レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2017/01訪問 2024/11/17
☆~一言で言えば : El misionero de Donostia
*** マロワン<Malouin>の Smug tongue,,,,, Just for your information,,,,,
◎心はどれだけ幸せだったか?
結論を先に言えば、食後にシェフに見送られて店を出るとき、心は非常に幸せだった。
この場所が”よねむら”だった時代に座ったことのあるカウンター席(そのまま活用している感じ)がassignされたので、期せずしてシェフと近しく対話しながら、喰いきり料理的に供された、丁重に作り込まれた現代バスク料理の皿々を食することができた。
シェフと交わしたDonostia 近辺の話もバスクを愛するお互いの気持ちが通じ合えて、懐かしく楽しめた。
シェフはグロス地区の店におられたとの事で、スリオラが店名なのに合点が行った。
そして、maître(兼ソムリエ)が探し出してくれた残り一本の MACIZO 2010が飲めたことも良い出会いとして心の幸せを盛り上げた。このワインは bb9で薦めてもらって以来、いろんなショップの在庫を探し回って見つかる限り買い漁り、全部、家呑みしてしまい、もう日本には最当たり年と言われる2010年はもうないかと思っていたので、この邂逅は嬉しかった。
◎舌はどのくらい唸ったか?
アミューズ的な生ハムのクロケッタでスタート。このクロケッタ自体は?ながら、生ハムがホセリートであったことに感銘。
次の、えごまの葉で包んだホタテにはかなり舌は唸る。(但し、私はえごまの葉好きなので割り引いて聞いてください(w))
その次のペドロヒメネス香るフォアグラにも舌は唸る。シェフはシェリーとしてのペドロヒメネスをフォアグラに最適と気づいて使っているとのことだったが、私はペドロヒメネスの白ワインも好んで呑むという話にシェフは興味を示す。
湯通ししたホッキ貝はフム〜という感じだったが、アオリイカとイカスミのフィデウアは嬉しい皿だった。フィデウアはバレンシア近郊のEL SALER のParadorに3日間滞在し、Albuferaのパエージャ屋街に連日通った時に、米でなくフィデウアでのパエージャの旨さに目覚めた時を思い起こさせる味だった。日本でこんなうまいフィデウアを食べさせてもらったのは感謝。
メインはサワラ、赤牛と続いた。サワラはシェフ自身による丁重な火入れで(何せ目の前での調理なので如何にして供されるかが良く分かる)サワラとは思えないトロとした仕上がりで舌が唸る。
赤牛は些か硬いのが気になったが、肉の旨味は及第点。
その後、3種のチーズが供されたが、モンテエネブロ、バルデオンと、西特有の風味のある好みのチーズが盛られていてありがたい。
自家製チョコレートも含めたデザートも非常に良い。誰がパティシエかは不明だがpostreにも隙はない。
全体を通してバスク懐石ともいうべき内容だったが、その精緻さと深みに舌は繰り返し唸った。
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
会計時に次回を予約してしまいました。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
Es caro (especialmente por 10% servicio) pero es bueno.
☆In a word ~一言で言えば : El misionero de Donostia
●他の人は言わないかもしれないA straight tip
銀座で急に夕食を取ることにして、食べログ検索でさがしてほぼ当日予約だった為、この店が、赤本2星というのはシェフと話すまで全く知らずに訪問したので、「西麻布から銀座に移転したタイミングで⭐️⇨⭐️⭐️に星が増えて思わぬ追い風になった」という流れの話にも、最初シェフと会話がかみ合わず、大変失礼しました。
3位
1回
2017/11訪問 2019/05/07
☆ ~一言で言えば : A Living National Treasure.
*** マロワン<Malouin>の Smug tongue,,,,, Just for your information,,,,,
◎心はどれだけ幸せだったか?
再始動後の初訪。かつては1年に一度、蟹の解禁後、香箱のある間に通っていた。アパホテル内にあった前の店を閉じる直前に伺った時の森田ご夫妻の口調からは、もう二度と、頂くことはでき無いであろうと思っていた。再始動の場を得て、小松弥助の森田さんの握る鮨を再び食させて頂く為に、毎年恒例の北陸蟹食行にあたって今年は金沢宿泊をいつもより一日増やして昼に伺った。
駅前の旅館の別棟に造られた空間は、以前とは比較にならない広さと天井高の店内。
ここが、変わらぬ森田さんの踊るような握り方が満席の客の前で披露される舞台となっていた。
2年ぶりに名物、雪もみじや白山を頂きつつ、御歳86の現代の匠の動き、話術、そして3−4人の若手補佐への采配ぶりの見事さにあらためて魅せられて気分大いに高揚し、おきまりの後に、約10貫を追加で頂いたことで、心の幸せは(お会計もw)MAXに。
◎舌はどのくらい唸ったか?
江戸前とは違う、金沢鮨の頂点としての鮨に、舌は以前と変わらず大いに唸る。
今回は烏賊の硬さとかマグロの筋とかcompliant を感じる点も有ったが、それらも些細な事と思わせるような握りの持つ勢いが舌を唸らせてくれた感じがする。
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
毎年恒例の北陸蟹食行だが、森田さんが握り続けられる限り、一年に一度はお会いして、元気を頂く幸せな時間を過ごしたい。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
Priceless!
