レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2017/07訪問 2017/08/20
知る人ぞ知る、高知いや四国を代表するレビュアーさん、
「高知ラガーくすくす」さん
https://tabelog.com/rvwr/000535236/
その素晴らしい文章力に注目していたのは私だけでなく
食べログ事務局もそうであった。
「食べログおすすめレビュアー」↓
https://tabelog.com/featured_reviewer/?lid=top_feature
この中で、彼は次のように紹介される。
"美味しいが止まらない人生"を目指す、高知の元ラガーマン
口コミは料理を紹介しながらもストーリーを感じさせ、
まるで軽いタッチのエッセイのように爽やかな読後感を残す。
高知を拠点に徳島や香川へ足を伸ばしながら、
屈強なはずの元ラガーマンは、繊細に食への愛を綴る。
和食だろうが洋食だろうが、はたまた中華であろうが、
オヤジならぬ大人の粋な味わい方を、絶妙の文章で表現している。”
今回高知を旅するにあたり、
そのくすくす氏に思い切ってメッセージを送り、
高知の店を紹介していただいた中の一押しがこの店であった。
ここ「ゆう喜屋」は
もしかしたら県外の人たちに有名なお店なのかもしれない。
何人かの県外の方々に高知のいい店を教えてくれと問うたら、
みな、口を揃えてこの店を教えてくれたのだ。
一ヶ月以上前に、店に電話する。
うまく掘りごたつの席を3人分ゲット、
女将さんが明るい声で、
「うちは天然物しか扱ってないんで、
台風が来たら魚が手に入らないんで店は開きませんからね」
指折り数えてこの日を待つ。
しかし、必ずその時は来る(笑)
四国入りしたその日の昼前、
くすくす氏からメッセージが届く。
なんと、この日の宴に参加できるとの事!
時間が近づいたので宿でタクシーを呼んでもらい、
リッチモンドホテルのそばまで来るが店が見当たらない。
車から降ろしてもらい、あたりを歩いて、
表通りのビルに看板を発見♪
一階の奥にのれん。
引き戸を開けると
すぐにカウンター席が右奥に広がる。
予約名を云うと
電話の主であった女将さんがイメージ通りのいい笑顔。
奥の座敷です、と案内。
すると、背番号2番、
スクラムの要、フッカーの
高知ラガーくすくす氏が満面の笑みで出迎えてくれる。
食べログをやっているとよくあることなのだが、
会うのが初めてでもいきなり意気投合する。
6.5%と度数の高い「キリン一番搾り高知に乾杯」の瓶を注文し、
取るものもとりあえず4人で乾杯♪
料理はくすくす氏とお店におまかせ。
ドロメ:
イワシの稚魚、生シラスである。
ぷりぷり新鮮、ほのかに柑橘の風味。
刺身盛り合わせ:
イサギ(イサキ)、カツオ、清水サバなど。
あぁ、美味い♪ 清水サバがコリコリ、
いわゆる鯖の臭みは一切ない。
土佐醤油でいただく。
カツオタタキ:
高知に来ると
驚かせるためのドデカい切り身が出されることが多いが、
ここのは食べやすい大きさ、
見た目より中身で勝負。
東京でいただくタタキとは全く違う味。
とてもアッサリして旨みたっぷり、
やはり獲れたものをそこでいただくのが一番旨い。
鯛のあら炊き:
味付けが予想通り薄味だがコクがあるという西の味付け。
口に入れると身がほろほろに崩れ、骨をしゃぶる。
トコブシ煮:
こちらも優しい味付け。
いい弾力の歯ごたえでやっぱり美味い。
握り盛り合せ:
この日は
いいムラサキウニが少し手に入ったということで
入れてもらう。
あぁ、ねっとりいい甘さである。
塩気は少ないがコクがある味噌汁をいただいて
高知の名産、小夏で
あっさりと上品な甘さと酸味で美味しく食事を〆てくれた。
くすくす氏はずっとビール、我々は熱燗、芋のお湯割り。
初めてお会いしたのに積もる話で話題が絶えず、
話の度に皆大爆笑。
さすが、スクラムの要、くすくす氏、
宴のツボをよくおさえていらっしゃる。
あっという間の3時間半、お代はひとり8千円ほど。
この先、高知に行くんだけど、という人がいたら、
間違いなく
「ゆう喜屋」と「高知ラガーくすくす」をお勧めする。
2位
11回
2023/04訪問 2023/06/21
18時に予約して出かけたら、
我々が最後の客で店は満席。
他の卓は既に結構盛り上がっている。
その分、檀上さんもカホさんも天手古舞な忙しさ。
その合間を縫って手早く注文。
いつものようにスペイン瓶ビールで乾杯♪
エスカベッシュがすこぶる旨い。
メカジキがギュッと詰まり、ソフリート(出汁)のいい旨み。
スクランブルエッグが
スペインらしくジャガイモが結構入り
ボリュームたっぷり。
イワシ焼きに白のワインがよく合う。
牛モモは天日干しの葡萄から作った
糖分たっぷりのシェリー酒のビネガーソース、
ここはテンプラニージョ赤のグラスで。
パエリアがあがるまで、
赤パプリカのマリネで繋ぐ。
爽やかないい甘み。
パエリアの半分、
オリーブ、チーズを持ち帰りで包んでもらう。
やっぱ檀上ワールドは凄いや♪
この日頼んだもの:
「瓶ビールmahou」(@800円x3)
「Forlongボトル」(5,000円)
「テロワーズグラス」(@770円x3)
「メカジキのエスカベッシュ」(900円)
「ズッキーニ入りスクランブルエッグ」(800円)
「イワシの鉄板焼き」(800円)
「牛モモ肉のロースト ペドロヒメネスビネガーソース」(2,000円)
「赤パプリカのマリネ」(700円)
「イカ墨のパエリアM」(4,600円)
「オリーブの盛り合わせ」(700円)
「スペイン産チーズの盛り合わせ」(1,200円)
合計21,410円
緊急事態宣言が明け、
お店でアルコールが呑めるようになった。
早速、電話し、
檀上さんから都の方針に従い
酒類の提供は20時までと確認し、
17時半に予約。
シティホテルで引き起こされる事件を描いた
壮大な映画を愉しんだ興奮冷めやらぬ中、
ビールで乾杯♪
まずは生ハムの旨みと甘みを噛みしめ、
秋らしい果実味を感じる白ワインで、
ヒコイワシを流し込む。
とても柔らかいイカのフリット、
今度はテンプラニージョで。
ダンジョウも今年まともに営業できたのは
2週間ほどとのこと。
今でも事前に電話をくれれば大体テイクアウト可能、
ラップやホイルで包んだので出すのでマイバッグ持参の事。
豚耳が今日は塩が強くない穏やかな味、
この日はもうテンプラニージョで続けることに決め、
タラの旨みのスクランブルエッグ、
ピーマンの旨み溢れるマリネ。
イカ墨のパエリアは1/4ずつ店でいただき、
残りはテイクアウトで。
Mahou@770円x2
バランシーネス@770円x2
ビニャデルオハ@770円x6
イベリコ豚の生ハム880円
ヒコイワシの酢漬け880円
イカのフリット660円
豚耳の鉄板焼き660円
塩鱈入りスクランブルエッグ880円
焼きピーマンのマリネ660円
イカ墨パエリアM 4,620円
合計16,940円
あぁ美味かった♪
ここはアナログを貫き、
現金決済、HP・SNS無し。
緊急事態宣言中の様子が全く分からなかった。
恐る恐る電話をしたら
以前と変わらぬカホちゃんの弾んだ声。
迷わず予約して出かける。
入店すると即手指消毒の指導。
一番換気のいいカウンター右端に座る。
スペイン瓶ビール(@770円)で乾杯♪
緊急事態宣言発令中は完全休業だったそうだ。
再開後は17時オープン、
アルコール提供22時まで、
23時完全閉店(8/1現在)。
生ハム(880円)、
メカジキのエスカベッシュ(770円)、
イワシのアヒージョ(880円)
を白ワインエデターナをグラス(@770円)で。
アーティチョークのソテー(660円)、
ミックスパエリアL(6,820円)
を頼んで
赤ワインシジャールグラス(@770円)に。
見事に炊き上がった
パエリアを見せてもらい、
追加でオリーブ(660円)、
焼ピーマンマリネ(660円)、
エスカベッシュ(770円)
パエリア1/4を2人でいただき、
残りをテイクアウトに
(テイクアウト容器は準備してないので
アルミホイルに包んでもらう)。
赤ワインを都合3杯ずついただき、
お代は2人で19,800円。
大満足なスペインの夜♪
旧線路沿いの居酒屋を出た後、
駅方向に戻ったら、
ダンジョウの前を通る。
通り過ぎる訳にもいかず、
ドアを開け、中を覗くと大繁盛!
幸か不幸か2人テーブル席が一つ空いていたw
テーブル席限定チャージ@330円x2
Sanz La Capital Roble(テンプラニーリョ)@770円x4
生ハム880円
マッシュルームの鉄板焼き660円
ミックスパエリアS 3,080円
計8,360円
カホちゃんと少しだけ調布の立ち呑み談義、
檀上さんにきちんと挨拶してご馳走様。
17時前、すぐそばにいたので
ダメ元でで電話。
18時半までならという条件で
カウンター2席ゲット♪
イカ墨のパエリアS2,800円をテイクアウトで、
彼女は白グラスマルケス700円、私は赤グラスエヌサンビー700円、
真鯛のカルパッチョ800円、
タコのガリシア風800円
を注文。
真鯛はさっぱりして旨い。
ガリシア風は
タコを茹でて塩、オリーブオイル、パプリカで和えて
茹でジャガイモの上にのっけたもの。
タコがチュゥイーでこれはもうひとつか。
壇上さんから
壇上姓についてレクチャーを受ける。
恵比寿名物居酒屋吉柳にも
壇上さんがいるのだがたまたまで無関係だというw
赤グラスをもう一杯ずついただき
ご馳走さん、
お代は消費税がついて7,776円。
毎年ハワイに行く先輩が
先日日テレ火サプで
近隣の百店街の串揚げフジヤマテキサスのハワイ支店が紹介されたので、
是非本店に行きたいというのでお連れした。
せっかく調布に来られるならと
グルメな先輩のために、ここダンジョウを予約。
平日だったが最終的に満席になったので、
平日でも予約必須。
壇上さんの目の前のシェフズテーブルをゲット。
フジヤマテキサスで少し飲んだので、
いきなり赤ワインから。
カホちゃんに
果実味があって重めの赤のボトルと頼んだら、
先輩が、出来たら土臭いのを、
ということで、ここでは少しお高めの6,500円のワインで乾杯。
先輩もワインの味に満足して、
このひ頼んだ料理は;
ヒコイワシの酢漬け
イカのフリット
マッシュルームの鉄板焼き
豚耳の鉄板焼き
ホワイトアスパラとチョリソーのスクランブルエッグ、
ミックスパエリアM
ワインボトルが空いて、
グラスの赤をいただき、
この日も大満足。
2人で1万6千円ちょい、
檀上さんともお話できて、
今宵もいい日。
週末の予約は相変わらず取るのが大変。
なんとかカウンター席確保。
マオウで乾杯、
ヒコイワシ、赤ピーマン、玉子を落としたトマト煮、ラムロースト。
赤ワインを味見させてもらって、
もう少しボディのあるボトルを出してもらう。
ぜひ色んなスペイン料理屋を回ってもらいたい。
やっぱり、ここが一番旨い事がよくわかるから。
イカ墨パエリア半分お持ち帰り。
お代は2人で、17,064円。
新たな旅立ちをする若者の壮行会をここで。
初めてテーブル席を予約した。
スペインビールで乾杯♪
殻付きアーモンドは塩気がなく、その甘みに病みつきになる。
スクランブルエッグはふわふわ。
今回たまたま手に入ったというN36をボトルで。
ボディがありいい果実味、調子に乗ってもう一本。
今日はミックスパエリアをLで注文。
もはやダンジョウに病みつきである。
例によってmahou(700円+税)で乾杯♪
メカジキのエスカベッシュ(700円+税)
酢は弱めのさっぱりした味付け。
カヴァをいただく。
生ハム入りコロッケ(@200円+税)
塩は強くなく、肉肉しい大人のコロッケ。
豚耳の鉄板焼(600円+税)
コラーゲンたっぷり、思ったより分厚く旨みたっぷり、ソースのニンニクは優しい。
ここは赤でとエル・カストロ・メンシア(@700円+税)
牛胃袋の煮込みマドリッド風(1,000円+税)
非常にまろやかで柔らかい仕上がり、スパイスも効かせない。
ミックスパエリアM(4,200円+税)
半分お店で、半分テイクアウト、盤石の味。
例によって大満足、次回の予約をして
お代は2人で15,000円ちょっと。
この日の客層は全体的に年齢高め。
本当は12月中に行きたかったのだが、
電話をしたら年内は予約一杯。
で、その場で1月の予約、
指折り数えて訪れた。
チャージのかからないカウンター席に座る。
前回同様、瓶ビールを頼んで乾杯。
ポテトサラダのアンチョビ風味(600円)
重量感のあるポテサラ、味付けは結構あっさり。これだけで何杯もワインが飲めそう。
鱈子のマリネ刻み野菜ソース(700円)
さっぱりした味付け、サラダ感覚でいただける。
ナツメヤシのベーコン巻ソテー(600円)
甘いナツメヤシの種をくり抜き代わりにアーモンドを詰め、ベーコンを巻いてソテーしたもの。
ナツメヤシの甘さとベーコンの塩がいいハーモニー。
アーティチョークのソテー生ハム風味(600円)
ここは全体的にニンニクは強過ぎない。
個人的にはそれが好み。
アーティチョークはさっぱりあっさり。
カヴァ、赤ワインで楽しくいただく。
前回同様、
ミックスパエリアS(2,800円)
イカ墨のパエリアS(2,800円)
を頼み、店で半分を二人でシェア、残りはテイクアウト。
濃厚な旨みがさすがである。
お代は2人で15,000円チョイ。
檀上氏の料理はもちろんなんだが、
ここの女性スタッフは常に神対応してくれるのが素晴らしい♪
何の気なしにランチで訪れた恵比寿のスペイン料理店。
そこでイチから作ってくれた一人前のプレーンパエリアのあまりの旨さに驚く!
