Mamosan2525さんが投稿したアコルドゥ(奈良/近鉄奈良)の口コミ詳細

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アコルドゥ近鉄奈良/イノベーティブ、スペイン料理

1

  • 昼の点数:4.8

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2024/10 訪問

  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

古都奈良の四季と味覚の饗宴—アコルドゥで体感するスペインの風

奈良の古都へ足を運ぶ際、東大寺の大仏参拝や鹿とのふれあいを楽しむ一方で、今回もう一つの大きな目的は、イノベーティブなスペイン料理「アコルドゥ(akordu)」での食体験でした。歴史を感じさせる街の中心、東大寺や奈良県庁からほど近い場所に佇むこのレストランでは、シェフの手によって生み出される一皿一皿に、奈良とスペインの風が吹き抜けます。


◾️予約から受付まで:心待ちにしていた一ヶ月

奈良という土地の美しさに魅了され、「アコルドゥ」での特別なランチを体験したくて、訪れる一ヶ月前にWebで予約しました。

店に到着すると、席に案内される前、待合室で振る舞われた「大和橘の水」は、柑橘の爽やかさとほどよい苦味が、これから始まる料理のプロローグを完璧に演出してくれます。

席に案内され、丁寧な接客と共にまず目に飛び込んできたのは、庭園に佇む赤みがかった葉を纏った桜の木。奈良公園の自然と庭園の風景が美しく重なり、時間が止まったかのような静けさが心を和ませます。


◾️食事の始まり:シェフの巧みな技が光る初めの一品

テーブルに着くと、まずはスパークリングワイン「リョパール リョパール ブリュット レセルバ」で乾杯。さっぱりとした味わいで、どんな料理とも相性が良さそうなこのワインが食事への期待を一層高めてくれます。

そして最初の一皿、「大鉄砲のアホブランコ」が運ばれてきました。このスペイン・アンダルシアの郷土料理が、奈良の大豆を使って再解釈されている点に感動。スープを一口すすると、ニンニクの香りがふわりと広がり、続いて豆乳のまろやかなコクが口の中に優しく広がります。中に潜んでいたエビとメロン、レーズンが次々に異なる食感と甘み、酸味を提供してくれ、複雑な味わいを楽しむます。


◾️料理の連鎖:新鮮な味わいと驚きの一皿

続いて提供された「炙った青背 シェーブルとオリーブ」は、脂の乗った縞鯵を軽く炙ったもの。縞鯵の脂がじゅわっと口の中で広がり、赤いパプリカに和えた古代醤の深い風味が後を追いかけるようにやってきます。また、横に添えられたシェーブルチーズのジェラートが、それぞれ異なる味わいを与え、ひとつの料理が何層にもわたる味覚のハーモニーを作り出しています。透明感のある薄いオリーブと塩のチップはパリッとした食感が加わり、繊細なディテールに感心させられます。

そして、お店のロゴ「a」が焼き入れられた全粒粉のパンがテーブルに運ばれてきました。シンプルながらも香ばしい香りとしっかりとした食感が口の中で広がり、料理との相性も抜群。パンだけでも充分に美味しさが感じられるほどのこだわりが詰まっています。

「倭鴨のテリーナ」では、大和葛城山のふもとで育った合鴨を使ったテリーヌが主役です。肉の濃厚な旨みと食感、そして赤ワインと柿酢を使ったまろやかな酸味のソースが絶妙に合わさり、一口ごとにその深みが増していきます。泡状の金木犀のソースは花のような香りを加え、料理にさらに立体感を与えてくれました。ソースだけでなく、ルッコラと落花生がテリーヌの食感にアクセントを添え、異なる食材が奏でる一体感に驚かされます。

続く「大和橘麺と生イカ」では、太めの素麺に大和橘の果汁が練り込まれており、イカ墨とシソを使ったソースとの相性が抜群。イカの滑らかな食感が絶妙で、素朴なジャガイモと合わせることで、シンプルながらも深い味わいを引き出していました。素麺のほのかな酸味と甘みが、爽やかな食感を演出してくれます。


