4回
2025/09 訪問
川沿いにある、自分を迎えてくれる灯り
2025/09/25 更新
2025/03 訪問
水面に静かに灯る、時を忘れる幸せと感謝（ありがっと）
川沿いの道を歩くたび、つい目を向けてしまう。木枠の窓から漏れるオレンジ色の光が、水面にふわりと映る。何年も通っているのに、変わらない温かさがある。扉を開けると、心地よいざわめきと、ホールスタッフの柔らかな笑顔。席につくと、自然と肩の力が抜けていく。
まずはバーニャカウダ。ここで使われる野菜は、どれも驚くほど味が濃い。ラディッシュのピリッとした辛みの奥にじんわりと甘みが広がり、ズッキーニは噛むほどに瑞々しい。ルッコラのほろ苦さがアンチョビのコクと合わさり、シンプルなのに一口ごとに印象が変わる。最初のひと皿から、食材の力強さを感じる。
ぐつぐつと煮立つオイルの香りが立ち上るアヒージョ。湯気の向こうには、ふっくらとしたわかさぎと、シャクシャクと歯ごたえのいい春筍。にんにくの香ばしさが広がり、パンにオイルをしっかり吸わせて頬張れば、そのコクに白ワインがすっと寄り添う。そこへ、トマトの香りをまとったふんわりスフレ。スプーンを入れると、中からチーズがとろりとあふれ、口の中で優しく溶けていく。アヒージョの濃厚な旨みを楽しんだあとに、このスフレの軽やかさがちょうどいい。今日はスフレを選んで正解だった。
パスタの皿が目の前に置かれると、トマトクリームの鮮やかなオレンジが食欲をそそる。小海老はぷりっと弾け、ズッキーニは噛むほどに甘さが広がる。トマトの酸味とクリームのまろやかさがほどよく溶け合い、ソースがしっかりと絡んだパスタは、ひと口ごとに満足感がある。濃厚なのにくどさがなく、食べ進めるほどに心地よく馴染んでいく。このひと皿が、最後まで飽きさせない。
この日は、最後に甘さがほしくなった。スプーンを入れると、ふわっと軽やかで、口の中で静かに溶けていく。甘さ控えめのジェラートが、料理の余韻をそっと包み込んでくれる。
何度も通っているけれど、頼むものは決まっていない。その日の気分、季節の味、ワインに合わせて、選ぶ楽しさがある。だけど、変わらないものもある。料理の確かさ、居心地の良さ、そして温かいおもてなし。
この店の灯りは、今夜も変わらずここにある。だからまた、扉を開けたくなる。
2025/03/08 更新
2025/02 訪問
「ただいま」と言いたくなる、究極のワインキッチン
初めて訪れた時の衝撃を、今でも鮮明に覚えている。料理の完成度がどうこうなんて、そんな当たり前の次元じゃない。「あぁ、ここは本物だ」と、一口目で確信する店。
海老のアヒージョは、まるで海の宝石。オイルの中で踊る海老はぷりぷりを超えて、噛んだ瞬間にジュワッと旨みが弾ける。ニンニクとオイルの香りがふわっと鼻を抜け、もうこの時点で心を奪われる。そしてパンを浸せば、料理人の哲学まで味わっているような気持ちになる。
そして、チーズリゾット。これほど「シンプルの極み」を感じる一皿はそうそうない。口に運ぶと、お米の一粒一粒がチーズの旨みをまといながら、ゆっくりと溶けていく。この火入れ、この塩加減、この余韻…すべてが完璧。派手な演出はいらない。ここには「本物のイタリアン」がある。
ワインを傾けながら、何度も「帰ってきたな」と思う。最近は予約が困難になり、ふらっと訪れることが難しくなってしまったけれど、それでも絶対に足を運びたい店。
「日本最高峰のイタリアン」なんて陳腐な言葉では足りない。ここは”心のレストラン”だ。
2025/02/21 更新
2024/06 訪問
店長とスタッフの温かさが魅力！最高のイタリアン体験
リガットは、料理だけでなく店長とスタッフの素晴らしさが際立つお店。店長は常連の顔を覚えてくれて、いつも心のこもったサービスを提供してくれます。スタッフも気さくで明るく、リラックスした雰囲気の中で食事が楽しめます。石窯で焼き上げるピッツァや新鮮な野菜のバーニャカウダは絶品で、ワインとのペアリングも毎回新しい発見が。特別な時間を過ごしたいなら、ここが間違いなくおすすめです！いつも、ありがっと。
2024/12/12 更新
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この日は一軒目のあと、まだ飲み足りなくてふらりと立ち寄った。いつ訪れても、どんな自分も受け入れてくれるのがこのRigatto。ただし混雑しているので、一軒目から利用するなら予約は必須。
石窯から立ちのぼる香ばしさに、グラスの泡の涼しさ。生ハムの塩気は少し疲れた舌をやさしく包み、マルゲリータは重すぎず心を満たしてくれる。料理が特別派手なわけではないのに、誠実に作られているからこそ、その日の自分に寄り添ってくれる。
川沿いの静けさと店のあたたかさ。その二つが重なって、どんな夜でも「ここなら大丈夫」と思わせてくれる。まるで当たり前に帰る場所のような安心感がここにはある。