ミニミニ大作戦さんのマイ★ベストレストラン 2016

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ミニミニ大作戦の庶民的食文化に関する調査報告書

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

今年のマイ★ベストレストランの選定基準は「インパクト!!」単純なスコアでのベストじゃありません。で一応、自己評価味☆3.5以上のお店辺りを対象に、後は右脳が赴くままに選定した次第です。

【第10位】山口 カリフォルニアの「チキンサンド」
米軍基地の街、岩国ならではのアメリカンなお店。でも味の方はアメリカ的鷹揚さとは無縁の高品質日本流儀。これ喰って「旨い!!」と言わぬ海兵隊員はいないんじゃないか?

【第9位】広島 みやさんの「ホルモン天ぷら」
ここら辺りではちょっと他には類を見ぬホルモン天ぷら食堂。焼くんじゃなくて天ぷらなところもミソだが、自分で包丁カットしつつ白飯とガツガツ喰える食堂となればもう唯一無二?

【第8位】秋田 鈴為餅店の「ミルク焼」
東北独り旅の中で仕入れたド田舎銘菓。未だ私のような県外一見客に荒されてない、地元民のみぞ知るいにしえ銘菓。単なる饅頭なのだが、喰ってるうちに名の如くミルクな風味がしてくるから不思議。

【第7位】岩手 福田パンの「コッペサンド」
何でただのコッペパンがそんなに人気なの?と訝りつつ自分の舌で確かめに行った。そしたら訳が直ぐに分かった。ただのコッペサンドも、真面目に作り込むとこうなるのか。チープな極上に群がる客々々。

【第6位】東京 ラーメンヤスオの「ヤスじろう」
前評判を知りつつも、実際喰って見て参りましたの1例。これ、ラーメンちゃうやろ!!すいとんやろ!!と脳裏で10回は叫びつつ噛み砕いたスーパー麺。余りにあんまりなんだが、実はまた喰いたいと思ってたり。

【第5位】青森 くめちゃんの「大ラーメン」
今年6月の東北二郎修行で出会った丼。桜海老が山となる豚ラーメンは、東京じゃお目にかかれぬみちのく旅情満点。旅してなきゃ出会えなかったと思うと、思いもひとしお。東北二郎系も頑張ってる!!

【第4位】東京 アメリカンの「ツナサンド」
銀座のど真ん中で暴発するアルトラパワー。食パン1斤使ったサンドイッチとは何かの冗談か!?それが500円ワンコインとはこれまたビックリ、インパクトの2乗!!

【第3位】青森 シュトラウスの「オーストリア菓子」
まさか旅先の青森で、マイ・フェイバリットなウィーン名誉市民パティシエのお弟子さんに出会うとは!!マジで驚いた1軒。これまで喰った国内オーストリア菓子ではトップクラスの本物度かと。

【第2位】千葉 ちばからの「らーめん」
遥か房総のとんでもない所まで行った甲斐のある逸丼。これほど作り手の意思がひしひし伝わって来る丼も珍しいなと思った。触発二郎なんて言葉で一括りにできぬ魅力あり!!

【第1位】福井 レストランふくしんの「カツ丼」
余裕のぶっちぎり。単純明快なレシピ、反駁しようのない完璧な仕上がりは、100%自分のツボに嵌った逸丼。カツのチープさ、ソースの滲みや白飯の炊き具合、トドメの器の素晴らしさ。こうして書いてるだけでヨダレもののパブロフ犬。本当に福井市民が羨ましいと思ってる。

マイ★ベストレストラン

1位

レストラン ふくしん (まつもと町屋、森田 / かつ丼、とんかつ、洋食)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2016/02訪問 2017/11/16

禁断のトンカツ行脚 第三十七回 -久々のドハマリ、これを常食できる福井市民が羨ましい-

さて、いよいよ今回の食べログ北陸ツアーのハイライト。これを喰って不味かろう訳がないと、固く信じて疑わぬソースカツ丼である。そもそも、何でカツ丼のトンカツは玉子とじなんだ!?玉子なんて要らんのちゃうん!?そんな玉子とじ不要派の私にとって、福井ソースカツ丼こそ理想のカツ丼なんである。

2016年2月13日

実は、普段寝食してる山口県にも、ソースカツ丼なるメニューは少数ながら、ある。だけどもほぼ例外なくトンカツと白飯の間に千切りキャベツが敷かれたフォーマット。もちろん玉子とじカツ丼よりは遥かに魅力的なのだが、ここまで来るならキャベツをどかして欲しいのだ。白飯、トンカツ、ウスターソース、この究極シンプルな三位一体こそ、茶道にも通じる日本が誇る侘びの世界観なんだってば!!←アホか・・・

【カツ丼(大)】1100円
口開け30分前の早着。仕方なく駐車場で待ってると、待たせて気の毒だからと10分早く開けて下さった。流石の福井。東京じゃまず有り得んでしょ?しかも、オーダーして僅か3分程で着丼。もちろん揚げたてだから、完全に見越しオーダーで口開け前から揚げ始めてた事になる。流石のふくしん。ふくよかな丸みと、ビシッと背筋の通った藍の染付け丼は、カツ丼の器としてこれ以上ない素晴らしい佇まい。抹茶に楽茶碗なら、カツ丼にはこの丼で決まりなのだ。

その完璧な丼の蓋が弾け飛びそうに持ち上がり、はみ出してると言うには余りに豪快なトンカツの束には、もうよだれが止まらぬ。一枚一枚は、オーストリアの名物料理であるシュニッツェルの如きペラカツ。薄い豚モモスライスに細かいパン粉で硬く締まった極薄衣が貼り付く。そんな脂っぽさ皆無のトンカツが5枚も、1合程の少しベタめのご飯に無理矢理積層されるアピアランスは食欲中枢刺激度200%。