☆In a word ~一言で言えば :
A Living National Treasure.
●他の人は言わないかもしれないA straight tip
昼だけの営業とはいえ、テーブル席も含めて約20人の3回転を約6時間通しでこなされることに驚愕していたが(若手補佐が居るとはいえ、主たる部分の握りは全て森田さんだから)、この日はどうしても納まらない予約を受けて、昼の営業の前に、朝10時からも数組のお客に対応していたというのには驚嘆し、あらためて畏敬の念を抱いた。
4位
2回
2017/02訪問 2023/12/05
☆~二言目には、: 煮込みもすごかった! 再訪なので詳細は↓の初訪レビューをご参照。
再訪。予想外の渋滞とタクシードライバーの地理不案内もあり、午後4時5分に到着。既に満席。1席しか空いていなかったが、ご主人のはからいで、詰めてもらって、カウンターに2名潜り込む。
相変わらず全ての串が旨い。
そして、前回頼めなかった、煮込みにありつく。
普通のもつ煮込みとは”全く”違う。そもそも肉がもつではない。薀蓄などどうでも良いと言い切らせる旨さ。
午後6時には心は幸せに包まれて店を後にする。おあいそは、二人で約14,000円。
もつ焼き屋の会計としてはovervaluedと言えるが、満足感 > 勘定なので、感謝!
*** マロワン<Malouin>の Smug tongue,,,,, Just for your information,,,,,
◎心はどれだけ幸せだったか?
今まで、都内で何軒の串系酒場、焼きもの屋を訪れただろうか、その中に良い店もたくさんあり何度もお世話になった店も多い。しかしながら、その中で、ここ埼玉屋がtop-notchであることには疑いがない。
およそ2時間の間、箸が進み、酔いが進むにつれて、心はどんどん幸せに包まれて行った。
味だけではない、ご主人の人間力、酒の質と鮮度(生レモン・生ホッピー+アルファ)、換気の良いかつ禁煙の快適な店内の居心地などなどが相乗して、私たちを含めたカウンターを囲んだ同好の士全員の心を幸せにする。
両隣のご同好の方と僅かながらお話しするに、ご近所の人が多い。羨ましい!
店を出てタクシーを拾い王子から首都高に乗ってもらいながら、酔いも手伝って不遜にも立地を恨む、「この店がせめて家から車で20分ぐらいなら、週一で通いたいのに、、、」と、ひとりごちながら。
◎舌はどのくらい唸ったか?
食べる前に串打ちした肉を見せられる→涎が出る。絶妙に焼かれる+たれをつけて串で下駄を作った皿の上に置かれる。すぐに頬張る→舌が唸る、を繰り返す。牛も、レバも、シロも、ベーコンも、ご主人曰くの、”今までに他で味わったことが無いものを供する” というのもあながち誇張では無いほど舌は唸りっぱなしだった。
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
些か遠いが、頑張って行くと我が家の財務大臣とともに決意を固めたので、足は近々自然と(勝手に)動くだろう。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
Happily pay for outstanding works.
☆In a word ~一言で言えば : an unparalleled joy
●他の人は言わないかもしれないA straight tip
埼玉屋を知って、これまで本郷2丁目路地のもつ焼き屋を串が旨いからと、そのarrant rudnessを甘受してきた、自分の愚かさに気づかされる。
*** マロワン<Malouin>の Smug tongue,,,,, Just for your information,,,,,
◎心はどれだけ幸せだったか?