カタルーニャ出身のジョルディさんが営む
「フォンダ サン ジョルディ」である(PC版の方は下記リンク先をどうぞ)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13174380/dtlrvwlst/B280987011/
そして、その場所はかつて
日本のスペインバルブームの火付け役となった「ティオ・ダンジョウ」のレストランスペースであった。
ティオ・ダンジョウが2015年にこの地に移転するにあたり、
檀上桂太氏の片腕のひとり、ジョルディ氏が引き取ってオープンしたという。
早速夜も訪れ堪能したのだが、
これは是非師匠の店にも行きたいという想いが高まる。
で、スタンディングバルだろうから
日曜のオープン時間の5時に行けば楽勝だろうと思って向かったら
なんと満員で入れないと云われる。
私の勘違いでスタンディングではなく椅子席だったのだが、予約は必須。
改めて土曜の18時に予約した。
ネットでの情報では、
檀上桂太氏:
高校卒業後、立ち上げ前のセンチュリーハイアット(現ハイアットリージェンシー)に入る。
10年間サービス、調理スタッフなど様々なポジションでフレンチを経験。
その後スペインレストランを任され、現地シェフを招き、スペイン料理も磨く。
オープン前にマドリッドに渡り、バルの奥深さを知ることとなる。
スペインでの食べ歩きは1000軒以上に及び、独立して
1995年恵比寿にティオ・ダンジョウをオープン。
1階がスタンディングバル、2階がテーブル席のレストラン。
20年以上日本のスペインバルの牽引役、立役者。
そんな巨匠が、家庭の事情で恵比寿の店を手放し、
調布に小さなバルをオープン、
経営者として椅子にふんぞり返るのではなく現場を愛したいと云うことらしい。
調布駅東口を出て北側に出て新宿方向に向かう。
京王線の地下化により、調布駅周辺は再開発中。
蓮慶寺というお寺のところで南北に新しい道が通り、
かつての線路の部分も東西に新しい道、
その新しい道の北側に細い道、
かつての線路沿いの細い道だったところだろう。
狭小地に建つ2階建ての細長い建物の一階にお店。
ドアを開け、明るく健気な若い女性に予約名を告げる。
テーブル席2つ、カウンター席4つ(後に皿出し入れ口に2席追加され6席)のこじんまりした店内。
既に我々以外は席が埋まる。
年齢高めの客層である。
壇上さんと目が合ったので
この店に来た経緯を簡単に喋る。
まずはスペインビール(700円+税)を2本注文して
メニューを検討。
マオウ・シンコ・エストレージャスの小瓶とグラス。
グラスに1本分丁度入り、乾杯。
ラガーのほどよい苦味で軽い。
イベリコ豚の生ハム(800円+税)
ヒコイワシの酢漬け(800円+税)
スペイン風ポテトオムレツ(600円+税)
マッシュルームの鉄板焼き(600円+税)
イカのフリット(600円+税)
を一気に頼む。
私はマオウをもう一本、彼女はCAVAグラス(700円+税)
生ハムは塩が効くが脂の部分が甘くビールが進む。
サービスのバゲットはサンジェルマンのもの。
ヒコイワシは酢が強めだが、イワシは優しい味で美味い。
赤ワインのグラス、この日は2種類用意されていて
ボディがあるほうのテンプラニージョのテロワールズ(@700円+税)
ここはグラス一杯がボトルの値段を6等分した値段、
だいたい6杯取りなので、グラスでもボトルでもどちらでもいい計算。
イカのフリットにはアーリオオーリオが添えられる。
そのまま何もつけずに食べてみる。
身が柔らかくスッと切れ甘い。
ここのスペシャリテのひとつ
マッシュルームの鉄板焼き、
刺さった楊枝2つを上手に扱い熱々をそのまま口に運ぶ。
マッシュルームと肉の旨みとオイルが口いっぱいに広がる。
トルティージャ(スペイン風オムレツ)にもアーリオオーリオが添えられる。
さっぱりした味付けだが旨みたっぷり。
ここでパエリアにするか、豆煮込み・ムニエルにするか迷う。
女性スタッフにパエリアのサイズ感、持ち帰りの可否を確認し、
ミックスパエリアS(2,800円+税)とイカ墨のパエリアS(2,800円+税)
両方を頼み、半分ずつテイクアウトすることに。
で、つなぎに
焼きピーマンのマリネ(600円+税)を頼む。
これが、ピーマンのいい甘さがよく出ている。
パエリア2つが出来上がる。
半分ずつを2人で分け、残りはアルミホイルで包んでもらう。
パエリアは
ソフリートと呼ばれるスペイン料理の味噌醤油と云える自家製調味料、自家製ソースが決め手。
パプリカ、トマト、タマネギ、オリーブオイル、ニンニクなどから丹念に作られる。
それに魚のブイヨンを加えて米を炒め煮。
いい具合で芯が残りとっても美味い。
美味しさに調子に乗って
赤のグラスワインを2人で8杯呑んでいた。
お代は19,440円、ちょっと呑み過ぎか(笑)
テーブル席は300円のチャージ料。
是非また予約してやって来たい。
気分上々ご馳走様♪
3位
2回
2017/08訪問 2017/08/30
ここのパエリャ、
きれいに黄色く染まりつやつやピカピカ、
食欲を刺激する旨みある香り、
一粒一粒がふっくらとしながら、きちんと中心に芯が残る。
噛むと滋味深い旨みが口いっぱいに広がる。
つまり五感を刺激している。
ひと口食べると次のひと口がすぐに欲しくなる。
まずは炊き方が素晴らしい。
ウィキペディアからの引用だが、
米の炊き方には①炊き干し法、②湯取り法、③湯立て法、④炒め煮、⑤蒸しの5種類。
①炊き干し法
日本で行われている一般的な炊飯。
水が多い段階では米を煮る状態、
水の少なくなった段階では米を蒸す状態、
水分は蒸発分以外すべて米に吸収させる方法。
中国江蘇省以北や朝鮮半島などでも用いられる。
②湯取り法
東南アジアなどで用いられてきた方法。
水によく浸した米を、多量の水で煮て、
沸騰後にザルに上げるなどして重湯を取り、
それを蒸籠などに移して蒸らす方法。
インディカ米は炊き干しでは臭いが残るので、湯取りにしたほうが美味しく炊ける。
③湯立て法
沸騰させたお湯に研いだ米を入れて炊き上げるもの。
現在でも寿司飯を炊く際などに用いられることがある。
④炒め煮
西洋や西アジアの米料理で一般的な方法。
研いだ米を一度油で炒めた上で
水あるいはスープストックを用いて煮る方法。
ピラフ、パエリアなどは炒めた後に
炊き干しにして米の外に水分を残さないが、
リゾットのように水分が外に残るように調理する場合もある。
⑤蒸す
主にもち米からおこわ・強米を炊く際に用いられる。
この炒め煮が絶妙。
一人分であろうと絶妙に炊く。
その代り、20分ほどの時間は我慢。
そして、
もうひとつ味の決め手は
ソフリートと呼ばれるスペイン料理の味噌醤油と云える自家製調味料、自家製ソース。
パプリカ、トマト、タマネギ、オリーブオイル、ニンニクなどから丹念に作られる。
それに魚のブイヨンを加えて米を炒め煮。
ランチで食べたグリーンアスパラだけのプレーンパエリャが
とっても美味しかった理由である。
ランチで大満足したので全貌を知りたいと
ディナーを予約して出かけることにした。
「恵比寿新聞」に
この店の素晴らしい取材記事↓があるのを見つけ、
様々なことがわかった。
http://ebisufan.com/news/fondasantjordi82132.html/
2015年に調布に移転した
名スペインバル「ティオ・ダンジョウ」の系譜を引いている。
店主ジョルディ氏は
バルセロナが州都のカタルーニャ州出身の料理人。
2000年にスペインで今の日本人奥様と出会い、
その後、日本のスペインバルのパイオニア壇上桂太氏と会ったことで
2001年に来日、ティオ・ダンジョウで腕を磨き、壇上氏の片腕に。
ティオ・ダンジョウが地元の調布に移転したあと、
跡地の1階にもう一人の片腕太田シェフが「バル ぺピート」を
2階にジョルディ氏が「フォンダ サン ジョルディ」をオープン。
店の前に行き、2階の写真を撮っていたら
1階のバル ぺピートの前でお店とくっちゃべってるジョルディさんがこっちを発見し
慌てて2階に駆け上がっていった。
今回は@4,600円のスペシャルコースを頼んであるが
・イベリコ豚のサラミ2種
・冷菜3品
・温菜2品
・メインディッシュ魚or肉
・パエリャ
メインとパエリャを決めなければならないので
スペインビールの小瓶、
エストレージャガリシャ(@900円)をとりあえず頼んでから検討。
「イベリコ豚のサラミ、サルシッチャ」とパン(@500円)が早速出される。
脂たっぷり旨みたっぷり。
赤ワインをスペインの
「エウスネグラ」(5,200円)でお願いする。
グルナッシュ・カリニャン・メルロー・シラーということで大人の果実味で美味い。
「ガスパチョ、タコ串添え」
トマトの酸味が効いたガスパチョ、ランチの時にいただいたのよりまろやか。
添えてある串にオリーブ、タコ、キュウリのピクルスが刺してあり、
これも美味しく酒のいいつまみ。
「ナスとアンチョビのエスカベッシュ」
酢漬けした小茄子にアンチョビ。
かなりの酸味、それにアンチョビの塩とほろ苦さ、
唐辛子のピリ辛、バルサコミコ酢の甘さが追いかけてきて
面白いハーモニー、夏の食欲を増進させる。
小茄子はヘタまでちゃんといただける。
「肉とナッツのフィアンブレ(テリーヌ)」
肉の甘み、旨み、ナッツの食感、クミン、シェリービネガー、バルサミコ酢
色んな味が混じり合い、これも酒が進む一品。
「塩鱈のマリネ(エスケケイシャーダ)」
トマトと塩ダラをマリネしたもの。タラの旨みと強い塩気。
「トルティージャ(スペインオムレツ)」
ジャガイモを細かくしてあり食べやすい。
塩とニンニクが効く。
「海老とマッシュルームのアヒージョ」
ランチのにはジャガイモが入っていたがこれは無し。
塩とニンニクがしっかり。
「鰤とラタトゥイユ」
旨みがよく染み込んだラタトゥイユの上にブリのソテー。
「イベリコ豚ハラミソテー」
肉はコンフィしてあるのだろうが、これは塩が強過ぎる。
肉自体はとても旨みがあるのでそこが残念。
赤のハウスワインデキャンタ(2,100円)を追加。
これはタンニンが効いている。
「ミックスパエリャ」
鶏、ムール貝、車エビ、アサリ、イカを使ったオーソドックスなもの。
ランチ同様、絶妙な炊き方で、芯の残り具合がいい。
魚介出汁とソフリートがよく染み込んで、
飛び上がるほど美味しい味。
食後に、コーヒーとデザート、
カスタードクリームブリュレであるカタラーナ(500円)と
スペイン風プリン(600円)をいただく。
お代は2人で20,400円。
大変満足してご馳走様♪
お勧めである。
恵比寿駅東口、恵比寿通りを渡り、「びっくり寿司」の裏側、みずほ銀行の左の路地。
カジュアルイタリアン「レッドペッパー」の赤いファサードの隣のビル、
表に「パエリャランチ」の案内板が置かれる。
2階にある。EVでも外階段でもどちらでも。
ちょっとした隠れ家のような雰囲気。
行くとオープンな空気でオーナージョルディさんが出迎えてくれる。
一回転目の客たちでほぼ満席。
かろうじて空いてる2人席に案内される。
パエリャと煮込み料理のランチが4種。
急ぎの人には既に大鍋で出来上がったパエリャを提供、
時間のある人には10~20分調理時間がかかると断ったうえで一からパエリャを提供。
ここはじっくり構えて
一から作るアミーゴランチ(1,200円)にする。
サラダ、前菜、ドリンク、プレーンパエリャに煮込み料理4種からひとつ。
ドリンクはアイスコーヒーを先出し、煮込み料理は海老とマッシュルームのアヒージョでお願いする。
卓上にはスプーン、フォーク、冷たい布おしぼりがあらかじめ置かれ
間もなく、サラダとこの日の前菜のガスパチョが届く。
よく冷えたガスパチョ、トマトの酸味が効いて美味しい大人の味、これは食欲が増す♪
アイスコーヒーは本格派の炭焼風でストレートで十分美味しい。
ジョルディ氏は来日後、スペイン料理の名店、日本橋「サンパウ」、や
恵比寿にあったスペインバル「ダンジョウ」で働き、日本人の口に合うスペイン料理を学んだようだ。
2014年に独立して調布に移る前の「ダンジョウ」があったビルの2階でオープン。
因みに1階のスペインバル「ペピート」もダンジョウ時代の仲間が引き継いで開いたらしい。
注文してから17分で、ぐつぐつ煮えたアヒージョと熱々のパエリャ一人鍋が届く。
海老とマッシュルームとジャガイモのアヒージョは煮立って具が踊っているのでしばし放置。
パエリャをフォークですくっていただく。
ひと口目から濃厚なうま味が口いっぱいに広がる。
お米の芯の残り具合が完璧、ムラもなく素晴らしい出来である。
アヒージョは 塩がしっかり効いていて、
ニンニクの甘みと一緒に海老、マッシュルーム、ジャガイモを愉しむ。
後味にしっかりうま味が残っている。
二回転目の客が続々入ってくる。
食べ終えると、ジョルディ氏がすぐに寄ってきて感想を聞く。
彼の自信に答えるべく、こんな美味いパエリャとアヒージョは久しぶりと云う。
1,200円払ってご馳走様、これは是非、この隠れ家に夜も来てみたい。
4位
4回
2022/12訪問 2022/12/05
2018年12月に
”また今年も来れた”
とここのレビューをあげた。
が、コロナ禍のお陰で
その後ここに来ることが叶わなくなった。
最初にここに訪れたのは
2012年11月、
リスペクトする
グルマンまてぃす氏に教わってのこと。
https://tabelog.com/rvwr/000189106/rvwdtl/B112401919/
真冬でもお揃いの半袖黒Tシャツの
涌井勇二シェフと
その右腕、橋本しげる君
に魅了され、それから通う事になる。
最初のレビューで、
ここは
”キメルフレンチ”でなく、
”カヨウフレンチ”だと紹介した。
この日も
店内満席、ほぼ常連さん。
だが、
一見さんも大歓迎で優しく接してくれる。
21年6月、
近くのTBSの上の丘にあるビルに
仕事で通っていたが、
ある日TBS脇からあがっていく坂が
妙に苦しくなり、
緊急入院することに。
12日間の入院で体重は7キロ痩せた。
7月に復帰し、
この赤坂での仕事もあと一週間となったので、
食べログ検索し、
焼イワシと焼穴子が有名な和食割烹、
「會水庵」のランチに行ってみることに。
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13002183/dtlrvwlst/B438979766/
行ってみてビックリ!