そこにとどめとばかり、相当甘めのウスターソースが絶妙な量掛けられている。ペラカツへの滲み具合、白飯への染み具合共に、多過ぎず少な過ぎずで完璧である。この境地的B丼を旨くないと言える訳がなかろう。蓋をアップサイドダウンしたら、先ずはペラカツを蓋に預ける。そんでソース飯をガツガツ。もうそれだけでも十分旨いんですわ。いや、もちろんペラカツ不要って訳じゃないのだが。

肝心のペラカツは、トンカツとして斬るのはちょっとかわいそう。そりゃあ純粋にトンカツとして評するなら、はっきり申し上げて全然大したことはない。だがそれで良いのだ。これが普通のカツ丼ならば「トンカツに拘りました、こんなに厚いでしょ?」となる所だろうが、こいつは全く世界が違う。あくまでソース飯とセットで最大価値を発揮し得るからこそ、こんなペラカツでも潔い美しさが、そこにある。

【まとめ】
それにしても、かほどに期待を裏切らぬとは天晴れなり、福井ソースカツ丼。もうこれ以上先はないってところまで、贅肉を削ぎ落としてシェイプアップした料理の、旨さと迫力とカッコ良さに満ち満ちている。これが常食できる福井市民は本当に羨ましいのだ。久々にひれ伏します。参りましたm(- -)m

  • カツ丼(大)
  • 食欲刺激MAX
  • ウスターライスだけで喰える旨さ

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2位

ちばから 市原本店 (上総村上 / ラーメン、つけ麺、油そば・まぜそば)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ~¥999 -

2016/02訪問 2017/02/18

ジロリアンへの道 第百六十九回 -なるほどこりゃ旨い!!の極上秀才ズル二郎-

は~。溜息が出るくらい、今回の物件は非在京ジロリアンにとってハードルが高い。食べログスコアを一見すれば、旨いってことはバカでもわかる。のだが、ロケーションが尋常ならざる場所。しかも臨休がそこそこあるし、開店中は始終並びとの噂。全100回の「ジロリアンへの道」大作戦の時から、トップクラスの課題店にも関わらず、アタックの機会にはとうとう恵まれなかった。

2016年2月26日

それが今夜、遂に実現する。都心から電話もかけて営業中なのも確認済。しかしである、内房線五井駅から時代倒錯的な動態保存シーラカンス車輛であるキハ200型気動車に乗り込んで、ド真っ暗な上総村上駅で下車した途端、冗談じゃ無く涙が湧きそうになった。「俺、こんなとこで何やってんだ!?」その駅は、どこからどう見ても都心から1時間強エリアとは思えぬ凄まじさ。だって電車をおりた乗客は、近道したくて線路の上を歩いて帰途についてるんだもの。「何じゃここは~!!」

気を取り直して暗い夜道をトボトボ20数分。クルマが行き交う街区に入り込んでようやくの店着。が、金曜日20:00だってのに、何と外並びが20数人。マジか。ド田舎も何のその、洒落にもならぬ人気の程である。2月末にしてはとびきりの寒空の下、延々待つこと1時間でようやく着丼。喰ったら都心に戻らにゃならんってのに、こんな房総半島のド真ん中で、時計は既に21:00を指している。は~。

【らーめん(麺大盛、野菜、にんにく、ねぎ)】840+70=910円
野菜はマシコールしても全然常識量。モヤ:キャベ=7:3に、ネギパラリの気が利くトッピング。多けりゃいいだろ!!的な、開き直り粉飾野菜山を拒否するのは、正に店主殿の見識であろう。肝心の豚は、もはやスライスとは言えぬ塊が1個のみの潔さ。脂の比率 、炊き具合、塩気のバランスも完璧。何より臭みの無い、純粋な豚肉の味わいは完全に神豚領域である。更に。極平打ちの麺も冷静かつ大胆に個性全開。このズルベチャの食感は、麺伸びなどとケチを付ける余地の無い、完全に狙い澄ましたオリジナリティ。風味たるや、完全に二郎の対局にあるもので、上品ながらキッチリ芯の通った自信満々の出来栄えに映る。大盛コールで茹で前400g程と思われる麺量も、これだけキッチリしてると全く多さを感じさせずにズルズル喉を抜け落ちる。豚汁はポタ系の強度乳化性状で、その円やか感を押し退ける様にカエシのしょっぱさがズンと重く舌にアタックしてくる。この緊迫感は完汁せずにはおれぬ説得力。全ての部材がガッチリ主張しつつ噛み合った、隙なしの仕上がりは実に素晴らしい。

【まとめ】
盛りを除けば完全に二郎とは別物。丼中にある総ての部材に、店長殿のやりたい事が凝縮された逸丼。店主殿や助手殿の凛とした立ち居振舞いもひたすら気持ち良い。こいつは数多ある二郎系の中でも、インテリジェンスすら感じてしまう二郎系孤高の存在。こりゃ並ぶでしょうよ。いや、久しぶりに参りました。リピしたい、でもできない。ううっ・・・(悲)

  • らーめん(麺大盛、野菜、にんにく、ねぎ)
  • 盛りのボリュームは二郎だが、佇まいは全く別物の華麗さ
  • ラーメンの具材と言うより煮込み豚として一級品

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3位

シュトラウス (青森 / ケーキ、カフェ)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2016/06訪問 2016/06/18

帰ってきたいけめんスイーツ大作戦 -目を閉じればここはウィーン!?ウェ~ン青森!!-

みちのく一人二郎旅。昨夜のエビちゃん二郎系の爆食感が未だ少し残るのだが、今日はどうしてもイートインすべきケーキ屋さんがある。何たって、まさか青森にと言うほかない、オーストリア国家公認、菓子マイスターのお店があるから。このオーストリア菓子マイスター、認証を得るには彼の地で数年以上の実務経験を経た上で、検定試験に合格せねばならぬ。つまり、移住してでもオーストリア菓子を焼きたい!!と、心底オーストリア菓子に身を捧げる覚悟があり、かつ腕も確かじゃないと、まず取れない称号なんである。

