再びMAXレベル。
(今回頂戴したものは写真を、お店の詳細は前回のレビューを参照ください)
*** マロワン<Malouin>の Smug tongue,,,,, Just for your information,,,,,
◎心はどれだけ幸せだったか?
今までどのくらいの数のお寿司屋さんに心を幸せにしてもらったかわからない。
究極の喰いきり料理であるお寿司屋さんで、心が幸せになれるのに必要な自分なりの要件は、ひでたか や 鮨人などでのログで冗長に書いたし、逆にどんなにネタが良くても、心が幸せになれないケースとして 志の助のログで書いてしまったので、ここで敢えて言葉を重ねないけれど、間違いなくここ初音鮨は今まで訪れた鮨店の中で最高に心が幸せになれた一店となった。
もちろん、最高のネタによる鮨自体もその心の幸せを得るのに大きく寄与した。しかし、心を幸せにしてくれたのは、偏に大将(中治さん)の人間力のなせる技と言い切って差し支えないと思う。話の上手い、愉しい大将は多いが、中治さんは次元が違うと感じた。
久里浜の蛸を捌きつつ、”私は85KGの蒲田のタコですが”という自虐的な摑みから始まる語り、手のひらへの手渡しという手法で握ったら即座に食させる工夫(この工夫により、寿司が握られてからお客の口に運ばれるまでの時間はおそらく初音鮨が日本最短であろう)、敢えて仕入値を前面に出すことで(どんなに通ぶっても所詮は素人である)お客に自らの供するネタの市場価値を啓蒙しつつ、一回8人限定の客全員の一体感を伴う心の幸せを尻上がりに醸成していく流れは、間違いなく一流のEntertaimentであった。
その技は、語り口は軽妙であっても、軽薄なものでは無い。言わば伝統芸能の域に達している。もしかしたら大将はそういう素養もあるのかもしれない(落研出身とか)。
人間力は客あしらいの技にも活きていた。最後に大将は今日いちばん美味しかったものは何か?ひとりひとりに尋ねるが、この日は些かお神酒を召しすぎた常連らしき人物が、あるネタに(ここでそれを言わんでもという)怪事(けち)をつけたが、その時の大将の、その客も他の客も不快にさせない受け応えは見事だった。引退された鰻のかぶとの大将の客あしらいとはまさに対極をなすが、いずれも客の心を幸せにしようという心根は共通している気がした。
なお、この質問への答えは、我が家の財務大臣含めて”中トロのヅケ”が大勢を占めたが、私の答えは鱧と松茸の握りだった。
◎舌はどのくらい唸ったか?
ネタは鮪、鮑、伊勢海老、鱧、松茸、蛸、どれも珠玉のものであり、舌は唸りっぱなしだった。
詳しくは写真を参考にしていただければと思うが、手渡し故に、握りの写真は皆無です。
(握りの写真を掲載している人はどうやって? まさか手渡しなのに一旦、皿に置いて撮影を??)
なお、写っていないシャリはふわっとした好みの握り方。
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
ここも鮨さいとう同様に、すでに電話での予約は受けておられず、来店時に次の予約をするしかないようにて、足は自然には動かないが、女将さんの好意で足に再訪の日時はプログラム済み(w)。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
ROI is so-so considering cover charge for high performer included.
☆In a word ~一言で言えば : A superb entertainer hands nuggets away to us.
●他の人は言わないかもしれないA straight tip
”どうぞ遠慮なく写真を撮ってください”と大将自らが前振りをしてくれるのは、必ず”写真撮ってもよろしいですか?”と聞くことにしている身には有り難い。
しかし、大将のその寛容さを勘違いして、バシャバシャと音を立てて撮影する輩には閉口した。
初期設定のスマホカメラは盗撮防止対策で大きなシャッター音が出るが、無音(マナー)カメラのアプリはいくらでも無料で転がっているはずなのに、なぜわざわざ音を出すのかが??である。(数枚のシャッター音で目くじらを立てるほど野暮ではないが、数十枚のバシャバシャはなあ、、、)
初音鮨のカウンターレイアウト・大きさは、ざっくりえ言えばカジノのブラックジャックテーブルのごとくであるから、この空間を共有することになった、”袖振り合うも何かの縁”の隣席の人々を慮ることができない輩には些か忿懣を感じてしまった。
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◎心はどれだけ幸せだったか?
