『最後のスペンサー』まめぞうさんの日記

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おおよそ25年前村上龍に傾倒していた時期がある。
愛と幻想のファシズム、ラッフルズホテル、 コックサッカーブルース、 超電導ナイトクラブの頃。

1991年その村上龍の対談集「世界をボクらの遊び場に」を買った。
対談相手は、15人。桑田佳祐、中嶋悟、ジョージルーカス、松任谷由実、リチャードブランソンなど。

その中に一人だけ知らない人物がいた。
それがロバート・B・パーカー、作家である。

スペンサーシリーズという探偵小説を1973年から書いているという。
その対談を読み、これは読んでみたいと本屋に走る。

もともと本好きなのだが、どんどん買うので置き場が無くなり、家内から床が抜けたらどうするのと注意を受ける。
それから単行本と文庫本がある場合は文庫本を買うように決めた。

このスペンサーシリーズもどちらもあるのだが後に出版される文庫本で読むことにする。
どうせなら第一作から読んでいこうと文庫本では二番目に出た「ゴッドウルフの行方」から読み始める。

すぐにはまってしまった。
ボストンをメインの舞台にアイルランド系の主人公スペンサー、恋人のユダヤ系スーザン、相棒の黒人ホークを中心に展開する。

食事、ファッション、街並みがとっても魅力的に描かれ、主人公たちのブレのなさ、ユーモア、パッションがびんびん伝わってくる。
夢中になって読んだのであっという間に過去の作品を読み切り、出版を待つはめに。

まずは英語版、次は単行本、そして文庫本なのだが自制しながら文庫本が出るまでじっと待った。
そのうちスペンサーのコアファンがいることがわかり、その事典が三冊出版されていることがわかる。

スペンサーを見る事典、スペンサーのボストン、スペンサーの料理。
日本のコアファンが出版している。

いったいこのシリーズはいつまで続くんだろうと思っていたが、2010年1月意外なことで幕を閉じる。
作家ロバート・B・パーカーが急死するのである。当時新聞にも小さく載ったが衝撃的であった。

海外出張に行った時時間があったので英語版を買って読んだことがあるが、
訳者の菊池光は素晴らしい意訳をする。その菊池光も老齢で亡くなり加賀山卓朗が引き継ぎこちらも負けず劣らずのいい訳。

その訳もこれから円熟だなと思ったところでの原作者の死。
スペンサーシリーズの偉大さから別の作家が引き継ぐらしいが、私の中では全39冊、最後の「春嵐」で終わりである。

どの作品もいとおしいが、あえて選ぶとすれば
「約束の地」「初秋」「晩秋」である。

22年かけて読み続けてきた。
そんな作家はちょっといない。

よかったら今からでもページを開いてみてください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBB%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC#.E3.82.B9.E3.83.9A.E3.83.B3.E3.82.B5.E3.83.BC_.E3.82.B7.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.82.BA

http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_ss_i_1_6?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&url=search-alias%3Daps&field-keywords=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBb%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%20%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC
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