4回
2022/12 訪問
赤坂:4年の時を経ても
スープドガルビュール1,980円
メゾンカイザー東京ミッドタウン特製バゲット
モナストゥリ・ド・サンモン・ルージュ ボトル8,800円
サービスのカヌレ
ビール880円
ラタトゥイユ1,650円
プレイモン サンモン グラス1,100円
バスク風白身魚の赤ピーマン詰めトマトソース2,420円
プレイモン サンモン グラス1,100円
バスク風白身魚の赤ピーマン詰めトマトソース2,420円
バスク風白身魚の赤ピーマン詰めトマトソース2,420円
ガルビュールコンクール記念皿
ガルビュールコンクール記念皿
牛ホホ肉の赤ワイン煮込み4,180円
モナストゥリ・ド・サンモン・ルージュ ボトル8,800円
牛ホホ肉の赤ワイン煮込み4,180円
サービスのカヌレ
エスプレッソ550円
サービスのカヌレ
2022/12/05 更新
2018/12 訪問
赤坂:今年も来れた♪
今年も来ることができました。
この日口開けの客、
橋本さんが笑顔でドアを開けてくれ、
カウンターの向こうで涌井さんが目尻を下げる。
カウンター席に着くなり
ビール(@800円+)をお願いし乾杯。
赤ワインのボトルを所望、
3本出してくれる。
カオール(6,000円+)にして、
私はビールもう一本。
店に向かう道すがら、
メインを牛頬赤ワイン煮かトリップにするか、
スープドガルビュールは決定、
鴨のハツも外せない。
すると冷たい前菜だが、
橋本さんはフォアグラテリーヌを勧めるだろうが、
この日は脂は控えようと、
サラダかと。
メニューもみないで
すらすらと
「山羊乳ロカマドゥールチーズサラダ」(1,800円+)
「シャラン産鴨の心臓の串焼き」(2,000円+)
「スープドガルビュール」(1,800円+)
「ガスコーニュ風トリップ」(3,600円+)
をお願い。
いつものように、
橋本さんが本店まで走って買いに行く、
メゾンカイザーのバゲットが出される。
チーズサラダがいつもより濃い目に感じ、
フランス産に戻ったハツの塩が強めなところで、
橋本さんに確認すると、
えぇ、このところ涌井さんの感覚は少し強めなんです。
スープはシェアされて
それぞれガルビュールの
アニュアルスープディッシュで出される。
随分食べやすいので、
もしかしてこのカウンター台、奥に向かって下がってる?
スマホの傾斜計で調べたら、
果たして-4度であった。
道理でスプーンですくいやすかったわけだ。
トリップはきちんと内臓肉の匂いがし、
野菜もたっぷり。
案の定、お腹は満たされ、
気になっていたアルマニャック漬けのプルーンはパスする代わりに、
食後酒をお願い。
いつものカヌレが出される。
アルマニャック ボワニエル(2,000円+)
アルマニャック ラベルドリーヴ(1,500円+)
お代は2人で、22,788円。
満席でてんてこ舞いの中、
涌井さんが見送りに。
キメルフレンチでなくカヨウフレンチ、
変わらないために変わり続けるお二人に大感謝、
ごちそうさま。
山羊乳ロカマドゥールチーズサラダ1,800円+
メゾンカイザーバゲット
シャラン産鴨の心臓の串焼き2,000円+
スープドガルビュール1,800円+シェア後
ガスコーニュ風トリップ3,600円+
カヌレ
ビール@800円+
山羊乳ロカマドゥールチーズサラダ1,800円+
ビール@800円+
赤ワインたち
カオール6,000円+
シャラン産鴨の心臓の串焼き2,000円+
カオール6,000円+
シャラン産鴨の心臓の串焼き2,000円+
シャラン産鴨の心臓の串焼き2,000円+
シャラン産鴨の心臓の串焼き2,000円+
ピモン・デスプレット