2016年6月8日

えらく本格的にウィーンしてるお店だな。しかしまた何で青森に?と、余りの意外さでしばしお店の前に立ち尽くす。で、二階のカフェに上がってこれまたびっくり。どこからどう見てもウィーンカフェ的な設え。まるでテレポーテーション。で、メニューを開き見開きに目を落として今度こそブッたまげた。そこには、私が最も愛するオーストリア菓子店、ウィーン・オーバーラーのオーナーであるカール・シューマッハー氏と、このお店のマイスター三浦氏が共写りされてるいにしえ写真。げげげげのげっ!!三浦マイスター、何と私が信奉するシューマッハー氏のお弟子さんだったとは!!どうりでこのマジ感。実はシューマッハー氏を知り、ウィーンまでケーキを喰いに行ったきっかけになった、山口ティーゲベックのオーナー殿も氏のお弟子さん。シューマッハー氏は70年代一時期日本におられたらしく、そう言う意味では日本でのオーストリア菓子の普及にも功績がおありになったのだと思っている。

【アップフェルシュトゥルーデル(生クリーム添え)】450円
先ずは超定番のオーストリア菓子。これまで何度も書いてきたが、これジャパニーズ・アップルパイとはちと違う。焼き林檎を主体とするフィリングのパイ生地春巻き。シュトゥルーデルとは「包み焼き」ほどの意味。リンゴを巻くからアップフェル。つまり彼の地には、中身のバリエーションで色んなシュトゥルーデルがある。でこいつ、見た目は師匠の逸品とほぼ瓜二つ。喰ってみても明らかに師匠の系譜の味わいである。一言でいうならば、スパイス控えめで繊細な味輪郭。正に日本人の舌にフィットする仕上がりで、他とは明らかに異なるシューマッハ一ファミリーの味わいである。対してウィーン有名カフェのそれらは、もっと大味で鷹揚な味わい。但したまたまなんだろうが、今日のは少し酸化油脂臭が鼻をかすめて唯一の残念ポイント。それさえなけりゃ味☆満点でもいい。山口テーゲベックの逸品と言い、師弟の味はかほど似るものだと、当たり前ながらも甚く関心する。味☆4.5

【カルディナール シュニッテン】380円
こいつも定番にして、マイ・モスト・フェイバリットなオーストリア菓子。その名の謂れにご興味があれば、過去レビューを参照されたし。このメニュー、実は日本ではかなりレアである。どうも今一インパクトに欠ける見た目と味のせいで不人気のようである。私にはこの色彩感、幾何学的構成と、上物でこそ味わえる絶妙の素材感が素晴らしいと思うんだが。で、こいつも見た目の質感は師匠の逸品と瓜二つ。この風情にちょっと興奮を抑えきれずにパクリ。ん~・・・食感バッチリ。だがメレンゲパートのシトラス系香料が少し勝ち過ぎか。スポンジパートも、師匠の逸品のスフレーの様な繊細さに比べると、スポンジを通り越してほぼカステラな食感。流石に師匠の逸品が二枚は上手だな、とニヤリとした次第。それでも弁護するなら、これまで喰った和製カルディナール・シュニッテンの中では断トツの出来栄え。この高難易度オーストリア菓子を提供されるだけで偉い。流石マイスター。味☆3.5

【シュバルツァー カフェ(グロース)】450円
シュバルツァーとは黒色のって意味。つまり、オーストリア流のブラック珈琲。メニュー名も完璧オーストリア。無論、アインシュペナーとかメランジェとか一通りのオーストリア珈琲ラインナップが揃う。流石に本場のコクと言うか分厚い淹れに比べると軽快だが、本場のシュバルツァー似のクリアな苦さ。味☆3.5

【まとめ】
何でこのお店が津軽半島の付け根にあるのよ~(涙)西国人にとっちゃおいそれと来ることも出来ない。と言いたくなるほどに本格的。師匠シューマッハ氏の味に相当な相似性を持つ、国内屈指のオーストリア菓子達であることは間違いないのだ。今やウィーン名誉市民になられたシューマッハー氏の、若かりしいにしえの教え子達が、きっと世界中に散開して今やベテランの域で頑張っておられるはず。ウィーン~山口~青森、一本のDNAで繋がった味を体現できて、実はかなり幸せだなと思ってる。

  • アップフェルシュトゥルーデル(生クリーム添え)
  • 生林檎から焼かれたフィリングも完璧
  • 生クリも完全現地レベル

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4位

アメリカン (東銀座、築地、新富町 / 喫茶店、サンドイッチ、洋食)

2回

  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2017/04訪問 2017/05/17

また来てしまった、国内最強サンドイッチ(たぶん)

また来てしまった。で、何時も食べ終わる頃は、もう食パンは見たくもない心持ち。が、また行きたくなるってのは、実に二郎とクリソツな衝動なんである。もっとも二郎に関してはもはや日常食と化してるので、駆け出しジロリアンの頃の様な緊張感はもはや、無い。だからして、ここの国内最強サンドイッチ(たぶん)は、ちょっとしたチャレンジャー気分が味わえる、今マイ・ホットな一品なんである。しかし、パン1斤のサンドイッチとは大それた事を・・・

【サンドイッチセット(ハムポテト)】1200円
今日はランチタイムなので、単品オーダーじゃなくてセット扱いとなる。お代の1200円也を分解するなら、サンド500円、コーヒー500円、コーンスープ100円、サラダ100円で占めて1200円、的なコスト構成だろう。残念なのは、セットのコーヒーが単品オーダーに比べてうんとボリュームダウンすること。いや、何もコスパに拘ってる訳じゃなくて、水気の少ない食パンって食材を1斤も喉越しさせるには、流し込むメディアが必要なだけである。仕方ないからコーンスープでフォローすることに。でも、コーンスープじゃあんまり爽快じゃないのだ。

今回の具材はハムポテト。相変わらず強引に分断された食パン塊に、これでもかと強引にポテサラとハム束が押し込められている。この強烈なヴィジュアルは、世間に喰い物や数多しと言えども、恐らくこのお店の専売特許。常人なら初見でほぼ笑うに違いなし。保証する。で最近気づいたのだが、ほぼ全てのお客は、半斤分喰ったら残りはパックにいれて持ち帰ってるじゃないの。お店の方に「チャレンジメニューを全部綺麗に食べて頂いてありがとうございます」って言われる意味がようやく実感できた次第。確かに、ヘタレ大喰いの私にとっては、プチチャレンジではある。少なくとも二郎のブタ入りヤサイマシマシを完食すうよりは根性がいるもの。それは質量と言うよりバサる食パンの喉越しに依るのだが。オイオイ、何てレビューなんだ!?