ひさびさのアピシウス。雰囲気、接客、居心地のどれもが変わらずに素晴らしい。
予約時に、キンキンに冷やしておくようにお願いしたパートナーが好きなLaurent-Perrier のRoseを呑みながら、心はいつも通り幸せに包まれた。
◎舌はどのくらい唸ったか?◎◯△▼
Mesique de daurade royalle
真鯛の焼き目が口の中でいい香り、ジュレもちょっと大根おろしを彷彿させるような爽やかさで美味しい ◎
Grosses ravioles d'agneau au jus émulsionnée à l'ail et romarin。
ラビオリというよりはゴルフボールぐらいのボリューム感のあるワンタンの趣き。羊肉のミンチはほぼ臭みが無く言われなければ何の肉か思案するほど。ローズマリーが強く松の様な香りと柑橘味を主張してこの料理を引き締めていた。 ◯
Soupe aux moules safrané
ムール貝は季節なので日本でも昨今は容易に入手できるようになったノルマンディ産かと思ったら千葉産とのこと。半分に切られていたが割と小粒。さっぱりした味わい。
このサフラン風味スープは高橋初代料理長の頃のレシピとのことで、当時は輸入ムール貝に多少の臭みがあったのでそれを打ち消す為にもっと濃厚なクリーム状であった由。現在は国産ムール貝を使っているのでより軽めに仕上げてあるとの事だったが、それでも十分に濃厚で深みのある味で、好みの一皿だった。 ◎
Homard poché, huile de crustacés,risotto
オマール海老のポシェの下にリゾットがひかれている。オマールのポシェの火入れが強すぎてか、硬めの筋肉質な食感となっていて好みでは無かった。
ブルトンでなくカナダ産というのがどこまで影響しているかは不明だが。少量のhuile de crustacésが添えられていたが旨みの増進は感じられず。付け合わせの茸、家余子、銀杏入りのリゾットもオマールとの調和はイマイチで、全体的に乾いた食後感のアピシウスらしく無いちょっと残念な一皿だった。▼
Magret de canard rôti, sauce au Marc
フランス産鴨胸肉のロティ、マール酒の香るソース
マルゴー鴨特有の旨みが感じられ、”しぼりかす”蒸留酒のマールの風味も良い。 ○
Petite Crème brûlée
パティシエから小さなクレームブリュレ ○
Chariot de desserts, glaces et sorbets aux saveurs du moment
本日のワゴンデザートとアイスクリームやシャーベット
相変わらず種類豊富だが、今回は全体的に繊細さに欠けるものが多かった。ガサツな味わい。
パティシエが変わったのだろうか?デザートワゴンはこの店での大きな楽しみなので以前のレベルの復活を期待したい △
Selection of seasonal cakes, ice cream and sherbet, trolley service
Café et Mignardises
ミニャルディーズとコーヒーで終了。
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
足が自然に定期的に動く店であることは変わりない。しかし、今回のオマール、ワゴンデザートの些かの残念感がその間隔を多少長めにすることはあるかもしれない。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
It strikes the perfect balance between luxury and value for a grand maison.
☆In a word ~二言目には、: Timeless Haven for Authentic French Cuisine
●他の人は言わないかもしれないA straight tip
東京版赤本の謎の一つと言われていたのが、この店の不掲載だが、遂に2024年度版で掲載された。ただ、それが無冠のSelectedとしてというのが、赤本の、Authentic Frenchに厳しく、プレゼンがLight and beautifulな皿のModern Frenchに甘いという昨今の姿勢を顕著に表している気がした。 Authentic French好きとしては納得がいかない(遠吠えですw)
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◎心はどれだけ幸せだったか?
食べ物屋さんで食することで感じ得る心の幸せの種類は多様だが、所謂レストランで得られるであろう心の幸せとしては頂点に近いと感じた。
その幸せを生み出してくれたのは、程よいサイズのダイニング、調度品、花器、絵画、食器、cutleryなどのお客の心に華を持たせることを目的としたハイエンドなレストランとして全ての設えの相乗効果に他ならないが、やはり偏に、それらの舞台装置を巧みに回す人、具体的には給仕人の質にあると感じた。
愛想の良い、感じの良い給仕人は多々おられるが、エンターティメントを提供できるレベルの人材は少ない。もちろん、エンターティメントをと言っても給仕人がショーをするわけなどではない。この店が供するエンターテイメントは、メニューを選ぶ時のおざなりではない会話、サーブの段取り、デザート前に替えられるナプキン、ハーブティーの葉を選ばせる時のさりげないアドバイスなどの積み重ねである、お客を幸せにしよという給仕人として教養の研鑽なくしてこれらはなし得ない。もし行かれることがあれば、試しに、手の空いたタイミングを見計らって壁の絵について尋ねてみてほしい。
◎舌はどのくらい唸ったか?
実はアピシウスへは20年ぶりの再訪である。ここまで間隔が空いた理由は7−8年前に再訪しようとしたら改装中で閉まっていたこともあるが、東京あるいは日本には訪れたい店が、珠玉のようにあるからとも言え、日本人は本当に外食環境に恵まれていると改めて感謝が生まれてくる。
今回20年前から変わらぬメニュー(雲丹とキャビアのカリフラワームースなど)も含めていただいたが、20年前よりはるかに舌が唸った。勝手な推測だが、この店の伝説的料理人達がメニューの礎を築かれたが、現在の日本人フランス料理シェフのレベルは20年前より数段上っているのではないだろうか。それはフランスでの修行の容易化、ネットなどの発達による情報力、流通改革による食材の質向上などにもよるのかもしれないが、シェフという職業へのより多くの優種な人材の流入もあるのかもしれないと愚考した。アピシウスのような店の料理人はその頂点に在るのであろうし、そういう人材が30年前に作られたレシピを日々磨いているはずなのだから、進化・深化(=我々の舌がさらに唸る)は当然とも言える。
前置きが冗長になった。舌を唸らされた皿々は写真を参考いただきたいが、やはり仔羊が素晴らしかった。夏ということで、羊(背肉)自体に強めの塩があり、それをセップ茸とトマトのエキスのシンプルなソースで供されたが、近年食べた羊肉で最も旨かった。羊はコロラド産が好みだが、このオーストラリア産は遜色ない。そして、夏のビスク(阿寒湖産のザリガニのスープ)も、私たち好みの、甲殻類を磨り潰した濃厚な味だった。
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
今後は、四半期に一度は足が自然と向く感じがしている。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
I can’t get enough of "Flan de foie gras froid coulis de peches " !
☆In a word ~一言で言えば : Loyal ally of French cuisine devotees
●他の人は言わないかもしれないA straight tip
雨の後の、エントランスの地下に続く入口階段は磨かれた黒御影石が濡れて、非常にslippyで危ない。フラットな革底の靴を履いてる人は要注意である。
土曜日ということもあり満卓で年配の方も多かったが、この階段の昇り降りは年をとったらアクセスが相当に厳しいと感じた。
裏口やエレベータがあるのかもしれないが、、、、