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キャビア・アスパラ
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オマール
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真鯛
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仔牛
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*** マロワン<Malouin>の Smug tongue,,,,, Just for your information,,,,,
◎心はどれだけ幸せだったか?
数年ぶりのロジェ。ドアマンのいるエントランス、階下に広がるダイニングから吹き抜けた円形のウエィテイング、そして今度は天井高10mはあろうかという抽象画の掲げられたふんわりした色調のダイニングと、特別な時間を演出する舞台装置は整っている。
中央のゆったりしたソファー席に案内される。ソファー側に座るパートナーにはさっと背もたれクッションが用意される。
こんな風に、一事が万事、満卓時でさえも、客の望みを先取りしてくれうるに十分な人数のフロアスタッフ。その全員が(客に要らぬ圧をかけぬように)、見てないようなふりで、実は見ている事がわかる動きを適時・適宜にしてくれるのを感じる時は、やはりグランメゾンはいいなと思える瞬間だ。
この舞台装置にふさわしく、周りはハレの日を祝うカップルと、何かの先生を囲むグループ客などが中心。同伴系やC国系は意外と少ない。
それにしても、銀座の然るべき店のMaitreやSommelierの距離感の取り方や接し方にはいつも感心する。ホテルマンとも違うし、西麻布系の店で散見される慇懃無礼な給仕係には無い、真のhospitalityを感じることも屡々である。サービスという職業の奥深さを知るとともに、ずっと幸せな気分に浸っていたいであろう日や、何らかのcelebrationを、ここで行うのは誰にとっても正解だと断言できる。
皿も進み、薦められた良い酒のグラスを重ね、心がどんどん幸せになった頃、U氏という方が登場。勤続20年超という事で昔のロオジェのことなどに話が及ぶ。肩の力が抜けた話力で、すっと入ってくるもてなしにサービスマンとしての匠を感じ、氏に見送られて店を出るまで心がずっと幸せに。
◎舌はどのくらい唸ったか?◎◯△▼
供された皿々は、私たちの期待を上回るもので、舌は大いに唸った。この10年で日本のフレンチの更なる進化を感じたとアピシウスのレビューでも書いたが、ロオジェも数年前より確実に進化している事を感じた。
挨拶に出てきてくれたシェフのオリヴィエ・シェニョン氏はピエール・ガニエール東京にもおられたという事で、私たちが今まで東京で食べたドーバーソールの中で一番美味しいと感じた一皿を食べた時も氏の采配かと思ったが、その時点では既にロオジェに移られていたようだ。
今日、頂いたのは以下で、詳しくは写真を参考として頂ければと思うが、主たる食材は鯛以外、フランスからの輸入とのこと。
LE CAVIAR KRISTAL
DÉPOSÉ SUR UNE BAVAROISE «ARGENTEUIL»
POINTES D’ASPERGES BLANCHES AUX FLEURS DE SHISO
PÉTALES DE NOIX DE SAINT-JACQUES, RÂPÉE DE CITRON
旬の白アスパガラスはその香りをパートナーが絶賛。私は相変わらず白アスパラの良さが分からず、太いマコモタケの方が旨いと思ってしまう愚か者。KRISTAL キャビアというのは初めて食べたが、食感・味、見た目(粒に透明感がない)とも通常のロシア産キャビアとは明らかに異なっていた。青魚のような匂いがある。鮫が違うのか?
◯
LE HOMARD BLEU
RELEVÉ D’UNE POUDRE D’ORANGE CONFITE
ÉTUVÉE DE FÈVES ET PETITS POIS À LA MENTHE, BISQUE LÉGÈRE
このオマールは旨い。サイズは小さめのようだが、ブルターニュで食べるのと遜色ない。火入れも塩も素晴らしい塩梅で、舌は大いに唸る。◎
LA DORADE ROYALE
CUITE SOUS UN VOILE DE «CHAPELURE, PARMESAN ET TRUFFE»
FILS DE CÉLERI RAVE CROQUANTS
INFUSION DE MORILLES AU VIN JAUNE
皮がクリスピー状に焼かれた真鯛は、鯛とは思えないしっとりとした身の焼き加減で再び舌が唸る。繊細で淡白な鯛は旨味を損なわずに火入れされ、それぞれの主張は控えめながらトリフやフロマージュをクルート状に重ね焼きしたものが皿全体のコクを高めて複層的な味を醸し出し旨い。和食とは違う鯛の食し方に舌は悦ぶ。◎
LE VEAU
LA CÔTE RÔTIE, MAY QUEEN FONDANTE, LAITUE BRAISÉE/FARCIE
PURÉE DE CHAMPIGNONS DE PARIS À LA TRUFFE NOIRE
JUS À L’AIL ROSE CONFIT
仔牛は、その肉質から得てしてパサっとした仕上がりになりやすい。しかし、ここで供されたブルターニュ産仔牛のロティはまるで鴨の胸肉のように舌の上で蕩けるごとくだった。前述のU氏に仔牛の付け合わせの茸のピューレの茸は何かと尋ねると、モイーユ茸主体と教えてもらう。私たちはモイーユ茸が大好物だが、自分たちでは下処理が大変すぎて家では食べれない食材だという話をすると、キッチンと話して丸ごとの生モイーユ茸をこの皿の付け合わせに入れてくれた。これが茸としての味自体、塩加減も絶品で舌が捩れるほど唸った。◎
フロマージュも総じて良い状態で愉しめた。◯
ディセールは、主たるディセールの後に多種類のプティのワゴンサービスもあり楽しい ◎
◎足が自然と、またここへ来たいと動くか?
足は既にロオジェの場所を長い間記憶しているが、今回改めてその良さに気づいたようだ。これからは頻度を上げて、節目、節目で訪れたい。
◎会計担当の我が家の財務大臣の反応は?
Around 90K for 2 is a bit severe in personal daily use, but worth it in certain events.
☆In a word ~一言で言えば : Willing to be a Willow in Ginza
●他の人は言わないかもしれないA straight tip
場所、内装、設え、調度品、食材の質、招聘されたシェフのレベル、従業員の数とその質などなど遍く全てにおいて、東京に数多ある名店の中でも総合点では比類がない。
資生堂という食を含む文化へのメセナたる事を理解したオーナー&大家があって成り立っている存在であろう。
巷の人気・有名シェフを擁する個人店が飲食企業と提携したり、金主から相応の資金を得て店を展開しても簡単には辿り着けないビジネスモデルなのかもしれない。
またトゥールダルジャンを含むホテル内レストランとも、狙う収益性が違う領域にいるビジネスという印象も受ける。
敢えてこの店の同類を探せば、グランメゾン経営に理解のありそうな企業(ピザ系)のオーナーを得た恵比寿のロブションぐらいかもしれない。