【まとめ】
ザギンでこのコスパは唯一無二の敵なし存在。味は?ぶっちゃけ至極普通という事で。てか、部材の出来栄え云々を脳細胞が感じ取る以前の話として、そのパン・パン・パンな塊感に挑みかかって高みを目指す。それは何だか山登りな、あるいはマラソンな魅力なんである。確かにちょっとしたチャレンジメニュー。しかも銀座で。そんな不思議さが魅力の名店。
銀座の裏通りの爆大サンドイッチ。もうその成り立ちだけで掴みは十分だが、これがどうして昨日今日の受け狙いなお店じゃないのである。爆大サンドイッチ一筋の筋金入りのデカ盛り老舗。普段は極太麺一筋のジロリアンな私は、果たして同じ小麦とは言え、二郎なパンをちゃんと成敗できるだろうかしらん。

2016年10月19日

平日7:55店着。店前には、未だに多量の食パンを搬入中のヴァンが停まってる。が、8:00きっかりにはきっちり口開けで、3人目で入店。先客お二方は大人しくモーニングをオーダーされたようだが、私はただでは済ましちゃアカン。「サンドイッチできますか?」と一応聞いてから、直感でツナサンドをオーダー。本日の爆大サンド初オーダーの栄冠に与った次第。

【ツナサンド】500円
オーダーして2分足らずで着皿。食パンはもちろんトーストされてないがほんわか暖かい。恐らく未明に焼き上げられた余熱と思われ、思わぬところで早起き三文の徳。ここで爆大サンドにかじり付きたいならば、意外と口開けがお薦めかも知れん。ま、朝の8時から喰える気力のある御仁限定ではあるが。使われる食パンは1斤。いや厳密には、両サイドがカットされるので0.8斤と言うところ。だが、今朝はご気分次第のポテサラ乗せの耳が1枚付いてきたから、結果として0.9斤。まあ常識ではあり得ぬアルトラ量である。0.4斤分の食パンを2つに断ち切って(注:スライスじゃない、ぶったぎる。おおよそサンドイッチとしての諸法は無視!!)、そこに優にツナ缶1缶分のツナが殆ど解されずにマヨ和えされて強引に挟まれる。そいつが2個!!おまけにオマケのポテサラ食パン。潔いことこの上なしのこの無謀さ。私的にはこれぞ一目惚れの妖力に満ち満ちたお姿。決してこりゃ旨い!!と唸るサンドイッチじゃない。ゴメンけど。でも、そんな事は当の店主殿も重々ご承知のはず。こいつの魅力は正に食の格闘技、ドパミンどば~な所であって、それはラーメン二郎に相通じるエンタメ性である。遠慮せず腹一杯喰える幸せ。得られる満腹感は、例えが余りに偏ってるけれど、ほぼ小二郎全マシを喰ったそれである。よーいドンでスタート、先ずはツナサンド1個を片付けて、味変でオマケのポテサラ耳食、最後に残りのツナサンド(残りと言うには余りにデカいが・・・)を喰い切ったら、時計は20分進んでいた。こりゃ二郎喰うより時間が掛かるなぁ・・・

【ブレンドコーヒー】500円
とにかくカップがバカでかいので、注がれる珈琲も優に標準の2倍はある。淹れ具合はちょっと苦味が立つアメリカンプラスアルファの濃さ。しかし何でこんなに多いのか?は、サンドイッチを喰い始めたら直ぐに分かった。そもそも食パンは水分が少なめ。そいつを1斤に、プラス膨大な具材を往なそうとすれば、どうしてもそれなりの水分が必要なのであって、なるほどこの量は必然である。

【まとめ】
ま、誰が見てもネタモノなサンドイッチ。そもそも食パン1斤にかぶり付くってのは余りに非日常的行動である。にも拘らず、ネタモノだけじゃない魅力がある、何とも不思議なサンドイッチである。なるほど30余年続いて来たのには、ちゃんと理由があるのだと思った次第。何よりこいつを、ワンコインで提供されるのは素晴らしい。きっと、いや絶対また来るんだろうなぁ・・・と店を出た直後に呟く朝8:30。あ~朝一から腹一杯。

  • サンドイッチセット(ハムポテト)
  • オーバーじゃなくて鷲掴み塊サンド
  • (説明なし)

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5位

くめちゃん (青森 / ラーメン)

1回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2016/06訪問 2017/02/18

ジロリアンへの道 第百七十八回 -みちのく一人二郎旅、第二回戦-

東北二郎ツアー二日目。午前中に盛岡を出発、IGRいわて銀河鉄道と青の森鉄道を乗り継ぐ各駅停車の半日旅。途中八戸でウロウロしてたら、青森着は夕方となってしまった。しかし驚くのは外国人の多さ。ここ何処?ってくらいに多い。折しも今日は、あのイギリスの豪華客船、プリンセスダイヤモンドが青森港に寄港中で、大半はその乗客。そこに紛れて三沢基地からオフで遊びに来てるメリケン軍人さんがチラホラ。なんとも国際的な青森市の意外な一面。