なんと「コムアラメゾン」の並びにお店があった。
イワシの親子丼を堪能して、
店を出たら、
コムアラメゾンのドアが開いていて、
キッチンの上の棚を拭いてる橋本君の背中が見えた。
声をかけた瞬間、
彼は振り向きざまにすぐ
まめぞうさんじゃないですか!!!
どうしたんですか、
随分痩せて、
しかも痩せ方がいい痩せ方じゃないです。
普通他人に
そんな事をストレートに云ったりはしないが、
橋本君は
私にすぐに病院にでも行け
と謂わんばかりの忠告のつもりだった。
で、私は
病に気付いてないのではなく、
病み上がりだと説明した。
でも、痩せこけ、マスクもしてる
私をすぐに認識できたのは何故か?
橋本君はとにかく記憶力が凄い。
前回頼んだもの、来ていた服、座り位置、
的確に記憶し、次のサービスに生かしている。
恐らく映像記憶であろう。
後で聞いたら、
私の声を記憶していたという。
映像+音声記憶であったか\(◎o◎)/!
それから半年ほど、
相変わらず
コロナ禍対策で夜は外に出かけない生活を続け、
コムアラメゾンにも足を運べなかった。
年明けに
白金高輪のメゾンカイザー本店
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13004473/dtlrvwlst/B115628014/
がビルの老朽化による閉店のニュースを聞き、
あぁ橋本君はバゲット
をどこで手に入れてるんだろうと心配した。
コムアラメゾンは
店用のバゲットを
メゾンカイザーに焼かせているのだが、
毎日橋本君が走って
本店まで取りに行ってたのだ。
2月に入り、
平日に休みが取れたので、
日中、前から懸案にしていた
涌井シェフのご両親がやってる
北府中の洋食屋
「アポロ」
https://tabelog.com/tokyo/A1326/A132602/13087294/dtlrvwlst/B446284918/
にようやく出かける事ができ、
涌井シェフのおかあさまと色々話をすることができた。
その時、話題の中心が
涌井シェフではなく橋本君だった。
彼の素晴らしい働きぶり、
誠意をおかあさまが褒めたたえていた。
その直後、コムアラメゾンに訪れた、
美女レビュアー
https://tabelog.com/rvwr/004093265/
さんから、衝撃のニュース!
なんと橋本君が交通事故に遭って、
肩を骨折したという。
そして12月、
ようやくその日が来た。
18時にコムアラメゾンのドアを開けると、
涌井さん以下スタッフ全員が
笑顔で我々を迎え入れてくれた。
ボルトを入れたが、
今は後遺症もなく大丈夫ですと、
右腕をぐるぐる回してくれた橋本君に
きめ細かいサーブをしてもらう。
バゲットは今は
メゾンカイザー東京ミッドタウン店
で作らせてるそうだ。
走って行くのも前より随分近くなった。
(因みにメゾンカイザー本店はすぐそばで22年12月2日から再開)
https://maisonkayser.jp/topics/2264/
久々にいただく
コムアラメゾンの料理、
なんと滋味深くこれほどにも旨いのだろう。
そして、
橋本君が合わせてくれたワインも
白はドライで赤は果実味と酸味、
素晴らしいマリアージュ。
御馳走さまと店を出ると、
涌井さんが出て来て、
色々と世間話をする。
そして、それではと別れると、
我々が角を曲がって見えなくなるまで、
涌井さんは見送ってくれる。
いつものルーティンも含めてのコムアラメゾン
を満喫させてもらった。
この日頼んだもの:
(まだ欧州鳥インフルの影響で鴨は仕入れられず関連3料理は提供無し)
「ラタトゥイユ」(1,650円)
「バスク風白身魚の赤ピーマン詰めトマトソース」(2,420円)
「スープドガルビュール」(1,980円)
「牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」(4,180円)
「ビール」(@880円x2)
「プレイモン サンモン グラス」(@1,100円x2)
「モナストゥリ・ド・サンモン・ルージュ ボトル」(8,800円)
「エスプレッソ」(@550円x2)
二人で合計24,090円
今年も来ることができました。
この日口開けの客、
橋本さんが笑顔でドアを開けてくれ、
カウンターの向こうで涌井さんが目尻を下げる。
カウンター席に着くなり
ビール(@800円+)をお願いし乾杯。
赤ワインのボトルを所望、
3本出してくれる。
カオール(6,000円+)にして、
私はビールもう一本。
店に向かう道すがら、
メインを牛頬赤ワイン煮かトリップにするか、
スープドガルビュールは決定、
鴨のハツも外せない。
すると冷たい前菜だが、
橋本さんはフォアグラテリーヌを勧めるだろうが、
この日は脂は控えようと、
サラダかと。
メニューもみないで
すらすらと
「山羊乳ロカマドゥールチーズサラダ」(1,800円+)
「シャラン産鴨の心臓の串焼き」(2,000円+)
「スープドガルビュール」(1,800円+)
「ガスコーニュ風トリップ」(3,600円+)
をお願い。
いつものように、
橋本さんが本店まで走って買いに行く、
メゾンカイザーのバゲットが出される。
チーズサラダがいつもより濃い目に感じ、
フランス産に戻ったハツの塩が強めなところで、
橋本さんに確認すると、
えぇ、このところ涌井さんの感覚は少し強めなんです。
スープはシェアされて
それぞれガルビュールの
アニュアルスープディッシュで出される。
随分食べやすいので、
もしかしてこのカウンター台、奥に向かって下がってる?
スマホの傾斜計で調べたら、
果たして-4度であった。
道理でスプーンですくいやすかったわけだ。
トリップはきちんと内臓肉の匂いがし、
野菜もたっぷり。
案の定、お腹は満たされ、
気になっていたアルマニャック漬けのプルーンはパスする代わりに、
食後酒をお願い。
いつものカヌレが出される。
アルマニャック ボワニエル(2,000円+)
アルマニャック ラベルドリーヴ(1,500円+)
お代は2人で、22,788円。
満席でてんてこ舞いの中、
涌井さんが見送りに。
キメルフレンチでなくカヨウフレンチ、
変わらないために変わり続けるお二人に大感謝、
ごちそうさま。
店の前は何度か通り、橋本さんと言葉を交わしたのだが、
店に訪れるのは実に2年3か月ぶり、随分不義理をしたもんだ。
約束した18時過ぎにドアを開けるとサービスマンが出迎えてくれ、
名乗ると窓際の2人席に。
キッチンの向うで、こちらを見つけた涌井さんと橋本さんが満面の笑み。
満面の笑みで出迎えられるとはこんなに嬉しいことなのか。
取るものもとりあえず
クローネンブルク小瓶(@800円+税)を2本頼み、メニュー検討。
残念なことに16年10月のヨーロッパの鳥インフルエンザにより、
鳥の輸入が出来ない状態がまだ続いているとのこと。
で、鴨の心臓焼きはお休み、フォアグラ、鴨のコンフィはカナダ産で代用とのこと。
田舎風パテ(1,800円+税)
山羊乳のチーズのサラダ(1,800円+税)
スープドガリュビュ(1,800円+税)
牛ホホ肉の赤ワイン煮(3,400円+税)
メインのホホ肉に合うワインをと云うと
橋本さんがゆうべから涌井さんと、まめぞうさんに出すワインを考えていた、
と3本出してくれる。
中からタナ100%のクロバステ マディラン2012(7,000円+税)でお願いする。
自然派のワイン、ミネラル感、タンニンを感じ酸味がある。これが徐々に華開いていく。
[田舎風パテ]
肉汁を逃さないよう時間をかけ丁寧に丁寧に作ったひと品。
2週間熟成だという。
確かに瑞々しい仕上がりで肉の旨みがギュッと凝縮されている。
添えてある胡瓜のピクルス、酸味が強くシャキシャキ。
[山羊乳のチーズのサラダ]
山羊のお乳のチーズ、ロカマドール、イメージでは臭みがあるかと思いきや、酸味も臭みも全くない。
たっぷりのグリーンに松の実を散らし、シェリービネガーとヘーゼルナッツオイルで和えてある。
メリハリがついた味で美味い。
[スープドガリュビュ]
一人前をシェアしてもらう。
バスクのオロロンサントマリーと云う場所で毎年開かれるガリュビュコンクール、
そこの記念プレートに入れて出してもらう。
頼んだボトルワインをメインのために残すこととし、
タナ80%のバステ ビゴール2014をグラス(@900円+税)でそれぞれもらう。
ガリュビュは相変わらず濃厚で滋味深い味である。
[牛ホホ肉の赤ワイン煮]
オレンジの鋳物ホーロー鍋が出てくる。
蓋を開けると中に型崩れしていない牛ホホ肉がインゲンとニンジンを従えている。
肉の旨みを口いっぱいに感じながらここにまた来た幸せを嚙みしめる。
食後にいつものように
カヌレをいただく。
定番のメニューに胡坐をかくことなく追求し続ける涌井シェフ、
サービスはオレに任せろと、時には朝までシェフと酒を酌み交わし、
ミッドタウンまでバゲットを買いに走る橋本メートルドテル。
飲食業界の人材不足が叫ばれる今、この二人のタッグは盤石である。
お代は2人で20,736円。
涌井さんにずっと見送られ、ご馳走様。
15年2月:
素晴らしい食事の後、いつものようにトレードマークの黒のTシャツ姿の涌井さんが見送ってくれる。
ドアを開けたら、外は予期せぬ雨、涌井さんが「しげるぅ!傘2本♪」と叫ぶ。
橋本さんがビニール傘を涌井さんに手渡す。
「うちは傘100本あるから気にしないでくださいよ♪(笑)」
「念願の鴨のコンフィ食べられて幸せです」
「実は今日のは仕上がりがもう一つなんです。仕入れの鴨の具合で全く違ってきます。ある意味面白いんで次も頼んでください」
「久々にスープドガルビュ食べられてよかった。偶然、今日昼間、まてぃす氏からメールが来て昼飲みの誘いがあったんです。涌井さんとこに行くと言ったら、スープドガルビュうらやましいと言われて」
「まてぃす氏とお知り合いでしたか(驚)。そういえばまめぞうさんが前回来られた時は騒がしくてすいませんでした」
相変わらず涌井さんと橋本さんの素晴らしい記録と記憶である。
確かに前回、不動産関係者とキャバ嬢っぽい団体の合コンの様な食事会と鉢合わせし、彼らは頻繁に外にタバコを吸いに行ったり、嬌声をあげたりしていた。
我々が頼んだものだけでなく、他に来た客の状況まで覚えているとは...