ガルビュール皿
ガルビュール皿
マスタード
ガスコーニュ風トリップ3,600円+
アルマニャックたち
選ばれしアルマニャック
アルマニャック ラベルドリーヴ1,500円+、アルマニャック ボワニエル2,000円+
アルマニャック ラベルドリーヴ1,500円+、アルマニャック ボワニエル2,000円+
アルマニャック ラベルドリーヴ1,500円+
アルマニャック ボワニエル2,000円+
カウンター席は奥に-4度傾く
2018/12/30 更新
2017/05 訪問
赤坂:変わらないために走り続ける煌きの味とサービス
店の前は何度か通り、橋本さんと言葉を交わしたのだが、
店に訪れるのは実に2年3か月ぶり、随分不義理をしたもんだ。
約束した18時過ぎにドアを開けるとサービスマンが出迎えてくれ、
名乗ると窓際の2人席に。
キッチンの向うで、こちらを見つけた涌井さんと橋本さんが満面の笑み。
満面の笑みで出迎えられるとはこんなに嬉しいことなのか。
取るものもとりあえず
クローネンブルク小瓶(@800円+税)を2本頼み、メニュー検討。
残念なことに16年10月のヨーロッパの鳥インフルエンザにより、
鳥の輸入が出来ない状態がまだ続いているとのこと。
で、鴨の心臓焼きはお休み、フォアグラ、鴨のコンフィはカナダ産で代用とのこと。
田舎風パテ(1,800円+税)
山羊乳のチーズのサラダ(1,800円+税)
スープドガリュビュ(1,800円+税)
牛ホホ肉の赤ワイン煮(3,400円+税)
メインのホホ肉に合うワインをと云うと
橋本さんがゆうべから涌井さんと、まめぞうさんに出すワインを考えていた、
と3本出してくれる。
中からタナ100%のクロバステ マディラン2012(7,000円+税)でお願いする。
自然派のワイン、ミネラル感、タンニンを感じ酸味がある。これが徐々に華開いていく。
[田舎風パテ]
肉汁を逃さないよう時間をかけ丁寧に丁寧に作ったひと品。
2週間熟成だという。
確かに瑞々しい仕上がりで肉の旨みがギュッと凝縮されている。
添えてある胡瓜のピクルス、酸味が強くシャキシャキ。
[山羊乳のチーズのサラダ]
山羊のお乳のチーズ、ロカマドール、イメージでは臭みがあるかと思いきや、酸味も臭みも全くない。
たっぷりのグリーンに松の実を散らし、シェリービネガーとヘーゼルナッツオイルで和えてある。
メリハリがついた味で美味い。
[スープドガリュビュ]
一人前をシェアしてもらう。
バスクのオロロンサントマリーと云う場所で毎年開かれるガリュビュコンクール、
そこの記念プレートに入れて出してもらう。
頼んだボトルワインをメインのために残すこととし、
タナ80%のバステ ビゴール2014をグラス(@900円+税)でそれぞれもらう。
ガリュビュは相変わらず濃厚で滋味深い味である。
[牛ホホ肉の赤ワイン煮]
オレンジの鋳物ホーロー鍋が出てくる。
蓋を開けると中に型崩れしていない牛ホホ肉がインゲンとニンジンを従えている。
肉の旨みを口いっぱいに感じながらここにまた来た幸せを嚙みしめる。
食後にいつものように
カヌレをいただく。
定番のメニューに胡坐をかくことなく追求し続ける涌井シェフ、
サービスはオレに任せろと、時には朝までシェフと酒を酌み交わし、
ミッドタウンまでバゲットを買いに走る橋本メートルドテル。
飲食業界の人材不足が叫ばれる今、この二人のタッグは盤石である。
お代は2人で20,736円。
涌井さんにずっと見送られ、ご馳走様。
田舎風パテ1,800円+税
山羊乳のチーズのサラダ1,800円+税
スープドガリュビュ1,800円+税、シェア後
牛ホホ肉の赤ワイン煮込み3,400円+税