2016年6月7日

青森県の触発二郎は僅か数件を確認するのみだが、本州最北端の自治体にしては多いと思う。だって本州最西端の山口県は実質ゼロ軒なんだから。やはり二郎は東進、北上する増殖パタンがあるようだ。で、今夜の舞台は、県庁所在地青森市ではほぼ唯一の本格触発二郎のお店。裏通りにひっそり開く、黄色いテントの小さいお店は枯れた佇まいで、中々雰囲気が宜しい。

【大ラーメン(ニンニク、野菜チョイ増し、小えび)】850+100=950円
野菜は浅茹でのバリバリ系のほぼモヤ。チョイ増しでも400g大幅オーバーの硬派なブーストが掛かる。ここは多分、野菜マシでも結構危険、マシマシは自殺行為かも。トッピングに選んだ小エビが秀逸。この干しえびとモヤシを混ぜ喰いすると今まで喰ったことのない新鮮な食感と旨み。こりゃあ気に入った。豚も二郎的にはほぼ満点。デフォで超厚切りのウデ2枚と量的にも十分だし、しょっぱさジャストの炊き具合も実に良い。もちろん神豚じゃないのだが、硬過ぎず柔過ぎずの歯応えが狙いすました様で、二郎系の豚としてこれで全く不満なし。麺は五所川原市の外崎製麺製の外注麺。平打ちデロリアンで、カエシの馴染も喉越しも申し分なし。残念ながら麺自体の風味に乏しく、もう一押し個性があれば言うことなしなんだが、ここから先は自家製麺に切り替えた上での研究領域だろう。豚汁は豚骨、拳骨、豚足混合出汁がベースなのだが(偶然にも原材料搬入を目撃してしまったからほぼ確実)、そんな原材料から想像するよりもずっとクリアな醤二郎に、微粒子化した細かい背脂がみっちり分散する。微粒子背脂に起因する粘度感に惑わされるが、ベースは乳化とは程遠いクリアさ。カキンとしょっぱい切れ味も、かなり本物二郎度が高い。

【まとめ】
昨日の盛岡触発二郎に続いての中々鋭い一杯。トッピング、豚、麺、豚汁のどれもが水準オーバーの出来で、がっちりタッグを組んだ形だから、不味かろう訳がない。これで麺にもうひと押しあれば、全国区でもトップクラスの触発二郎仲間入りなんだが。ちょっと東北二郎系の実力をナメてたかも知れぬ。思い返せば、福島、仙台と、東北の本物二郎もかなりハイレベルだったし。もしや北国触発二郎は粒揃いか?こりゃあ明日の秋田二郎も楽しみになって来た。

  • 大ラーメン(ニンニク、野菜チョイ増し、小えび)
  • 個性満点の盛り姿
  • 小えびだけでも結構な量

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6位

ラーメン ヤスオ (南新宿、代々木、新宿 / ラーメン、つけ麺)

1回

  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2016/01訪問 2017/02/18

ジロリアンへの道 第百六十四回 -必爆!!水とん二郎、コイツは相当な異端二郎-

現在、二郎を含む二郎系を喰い歩き始めて通算164件目。これくらい回ってると、こりゃ何じゃ!?って言う丼に何件か出くわす。それは半分ジョーダンの様なトッピングだったり、単に旨く無かったりと色々なのだが、そんな中でもこと麺に関してブッ飛んでいるのは何時までも記憶に残る。今回の一杯は、恐らくそんな記憶に残り続けるだろう、強烈な麺個性の持ち主であった。

2016年1月20日

元はスズキヤスオなる、店主殿の名前をそのまま頂いたらしい屋号。紆余曲折?の後に、現在の代々木界隈で再起された由。その筋では(どの筋?)つとに話題のラー店の様で、お店に向かう道中から何気にラヲタな予感がヒシヒシと。最近少しは鼻が利く様になって来たのかしら。平日11:00の口開10分前店着で、並びは3人。ちょっとカルトな雰囲気を発散する小箱を前に、一体これから何を喰わして下さるのやら、ちょっとワクワクして来たぞ。

【ヤスじろう(麺量300g、ショウガ)】850円
また何ともとぼけた丼名だこと!!トッピングはニンニクかショウガを選択可能。今回は仕事中なのでショウガコール。野菜はマシコール不可なのに加え、その量は200g強と言ったAカップ盛りだからちょっと寂しい。茹では浅めでシャキシャキなのは良いのだが、ちょっとばかり青臭い。豚は大判とは言え、二郎系にしては薄々のスライスが1枚のみだからかなり寂しい。味はちょっと変わってて、カエシ滲み滲みのかなりなショッパーズ豚。これだけ濃い味だと、なるほど量は喰えぬだろう。豚を節約できるナイスな方法かも。で、ともかくこの一杯は、このメチャクチャ麺の個性がほぼ全てとなる。ご店主自らが、幼い頃父親に作ってもらった水とんにインスパイアされたと仰るくらいで、だからそもそもラーメンの麺を目指してる訳じゃないのだ。日清オーションと灌水以外の添加物無しのシンプル配合にして、品川麺機の製麺機で打たれる自家製麺は、正に水とんインスパイアのビラビラ麺。いや、私の知る水とんよりも更にハードな食感じゃなかろうか。とにかくこりゃあ麺じゃ無く強力粉の紐だ。余りの剛麺さ故、もはや手繰ると言う概念は通用せぬブッチギリの振り切れ方。剛麺で良く知られるところの、蓮爾の麺でさえも、ちょっとズル麺に感じてしまうほどである。そんな麺だから、汁はねに気を遣いながら咥えては、噛む噛む、モグモグ。茹で前300gの麺量も、これだけ噛めば流石に満腹感あり。組合される豚汁もかなりシブい。豚骨系出汁とカツオ系うどん出汁をカフェラテ比率で合わせた様な、独自のうどん風情が漂う豚汁。前出のショウガトッピングも効いてて、極めてあっさりしたライト系の喉越しだから完杯は必定である。

【まとめ】
コイツは数多ある触発二郎の中でも、一二を争う異端児である。と言うか、この小麦の紐状物はもはや麺じゃない。なので本当は、ラーメンとしては味☆3.0以下としても良いのだろう。だがどうしても、味☆3.5以下に出来ぬ。どっかでまた喰いたいと思ってる自分が分かるからだ。怖いもの見たさと言うか何と言うか、やはりこれぐらい強烈な個性をブチかまされると、ヘナヘナと擦り寄ってしまうのが私の特性。でもやっぱり、これラーメンか!?