鴨のコンフィは事前予約しないと食べられない。
前回予約の時、うっかり忘れたので、今回はきっちり頼む。
店に来る道すがら、鴨の心臓とまてぃすに刺激されたスープドガルビュは頼むことにして、あと一品は店に行ってから橋本さんに聞くことにした。
店に着くと、店内は盛況でこの日はあらかじめ涌井さんに頼まれた通りカウンター席に。
食前酒を頼み、橋本さんに料理も頼む。鴨の心臓(1,500円)、スープドガルビュ(1,400円x2)、鴨のコンフィ(2,200円)、あと一品何がいい?
橋本さんが迷わず、「今日はフォアグラのテリーヌ(2,200円)がとってもいいです。出来立ての一切れ目を出します」
こちらはにこりと微笑みながら、「じゃぁ赤ワインは何がお勧め?」
橋本さん、迷わず「ガスコーニュ モナストゥ・ド・サンモン ルージュ2003で」(7,000円)
そして「実はまめぞうさんから鴨のコンフィの予約をいただいてから、合う赤ワインは何にするかずっと考えてたんです」
ありがたいことである。
タナ70%で黒胡椒などのスパイシーな香りで甘さは少なく引き締まったワインとのこと。
いただいてビックリ、スモーキーさを感じる赤、こういうのは初めて。時間が経つと花が開いて徐々に果実味が出てくるのもいい。
フォアグラのいい脂と旨味でスタートし、つるりと美味い鴨の心臓、文句のない滋味深いスープドガルビュ、そして鴨の脂で炒めたジャガイモがとびきり甘く、鴨肉もほろほろでジューシー。
今宵も大満足、お代は18,468円、ご馳走様!
14年6月:
久々なのに涌井さんも橋本さんも満面の笑顔で迎えてくれた。
世の中パソコン、ネットで便利になったおかげの引き換えに暗算ができなくなったり漢字が書けなくなったりする。
ここのアナログな二人はパソコン、ネットにそっぽを向いてる分、客の記憶が素晴らしい。
今回も前回頼んだものを覚えていた。
ビールで始め、
ビゴール豚の生ハム(2,000円)、ラタトゥイユ(1,000円)、バスク風白身魚のすり身の赤ピーマン詰めトマトソース(1,500円)、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み(2,500円)を橋本さんに注文。
ワインはまたカオールでというと、橋本さんはメインの牛ほほならマディラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2003(7,000円)のほうがコクがあって料理に合いますとアドバイス。素直に従う。
メインの皿が来る直前でボトルが空になることを計算し、カオール2010シャトーピネレをグラス(@900円)で先に頼むことにした。
生ハム、もちろん塩気はあるが、なんという旨味、ナッツの香りがする。
そして甘みと旨味の詰まったラタトゥイユ、やはり磐石。
マディランが注がれる。おぉ、重めで果実味がたっぷり、タナが70%。
鯛と鱈を使ったすり身を赤ピーマンに詰めたもの。
ニンニクが効いているのだが、とってもお上品な味わいに仕上がっている。ピーマンがトロトロである。
牛ほほ、野菜もソースもバターがよく効いていてとろける、笑みがこぼれる。
毎日買いに行ってるというメゾンカイザーのバゲットとソースが合う。
橋本さんが言うようにこれにはマディランがぴったり。
デザートとカヌレをいただいてご馳走さま。
お代は19,872円。
13年7月:
8ヶ月ぶりに訪れる。
涌井シェフもホール責任者の橋本君もPCを扱えないアナログ人間。
ドアを開けると三人が満面の笑みで出迎えてくれる。
橋本君が窓際の席に案内してくれる。ここの特別席。
予約を入れた時に電話を取ったのは新しく入った男性スタッフだった。
その時はカウンター席になるかもしれないという話だったが、それもまたいいかと思っていた。
橋本君が食前酒とワインのメニューを。
なんと前回頼んだ食前酒とワインを覚えていてくれた。
PCは使えないので、もちろんノートにつけてはいるのだが、予約名を聞いた時、8ヶ月前の私たちを思い出したという。
今回は二人ともクローネンブルグの小瓶(800円x2)
ワインは前回のしっかりしたカオールを考えると今回は花が開くこのカオールはどうですかとの橋本君の勧めに従い
カオール2007ラカペル・カバナック・プレステージ 6,000円(マルベック90%メルロー10%)
頼むものもあらかじめ考えてきていた。
生ハム、じゃがいもグラタン、ハツハーフ、鴨のコンフィ。
橋本君が「本日はフォアグラのテリーヌがほんとにお勧めなんです。」
もう橋本マジックに完全にひっかかっているのですぐさま生ハムをフォアグラに変更。
鴨のコンフィは前日までの予約が必要だということで、気が進まぬがトリップにする。
量的には少し少ないかもということなので、ハツをハーフからフルに変更。
ランド産鴨のフォアグラのテリーヌ アルマニャック風味2,200円
じゃがいものクリームグラタン800円
シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円
ガスコーニュ風トリップ2,500円
フォアグラのテリーヌにいきなり開始早々のダウン。
雑味が一切なく、旨味と甘味が凝縮凝縮凝縮。
これがメインです、と言われたらはぁそうですか、ほんとに美味しかったですと食べ終わったらそのまま席を立ってしまいそう。
橋本君が下処理を丁寧に丁寧に丁寧に行った成果でもある。
ビールからワインに替わる。
あらかじめ抜栓してくれてある。ひとくち飲んで、その果実味の素晴らしさに感動する。
じゃがいもグラタン、チーズの香りはするが実際食べると主張せず、熱々の存在感のしっかりしたじゃがいもが美味い。
素朴にして上品な味わい。芋好きなだけにこれはお酒のお供にしたい。
やっぱり、ハツは記憶通りの期待通りの味で安心できる。
そして、トリップ。
これがオーブンから出したお皿かと思ったら予想に反して鋳物ホーロー鍋で出てきた。
そして、蓋が開けられてまたびっくり。
イタリア料理のトリッパを想像したのでハチノスのトマト煮込みをイメージしていたら、食材そのものの色である。
取り分けてひと口、びっくりの美味い味!
今回二度目のダウン、9カウントでようやく立ち上がってファイティングポーズをとる。
内臓特有の臭み、雑味、クセは一切ない澄んだ味。
しょっぱくもなく濃くもなくでも滋味ある味。
橋本君がハチノスの他に上ミノ、豚足、牛スネ肉も使って6時間煮込んでますとの説明。
この汁をご飯にかけたら絶品だろうなぁ!
途中でワインは無くなり、カオール2008シャトーピネレ(@900円)をグラスでいただく。
涌井ワールドの奥深さを刷り込まれた。
デザートにとてもなめらかなチョコレートとアルマニャックのアイス900円
とハーブティ500円
そして名物カヌレである。
やっぱり最高、美味いと思ったカヌレはここのと久我山の「ル・カナール」だけ。
お代はサービス料なしの19,215円、ひとり一万円いかないこの素晴らしさ。
涌井シェフとしばし語らって店を辞す。
次は鴨のコンフィを食べに来ないとね。
角を曲がるところで、涌井シェフはまだ頭を深々と下げていた。
12年11月:
「キメルフレンチではなく、カヨウフレンチ」
このお店は付き合い始めの女子との仲を確実にするためのキメのフレンチではないことを最初にお伝えする。
むしろ、付き合って関係が安定してから、美味しいものをゆっくり食べたいという時に使うフレンチである。
なぜならお店自体とスタッフの素朴な雰囲気、訪れる客のあまりにカジュアルな雰囲気のために、付き合い始めのカップルの男性にとってつかみはOKとはならないからである。
シェフとホール、男性二人でまわしているため、十数席とは言え、時間はかかる。
しかも店も狭いため隣の席との距離が異様に近い。
当然調理も時間がかかるため、それを意識しているホールマスターが客のためにせわしなく動き回るのでやや落ち着かない。
また、BGMはバスクの古い音楽である打楽器音楽で付き合い始めのカップルにはムードがない。
繰り返すが、これからモノにしたい彼女をここに連れて来るのはかなりリスクがある(笑)
それ以外の客にとっては本当に最高のお店である。
結論から言うと、私の中では最高のフレンチのひとつ。
有名レビュアー諸氏のレビューを読んでここに興味を持っていたが、
このレビュー(筆者註:残念なことに陽だまりの中にいたような素晴らしいレビューは削除されてしまいました)を読んで、頭をガンと殴られたような気がして、気がついたら電話をとり、予約をしていた。
その時、ホールマスターに、楽しみにしていますと最後に伝えたら、本当にうれしそうな反応をしてくれた。
千代田線赤坂駅からは近いがわかりにくい。なぜなら道路に面していないから。
道路の向こう側のスギ薬局が目印。ここを通り過ぎると行き過ぎ。
マンションの脇の路地を左に入り、すぐ右手に「立ち呑み処なかや」が見え、奥左手にコインランドリーが見えたら正解。コインランドリーの手前に素朴に佇んでいる。
素朴な木のドアを開けて、名乗るとシェフとホールマスターが笑顔。
右に2人テーブルが3つ、左に3人テーブルと4人テーブル、奥に5人ほどのカウンター席でその向こうがキッチン。
実に狭い店で、暗めの照明。
コート、上着を預かってもらい、右手奥の二人テーブルに座る。
順に応対するため、こちらのテーブルに来るのを待つ。
飲み物のメニューが渡されるがすべてフランス語で書かれている。
なんとなくわかるので、私はアニスを使ったパスティスというリキュール(600円)、家内は瓶のクローネンブルグ1664(800円)を頼む。
サーブされるまでに時間がかかるのは判っているので赤ワインのボトル、カオールのLagrezette2005(6,000円)も頼んでおく。
料理のメニューも渡される。あらかじめ食べログで確認したメニューと全く同じであったので、すぐに決まる。
皆さんのレビューを読み、何を頼むか事前に決めていたからだ。
パテドカンパーニュ1,400円、ラタトゥイユ1,000円、シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円、スープドガルビュ1,400円、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み2,500円。
心配なのは量が多過ぎないかということだったが、ホールマスターに相談したら、パンを控えデザートを食べなければ十分大丈夫とアドバイスをもらったのでこれで注文。
パスティスは原液で度数が高く淡いブランデーのような色をしているが、水をいれるとギリシャのウーゾー同様に白く変化する。
アニスの香りがかなり強いので(インド料理の後に食べるフェンネルの味に似ている)慣れない日本人は合わないことも多い。
田舎風パテ(パテドカンパーニュ)がバケットと一緒に出される。
大量のミニキュウリのピクルスが添えられている。辛子やピンクペッパーなど余分な香辛料は添えられない。
プリプリである。最初はやや塩気を感じるが食べるにつれまろやかで甘くなってくる。
レバーが少ないのでねっとり感が出ずパンは不要である。
途中でカオールを抜栓してもらう。
濃い赤紫でとてもいい香りがする。果実味もタンニンもあり、非常にまろやかで飲みやすい。
ラタトゥイユが届く。
食べてビックリ!冷たいタイプなのだが、野菜が煮崩れしていないのに味がとっても染みて自然な甘みが出ている。
今まで食べたラタトゥイユで一番おいしい。
聞くと赤ピーマンを中心とした野菜は最初強火で炒めて、中の水分を封じ込めて漬け込み、一番おいしい3日目のものを出すという。
それが煮崩れしないのに美味しい理由だとか。
赤ピーマンと青ピーマンに挟まれたシャラン鴨のハツの串焼きが熱々の銅の鍋で届く。
ハツ自体は非常にあっさりした出来上がりで切ると見事なピンク色が顔を覗かせる。
ピーマンには塩が効いていてハツと一緒に食べるといい塩梅。
くせもなくありそうでない味。
スープ・ド・ガルビュがあらかじめ二つに取り分けられた状態で届く。
白いどろっとした感じのスープの上に赤の点たち。唐辛子(乾燥赤ピーマン)の粉である。
ジャガイモと白インゲンが目立つが、生ハムの骨と脂から取ったスープに他にちりめんキャベツ、根セロリ、かぶも入っていてとろとろに煮込まれている。決して甘くはないスープであるがとっても滋味深い。辛い乾燥赤ピーマンがパンチを効かせる。
必要ならと七味のような赤ピーマンの粉が置かれるが、我々には十分。
ゆっくりのサーブなのでワインが無くなり、グラスを頼むと2009年のカオール(@900円)が出てきた。
そしてメインの牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。
ル・クルーゼに似た小さな鍋で出てくる。
牛ほほ、インゲン、ニンジンが赤葡萄の沼に浮かんでいる。
こちらも取り分けてビックリ。
牛ほほ肉は煮崩れしておらず、糊の効いたワイシャツのようにピッとしている。
ところが肉はナイフですっと切れ、インゲンもニンジンも肉もとってもソースの味が染みている。
ソースも甘くなくどちらかといえば辛めといってもいい。
聞くとバターを使わず、ソースを煮詰めて煮詰めて作ったからだという。
こんなほほ肉を食べるのも初めてのこと、驚きである。
本当に満足。
お代は17,850円。これだけ飲んで食べて一人一万円切るのは驚き。
驚いているとサービスのカヌレが出てきた。
外はカリカリ中は甘いカスタード。
ご馳走様とお店を出るとシェフとホールマスターが角を曲がって見えなくなるまで見送ってくれた。
ここは、ファンになって何度も通う店である。
5位
1回
2017/04訪問 2025/06/09
桜の季節が終わり、
青葉が煌きだした休日に
穏やかな陽光が降り注ぎ、
爽やかな風が流れる中、
お店に2人で訪れる。