牛ホホ肉の赤ワイン煮込み3,400円+税+、シェア後
牛ホホ肉の赤ワイン煮込み3,400円+税
バステ ビゴール2014@900円+税(左)
クロバステ マディラン2012ボトル7,000円+税
スープドガリュビュ用乾燥赤ピーマン
左のバステ ビゴール2014@900円+税
山羊乳チーズのサラダ1,800円+税
田舎風パテ1,800円+税、シェア後
メゾンカイザー東京ミッドタウン店のバゲット
クロバステ マディラン2012ボトル7,000円+税
クロバステ マディラン2012ボトル7,000円+税
牛ホホに合う本日のお勧めボトル、いずれも7,000円+税
クローネンブルク小瓶800円+税
オロロンサントマリー ガリュビュコンクール記念プレート
オロロンサントマリー ガリュビュコンクール記念プレート
2017/06/19 更新
2015/02 訪問
赤坂:キメルフレンチではなく、カヨウフレンチ
15年2月:
素晴らしい食事の後、いつものようにトレードマークの黒のTシャツ姿の涌井さんが見送ってくれる。
ドアを開けたら、外は予期せぬ雨、涌井さんが「しげるぅ!傘2本♪」と叫ぶ。
橋本さんがビニール傘を涌井さんに手渡す。
「うちは傘100本あるから気にしないでくださいよ♪(笑)」
「念願の鴨のコンフィ食べられて幸せです」
「実は今日のは仕上がりがもう一つなんです。仕入れの鴨の具合で全く違ってきます。ある意味面白いんで次も頼んでください」
「久々にスープドガルビュ食べられてよかった。偶然、今日昼間、まてぃす氏からメールが来て昼飲みの誘いがあったんです。涌井さんとこに行くと言ったら、スープドガルビュうらやましいと言われて」
「まてぃす氏とお知り合いでしたか(驚)。そういえばまめぞうさんが前回来られた時は騒がしくてすいませんでした」
相変わらず涌井さんと橋本さんの素晴らしい記録と記憶である。
確かに前回、不動産関係者とキャバ嬢っぽい団体の合コンの様な食事会と鉢合わせし、彼らは頻繁に外にタバコを吸いに行ったり、嬌声をあげたりしていた。
我々が頼んだものだけでなく、他に来た客の状況まで覚えているとは...
鴨のコンフィは事前予約しないと食べられない。
前回予約の時、うっかり忘れたので、今回はきっちり頼む。
店に来る道すがら、鴨の心臓とまてぃすに刺激されたスープドガルビュは頼むことにして、あと一品は店に行ってから橋本さんに聞くことにした。
店に着くと、店内は盛況でこの日はあらかじめ涌井さんに頼まれた通りカウンター席に。
食前酒を頼み、橋本さんに料理も頼む。鴨の心臓(1,500円)、スープドガルビュ(1,400円x2)、鴨のコンフィ(2,200円)、あと一品何がいい?
橋本さんが迷わず、「今日はフォアグラのテリーヌ(2,200円)がとってもいいです。出来立ての一切れ目を出します」
こちらはにこりと微笑みながら、「じゃぁ赤ワインは何がお勧め?」
橋本さん、迷わず「ガスコーニュ モナストゥ・ド・サンモン ルージュ2003で」(7,000円)
そして「実はまめぞうさんから鴨のコンフィの予約をいただいてから、合う赤ワインは何にするかずっと考えてたんです」
ありがたいことである。
タナ70%で黒胡椒などのスパイシーな香りで甘さは少なく引き締まったワインとのこと。
いただいてビックリ、スモーキーさを感じる赤、こういうのは初めて。時間が経つと花が開いて徐々に果実味が出てくるのもいい。
フォアグラのいい脂と旨味でスタートし、つるりと美味い鴨の心臓、文句のない滋味深いスープドガルビュ、そして鴨の脂で炒めたジャガイモがとびきり甘く、鴨肉もほろほろでジューシー。
今宵も大満足、お代は18,468円、ご馳走様!