◾️季節感溢れるメイン料理と感動の味覚

メインディッシュの「大和牛と吉野柿のラビゴット」は、まさにこの日のクライマックスを飾るにふさわしい一品でした。まず目に入るのは、綺麗に盛り付けられた大和牛のロースト。じっくりと低温で調理されたことで、肉の表面は香ばしい焼き色がついており、その中は赤みがかった美しいピンク色。肉をナイフで切ると、スッと抵抗なく滑るように切れていき、肉の柔らかさが視覚からも感じられます。

口に入れた瞬間、大和牛の濃厚で深みのある旨みが一気に広がります。脂は適度に乗っていて、舌の上でとろけるような食感がたまりません。その一方で、脂っこさは全く感じさせず、むしろさっぱりとした印象さえ与えるバランスの良さが光っていました。これは大和牛ならではの品質の高さを感じさせる瞬間です。

そして、吉野柿を使ったラビゴットソースがこの料理を一層引き立てます。甘く熟した吉野柿のフルーティーな甘みが、大和牛の濃厚な味わいに優しいコントラストを加え、全体にふくよかな甘酸っぱさをもたらしています。柿の自然な甘みとラビゴットソースの酸味が、口の中で交差することで、味覚のバランスが絶妙に取れた一品となっています。

また、この料理には秋茄子のペーストが添えられており、ペースト状になった茄子のクリーミーさが大和牛の力強い味わいにさらなる奥行きを与えます。茄子の素朴な甘さと牛肉のリッチな味わいが絡み合い、非常に贅沢な味覚体験を提供してくれます。さらに、卵黄ソースが料理全体を優しく包み込み、素材一つ一つの味わいが絶妙に調和している点も、この一皿の素晴らしさを際立たせています。


◾️四季折々の締めくくり:デザートの物語

デザートは、奈良の歴史を感じさせる「奈良県大和郡山産のいちじく」が炙りで登場し、その甘さが引き立てられています。上に添えられたクリームは滑らかな食感で、まるでシルクのように舌の上で溶けていきます。甘さは控えめで、いちじくの自然な甘みを一層引き立てる絶妙なバランスが取れていました。隣に添えられたジェラートは、しっかりとした果実感が感じられ、口の中にひんやりとした爽快感を残してくれます。クリームの滑らかさとジェラートの冷たさが絶妙なコントラストを作り、デザートの余韻が長く続く素晴らしい一品です。

「小菓子」として提供されたのは、スペインの伝統菓子ポルボロン。これに奈良県産のきな粉がまぶされており、素朴で温かみのある味わいが感じられます。ポルボロンは、手で持つと崩れてしまうほど繊細で、口に入れた瞬間、ホロホロとほどけるような軽やかな食感。舌の上でゆっくり溶けていくと、ふわっと香ばしい香りが鼻腔をくすぐります。
甘さは控えめで、きな粉の豊かな風味が前面に出ており、どこか懐かしさを感じさせる味わいです。口の中で優しく広がるこの軽やかさと穏やかな甘みは、メインの料理やデザートで満足した後の締めくくりとして、非常に心地よいフィニッシュを提供してくれます。

◾️食後の飲み物:奈良の大地からの贈り物

食後のひとときに選んだ飲み物も、地元の風味を感じられる特別なものでした。奈良県月ケ瀬が産地の3種類のお茶の中から、今回は「大和緑を使用した煎茶」と「ほうじ茶の月香」を選択。まず、「大和緑の煎茶」は、爽やかでかすかに甘みを感じる豊かな味わいが印象的でした。奈良の清らかな大地で育ったお茶の葉の香りが、口いっぱいに広がり、食事の余韻をさらに深めてくれます。
続いていただいた「ほうじ茶の月香」は、非常に柔らかく、優しい香りが特徴的。焙煎された茶葉が醸し出す香ばしさが、心を穏やかにし、食事を締めくくるのにぴったりの一杯でした。煎茶のさっぱりとした味わいとは対照的に、ほうじ茶は温かみのある風味が楽しめ、和やかな雰囲気の中で心地よくリラックスできるひとときを過ごすことができました。

◾️結び:アコルドゥで感じる奈良の四季とスペインの風

「アコルドゥ」での食事は、ただの料理を超えた芸術作品のような体験でした。一つひとつの料理には、奈良の自然と文化が感じられ、スペインの伝統と技法が融合していることが印象的。シェフのこだわりが詰まった食材と調理法に感動し、心に残る一日となりました。また訪れたいと強く感じさせられる、特別な時間を過ごすことができました。

2024/10/26 更新

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