結果的には5テーブル12人
の昼餉に我々は一番乗り。
お陰で、
中田雄介シェフの正面に座れる僥倖を得た。
中田シェフは1972年静岡県生まれで、
青山「ラ・ブランシュ」で6年間修業。
2002年に渡仏し、パリで1年、
ローヌの二ツ星「レジス・マルコン」
で2年修業。
2004年より神宮前「ラルテミス」
にて6年シェフを務め、
2011年7月に代々木八幡で独立。
オープンキッチンなので
カウンター席はシェフズテーブル。
キッチンはアシスタントが2人、
ホールは1人だが、
スタッフの経験から
現在は中田シェフが全て仕切る状態。
彼女はベルギー白ビール(1,000円+税)、
私はシェリー(900円+税)を頼み、
ワインは中田シェフと相談し、
グルナッシュ95%の
コートデュローヌ2014レザラフィアント
の赤(5,500円+税)にする。
ランチは3,600円、5,500円、7,000円。
3,600円でお願いする。
・お食事前のおつまみ
スモークサーモンのリエット
キノコのクロックムッシュ
キャベツのキッシュ
白い平皿に二人分のせられ、
指でつまんでということ。
軽く出されたものと思ったが、
いきなりシェフの本質を突き付けられる。
キノコのいい香りが物凄い。
温かく、薄いパンに
キノコとオリーブペースト
を挟み焼いたというが、
いきなりガツン。
サイコロ状の小さな冷たいキッシュだが
キャベツの主張が物凄い。
強過ぎないスモークのサーモン、
程よい塩分が食欲をそそる。
素材の味、
旬の味を最大限に生かそうとする
姿勢がよくわかった。
・季節の一皿
新玉ネギのムース、トマトジュレ
3月から8月までのここのスペシャリテ、
新玉ネギを使った料理。
最初は甘みが強く、
みずみずしく、
やわらかいのが、
段々と水分量が減っていく。
この季節が一番バランスがいいという。
冷製なのに、
玉ネギの香り、
トマトの香りが物凄い。
それぞれの甘さと旨みが一気に押し寄せる。
・おすすめ前菜
房総産生カツオのマリネ
シェフがお好きだという
トマトのソースの上に
塩でマリネしたカツオ、
その上にはセリとパクチー。
カツオは優しい仕上がり、
甘い赤キャベツ、
トマトソースには
フライドオニオンも入っており、
ハーブとの四位一体。
素材の味が良く引き立ち、
ハーモニーが素晴らしい。
・お魚料理又はお肉料理
彼女は乳飲み仔牛のソテー、ジロール茸とグリンピースのソース
私はヒラメのポワレ、渥美半島の春キャベツと共に
仔牛は絶品だったそうだが、
平目も素晴らしい。
表面にはきっちり焼き目が入り香ばしい。
最初は塩味をしっかり感じるが
それは潮であり、
食べるにつれ優しさを感じる。
・デザートと食後のお飲物
イチゴのデザートは
しっかり甘みが出ているが
さっぱりして腹に負担をかけない。
カフェをいただいていたら、
ウイキョウのクレームブリュレが出された。
我々にはテンポよく出してくれたが、
後から入ってきたお客さんには
間が開くと感じるかもしれない。
客の前まで出てきて
一所懸命説明してくれるシェフ、
気持ちの入ったお店である。
14,600円にチャージの500円x2
と消費税がついて16,848円。
あぁ美味かった、ご馳走さん♪
6位
5回
2022/04訪問 2022/06/17
前回訪れたのは20年2月下旬。
ご存じの通り
コロナ禍で外食は自粛していたからだ。
中井さんに連絡をし、
席を取ってもらう。
目黒川の見納めの桜を眺めてから、
大鳥神社交差点を越え、
緩やかな坂を登って行く。
口開けの客、
いつものテーブル席に案内。
相変わらずのワンオペ。
しばし、
中井さんとこの2年の事を語り合う。
感染症対策で、
手指消毒だけでなく
コートなどはセルフでハンガーにかけてもらい、
客や客のものに触れないよう注意。
また、
あらかじめ取り分けてサーブするようにしたので、
ここの名物の、
宝箱を開けるようなドキドキ感のある、
「前菜盛り合わせ」は休止中との事。
昨今のウクライナ情勢の影響が大きく、
欧州便の減少、燃料費の高騰、円安
のトリプルパンチで、
食材やワインの輸入価格が
どんどん上がってきているという。
近々輸入する
ホワイトアスパラの価格上昇が
10%アップとかそんなものではないレベルなので、
果たしてお客さんに出せるのかどうか不安だ
と語っていた。
メインを子羊にし、
前菜は
コンソメジュレと手羽先のフリット
に決定。
中井さんは、
量的に少し多いので、
フリットはハーフにと勧めてくれた。
まずはキリンラガー小瓶2本、
コンソメジュレで白ワイングラス、
他は赤のボトルで
とお願いする。
紙おしぼりは
水分量の多い高級タイプ。
まずはビールで乾杯。
席料代わりの
豚のリエットと自家製ライ麦パン
もあらかじめ2つに分けられて出される。
パンは以前より加水率が高くなったか。
お酒とパンが進む
旨みたっぷりのリエットは健在。
コンソメジュレが出てくる。
色んな店でコンソメジュレをいただくが、
ここのは図抜けている。
ウニ、ズワイガニ、
オマールと魚介のスープ、カリフラワームース、
とってもクリアな味わいで、
旨みが深い。
当たり前のことだが、
蟹の身に軟骨が混ざるような事のない、
丁寧な下ごしらえ。
2種の白ワインのうち、
果実味の少ないロワールの白をチョイスしたが、
ミネラル感がしかりあり非常に美味しい。
2品目は
鶏手羽のフリット、
1ピースずつサーブされる。
見た目はフリットという感じではなく
素揚げのような見た目。
イタリアピエモンテの赤ワインを
目の前で開けてくれる。
酸味があり、果実味がたっぷり。
ちゃんとこちらの好みを分かってらっしゃる。
スパイシーで旨みのある香りが漂う。
ブーダンノワールを先っぽからギュッと詰めたという。
ブーダンノワールの甘みと、
鶏の旨みがいいハーモニー。
子羊のロティが
鉄鍋に入って出てくる。
ひと皿だが、
2人で取り分けしやすいよう、
カットしてある。
腎臓も一緒に入っているので
熱いうちに
先にいただく、
ほろ苦さと旨みが混ざり合い、
とても柔らかい。
グリーンアスパラ、空豆も一緒にオーブンされ、
柔らかく旨み十分。
子羊の骨の部分は
後半は指で挟んでしゃぶり尽くす。
あぁ美味い。
ほんの少しだけ
デザートが食べたいというわがままを聞いてくれ、
一口サイズのパイ菓子を出してくれた。
アルマニャックと合わせていただく。
少しずつ時間をずらしての
4組の客をサーブしていたが、
ワンオペでこなしきっている。
あぁ、大満足である。
この日頼んだもの:
「カリフラワーのムース、ズワイガニ、ウニ、コンソメジュレ、クレームドオマール」2,420円
「ブーダンノワールを詰めた鶏手羽先のフリット ハーフ」1,100円
「ピレネーの乳飲み子羊の背肉のロティ」7,150円
「ビール」660円x2
「ロワール プイィ・フュメ グラス」1,430円x2
「ピエモンテ ロッソ ラシーヌ トリンケーロ ボトル」6,600円
「アルマニャック」1,320円x2
「席料(豚のリエット・自家製ライ麦パン)」550円x2
合計25,190円
ここは
隣と余裕を持った距離にしてくれるので
何かと安心。
予約を入れて訪れると、
皆同じことを考えていたか、
若いカップルたちが3組も来て逆に大賑わい。
それでも一人で楽し気に
客と語りながら、
調理とサーブをする中井シェフ。
だいたい一皿が3千円、二人でシェアできるサイズ、
ボトルワインはビオを揃えていて6千円台が中心価格帯。
コペルト代わりの豚のリエットと自家製ライ麦パンが500円台。
この日は3品、ビール小瓶2本、ボトルワインで、
2人で19,250円。
だいたいそれくらいと思っておけば大満足。
ここの
前菜盛り合わせ
は満足度が高過ぎなので、
やっぱり頼む。
メインは、
牛テールの赤ワイン煮込み
と決めて、
もう一品何がいい?
と聞くと、
中井シェフは
メニューには載せてないのですがと
真牡蠣と白インゲンの赤ワイン煮
を提案。
話がまとまった。
赤ワインは南仏の果実味のあるものと頼むと、
ビオを2本、
カリニャンかシラー・グルナッシュ。
シラー・グルナッシュをチョイス。
目黒駅からテクテク15分、
ビールで喉を潤しながら、
豚のリエットと自家製ライ麦パン。
酸味は強くなく水分量の多いパンに、
豚のリエットを塗るのだが、
塩加減は控えめで旨みたっぷり、脂が絶妙で、
どんどん手が伸びてしまう罪作りなコペルト。
ルッコラが山盛りになった前菜盛り合わせ、
牛ハツ、豚タン、鴨、サーモン、
フォアグラ、パテカン、蕪ピクルスなど。
塩梅よく、やや脂が多めで食欲がどんどん増していく。
いずれも癖がなく旨みだけを引き出している。
真牡蠣と白インゲンの煮込み、
スープドガルビュに牡蠣と赤ワインの旨みが重なった感じ。
これは旨すぎて喰いすぎると
自分の肝臓がフォアグラになりそうw
自然な旨みを引き出したマッシュポテトと一緒に、
牛テールの塊。
ナイフで慎重に骨からこそぎ落としながらいただく。
甘みより旨み、
とろとろの肉を愉しむ。
あぁ、やっぱりここは図抜けてるわ。
大満足でお腹いっぱいご馳走さん。
あっという間に時は経つ。
前回から1年半ぶり。
口開けの客として入ると、
髭面の中井さんが笑顔で迎えてくれる。
見た目と違い、話好きな中井さん。
アシスタント無しのワンオペ。
夕方から急に蒸してきたので、
とにかくビールと、
ラガーの小瓶(@650円)を2本注文。
メニューを眺める。
ジビエが始まり魅力的な料理が並ぶが、
サルミソースが苦手な彼女、
子羊をメインにすることを宣言し、
中井さんと相談、
前菜盛り合わせと
メニューにはないアナゴに決定。
赤ワインは、
懐かしいシチリア島の
オキビンティSP68ロッソ 6,480円
でお願い。
チャージ(@540円x2)代わりの
豚のリエットと自家製パンが出てくる。
ビール小瓶をもう一本追加。
塩が少ないがしっかり味の豚のリエット、
通常はパンは食べないのだが、
美味しいのでついついw
「いろいろ前菜の盛り合せ」( 2,970円)
豚タン、猪のハム、フォアグラ、サーモンなど6種のシャルキュ。
塩分控えめ、脂たっぷり。
ワイルドルッコラ(セルバチコ)が山盛り。
脂が悩ましいところだが、あまりに美味い。
「燻製アナゴ赤ワインソース、ジャガイモ添え」( 3,240円)
和食でのアナゴの味付けを考えると
甘めの仕上がりかと思いきや、
大人の味の仕上がりでこれは美味い。
こちらも塩気が少なく、
下に敷いたジャガイモとの相性がバッチリ。
「フランスロゼールの子羊のモモ肉の炭火焼き黒胡椒風味、子羊のジュ」( 3,780円)
大抵南半球の羊が出ることが多いが、
ここはフランス産。
ここまでのお皿から予想した通り、
塩分少な目でジューシーな仕上がり。
南半球産より旨みが多いような気がする。
結構お腹が膨れた。
で、デザートはパスし、食後酒。
アルマニャック(1,080円)
カルバドス (1,080円)
お代は2人で21,660円、
大満足でご馳走さん。
料理人の友人とユニックに訪れる。
18時オープンと同時に入店。
・フォアグラと飴色玉葱のテリーヌ
・白アスパラガス、イカ、パンチェッタのソテー
・野うさぎのロワイヤル
デザート2つ、お酒をグラスで6杯、ガス入り水、ハーブティで2人で2万円ちょっと。
フォアグラの濃厚にして洗練された脂、カリッとさせた甘い飴色タマネギ、
瑞々しいホワイトアスパラ、まるで上品な醤油で食べてるかのような錯覚に陥る柔らかい烏賊、
濃厚にして甘みの少ない大人のソースがかかった、柔らかい柔らかい野うさぎ、
中井ワールドを堪能。
まだもう一軒行くつもりなので控えめにと思ったら結構食ってしまった(笑)
中井シェフは実はよく喋る。
ただ、我々客は自分がいる瞬間だけ切り取るので、
そのときのTPOで寡黙だと感じたり無愛想と感じたりすることがあるが、
その一回限りの感想をネットにあげてまるでそれで全てと思わせるようにしてしまうのは
我々客側の反省である。
以前いたキャスクルートの閉店の話、
個人料理店の規模の趨勢、
料理のこだわり、
くだらない世間話、
実はアンテナを高くしていて
実によく喋る。
今夜もご馳走様♪
過去の私のユニックのレビューは↓参照。
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13163184/dtlrvwlst/B115627881/
16年10月:
予約をしたら中井シェフがテレビに出てきてビックリ♪
ベットラの落合務シェフと一緒にネスカフェレギュラーソリュブルコーヒーのCM。
https://nestle.jp/brand/rsc/chef_kanto.html
もちろん店で出してもらう(笑)
もちろん中井シェフ自らのサーブで。
この日は少し気温が上がったので着くなりビールをかけつけ2杯。
いつものように相談しながら決める。
フォアグラコンフィとホワイトマッシュルーム(1,890円)
塩漬けにした鮎のブランダードのタルティーヌ(1,260円)
フランス産キノコを詰めた山ウズラのロティ(4,860円)
以前飲んだコートデュローヌの新しい年のボトルをもらう。
この日の出色のひと皿:
コンフィしたフォアグラは脂が落ち、非常に上品な仕上がり。
ホワイトマッシュルームとフォアグラの間には飴色の玉ねぎがさりげなく挟まれ、後から甘みが広がって来る。
添えられたブリオッシュもバターではなくフォアグラの脂で作ったという、軽い仕上がりにこれも驚く。
皿にのった塩胡椒をチョイとつけるとまた味が締る。
やはりこの人は天才である。
お代は二人で20,580円、大満足。
15年10月:
2人体制に戻る。
頻繁に更新されるHPのメニューを見て
アワビのリゾット(1,890円)は是非食べたいとやって来た。
メインを中井さんと相談し、驢馬のロースト(3,240円)にチャレンジ!