14年6月:
久々なのに涌井さんも橋本さんも満面の笑顔で迎えてくれた。
世の中パソコン、ネットで便利になったおかげの引き換えに暗算ができなくなったり漢字が書けなくなったりする。
ここのアナログな二人はパソコン、ネットにそっぽを向いてる分、客の記憶が素晴らしい。
今回も前回頼んだものを覚えていた。
ビールで始め、
ビゴール豚の生ハム(2,000円)、ラタトゥイユ(1,000円)、バスク風白身魚のすり身の赤ピーマン詰めトマトソース(1,500円)、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み(2,500円)を橋本さんに注文。
ワインはまたカオールでというと、橋本さんはメインの牛ほほならマディラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2003(7,000円)のほうがコクがあって料理に合いますとアドバイス。素直に従う。
メインの皿が来る直前でボトルが空になることを計算し、カオール2010シャトーピネレをグラス(@900円)で先に頼むことにした。
生ハム、もちろん塩気はあるが、なんという旨味、ナッツの香りがする。
そして甘みと旨味の詰まったラタトゥイユ、やはり磐石。
マディランが注がれる。おぉ、重めで果実味がたっぷり、タナが70%。
鯛と鱈を使ったすり身を赤ピーマンに詰めたもの。
ニンニクが効いているのだが、とってもお上品な味わいに仕上がっている。ピーマンがトロトロである。
牛ほほ、野菜もソースもバターがよく効いていてとろける、笑みがこぼれる。
毎日買いに行ってるというメゾンカイザーのバゲットとソースが合う。
橋本さんが言うようにこれにはマディランがぴったり。
デザートとカヌレをいただいてご馳走さま。
お代は19,872円。
13年7月:
8ヶ月ぶりに訪れる。
涌井シェフもホール責任者の橋本君もPCを扱えないアナログ人間。
ドアを開けると三人が満面の笑みで出迎えてくれる。
橋本君が窓際の席に案内してくれる。ここの特別席。
予約を入れた時に電話を取ったのは新しく入った男性スタッフだった。
その時はカウンター席になるかもしれないという話だったが、それもまたいいかと思っていた。
橋本君が食前酒とワインのメニューを。
なんと前回頼んだ食前酒とワインを覚えていてくれた。
PCは使えないので、もちろんノートにつけてはいるのだが、予約名を聞いた時、8ヶ月前の私たちを思い出したという。
今回は二人ともクローネンブルグの小瓶(800円x2)
ワインは前回のしっかりしたカオールを考えると今回は花が開くこのカオールはどうですかとの橋本君の勧めに従い
カオール2007ラカペル・カバナック・プレステージ 6,000円(マルベック90%メルロー10%)
頼むものもあらかじめ考えてきていた。
生ハム、じゃがいもグラタン、ハツハーフ、鴨のコンフィ。
橋本君が「本日はフォアグラのテリーヌがほんとにお勧めなんです。」
もう橋本マジックに完全にひっかかっているのですぐさま生ハムをフォアグラに変更。
鴨のコンフィは前日までの予約が必要だということで、気が進まぬがトリップにする。
量的には少し少ないかもということなので、ハツをハーフからフルに変更。
ランド産鴨のフォアグラのテリーヌ アルマニャック風味2,200円
じゃがいものクリームグラタン800円
シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円
ガスコーニュ風トリップ2,500円
フォアグラのテリーヌにいきなり開始早々のダウン。
雑味が一切なく、旨味と甘味が凝縮凝縮凝縮。
これがメインです、と言われたらはぁそうですか、ほんとに美味しかったですと食べ終わったらそのまま席を立ってしまいそう。
橋本君が下処理を丁寧に丁寧に丁寧に行った成果でもある。
ビールからワインに替わる。
あらかじめ抜栓してくれてある。ひとくち飲んで、その果実味の素晴らしさに感動する。
じゃがいもグラタン、チーズの香りはするが実際食べると主張せず、熱々の存在感のしっかりしたじゃがいもが美味い。
素朴にして上品な味わい。芋好きなだけにこれはお酒のお供にしたい。
やっぱり、ハツは記憶通りの期待通りの味で安心できる。
そして、トリップ。
これがオーブンから出したお皿かと思ったら予想に反して鋳物ホーロー鍋で出てきた。
そして、蓋が開けられてまたびっくり。
イタリア料理のトリッパを想像したのでハチノスのトマト煮込みをイメージしていたら、食材そのものの色である。
取り分けてひと口、びっくりの美味い味!
