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2024/09 訪問
温泉の蒸気と大地の恵みが織りなす饗宴 – Otto e Sette Oitaで体験する地獄蒸しイタリアン
2024/09/23 更新
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大分県別府市に位置する「Otto e Sette Oita（オット エ セッテ 大分）」は、温泉地の特性を最大限に活かしたユニークなイタリアンレストランです。別府の源泉から湧き出る蒸気を利用した「地獄蒸し」という調理法がこのレストランの大きな特徴であり、素材本来の旨みを引き出すその技術は、他では味わえない特別な料理体験を提供してくれます。レストランの名前「Otto e Sette」は、かつてこの地に存在した「8藩7領」という歴史に由来し、地元の文化と伝統へのリスペクトが込められています。
予約はランチタイムの13時に取り、期待感に胸を膨らませながら店内へ。モダンで洗練されたインテリアは、温泉地ならではの落ち着いた雰囲気と調和しており、窓からは手入れの行き届いた庭が見え、自然の中で過ごすような開放感があります。私が案内された席は、柔らかい日差しが差し込む窓際の席で、庭園を眺めながらゆったりと食事を楽しむことができました。
今回いただいたのは「Termale〜地獄蒸匠ランチ」という地獄蒸しを中心に構成されたコース料理。地元の新鮮な食材を温泉の蒸気で蒸し上げるという、別府ならではの贅沢な調理法を体験できると聞き、期待が膨らみます。
まず運ばれてきたのは、「とうもろこしと温泉のスープ」。このスープは、とうもろこしの甘みが引き立ち、舌の上でまるで立体感を感じるような食感が特徴です。温泉のミネラルがスープに深みを与えており、口に運ぶたびに豊かな風味が広がります。
次に登場した「かぼちゃのフラン」は、まるで洋風の茶碗蒸しのような滑らかなテクスチャー。上にかけられた赤ピーマンのソースが甘みのあるフランと見事にマッチしており、中にはスズキの旨みがぎっしりと詰まっていました。濃厚な味わいと繊細な口当たりが絶妙です。
続いて「鱧のテリーヌ」が登場。この一皿は、鱧の練り物でありながらも、しっかりとした食感が残り、噛むごとに鱧の風味が口いっぱいに広がります。椎茸の旨みがアクセントとなり、上に乗った香草が爽やかな風味を添えています。添えられたミニトマトの甘さと酸味が、鱧の味わいをさらに引き立て、全体としてバランスの取れた一品です。
「温泉ハムとアスパラのサラダ」では、ハムの塩味が控えめながらも噛むほどに旨味が広がります。新鮮なアスパラとの組み合わせが、シンプルながらも絶妙な調和を生み出しており、素材の良さが引き立っています。
次に、私が選んだ飲み物「都農ワイン牧内プライベートリザーブ 甲州」という白ワインは、フルーティーで軽やか。料理との相性も抜群で、一層食事を引き立ててくれます。そして「麹のパン」は、外側が少し硬めでありながらも噛むほどに甘みと深い風味が感じられ、シンプルながらも心に残る味わいです。
続いて出された「温泉パスタ」は、湯布院モッツァレラをたっぷり使ったトマトベースのパスタです。ミネラル分豊富な温泉で茹で上げられた麺は、適度な塩味が麺自体に感じられ、トマトソースとモッツァレラの濃厚な味わいがしっかり絡み合い、満足感のある一品でした。
メインディッシュの「阿蘇のあか牛の地獄蒸し」は、まさに感動的な一皿。長時間かけて蒸されたあか牛は、箸で触れるだけで崩れるほどの柔らかさで、噛むごとにあふれる肉汁と深い旨みが口の中に広がります。赤ワインベースのソースとポレンタが付け合わせとなり、あか牛の濃厚な味わいを一層引き立てていました。
最後のデザート「桃の地獄蒸しと塩ミルクのジェラート」は、地獄蒸しによって柔らかく仕上げられた桃が絶品。自然な甘さが口の中に広がり、そこに塩味の効いたミルクジェラートが絶妙なバランスを作り出していて、食事の締めくくりとして完璧でした。
「Otto e Sette Oita」での食事は、ただのイタリアンではなく、別府の温泉と地元の素材を活かした特別なダイニング体験。温泉地ならではの調理法と、豊かな食材が織りなす一皿一皿は、心も体も満たされる贅沢なひとときでした。ぜひ、別府を訪れた際には、この温泉と食材の融合を体験してみてください。