  • ヤスじろう(麺量300g、ショウガ)
  • ショウガがバッチリ合う
  • 煮〆た様なしょっぱ豚

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7位

福田パン 長田町本店 (上盛岡、盛岡 / パン、サンドイッチ)

1回

  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2016/06訪問 2016/06/16

いにしえスイーツ大作戦 第三十回 -盛岡じゃ一目置かれてる感のコッペサンド店-

先週のみちのく一人二郎旅。5日間毎日二郎系を喰いながら、その日のうちにアップするという自虐的自分縛り。だが、何も5日間二郎系だけを喰い歩いてた訳じゃなくて、きっちり甘モノも調査済み。今回からはの5報は、そんな東北ツアーで出会った甘モノを訪問県順に報告したい。今回は岩手県盛岡市の有名パン屋さん。

2016年6月7日

岩手食べログのパン・スイーツ・カテゴリーで堂々トップのお店。県下2店ありこちらが本店となる。八戸行きIGRいわて岩手銀河鉄道に乗り込む前の、午前9時過ぎに店着。盛岡市中心部に近いとは言え、決して繁華街とは言えぬロケーションながら、朝早い時間からひっきりなしに駐車場に車が出入りする。なる程の相当な人気店ぶりじゃないか。その理由の一つは、定番コッペパンに挟む餡バリエーションの多さにもあるようだ。

【あんバター】159円
カウンターの向こうには、まるでBR31の様に並ぶ、種々の餡が入った容器。うっかりすると悩みに悩んで爆買いするのが落ち。今夜の二郎系に備え、なるべくカロリーセーブしたい他所者一見客としては、あまり深くは考えず、やはり一番人気の鉄板メニューを選ぶのが定石だろう。基本はオーダーメイドなのだが、流石に人気No.1メニューだから作り置きしてあるようで、待つことなくすぐさま会計となった。しかし、手作りにしてこのサイズのコッペサンドが159円と言うのはコスパ十分、薄利多売のお店の良心か。袋を剥いて手にしてみると、何の色気もないデカコッペ風情。早速コッペを開いてみれば、片方の断面にこし餡、もう片方にバターがサクッと塗ってあって、何とも素っ気ないコッペの開き。このコッペ、表面はしっかりと焼きが入ってて、極薄皮にも関わらずちょっとしたパリパリ質感。で、ガブリ喰い付いてみれば、中は意外なほどフガフガ食感である。このドライでライトでフガッた食感が、ここのコッペのキャラなのだろう。こし餡とバターのコンビネーションは今更言うに及ばずの定番味。別の言い方なら、このこし餡とバターは他所とは一味違う、などとはどうしても書けぬ、あくまでも普通な出来栄え。あるいは期待を裏切らぬと言うのが適当か。とにかく、幾らフガッていようがこのガタイである。結構な喰い応えで、一個で十分朝飯に足る。

【まとめ】
何処とないレトロ感と、分かり易いシンプルさに加えてそこそこのコスパ。確かに期待を裏切らないけど、かと言って何も驚く程じゃない。で、不思議なのは、これってやろうと思えばそこいらの他のパン屋さんだって出来るはずなのだ。そういう意味では、ごくありふれたコッペサンドのはずなのに、恐らく市内には実質的な競合はなく福田パンの独断場。この絶妙な立ち位置を守り続けているコッペサンド群は、だからして盛岡の名物に違いないのだ。

  • あんバター
  • あんバターの開き
  • 表面は極薄パリパリ

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8位

鈴為餅店 (秋田 / たい焼き・大判焼き、スイーツ)

1回

  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2016/06訪問 2016/06/22

いにしえスイーツ大作戦 第三十一回 -ミルク焼とは言うけれど乳は香らぬ不思議焼き-

みちのく一人二郎旅も今日で三日目。夜は二郎系、朝は甘モノの、昼は抜き。このペースが調子に乗って来たところ。さて、今朝のターゲットは、秋田市内でもかなりシブ目の焼き饅頭。屋号と言い、看板商品の呼称と言い、ヒネクレ者の私の琴線に触れまくり。

2016年6月9日

口開けは10:00。秋田発、新庄行きの鈍行列車の発車時刻は10:22。駅までは1kmだから余裕時間はほぼ皆無。でもこの便を逃せば、何と12:13まで秋田で待ちぼうけしなきゃならんのだ。アンビリーバブルみちのく旅。なので気が急くもんだから9:30からお店の前で立ちん坊。女将さんはしゃないなぁってな感じで店内で座して待つように私に促す。で、ここからが凄かった。9:45頃コンロに火入れ。冷蔵庫から山盛り餡の入ったボウルを取り出しつつ、直ぐに粉の軽量。悠然と生地の混合を終えられて9:55。そのうち余熱の入った焼き型がカチャカチャと返されて。マジで10:00丁度、GPS時計的な精確度で焼き上がった。別に電車の時刻など一切告げてはいないのだが、10:00開店と言えば10:00に焼き上げるプロ根性はどうだ!!