今回二度目のダウン、9カウントでようやく立ち上がってファイティングポーズをとる。
内臓特有の臭み、雑味、クセは一切ない澄んだ味。
しょっぱくもなく濃くもなくでも滋味ある味。
橋本君がハチノスの他に上ミノ、豚足、牛スネ肉も使って6時間煮込んでますとの説明。
この汁をご飯にかけたら絶品だろうなぁ!
途中でワインは無くなり、カオール2008シャトーピネレ(@900円)をグラスでいただく。
涌井ワールドの奥深さを刷り込まれた。
デザートにとてもなめらかなチョコレートとアルマニャックのアイス900円
とハーブティ500円
そして名物カヌレである。
やっぱり最高、美味いと思ったカヌレはここのと久我山の「ル・カナール」だけ。
お代はサービス料なしの19,215円、ひとり一万円いかないこの素晴らしさ。
涌井シェフとしばし語らって店を辞す。
次は鴨のコンフィを食べに来ないとね。
角を曲がるところで、涌井シェフはまだ頭を深々と下げていた。
12年11月:
「キメルフレンチではなく、カヨウフレンチ」
このお店は付き合い始めの女子との仲を確実にするためのキメのフレンチではないことを最初にお伝えする。
むしろ、付き合って関係が安定してから、美味しいものをゆっくり食べたいという時に使うフレンチである。
なぜならお店自体とスタッフの素朴な雰囲気、訪れる客のあまりにカジュアルな雰囲気のために、付き合い始めのカップルの男性にとってつかみはOKとはならないからである。
シェフとホール、男性二人でまわしているため、十数席とは言え、時間はかかる。
しかも店も狭いため隣の席との距離が異様に近い。
当然調理も時間がかかるため、それを意識しているホールマスターが客のためにせわしなく動き回るのでやや落ち着かない。
また、BGMはバスクの古い音楽である打楽器音楽で付き合い始めのカップルにはムードがない。
繰り返すが、これからモノにしたい彼女をここに連れて来るのはかなりリスクがある(笑)
それ以外の客にとっては本当に最高のお店である。
結論から言うと、私の中では最高のフレンチのひとつ。
有名レビュアー諸氏のレビューを読んでここに興味を持っていたが、
このレビュー(筆者註:残念なことに陽だまりの中にいたような素晴らしいレビューは削除されてしまいました)を読んで、頭をガンと殴られたような気がして、気がついたら電話をとり、予約をしていた。
その時、ホールマスターに、楽しみにしていますと最後に伝えたら、本当にうれしそうな反応をしてくれた。
千代田線赤坂駅からは近いがわかりにくい。なぜなら道路に面していないから。
道路の向こう側のスギ薬局が目印。ここを通り過ぎると行き過ぎ。
マンションの脇の路地を左に入り、すぐ右手に「立ち呑み処なかや」が見え、奥左手にコインランドリーが見えたら正解。コインランドリーの手前に素朴に佇んでいる。
素朴な木のドアを開けて、名乗るとシェフとホールマスターが笑顔。
右に2人テーブルが3つ、左に3人テーブルと4人テーブル、奥に5人ほどのカウンター席でその向こうがキッチン。
実に狭い店で、暗めの照明。
コート、上着を預かってもらい、右手奥の二人テーブルに座る。
順に応対するため、こちらのテーブルに来るのを待つ。
飲み物のメニューが渡されるがすべてフランス語で書かれている。
なんとなくわかるので、私はアニスを使ったパスティスというリキュール(600円)、家内は瓶のクローネンブルグ1664(800円)を頼む。
サーブされるまでに時間がかかるのは判っているので赤ワインのボトル、カオールのLagrezette2005(6,000円)も頼んでおく。
料理のメニューも渡される。あらかじめ食べログで確認したメニューと全く同じであったので、すぐに決まる。
皆さんのレビューを読み、何を頼むか事前に決めていたからだ。
パテドカンパーニュ1,400円、ラタトゥイユ1,000円、シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円、スープドガルビュ1,400円、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み2,500円。