前菜はフォアグラと里芋のテリーヌ(1,890円)にし、赤ワインは中井さんの3本のリコメンドから珍しいギリシャワイン(4,320円)に決める。
こっちが少し呑んできたのを見て取った中井さんは、キリンラガー小瓶(650円)一本で、グラス1杯ずつでどうですかと提案。
フォアグラコンフィと燻製里芋のテリーヌ
バルサミコ酢で煮た白インゲンが付け合わせ、硬めで深い味わい。フォアグラをコンフィしたことでの更なる滑らかさと里芋の元々の滑らかさがとっても面白い食感で、そのハーモニーが見事。
アワビのリゾット、トリュフソース
予想通りの濃厚で滋味深い味で素晴らしい♪
惜しむらくは誰かが風邪でもひいていたか塩気が強い。きちんとその旨、中井さんに伝える。
鴨の生ハムと胡瓜のジャガイモとハーブのムースがけ
つなぎで出してくれた。
鴨の生ハムが非常に強い味、胡瓜、ムースを絡めていただくと丁度いい。
驢馬のロースト
初めてのロバの肉、確かに馬肉のようなさっぱりした味だが、更にミネラル感が加わり美味い。
赤ワインはフルボディで果実味も十分、後半ミネラル感もやってくる。
栗の渋皮煮
サービスで1つずつ出してくれた。
優しい甘さで渋みは消えさっぱり。
13,070円と驚異のコスパ!来てよかった♪
14年11月:
・62℃で火入れした和牛ハツのカルパッチョ、カラスミ風味1,760円
・豚足とジャガイモのグラタン、トリュフ風味1.620円
・ヤマウズラの稲藁焼き4,860円
アラン氏は去り、今は中井シェフ一人で回す。
ヱビス小瓶(650円)で乾杯。焼き立ての自家製ライ麦パンと豚のリエット。
湯気が見事に立ち上がる。
ハツのあっさり塩気が少ないのに素材の味はしっかり。カラスミをのせても塩辛くない。
味が濃いのが好きな人には物足りないかも。
ブルゴーニュの赤ワインボトル(6,480円)をいただく。
重くはないのだが果実味はしっかり。なかなか旨い。
グラタンには目一杯のグリーンがのる。
これも塩気が少な目、繊細な味である。ジャガイモも豚足もトロトロ!
豚足自体の表面はカリカリで全体的な味はしっかりしている。
ヤマウズラは、胸、モモ、ササミ。
こちらも塩加減は控えめだが鶏の味はしっかり。
ササミはふわふわ、胸もモモもとっても柔らかい。
アルマニャック(1,620円)とカルバドス(1,080円)を食後に頂く。
カルバドスの瓶の中にリンゴが入っているがどうやって入れたのか。
中井シェフに聞いてびっくりした。
お代は19,150円。ひとり9,600円弱。
大満足してご馳走様!
14年4月:
目黒西口権之助坂と行人坂の間にある「キャスクルート」は前菜+メイン+デザート+ドリンクというセットを平日ランチで1,500円で提供するフレンチ。
ここが凄いのは味とサービスがその提供する値段の倍はしてもおかしくはないのにその姿勢を変えないこと。
中井雅明氏は30代前半から数年ここでシェフを勤めた。
客層はOL、おばさまがメインで、社用、あと少数のおっさん。
レベルの高い「味とサービスと値段」がありとあらゆる客層を呼ぶ。
そこで何が起きるかというと、お喋りに余念がないおば様方4人組と、一人で来ているおっさんとでは食べるスピードが全然違うのだ。
私は数回ランチに一人で行ったが、いつもおば様方をメインで追い抜く。
料理人にとっては当たり前といえば当たり前だろうが、中井雅明氏は最初に客席を見渡し、その日の客構成を確認する。
後半気付いたのだが、その人たちそれぞれにいちばんいいタイミングで料理がサーブされるのだ。
お喋りに花が咲くおば様と一時間以内に職場に戻らなればならないおっさんとを区別し料理出しのタイミングを完璧に計算していた。
サービスを受ける方はそれが当たり前なのでなかなか気づかないが彼はきちんと計算していた。
味はもちろん保証付き、この日確認したのだが、絶品だと思った低温調理のローストポークはキャスクルートでは2回しか出したことがなかったそうだ。
11年9月に幸運にも私は味わうことができたのでそれがよくあるメニューだと思っていたがあの味とあのボリュームに魅せられた。
その中井シェフが13年12月独立し、大鳥神社の先に自分の店を出したと聞いたのはオープンして随分経ってから。
相変わらずアンテナが低い(笑)
で、満を持してディナーを予約。
ドアを開けるとメートルドテルのアラン氏が「お待ちしていました」と窓際の席に案内してくれる。
縦長の店内、窓際に小さな丸テーブル2つ、それぞれに木の椅子が3つずつ。
中央は左に長いソファーに2人テーブルとその向かいに木の椅子が並ぶ。
キッチンの前に3席ほどのカウンター席。BGMは洋楽ラップ。
この日はメニューには載ってはいないプレモル小瓶(650円)を2つ頼み、メニューブックを繰って料理を検討。
5,400円のコースもあるがデザートやソフトドリンクは頼まないタイプなのでアラカルトに。
野ウサギが気になるがやはりクセがあるとのこと。
「蜂蜜とエピスでキャラメリゼしたヴァンデ産仔鴨の胸肉のロティ、ソースロックフォール」2,420円をメインに据え、
「三重県浦村産角田牡蠣のリゾット」1,540円は評判高いことでこれも頼むことにしたら
アラン氏は「鴨のフォアグラのテリーヌとマンゴーチャツネ自家製ブリオッシュ添え」1,760円を強く勧めてくれたのでそれに。
赤ワインも一緒に頼む。いいビオがあるというので相談しているうちにアラン氏にうまく誘導され、
5千円を切る「VdFル・レザン・エ・ランジュ オマージュ マ・ド・ラ・ベギュート(コート・デュ・ローヌ)」に。
テーブルチャージ@540円代わりのリエット、フォカッチャ、バゲットが出される。
このリエットが脂が少ないのに味わい深く美味い。これも油の少ないフォカッチャにもカリカリで甘いバゲットにもよく合う。自家製パンもとても美味い。
赤ワインは結構ボディがあるが時間と共に花開くタイプ。
フォアグラのテリーヌが届く。テーブルは手狭。
薄い自家製ブリオッシュの上に分厚いフォアグラ、その上にマンゴーソース。
いきなりガツンと来る。フォアグラは濃厚なのだがしつこさがない。
下の自家製ブリオッシュも油が少ない。マンゴーチャツネが自慢とか、キウイなど酵素的なソースがこのフォアグラに合うとシェフが説明。
豆色に近いリゾットが届く。見た瞬間、いわゆるビスク。よく裏ごしされている。
見た目にはどこにも牡蠣はいない。肝も含めすべてがスープになっている。
これを食べた客がみな驚いたように、その濃厚さに我々も驚く。
ここまででお腹は結構膨れる。
味は濃いがもしかして酒を飲まない人にはもう少しあっさりした仕上がりにするのかもしれない。
メインの仔鴨が届く。
いい色の鴨である。湘南野菜がゴロッと添えられている。
ロックフォールチーズの香りがなかなかいい。
結構ハーブが効いている。コリアンダー、クミンもある。中井さんは狙い通りというが私には少し強いかも(笑)
ウィスキーとアルマニャックをそれぞれ食後酒に。
「目黒名物焼き立てバナナパイ」を頼む。
完熟バナナを使っている。
バナナを完熟のタイミングで出すのは難しい。そこをきっちり出すのは素晴らしい。
お代は2人で16,460円。
この日は余裕があったので中井シェフとじっくり話をさせてもらった。
彼の頭には憂鬱と夢がないまぜになっている。
前の店では、定められた原価率の中でやりくりをしなければいけなかった。
ようやく自分の好きな材料を仕入れられる自由を手にした。
一方で立地がよくないこの場所で、日によって混む日、空いてる日のばらつきがまだまだある。
テーブルサイズが小さく、木の椅子は長時間は疲れる人もいる。
ビストロスタイルでワインも料理も値段は抑えてある。
ランチは5月以降、水~日、限定一組で客と相談しながら料理を組立てるスタイルにしていきたいとのこと。
中井シェフはとても朴訥な喋り口ながら論理的思考をする方で5年先を見据えて仕事をしている。
夢と現実の狭間にあって、キャスクルートの時の料理捌き・客捌き同様、上手に自分の店と人生を捌いていくのだろう。
まだ30半ばとお若い。憂鬱を夢に変えていく力がある。
そしてパートナーのアラン氏のホスピタリティとリスペクトは素晴らしい。強い味方もいる。
ご馳走様!
7位
7回
2019/11訪問 2021/10/06
平日の夜、
いつものカップルに加え、
家族連れ、男三人、
普段のビストロでは余りお目にかからない
そうあって欲しい客層。
グリーンサラダ(1,100円)
軽く火を入れた黒毛和牛のタルタル(2,200円)
アンディ―ヴのグラタン(2,000円)
自家製ソーセージのシュークルート(2,900円)
チャージ(@500円)
ビール小瓶(@600円)
ラングドック フィトウ赤ワインボトル(5,600円)
アルザス シルヴァネール白グラス(@1,000円)
さっぱりタルタル、
アンディ―ヴってチコリだけど、
これだけ大量のチコリを火を通していただくのは初めてかも。
塩が強めのシュークルート、
ラングドックの赤とアルザスの白で合わせるのが面白い。
山崎君と色々話をして、
今日もご満悦。
平日の千円サービスランチ、
ようやく訪れることができた。
12時前に列に並ぶ。
ぴったりの時間にドアが開き、
聞き覚えのある声。
一番奥の2人テーブルに案内され、
3種のランチから
豚ロース肉のソテー、セージ風味のマデラソース
をチョイス。
この日はとっても蒸し暑いんで
エビスの小瓶700円をお願い。
山崎さんが自ら注いでくれ、
早速グビグビ♪
あぁ美味い!