数年ぶりのロジェ。ドアマンのいるエントランス、階下に広がるダイニングから吹き抜けた円形のウエィテイング、そして今度は天井高10mはあろうかという抽象画の掲げられたふんわりした色調のダイニングと、特別な時間を演出する舞台装置は整っている。
中央のゆったりしたソファー席に案内される。ソファー側に座るパートナーにはさっと背もたれクッションが用意される。
こんな風に、一事が万事、満卓時でさえも、客の望みを先取りしてくれうるに十分な人数のフロアスタッフ。その全員が(客に要らぬ圧をかけぬように)、見てないようなふりで、実は見ている事がわかる動きを適時・適宜にしてくれるのを感じる時は、やはりグランメゾンはいいなと思える瞬間だ。
この舞台装置にふさわしく、周りはハレの日を祝うカップルと、何かの先生を囲むグループ客などが中心。同伴系やC国系は意外と少ない。
それにしても、銀座の然るべき店のMaitreやSommelierの距離感の取り方や接し方にはいつも感心する。ホテルマンとも違うし、西麻布系の店で散見される慇懃無礼な給仕係には無い、真のhospitalityを感じることも屡々である。サービスという職業の奥深さを知るとともに、ずっと幸せな気分に浸っていたいであろう日や、何らかのcelebrationを、ここで行うのは誰にとっても正解だと断言できる。
皿も進み、薦められた良い酒のグラスを重ね、心がどんどん幸せになった頃、U氏という方が登場。勤続20年超という事で昔のロオジェのことなどに話が及ぶ。肩の力が抜けた話力で、すっと入ってくるもてなしにサービスマンとしての匠を感じ、氏に見送られて店を出るまで心がずっと幸せに。
◎舌はどのくらい唸ったか?◎◯△▼
供された皿々は、私たちの期待を上回るもので、舌は大いに唸った。この10年で日本のフレンチの更なる進化を感じたとアピシウスのレビューでも書いたが、ロオジェも数年前より確実に進化している事を感じた。
挨拶に出てきてくれたシェフのオリヴィエ・シェニョン氏はピエール・ガニエール東京にもおられたという事で、私たちが今まで東京で食べたドーバーソールの中で一番美味しいと感じた一皿を食べた時も氏の采配かと思ったが、その時点では既にロオジェに移られていたようだ。
今日、頂いたのは以下で、詳しくは写真を参考として頂ければと思うが、主たる食材は鯛以外、フランスからの輸入とのこと。
LE CAVIAR KRISTAL
DÉPOSÉ SUR UNE BAVAROISE «ARGENTEUIL»
POINTES D’ASPERGES BLANCHES AUX FLEURS DE SHISO
PÉTALES DE NOIX DE SAINT-JACQUES, RÂPÉE DE CITRON
旬の白アスパガラスはその香りをパートナーが絶賛。私は相変わらず白アスパラの良さが分からず、太いマコモタケの方が旨いと思ってしまう愚か者。KRISTAL キャビアというのは初めて食べたが、食感・味、見た目(粒に透明感がない)とも通常のロシア産キャビアとは明らかに異なっていた。青魚のような匂いがある。鮫が違うのか?
◯
LE HOMARD BLEU
RELEVÉ D’UNE POUDRE D’ORANGE CONFITE
ÉTUVÉE DE FÈVES ET PETITS POIS À LA MENTHE, BISQUE LÉGÈRE
このオマールは旨い。サイズは小さめのようだが、ブルターニュで食べるのと遜色ない。火入れも塩も素晴らしい塩梅で、舌は大いに唸る。◎
LA DORADE ROYALE
CUITE SOUS UN VOILE DE «CHAPELURE, PARMESAN ET TRUFFE»
FILS DE CÉLERI RAVE CROQUANTS
INFUSION DE MORILLES AU VIN JAUNE
皮がクリスピー状に焼かれた真鯛は、鯛とは思えないしっとりとした身の焼き加減で再び舌が唸る。繊細で淡白な鯛は旨味を損なわずに火入れされ、それぞれの主張は控えめながらトリフやフロマージュをクルート状に重ね焼きしたものが皿全体のコクを高めて複層的な味を醸し出し旨い。和食とは違う鯛の食し方に舌は悦ぶ。◎
LE VEAU
LA CÔTE RÔTIE, MAY QUEEN FONDANTE, LAITUE BRAISÉE/FARCIE
PURÉE DE CHAMPIGNONS DE PARIS À LA TRUFFE NOIRE
JUS À L’AIL ROSE CONFIT
仔牛は、その肉質から得てしてパサっとした仕上がりになりやすい。しかし、ここで供されたブルターニュ産仔牛のロティはまるで鴨の胸肉のように舌の上で蕩けるごとくだった。前述のU氏に仔牛の付け合わせの茸のピューレの茸は何かと尋ねると、モイーユ茸主体と教えてもらう。私たちはモイーユ茸が大好物だが、自分たちでは下処理が大変すぎて家では食べれない食材だという話をすると、キッチンと話して丸ごとの生モイーユ茸をこの皿の付け合わせに入れてくれた。これが茸としての味自体、塩加減も絶品で舌が捩れるほど唸った。◎
フロマージュも総じて良い状態で愉しめた。◯
ディセールは、主たるディセールの後に多種類のプティのワゴンサービスもあり楽しい ◎
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
足は既にロオジェの場所を長い間記憶しているが、今回改めてその良さに気づいたようだ。これからは頻度を上げて、節目、節目で訪れたい。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
Around 90K for 2 is a bit severe in personal daily use, but worth it in certain events.
☆In a word ~一言で言えば : Willing to be a Willow in Ginza
●他の人は言わないかもしれないA straight tip
場所、内装、設え、調度品、食材の質、招聘されたシェフのレベル、従業員の数とその質などなど遍く全てにおいて、東京に数多ある名店の中でも総合点では比類がない。
資生堂という食を含む文化へのメセナたる事を理解したオーナー&大家があって成り立っている存在であろう。
巷の人気・有名シェフを擁する個人店が飲食企業と提携したり、金主から相応の資金を得て店を展開しても簡単には辿り着けないビジネスモデルなのかもしれない。
またトゥールダルジャンを含むホテル内レストランとも、狙う収益性が違う領域にいるビジネスという印象も受ける。
敢えてこの店の同類を探せば、グランメゾン経営に理解のありそうな企業(ピザ系)のオーナーを得た恵比寿のロブションぐらいかもしれない。