【ミルク焼】120円
焼き場を一見して思わず手を打った。何と手間と腕力を要する一丁焼きじゃないの。女手一つで一丁焼きとは拘り以外の何者でもなくて、いにしえスイーツと称して憚られる事はなかろう。ま、当の女将さんはそんな大層な積りは全くないのだろうが。正に焼きたてのミルク焼五個は、生地が貼り付いて破れぬように竹の皮を介して、助手殿の手でコンパクトに包装された。前述の如く、10:00きっかりに支払うと、速攻で秋田駅に駆け戻る。ジャスト・イン・タイムで予定の鈍行に乗り込んだら早速包みオープン。未だ焼き上がって20分足らずのミルク焼は、ホカホカと言うより熱い。生地は極薄にして真っ白で、焼き立てが故に表面はカサカサだけど、歯を立てて微妙に粘る生地の伸び様が回転焼や鯛焼とはちょいと違う個性。つぶ餡は小豆がしっかり残ってて、甘味だけでなく塩味も強めでこってりした仕上がりである。この餡の強さが、無味の白い薄皮と対比されて、グッと全体の存在感が増す。因みに、皮が白いからミルク焼と呼ばれるだけの様で、実際は乳成分は一切含まないらしい。のだけれども、ガタゴト揺れる車中で二個、三個とかじり重ねるうちに、何気にミルキーな感覚が漂って来るのは気のせいか?そんな辺りが、何とも気になる素朴な愛らしさなんである。

【まとめ】
大方の一見客には、ちょいととっつき難い女将に映るやも知れぬ。決してあれこれと話しかけて、リアクションが返って来るのを期待しちゃいけない。この空気感を肌で察知すべし。で、黙って一挙手一投足を眺めていると、なるほど永きに渡りお店を守って来られた気概がひしひしと伝わって来る。きっと職人はこれで良いのだ。愛想をダダ漏れ的に振る舞うよりも、ひたすら焼き師に徹すれば良いのだ。そんなこんなもひっくるめて、地味だけどもこれは間違いなく秋田市のご当地銘品である。

  • ミルク焼
  • 薄めの回転焼き
  • 皮は無味で極薄

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9位

みやさん (観音町、福島町、西観音町 / ホルモン)

1回

  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2016/07訪問 2016/08/10

これで四度目、またまたのホルモン食文化の一例

ホルモン≒放るもん。関西発音だとほるもん=捨てるもの。その語源は、甚だジャパニーズ・スラングなのである。つまり近代日本において認知された、精肉工程で発生する廃棄物としての内蔵等を食すという食文化。それはむしろ、好んで喰うのとは正反対だったのだ。内蔵だったら安く買えて、貴重なタンパク源とできる。そんな極めて微妙にして、アンタッチャブルでもあり、ちょっとダークなホルモン食文化。これまでにも、「かすうどん」だったり、「せんじがら」だったり、「じゃりン子チエのホルモン串」なんかについて、食べログ紙面で考察してきた。

2016年7月31日

さて、ホルモン食文化研究会の四回目報告書は、またも西国ホルモン食文化聖地の一つである、広島県のシブい物件である。広島都心からは少し距離を置いた、町工場や事務所と住宅が混在する市街区に、ぽつねんと建つ何とも枯れた木造モルタル塗り住宅の1階部分がこの食堂である。お店を引き目で眺めると、完全に昭和50年代から時間が止まってしまったような、何ともB級グルメ・テーマパークチックな食堂である。

【天ぷら15個】1500円
ここのホルモン喰いの特徴は、何と言ってもホルモンを天ぷらにして食すこと。と言うかある意味、ここは天ぷら屋さんと思って頂きたい。天ぷらの素材としての、いくばくかの野菜と、たんぱく源としてのホルモン。それにおでん。昼下がりの店内には、かなりザクッとした鷹揚さが漂ってて、基本接客と言う所作はない。こんな訳で、ここが一見客のための食堂でないことを否応なしに知ることになる。でもこの空気感、決して嫌いじゃない一見客の私。

カウンターには油染みたまな板と小型の包丁からなるテーブルセットが出来上がってて、出された天ぷらを自分で切り刻んで喰うのだ。もうB級パラダイス!!しかし、前述の空気感に少しでも溶け込もうとするならば、もはやちまちまオーダーするのは七面倒くさいのである。で、肉と野菜を適当に混ぜて15個揚げてくらはいとオーダー。提供されたのは、テッチャン、ミノ、センマイ、レバーにスジ肉の5種類肉天ぷらが10個と、アスパラ、レンコン、ゴボウ、タマネギ等の野菜天ぷらが5個の計15個。どれでも1個100円なので〆て1500円也の明朗会計である。恥ずかしながら皆目飲めぬ私は、この天ぷら群をおかずにして白飯を掻き込むより他にない。お勧めのポン酢一味唐辛子に加えて、塩オンリー、何も付けずに試してみたが、やはり「何も付けずに」が何気に一番好み。包丁で切り刻んだホルモン天ぷらは望外にソフトでジューシー。切り刻む行為自体も楽しいが、切断面を眺めて初めて肉種が分かる楽しいオマケ付き。ちなみに170円也の大ライスは250g程で炊きは硬めである。

【まとめ】
包丁でコリコリやりながらジョッキを空けるのも良し、白飯のおかずにするのも良し。「天ぷら○本と白飯ね!!」とオーダーできる余裕があるなら、これは極めてシンプルなメニュー構成じゃなかろうか。炎天下土曜の昼下がりから、店の脇のテント下じゃ老若男が入り混じり、ホルモン天ぷらとおでんでと生ビで盛り上がっている。全く以って超ドB級な魅力に満ちてるこの感じ。そりゃあ正調天ぷら屋の海老天に勝てないことなんて分かりきっている。でもそれだけじゃないんだよなぁ。正しく土着系広島ホルモン食文化の一例である。

  • 天ぷら15個おまかせ盛合せ
  • まな板でセルフカット喰い
  • ポン酢一味唐辛子ダレで喰う

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10位

カリフォルニア (岩国 / サンドイッチ、アメリカ料理)