心配なのは量が多過ぎないかということだったが、ホールマスターに相談したら、パンを控えデザートを食べなければ十分大丈夫とアドバイスをもらったのでこれで注文。
パスティスは原液で度数が高く淡いブランデーのような色をしているが、水をいれるとギリシャのウーゾー同様に白く変化する。
アニスの香りがかなり強いので(インド料理の後に食べるフェンネルの味に似ている)慣れない日本人は合わないことも多い。
田舎風パテ(パテドカンパーニュ)がバケットと一緒に出される。
大量のミニキュウリのピクルスが添えられている。辛子やピンクペッパーなど余分な香辛料は添えられない。
プリプリである。最初はやや塩気を感じるが食べるにつれまろやかで甘くなってくる。
レバーが少ないのでねっとり感が出ずパンは不要である。
途中でカオールを抜栓してもらう。
濃い赤紫でとてもいい香りがする。果実味もタンニンもあり、非常にまろやかで飲みやすい。
ラタトゥイユが届く。
食べてビックリ!冷たいタイプなのだが、野菜が煮崩れしていないのに味がとっても染みて自然な甘みが出ている。
今まで食べたラタトゥイユで一番おいしい。
聞くと赤ピーマンを中心とした野菜は最初強火で炒めて、中の水分を封じ込めて漬け込み、一番おいしい3日目のものを出すという。
それが煮崩れしないのに美味しい理由だとか。
赤ピーマンと青ピーマンに挟まれたシャラン鴨のハツの串焼きが熱々の銅の鍋で届く。
ハツ自体は非常にあっさりした出来上がりで切ると見事なピンク色が顔を覗かせる。
ピーマンには塩が効いていてハツと一緒に食べるといい塩梅。
くせもなくありそうでない味。
スープ・ド・ガルビュがあらかじめ二つに取り分けられた状態で届く。
白いどろっとした感じのスープの上に赤の点たち。唐辛子(乾燥赤ピーマン)の粉である。
ジャガイモと白インゲンが目立つが、生ハムの骨と脂から取ったスープに他にちりめんキャベツ、根セロリ、かぶも入っていてとろとろに煮込まれている。決して甘くはないスープであるがとっても滋味深い。辛い乾燥赤ピーマンがパンチを効かせる。
必要ならと七味のような赤ピーマンの粉が置かれるが、我々には十分。
ゆっくりのサーブなのでワインが無くなり、グラスを頼むと2009年のカオール(@900円)が出てきた。
そしてメインの牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。
ル・クルーゼに似た小さな鍋で出てくる。
牛ほほ、インゲン、ニンジンが赤葡萄の沼に浮かんでいる。
こちらも取り分けてビックリ。
牛ほほ肉は煮崩れしておらず、糊の効いたワイシャツのようにピッとしている。
ところが肉はナイフですっと切れ、インゲンもニンジンも肉もとってもソースの味が染みている。
ソースも甘くなくどちらかといえば辛めといってもいい。
聞くとバターを使わず、ソースを煮詰めて煮詰めて作ったからだという。
こんなほほ肉を食べるのも初めてのこと、驚きである。
本当に満足。
お代は17,850円。これだけ飲んで食べて一人一万円切るのは驚き。
驚いているとサービスのカヌレが出てきた。
外はカリカリ中は甘いカスタード。
ご馳走様とお店を出るとシェフとホールマスターが角を曲がって見えなくなるまで見送ってくれた。
ここは、ファンになって何度も通う店である。
シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円
鴨もも肉のコンフィ ランド風じゃがいものソテー添え2,200円
ランド産鴨のフォアグラのテリーヌ アルマニャック風味2,200円
シャラン産鴨の心臓の串焼きニンニク風味1,500円
スープドガルビュ1,400円
鴨もも肉のコンフィ ランド風じゃがいものソテー添え2,200円
ガスコーニュ モナストゥ・ド・サンモン ルージュ2003 7,000円
鴨もも肉のコンフィ ランド風じゃがいものソテー添え2,200円