トウモロコシの冷製カップスープ、
自然ないい甘さ。
注文から12分で
プレートが届く。
マデラソースの海に
豚ロースが鎮座、
レタス、マッシュポテト、パンが添えられる。
このタイミングで
ランチワイン500円の赤をお願い。
山崎さんがカリニャン、シラー、グルナッシュで
少し軽めですが果実味たっぷりです。
マデラソースと私に合ういいチョイス。
ナイフでススっと切れた
豚肉を口に運ぶと
期待通りの濃厚なマデラソースに包まれた
ジューシーな肉塊。
セージがいい仕事。
マデラソースだけだと
その甘さと濃厚さに身体がヘナヘナとなるが
セージがワンポイントでいい感じで引き締めてくれる。
名残惜しむように
残ったパンの欠片にマデラソースを含ませ、
赤ワインで流し込む。
あぁ至福のランチタイム。
アイスティで火照った身体を少し冷まし
2,200円払ってご馳走さま。
3ヶ月毎に行きたいのだが、
なかなか叶わぬ。
ここは食べログの料理メニューを
きっちり更新してくれるので
行きの電車の中で
あれやこれやと組み立てできるのが便利。
ドアのガラスの向こうの
山崎ソムリエと目が合い、
すぐさまドアを開けてくれ
一番奥のテーブル席に案内。
「ヱビス小瓶」(600円)で乾杯し、
決めたのは
「グリーンサラダ」(1,100円)
「真サバのマリネ」(2,000円)
「ホワイトアスパラ、オランデーズソース」(2,400円)
「手長海老のラヴィオリ2/3」(1,900円)
「ジャンボンドパリ」(1,500円)
ホワイトアスパラとラビオリで迷ったが
山崎ソムリエがラビオリの数を減らして
両方という提案でそれに。
最初はドライな白のグラス(900円)、
後は
果実味がありボディもあって土臭い赤のボトル(5,900円)
をお願いした。
土臭いという表現は
先日グルメな先輩とスペイン料理を食べた時に習った表現。
山崎ソムリエはすぐに理解して
出してくれた。
ミネラル感とは少し違い、
ミネラル感は石のイメージ、
土臭いは桑の実が近いという話。
確かに飲むと少し違う、
最初はタンニン、徐々に花開くという感じ。
この日はグリーンサラダと真サバのビネガーが
いつもよりやや甘めに感じたので
山崎ソムリエに聞くと
レシピはまったく変えてない、
飲んでるワインのせいでそう感じるのだとの説明。
フランス産のホワイトアスパラ、
これは抜群にジューシーで
最高の味、
やはり頼んで正解♪
バターを使ってないのに濃厚な味の
手長海老のラヴィオリ、盤石。
食べ過ぎると間違いなくカロリー過多w
フランスではレシピが厳密に決められた
ジャンボンドパリ、
塩漬けにした豚もも肉を
ジン、コリアンダー、クローブ、ローリエ、タイムを入れたスープの中で煮込み、
保存料も食品添加物も使わない。
この日はトマトクリームソースで濃厚な仕上がり。
ワインが進む贅沢な味。
デザートに少し甘めの
「トンカ豆のブランマンジェ」(600円)
をいただいてご馳走さん。
お代は2人で19,400円。
また時が空いてしまった。
18時にドアを開けるとすぐに山崎チーフソムリエが出迎えてくれた。
謙虚に客のクレームを受け止め、
チーム全員で改善に心がけているようである。
もちろん経費節減も考えつつ、
色々とプロセスは見直している。
蒸し暑い日が続くこの日は、魚介と白でまとめることに。
着くなり、
ヱビスビール小瓶(@600円)
兎に角蒸し暑かった。
ここは食べログをホームページ代わりに使っているので、
ちゃんとメニューも適宜アップデイトされる。
事前にウキウキ検討してからやって来た。
メニューには載ってなかったこの日のおススメ、
蒸し岩牡蠣のタルティーヌ(@800円x2)
やはり定期的に食べたくなる
真サバのマリネ(1,900円)
まだ食べていない夏のメニューから
イカのセート風煮込み(1,500円)
仔牛とブルーチーズのトマトファルシ(1,800円)
私はビール小瓶をお代わりし、
白ワインのボトルを並べてもらい、
プロヴァンスの白の魔術師、
ドメーヌ・ド・ガヴェッソン アンスピラシオン2014(7,800円)
をお願い。
白ワインは
最初に果実味とミネラルの苦みがやってくる。
そして徐々にドライな果実味が支配する。
スイスイ飲み過ぎてしまうタイプ。
「真サバのマリネ」
うすーくスライスされた大根の上に
ほぼレアの鯖、
とっても柔らかく臭みはない。
この日はビネガーが強め。
「蒸し岩牡蠣のタルティーヌ」
これはパンとバターと牡蠣を一体化して食べてもらいたいというので
ナイフフォークでカットしながらいただく。
北海道産の岩牡蠣は軽く蒸され、
バターを介して薄いバゲットの上に。
牡蠣の旨み、バターの深み、パンのほのかな甘みが三位一体、
確かに一緒にいただくべき、白ワインが進む。
「イカのセート風煮込み」
イカをトマトソースで煮込み、
マヨとガーリックのアイオリソースとあわせてある。
サフランライスが添えられる。
味はしっかりとしているが、まろやか。
これもワインが進む。
ここで、ラングドック赤グラス(@900円)をお願いし、
「仔牛とブルーチーズのトマトファルシ」
トマトに仔牛の挽肉とブルーチーズを詰めてローストされたもの。
ブルーチーズと云うよりハーブの癖が強い。
我々は肉肉しさとトマトの酸味で美味しかったが、
人によってはハーブが強過ぎるかも。
食後に
ヌガグラッセ(650円)
マール(1,200円)
カルバドス(1,100円)
ヌガー感がしっかり出たいいヌガグラッセ。
白ワインが少しいい値だった分、
今宵は2人で22,150円、
今日も美味しくいただいた。
3ヶ月ごとに来たいと思ってはいるのだが、
浮気性なのか、9ヶ月ぶりになってしまった。
ますます精悍な顔つきになった山崎ソムリエが笑顔で出迎え。
頑張ってチーズプロフェッショナルの資格も取ったとか。
他のスタッフも元気でやっている。
エビスの小瓶(@600円)を2本もらい、
乾杯して、飲みながらメニューを検討。
あらかじめ考えていたのはクリのロースト、
山崎ソムリエと話すうちに次の4品に決定。
・グリーンサラダハーフ(850円)
・乳飲み仔牛の冷製 ツナのソース(1,700円)
・ツブ貝とポルチーニ茸のエスカルゴバター炒め(1,900円)
・黒毛和牛クリのロースト(4,200円)
赤ワインのボトルは山崎ソムリエお勧めの
ロワールのカベルネフラン、
エポール・ジュテ ルージュ(4,900円)に決定。
果実味とボディがありながら、爽やかな味わい。
グリーンサラダはあっさり目のビネガーと気持ち強めの塩、
パリパリレタスとしこしこインゲンでいいスターター。
乳飲み仔牛はパッと見は骨付き羊肉に見える。
ツナソースは控えめであくまで脇役、
冷製の柔らかい仔牛肉、云われなければハムのような食感と味わい。
最後は指でつかんで骨の周りの肉をしゃぶり尽くす。
ツブ貝とポルチーニ茸は
想像していたよりもあっさりとした仕上がり。
香りと旨みがバッチリ。
この日楽しみにしていたメインのビーフ、
ボトルワインを飲みきり、
赤のグラスをボルドーとブルゴーニュそれぞれ追加。
クリとは肩から前足上部のミスジと隣接している部位、
柔らかい赤身の肉。
さすが黒毛和牛だけあって、
ほどよいサシも入り、とても柔らかく
なんといっても肉自体の味が美味い。
久々にこんな美味い肉を喰わせてもらった。
今日はチーズは遠慮し
栗のケーキ(850円)、
食後酒のアルマニャック(1,300円)、
カモミールティ(400円)
栗のケーキが上品な甘さ、
山崎ソムリエがこれは美味いです、と太鼓判のアルマニャック、
香りと揮発するアルコールが堪らない。
お代は2人で20,400円。
大満足である。
時間に余裕のある時、平日千円ランチに行ってみたいんだよなぁ。
フレンチと云うと身構える人が多いが
ここは大丈夫。
月-金平日の昼はリーズナブルな千円ランチ。
土・祝の昼は夜メニューと同じだが@500円のテーブルチャージはつかない。
ネット予約して出かける。
定番メニューに加え頻繁に新作を加えている。
食べログのメニューも
頻繁に更新してくれありがたい。
山崎ソムリエ含め馴染みのスタッフに挨拶して
テーブル席に。
定番の「真鯖のマリネ」
新作の「猪のガルビュール」
まだ食べてない「和牛とフォアグラのミートローフ」
ヱビスの小瓶2本で乾杯。
ワインは山崎氏があらかじめ考えてくれた
ラングドックのシラー、穏やかな果実味。
久々の真鯖。
薄くスライスされた大根の上に浅〆のサバ。
やや強めの味付けだがやっぱり盤石の味。
イタリアではズッパ、フランスではガルビュール、豆のスープ。
白いんげんメインに猪肉。
少し塩気が強いがいい味付け。
ミートローフは私のおふくろの味。
濃厚な牛の中にフォアグラという贅沢。
幸せである。
デザートに食後酒に。
お代は2人で15,300円。
16年10月:
随時食べログメニューを更新してくれるので事前検討が楽しみ。
[牡蠣のスモークとバスマティ米のサラダ](1,600円)
軽めのスモークで思ったよりさっぱり、きちんと米には芯が残りハーブは強くない。
[つぶ貝ときのこのエスカルゴバター パイ仕立て](1,400円)
つぶ貝たっぷり、バターいい香り、トランペット茸旨み、ワインが進む。
[サンマのジャガイモ包み焼](1,600円)
甘い大根ソースの上に熱々の焼物、サンマの香りが強く秋の残り香、和の雰囲気。
[穴子と野菜のオーブン焼き](2,600円)
見た目よりはあっさり、バルサミコ酢がベースでズッキーニ、トマト、ナスと脂たっぷりの穴子、少しミントが強すぎた。
山崎君が考えておいてくれた赤ワインが
ラングドック コルビエール マハカム(4,800円)
カリニャンやシラー、果実味に加えてスパイシーさがあり、ボディがあって美味い。
ビールにグラスワインにチーズでお代は2人で17,100円。
次回、ミートローフがメニューに載っていることを期待してご馳走様。
16年6月:
自家製アンチョビとポロ葱マヨネーズソース(1,200円)
イワシのスモークとジャガイモのキッシュ(1,300円)
フランス産ホワイトアスパラのポシェ マルテーズソース(2,000円)
仔羊もも肉のロースト(2,900円)
キュベジュリエッテ ラングドック(4,800円)
ここはメニューをタイミングよくアップデートしてくれるので行く前から料理選びにワクワク。
そしてあらかじめ山崎ソムリエがワインを何本かセレクトしておいてくれる。
もちろん食べて大満足。
ヱビス小瓶、グラスワインもいただいて2人で16,200円はほんと驚きのコスパ。
今宵もありがとう♪
16年3月:
随分間が空いたが、山崎ソムリエの満面の笑みに気分よく入店。
2人ともシェリー(@700円)を注文してメニューを検討。
ズワイガニとカリフラワーのグラタン(2,200円)は食べたいと思っていたので
それを軸にパテカン、牡蠣とブルーチーズのスフレオムレツ(1,700円)でいこうとするが、
ちりめんキャベツのシューファルシ(1,800円)にも目が行く。
山崎ソムリエに相談したら、
シューファルシは肉の量が多いのでということで、パテカンをやめ、
冷菜からスモークサーモンムースのカナッペをハーフサイズ(850円)でとの提案に、即承諾。
合わせる赤ワインも提案されたミネルヴォア(4,800円)に決定!