2回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2017/05訪問 2017/06/22

創り手の意図が直感的に感じられるミニミニ的逸品

既報で書いた通り、長らくスルーし続けてた事を最近になって後悔した名店である。元々は米海兵隊岩国基地を除隊された初代が、昭和中期に夫婦で始められた海兵隊さん相手のB級フードテイクアウト店。今はご子息が後を継がれて2代目。その親子相伝の味わいは、私にはかなりの訴求力がある。だからきっと、ここの料理の何を喰っても私は旨いと言うだろう。そんなアバウトな確信にはちゃんと理由があって、それは最後のまとめの部分できっと文字にできるはず。私的には山口県では数少ない名店であることに疑いなし。

【JAMBALA(No.5)】650円
トマトベースのジャンバラヤのアレンジレシピか。無論、真正ジャンバラヤのように生米から煮られたものではなく、だから焼き飯の亜流ではある。それでもニューオーリンズ風宜しく、トマトベースにガッツリとケイジャンスパイスが効いた味わいは南部メリケン流儀のパワフルさ。しかもこいつは最辛レベルのNo.5、唐辛子レベルじゃここまで持ち上げることは難しく、もはやハバネロ級辛味。CoCo壱で言うなら7辛クラスの辛味レベルだろうか。因みに私はCoCo壱じゃ基本10辛なので、これ位の辛味が実に心地良い。一方、無駄な具材は潔くカットされてて、目立つのはゴロゴロ鶏ムネ肉、それに玉子と僅かなタマネギ程度。そんなシンプルな見た目ながら、ガッチリ煽られてて気が入った仕上がりなのは一口瞭然だ。これだけ辛味が立っているのに、ケイジャン風味をガッツリ感じられる辺りも高品質さの証なんである。あくまでB級だが。

【DEEP FRIED CHICKEN SKIN】250円
鶏皮チップス。金・土曜日の限定メニューで、実は売り切れしばしばの隠れ人気メニュー。土曜日の昼過ぎで、既に残り僅かなのをゲットした。その英名の通り相当な深揚げなので、揚げ油が滲みこむのと引き換えに、鶏皮本来の脂は殆ど流去されたと見えて、これまた和名の通りチップス状態。カサカサのカラカラ。なるほどこれが海兵隊さんの好み味なのか。

【Las Cola】100円
前報と被るが、やはりこのお店ではオーダー必須アイテム。実は歴とした神戸富永貿易株式会社製の国産コーラ(もちろん原液は輸入だろうが)。コカ・コーラやペプシ・コーラに馴れた舌には、何とも爽やか&コーラ臭いイニシエた味わい。それがここの料理にドンピシャなんである。

【まとめ】
どれも紛う事ない真性B級料理。それでも創り手のスピリット-例えB級でも、喰い手の口に入るその瞬間まで、最良の状態で提供したい-それがビシバシと伝わって来る高貴さ。ワンコインちょいのチキンサンドや焼き飯に、全力投球してるのが喰えば判る。もちろん限られた予算だから上限はある。それでもその上限ギリギリにまで迫ろうという姿勢が高貴なんである。だからB級のA級。さて、当の海兵隊さん達は一体、何を感じて喰ってるのだろう。一度感想を訊いてみなきゃならんな。
ライフスタイルは(それほど大袈裟なもんでもないのだが・・・)、人の食志向にも影響するか?多分イエス。久々にハーレーに跨る時、妙にメリケンな喰い物を探しに行きたくなるほど、私は単純なオヤジなのである。で、山口県内じゃここしかあるまい、米海兵隊基地の町岩国へ、バババババ~っと疾走す。

2016年11月12日

基地の門前には、兵隊さん相手のお店がそれなりに連なるのだが、ここ岩国のそれは何だか妙に地味目。和風な街並みに何気なく溶け込み気味なのが昔から好きだ。なので、さ~っと通り過ぎるとあまり気付かないのだけれど、それでも横文字看板のメキシカンパブには、真昼間からオフの海兵隊員がダラダラたむろしていたり。そんな妙にジャパメリカンな通りに、長く腰を据えるテイクアウトサンドイッチ店が一軒。

【POLLO SAND】550円
ポヨサンドとはチキンサンドの意。耳ありサンドイッチ用食パンに挟まれるのは、鶏モモ、チェダー、マヨにレタス。極めてシンプルながら、トーストの具合も抜かりないし、レタスは厚みもしっかりだし、チェダーのマッタリ風味は正にアメリカン。それにも増してメインのロースト鶏モモが白眉なんである。1/3くらいにカットされた鶏モモは、厚みがシッカリ残ってて、噛めば噛むほどパンからグリグリはみ出して来る肉感。オリジナルのつけダレに1夜漬け込まれた、ケイジャン風の下味も実に押し出し感があって、ブロイラーの何処が悪い!!って感じのワイルド&ウエスタンさ。滴る脂に手がベッタベタになるのも、お上品さんには無縁の世界で実に私好み。熱々作り立てのこのサンド、550円って値付けはかなりリーズナブルだと思いたい。

【Las cola】100円
"Losangels sun shine"とか缶にプリントされてるから、てっきり米国産の地場コーラかと思ったら、何と国産。神戸の富永食品製だって。だけどもきっちり甘くて、例のいにしえコーラ特有のカラメル臭がスカッと冴えるクラシックテイスト。やっぱ、ここのガッツリサンドには、特保な澄ましコーラは似合わない。100円って昭和価格も気分である。

【まとめ】
海兵隊上がりの先代とその奥さんが興された基地門前のテイクアウト・サンド店。それを引き継ぐ2代目店長がきっちり守る30余年越しの味。そのオーダーメイド手作り感は、私的にはケンタの鶏サンドより上だと太鼓判を押したい。山口旨いものミニミニ10選にランクインして良いかも。喰ってみたいメニューが数あるので、こりゃあリピ決定である。今まで何でスルーしてたんだろう。ま、得てしてそんなもんなのだが・・・

  • ジャンバラNo.5
  • CoCo壱の7辛クラスの刺激度
  • 実に辛くて実に風味良し!!

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