鴨もも肉のコンフィ きれいにいただきました
メゾンカイザーのバゲット
フロック・ド・ガスコーニュ(食前酒)
パスティス(食前酒)
パスティス(食前酒)
ガスコーニュ モナストゥ・ド・サンモン ルージュ2003 7,000円
この左下の赤い囲みがモナストゥ・ド・サンモンの作られた場所
スープドガルビュのお皿
スープドガルビュのお皿
カヌレ
カヌレ
鴨のコンフィのマスタード
ビゴール豚の生ハム2,000円
クローネンブルグ800円
ラタトゥイユ1,000円
カオール2010シャトーピネレ@900円
カオール2010シャトーピネレ@900円
バスク風白身魚のすり身の赤ピーマン詰めトマトソース1,500円
バスク風白身魚のすり身の赤ピーマン詰めトマトソース1,500円
マディラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2003 7,000円
マディラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2003 7,000円
牛ほほ肉の赤ワイン煮込み2,500円
牛ほほ肉の赤ワイン煮込み2,500円
フロマージュブラン栗の木のはちみつかけ1,000円
カヌレ
ランド産鴨のフォアグラのテリーヌ アルマニャック風味2,200円
じゃがいものクリームグラタン800円
ガスコーニュ風トリップ2,500円
カオール・ラカペル・カバナック・プレステージ2007 6,000円
カオール・ラカペル・カバナック・プレステージ2007
カオール2008シャトーピネレ@900円
カオール2008シャトーピネレ@900円
とてもなめらかなチョコレートとアルマニャックのアイス900円
ハーブティ500円
ハーブティ500円
サービスのカヌレ
シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円
ガスコーニュ風トリップ2,500円
サービスのカヌレ
ハーブティ500円
コインランドリーの隣
デザートメニュー
パテカン1,400円
ラタトゥイユ1,000円
シャラン産鴨のハツ串焼き1,500円
スープ・ド・ガルビュ1/2(一人前1,400円)
牛ほほ肉赤ワイン煮込み2,500円
牛ほほ肉赤ワイン煮込み1/2
サービスのカヌレ
パン
パスティス(水投入前)600円
パスティス(水投入後)600円
クローネンブルク800円
クローネンブルク800円
カオール シャトーラグレゼット’05 ボトル6,000円
カオール シャトーラグレゼット’05 ボトル6,000円
カオール'09グラス@900円
2015/03/05 更新
2018年12月に
”また今年も来れた”
とここのレビューをあげた。
が、コロナ禍のお陰で
その後ここに来ることが叶わなくなった。
最初にここに訪れたのは
2012年11月、
リスペクトする
グルマンまてぃす氏に教わってのこと。
https://tabelog.com/rvwr/000189106/rvwdtl/B112401919/
真冬でもお揃いの半袖黒Tシャツの
涌井勇二シェフと
その右腕、橋本しげる君
に魅了され、それから通う事になる。
最初のレビューで、
ここは
”キメルフレンチ”でなく、
”カヨウフレンチ”だと紹介した。
この日も
店内満席、ほぼ常連さん。
だが、
一見さんも大歓迎で優しく接してくれる。
21年6月、
近くのTBSの上の丘にあるビルに
仕事で通っていたが、
ある日TBS脇からあがっていく坂が
妙に苦しくなり、
緊急入院することに。
12日間の入院で体重は7キロ痩せた。
7月に復帰し、
この赤坂での仕事もあと一週間となったので、
食べログ検索し、
焼イワシと焼穴子が有名な和食割烹、
「會水庵」のランチに行ってみることに。
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13002183/dtlrvwlst/B438979766/
行ってみてビックリ!
