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昼の点数:5.0
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¥3,000~¥3,999 / 1人
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Episode 83 『★河太郎 博多駅店★』:博多の玄関口で踊る、透き通った命。呼子のイカと胡麻サバが教えてくれる、鮮度という名の感動
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2026/02/10 更新
九州・博多の玄関口、博多駅。
新幹線や在来線が行き交うこの巨大なターミナル駅のすぐそば、JRJP博多ビルの中に、食通たちがこぞって吸い込まれていく一角がある。
その名は『河太郎(かわたろう) 博多駅店』。
福岡県・呼子の名物として知られる「イカの活き造り」を、日本で初めて提供したとされる発祥の店だ。
本店のある中洲や呼子まで足を運ばずとも、駅前というアクセスの良さで最高峰の鮮度を味わえる奇跡のような場所である。
店内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは中央に鎮座する巨大な生簀(いけす)だ。
まるで水族館のように澄んだ海水の中を、立派なイカたちが優雅に泳ぎ回っている。
案内されたカウンター席は、まさにその生簀のかぶりつき。
注文が入るたびに、熟練の職人が網を入れ、元気よく泳ぐイカを瞬時にすくい上げる。
その手際は鮮やかという他なく、これから始まる「命をいただく」儀式への期待感を最高潮まで高めてくれる。
迷わず注文したのは、ランチの「いか活造り御膳(2,800円)」。
そして、博多に来たからには外せない「ごまさば」も追加し、昼から博多の海の幸をフルコースで迎撃する。
ほどなくして運ばれてきた大皿を見て、私は息を飲んだ。
氷の上に美しく盛り付けられたイカは、まだ動いている。
色素細胞が明滅し、透き通った身はクリスタルのように輝き、まるで発光しているかのようだ。
これが、本当のイカの色なのか。
普段目にする白いイカとは、生物としての次元が違うことを突きつけられる。
震える手で箸を伸ばし、透き通った一切れを口へと運ぶ。
「……っ!!」
最初の食感は、驚くほどコリコリとしていて硬質だ。
しかし、噛み締めた瞬間に、ねっとりとした濃厚な甘みが爆発的に広がる。
砂糖や調味料の甘さではない、生命そのものが持つ純粋なグリコーゲンの甘み。
レモンを軽く搾ると、皿の上のゲソがうねうねと踊り出す。
その姿に「ごめんね」と心の中で呟きつつも、その新鮮さを舌で享受する背徳感と幸福感。
これぞ、活き造りの醍醐味だ。
合間に挟む「ごまさば」もまた、主役を食わんばかりの存在感を放っている。
関東ではなかなか生で食べられない鯖だが、ここ博多では当たり前のように刺身で提供される。
特製の甘辛い胡麻ダレとたっぷりの薬味に和えられた鯖の身は、脂が乗っていてプリプリだ。
胡麻の香ばしさが鯖の旨味を引き立て、これだけで白飯が枯渇しそうになるほど箸が進む。
刺身を食べ終えると、店員さんが皿を下げ、「後造り」として残ったゲソや耳を天ぷらにしてくれる。
先ほどまで踊っていたゲソが、今度は黄金色の衣をまとって再登場する。
熱々の天ぷらを塩でいただく。
「柔らかい……!」
刺身の時のあの強い弾力はどこへやら、火を通すことで身は驚くほどフワフワになり、甘みはさらに凝縮されている。
サクサクの衣と、ホクホクのイカ。
刺身と天ぷら、一つの命で二つの頂点を味わえる贅沢。
博多駅の喧騒を忘れさせる、静謐かつダイナミックな食体験。
2,800円(当時)という価格は、この感動と満足感を考えれば、あまりにも安すぎる。
博多という街の食のポテンシャル、その底知れぬ深さを、まざまざと見せつけられたランチだった。
文句なしの満点。この透き通った輝きは、今回の旅のハイライトとして、私の記憶に永遠に刻まれることだろう。