inu_meshikuwaseroさんが投稿したエル・チャテオ 銀座店(東京/銀座)の口コミ詳細

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エル・チャテオ 銀座店銀座、有楽町、銀座一丁目/スペイン料理、バル、ビストロ

1

  • 夜の点数:3.8

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 3.8
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 3.8
      • |CP 3.8
      • |酒・ドリンク 3.8
1回目

2026/01 訪問

  • 夜の点数:3.8

    • [ 料理・味3.8
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気3.8
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク3.8
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

銀座の帰りに、イカ墨を選んで正解だった夜

夕方、銀座で買い物をしていて、そのまま帰るには少し間が惜しく感じられた。特に店を決めていたわけではなく、その場で目に留まった一軒が、ちょうど空いていた。予約なしで入ることになったが、結果として、良いお店に出会うことができた。

この日はカウンター席。満席というほどではなく、隣との距離にもゆとりがあり、落ち着いて過ごせる空気だった。テーブル席はやや詰まって見えたので、ゆっくり食事をするならカウンターの方が合いそうだと感じる。

最初にパエリアを注文し、あとは料理を見ながら追加していった。
パエリアはいくつか種類があったが、この日は久しぶりにイカ墨を楽しみたくて、それにした。

最初の一杯はCAVA。口に含むと泡は細かく、甘さはほとんど残らない。酸がすっと広がって、油や塩の余韻を軽く整える。華やかさよりも、飲み進めても疲れないことが前提にある味で、料理の横に自然に収まる。

スペインオムレツ(トルティージャ・エスパニョーラ)は、フォークを入れると中がやわらかくほどける。卵の甘さのあとに、じゃがいもの食感がゆっくり追いかけてくる。味を足していない分、噛むほどに素材の輪郭がはっきりして、重さが残らない。

トマトを塗ったパン(パン・コン・トマテ)は、パンの表面だけが軽く潤う仕上がり。トマトの酸とオリーブオイルは控えめで、小麦の香りがちゃんと立っている。派手さはないが、食べていて邪魔にならない。

青唐辛子の酢漬け(ギンディージャ)は、噛んだ瞬間に酸が立ち、口の中が一度切り替わる。辛さで押さず、感覚を戻す役割に徹している。

イカのフリット(カルマレス・フリートス)は衣が薄く、噛むと中のイカがきれいに弾く。火が入りすぎていないので、甘みがはっきり出る。レモンを絞ると輪郭が締まり、揚げ物なのに軽い。このあたりでCAVAが空き、白ワインをボトルで追加した。

生ハム(ハモン)は薄切りで、舌に乗せると脂がゆっくりほどける。塩味が前に出ず、肉の旨みが静かに残る。
じゃがいものフライ(パタタス・ブラバス)は、中が均一にやわらかく、外側にソースが絡む。じゃがいもの甘さと、ソースの辛味・酸が噛むごとに入れ替わり、単調にならない。

揚げ物や肉が続いても、油が舌に残り続ける感じはない。どの料理も、味を強くしすぎない判断が共通している。

最後に、最初に頼んでいたイカ墨のパエリア(アロス・ネグロ)。

スプーンを入れると、米は一粒ずつほどけ、噛むと中から魚介の旨みが静かに広がる。まず感じるのは出汁の厚みと米の甘さで、イカ墨の風味が前に出てくることはない。黒い見た目から想像する重さはなく、後味は意外なほど軽い。

イカ墨は、強い旨みを足す素材というより、魚介出汁に含まれる複数のアミノ酸や余韻をまとめ、味の輪郭を太くする役回りに近い。単体で主張しない分、水分量や火の入れ方がそのまま完成度に表れる。水が多ければ米はぼやけ、火が強すぎれば墨の苦味が立つ。そのどちらにも寄らず、墨と出汁が炊き上げの過程で米の内側に収まっている感覚がある。

他店のイカ墨パエリアでは、墨の風味を強調しすぎて途中で単調になったり、後半に重さを感じることも少なくない。その点、この一皿はどこをすくっても印象が変わらない。墨が表面にまとわりついているのではなく、米の中に溶け込んでいるからだろう。鍋底の香ばしさも控えめで、存在を主張しすぎない。

イカ墨を使う理由も、食べていると自然に理解できる。タコ墨のように香りや苦味が立ちやすい素材では、このバランスは保ちにくい。穏やかなイカ墨だからこそ、出汁と米が前に出て、墨はあくまで下支えに回る。その距離感が、最後まで疲れずに食べられる理由になっている。

食べ進めるうちに、墨の存在を意識することはなくなる。ただ米が美味しく、出汁が深く、気づけば皿が軽くなっている。久しぶりにイカ墨を選んで正解だった、という感覚が自然に残る。

パエリアは、米に旨みを吸わせて完成させる料理だ。具材を主役にせず、味を米の中に収める。その作り方が、そのまま「最後まで美味しい」に直結している。

魚介、肉、米が同じテーブルに並び、どれかが前に出すぎない。
スペイン料理が日本人に馴染みやすい理由も、理屈より先に、口の中で分かる。

イタリアンが皿ごとに主役を切り替える料理だとしたら、スペイン料理は同じ食卓の中で、最後まで無理なく食べられる料理。その違いが、この夜にはちょうどよかった。

店員の対応は丁寧で、料理の提供も早い。
予定を決めずに入った店だったが、帰り道には「今日はここでよかったな」と思えていた。

2026/01/14 更新

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