なんと「コムアラメゾン」の並びにお店があった。
イワシの親子丼を堪能して、
店を出たら、
コムアラメゾンのドアが開いていて、
キッチンの上の棚を拭いてる橋本君の背中が見えた。
声をかけた瞬間、
彼は振り向きざまにすぐ
まめぞうさんじゃないですか!!!
どうしたんですか、
随分痩せて、
しかも痩せ方がいい痩せ方じゃないです。
普通他人に
そんな事をストレートに云ったりはしないが、
橋本君は
私にすぐに病院にでも行け
と謂わんばかりの忠告のつもりだった。
で、私は
病に気付いてないのではなく、
病み上がりだと説明した。
でも、痩せこけ、マスクもしてる
私をすぐに認識できたのは何故か?
橋本君はとにかく記憶力が凄い。
前回頼んだもの、来ていた服、座り位置、
的確に記憶し、次のサービスに生かしている。
恐らく映像記憶であろう。
後で聞いたら、
私の声を記憶していたという。
映像+音声記憶であったか\(◎o◎)/!
それから半年ほど、
相変わらず
コロナ禍対策で夜は外に出かけない生活を続け、
コムアラメゾンにも足を運べなかった。
年明けに
白金高輪のメゾンカイザー本店
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13004473/dtlrvwlst/B115628014/
がビルの老朽化による閉店のニュースを聞き、
あぁ橋本君はバゲット
をどこで手に入れてるんだろうと心配した。
コムアラメゾンは
店用のバゲットを
メゾンカイザーに焼かせているのだが、
毎日橋本君が走って
本店まで取りに行ってたのだ。
2月に入り、
平日に休みが取れたので、
日中、前から懸案にしていた
涌井シェフのご両親がやってる
北府中の洋食屋
「アポロ」
https://tabelog.com/tokyo/A1326/A132602/13087294/dtlrvwlst/B446284918/
にようやく出かける事ができ、
涌井シェフのおかあさまと色々話をすることができた。
その時、話題の中心が
涌井シェフではなく橋本君だった。
彼の素晴らしい働きぶり、
誠意をおかあさまが褒めたたえていた。
その直後、コムアラメゾンに訪れた、
美女レビュアー
https://tabelog.com/rvwr/004093265/
さんから、衝撃のニュース!
なんと橋本君が交通事故に遭って、
肩を骨折したという。
そして12月、
ようやくその日が来た。
18時にコムアラメゾンのドアを開けると、
涌井さん以下スタッフ全員が
笑顔で我々を迎え入れてくれた。
ボルトを入れたが、
今は後遺症もなく大丈夫ですと、
右腕をぐるぐる回してくれた橋本君に
きめ細かいサーブをしてもらう。
バゲットは今は
メゾンカイザー東京ミッドタウン店
で作らせてるそうだ。
走って行くのも前より随分近くなった。
(因みにメゾンカイザー本店はすぐそばで22年12月2日から再開)
https://maisonkayser.jp/topics/2264/
久々にいただく
コムアラメゾンの料理、
なんと滋味深くこれほどにも旨いのだろう。
そして、
橋本君が合わせてくれたワインも
白はドライで赤は果実味と酸味、
素晴らしいマリアージュ。
御馳走さまと店を出ると、
涌井さんが出て来て、
色々と世間話をする。
そして、それではと別れると、
我々が角を曲がって見えなくなるまで、
涌井さんは見送ってくれる。
いつものルーティンも含めてのコムアラメゾン
を満喫させてもらった。
この日頼んだもの:
(まだ欧州鳥インフルの影響で鴨は仕入れられず関連3料理は提供無し)
「ラタトゥイユ」(1,650円)
「バスク風白身魚の赤ピーマン詰めトマトソース」(2,420円)
「スープドガルビュール」(1,980円)
「牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」(4,180円)
「ビール」(@880円x2)
「プレイモン サンモン グラス」(@1,100円x2)
「モナストゥリ・ド・サンモン・ルージュ ボトル」(8,800円)
「エスプレッソ」(@550円x2)
二人で合計24,090円