「スモークサーモンムースのカナッペ」
思ったより軽く塩少な目でサーモンがきちんと主張。
「牡蠣とブルーチーズのスフレオムレツ」
モンサンミッシェルのオムレツを目指す。バターたっぷり、玉子フワフワ牡蠣濃厚。
「ズワイガニとカリフラワーのグラタン」
超濃厚なビスクの中のカリフラワーのあっさり感がいい。
「ちりめんキャベツのシューファルシ」
豚・鶏・レバーの挽肉は濃厚、いわばパテカンの煮込みのロールキャベツ。ソースの甘みと旨み。
お代は2人で13,750円。
15年7月:
前回のサバとイチボに大満足したので、ネット予約してでかける。
若きソムリエ、山崎晃氏が我々の事を覚えてくれていた。
食前酒は彼女はキール(700円)、私はシェリー(700円)
山崎氏から料理の説明を受け、日替わりのメニューから「鮎のパテ」(1,800円)、定番メニューから「手長エビのラビオリ」、「仔羊とメルゲーズのクスクス」(2,900円)に決定♪
すると山崎氏が、少し量が多いかもしれないんで、ラビオリはいつもは6枚出しなんですけど4枚出しにしましょうか?と提案。
無論異論はなく、それでお願い。値段も2,400円から1,800円に。
ワインはまかせるよ、と言うと、
少しスパイシーな仔羊とメルゲーズに合わせ、シラーのクローズエルミタージュ(5,200円)はいかがですかとすぐ提案。
「鮎のパテ」
骨も一緒に2度裏漉しして作ったという鮎のパテ、キュウリとマスクメロンのマリネが添えられている。
鮎の肝の苦みを遠くの方に感じ、ほんの少しのザラザラした食感もよく、口の中に鮎の旨味が一杯に広がる。
メロンとキュウリのさっぱりとした青臭さが、川底の苔を食べてる鮎にぴったり合っている。
出されたコペルト(@500円)代わりのパンに塗ってみるとこれも旨い。
「手長エビのラビオリ」
バターをふんだんにつかった泡立つ手長エビのソースがラビオリの上にふんだんにかけられている。
もちろんラビオリの中にも手長エビ。
なんという海老の甘み、バターがさらに旨味を増幅させる。
あぁ、これはずっと食っていたいけど、間違いなくデブになるな(笑)
「仔羊とメルゲーズのクスクス」
クスクスの上に羊のソーセージ、メルゲーズが2本載り、ストウヴ鍋には骨を取った仔羊、野菜がふんだんに煮込まれている。
「クスクスルージール」よりスープの色は薄め、野菜の量は多め。
この少しスパイシーな味わいに、この日の比較的軽めだがタンニンを少し感じるクローズエルミタージュが確かによく合う。
煮込んだ羊もメルゲーズも羊の旨味がよく出ている。
あぁお腹いっぱい、大満足。
今日はチーズは遠慮して、ケーキとカフェをいただきご馳走様、お代は15,700円。
やはり素晴らしいコスパであった。
15年3月:
ここは食通まてぃす氏に教わったビストロだが、リーズナブルに気軽に楽しめるお店である。
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13143821/dtlrvwlst/5010515/
若くて人当りのいいソムリエに料理のボリュームを聞くと、ポーションが大きいので
2人で前菜2品、主菜1品で十分だという。
結果、この日のお代は2人で19,350円だった。我々はチーズと食後酒に少しお金を出したため少し高くついたが
ビール、ワインボトル、前菜2品、主菜1で13,500円で済ますことができるので、コスパはかなりいい。
2階に上がり、ドアを開け、入った瞬間、居心地のいいカジュアルな雰囲気がよく伝わってくる。
フランスのインターネットラジオが流れている。
失礼かもしれないが通常こういうビストロには似つかわしくない50代のおっさんの集団が先客。
いかにもここの常連さんっぽい年輩のカジュアルだがきちんとした身なりの夫婦。
まだまだフレンチには慣れていない初々しい若いカップル。
30代の食べるのも飲むのも好きそうな女子3人などなど、
ここはありとあらゆるタイプの客を受け入れてくれるビストロである。
ヱビスビールの小瓶(@600円)を2本と、
じわじわ花開く黒ワインと言われるカオールのボトルが4千円とリーズナブルな事もあり、一緒に頼んでおく。
初めてなのでここのスペシャリテを頼むことにする。
真サバのマリネ(1,800円)と黒毛和牛イチボステック(3,500円)は決定。
もう一品を手長海老のラビオリ、アスパラガスのオーランデソース、モンサンミッシェル産ムール貝白ワイン蒸しで迷う。
迷い迷って、ムール貝マリエール(2,000円)でお願いする。
「真サバのマリネ」
薄くスライスした大根の上にいいピンク色の対馬産サバ、大葉とネギがのる。
腹肉と背肉が黄色い海の上を泳ぐ。
驚きの美味!ほどよいいい〆具合の鯖に甘酸っぱいドレッシングがピッタリ合う。
オリーブオイル、ワインビネガーはわかるのだが、この甘みがわからない。ハチミツかと思いきや聞いたらなんと砂糖だった。
「ムール貝マリエール」
モンサンミッシェル産のムール貝の白ワイン蒸しである。
かつて12年前、オランダ・ベルギーでの2週間の旅で食べたように、バケツに山盛りのムール貝がやって来た。
この料理用に彼女はブルゴーニュのシャブリグラス(@1,000円)をいただく。
かつてブリュッセルの肉屋通りのレストランで教わった、ひとつめのムール貝をナイフ・フォークでいただいた後、
その蝶番がついたままの殻をハサミ代わりに次のムール貝を挟んでいただいていく。
かなりの量だが手が止まらない。二人で無我夢中で旨味溢れるムール貝を次々に頂く。
そしてスープがまた美味。パンを浸すと旨味が染み込みたまらない。
「黒毛和牛イチボステック」
きれいなピンク色の大きなお肉がどーんと届く。
マッシュポテトと菜の花が付け合せ。
この肉の火入れは素晴らしい。ライヨールのナイフでスッと切り、口に入れると牛の旨味が口一杯に広がる。
素晴らしいお肉に感動。
チーズプロフェッショナルのバッジをつけた女性がワゴンサービスを持ってくる。
3種(2,000円)選び、食後酒にマール(1,000円)とカルバドス(850円)をお願い。
ここは魚、肉、ワイン、チーズと懐が深い店。
まてぃすの差し金でやって来たよ(笑)と言うとシェフもソムリエも皆驚いてひっくり返っていた。
相変わらず彼の店への踏み込み方は素晴らしいことを実感した。
気軽に通いたい佳店である。
来たれ!フレンチ初心者もフレンチ愛好者も♪
ご馳走様♪
8位
1回
2017/11訪問 2017/12/18
代々木八幡にメニューのない珈琲屋があると聞いた。
めんどくさそうな珈琲オヤジが蘊蓄を語る店なのだろうか?
と警戒しながらも、モーニングがあるので行ってみることとした。
小田急線代々木八幡駅南口前から
左手方向に歩く。
ウェイティングリストが出され、人が並び始めてる人気の「PATH」を右手に見ながら
そのまま進むと井の頭通りの交差点。
交差点を渡ると、
その辺りから渋谷東急本店近くまでが神山商店会、奥渋谷と呼ばれる一画。
渡ってすぐ、左手に台湾料理「麗郷 富ヶ谷店」がある。
その脇に、カフェロストロの案内板が置いてあり、ここを斜め左に入っていく。
少し歩くと、右手に宇田川遊歩道の案内。
そこに入るとすぐ右手にお店。
建物に沿ってテラス席になっており、石油ストーブがいくつか配置。
ウッドデッキにあがるとそこにも石油ストーブ。
店内に入ると予想に反し、
人当たりのいい笑顔のおにいさんが出てきた。
「外で飲まれますか?中で飲まれますか?」
「外は寒いし、モーニングを食べたいんだけど。」
「モーニングでしたら、中でも外でも同じことですので中にどうぞ。」
「???」
説明を受けてわかった。
”店内は純喫茶仕様にしてまして、
飲み物のメニューはなく、お客様と会話しながら、お好みの飲み物をお出しします。
外はテイクアウトと同じ扱いで、決まった飲み物を用意しています。
中の方がお値段がお高く、外はお安くしております。
モーニングセットだけは中で召し上がっていただくんですが、
コーヒーの場合ですと3種類しか用意しておりません。”
懐かしい洋楽POPが流れる店内、
キッチンに向かったカウンター席に座る。
モーニングセット(800円)の飲み物を聞かれ、
ホットコーヒーと云うと
3種類ありまして、
酸味がありあっさりしたもの、少しビターなもの、そのどちらも合わせもったもの。
最初の酸味のあるあっさりをお願いする。
パンはトーストかベーグルかをお選びいただけますが。
トーストでお願いする。
クリスタカットのグラスに入った水、
少し洒落たカトラリーが置かれる。
目の前に葉書サイズのフォトブックがあったので開いてみたら
メニューブックであった。
それをめくって
モーニングセットのトースト用パンは「パン・オ・スリール」のもの
ベーグルは「ポルダーベーグル」のもの
サンドイッチ用パンは「五つのパンと二匹の魚」のもの
であることがわかった。
笑顔のおにいさんが
コーヒーを出してくれる。
エチオピアとブラジルを使った浅煎りのロストロブレンドだという。
ひと口、
最初に少し酸味、
そしてフルーティな味わいが一気に追いかけてきて
ちょっとビックリ。
味もクリアで美味しい。
おにいさんが笑顔で、
このブレンドはフルーティが一番の特徴だと教えてくれる。
モーニングプレートが届く。
十字に切れ目の入ったパン・オ・スリールのトーストの中央にバター、
クリスタルのエッグスタンドにのったゆで卵、
たっぷりのグリーンサラダ、
ヨーグルト、
ブルーベリージャム、
結晶の大きな塩。
トーストのバターを全体に延ばし
4つに割って、まずはそのまま。
もっちりしたトースト、バターは塩気少なくまろやか。
ブルーベリーを少しのせるとまたいい味わい。
グリーンサラダのドレッシングは
オイル多めの塩分少な目ビネガー、
レタスがシャキシャキ、たっぷりで美味い。
ヨーグルトの酸味は強過ぎない。
こちらにも少しブルーベリーを垂らすと味変。
最後にとっておいたゆで卵、
冷してあり、殻は剥きやすい。
つるんと剥け、ぷよんとしたゆで卵の頭に塩をつけて
口に運ぶ。
塩が強過ぎず、中から半熟と固茹での間のふんわり柔らかい黄身が現れる。
ここにまた塩をつけて口に入れると黄身の味が口いっぱいに広がり幸せ♪
これだけの構成で800円は随分お安い感覚。
大満足である。
これで、
最初は高いと思った
1,200円のサンドイッチセットやベーグルセットに俄然期待が膨らむ。
その私の気持ちを見透かしたかのように
笑顔のおにいさんは、
次回は是非、お好みのコーヒーを作らせていただけませんでしょうか。
サンドイッチセット、ベーグルセットのコーヒーは
おにいさんと会話しながら私にあったものを作ってもらえるのだ。
期待してなかっただけに
余りにも素晴らしい体験にこの店の事を調べてみた。
この店自体は、
清水慶一氏が代表の
コーヒー豆を焙煎しレストランに卸す仕事が生業のロストロジャパンの
アンテナショップだそうである。
そして、代表の清水氏の事が記された記事がネットに2つあった↓
https://www.kimoe.net/work/01/index.html
http://tomigaya-shinbun.com/rostrojapan.html/
そこから引用すると、
清水氏は1980年生まれの37歳。
ボクサーを目指していたが、怪我で挫折。
飲食をいくつも経験し、
2000年に父親が経営する
ノーザンコマーシャルに入社。
http://noco.co.jp/profile.html
ノーザンコマーシャルは
コーヒー関連機器輸入卸及び設置・メンテナンス、
コーヒー生豆輸入卸、
バリスタツール、カップ&ソーサー輸入卸、
が業務内容。
ここからコーヒーと出会い、
どんどんのめり込み、
エスプレッソマシンの製造修理から
コーヒーの味作りまで
その道を究めていく最中のようである。
雑味のない味だったコーヒー、
焙煎、ハンドピック共に細心の注意を図っているのだろう。
気軽に楽しむ人にも
深く楽しみたい人にも対応する
興味溢れるお店である。
9位
1回
2017/07訪問 2017/08/16
高知市から四万十市まで車で向かう。
高知市内から車で1時間40分、四万十市内まで15分の位置、国道56号線(中村街道)下り線に面している。
隣にコンビニ。
ここは大泉洋ファンにとっては有名な店。
北海道HTB「水曜どうでしょう」のコーナー「四国八十八か所」で何度もここに訪れ大絶賛。
http://www.htb.co.jp/suidou/staff/staff_130.html
同局の「おにぎりあたためますか」でもまたまた訪れている。
http://www.htb.co.jp/onigiri/omise/shikoku/kouchi/
平日13時頃乗りつける。
ランチタイムが終わったあとで、店内には数組のお客。
靴を脱いで店に上がる。
お好きな席にというのでテーブル席、窓のそばの角に座る。
何がお勧めか確認した後、
女性陣は「冷やし天うどん」(1,080円)、私は「冷やし肉玉」(864円)を注文。
小麦は北海道産、水は四万十川の天然水、塩はモンゴルの岩塩、出汁つゆは土佐清水の宗田節
とある。
どんぶりが届く。
東日本で肉と云うと豚だが西では牛、だからここの肉玉は中村四万十牛の甘辛煮。
出汁つゆはかかっているので混ぜてそのままいただく。
あぁ、ほどよいいいコシ、冷たさがいい、水がいいのだろう、麺が美味い。
牛肉の味付けは濃過ぎずいい感じ、宗田節の出汁つゆも当たりが柔らかく美味い。
うどんと具とつゆがいいハーモニーで素朴で美味い。
(後で知ったが、
四万十牛は年間70頭しか出荷されない。
高知県民でも県西部の方以外にはあまり馴染みはない、希少な牛であった。
通はここでうどんでなく牛丼を喰うそうである)
女性陣に聞くと
天ぷらうどんの野菜が甘くて美味いそうだ。
久々に絶品のうどんを喰わせてもらった、ご馳走様♪
10位
1回
2017/11訪問 2024/06/14
箱根から東京に帰る日、
昼ご飯をどこにするか、
鈴廣かまぼこの里で会議。
いつもは御殿場回りなのだが
今回は湯本回り、
では、あまり来られない
有名鰻屋「友栄」にチャレンジしてみよう
ということになった。
ほんの少し箱根方向に戻り
第一駐車場に入るとギリギリ空きがあった。
店の外には何人も長椅子に座って待っている。
店に聞くと
30分から40分で案内できるので
ということで待つことに。
先にレジで、上うな重(4,800円+税)
3人分の注文をし、
連絡先携帯電話番号を伝える。
電話で呼ばれると、
間もなく席に案内とのこと。
着いたのが13時9分、
店の回りを散策して時間を潰す。
電話がかかり、
席に案内されたのが13時36分。
おぉ27分か、説明通りとひと安心。
と思ったら、
それからが長かった。
段々いらいらし始めるが、
札幌の弁護士を思い出し我慢我慢。
いよいよ
うな重が出てきたのは14時14分、
つまり都合65分の待ち。
残ったらお持ち帰り出来ます、
ご飯はおかわり自由でございます、
左からうなぎのたれ、醤油、山椒です、
という説明も完全に上の空(笑)
ともかく急いで
お重の蓋を開ける。
うわぁ
でっかい鰻!
お重全体を完全に覆っている。
おぉ身も厚い!
そのまま少し箸を入れると
簡単に切れる。
そして口に運ぶ。
うわぁふわふわ、歯が要らないよ。
タレが濃過ぎず辛過ぎず甘過ぎず、
優しいタレにまた感動。
それまでの不満が雲散霧消して、
むさぼり喰う自分♪
漬物が塩が少なく、
野菜の甘みがよく出て美味い♪
皆無言で夢中でお重に向かう。
食べ終えて、皆の顔が満足気にほころぶ。
スタッフもよくトレーニングされ
気持ちがいい。
大満足でご馳走さん♪
今年は
高知に旅したとき、
地元レビュアーさんの
名文家、高知ラガーくすくすさんの紹介で
https://tabelog.com/rvwr/000535236/
いい店をいくつも紹介してもらった。
そのキャッチフレーズ、
「美味しいが止まらない人生」
を少しおすそ分けしてもらった気分。
また、壇上氏とその弟子ジョルディさんのお陰で
スペイン料理の美味しさを改めて教わった。
自分にとっての新しい出会いが幾つもあり
いい年であった。